説明

吊下げ治具

【課題】 被吊り下げ体の傾斜角度及び向きを設置箇所の斜面の傾斜角度及び向きに容易にかつ高精度で合わせることができる吊下げ治具を提供する。
【解決手段】 被吊下げ体10に一体に取り付けられる取付け部2と、取付け部2に一体に設けられるとともに、ワイヤー17を取り付けるための吊下げ孔8が所定の間隔ごとに複数箇所に設けられる吊下げ部6とを備える。吊下げ部6の所定の吊下げ孔8にワイヤー17を取り付け、このワイヤー17をクレーンのフック15に取り付け、クレーンを操作してワイヤー17を介して被吊下げ体10を吊り下げることにより、被吊下げ体10が使用する吊下げ孔8に対応した角度に傾斜し、かつ、その傾斜角度に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受圧板等の被吊下げ体を吊り下げるための吊下げ治具に関し、特に、受圧板等の被吊下げ体を傾斜させた状態で保つ機能を備えた吊下げ治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、グラウンドアンカー用として使用される受圧板31は、図10及び図11に示すように、略円錐台形状をなすものであって、地山50の斜面51上に、斜面51の傾斜角度、向きに合わせて設置され、この受圧板31を介して地山50に打設されるテンドン(図示せず)の緊張力が地山50側に伝達され、地山50に地すべり等が生じるのが防止される。
【0003】
上記のような構成の受圧板31を地山50の斜面51上に設置するには、図10及び図11に示すように、2台のクレーン(又はチェーンブロック)を用い、受圧板31の周面の4箇所にそれぞれアイボルト38を介してワイヤー37の一端部を取り付ける。
【0004】
そして、斜面51の上位側となる受圧板31の部分に取り付けた2本のワイヤー37、37の他端部を一方のクレーン(又はチェーンブロック)のフック36に取り付け、斜面51の下位側となる受圧板31の部分に取り付けた2本のワイヤー37、37の他端部を他方のクレーン(又はチェーンブロック)のフック35に取り付ける。
【0005】
そして、一方のクレーン及び他方のクレーンを操作し、一方のクレーンのフック35の上下方向の位置及び他方のクレーンのフック36の上下方向の位置を調整することにより、受圧板31の傾斜角度を地山50の斜面51の傾斜角度に合わせる。そして、受圧板31を矢印の方向に押すことにより、受圧板31の水平方向の向きを地山50の斜面51の向きに合わせる。そして、このような傾斜角度の調整作業、向きの調整作業を行うことにより、受圧板31が地山50の所定の位置の斜面51上に設置される。
【0006】
そして、受圧板31を地山50の斜面51上に設置した後に、地山50に打設したテンドン(図示せず)の上端部を受圧板31の中心部の貫通孔32内を挿通させ、ジャッキ(図示せず)によりテンドンを緊張させ、テンドンの上端部に定着具(図示せず)を装着し、テンドンを緊張させた状態に保持することにより、テンドンの緊張力を地山50側に伝達させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のように2台のクレーン(又はチェーンブロック)を使用して受圧板31を地山50の斜面51上に設置する場合に、2台のクレーン(又はチェーンブロック)を操作して、一方のクレーンのフック35及び他方のクレーンのフック36の上下方向の位置を調整して受圧板31の角度を調整しなければならないため、その作業に多大な労力と時間を有し、作業効率が低下し、工期が長くなってしまう。
【0008】
また、クレーンを操作する作業者の熟練度によって受圧板31の傾斜角度の調整にばらつきが生じるため、常に一定の精度で受圧板31を斜面51上に設置することができない。このため、図12に示すように、受圧板31と斜面51との間に不陸調整用マット52を使用する場合には、受圧板31の傾斜角度、向きを調整する作業中に、不陸調整用マット52に傷を付けたり、損傷させたりする虞があるため、受圧板31の傾斜角度の調整に多大な労力と時間がかかり、作業効率が低下し、工期が長くなってしまう。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、受圧板等の被吊り下げ体を地山の斜面上に設置する場合、受圧板等の被吊り下げ体の傾斜角度及び向きを設置箇所の斜面の傾斜角度及び向きに容易にかつ高精度で合わせることができ、これにより、受圧板等の被吊り下げ体を斜面へ設置する際に要する労力、時間を大幅に削減することができ、作業効率を高め、工期を短縮することができる吊下げ治具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、被吊下げ体をワイヤーにより吊り下げて設置箇所に搬送し、設置箇所の斜面上に設置するための吊下げ治具であって、前記被吊下げ体に一体に取り付けられる取付け部と、該取付け部に一体に設けられるとともに、ワイヤーを取り付けるための吊下げ孔が所定の間隔ごとに複数箇所に設けられる吊下げ部とを備え、前記吊下げ部の所定の吊下げ孔にワイヤーを取り付け、該ワイヤーを介して前記被吊下げ体を吊り下げることにより、前記吊下げ体が使用する吊下げ孔に応じた角度に傾斜し、かつ、その傾斜角度に保持されるように構成したことを特徴とする。
本発明による吊り下げ治具によれば、取付け部を被吊下げ体に一体に取り付け、吊下げ部の所定の吊下げ孔にワイヤーを取り付け、ワイヤーを介して被吊下げ体を吊下げることにより、被吊下げ体が使用する吊下げ孔に応じた角度に傾斜し、その傾斜角度に保持されることになる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の吊下げ治具であって、前記吊下げ部の複数の吊下げ孔は、前記吊下げ体の重心を通る線からの距離がそれぞれ異なるように位置が設定されていることを特徴とする。
本発明による吊下げ治具によれば、吊下げ部の複数の吊下げ孔は、吊下げ体の重心を通る線からの距離がそれぞれ異なるように位置が設定されているので、設置箇所の斜面の傾斜角度に対応した吊下げ孔を使用することにより、各種の傾斜角度の斜面に対応することが可能となる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の吊下げ治具であって、前記吊下げ部は、前記取付け部に一体に連結される一対のアーム板を有し、各アーム板にそれぞれ所定の間隔ごとに吊下げ孔が設けられていることを特徴とする。
本発明による吊下げ治具によれば、一対のアーム板の所定の吊下げ孔にワイヤーを取り付け、ワイヤー及び吊下げ治具を介して被吊下げ体を吊下げることにより、被吊下げ体が所定の角度に傾斜し、その傾斜角度に保持されることになる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の吊下げ治具であって、前記吊下げ体の取付け部には、他の物との干渉を避けるための中空部が形成されていることを特徴とする。
本発明による吊下げ治具によれば、被吊下げ体が中空部を有するものであって、これを取り付けるときに、当該中空部を他の物が通過するものであっても、干渉することを下げられる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の吊り下げ治具によれば、取付け部を被吊下げ体に取り付け、吊下げ部の所定の吊下げ孔にワイヤーを取り付け、このワイヤーをクレーンのフックに取り付け、クレーンを操作してフックを上昇させることにより、被吊下げ体を使用する吊下げ孔に対応した角度に傾斜させることができ、その傾斜角度に保持することができることになる。従って、被吊下げ体を設置箇所の斜面上に設置する場合に、従来のように、2台のクレーンを使用して各クレーンのフックの上下方向の位置を調整する必要はなく、1台のクレーンを使用して設置箇所に搬送するだけで足りるので、被吊下げ体の傾斜角度の調整が容易となり、被吊下げ体の設置に要する手間及び時間を大幅に削減でき、作業効率を高めることができ、工期を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図9には、本発明による吊り下げ治具の一実施の形態が示されていて、図1は吊下げ治具の全体を示す平面図、図2は図1の正面図、図3は吊下げ治具の使用状態を示す正面図、図4は図3の側面図、図5は吊下げ治具と被吊下げ体との相対的な位置決め方法の説明図、図6〜図9は吊下げ治具と被吊下げ体の傾斜角度との関係を示す説明図である。
【0016】
すなわち、この実施の形態に示す吊下げ治具1は、被吊下げ体10、例えば受圧板11をクレーン15により地山20の斜面21上に設置する作業に適用したものであって、受圧板11へ取り付けるための取付け部2と、取付け部2に一体に設けられるとともに、吊下げ用のワイヤー17を掛着させるための吊下げ部6とを備えている。
【0017】
取付け部2は、図1及び図2に示すように、中空円環板状の取付け板3と、取付け板3の外周部に一体に設けられる略三角形板状の一対の補強板5、5とから構成されている。取付け板3には、その中心を中心とする同心円上に、周方向に向かって所定の間隔ごとに複数のねじ挿通用の孔4が貫通した状態で設けられ、これらのねじ挿通用の孔4内に挿通させたねじ(図示せず)により取付け部2が受圧板11の上部に取り付けられる。取付け板3が中空円環板状となっているので、吊下げ治具1の中央部が空いており、これにより、被吊下げ体10が受圧板11である場合のように中空部を有するものであって、これを取り付けるときに、当該中空部を図示しないグラウンドアンカーのアンカーテンドンが通過するようなものであっても、吊下げ治具1がアンカーテンドンのような被吊下げ体10の中を通過する物と干渉することがない。
【0018】
吊下げ部6は、略長方形板状をなす一対のアーム板7、7を有し、各アーム板7は取付け部2の取付け板3及び補強板5の外周部に、取付け板3の中心を中心として互いに平行となるように、かつ、取付け板3の上下面に対して上下面が直交するように、溶接等により一体に連結されている。
【0019】
両アーム板7、7は、一端が取付け部2の取付け板3の略中心に対応する位置に位置し、その位置から取付け板3の接線方向に延出して、他端が補強板5の先端よりも外方に突出している。両アーム板7、7の補強板5から突出している部分は、補強板5及び取付け板3に連結されている部分に対して所定の角度で下方に屈曲し、この屈曲している部分の先端部間に、アーム板7、7間の間隔を一定に保つための支持板9が溶接等により一体に連結されている。
【0020】
各アーム板7には、長手方向に向かって所定の間隔ごとに上下面間を貫通する複数の吊下げ孔8が設けられ、各吊下げ孔8内にそれぞれアイボルト等を介してワイヤー17が掛着可能に構成されている。
【0021】
各アーム板7の複数の吊下げ孔8は、図2中、左から2番目の吊下げ孔8(第1吊下げ孔8a)が取付け板2の中心に対応する位置に位置し、この第1吊下げ孔8aを基準として、左方向に所定の寸法離れた位置に第2吊下げ孔8bが設けられ、第1吊下げ孔8aから右方向に所定の間隔ごとに第3吊下げ孔8c、第4吊下げ孔8d……第12吊下げ孔8lが設けられている。一方のアーム板7の第1吊下げ孔8a、第2吊下げ孔8b、……第12吊下げ孔8lと、他方のアーム板7の第1吊下げ孔8a、第2吊下げ孔8b、……第12吊下げ孔8lとは、取付け板3を挟んで互いに対向するように設けられている。
【0022】
受圧板11は、図3及び図4に示すように、コンクリート等から形成される略円錐台形状をなすものであって、中心部に軸線方向に貫通する貫通孔12が設けられ、この貫通孔12内をグラウンドアンカーのテンドン(図示せず)が挿通するように構成されている。受圧板11の上面側の貫通孔12の周縁部には、周方向に向かって所定の間隔ごとに複数のねじ孔(図示せず)が設けられ、このねじ孔内に吊下げ治具1の取付け部2の各ねじ挿通用の孔4内に挿通させたねじ(図示せず)を螺合させることにより、吊下げ治具1が受圧板11の上部に取り付けられる。
【0023】
そして、上記のように構成したこの実施の形態による吊下げ治具1を用いて被吊下げ体10である受圧板11を地山20の斜面21上に設置するには、まず、取付け部2を受圧板11の上部に位置して、取付け板3のねじ挿通用の孔4を受圧板11のねじ孔に一致させ、取付け板3の各ねじ挿通用の孔4内にねじ(図示せず)を挿通させ、各ねじを受圧板11側のねじ孔に螺合させて締め付け、取付け部2を介して吊下げ治具1を受圧板11に取り付ける。この場合、図5に示すように、吊下げ治具1を受圧板11に固定する前に、吊下げ治具1を受圧板11上で回転させて、受圧板11を地山20の斜面21上に設置したときに上位となる受圧板11の部分に吊下げ治具1の吊下げ部6を位置させ、受圧板11の円周方向に対する吊下げ治具1の相対的な位置決めをする。
【0024】
そして、図3及び図4に示すように、吊下げ治具1の吊下げ部6の各アーム板7の所定の吊下げ孔8a〜8l内にアイボルト等を介してワイヤー17の一端部を掛着させ、ワイヤー17の他端部をクレーン15のフックに掛着させる。この場合、図示はしないが、1本のワイヤーを両アーム板7、7の所定の吊下げ孔8a〜8l間に掛着させても良い。
【0025】
そして、クレーンを操作することにより、2本のワイヤー17、17及び吊下げ治具1を介して受圧板11を上昇させ、受圧板11を地山20の所定の位置に搬送し、地山20の斜面21上に設置する。
【0026】
この場合、受圧板11は、ワイヤー17、17を掛着させる吊下げ孔8a〜8lの位置に応じた角度に傾斜し、その傾斜角度を保った状態で地山20の所定の位置に搬送されるので、地山20の斜面21の傾斜角度に対応する吊下げ孔8a〜8lを用いることにより、斜面21への設置の際に、図3に矢印で示すように、受圧板11の水平方向の向きのみを調整すれば良いことになる。
【0027】
すなわち、アーム板7に設ける複数の吊下げ孔8a〜8lを、各種の傾斜角度の斜面に対応するように予め設定しておくことにより、設置箇所において、受圧板11の傾斜角度を調整する必要はなく、受圧板11の向きを斜面の向きに合わせる作業だけですむことになる。
【0028】
この実施の形態においては、第1吊下げ孔8a〜第12吊下げ孔8l(第1吊下げ孔8a、第3吊下げ孔8c、第4吊下げ孔8d、第12吊下げ孔8lのみ表示。)に対応する受圧板11の傾斜角度を図6〜図9に示すように設定している。
【0029】
(1)第1吊下げ孔
図6に示すように、第1吊下げ孔8aにワイヤー17を掛着させた場合には、第1吊下げ孔8aが受圧板11の重心を通る線上に位置することになるので、受圧板11は水平(ワイヤー17と受圧板11の底面とのなす角度が90°)となる。
【0030】
(2)第3吊下げ孔
図7に示すように、第3吊下げ孔8cにワイヤー17を掛着させた場合には、第3吊下げ孔8cが受圧板11の重心を通る線から所定の距離離れていることにより、受圧板11は所定の角度(ワイヤー17と受圧板11の底面とのなす角度が79°)に傾斜する。
【0031】
(3)第4吊下げ孔
図8に示すように、第4吊下げ孔8dにワイヤー17を掛着させた場合には、第4吊下げ孔8dが受圧板11の重心を通る線から所定の距離離れていることにより、受圧板11は所定の角度(ワイヤー17と受圧板11の底面とのなす角度が58°)に傾斜する。
【0032】
(4)第12吊下げ孔
図9に示すように、第12吊下げ孔8lにワイヤー17を掛着させた場合には、第12吊下げ孔8lが受圧板11の重心を通る線から所定の距離離れていることにより、受圧板11は所定の角度(ワイヤー17と受圧板11の底面とのなす角度が21°)に傾斜する。
【0033】
上記のように構成したこの実施の形態による吊下げ治具1にあっては、受圧板11をワイヤー17を介して吊下げることにより、受圧板11を所定の角度に傾斜させ、その傾斜角度に保つことができるので、地山20の斜面21上に設置する場合に、受圧板11の向きを斜面21の向きに合わせる作業だけで済むことになる。
【0034】
従って、受圧板11の地山20の斜面21上への設置作業が容易となり、設置に要する手間、時間を大幅に削減することができる。
【0035】
また、受圧板11の傾斜角度を設定する場合に、1台のクレーンの操作によって受圧板11を所定の傾斜角度に容易に設定することができるので、受圧板11を所定の傾斜角度に設定する作業の効率を高めることができる。
【0036】
さらに、使用する吊下げ孔8a〜8lの位置に応じた角度に受圧板11の傾斜角度が設定されることになるので、設置精度を大幅に高めることができ、不陸調整用マットを地山20と受圧板11との間に介装させる場合にも、不陸調整用マットを傷つけたり、損傷させたりする虞はない。
【0037】
さらに、使用する吊下げ孔8a〜8lの位置に応じた角度に受圧板11の傾斜角度が設定されることになるので、1つの吊下げ治具1で各種の傾斜角度の斜面に対応することができ、汎用性を高めることができる。
【0038】
なお、前記の説明においては、被吊下げ体10を受圧板11としたが、そのほかのものを被吊下げ体としても良いものであり、その場合にも受圧板11と同様の効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による吊下げ治具の一実施の形態を示した平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の吊下げ治具の使用状態を示した正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図1の吊下げ治具と被吊下げ体との相対的な位置決め方法の説明図である。
【図6】図1の吊下げ治具と被吊下げ体の傾斜角度との関係を示す説明図である。
【図7】図1の吊下げ治具と被吊下げ体の傾斜角度との関係を示す説明図である。
【図8】図1の吊下げ治具と被吊下げ体の傾斜角度との関係を示す説明図である。
【図9】図1の吊下げ治具と被吊下げ体の傾斜角度との関係を示す説明図である。
【図10】従来の被吊下げ体の設置方法の一例を示した正面図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】従来の被吊下げ体の設置方法の他の例を示した説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 吊下げ治具
2 取付け部
3 取付け板
6 吊下げ部
7 アーム板
8 吊下げ孔
9 支持板
10 被吊下げ体
11、31 受圧板
20、50 地山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被吊下げ体をワイヤーにより吊り下げて設置箇所に搬送し、設置箇所の斜面上に設置するための吊下げ治具であって、
前記被吊下げ体に一体に取り付けられる取付け部と、該取付け部に一体に設けられるとともに、ワイヤーを取り付けるための吊下げ孔が所定の間隔ごとに複数箇所に設けられる吊下げ部とを備え、前記吊下げ部の所定の吊下げ孔にワイヤーを取り付け、該ワイヤーを介して前記被吊下げ体を吊り下げることにより、前記吊下げ体が使用する吊下げ孔に応じた角度に傾斜し、かつ、その傾斜角度に保持されるように構成したことを特徴とする吊り下げ治具。
【請求項2】
前記吊下げ部の複数の吊下げ孔は、前記吊下げ体の重心を通る線からの距離がそれぞれ異なるように位置が設定されていることを請求項1に記載の吊下げ治具。
【請求項3】
前記吊下げ部は、前記取付け部に一体に連結される一対のアーム板を有し、各アーム板にそれぞれ所定の間隔ごとに吊下げ孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊下げ治具。
【請求項4】
前記吊下げ体の取付け部には、他の物との干渉を避けるための中空部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吊下げ治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−8292(P2006−8292A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185439(P2004−185439)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(390036504)日特建設株式会社 (99)
【出願人】(592016784)守谷鋼機株式会社 (16)
【出願人】(302061613)住友電工スチールワイヤー株式会社 (163)
【出願人】(000228660)日本コンクリート工業株式会社 (50)
【Fターム(参考)】