回転位置検出装置およびそれを用いたモータ駆動システム
【課題】低コストで信頼性が高く、かつ、小型化が容易な回転位置検出装置を提供する。
【解決手段】レゾルバ1は、ブリッジ回路を構成するように接続された4組のコイルL1〜L4を有するステータと、コイルL1〜L4のインダクタンスを正弦波状に変化させることが可能な形状を有するロータとを備える。励磁回路18は、基準パルス信号emに基づく励磁パルス信号をレゾルバ1に供給する。信号処理手段7は、基準パルス信号emを生成する処理と、基準パルス信号emあるいは基準パルス信号emを分周した信号に同期したA/D変換タイミング信号を生成する処理と、A/D変換タイミング信号に応じてレゾルバ1の出力信号をA/D変換する処理と、A/D変換処理結果に基づいてレゾルバ1のロータの回転位置を演算する処理とを実行するマイクロプロセッサを備える。
【解決手段】レゾルバ1は、ブリッジ回路を構成するように接続された4組のコイルL1〜L4を有するステータと、コイルL1〜L4のインダクタンスを正弦波状に変化させることが可能な形状を有するロータとを備える。励磁回路18は、基準パルス信号emに基づく励磁パルス信号をレゾルバ1に供給する。信号処理手段7は、基準パルス信号emを生成する処理と、基準パルス信号emあるいは基準パルス信号emを分周した信号に同期したA/D変換タイミング信号を生成する処理と、A/D変換タイミング信号に応じてレゾルバ1の出力信号をA/D変換する処理と、A/D変換処理結果に基づいてレゾルバ1のロータの回転位置を演算する処理とを実行するマイクロプロセッサを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバを使用する回転位置検出装置およびこの回転位置検出装置を用いたモータ駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レゾルバを使用する回転位置検出装置は、例えば、特許文献1によって提案されている。
この回転位置検出装置におけるレゾルバは、多相モータに組み込まれている。上記多相モータのステータは、等ピッチ角で配設された複数個の突極を有し、また、該モータのロータは、極性が異なる永久磁石を上記ステータの各突極に対向する形態で外周面に沿って交互に複数個配列してなる回転子極を有した構成を有する。
【0003】
上記ステータの突極は、トルクを発生するトルク極(多相モータの構成要素)と、上記回転子の位置を検出するためのセンサ極(レゾルバの構成要素)とに分けられ、各トルク極にはトルク巻線が、また、各センサ極にはセンサ巻線がそれぞれ巻回されている。
【0004】
上記各センサ巻線は、4つの組に分けられ、各組内の検出出力信号が最大になるように、かつ、各組内の誘起電圧が最小になるようにブリッジ接続されている。このセンサ巻線からなるブリッジ回路の二つの入力端子間に発振回路からの励磁信号が入力されると、上記ロータの回転に伴う該センサ巻線のインダクタンスの変化によって、このブリッジ回路の二つ出力端子から互いに位相が相違する正弦波信号がそれぞれ出力される。
【0005】
上記2つの正弦波信号は、同期検波回路によりロータの回転角度を変数とする正弦関数、余弦関数にそれぞれ変換され、その後、位置デコーダによって回転子角度信号に変換される。
なお、この回転子角度信号は、外部基準信号、またはマイクロプロセッサが出力する基準信号と比較される。そして、それらの信号の偏差に基づくモータ駆動信号が上記多相モータのトルク巻線に入力され、その結果、上記基準信号に従うように該モータが制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3812611号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の回転位置検出装置は、上記発振回路、同期検波回路、位置デコーダ等の回路要素を用いて回転位置を検出するので、コストが高くなり、かつ、大型化するという問題点を有する。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで信頼性が高くかつ小型化が容易な回転位置検出装置を提供すること、および、その回転位置検出装置を用いたモータ駆動システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る回転位置検出装置は、レゾルバ、励磁回路および信号処理手段を有し、
前記レゾルバは、ブリッジ回路を構成するように接続された4組のコイルを有するステータと、前記4組のコイルのインダクタンスを正弦波状に変化させることが可能な形状を有するロータとを備え、
前記励磁回路は、入力される所定周波数の基準パルス信号に基づいて、前記ブリッジ回路の第1の入力端子に前記基準パルス信号と同相の励磁パルス信号を供給すると共に、前記ブリッジ回路の第2の入力端子に前記基準パルス信号とは逆相の励磁パルス信号を供給するように構成され、
前記信号処理手段は、前記基準パルス信号を生成する処理と、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号に同期したA/D変換タイミング信号を生成する処理と、前記A/D変換タイミング信号に応じて、前記ブリッジ回路の第1および第2の出力端子から出力される第1および第2の位置情報信号をそれぞれA/D変換する処理と、前記A/D変換処理によって得られる第1および第2のデジタル位置情報信号に基づいて前記レゾルバのロータの回転位置を演算する処理と、を実行するマイクロプロセッサを備える。
【0010】
前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生させることができる。この場合、その遅延時間は前記第1および第2の位置情報信号に含まれるパルス波の値が安定するのに必要な時間に設定される。
【0011】
また、前記第1および第2の位置情報信号を通過させて該信号に含まれるノイズを低減するバンドパスフィルタを更に備えることができる。この場合、前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生させることができる。その遅延時間は、前記バンドパスフィルタを通過した前記第1および第2の位置情報信号に含まれる脈動波がピーク値を示すのに必要な時間に設定される。
【0012】
前記レゾルバは、一例として、前記ステータの磁極数が4に設定されるとともに、前記ロータの突極数が1に設定され、また、他の例として、前記ステータの磁極数が8に設定されるとともに、前記ロータの突極数が5に設定される。
また、前記信号処理手段のマイクロプロセッサで実行される処理中に、演算された前記ロータの回転位置の変化周期をM/2倍(Mは4以上の正の偶数)に拡張する処理をさらに含ませることも可能である。
【0013】
本発明は、上記の回転位置検出装置をモータの回転位置検出手段として使用し、この回転位置検出手段で検出される回転位置に基づいて前記モータを制御するように構成されたモータ駆動システムも提供する。
このモータ駆動システムにおいては、前記モータとして例えば永久磁石型モータが使用される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、励磁用および制御用のパルス信号を生成する発振回路、包絡線検波のための同期検波回路、位置信号を算出するための位置デコーダ等の回路要素を用いないので、低コストで信頼性が高くかつ小型化が容易な回転位置検出装置を提供すること、および、その回転位置検出装置を用いたモータ駆動システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る回転位置検出装置に使用されるレゾルバの構成例を示す概念図である。
【図2】図1のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す回路図である。
【図3】レゾルバの一方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図4】レゾルバの他方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図5】図3の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図6】図4の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図7】図5、図6の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図8】本発明に係るモータ駆動システムの構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る回転位置検出装置に使用されるレゾルバの他の構成を示す概念図である。
【図10】図9のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す回路図である。
【図11】図9のレゾルバの一方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図12】図10のレゾルバの他方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図13】図11の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図14】図12の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図15】図13、図14の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図16】図1のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の他の実施形態を示す回路図である。
【図17】図16のバンドパスフィルタの一方の出力信号を示す波形図である。
【図18】図16のバンドパスフィルタの他方の出力信号を示す波形図である。
【図19】図17の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図20】図18の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図21】図19、図20の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図22】図9のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の更に別の実施形態を示す回路図である。
【図23】図22のバンドパスフィルタの一方の出力信号を示す波形図である。
【図24】図22のバンドパスフィルタの他方の出力信号を示す波形図である。
【図25】図23の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図26】図24の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図27】図25、図26の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図28】図7、図21の計算結果を拡張処理することによって得られた2倍周期の回転位置変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る回転位置検出装置に使用されるレゾルバの構成例を示す概念図である。このレゾルバ1は、共に磁性材料で形成されたロータ3とステータ5とを備えている。
ロータ3は、1個の突極を有する。ステータ5は、等角度間隔(90°間隔)で順次配列する第1、第2、第3および第4の磁極を有し、これらに単一のコイルL1、L2、L3およびL4をそれぞれ巻着してある。
【0017】
図2は、上記レゾルバ1を使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す。
この図2に示すように、上記4組のコイルL1〜L4は、コイルL1、L2を上アームとしコイルL3、L4を下アームとするHブリッジ回路を構成するように接続されている。
上記Hリッジ回路において、コイルL1、L2の共通接続点は入力端子TIN1に、コイルL3、L4の共通接続点は入力端子TIN2に、コイルL1、L3の共通接続点は出力端子TOUT1に、コイルL2、L4の共通接続点は出力端子TOUT2にそれぞれ接続されている。
【0018】
ロータ3の形状は、コイルL1〜L4のインダクタンスがロータ3の回転に伴って正弦波状に変化するように設定されている。したがって、コイルL1、L3のインダクタンスの基本波とコイルL2、L4のインダクタンスの基本波は、互いに位相が90度異なることになる。
【0019】
上記レゾルバ1には、CPU、DSP等のマイクロプロセッサを処理手段として使用した信号処理装置7が接続される。この信号処理装置7は、信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13を備えている。
上記信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13は、説明の便宜上、個別の機能を有する構成体として示してある。しかし、実際には、この信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13の機能は上記マイクロプロセッサによるプログラム処理によってもたらされるものである。
【0020】
信号発生部9は、所定周波数(例えば20KHz)の基準パルス信号emを発生する。この基準パルス信号emは、マイクロプロセッサで使用されるベースクロック(例えば200MHz)を分周処理することによって得たものであり、励磁回路18のバッファ15を介してレゾルバ1の一方の入力端子TIN1に入力されるとともに、該励磁回路18のインバータ17を介してレゾルバ1の他方の入力端子TIN2に入力される。
【0021】
この結果、レゾルバ1のコイルL1〜L4が交番励磁パルス信号によって励磁されるので、該レゾルバ1のロータ3の回転に伴って、レゾルバ1の出力端子TOUT1,TOUT2から図3、図4に示すようなパルス状の信号V1a,V2aがそれぞれ出力される。図示のように、このレゾルバ1の出力信号V1a,V2aの振幅は、レゾルバ1のロータ3の位置変化に伴うコイルL1〜L4のインダクタンスの正弦波状変化に応じて正弦波状に変化する。
【0022】
一方、信号発生部9は、A/D変換タイミング信号を発生し、この信号をA/D変換部11に出力する。そこで、A/D変換部11は、この変換タイミング信号に応じて上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aをA/D変換する。
上記変換タイミング信号は、上記基準パルス信号emと同期しているものの、この基準パルス信号emのエッジから所定時間△tだけ遅延している。ここで、この遅延時間△tについて説明する。
【0023】
図示していないが、上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aのエッジの付近には、ノイズが重畳していることが多い。このノイズは、上記基準パルス信号emに基づく交番励磁パルス信号が誘導性負荷であるコイルL1〜L4に印加された際に過渡的に発生するものである。このため、上記基準パルス信号emをそのままA/D変換タイミング信号として使用すると、A/D変換結果に上記ノイズの影響が表れるおそれがある。
【0024】
上記遅延時間△tは、上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aのエッジ付近のノイズが消失もしくは所定値以下に低減するのに必要な所定の時間、換言すれば、レゾルバ1の出力信号V1a,V2aに含まれるパルス波の値が安定するのに必要な時間に設定される。もちろん、この遅延時間△tの基点は基準パルス信号emのエッジである。なお、上記遅延時間△t(例えば、数μsec)は、シミュレーションや実験等によって予め決定され、信号処理装置7に設けられた図示していないタイマで生成される。
上記のような変換タイミング信号によってA/D変換部11に変換動作を開始させる本実施形態によれば、信頼性の高いA/D変換結果を得ることが可能である。
【0025】
A/D変換部11に入力された上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aは、図5、図6に示す信号V1d,V2dに変換される。角度計算部13は、この信号V1d,V2dを入力し、下式(1)に基づいてロータ3の回転位置(角度)θを計算する。
θ=tan−(V1d/V2d) (1)
図7にθ(電気角)の計算結果を示す。このように、本実施形態の回転位置検出装置では、ロータ3が1回転(0°〜360°の機械変化)する間に電気的に1周期の位置信号(0°〜360°の電気角を示す信号)が得られる。
【0026】
上記したように、本実施形態に係る回転位置検出装置では、信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13における各処理が全て上記CPU、DSP等のマイクロプロセッサによって実行されるので、該マイクロプロセッサ以外のハードウエア要素が不要であり、したがって、コストの低減と小型化を図ることができる
【0027】
図8は、上記レゾルバ1を位置検出手段として用いた本発明に係るモータ駆動システムの実施形態を示す。このモータ駆動システムにおいて、レゾルバ1はモータ19(例えば、永久磁石型モータ)に結合されて、該モータ19と共に回転する。
レゾルバ1は、図2に示す励磁回路18からの励磁パルス信号で励磁されて前記信号V1a,V2aを出力する。制御回路20は、図2に示す信号処理装置7と同様にマイクロプロセッサからなる信号処理手段を内蔵し、その処理手段によって上記信号V1a,V2aをA/D変換するとともに、それによって得られる信号(図5、図6に示す信号V1d,V2dを参照)と上記式(1)とに基づいてレゾルバ1の回転位置、つまり、モータ19の回転位置θを算出する。
そして、制御回路20は、外部から入力される指令信号と上記回転位置θを示す信号とに基づいて、モータ19に上記指令信号に従った動作を行わせるための制御信号(例えば、PWM信号)を作成し、これを駆動回路21に出力する。そこで、駆動回路21は、例えばインバータ回路を用いて上記制御信号に対応する電力をモータ19に供給し、その結果、モータ19が上記指令信号に従って動作することになる。
【0028】
このモータ駆動システムによれば、制御回路20に組み込まれたマイクロプロセッサからなる処理手段が図2に示す信号処理装置7と同様の信号処理を実行するので、小型、低コスト化を図ることが可能である。
なお、このモータ駆動システムでは、レゾルバ1のロータ3が1回転する間に1周期の位置信号が得られるので、モータ19として極対数が1である2極モータが使用される。
【0029】
図9にレゾルバの他の構成例を示す。このレゾルバ10は、5個の突極を有するロータ3'と、等角度間隔(45°間隔)で順次配列する第1〜第8の磁極を有するステータ5'と、ステータ5'の各磁極にそれぞれ巻着した単一のコイルL11〜L18とを備えている。そして、このレゾルバ10のロータ3'は、その回転に伴って各コイルL11〜L18のインダクタンスが正弦波状に変化するように形成されている。
【0030】
図10は、上記レゾルバ10を使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す。この図10に示すように、コイルL11、16相互、コイルL12、15相互、コイルL13、18相互およびコイルL14、17相互は、それぞれ直列接続されている。
そして、コイルL11、16からなるA相コイル、コイルL12、15からなるB相コイル、コイルL13、18からなるC相コイルおよびコイルL14、17からなるD相コイルは、A相、C相コイルを上アームとしB相、D相コイルを下アームとするHブリッジ回路を構成するように接続されている。
このHブリッジ回路において、A相コイルとC相コイルの共通接続点は入力端子TIN1に、B相コイルとD相コイルの共通接続点は入力端子TIN2に、A相コイルとB相コイルの共通接続点は出力端子TOUT1に、C相コイルとD相コイルの共通接続点は出力端子TOUT2にそれぞれ接続されている。
【0031】
図10に示すように、上記レゾルバ10には、図2において説明した信号処理装置7が接続される。この信号処理装置7から前記基準パルス信号emが出力されると、レゾルバ10のコイルL11〜L18が交番励磁されるので、図9に示すロータ3'の回転に伴って、出力端子TOUT1,TOUT2から図11、図12に示すようなパルス状の信号V11a,V22aがそれぞれ出力される。図示のように、このレゾルバ10の出力信号V11a,V22aの振幅は、レゾルバ1のロータ3の位置変化によるコイルL11〜L18のインダクタンスの正弦波状変化に応じて正弦波状に変化する。
【0032】
A/D変換部11は、信号発生部9から与えられるA/D変換タイミング信号に応じて上記レゾルバ10の出力信号V11a,V22aをA/D変換する。
図2の実施形態の場合と同様に、上記変換タイミング信号は、上記基準パルス信号emのエッジから所定時間△tだけ遅延している。したがって、A/D変換部11は、ノイズによる変動を伴わない、つまり、安定状態にあるレゾルバ出力信号V11a,V22aをA/D変換する。
【0033】
図13、図14は、上記信号V11a,V22aをA/D変換することによって得られた信号V11d,V22dの変化態様をそれぞれ示す。角度計算部13は、この信号V11d,V22dを入力し、下式(2)に基づいてロータ3'の回転位置(角度)θを計算する。
θ=tan−(V11d/V22d) (2)
図15は、ロータ3'の回転位置θ(電気角)の計算結果を例示したものである。ロータ3'の機械角は、
θM=(1/5)tan−(V11d/V22d) (3)
であるので、電気角360°=機械角72°である。
このように、上記レゾルバ10を用いる回転位置検出装置では、ロータ3が72°機械変化する間に電気的に1周期の位置信号(0°〜360°の電気角を示す信号)が得られる。
【0034】
このレゾルバ10を用いた回転位置検出装置も、図8に示したようなモータ駆動システムに適用することができる。その場合、レゾルバ10のロータ3'が1回転する間に5周期の位置信号が得られるので、モータ19として極対数が5である10極モータが使用される。
【0035】
図16は、本発明に係る回転位置検出装置の別の実施形態を示す。この回転位置検出装置は、バンドパスフィルタ23を付加した点において図2に示す回転位置検出装置と相違している。
本実施形態では、レゾルバ1の出力信号V1a,V2a(図3、図4参照)が上記バンドパスフィルタ23に入力される。これによって、バンドパスフィルタ23からは、信号V1a,V2aに含まれたノイズが抑制または除去された図17、図18に示すような信号V1a',V2a'が出力される。
【0036】
信号処理装置7のA/D変換部11は、信号発生部9から出力されるA/D変換タイミング信号に応じて信号V1a',V2a'をA/D変換する。ここで、上記A/D変換タイミング信号について説明する。
上記バンドパスフィルタ23の出力信号V1a',V2a'は、正弦波を包絡線とする小周期の脈動波形を有するものであり、その脈動は前記基準パルス信号emに同期している。そこで、上記A/D変換タイミング信号は、上記基準パルス信号emに同期し、かつ、基準パルス信号emのエッジから所定の時間Δt'だけ遅延した時点、具体的には、上記信号V1a',V2a'における各脈動波形がピーク値を示す時点で発生するように設定される。
なお、上記遅延時間Δt'は、シミュレーションや実験等によって予め決定され、信号処理装置7に設けられた図示していないタイマで生成される。
上記のような変換タイミング信号によってA/D変換部11に変換動作を開始させる本実施形態によれば、信号V1a',V2a'の包絡線上の値をA/D変換することが可能になる。
【0037】
A/D変換部11からは図19、図20に示す信号V1d',V2d'が出力される。角度計算部13は、この信号V1d',V2d'を入力し、下式(1)'に基づいてレゾルバ1の回転位置(角度)θを計算する。
θ=tan−(V1d'/V2d') (1)'
図21にθ(電気角)の計算結果を示す。この図21の関係は、図7に示す関係に対応している。
【0038】
このバンドパスフィルタ23を用いた実施形態によれば、レゾルバ1の出力信号V1a,V2aの変動ノイズの他、レゾルバ1と信号処理装置7との間を結合する線路に入り込むノイズも低減もしくは除去されるので、特に、上記結合線路が長い場合に有効である。
なお、図8に示すモータ駆動システムに本実施形態の回転位置検出装置を適用する場合には、レゾルバ1と制御回路20との間に上記バンドパスフィルタ23が挿入されることになる。
【0039】
図22は、本発明に係る回転位置検出装置の更に別の実施形態を示す。この回転位置検出装置は、バンドパスフィルタ25を付加した点を除き、図10に示す回転位置検出装置と同様の構成を有している。
本実施形態では、レゾルバ10の出力信号V11a,V22a(図11、図12参照)が上記バンドパスフィルタ25に入力される。これによって、バンドパスフィルタ25からは、信号V11a,V22aに含まれたノイズが抑制または除去された図23、図24に示すような信号V11a',V22a'が出力される。
【0040】
信号V11a',V22a'に対する信号処理装置7の処理形態は、図16の実施形態における信号V1a',V2a'の処理形態に準じているので、ここではその詳細な説明を省略する。
A/D変換部11からは入力信号V11a',V22a'に対応するデジタル信号V11d',V22d'(図25、図26参照)が出力され、この結果、角度計算部13においてレゾルバ10の回転位置θが計算される(図27参照)。
なお、図8に示すモータ駆動システムに本実施形態の回転位置検出装置を適用する場合には、レゾルバ10と制御回路20との間に上記バンドパスフィルタ25が挿入されることになる。
【0041】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、以下に例示するような種々の変形態様を含むものである。
(1)本発明に適用するレゾルバは、図1に示すレゾルバ1や図9に示すレゾルバ10に限定されない。すなわち、本発明は、ロータの突極数が2n−1 (nは正の整数)でステータの磁極数が4nであるレゾルバであれば実施可能である。ただし、ロータの形状は、その回転に伴ってステータのコイルのインダクタンスが正弦波状に変化するように設定され、また、ステータのコイルは4組(A相コイル〜D相コイル)に分けられて、個々の組のコイルがブリッジ接続される。
このようなレゾルバを用いて図8に示したようなモータ駆動システムを構成する場合、モータ19として、磁極数2(2n−1)つまり磁極対数2n−1の永久磁石モータが適用される。もちろん、本発明のモータ駆動システムは、永久磁石モータの制御に限定されず、例えば、誘導モータの制御にも使用することができる。
【0042】
(2)レゾルバ1を用いた図2(図16)の実施形態によって得られる図7(図21)に示した1周期の位置変化(電気角変化)は、演算処理によってM/2(Mは4以上の正の偶数)周期の位置変化に拡張することが可能である。そして、このような拡張を行えば、レゾルバ1を図8のモータ駆動システムに適用した場合でも、M極モータを制御することが可能になる。例えば、Mを4として、図7(図21)に示した結果を図28に示すように4/2=2周期に拡張する処理を実行すれば、4極の永久磁石モータの制御に適用することが可能になる。上記の拡張処理は、例えば、図2(図16)に示す角度計算部13、つまり前記マイクロプロセッサに実行させることができる。その場合、角度計算部13は、図7(図21)に示した計算結果をM/2倍し、その値が電気角360°に達するたびに、電気角360°を減じる処理を実行する。図28の場合、位置変化(電気角変化)の各周期の境界(電気角が360°から0°に変化する点)が上記の電気角360°を減じる処理によって形成されることになる。
なお、図15(図27)に示す1周期の位置変化(電気角変化)に対しても同様の拡張処理を行うことが可能である。
【0043】
(3)前記各実施形態では、前記A/D変換部11に与えられるA/D変換タイミング信号として、前記基準パルス信号に同期した信号を用いているが、この基準パルス信号を分周した信号に同期した信号を上記A/D変換タイミング信号として用いても良い。このようなA/D変換タイミング信号として用いた場合、A/D変換周期が長くなるので、処理速度の低い低コストのマイクロプロセッサを適用することが可能になる。
【符号の説明】
【0044】
1、10 レゾルバ
3、3' ロータ
5、5' ステータ
L1〜L4、L11〜L18 コイル
7 信号処理装置
9 信号発生部
11 A/D変換部
13 角度計算部
15 バッファ
17 インバータ
18 励磁回路
19 モータ
20 制御回路
21 駆動回路
23、25 バンドパスフィルタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバを使用する回転位置検出装置およびこの回転位置検出装置を用いたモータ駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レゾルバを使用する回転位置検出装置は、例えば、特許文献1によって提案されている。
この回転位置検出装置におけるレゾルバは、多相モータに組み込まれている。上記多相モータのステータは、等ピッチ角で配設された複数個の突極を有し、また、該モータのロータは、極性が異なる永久磁石を上記ステータの各突極に対向する形態で外周面に沿って交互に複数個配列してなる回転子極を有した構成を有する。
【0003】
上記ステータの突極は、トルクを発生するトルク極(多相モータの構成要素)と、上記回転子の位置を検出するためのセンサ極(レゾルバの構成要素)とに分けられ、各トルク極にはトルク巻線が、また、各センサ極にはセンサ巻線がそれぞれ巻回されている。
【0004】
上記各センサ巻線は、4つの組に分けられ、各組内の検出出力信号が最大になるように、かつ、各組内の誘起電圧が最小になるようにブリッジ接続されている。このセンサ巻線からなるブリッジ回路の二つの入力端子間に発振回路からの励磁信号が入力されると、上記ロータの回転に伴う該センサ巻線のインダクタンスの変化によって、このブリッジ回路の二つ出力端子から互いに位相が相違する正弦波信号がそれぞれ出力される。
【0005】
上記2つの正弦波信号は、同期検波回路によりロータの回転角度を変数とする正弦関数、余弦関数にそれぞれ変換され、その後、位置デコーダによって回転子角度信号に変換される。
なお、この回転子角度信号は、外部基準信号、またはマイクロプロセッサが出力する基準信号と比較される。そして、それらの信号の偏差に基づくモータ駆動信号が上記多相モータのトルク巻線に入力され、その結果、上記基準信号に従うように該モータが制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3812611号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の回転位置検出装置は、上記発振回路、同期検波回路、位置デコーダ等の回路要素を用いて回転位置を検出するので、コストが高くなり、かつ、大型化するという問題点を有する。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで信頼性が高くかつ小型化が容易な回転位置検出装置を提供すること、および、その回転位置検出装置を用いたモータ駆動システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る回転位置検出装置は、レゾルバ、励磁回路および信号処理手段を有し、
前記レゾルバは、ブリッジ回路を構成するように接続された4組のコイルを有するステータと、前記4組のコイルのインダクタンスを正弦波状に変化させることが可能な形状を有するロータとを備え、
前記励磁回路は、入力される所定周波数の基準パルス信号に基づいて、前記ブリッジ回路の第1の入力端子に前記基準パルス信号と同相の励磁パルス信号を供給すると共に、前記ブリッジ回路の第2の入力端子に前記基準パルス信号とは逆相の励磁パルス信号を供給するように構成され、
前記信号処理手段は、前記基準パルス信号を生成する処理と、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号に同期したA/D変換タイミング信号を生成する処理と、前記A/D変換タイミング信号に応じて、前記ブリッジ回路の第1および第2の出力端子から出力される第1および第2の位置情報信号をそれぞれA/D変換する処理と、前記A/D変換処理によって得られる第1および第2のデジタル位置情報信号に基づいて前記レゾルバのロータの回転位置を演算する処理と、を実行するマイクロプロセッサを備える。
【0010】
前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生させることができる。この場合、その遅延時間は前記第1および第2の位置情報信号に含まれるパルス波の値が安定するのに必要な時間に設定される。
【0011】
また、前記第1および第2の位置情報信号を通過させて該信号に含まれるノイズを低減するバンドパスフィルタを更に備えることができる。この場合、前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生させることができる。その遅延時間は、前記バンドパスフィルタを通過した前記第1および第2の位置情報信号に含まれる脈動波がピーク値を示すのに必要な時間に設定される。
【0012】
前記レゾルバは、一例として、前記ステータの磁極数が4に設定されるとともに、前記ロータの突極数が1に設定され、また、他の例として、前記ステータの磁極数が8に設定されるとともに、前記ロータの突極数が5に設定される。
また、前記信号処理手段のマイクロプロセッサで実行される処理中に、演算された前記ロータの回転位置の変化周期をM/2倍(Mは4以上の正の偶数)に拡張する処理をさらに含ませることも可能である。
【0013】
本発明は、上記の回転位置検出装置をモータの回転位置検出手段として使用し、この回転位置検出手段で検出される回転位置に基づいて前記モータを制御するように構成されたモータ駆動システムも提供する。
このモータ駆動システムにおいては、前記モータとして例えば永久磁石型モータが使用される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、励磁用および制御用のパルス信号を生成する発振回路、包絡線検波のための同期検波回路、位置信号を算出するための位置デコーダ等の回路要素を用いないので、低コストで信頼性が高くかつ小型化が容易な回転位置検出装置を提供すること、および、その回転位置検出装置を用いたモータ駆動システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る回転位置検出装置に使用されるレゾルバの構成例を示す概念図である。
【図2】図1のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す回路図である。
【図3】レゾルバの一方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図4】レゾルバの他方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図5】図3の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図6】図4の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図7】図5、図6の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図8】本発明に係るモータ駆動システムの構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る回転位置検出装置に使用されるレゾルバの他の構成を示す概念図である。
【図10】図9のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す回路図である。
【図11】図9のレゾルバの一方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図12】図10のレゾルバの他方の出力端子から出力される信号の波形図である。
【図13】図11の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図14】図12の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図15】図13、図14の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図16】図1のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の他の実施形態を示す回路図である。
【図17】図16のバンドパスフィルタの一方の出力信号を示す波形図である。
【図18】図16のバンドパスフィルタの他方の出力信号を示す波形図である。
【図19】図17の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図20】図18の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図21】図19、図20の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図22】図9のレゾルバを使用した本発明に係る回転位置検出装置の更に別の実施形態を示す回路図である。
【図23】図22のバンドパスフィルタの一方の出力信号を示す波形図である。
【図24】図22のバンドパスフィルタの他方の出力信号を示す波形図である。
【図25】図23の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図26】図24の信号をA/D変換することによって得られる信号の変化態様を示す波形図である。
【図27】図25、図26の信号に基づく回転位置の計算結果の一例を示すグラフである。
【図28】図7、図21の計算結果を拡張処理することによって得られた2倍周期の回転位置変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る回転位置検出装置に使用されるレゾルバの構成例を示す概念図である。このレゾルバ1は、共に磁性材料で形成されたロータ3とステータ5とを備えている。
ロータ3は、1個の突極を有する。ステータ5は、等角度間隔(90°間隔)で順次配列する第1、第2、第3および第4の磁極を有し、これらに単一のコイルL1、L2、L3およびL4をそれぞれ巻着してある。
【0017】
図2は、上記レゾルバ1を使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す。
この図2に示すように、上記4組のコイルL1〜L4は、コイルL1、L2を上アームとしコイルL3、L4を下アームとするHブリッジ回路を構成するように接続されている。
上記Hリッジ回路において、コイルL1、L2の共通接続点は入力端子TIN1に、コイルL3、L4の共通接続点は入力端子TIN2に、コイルL1、L3の共通接続点は出力端子TOUT1に、コイルL2、L4の共通接続点は出力端子TOUT2にそれぞれ接続されている。
【0018】
ロータ3の形状は、コイルL1〜L4のインダクタンスがロータ3の回転に伴って正弦波状に変化するように設定されている。したがって、コイルL1、L3のインダクタンスの基本波とコイルL2、L4のインダクタンスの基本波は、互いに位相が90度異なることになる。
【0019】
上記レゾルバ1には、CPU、DSP等のマイクロプロセッサを処理手段として使用した信号処理装置7が接続される。この信号処理装置7は、信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13を備えている。
上記信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13は、説明の便宜上、個別の機能を有する構成体として示してある。しかし、実際には、この信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13の機能は上記マイクロプロセッサによるプログラム処理によってもたらされるものである。
【0020】
信号発生部9は、所定周波数(例えば20KHz)の基準パルス信号emを発生する。この基準パルス信号emは、マイクロプロセッサで使用されるベースクロック(例えば200MHz)を分周処理することによって得たものであり、励磁回路18のバッファ15を介してレゾルバ1の一方の入力端子TIN1に入力されるとともに、該励磁回路18のインバータ17を介してレゾルバ1の他方の入力端子TIN2に入力される。
【0021】
この結果、レゾルバ1のコイルL1〜L4が交番励磁パルス信号によって励磁されるので、該レゾルバ1のロータ3の回転に伴って、レゾルバ1の出力端子TOUT1,TOUT2から図3、図4に示すようなパルス状の信号V1a,V2aがそれぞれ出力される。図示のように、このレゾルバ1の出力信号V1a,V2aの振幅は、レゾルバ1のロータ3の位置変化に伴うコイルL1〜L4のインダクタンスの正弦波状変化に応じて正弦波状に変化する。
【0022】
一方、信号発生部9は、A/D変換タイミング信号を発生し、この信号をA/D変換部11に出力する。そこで、A/D変換部11は、この変換タイミング信号に応じて上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aをA/D変換する。
上記変換タイミング信号は、上記基準パルス信号emと同期しているものの、この基準パルス信号emのエッジから所定時間△tだけ遅延している。ここで、この遅延時間△tについて説明する。
【0023】
図示していないが、上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aのエッジの付近には、ノイズが重畳していることが多い。このノイズは、上記基準パルス信号emに基づく交番励磁パルス信号が誘導性負荷であるコイルL1〜L4に印加された際に過渡的に発生するものである。このため、上記基準パルス信号emをそのままA/D変換タイミング信号として使用すると、A/D変換結果に上記ノイズの影響が表れるおそれがある。
【0024】
上記遅延時間△tは、上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aのエッジ付近のノイズが消失もしくは所定値以下に低減するのに必要な所定の時間、換言すれば、レゾルバ1の出力信号V1a,V2aに含まれるパルス波の値が安定するのに必要な時間に設定される。もちろん、この遅延時間△tの基点は基準パルス信号emのエッジである。なお、上記遅延時間△t(例えば、数μsec)は、シミュレーションや実験等によって予め決定され、信号処理装置7に設けられた図示していないタイマで生成される。
上記のような変換タイミング信号によってA/D変換部11に変換動作を開始させる本実施形態によれば、信頼性の高いA/D変換結果を得ることが可能である。
【0025】
A/D変換部11に入力された上記レゾルバ1の出力信号V1a,V2aは、図5、図6に示す信号V1d,V2dに変換される。角度計算部13は、この信号V1d,V2dを入力し、下式(1)に基づいてロータ3の回転位置(角度)θを計算する。
θ=tan−(V1d/V2d) (1)
図7にθ(電気角)の計算結果を示す。このように、本実施形態の回転位置検出装置では、ロータ3が1回転(0°〜360°の機械変化)する間に電気的に1周期の位置信号(0°〜360°の電気角を示す信号)が得られる。
【0026】
上記したように、本実施形態に係る回転位置検出装置では、信号発生部9、A/D変換部11および角度計算部13における各処理が全て上記CPU、DSP等のマイクロプロセッサによって実行されるので、該マイクロプロセッサ以外のハードウエア要素が不要であり、したがって、コストの低減と小型化を図ることができる
【0027】
図8は、上記レゾルバ1を位置検出手段として用いた本発明に係るモータ駆動システムの実施形態を示す。このモータ駆動システムにおいて、レゾルバ1はモータ19(例えば、永久磁石型モータ)に結合されて、該モータ19と共に回転する。
レゾルバ1は、図2に示す励磁回路18からの励磁パルス信号で励磁されて前記信号V1a,V2aを出力する。制御回路20は、図2に示す信号処理装置7と同様にマイクロプロセッサからなる信号処理手段を内蔵し、その処理手段によって上記信号V1a,V2aをA/D変換するとともに、それによって得られる信号(図5、図6に示す信号V1d,V2dを参照)と上記式(1)とに基づいてレゾルバ1の回転位置、つまり、モータ19の回転位置θを算出する。
そして、制御回路20は、外部から入力される指令信号と上記回転位置θを示す信号とに基づいて、モータ19に上記指令信号に従った動作を行わせるための制御信号(例えば、PWM信号)を作成し、これを駆動回路21に出力する。そこで、駆動回路21は、例えばインバータ回路を用いて上記制御信号に対応する電力をモータ19に供給し、その結果、モータ19が上記指令信号に従って動作することになる。
【0028】
このモータ駆動システムによれば、制御回路20に組み込まれたマイクロプロセッサからなる処理手段が図2に示す信号処理装置7と同様の信号処理を実行するので、小型、低コスト化を図ることが可能である。
なお、このモータ駆動システムでは、レゾルバ1のロータ3が1回転する間に1周期の位置信号が得られるので、モータ19として極対数が1である2極モータが使用される。
【0029】
図9にレゾルバの他の構成例を示す。このレゾルバ10は、5個の突極を有するロータ3'と、等角度間隔(45°間隔)で順次配列する第1〜第8の磁極を有するステータ5'と、ステータ5'の各磁極にそれぞれ巻着した単一のコイルL11〜L18とを備えている。そして、このレゾルバ10のロータ3'は、その回転に伴って各コイルL11〜L18のインダクタンスが正弦波状に変化するように形成されている。
【0030】
図10は、上記レゾルバ10を使用した本発明に係る回転位置検出装置の実施形態を示す。この図10に示すように、コイルL11、16相互、コイルL12、15相互、コイルL13、18相互およびコイルL14、17相互は、それぞれ直列接続されている。
そして、コイルL11、16からなるA相コイル、コイルL12、15からなるB相コイル、コイルL13、18からなるC相コイルおよびコイルL14、17からなるD相コイルは、A相、C相コイルを上アームとしB相、D相コイルを下アームとするHブリッジ回路を構成するように接続されている。
このHブリッジ回路において、A相コイルとC相コイルの共通接続点は入力端子TIN1に、B相コイルとD相コイルの共通接続点は入力端子TIN2に、A相コイルとB相コイルの共通接続点は出力端子TOUT1に、C相コイルとD相コイルの共通接続点は出力端子TOUT2にそれぞれ接続されている。
【0031】
図10に示すように、上記レゾルバ10には、図2において説明した信号処理装置7が接続される。この信号処理装置7から前記基準パルス信号emが出力されると、レゾルバ10のコイルL11〜L18が交番励磁されるので、図9に示すロータ3'の回転に伴って、出力端子TOUT1,TOUT2から図11、図12に示すようなパルス状の信号V11a,V22aがそれぞれ出力される。図示のように、このレゾルバ10の出力信号V11a,V22aの振幅は、レゾルバ1のロータ3の位置変化によるコイルL11〜L18のインダクタンスの正弦波状変化に応じて正弦波状に変化する。
【0032】
A/D変換部11は、信号発生部9から与えられるA/D変換タイミング信号に応じて上記レゾルバ10の出力信号V11a,V22aをA/D変換する。
図2の実施形態の場合と同様に、上記変換タイミング信号は、上記基準パルス信号emのエッジから所定時間△tだけ遅延している。したがって、A/D変換部11は、ノイズによる変動を伴わない、つまり、安定状態にあるレゾルバ出力信号V11a,V22aをA/D変換する。
【0033】
図13、図14は、上記信号V11a,V22aをA/D変換することによって得られた信号V11d,V22dの変化態様をそれぞれ示す。角度計算部13は、この信号V11d,V22dを入力し、下式(2)に基づいてロータ3'の回転位置(角度)θを計算する。
θ=tan−(V11d/V22d) (2)
図15は、ロータ3'の回転位置θ(電気角)の計算結果を例示したものである。ロータ3'の機械角は、
θM=(1/5)tan−(V11d/V22d) (3)
であるので、電気角360°=機械角72°である。
このように、上記レゾルバ10を用いる回転位置検出装置では、ロータ3が72°機械変化する間に電気的に1周期の位置信号(0°〜360°の電気角を示す信号)が得られる。
【0034】
このレゾルバ10を用いた回転位置検出装置も、図8に示したようなモータ駆動システムに適用することができる。その場合、レゾルバ10のロータ3'が1回転する間に5周期の位置信号が得られるので、モータ19として極対数が5である10極モータが使用される。
【0035】
図16は、本発明に係る回転位置検出装置の別の実施形態を示す。この回転位置検出装置は、バンドパスフィルタ23を付加した点において図2に示す回転位置検出装置と相違している。
本実施形態では、レゾルバ1の出力信号V1a,V2a(図3、図4参照)が上記バンドパスフィルタ23に入力される。これによって、バンドパスフィルタ23からは、信号V1a,V2aに含まれたノイズが抑制または除去された図17、図18に示すような信号V1a',V2a'が出力される。
【0036】
信号処理装置7のA/D変換部11は、信号発生部9から出力されるA/D変換タイミング信号に応じて信号V1a',V2a'をA/D変換する。ここで、上記A/D変換タイミング信号について説明する。
上記バンドパスフィルタ23の出力信号V1a',V2a'は、正弦波を包絡線とする小周期の脈動波形を有するものであり、その脈動は前記基準パルス信号emに同期している。そこで、上記A/D変換タイミング信号は、上記基準パルス信号emに同期し、かつ、基準パルス信号emのエッジから所定の時間Δt'だけ遅延した時点、具体的には、上記信号V1a',V2a'における各脈動波形がピーク値を示す時点で発生するように設定される。
なお、上記遅延時間Δt'は、シミュレーションや実験等によって予め決定され、信号処理装置7に設けられた図示していないタイマで生成される。
上記のような変換タイミング信号によってA/D変換部11に変換動作を開始させる本実施形態によれば、信号V1a',V2a'の包絡線上の値をA/D変換することが可能になる。
【0037】
A/D変換部11からは図19、図20に示す信号V1d',V2d'が出力される。角度計算部13は、この信号V1d',V2d'を入力し、下式(1)'に基づいてレゾルバ1の回転位置(角度)θを計算する。
θ=tan−(V1d'/V2d') (1)'
図21にθ(電気角)の計算結果を示す。この図21の関係は、図7に示す関係に対応している。
【0038】
このバンドパスフィルタ23を用いた実施形態によれば、レゾルバ1の出力信号V1a,V2aの変動ノイズの他、レゾルバ1と信号処理装置7との間を結合する線路に入り込むノイズも低減もしくは除去されるので、特に、上記結合線路が長い場合に有効である。
なお、図8に示すモータ駆動システムに本実施形態の回転位置検出装置を適用する場合には、レゾルバ1と制御回路20との間に上記バンドパスフィルタ23が挿入されることになる。
【0039】
図22は、本発明に係る回転位置検出装置の更に別の実施形態を示す。この回転位置検出装置は、バンドパスフィルタ25を付加した点を除き、図10に示す回転位置検出装置と同様の構成を有している。
本実施形態では、レゾルバ10の出力信号V11a,V22a(図11、図12参照)が上記バンドパスフィルタ25に入力される。これによって、バンドパスフィルタ25からは、信号V11a,V22aに含まれたノイズが抑制または除去された図23、図24に示すような信号V11a',V22a'が出力される。
【0040】
信号V11a',V22a'に対する信号処理装置7の処理形態は、図16の実施形態における信号V1a',V2a'の処理形態に準じているので、ここではその詳細な説明を省略する。
A/D変換部11からは入力信号V11a',V22a'に対応するデジタル信号V11d',V22d'(図25、図26参照)が出力され、この結果、角度計算部13においてレゾルバ10の回転位置θが計算される(図27参照)。
なお、図8に示すモータ駆動システムに本実施形態の回転位置検出装置を適用する場合には、レゾルバ10と制御回路20との間に上記バンドパスフィルタ25が挿入されることになる。
【0041】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、以下に例示するような種々の変形態様を含むものである。
(1)本発明に適用するレゾルバは、図1に示すレゾルバ1や図9に示すレゾルバ10に限定されない。すなわち、本発明は、ロータの突極数が2n−1 (nは正の整数)でステータの磁極数が4nであるレゾルバであれば実施可能である。ただし、ロータの形状は、その回転に伴ってステータのコイルのインダクタンスが正弦波状に変化するように設定され、また、ステータのコイルは4組(A相コイル〜D相コイル)に分けられて、個々の組のコイルがブリッジ接続される。
このようなレゾルバを用いて図8に示したようなモータ駆動システムを構成する場合、モータ19として、磁極数2(2n−1)つまり磁極対数2n−1の永久磁石モータが適用される。もちろん、本発明のモータ駆動システムは、永久磁石モータの制御に限定されず、例えば、誘導モータの制御にも使用することができる。
【0042】
(2)レゾルバ1を用いた図2(図16)の実施形態によって得られる図7(図21)に示した1周期の位置変化(電気角変化)は、演算処理によってM/2(Mは4以上の正の偶数)周期の位置変化に拡張することが可能である。そして、このような拡張を行えば、レゾルバ1を図8のモータ駆動システムに適用した場合でも、M極モータを制御することが可能になる。例えば、Mを4として、図7(図21)に示した結果を図28に示すように4/2=2周期に拡張する処理を実行すれば、4極の永久磁石モータの制御に適用することが可能になる。上記の拡張処理は、例えば、図2(図16)に示す角度計算部13、つまり前記マイクロプロセッサに実行させることができる。その場合、角度計算部13は、図7(図21)に示した計算結果をM/2倍し、その値が電気角360°に達するたびに、電気角360°を減じる処理を実行する。図28の場合、位置変化(電気角変化)の各周期の境界(電気角が360°から0°に変化する点)が上記の電気角360°を減じる処理によって形成されることになる。
なお、図15(図27)に示す1周期の位置変化(電気角変化)に対しても同様の拡張処理を行うことが可能である。
【0043】
(3)前記各実施形態では、前記A/D変換部11に与えられるA/D変換タイミング信号として、前記基準パルス信号に同期した信号を用いているが、この基準パルス信号を分周した信号に同期した信号を上記A/D変換タイミング信号として用いても良い。このようなA/D変換タイミング信号として用いた場合、A/D変換周期が長くなるので、処理速度の低い低コストのマイクロプロセッサを適用することが可能になる。
【符号の説明】
【0044】
1、10 レゾルバ
3、3' ロータ
5、5' ステータ
L1〜L4、L11〜L18 コイル
7 信号処理装置
9 信号発生部
11 A/D変換部
13 角度計算部
15 バッファ
17 インバータ
18 励磁回路
19 モータ
20 制御回路
21 駆動回路
23、25 バンドパスフィルタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゾルバ、励磁回路および信号処理手段を有し、
前記レゾルバは、ブリッジ回路を構成するように接続された4組のコイルを有するステータと、前記4組のコイルのインダクタンスを正弦波状に変化させることが可能な形状を有するロータとを備え、
前記励磁回路は、入力される所定周波数の基準パルス信号に基づいて、前記ブリッジ回路の第1の入力端子に前記基準パルス信号と同相の励磁パルス信号を供給すると共に、前記ブリッジ回路の第2の入力端子に前記基準パルス信号とは逆相の励磁パルス信号を供給するように構成され、
前記信号処理手段は、前記基準パルス信号を生成する処理と、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号に同期したA/D変換タイミング信号を生成する処理と、前記A/D変換タイミング信号に応じて、前記ブリッジ回路の第1および第2の出力端子から出力される第1および第2の位置情報信号をそれぞれA/D変換する処理と、前記A/D変換処理によって得られる第1および第2のデジタル位置情報信号に基づいて前記レゾルバのロータの回転位置を演算する処理と、を実行するマイクロプロセッサを備えることを特徴とする回転位置検出装置。
【請求項2】
前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生され、その遅延時間は、前記第1および第2の位置情報信号に含まれるパルス波の値が安定するのに必要な時間に設定されることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項3】
前記第1および第2の位置情報信号を通過させて該信号に含まれるノイズを低減するバンドパスフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項4】
前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生され、その遅延時間は、前記バンドパスフィルタを通過した前記第1および第2の位置情報信号に含まれる脈動波がピーク値を示すのに必要な時間に設定されることを特徴とする請求項3に記載の回転位置検出装置。
【請求項5】
前記レゾルバは、前記ステータの磁極数が4に設定され、前記ロータの突極数が1に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項6】
前記レゾルバは、前記ステータの磁極数が8に設定され、前記ロータの突極数が5に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項7】
前記信号処理手段のマイクロプロセッサは、演算された前記ロータの回転位置の変化周期をM/2倍(Mは4以上の正の偶数)に拡張する処理をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項8】
請求項1〜6に記載の回転位置検出装置をモータの回転位置検出手段として使用し、この回転位置検出手段で検出される回転位置に基づいて前記モータを制御するように構成されたことを特徴とするモータ駆動システム。
【請求項9】
前記モータが永久磁石型モータであることを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動システム。
【請求項1】
レゾルバ、励磁回路および信号処理手段を有し、
前記レゾルバは、ブリッジ回路を構成するように接続された4組のコイルを有するステータと、前記4組のコイルのインダクタンスを正弦波状に変化させることが可能な形状を有するロータとを備え、
前記励磁回路は、入力される所定周波数の基準パルス信号に基づいて、前記ブリッジ回路の第1の入力端子に前記基準パルス信号と同相の励磁パルス信号を供給すると共に、前記ブリッジ回路の第2の入力端子に前記基準パルス信号とは逆相の励磁パルス信号を供給するように構成され、
前記信号処理手段は、前記基準パルス信号を生成する処理と、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号に同期したA/D変換タイミング信号を生成する処理と、前記A/D変換タイミング信号に応じて、前記ブリッジ回路の第1および第2の出力端子から出力される第1および第2の位置情報信号をそれぞれA/D変換する処理と、前記A/D変換処理によって得られる第1および第2のデジタル位置情報信号に基づいて前記レゾルバのロータの回転位置を演算する処理と、を実行するマイクロプロセッサを備えることを特徴とする回転位置検出装置。
【請求項2】
前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生され、その遅延時間は、前記第1および第2の位置情報信号に含まれるパルス波の値が安定するのに必要な時間に設定されることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項3】
前記第1および第2の位置情報信号を通過させて該信号に含まれるノイズを低減するバンドパスフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項4】
前記A/D変換タイミング信号は、前記基準パルス信号あるいは該基準パルス信号を分周した信号のエッジから所定時間遅延して発生され、その遅延時間は、前記バンドパスフィルタを通過した前記第1および第2の位置情報信号に含まれる脈動波がピーク値を示すのに必要な時間に設定されることを特徴とする請求項3に記載の回転位置検出装置。
【請求項5】
前記レゾルバは、前記ステータの磁極数が4に設定され、前記ロータの突極数が1に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項6】
前記レゾルバは、前記ステータの磁極数が8に設定され、前記ロータの突極数が5に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項7】
前記信号処理手段のマイクロプロセッサは、演算された前記ロータの回転位置の変化周期をM/2倍(Mは4以上の正の偶数)に拡張する処理をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の回転位置検出装置。
【請求項8】
請求項1〜6に記載の回転位置検出装置をモータの回転位置検出手段として使用し、この回転位置検出手段で検出される回転位置に基づいて前記モータを制御するように構成されたことを特徴とするモータ駆動システム。
【請求項9】
前記モータが永久磁石型モータであることを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−153864(P2011−153864A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14466(P2010−14466)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000103792)オリエンタルモーター株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000103792)オリエンタルモーター株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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