説明

同期/非同期変換装置およびクロック制御方法

【課題】専用のクロック回線を設けることなく、SDH/SONET装置などの同期伝送装置をLAN網など非同期伝送網を介してエラーフリーで接続することが可能な同期/非同期変換装置およびクロック制御方法を提供する。
【解決手段】同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段と、前記バッファ監視手段の出力に応じて前記バッファから読み出すクロックを可変するクロック制御手段とを設け、前記クロック制御手段は、前記バッファ使用量が増加する場合は前記バッファから読み出すクロックを速くし、前記バッファ使用量が減少する場合は前記バッファから読み出すクロックを遅くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
同期伝送装置であるSDH/SONET装置をLAN(Local Area Network)網を介して接続するための同期/非同期変換装置およびクロック制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットが急速に普及し、IP(Internet Protocol)パケットを使用するオフィス内のLANを相互接続してWAN(Wide Area Network)を構築するのが一般的である。LANで使用されるIPパケットはIEEE802.3に定められる非同期通信であるが、LAN間を接続する通信事業者の専用線においては、ITU−T(国際電気通信連合)の定める国際標準規格であるSDH(Synchronous Digital Hierarchy)あるいは米国標準規格であるSONET(Synchronous Optical NETwork)などの同期伝送方式が用いられている。(非特許文献1のITU−T勧告Gシリーズ参照)
一方で、インターネットの普及に伴って、LAN間をそのままIPパケットで接続してWANを構築できるLAN網のサービスを提供する通信事業者が増加してきている。特に、拠点間の距離によって料金体系が異なるSDH/SONETなど従来のサービスに対して、広域のLAN網のサービスは価格が安く、サービスエリア内であれば距離に関係なく定額のものもあり、コストメリットが大きくなっている。さらに、設備投資コストも同期網対応の設備に比べると、普及しているLAN対応の設備の方が割安な場合が少なくない。
【0003】
このように、SDH/SONETなど既存の専用線サービスがある一方で、割安なLAN網のサービス(広域LAN網など)が急速に普及してきており、既存の同期通信網の代わりに非同期のLAN網を擬似的に利用するシステムが求められている。
図11(a)は、一般的なSDH/SONET伝送路901を介して、SDH装置751とSDH装置755とを接続する通信システムを示す。SDH装置751はマスタCLK756から同期クロックが供給され、同期クロックは伝送データと共にSDH/SONET伝送路901を介してSDH装置755に送られ、SDH装置755はSDH/SONET伝送路901から受ける同期クロックで動作して、お互いに通信することができる。
【0004】
しかし、SDH/SONET伝送路901を使用せずに、安価なLAN網753を介してSDH装置を接続しようとすると、図11(b)に示すように、同期/非同期変換装置(SoE装置)が必要となる。ここで、SoEはSDH/SONET over Ethernet(登録商標)の略で、SDH伝送装置をLAN網753を介して通信できるようにする変換装置である。同図において、SDH伝送装置751が入出力するSDHデータはSoE装置757でLANパケットに変換されてLAN網753を介して通信先のSoE装置758に接続される。SoE装置758は送受信するLANパケットをSDHデータに変換して、SDH伝送装置755に入出力する。ところが、SDH伝送装置751とSoE装置757はマスタCLK756から基準となるマスタクロックが供給されるが、LAN網753は非同期通信網なのでクロック伝送は行われないため、別系統のクロック専用線を用意して、通信先のSoE装置758とSDH伝送装置755とに同期クロックを供給するようになっていた。
【非特許文献1】ITU−T勧告Gシリーズ標準書(G.774シリーズ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、非特許文献1のITU−T勧告G.774シリーズに記載されているように、SDH/SONETなどに接続する伝送装置は、網側から同期クロックの供給を受け、これに同期させてデータを送受信する必要がある。これに対して、LAN網では、情報を送る時だけ物理層にデータを載せるバースト通信などが行われ、常時、同期クロックを伝送する必要がない。そのため、既設のSDH/SONET装置をLAN網に接続するには、SDH/SONET装置を動作させるためのクロックを伝送する伝送路が別途必要になり、LAN網を利用するためにクロック用の専用線を準備しなければならないという問題が生じ、逆にコスト高になるという問題がある。
【0006】
また、LAN網を介してデータ伝送すると、パケットの伝送経路などによってパケットの到着時間が異なるため、送信側のデータ間隔と受信側のデータ間隔とにずれが生じる。このような、ゆらぎが大きくなると、対応できなくなり、データエラーが発生する。
上記に鑑み、本発明の目的は、専用のクロック回線を設けることなく、SDH/SONET装置などの同期伝送装置をLAN網など非同期伝送網を介してエラーフリーで接続することが可能な同期/非同期変換装置およびクロック制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、マスタクロックを有しない同期伝送網と、非同期伝送網とを接続する同期/非同期変換装置において、前記同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段と、前記バッファ監視手段の出力に応じて前記バッファから読み出すクロックを可変するクロック制御手段とを設け、前記クロック制御手段は、前記バッファ使用量が増加する場合は前記バッファから読み出すクロックを速くし、前記バッファ使用量が減少する場合は前記バッファから読み出すクロックを遅くすることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、マスタクロックを有しない同期伝送網と、非同期伝送網とを接続する同期/非同期変換装置において、前記同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段とを設けた。さらに、前記バッファ監視手段の出力に応じて、前記バッファから読み出すクロックを供給する装置クロック制御部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量が増加する場合は前記装置クロック制御部に直ぐにクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量が減少する場合は前記装置クロック制御部に直ぐにクロックを遅くするよう出力することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、前記装置クロック制御部に統計処理部を設け、前記統計処理部は、前記バッファ監視手段が出力する情報を予め定められた期間で統計処理を行い、該統計処理の結果に応じて、前記装置クロック制御部が出力するクロックの速さを増減することを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量が前記バッファ容量の全容量に近づいた場合は前記装置クロック制御部にクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量がゼロに近づいた場合は前記装置クロック制御部にクロックを遅くするよう出力することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量がオーバーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量がアンダーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを遅くするよう出力することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、マスタクロックを有する同期伝送網に接続された第1の同期/非同期変換装置と、マスタクロックを有しない同期伝送網に接続された第2の同期/非同期変換装置とを非同期伝送網を介して接続する同期/非同期変換装置において、前記第1の同期/非同期変換装置に、前記第2の同期/非同期変換装置から受信する受信フレーム監視手段と、タイミングパケット生成送出手段とを設け、前記第2の同期/非同期変換装置に、タイミングパケット受信手段と、前記マスタクロックを有しない同期伝送網にデータを出力するクロックを制御するクロック制御手段とを設けた。そして、前記受信フレーム監視手段は、定期的に送られてくる単位時間内のフレーム数を前記タイミングパケット生成送出手段によって前記第2の同期/非同期変換装置に送信し、前記タイミングパケット受信手段は、受信したタイミングパケットの情報を前記クロック制御手段に出力し、前記クロック制御手段は、単位時間内のフレーム数が多い場合はクロックを遅くし、単位時間内のフレーム数が少ない場合はクロックを速くすることを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る発明は、マスタクロックを有しない同期伝送網と、非同期伝送網とを接続する同期/非同期変換装置のクロック制御方法において、前記同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段と、前記バッファ監視手段の出力に応じて、前記バッファから読み出すクロックを供給する装置クロック制御部と、前記装置クロック制御部に統計処理部を設けた。ここで、前記統計処理部は、前記バッファ監視手段が出力する情報を予め定められた期間で統計処理を行い、該統計処理の結果に応じて、前記装置クロック制御部が出力するクロックの速さを増減するよう制御することを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の同期/非同期変換装置のクロック制御方法において、前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量がオーバーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量がアンダーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを遅くするよう出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る同期/非同期変換装置およびクロック制御方法は、マスタクロックを有する同期伝送網に接続された同期/非同期変換装置から非同期伝送網を介して接続されたマスタクロックを有しない同期/非同期変換装置を、常に、マスタクロックを有する同期伝送網のクロックに追従させることができ、バッファのオーバーフローやアンダーフローによる伝送エラーを防止することができる。また、非同期伝送網で生じたゆらぎによる影響もバッファの制御で少なくできる。
【0015】
これによって、既設のSDH/SONET装置をそのまま広域のLAN網で利用でき、設備コストや通信コストの低減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る同期/非同期変換装置およびクロック制御方法の実施形態について説明するが、先ず、同期/非同期変換装置を用いる通信システム全体の構成について、図9を用いて説明する。尚、同図の構成は、全ての実施形態に共通である。同図において、751はSDH伝送装置あるいはSDH/SONET網、752はマスタクロックを有する同期/非同期変換装置(SoE装置)、753は非同期通信網であるLAN網、754はマスタクロックを有しないSoE装置、755はSDH伝送装置あるいはSDH/SONET網、756はマスタCLKをそれぞれ示す。
【0017】
マスタCLK756を有する側のSDH伝送装置751とSoE装置752は、マスタクロックがマスタCLK756から供給されており、この同期タイミングに合わせて動作する。ところが、マスタクロックを有しない側のSDH伝送装置755とSoE装置754には、マスタクロックが供給されないので、SoE装置754はSDH伝送装置755に同期クロックを供給しなければならない。以下に述べる第1から第6の実施形態は、マスタクロックを有しないSoE装置754に関するものである。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態のSoE装置101の構成を示すブロック図である。SoE装置101は、受信LANフレームからクロック抽出して装置制御を行うクロック処理系と、このクロック処理系とは独立して受信LANフレームから分解したSDHデータを蓄積するバッファの監視を行い、バッファの読み出し速さを制御する専用のPLLを設けて、バッファの読み出し量が一定になるようにPLLにフイードバックする主信号処理系とで構成されている。
【0019】
同図において、102はSoE装置101を構成する主信号処理部、103は主信号処理部102から出力される受信パケット情報あるいはバッファ情報のいずれかの情報からクロックの速さを制御する情報を抽出するCLK抽出部、104はSoE装置101内の各部にクロックを供給するCLK部である。
CLK部104において、121はREF生成部、122はPLL、123はクロックを装置内に分配して供給するCLK分配部をそれぞれ示す。REF生成部121は、CLK抽出部103が出力するクロックの速さを制御する情報に応じて、リファレンスクロックを生成する。PLL122はREF生成部121が出力するリファレンスクロックでPLL動作を行い、VCO(図示せず)でクロックを発生させる。PLL122で発生したクロックは、CLK分配部123で装置内の必要箇所に供給される。
【0020】
主信号処理部102において、106はLAN網から受信パケットデータ105を入力するLAN終端部、107はLAN終端部106が受信したLANパケットをIEEE802.3の規定に従って処理する受信パケット処理部、108はLANパケットを分解してカプセリングされているSDHデータを取り出して送信するカプセル分離/SDH送出部、109はカプセル分離/SDH送出部108が送出のタイミングに合わせるためにカプセル分離したSDHデータを一旦保持しておくバッファ、110はSDHデータを時分割多重(TDM)して外部に接続されたSDH/SONET伝送装置あるいはSDH/SONET網に出力するSDH/TDM終端部をそれぞれ示す。LAN網から受信する受信パケットデータ105は、LAN終端部106,受信パケット処理部107,カプセル分離/SDH送出部108およびSDH/TDM終端部110の順に処理されてSDHデータに変換される。
【0021】
また、111は外部に接続されたSDH/SONET伝送装置あるいはSDH/SONET網(図示せず)からSDHデータを入力するSDH/TDM終端部、112は入力したSDHデータをIEEE802.3の規定に従ってLANパケットにカプセリングするSDH受信/カプセル化部、113はカプセル化されたLANパケットを送出する送信パケット処理部、114は送信パケットデータ115をLAN網に送信するLAN終端部をそれぞれ示す。尚、SDH/TDM終端部110および111はSDHの物理層のインターフェースを行う部分、LAN終端部106および114はLANの物理層のインターフェースを行う部分である。SDH/SONET装置から入力するSDHデータは、SDH/TDM終端部110,SDH受信/カプセル化部112,送信パケット処理部113およびLAN終端部114の順に処理されてLANパケットデータに変換される。このようにして、SDH/SONET伝送装置あるいはSDH/SONET網に送受信するSDHデータをLANパケットデータに変換してLAN網を介して送受信できる。
【0022】
次に、クロック処理方法について説明する。主信号処理部102において、116はバッファ監視部、117はCLK変動分抽出部、118は周波数補正部、119はREF生成部、120はPLLをそれぞれ示す。カプセル分離/SDH送出部108はバッファ109に蓄積したSDHデータを読み出す際に、PLL120が出力するクロックに同期させてSDHデータを読み出し、SDH/TDM終端部110を介してSDH/SONET網に出力する。
【0023】
ここで、PLL120が使用するリファレンスクロックの生成について説明する。バッファ監視部116はバッファ109のバッファ使用量を常に監視しており、バッファ使用量をCLK変動分抽出部117に出力する。CLK変動分抽出部117は、バッファ使用量が予め設定された所定値よりも多くなると、クロックの周波数を速めるように周波数補正部118に指示し、逆に、バッファ使用量が予め設定された所定値よりも少なくなると、クロックの周波数を遅めるように周波数補正部118に指示する。周波数補正部118は、CLK変動分抽出部117の指示に従って、CLK部104が出力する装置内クロックを速くしたり遅くしたりして調整し、REF生成部119に出力する。REF生成部119は、周波数補正部118から入力したクロックを分周するなどして、PLL120のリファレンスクロックを生成する。このようにして、主信号処理部102は、バッファ109の使用量が増え過ぎたり、減り過ぎたりしないように制御できる。
【0024】
このように、第1の実施形態では、SoE装置101は、CLK抽出して装置内にクロックを供給するクロック系とは独立して、主信号処理部102でバッファ監視を行い、バッファの読み出し専用のPLL120を設けてバッファ109の読み出し速度を制御する。従って、バッファ109の使用量が一定になるように、PLL120にフイードバックすることで、クロック系とは独立した細かい制御を行うことができる。これによって、非同期網であるLAN網を介してマスタクロックを有する同期系のSONET/SDH伝送網に接続した場合でも、クロックのずれやLAN網のゆらぎの影響を受けることなく、エラーフリーで通信することができる。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る同期/非同期変換装置の第2の実施形態について、図2を用いて説明する。第1の実施形態のと異なる部分は、SoE装置200の主信号処理部102に図1の周波数補正部118,REF生成部119およびPLL120が無いことと、CLK変動分抽出部117の出力がCLK部104に入っていることである。また、CLK部104に新たに周波数補正部201が設けられており、主信号処理部102のCLK変動分抽出部117の出力は、この周波数補正部201に入っている。つまり、第1の実施形態で、主信号処理部102で独立して行っていたバッファ109の読み出しクロックの制御をCLK部104で兼ねている。上記以外の部分は、第1の実施形態と同じなので、ここでの説明は省略する。
【0026】
さて、図2において、バッファ監視部116からバッファ109の使用状況を受けたCLK変動分抽出部117は、第1の実施形態の場合と同様に、バッファ使用量が予め設定された所定値よりも多くなると、クロックの周波数を速めるように周波数補正部201に指示し、逆に、バッファ使用量が予め設定された所定値よりも少なくなると、クロックの周波数を遅めるように周波数補正部201に指示する。CLK部104の周波数補正部201は、CLK変動分抽出部117の指示とCLK抽出部103の両方の指示に従って、装置内のクロック発信器(図示せず)が出力する周波数を速くしたり遅くしたりして調整し、REF生成部121に出力する。REF生成部121は、周波数補正部201から入力したクロックを分周するなどして、PLL122のリファレンスクロックを生成する。PLL122はこのリファレンスクロックにロックした周波数のクロックをCLK分配部123に出力し、CLK分配部123からSoE装置200内の各部にクロックが供給される。
【0027】
このように、第2の実施形態において、SoE装置200は、主信号処理部102でバッファ監視を行い、CLK部104のクロック系を利用して、バッファ109の読み出しクロックを制御できる。従って、バッファ109の使用量が一定になるように、PLL122にフイードバックでき、非同期網であるLAN網を介してマスタクロックを有する同期系のSONET/SDH伝送網に接続した場合でも、クロックのずれやLAN網のゆらぎの影響を受けることなく、エラーフリーで通信することができる。
【0028】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る同期/非同期変換装置の第3の実施形態について、図3を用いて説明する。同図はCLK抽出部103の構成を中心に描いたもので、301はフレームカウントパラメータテーブル、302は受信フレームレート統計処理部、303はフレームカウント部をそれぞれ示す。尚、本実施形態のSoE装置は、第1および第2の実施形態で説明した図1および図2のいずれの構成でも構わない。
【0029】
図3において、主信号処理部102の受信パケット処理部107が出力する受信パケット間隔(単位時間当たりの受信フレーム数)に関する情報は、受信フレームレート統計処理部302およびフレームカウント部303に入力される。受信フレームレート統計処理部302は、受信パケット処理部107から入力した受信パケット間隔に応じてフレームカウントパラメータテーブル301から受信フレーム数をカウントする時間を選択する。例えば、単位時間当たりの受信フレーム数が所定値より多い場合や少ない場合は、受信フレームをカウントする時間を短くし、逆に、単位時間当たりの受信フレーム数が所定値に近い場合は、受信フレームをカウントする時間を長くするようなパラメータを選択して、フレームカウント部303に指示する。これを受けたフレームカウント部303は、カウントした値をCLK部104に出力し、CLK部104はこのカウント値に応じて、クロックを速くしたり遅くしたり制御して、装置内の各部にクロックを供給する。
【0030】
次に、クロック制御処理の流れについて、フローチャートを用いて説明する。図4のフローチャートは、図3のCLK抽出部103内の受信フレームレート統計処理部302およびフレームカウント部303の処理と、CLK部104の処理とを示す。
【0031】
図4において、S101は処理の開始、S102は受信フレーム情報入力処理、S103は受信フレーム情報記憶処理、S104はパラメータ選択処理、S105はフレームカウント処理、S106はカウント値出力処理、S107はカウント比較処理、S108はクロック周波数を上げる処理、S109はクロック周波数を下げる処理、S110は処理の終了をそれぞれ示す。尚、ステップS102からステップS104は受信フレームレート統計処理部302の処理を示し、ステップS105とステップS106はフレームカウント部303の処理を示し、ステップS107からステップS109はCLK部104の処理をそれぞれ示す。
【0032】
さて、ステップS101で処理が開始されると、ステップS102において、主信号処理部102の受信パケット処理部107から単位時間当たりの受信フレーム数を入力する。ステップS103において、ステップS102で入力した単位時間当たりの受信フレーム数を過去のフレームレートデータ記憶部401に記憶する。ステップS104において、ステップS103が出力する現在の単位時間当たりの受信フレーム数と過去のフレームレートデータ記憶部401に記憶された過去の単位時間当たりの受信フレーム数とからレート変化率を算出して、フレームカウントパラメータテーブル301から算出したレート変化率に応じたカウントパラメータを取り出す。ここで、フレームカウントパラメータテーブル301には、符号305で示したようなテーブルが記憶されている。
【0033】
テーブル305は、例えば、レート変化率が3%未満の場合はカウントパラメータを1時間、レート変化率が3%以上10%未満の場合はカウントパラメータを30分、レート変化率が10%以上30%未満の場合はカウントパラメータを10分、レート変化率が30%以上50%未満の場合はカウントパラメータを1分、レート変化率が50%以上の場合はカウントパラメータを1秒、という具合にレート変化率とカウントパラメータとを対応づけている。また、ステップS104において、過去のフレームレートデータ記憶部401に記憶されている過去のフレームレートデータを参照する際に、過去の所定期間、例えば、数日間や数ヶ月間の平均値を参照するように処理しても構わないし、昼間と夜間などに分けて参照するようにしても構わない。過去のフレームレートデータを統計的に処理するのが特徴である。
【0034】
次に、フレームカウント部303の処理に移り、ステップS105において、ステップS104で選択されたカウントパラメータに基づいて、受信フレーム数をカウントする。例えば、フレームカウントパラメータが1分であれば、1分間の受信フレーム数をカウントする。ステップS106において、ステップS105で所定時間カウントされた受信フレーム数(カウント値)をCLK部104に出力する。
【0035】
次に、CLK部104の処理に移り、ステップS107において、ステップS106が出力するカウント値と予め設定されている基準値との大小を比較する。基準値より大きい場合、つまり、所定時間内の受信フレーム数が多い場合は、ステップS108の処理に移る。基準値より小さい場合、つまり、所定時間内の受信フレーム数が少ない場合は、ステップS109の処理に移る。ステップS108において、クロック周波数を上げるように処理する。ステップS109において、クロック周波数を下げるように処理する。ステップS110において、一連のクロック周波数の制御が終了する。
【0036】
このように、所定時間内の受信フレーム数が多い場合は、クロック周波数を上げて、バッファ109に受信フレームが溜り過ぎないように処理し、所定時間内の受信フレーム数が少ない場合は、クロック周波数を下げて、バッファ109の受信フレームが不足し過ぎないように処理するので、バッファ109のオーバーフローやアンダーフローが防止され、常に安定して、LAN網からSDH/SONET網にデータを変換することができる。特に、ステップS105において、受信フレームをカウントする時間をレート変化率によって変えるようにしたので、単位時間当たりの受信フレーム数が急激に変化した場合は、カウントパラメータが小さくなり、短時間での追従が可能となる。逆に、単位時間当たりの受信フレーム数がほとんど変化しない場合は、カウントパラメータを大きくして、長時間でカウントするので、ワンダのような長時間にわたる微妙な変化に対応することができる。
【0037】
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る同期/非同期変換装置の第4の実施形態について説明する。尚、第4の実施形態のブロック図は第3の実施形態の図3と同じなので、説明は省略する。第3の実施形態と異なるのは、クロック制御処理の流れに関する部分で、これをフローチャートを用いて説明する。図5のフローチャートは、図3のCLK抽出部103内の受信フレームレート統計処理部302とフレームカウント部303の処理と、CLK部104の処理とを示す。また、第3の実施形態と同じ符号で示した部分は同じ処理を示す。
【0038】
図5において、ステップS603は単位時間当たりのフ受信レームレートを算出する処理、S604はレート変化率でフレームカウントパラメータを選択する処理をそれぞれ示す。第3の実施形態のように、過去のフレームレートデータを統計的に処理するのではなく、単純にステップS603で算出した受信フレームレートを予め設定した基準値と比較してレート変化率を算出する。算出したレート変化率に応じたカウントパラメータをフレームカウントパラメータテーブル301のテーブル305から選択する。フレームカウント部303およびCLK部104で処理する部分は、第3の実施形態と同じである。
【0039】
このように、受信フレームレートの変化率が大きい場合は、クロック周波数を上げて、バッファ109に受信フレームが溜り過ぎないように処理し、受信フレームレートの変化率が小さい場合は、クロック周波数を下げて、バッファ109のデータが不足し過ぎないように処理する。このようにして、バッファ109のオーバーフローやアンダーフローが防止され、常に安定して、LAN網からSDH/SONET網にデータを変換することができる。
【0040】
尚、図3のブロック図において、第3の実施形態の図4のクロック制御処理と、第4の実施形態の図5のクロック制御処理とを選択できるようにして、使用状況に応じた動作をさせることも可能である。
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る同期/非同期変換装置の第5の実施形態について説明する。図6は第3の実施形態の図3と基本的に同じで、CLK抽出部103の構成を中心に描いた図である。また、本実施形態のSoE装置は、第1および第2の実施形態で説明した図1および図2のいずれの構成でも構わない。第3の実施形態と異なる部分は、図3のCLK抽出部103内の受信フレームレート統計処理部302の代わりにCLK抽出パラメータ処理部702が配置されていることと、主信号処理部102のバッファ監視部116の出力がCLK抽出パラメータ処理部702に入力されていることである。
【0041】
図6において、CLK抽出パラメータ処理部702は、主信号処理部102のバッファ監視部116からバッファ109の使用量(あるいは残量)を受け取り、使用量に応じてフレームカウントパラメータテーブル301から受信フレーム数をカウントする時間を選択する。例えば、CLK抽出パラメータ処理部702は、バッファ109の使用量が予め設定した範囲よりも多い場合や少ない場合は、受信フレームをカウントする時間を短くするフレームカウントパラメータを選択し、逆に、使用量が予め設定した範囲にある場合は、受信フレームをカウントする時間を長くするフレームカウントパラメータを選択して、フレームカウント部303に指示する。これを受けたフレームカウント部303は、受信パケット処理部107の受信フレームをカウントした値をCLK部104に出力し、CLK部104はこのカウント値に応じて、クロックの速度を制御して、SoE装置内の各部にクロックを供給する。
【0042】
次に、クロック制御処理の流れについて、フローチャートを用いて説明する。図7のフローチャートは、図6のCLK抽出部103内のCLK抽出パラメータ処理部702およびフレームカウント部303の処理と、CLK部104の処理とを示す。
図7において、S802はバッファ109の使用量の入力処理、S803はバッファ使用量を記憶する処理、S804はパラメータ選択処理をそれぞれ示す。ステップS802からステップS804はCLK抽出パラメータ処理部702の処理を示す。尚、第3の実施形態と同符号の部分は同じ処理を示す。
【0043】
さて、ステップS101で処理が開始されると、ステップS802において、主信号処理部102のバッファ監視部116からバッファ109の使用量を受け取る。ステップS803において、ステップS802で入力したバッファ使用量を過去のバッファ使用量データ記憶部801に記憶する。ステップS804において、ステップS803が出力する現在のバッファ使用量と過去のバッファ使用量データ記憶部801に記憶された過去のバッファ使用量とからバッファの使用量の変化率を算出する。さらに、フレームカウントパラメータテーブル301から算出したバッファ使用量変化率に応じたカウントパラメータを取り出す。ここで、フレームカウントパラメータテーブル301には、符号805で示したようなテーブルが記憶されている。
【0044】
テーブル805は、例えば、バッファの使用量変化率が3%未満の場合はカウントパラメータを1時間、使用量変化率が3%以上10%未満の場合はカウントパラメータを30分、使用量変化率が10%以上30%未満の場合はカウントパラメータを10分、使用量変化率が30%以上50%未満の場合はカウントパラメータを1分、使用量変化率が50%以上の場合はカウントパラメータを1秒、という具合に使用量変化率とカウントパラメータとを対応づけている。また、ステップS804において、過去のバッファ使用量データ記憶部801に記憶されている過去のバッファ使用量データを参照する際に、過去の所定期間、例えば、数日間や数ヶ月間の平均値を参照するように処理しても構わないし、昼間と夜間などに分けて参照するようにしても構わない。過去のバッファ使用量データを統計的に処理するのが特徴である。
【0045】
次に、フレームカウント部303の処理に移り、ステップS105において、ステップS804で選択されたカウントパラメータに基づいて、受信フレーム数をカウントする。ステップS106以降の処理は、第3の実施形態と同様に行われ、フレームカウントパラメータに応じた時間で受信フレーム数をカウントし、カウント値によってクロック周波数を制御する。つまり、バッファ使用量が多い場合は、ステップS108でクロック周波数を上げるように処理し、バッファ使用量が少ない場合は、ステップS109でクロック周波数を下げるように処理する。
【0046】
このように、主信号処理部102のバッファ監視部116が出力するバッファ109の使用量が多い場合は、クロック周波数を上げて、バッファ109に受信フレームが溜り過ぎないように処理し、バッファ109の使用量が少ない場合は、クロック周波数を下げて、バッファ109の受信フレームが不足し過ぎないように処理するので、バッファ109のオーバーフローやアンダーフローが防止され、常に安定して、LAN網からSDH/SONET網にデータを変換することができる。特に、ステップS804において、受信フレームをカウントする時間をバッファ109の使用量の変化率によって変えるようにしたので、単位時間当たりの受信フレーム数が急激に変化した場合は、カウントパラメータが小さくなり、短時間での追従が可能となる。逆に、単位時間当たりの受信フレーム数がほとんど変化しない場合は、カウントパラメータを大きくして、長時間でカウントするので、ワンダのような長時間にわたる微妙な変化に対応することができる。
【0047】
(第6の実施形態)
次に、本発明に係る同期/非同期変換装置の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態のブロック図は第5の実施形態の図7と同じで、CLK抽出パラメータ処理部702の処理が異なる。図8はクロック制御処理の流れを示すフローチャートで、図7のCLK抽出部103内のCLK抽出パラメータ処理部702およびフレームカウント部303の処理と、CLK部104の処理とを示す。また、第5の実施形態と同じ符号で示した部分は同じ処理を示す。以下、第5の実施形態と異なる部分について説明する。
【0048】
図8のステップS152において、主信号処理部102のバッファ監視部116からバッファ109のフロー情報(オーバーフローしたか、アンダーフローしたかを示す情報)を受け取る。ステップS154において、ステップS152で入力したフロー情報に基づいて、フレームカウントパラメータテーブル301からカウントパラメータを選択する。ここで、フレームカウントパラメータテーブル301には、符号806で示したようなテーブルが記憶されている。
【0049】
テーブル806は、例えば、バッファのフロー状態がオーバーフローやアンダーフロー状態である場合は、カウントパラメータを1秒とし、バッファのフロー状態がオーバーフローやアンダーフローをしていない場合は、カウントパラメータを10分として、ステップS105に選択したフレームカウントパラメータを引き渡す。この後のフレームカウント部303およびCLK部104で処理する部分は、第3の実施形態と同様に行われ、フレームカウントパラメータに応じた時間で受信フレーム数をカウントし、カウント値によってクロック周波数を制御する。つまり、フレームカウントパラメータに応じた時間での受信フレーム数が多い場合は、ステップS108でクロック周波数を上げるように処理し、受信フレーム数が少ない場合は、ステップS109でクロック周波数を下げるように処理する。
【0050】
このように、バッファ109でオーバーフローやアンダーフローが発生した時は、カウントパラメータを短くして処理するので、迅速にバッファ109のオーバーフローやアンダーフローを回避できる。また、バッファ109でオーバーフローやアンダーフローが発生していない時は、カウントパラメータを大きくして、長時間でカウントするので、ワンダのような長時間にわたる微妙な変化に対応することができる。
【0051】
尚、第6の実施形態では、オーバーフローやアンダーフローが発生後に処理するようにしたが、バッファ監視部116にオーバーフローやアンダーフローが発生しそうな状態になった時にフロー情報をCLK抽出パラメータ処理部702に渡すようにすれば、バッファ109のオーバーフローやアンダーフローを未然に防止することが可能である。
また、図6のブロック図において、第5の実施形態の図7のクロック制御処理と、第6の実施形態の図8のクロック制御処理とを選択できるようにしても構わない。あるいは、第5の実施形態と第6の実施形態とを複合することで、使用状況に応じた動作をさせることも可能である。
【0052】
以上、第1の実施形態から第6の実施形態まで説明してきたように、本発明に係る同期/非同期変換装置およびクロック制御方法によれば、マスタクロックを有する同期伝送網に接続された同期/非同期変換装置から非同期伝送網を介して送られてきた受信データを、マスタクロックを有しない同期伝送網に接続された同期/非同期変換装置のバッファに蓄積し、バッファの使用量や受信フレームレートの変化率に応じてバッファから読み出すクロックを可変するようにしたので、常に、マスタクロックを有する同期伝送網のクロックに追従させることができ、バッファのオーバーフローやアンダーフローによる伝送エラーを防止することができる。また、ワンダや非同期伝送網で生じたゆらぎによる影響も、バッファから読み出すクロックを制御することで少なくできる。
【0053】
最初に述べたように、第1から第6の実施形態は、図9のSoE装置754に関するもので、LAN網753から受け取る受信フレームレートやバッファ使用量などに基づいてSDHデータを再生してSDH伝送装置755やSDH/SONET網に出力できる。これによって、専用のクロック回線を設けることなく、既設のSDH/SONET装置をそのまま広域のLAN網で利用でき、設備コストや通信コストの低減が可能となる。尚、マスタクロックを有する側のSoE装置752は、第1から第6の実施形態で説明したマスタクロックを有しない側のSoE装置754において、クロック制御を行わず、全てマスタCLK756から供給されるクロックに同期して動作すること以外は、図1または図2と同様の構成で実現できる。
【0054】
(第7の実施形態)
次に、本発明に係る同期/非同期変換装置の第7の実施形態について説明する。第1から第6の実施形態は、マスタクロックを有しない図9のSoE装置754に関するものであったが、本実施形態は、SoE装置752とSoE装置754を連携させて動作させる構成になっている。図10において、SoE装置752およびSoE装置754はクロック制御に関する部分だけ記載しており、それ以外の部分は、図1または図2と同様の構成である。
【0055】
マスタCLK756を有するSoE装置752において、フレームカウント部703は、マスタCLK756のクロックで受信パケット処理部107で受け取る受信フレーム数を予め設定された所定時間毎にカウントする。対向装置周波数制御部851は、フレームカウント部703のカウント値が予め定めた基準値と比較して、多い場合は周波数を下げるように指示する周波数制御情報を、少ない場合は周波数を上げるように指示する周波数制御情報を、LANフレーム生成部852に出力する。LANフレーム生成部852は、図1の第1の実施形態のSDH受信/カプセル化部112と送信パケット処理部113とを複合した処理を行う部分で、対向装置周波数制御部851が出力する周波数制御情報をカプセリングしてLANパケットとしてLAN網753を介してSoE装置754に送信する。
【0056】
マスタクロックを有しないSoE装置754において、LAN網753を介して送られてきた周波数制御情報を含むLANパケットは、周波数制御情報分離部854でカプセル分離され、周波数制御情報が取り出される。周波数制御情報を受け取ったCLK生成部855は、周波数制御情報が周波数を上げるように指示している場合はクロック周波数を上げ、周波数を下げるように指示している場合はクロック周波数を下げてSoE装置754の装置内にクロックを供給する。尚、CLK生成部855は、図1におけるCLK抽出部103とCLK部104とを複合した処理を行う部分で、周波数制御情報に基づいて、装置内に供給するクロック周波数を制御する。LANフレーム生成部853はSoE装置752のLANフレーム生成部852と同様に動作し、送信データをカプセリングしてLANパケットとしてLAN網753を介してSoE装置752に送信する。
【0057】
このように、SoE装置754が送出するLANパケットの受信フレームをSoE装置752のマスタCLK756でカウントすることで、常にマスタCLK756とのずれを正確に計測できる。このずれを無くす方向にSoE装置754のクロックを制御するために、SoE装置752は、クロックの制御方向を指示する周波数制御情報をからSoE装置754に送るので、SoE装置754をマスタCLK756に同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るSoE装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るSoE装置のブロック図である。
【図3】第3および第4の実施形態のクロック制御部分のブロック図である。
【図4】第3の実施形態のクロック処理のフローチャートである。
【図5】第4の実施形態のクロック処理のフローチャートである。
【図6】第5および第6の実施形態のクロック制御部分のブロック図である。
【図7】第5の実施形態のクロック処理のフローチャートである。
【図8】第6の実施形態のクロック処理のフローチャートである。
【図9】第1乃至第6の実施形態の通信システム全体のブロック図である。
【図10】第7の実施形態のクロック制御部分のブロック図である。
【図11】従来の通信システム全体のブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
101,200,752,754・・・SoE装置
102・・・主信号処理部
103・・・CLK抽出部
104・・・CLK部
107・・・受信パケット処理部
109・・・バッファ
116・・・バッファ監視部
117・・・CLK変動分抽出部
118,201・・・周波数補正部
119,121・・・REF生成部
120,122・・・PLL
301・・・フレームカウントパラメータテーブル
302・・・受信フレームレート統計処理部
303,703・・・フレームカウント部
401・・・過去のフレームレートデータ記憶部
702・・・CLK抽出パラメータ処理部
756・・・マスタCLK
801・・・過去のバッファ使用量データ記憶部
851・・・対向装置周波数制御部
852,853・・・LANフレーム生成部
854・・・周波数制御情報分離部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタクロックを有しない同期伝送網と、非同期伝送網とを接続する同期/非同期変換装置において、
前記同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、
前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、
前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段と、
前記バッファ監視手段の出力に応じて前記バッファから読み出すクロックを可変するクロック制御手段と
を設け、
前記クロック制御手段は、前記バッファ使用量が増加する場合は前記バッファから読み出すクロックを速くし、前記バッファ使用量が減少する場合は前記バッファから読み出すクロックを遅くすることを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項2】
マスタクロックを有しない同期伝送網と、非同期伝送網とを接続する同期/非同期変換装置において、
前記同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、
前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、
前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段と、
前記バッファ監視手段の出力に応じて、前記バッファから読み出すクロックを供給する装置クロック制御部と
を設けたことを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、
前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量が増加する場合は前記装置クロック制御部に直ぐにクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量が減少する場合は前記装置クロック制御部に直ぐにクロックを遅くするよう出力することを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、
前記装置クロック制御部に統計処理部を設け、
前記統計処理部は、前記バッファ監視手段が出力する情報を予め定められた期間で統計処理を行い、該統計処理の結果に応じて、前記装置クロック制御部が出力するクロックの速さを増減することを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、
前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量が前記バッファ容量の全容量に近づいた場合は前記装置クロック制御部にクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量がゼロに近づいた場合は前記装置クロック制御部にクロックを遅くするよう出力することを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の同期/非同期変換装置において、
前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量がオーバーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量がアンダーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを遅くするよう出力することを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項7】
マスタクロックを有する同期伝送網に接続された第1の同期/非同期変換装置と、マスタクロックを有しない同期伝送網に接続された第2の同期/非同期変換装置とを非同期伝送網を介して接続する同期/非同期変換装置において、
前記第1の同期/非同期変換装置に、前記第2の同期/非同期変換装置から受信する受信フレーム監視手段と、タイミングパケット生成送出手段とを設け、
前記第2の同期/非同期変換装置に、タイミングパケット受信手段と、前記マスタクロックを有しない同期伝送網にデータを出力するクロックを制御するクロック制御手段とを設け、
前記受信フレーム監視手段は、定期的に送られてくる単位時間内のフレーム数を前記タイミングパケット生成送出手段によって前記第2の同期/非同期変換装置に送信し、
前記タイミングパケット受信手段は、受信したタイミングパケットの情報を前記クロック制御手段に出力し、
前記クロック制御手段は、単位時間内のフレーム数が多い場合はクロックを遅くし、単位時間内のフレーム数が少ない場合はクロックを速くすることを特徴とする同期/非同期変換装置。
【請求項8】
マスタクロックを有しない同期伝送網と、非同期伝送網とを接続する同期/非同期変換装置のクロック制御方法において、
前記同期伝送網から受信したデータを前記非同期伝送網に出力する送信処理部と、
前記非同期伝送網から受信したデータをバッファを介して前記同期伝送網に出力する受信処理部と、
前記バッファ使用量の増減を監視するバッファ監視手段と、
前記バッファ監視手段の出力に応じて、前記バッファから読み出すクロックを供給する装置クロック制御部と、
前記装置クロック制御部に統計処理部を設け、
前記統計処理部は、前記バッファ監視手段が出力する情報を予め定められた期間で統計処理を行い、該統計処理の結果に応じて、前記装置クロック制御部が出力するクロックの速さを増減するよう制御することを特徴とする同期/非同期変換装置のクロック制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の同期/非同期変換装置のクロック制御方法において、
前記バッファ監視手段は、前記バッファ使用量がオーバーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを速くするよう出力し、前記バッファ使用量がアンダーフローした場合は前記装置クロック制御部にクロックを遅くするよう出力することを特徴とする同期/非同期変換装置のクロック制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−235217(P2007−235217A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50763(P2006−50763)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000237662)富士通アクセス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】