説明

固体撮像装置及びその製造方法

【課題】固体撮像素子の受光面を像面湾曲に一致または近似させた面にする。
【解決手段】固体撮像装置は、第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有する基板と、複数の電極を有するとともに、第1の面に受光部を有し前記第1の面の反対面となる第2の面を前記基板の前記第1の面に接着剤を介して接着される固体撮像素子と、前記基板の前記第1の面に形成され、一端が外部電極端子となる複数の配線と、前記固体撮像素子の前記各電極と前記配線を電気的に接続する接続手段とを有し、前記固体撮像素子の前記受光部よりも外側となる前記基板の表面側に前記受光部を囲むように熱膨張係数が前記基板及び前記固体撮像素子の熱膨張係数よりも大きい樹脂からなる無端状の収縮枠が接着形成され、前記固体撮像素子の前記受光部の受光面は反っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体撮像装置及びその製造方法に係わり、例えば、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサ、CCD(電荷転送)センサ等のイメージセンサを使用する固体撮像装置の製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の光学機器にはCMOSセンサ、CCDセンサ等の固体撮像素子(イメージセンサ)が使用されている。光学レンズによって導かれた光(光束)は固体撮像素子(固体撮像チップ)の表面(受光面:撮像面)で結像し、その画像が固体撮像素子の各セル(画素)によって電気信号に変換されてイメージ情報として取り出される。
【0003】
一方、レンズ(光学レンズ)の光軸に一致する固体撮像素子の画像中心と、画像中心から外れる周縁部分では、光学レンズとの距離が長くなり、いわゆる像面湾曲収差が発生し、焦点が合わなくなり、像がボケ、解像度が低下する。このような像面湾曲収差を解消する方法として、固体撮像素子(センサチップ)の受光面を像面湾曲に合うように凹状に湾曲させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2、3)。
【0004】
特許文献1には、フレキシブルな弾性板の片面に固体撮像チップの裏面を固着し、この弾性板の曲率を調整することによって固体撮像チップの受光面の曲率を調整する技術が開示されている。
【0005】
特許文献2には、平板状の撮像素子(熱膨張係数が4ppm/KのSi)と、撮像素子とは熱膨張係数が異なる平板状の板状部材(熱膨張係数が2ppm/Kのインバー)とを積層して高温状態で接着した後、常温まで冷却し、冷却による撮像素子と板状部材との収縮量差によって撮像素子の受光面を凹面状に湾曲させ、その後、撮像素子を湾曲させた状態で基板に実装する技術が開示されている。
【0006】
特許文献3には、熱膨張係数が固体撮像素子の材質よりも大きい材質の配線基板に突起電極を介して固体撮像素子を接合する際、加熱接合後の冷却作用による配線基板と固体撮像素子の熱膨張係数の違いによって固体撮像素子の受光面を凹状に湾曲させる工法が開示されている。
【0007】
一方、従来、固体撮像装置は、サーディップ(Cer−DIP)と呼称されるパッケージ内に固体撮像素子を内蔵する構造が一般的である(例えば、特許文献4)。特許文献4に開示されている半導体装置(固体撮像装置)は、セラミックにより形成されたパッケージ本体の上部開口をガラス板により形成された蓋体で封止した構造になっている。パッケージ本体の内底である底部の素子配設領域は湾曲し、この湾曲した面に固体撮像素子が密着して接合されている。
【0008】
【特許文献1】特開平10−108078号公報
【特許文献2】特開2004−349545号公報
【特許文献3】特開2004−146633号公報
【特許文献4】特開2003−243635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
デジタルカメラ等の光学機器においては、CMOSセンサ、CCDセンサ等の固体撮像素子(イメージセンサ)が使用されている。そして、これらイメージセンサを形成するセンサチップの受光面は像面湾曲収差を解消するためにセンサチップの形状は、凹状に湾曲することが好ましい。
【0010】
センサチップの受光面を湾曲させる方法としては、前述のように、湾曲した面にセンサチップを強制的に接合させて湾曲させる方法、センサチップを接合した弾性板の湾曲する曲率を調整してセンサチップの受光面を湾曲調整する等の機械的調整方法が知られている。また、熱膨張係数が異なる支持板に高温度下でセンサチップを接着し、その後常温に戻る際の収縮量差によって撮像素子の受光面を凹面状に湾曲させる熱膨張係数差を利用した方法が知られている。
【0011】
そこで、特許文献4(特開2004−349545号公報) にある、インバーからなる板状部材(基板) に、Siからなる撮像素子(センサチップ) を高温状態で接着した後、常温まで冷却し、インバーとSiの熱膨張係数の違いによって撮像素子の受光面を凹面状に湾曲させる方法における反り現象をシミュレーション解析した。シミュレーションでは、基板は厚さ0.3mm、幅40.0mm、長さ48.0mmとなりセンサチップは厚さ725μm、幅16.0mm、長さ24.0mmとなっている。また、接着は厚さ50μmのダイボンディング樹脂(熱膨張係数が2 ×10−4 /°Cであるシリコン樹脂)を用い、接着を150℃で行い、その後常温(20℃)まで冷却した。
【0012】
シミュレーションでは、チップの反りを等高線状に表記することができる。チップの中心からの反りを等高線状に表記した時、等高線は楕円系となり楕円の短辺をa、長辺をbとした時、a/bが1.0に近い値である事が、好ましい変形である。以降、a/bを反りの縦横比と呼ぶ。
【0013】
図36はシミュレーション解析によるセンサチップの受光面の反り状態を示す高低差表示例である。図36の右端に示すように、−4μmから2μmまでを20段階に色分けして表示したものである。この時表示される反り量は−4μmから2μmまでの絶対値の足しあわせ、すなわち6μm程度となる。( 正確な反り量は−4.6μmとなる) 等高線は縦長の楕円形となり、楕円形の長軸がY方向に沿って延在し、楕円形の短軸がX軸方向に沿って延在した形状になっている。
【0014】
中央の最も小さい楕円形領域は中心が−3.85μmと最も窪む部分を含む段階であり、右端の20段階の下から1番目の段階に相当する。等高線は相似形に変化している。反りの縦横比a/bは0.78となっている。鮮明な画像を得る為には、反りの縦横比a/bは1.0に近い値にすることが好ましい。
【0015】
一方、従来の固体撮像装置は、一般的にCer−DIP構造となっている。図37及び図38は、市販されているCer−DIP構造の固体撮像装置を示すものである。図37は固体撮像装置60の一部を切り欠いて示す模式的平面図であり、図38は図37のM−M線に沿う断面図である。
【0016】
固体撮像装置60は、長方形のアルミナ基板61を有している。アルミナ基板61の上面の短辺側には長辺に沿うように平行に複数のリード62が固定されている。これらリード62はアルミナ基板61の外側で下方に折り曲げられてインライン形のリードを構成している。アルミナ基板61の上面の周縁には四角形枠からなるアルミナ基板の枠体63が絶縁性の接着剤64を介して接着されている。この結果、リード62はアルミナ基板61と枠体63に挟まれる構造となる。即ち、アルミナ基板61及び枠体63からなるパッケージ本体は窪み構造になっている。
【0017】
一方、枠体63の内側のアルミナ基板61の上面には絶縁性の接着剤65を介してCMOSセンサからなるセンサチップ66が固定されている。センサチップ66の上面にはマイクロレンズ67が縦横に整列配置され、センサチップ66の各セル(画素)に光を案内するようになっている。センサチップ66の上面短辺側には電極68が設けられている。これら電極68とこれに対応する前記リード62の内端部分は導電性のワイヤ69で電気的に接続されている。
【0018】
また、枠体63の上面には表裏面に反射防止膜70,71をそれぞれ設けたガラス板72(蓋体)が接着剤73を介して気密的に固定(封止)されている。
【0019】
市販されている固体撮像装置60の寸法は、一例を挙げると以下のようになっている。リード部分を含めないパッケージの大きさは、幅26.0mm、長さ38.0mm、高さ(厚さ)約3.0mmである( 但し基板〜ガラスの厚み) 。
【0020】
このようなCer−DIP構造の固体撮像装置60は、センサチップ66の上方にガラス板72を配置する構造となり、センサチップ66とガラス板72との間に0.5mm程度の隙間があることから、固体撮像装置60が厚くなる。また、Cer−DIP構造は基板の上面に枠体を設ける必要があり、重量も重くなる。
【0021】
本発明の目的は、像面湾曲収差を解消できる固体撮像装置及びその製造方法を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、薄型化及び軽量化が図れる固体撮像装置及びその製造方法を提供することにある。
【0023】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0025】
(1)本発明の固体撮像装置は、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有する基板と、
複数の電極を有するとともに、第1の面に受光部を有し前記第1の面の反対面となる第2の面を前記基板の前記第1の面に接着剤を介して接着される固体撮像素子と、
前記基板の前記第1の面に形成され、一端が外部電極端子となる複数の配線と、
前記固体撮像素子の前記各電極と前記配線を電気的に接続する接続手段とを有し、
前記固体撮像素子の前記受光部よりも外側となる前記基板の表面側に前記受光部を囲むように熱膨張係数が前記基板及び前記固体撮像素子の熱膨張係数よりも大きい樹脂からなる収縮枠が接着形成され、前記固体撮像素子の前記受光部の受光面は反っていることを特徴とする。
【0026】
前記基板の前記第1の面に前記収縮枠が形成され、前記固体撮像素子の前記受光面は凹面状に反っている。この凹面状の反りは、固体撮像装置に光学的に接続されるレンズの像面湾曲に近似した面となっている。また、前記固体撮像素子を構成する材質の熱膨張係数と前記基板を構成する材質の熱膨張係数は同じ数値である。即ち、前記固体撮像素子は熱膨張係数が約3ppm/℃のシリコンで形成され、前記基板は熱伝導率が90W/m ・K であり、熱膨張係数が約3ppm/℃の窒化硅素で形成されている。また、前記収縮枠は熱膨張係数が約11 ppm/℃のエポキシ樹脂で形成されている。また、前記固体撮像素子の前記電極と前記配線は導電性のワイヤで接続され、かつ前記ワイヤは前記収縮枠内に埋まっている。前記基板の前記第1の面には、絶縁性のテープと、前記テープの一面に設けられた複数の配線からなるフレキシブル配線基板が接着されて前記配線が形成されている。
【0027】
このような固体撮像装置は、
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面に固体撮像素子固定部を有し、前記第1の面に前記固体撮像素子の電極に電気的に接続される複数の配線を有する基板を準備する工程、
(b)複数の電極を有するとともに、第1の面に受光部を有し前記第1の面の反対面となる第2の面を有する固体撮像素子を準備する工程、
(c)前記基板の前記固体撮像素子固定部に前記固体撮像素子の前記第2の面側を前記基板の前記第1の面側に固定するとともに、前記固体撮像素子の各前記電極を各前記配線に接続手段を介して電気的に接続する工程、
(d)前記固体撮像素子の前記受光部よりも外側となる前記基板の表面側に、前記受光部を囲むように熱膨張係数が前記基板及び前記固体撮像素子の熱膨張係数よりも大きい樹脂によって収縮枠を常温よりも高い温度下で接着形成し、その後、常温まで冷却して前記収縮枠の収縮によって前記固体撮像素子の前記受光部の受光面を反らせる工程、とによって製造される。
【0028】
前記工程(a)では、絶縁性のテープと前記テープの一面に設けられた複数の配線とからなるフレキシブル配線基板を、前記基板の前記第1の面に接着して前記配線を形成する。この際、熱膨張係数が約3ppm/℃の窒化硅素で形成される前記基板を準備する。
【0029】
前記工程(b)では、熱膨張係数が約3ppm/℃のシリコンで形成される前記固体撮像素子を準備する。
【0030】
前記工程(c)では、前記固体撮像素子の前記第2の面を前記基板の前記第1の面に接着剤を介して固定し、その後前記固体撮像素子の前記電極と前記配線を導電性のワイヤで接続する。
【0031】
前記工程(d)では、前記基板の前記第1の面に、百数十度の温度(例えば、150℃)下で熱膨張係数が約11 ppm/℃のエポキシ樹脂によって前記収縮枠を形成し、その後常温(20℃)にまで冷却させることによって、前記固体撮像素子の前記受光面を凹面状に反らせる。この際、前記収縮枠は前記ワイヤを覆うように設ける。
【0032】
(2)上記(1)の手段において、前記収縮枠は一部の領域において前記収縮枠の外側に張り出した形状になっている。
【0033】
このような固体撮像装置は、上記(1)の製造方法において、前記工程(d)では、前記収縮枠を一部の領域において前記収縮枠の外側に張り出した形状に形成する。
【0034】
(3)上記(1)の手段において、前記固体撮像素子の前記受光面全域には透明な保護体が透明な接着剤を介して接着されている。
【0035】
このような固体撮像装置は、上記(1)の製造方法において、前記工程(d)の後に、(e)前記固体撮像素子の前記受光面全域に透明な保護体を透明な接着剤を介して接着する工程を有する。
【発明の効果】
【0036】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0037】
上記(1)の手段によれば、(a)熱膨張係数が約3.0ppm/℃となる固体撮像素子を、熱膨張係数が約3.0ppm/℃となる基板に接着するとともに、基板の第1の面に固体撮像素子を囲むように熱膨張係数が約11 ppm/℃となるエポキシ樹脂によって収縮枠を形成する。接着及び収縮枠のベーク処理(硬化処理)は150℃の温度下で行われる。その後、全体(基板、固体撮像素子及び収縮枠等)は常温(20℃)にまで冷却される。収縮枠は基板及び固体撮像素子に比較して約4倍も熱膨張係数が大きいことから、常温では基板及び固体撮像素子は収縮枠によって絞り込むような応力が作用し、固体撮像素子の受光面は凹面状に反る。この反りを発生させる収縮枠は、収縮枠の断面積、即ち、幅及び高さ、形成形状等によって種々に変わることから、その寸法を選択することによって、固体撮像装置の受光面に光(光束)を案内するレンズを含む光学系の像面湾曲と同じ程度の反りとすることができる。
【0038】
(b)基板及び固体撮像素子は収縮枠の収縮によって凹面状に反ることから、収縮枠の幅及び高さ、形成形状等を選択することによって固体撮像素子の長辺及び短辺に沿う反りの曲率をそれぞれ調整することができ、固体撮像素子の受光面の反りを像面湾曲に一致または近似させることができる。従来の熱膨張係数が異なる基板と固体撮像素子を高温下で接着硬化させ、その後常温まで冷却させて固体撮像素子の受光面を反らせる技術では、反りの程度は、貼り合わされる固体撮像素子及び基板の寸法で決まり一定となる。即ち、従来の貼り合わせ方法では反りの調整はできないが、本発明では収縮枠の形状及び収縮枠の寸法を選択することによって、固体撮像素子の受光面各方向の反りの程度を調整することができる。
【0039】
(c)上記(b)に示すような方法で固体撮像素子の受光面の反りを形成することから、固体撮像装置をカメラ等に組み込んだ場合、カメラのレンズとの組み立てにおいて、レンズ光軸からの光が固体撮像素子の受光面に対して垂直とはならずに傾いてしまういわゆるあおり現象が発生し難くなる。従って、本発明の固体撮像装置をカメラ等の光学機器に使用した場合のあおりの補正作業、即ち、レンズ光軸からの光が固体撮像素子の受光面に対して、垂直になるように位置及び角度を補正するあおりの補正作業が容易になる。
【0040】
(d)上記(b)に示すように、固体撮像素子の受光面の反りを像面湾曲に一致または近似した面にすることができることから、光学機器に使用した場合、レンズを含む光学系との間の画像結像性能の向上が図れる。
【0041】
(e)上記(b)に示すように、固体撮像素子の受光面の反りを像面湾曲に一致または近似した面にすることができることから、光学機器に使用した場合、レンズ像面湾曲の補正が不要となる。この場合、レンズ像面湾曲の補正が不要となることから、光学系を構成するレンズ枚数の低減も可能になる。
【0042】
(f)固体撮像素子は熱伝導性の良好な窒化硅素( 熱伝導率:90W/m ・K)からなる基板に接着されていることから、固体撮像素子で発生した熱を基板を介して外部に速やかに放散することがてきる。従って、カメラに使用した場合、長時間露光が可能になる。例えば、長時間露光によって夜景をきれいに撮影することもできる。
【0043】
(g)上記(b)に示すように、固体撮像素子の受光面の反りが像面湾曲に一致または近似した面になることから、画像周辺部の受光量も画像中心部と同じだけの光量を取り入れることができ、鮮明な画像を得ることができる。この結果、カラー映像においては、画像中心及び画像周辺部の色濃度の均一化が可能になる。
【0044】
(h)固体撮像装置は、基板の第1の面に固体撮像素子を接着し、かつ固体撮像素子を囲むように収縮枠を設けた構造となっている。従って、本発明の固体撮像装置は、従来のCer−DIP構造のようにパッケージ本体を窪み構造とする必要がなく、かつ蓋体(リッド)も不要となることから、薄型でかつ軽量な製品になる効果がある。また、部品点数の軽減により固体撮像装置の製造コストの低減も達成できる。
【0045】
上記(2)の手段によれば、上記(1)の手段による効果に加えて以下の効果を有する。即ち、収縮枠において、一部の領域において収縮枠を外側に張り出した形状になっていることから、この張り出した部分の冷却時の収縮力によって、張り出し方向に沿って基板及び固体撮像素子に収縮力が増加することになり、反りの程度を調整することが可能になる。
【0046】
上記(3)の手段によれば、上記(1)の手段による効果に加えて以下の効果を有する。即ち、固体撮像素子の受光面全域には透明な保護体が透明な接着剤を介して接着されていることから、固体撮像素子の受光面を保護体で保護できるようになり、固体撮像装置の信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0048】
図1乃至図13は本発明の実施例1である固体撮像装置及びその製造方法に係わる図である。図1乃至図3は固体撮像装置の構造に係わる図であり、図4乃至図13は固体撮像装置の製造方法に係わる図である。
【0049】
実施例1の固体撮像装置1は、図1及び図2に示すように、長方形の基板2を有している。この基板2は、配線基板付き基板2であり、基板2の第1の面2aの短辺側にフレキシブル配線基板(FPC)3を接着剤4を介して接着した構造(図3参照)になっている。フレキシブル配線基板3の幅員の中間が基板2の幅員の中間に一致するようにフレキシブル配線基板3は基板2に固定されている。また、図3は図2の右端部分を拡大し、さらに構造を詳細に示す図である。図3に示すように、フレキシブル配線基板3は、絶縁性のテープ6と、テープ6の一面(第1の面)に設けられた複数の配線7と、配線7を選択的に覆う絶縁膜8とからなっている。テープ6の第1の面の反対面となる第2の面が絶縁性の接着剤4によって基板2に接着されている。また、フレキシブル配線基板3は、図3に示すように、第1の面に配線7の端部分を露出させる構造になっている(図5参照)。図5に示すように、フレキシブル配線基板3はその一端が基板2の端から所定長さ突出するように接着されている。フレキシブル配線基板3の基板2に重なる内側の端に並ぶ配線部分は接続手段としてのワイヤを接続する電極パッド9を構成している。また、フレキシブル配線基板3の基板2から突出する外側の端に並ぶ配線部分は固体撮像装置1の外部電極端子10を構成している。
【0050】
一方、一対のフレキシブル配線基板3の間の基板2の第1の面2aには、絶縁性の接着剤12を介して長方形の固体撮像素子13が固定されている。固体撮像素子13は、例えば、CMOSセンサからなり、第1の面である受光面(撮像面)にはマイクロレンズ14が縦横に整列配置されている(図1、2参照)。そして、図示はしないが、マイクロレンズ14の真下にセンサ部(CMOSセンサセル)が設けられている。また、固体撮像素子13の第1の面の反対面となる第2の面が接着剤12によって基板2の第1の面2aに接着されている。固体撮像素子13の第1の面には、図8に示すように、その両端に複数の電極15が設けられている。これら電極15は短辺に沿って1列となり、電極パッド9に平行に並んでいる。そして、各電極15と、これに対応する電極パッド9は導電性のワイヤ16によって電気的に接続されている(図10参照)。また、ワイヤ16は絶縁性樹脂で形成される収縮枠17で覆われている。収縮枠17は、図1及び図2に示すように、固体撮像素子13を囲むように設けられている。即ち、収縮枠17は固体撮像素子13の長辺及び短辺に沿って設けられている。
【0051】
このような固体撮像装置1は、収縮枠17の形成時の収縮によって基板2及び固体撮像素子13のそれぞれの第1の面が凹面状に反り返る構造(反り返り寸法a)になっている。例えば、基板2は、幅37.0mm、長さ38.0mm、厚さ0.35mmの窒化硅素板(熱膨張係数:3ppm/℃)からなっている。フレキシブル配線基板3は、幅26.0mm、長さ12.28m、厚さ0.05mmのポリイミド樹脂系の配線基板からなっている。固体撮像素子13は、幅17.44mm、長さ24.64mm、厚さ0.725mmのシリコン(熱膨張係数:3ppm/℃)からなっている。即ち、実施例では基板2と固体撮像素子13は共に熱膨張係数が同程度となるものを使用している。固体撮像素子13を基板2に固定する接着剤12は熱膨張係数が同程度である基板2と固体撮像素子13との間に位置する構造から反りは殆ど発生しない。また、フレキシブル配線基板3を基板2に固定する接着剤4はエポキシ樹脂系の接着剤であるが、その厚さがおよそ50μm程度と薄いことから、基板2及び固体撮像素子13を反らせる程の強度部材としては作用しない。
【0052】
収縮枠17は、図1等において四角形枠の角部では細く括れたように描いてあるが、実際は辺の部分と同様な幅となっている。そして、例えば、収縮枠17の幅は5.0mm、高さ1.0mm程度の緩やかな山状断面となっている。収縮枠17は熱膨張係数が約11 ppm/℃のエポキシ樹脂を使用する。収縮枠17の形成は樹脂の塗布、ベーク処理による硬化によって形成する。この形成は、例えば、150℃の高温下で行い。硬化後、常温(20℃)まで冷却する。この冷却により、基板2及び固体撮像素子13の熱膨張係数約3ppm/℃に比較して、収縮枠17の熱膨張係数が約11 ppm/℃とおよそ4倍強と大きいことから、四角形状の収縮枠17の収縮力によって、基板2の第1の面2a及び固体撮像素子13の第1の面は凹面状に反り返る。この反り返りは像面湾曲に近似した寸法になる。
【0053】
つぎに、図4乃至図13を参照しながら固体撮像装置1の製造方法について説明する。図4は固体撮像装置1の製造方法を示すフローチャートである。固体撮像装置1は、基板・固体撮像素子準備(S01)、チップボンディング(S02)、ワイヤボンディング(S03)、収縮枠形成(S04)を経て製造される。収縮枠形成(S04)においては、枠形成、ベーク処理(樹脂硬化処理)、冷却処理の各処理が順次行われる。
【0054】
固体撮像装置1の製造においては、最初に、フレキシブル配線基板3を取り付けた基板2及び固体撮像素子13を準備する(S01)。図5は実施例1の固体撮像装置の製造方法で使用する基板付き配線基板の模式的平面図であり、図6は図5のB−B線に沿う断面図である。例えば、基板2は、幅37.0mm、長さ38.0mm、厚さ0.35mmの窒化硅素板(熱膨張係数:3ppm/℃)からなっている。この基板2の第1の面2aの両端側にフレキシブル配線基板3が接着されている。フレキシブル配線基板3は、幅26.0mm、長さ12.28m、厚さ0.05mmのポリイミド樹脂系の配線基板からなっている。基板2の第1の面2aの一対のフレキシブル配線基板3間の領域が固体撮像素子固定部18となる。この固体撮像素子固定部18は基板2の露出する第1の面2aとなる。フレキシブル配線基板3の構造等については既に説明したので省略する。
【0055】
つぎに、図7に示すように、基板2の第1の面2aの固体撮像素子固定部18に接着剤12を薄く塗布する。
【0056】
つぎに、図8及び図9に示すように、基板2の第1の面2aの固体撮像素子固定部18に接着剤12を介して固体撮像素子13を位置決め固定する。この際、固体撮像素子13の第2の面を接着剤12によって基板2に固定する。これにより、基板2の上面に固定された固体撮像素子13の表面にはマイクロレンズ14が整列配置された状態となって表れる。固体撮像素子13の左右の端に沿って1列に並ぶ電極15は、それぞれ電極パッド9に平行に並ぶことになる。固体撮像素子13は、幅17.44mm、長さ24.64mm、厚さ0.725mmのシリコン(熱膨張係数:3ppm/℃)からなっている。固体撮像素子13を基板2に固定する接着剤12のベーク処理(硬化処理)は、150℃の温度下で30分行われる。この熱処理による熱によって基板2及び固体撮像素子13の反りは、殆ど発生しない。
【0057】
つぎに、常用のワイヤボンディング装置を用いて、図10及び図11に示すように、固体撮像素子13の電極15と、これに対応するフレキシブル配線基板3の電極パッド9を導電性のワイヤ16で電気的に接続する。
【0058】
つぎに、図12及び図13に示すように、基板2の第1の面2a側に収縮枠17を形成する。収縮枠17の形成においては、最初に熱膨張係数が11 ppm/℃となるエポキシ樹脂を固体撮像素子13を囲むように固体撮像素子13の縁に沿って塗布して枠を形成する。固体撮像素子13の両端部分にはワイヤ16が接続されていることから、枠でワイヤ16、電極パッド9及び電極15を覆うようにする。枠の断面形状は、例えば、高さ1.0mm程度、幅5.0mm程度の盛り上がった形状となる。樹脂の塗布は、例えば、ディスペンサによる塗布、あるいはスクリーン印刷によって行う。
【0059】
つぎに、塗布して形成した枠(樹脂)をベーク処理して硬化させて収縮枠17を形成する。このベーク処理は100℃の温度下で20分程、さらに160℃の温度下で20分間程度行う。
【0060】
つぎに、収縮枠17を含め全体を常温(20℃)にまで冷却する。冷却前のベーク処理時の150℃の雰囲気での基板2、固体撮像素子13及び収縮枠17等は、図13に示すように、反ることもなく平坦な状態を維持しているが、冷却後は、図2に示すように、基板2の第1の面2a及び固体撮像素子13の受光面が凹状に反る。図2には反り量aを示してある。
【0061】
ここで、実施例1の固体撮像装置1を製造する前に行った反り発生のメカニズム解析(シミュレーション)の結果について説明する。
【0062】
図14及び図15はシミュレーションモデルを示す図である。図14はシミュレーションモデル30の平面図、図15は図14のG−G線に沿う断面図である。シミュレーションモデル30は、長方形の基板31と、この基板31の第1の面に接着剤32を介して接着したセンサチップ(固体撮像素子)33と、センサチップ33を囲み基板31の第1の面に接着される封止樹脂34とからなっている。
【0063】
シミュレーションモデル30は、基板31をアルミナ基板(熱膨張係数:7.2ppm/℃)とする第1のシミュレーションモデルと、基板31を窒化硅素基板(熱膨張係数:3ppm/℃)とする第2のシミュレーションモデルを準備する。センサチップ33、接着剤32、封止樹脂34は同じ材質(製品)のものを使用する。センサチップ33は、例えば、CMOSセンサからなり、材質はシリコン(熱膨張係数:3ppm/℃)からなっている。
【0064】
基板31は縦(Y軸) 40.0mm、横(X軸)48.0mm、厚さ(Z軸)0.3mmとなっている。センサチップ33は縦(Y軸) 16.0mm、横(X軸)24.0mm、厚さ(Z軸)0.725mmとなっている。センサチップ33は基板31に厚さ0.05mmのダイボンディング樹脂によって接続されている。封止樹脂34は幅4.0mmで高さが0.73mmの短形枠で形成されている。封止樹脂34はエポキシ樹脂(熱膨張係数:11ppm/℃)で形成されている。
【0065】
第1及び第2のシミュレーションモデル30は、150℃の高温下でセンサチップ33の接着、封止樹脂34の形成を行い、その後常温(20℃)にまで冷却した際の反りをシミュレーションした。
【0066】
図16はアルミナ基板で基板31を形成した第1のシミュレーションモデル30Aの反り状態を三次元的に示した図である。反りのない状態を二点鎖線で示してある。また、図17はセンサチップ33の拡大図であり、反りfは、+48.3μmともなる。+はセンサチップ33の受光面の中央側が凸面状に突出する反りであることを示すものである。なお、これらの図において、図を明瞭とするため封止樹脂34は省略してある。
【0067】
図18は窒化硅素基板で基板31を形成した第2のシミュレーションモデル30Bの反り状態を三次元的に示した図である。反りのない状態を二点鎖線で示してある。また、図19はセンサチップ33の拡大図であり、反りgは、−8.8μmともなる。−はセンサチップ33の受光面の中央側が凹面状に窪む反りであることを示すものである。なお、これらの図において、図を明瞭とするため封止樹脂34は省略してある。
【0068】
熱膨張係数の違いにより、アルミナ基板を基板31とする第1のシミュレーションモデル30Aでは凸状の反りとなり、窒化硅素を基板31とする第2のシミュレーションモデル30Bでは凹状の反りとなる。
【0069】
そこで、実施例1では窒化珪素を基板31とする構造とした。図20は、実施例1の固体撮像装置1の固体撮像素子13の受光面の反り状態を示す高低差表示例である。図20の右端に示すように、−4μmから7μmまでを20段階に色分けして表示したものである。
この時表示される反り量は−4μmから7μmまでの絶対値の足しあわせ、すなわち11μm程度となる(正確な反り量は−8.95μmとなる)。等高線は縦長の楕円形となり、楕円形の長軸がY方向に沿って延在し、楕円形の短軸がX方向に沿って延在した形状になっている。中央の最も小さい楕円形領域は中心が−3.8μmと最も窪む部分を含む段階であり、右端の20段階の下から1番目の段階に相当する。等高線は相似形に変化している。反りの縦横比a/bは0.81となっている。尚、本発明は、封止樹脂34の塗布パターンをコントロールすることにより、チップ反りの縦横比a/bをコントロールすることができるので、理想的なa/b=1.0に近づけることができる。
【0070】
また、図21は固体撮像素子13(チップ)の凹面状の反りを三次元的に表示したモデル図である。X軸がチップの長手方向(短辺)となり、Y軸がチップの短手方向(短辺)となり、Z軸がチップの厚さ方向となる。そして、Z軸に反りが表れている。
【0071】
実施例1の固体撮像装置1は、例えば、図2に示すようなカメラ37に使用される。カメラ37は、固体撮像装置1をカメラ本体38の奥に配置する構造になっている。カメラ本体38の前方にはレンズ部39が配置されている。このレンズ部39には光学レンズを含む光学系の一部が内蔵されていて、光線40を固体撮像装置1の受光面1aに案内する。また、カメラ本体38内にはハーフミラー41が配置されている。このハーフミラー41はレンズ部39から受光面1aに進む光線40の光軸40aに対して45度傾斜して配置されている。ハーフミラー41は一端側を支軸41aによって回転自在に取り付けられている。カメラの図示しないシャッタを押すと、ハーフミラー41は支軸41aを中心に上方に45度回転し、光線40の光束領域から外れる。
【0072】
45度傾斜したハーフミラー41で反射したモニター用光束42は受光面1aと等距離にあるフォーカシングスクリーン43に導かれて結像する。この結像はファインダ44から覗くことができる。即ち、前記結像は図示しないペンタプリズムによって正立正像に直され、接眼レンズを通して覗くことができる。
【0073】
固体撮像装置1の受光面1a側には、シャッタによって開閉動作するフォーカルプレーンシャッタ45が配置されている。シャッタを押すと、ハーフミラー41は45度上昇して光線40の光束領域から外れる。
【0074】
このようなカメラ37においては、シャッタを押すと、ハーフミラー41は45度上昇して光線40の光束領域から外れ、フォーカルプレーンシャッタ45が開き、フィルム、即ち、固体撮像装置1に画像が取り込まれる。フォーカルプレーンシャッタ45が閉じると、ハーフミラー41は元の位置に戻る。
【0075】
図23はカメラレンズ46を通過する光線40と固体撮像装置1の受光面1aとの関係を示す図である。図23(a)は受光面1aが像面湾曲した固体撮像装置1を示すものであり、図23(b)は受光面1aが平坦な受光面1aを示すものである。また、図24(a),(b)は固体撮像装置1の最外周部分(右端)のマイクロレンズ14部分の光線40の関係を示す模式図である。
【0076】
カメラレンズ46の中心を通過し、固体撮像装置1の最外周部分に位置するマイクロレンズ14に到達する光線40は、受光面1aが平坦である場合は、図24(b)に示すように、マイクロレンズ14の真下に位置するセンサ部47に十分に取り込まれなくなる。即ち、斜め上方からマイクロレンズ14に浸入する光線40の屈折方向が浅いため、センサ部47には進まず、マイクロレンズ14の周囲の絶縁膜48に向かってしまう。
【0077】
これに対して、受光面1aが像面湾曲している固体撮像装置1では、固体撮像装置1の最外周部分に位置するマイクロレンズ14部分は反ることから、カメラレンズ46の中心に近づくようになる。このように固体撮像装置1の最外周部分に位置するマイクロレンズ14部分がカメラレンズ46の中心に近づくように反ることから、斜め上方からマイクロレンズ14に浸入する光線40の屈折方向が深くなり、光線40はマイクロレンズ14の周囲の絶縁膜48に向かうことなくセンサ部47に進むようになる。この結果、固体撮像装置1の最外周部分のマイクロレンズ14に浸入した光線40はセンサ部47に取り込まれることから、画像周辺部も光量が低下せず、鮮明な画像を得ることができる。
【0078】
実施例1の固体撮像装置及びその製造方法によれば以下の効果を有する。
【0079】
(1)熱膨張係数が3.0ppm/℃となる固体撮像素子13を、熱膨張係数が3.0ppm/℃となる基板2に接着するとともに、基板2の第1の面2aに固体撮像素子13を囲むように熱膨張係数が11ppm/℃となるエポキシ樹脂によって収縮枠17を形成する。接着及び収縮枠17のベーク処理(硬化処理)は150℃の温度下で行われる。その後、全体(基板2、固体撮像素子13及び収縮枠17等)は常温(20℃)にまで冷却される。収縮枠17は基板2及び固体撮像素子13に比較して約4倍も熱膨張係数が大きいことから、常温では基板2及び固体撮像素子13は収縮枠17によって絞り込むような応力が作用し、固体撮像素子13の受光面は凹面状に反る。この反りを発生させる収縮枠17は、収縮枠17の断面積、即ち、幅及び高さ等によって種々に変わることから、その寸法を選択することによって、固体撮像装置1の受光面に光(光束)を案内するレンズを含む光学系の像面湾曲と同じ程度の反りとすることができる。
【0080】
(2)基板2及び固体撮像素子13は収縮枠17の収縮によって凹面状に反ることから、収縮枠17の幅及び高さ等を選択することによって固体撮像素子13の長辺及び短辺に沿う反りの曲率をそれぞれ調整することができ、固体撮像素子13の受光面の反りを像面湾曲に一致または近似させることができる。従来の熱膨張係数が異なる基板と固体撮像素子を高温下で接着硬化させ、その後常温まで冷却させて固体撮像素子の受光面を反らせる技術では、反りの程度は、貼り合わされる固体撮像素子及び基板の寸法で決まり一定となる。即ち、従来の貼り合わせ方法では反りの調整はできないが、本発明では収縮枠17の形状及び収縮枠17の寸法を選択することによって、固体撮像素子13の受光面各方向の反りの程度を調整することができる。
【0081】
(3)上記(2)に示すような方法で固体撮像素子13の受光面の反りを形成することから、固体撮像装置1をカメラ等に組み込んだ場合、カメラのレンズとの組み立てにおいて、レンズ光軸からの光が固体撮像素子13の受光面に対して垂直とはならずに傾いてしまういわゆるあおり現象が発生し難くなる。従って、本発明の固体撮像装置1をカメラ等の光学機器に使用した場合のあおりの補正作業、即ち、レンズ光軸からの光が固体撮像素子13の受光面に対して、垂直になるように位置及び角度を補正するあおりの補正作業が不要になる。
【0082】
(4)上記(2)に示すように、固体撮像素子13の受光面の反りを像面湾曲に一致または近似した面にすることができることから、光学機器に使用した場合、レンズを含む光学系との間の画像結像性能の向上が図れる。
【0083】
(5)上記(2)に示すように、固体撮像素子13の受光面の反りを像面湾曲に一致または近似した面にすることができることから、光学機器に使用した場合、レンズ像面湾曲の補正が不要となる。この場合、レンズ像面湾曲の補正が不要となることから、光学系を構成するレンズ枚数の低減も可能になる。
【0084】
(6)固体撮像素子13は熱伝導性の良好な窒化硅素( 熱伝導率:90W/m ・K)からなる基板に接着されていることから、固体撮像素子13で発生した熱を基板を介して外部に速やかに放散することができる。従って、カメラに使用した場合、長時間露光が可能になる。例えば、長時間露光によって夜景をきれいに撮影することもできる。
【0085】
(7)上記(2)に示すように、固体撮像素子13の受光面の反りが像面湾曲に一致または近似した面になることから、画像周辺部の受光量も画像中心部と同じだけの光量を取り入れることができ、鮮明な画像を得ることができる。この結果、カラー映像においては、画像中心及び画像周辺部の色濃度の均一化が可能になる。
【0086】
(8)固体撮像装置1は、基板2の第1の面2aに固体撮像素子13を接着し、かつ固体撮像素子13を囲むように収縮枠17を設けた構造となっている。従って、本発明の固体撮像装置1は、従来のCer−DIP構造のようにパッケージ本体を窪み構造とする必要がなく、かつ蓋体(リッド)も不要となることから、薄型でかつ軽量な製品になる効果がある。また、部品点数の軽減により固体撮像装置1の製造コストの低減も達成できる。
【0087】
(9)固体撮像装置1の固体撮像素子13の受光面の凹状の反りにおいて、チップ反りの縦横比a/bは0.81となっている。光学設計においては、チップ反りの縦横比a/bが1.0に近い事が望ましいので、前記特許文献4のように基板にインバーを用いた時のチップ反りの縦横比a/b=0.78よりも、本発明のほうがa/b=1.0に近く、かつ前記したように封止樹脂34の塗布パターンをコントロールすることで、a/bを1.0に近づけることができるという特徴を持つので、より画像全体が鮮明になる効果を有する。
【0088】
a/bを1.0に近づける例の1つとしては、図31のような樹脂塗布パターンにする事が有効である。図39は、図31の樹脂塗布パターンとした際のシミュレーション解析によるセンサチップの受光面の反り状態を示す高低差表示例である。図39の右端に示すように、−4μmから7μmまでを20段階に色分けして表示したものである。この時表示される反り量は−4μmから7μmまでの絶対値の足しあわせ、すなわち11μm程度となる(正確な反り量は−9.42μmとなる) 。
【0089】
中央の最も小さい円形領域は中心が−3.8μmと最も窪む部分を含む段階であり、右端の20段階の下から1段目の段階に相当する。チップ反りの縦横比a/bは0.98となる。
【実施例2】
【0090】
図25及び図26は本発明の実施例2である固体撮像装置に係わる図であり、図25は固体撮像装置の模式的平面図、図26は図25のH−H線に沿う断面図である。
【0091】
実施例2の固体撮像装置1は、実施例1の固体撮像装置1の製造方法において、収縮枠形成(S04)の工程の後、固体撮像素子13の受光面に透明な接着剤21を介して透明な保護体22を接着するものである。収縮枠形成の後では、固体撮像素子13の受光面は凹面状に反っている。従って、保護体22は固体撮像素子13の受光面の反りに追従するように柔軟な材質で形成されたものである必要がある。また、接着剤21としては、例えば、紫外線硬化型の接着剤を使用する。
【0092】
実施例2によれば、固体撮像素子13の受光面を保護体22で保護できるようになり、固体撮像装置1の信頼性はさらに向上する。また、固体撮像装置1の受光面に紫外線硬化型の接着剤21で保護体22を接着するため、紫外線硬化型接着剤21の硬化収縮によって固体撮像素子13の受光面の反りをさらに増加させることができる利点もある。
【実施例3】
【0093】
図27及び図28は本発明の実施例3である固体撮像装置に係わる図であり、図27は固体撮像装置の模式的平面図、図28は図27のI−I線に沿う断面図である。
【0094】
実施例3の固体撮像装置1は、実施例1の固体撮像装置1の製造方法において、固体撮像素子13の電極15(図示せず)とフレキシブル配線基板3の電極パッド9(図示せず)をワイヤで接続することなく、テープ付き配線23で接続したものである。テープ付き配線23は、絶縁性のテープ24と、テープ24の一面に形成した複数の配線25とからなり、配線25の一端が電極15に接続され、配線25の他端が電極パッド9に接続されるものである。電極パッド9及び電極15に接続される部分を覗く配線25部分を絶縁性の保護膜で覆っておく構造でもよい。
【0095】
実施例3の固体撮像装置1では、収縮枠17はテープ付き配線23の外側に反って設けられている。
【0096】
実施例3の固体撮像装置1の製造方法においても固体撮像素子13の受光面を凹面状に反らせることができる。
【実施例4】
【0097】
図29及び図30は本発明の実施例4である固体撮像装置に係わる図であり、図29は固体撮像装置の模式的平面図、図30は図29のJ−J線に沿う断面図である。
【0098】
実施例4の固体撮像装置1は、実施例3の固体撮像装置1の製造方法において、固体撮像素子13を接続手段としてフリップ・チップ接続したものである。即ち、固体撮像素子13の第1の面に電極を設けることなく、固体撮像素子13の第2の面にフリップ・チップ接続用の電極15aを設け、この電極15aをフレキシブル配線基板3の電極パッド9(図示せず)にフリップ・チップ接続したものである。このため、フレキシブル配線基板3の内側の辺は固体撮像素子13の下面にまで延在している。
【0099】
実施例4の固体撮像装置1の製造方法においても固体撮像素子13の受光面を凹面状に反らせることができる。
【実施例5】
【0100】
図31及び図32は本発明の実施例5である固体撮像装置に係わる図であり、図31は固体撮像装置の模式的平面図、図32は図31のK−K線に沿う断面図である。
【0101】
実施例5の固体撮像装置1は、実施例1の固体撮像装置1の製造方法において、収縮枠形成(S04)において、図31に示すように、収縮枠17の一部の領域を収縮枠17の外側に張り出した形状にしたものである。張り出した形状、即ち、張り出し部26は、実施例では、Y方向に沿って延在する収縮枠17の辺の中間部分をX方向に沿って収縮枠17の外側に向かって所定寸法張り出した形状にしてある。
【0102】
このような張り出し部26を設けることによって、収縮枠17が冷却されるとき、張り出し部26の収縮力が張り出し方向に沿って基板2及び固体撮像素子13に加わり、X方向に沿う反りを大きくすることになる。このように張り出し部26を設けることによって平面XY方向の反りの程度(長さ、曲率等)を微妙に調整することが可能になる。
【実施例6】
【0103】
図33乃至図35は本発明の実施例6である固体撮像装置に係わる図であり、図33は固体撮像装置の模式的平面図、図34は図33のL−L線に沿う断面図、図35は固体撮像装置の底面図である。
【0104】
実施例6の固体撮像装置1は、実施例1の固体撮像装置1の製造方法において、図33及び図34に示すように、ワイヤ16を絶縁性の樹脂で覆って保護体27を形成するが、基板2の第1の面2aには収縮枠17は設けない。その代わり、基板2の第2の面2bに収縮枠17を設ける。この収縮枠17に囲まれる領域は、固体撮像素子13が固定される領域の裏側の面となる領域である。
【0105】
実施例6は基板2の第2の面2bに収縮枠17を設けることから固体撮像素子13の受光面を凸状面とする反りとすることもできる。
【0106】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施例1による固体撮像装置の模式的平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図2の一部を示す拡大断面図である。
【図4】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】実施例1の固体撮像装置の製造方法で使用する基板付き配線基板の模式的平面図である。
【図6】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図7】前記基板付き配線基板にダイボンディング樹脂を塗布した状態を示す模式的平面図である。
【図8】前記基板付き配線基板にセンサチップを固定した状態を示す模式的平面図である。
【図9】図8のD−D線に沿う断面図である。
【図10】前記基板付き配線基板の配線とセンサチップの電極をワイヤで接続した状態を示す模式的平面図である。
【図11】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図12】前記基板に収縮枠を形成した状態を示す模式的平面図である。
【図13】図12のF−F線に沿う断面図である。
【図14】シミュレーションモデルの平面図である。
【図15】図14のG−G線に沿う断面図である。
【図16】アルミナ基板によるシミュレーションモデルの変形状態を示す模式図である。
【図17】アルミナ基板上のセンサチップの反り状態を示す模式図である。
【図18】窒化硅素基板によるシミュレーションモデルの変形状態を示す模式図である。
【図19】窒化硅素基板上のセンサチップの反り状態を示す模式図である。
【図20】実施例1の固体撮像装置におけるセンサチップの受光面の高低差を示す模式図である。
【図21】実施例1の固体撮像装置におけるセンサチップの受光面の反り測定結果を示す三次元モデル図である。
【図22】実施例1の固体撮像装置が使用されるカメラの模式図である。
【図23】実施例1の固体撮像装置の受光面に入射するカメラレンズを通過した光の状態と、平坦な受光面を有する固体撮像装置に入射するカメラレンズを通過した光の状態を示す模式図である。
【図24】図23に示す各光の入射状態における右端のマイクロレンズに入射する光の状態を示す模式図である。
【図25】本発明の実施例2による固体撮像装置の模式的平面図である。
【図26】図25のH−H線に沿う断面図である。
【図27】本発明の実施例3による固体撮像装置の模式的平面図である。
【図28】図27のI−I線に沿う断面図である。
【図29】本発明の実施例4による固体撮像装置の模式的平面図である。
【図30】図29のJ−J線に沿う断面図である。
【図31】本発明の実施例5による固体撮像装置の模式的平面図である。
【図32】図31のK−K線に沿う断面図である。
【図33】本発明の実施例6による固体撮像装置の模式的平面図である。
【図34】図33のL−L線に沿う断面図である。
【図35】実施例6の固体撮像装置の底面図である。
【図36】特開2004−349545号公報のような、チップよりも基板の熱膨張係数が小さいモデル。
【図37】従来の固体撮像装置の一部を切り欠いて示す平面図である。
【図38】図37のM−M線に沿う断面図である。
【図39】図31の樹脂塗布パターンとした際のシミュレーション解析によるセンサチップの受光面の反り状態を示す高低差表示例である。
【符号の説明】
【0108】
1…固体撮像装置、1a…受光面、2…基板、2a…第1の面、2b…第2の面、3…フレキシブル配線基板、4…接着剤、6…テープ、7…配線、8…絶縁膜、9…電極パッド、10…外部電極端子、12…接着剤、13…固体撮像素子、14…マイクロレンズ、15,15a…電極、16…ワイヤ、17…収縮枠、18…固体撮像素子固定部、21…接着剤、22…保護体、23…テープ付き配線、24…テープ、25…配線、26…張り出し部、27…保護体、30…シミュレーションモデル、30A…第1のシミュレーションモデル、30B…第2のシミュレーションモデル、31…基板、32…接着剤、33…センサチップ、34…封止樹脂、37…カメラ、38…カメラ本体、39…レンズ部、40…光線、40a…光軸、41…ハーフミラー、41a…支軸、42…モニター用光束、43…フォーカシングスクリーン、44…ファインダ、45…フォーカルプレーンシャッタ、46…カメラレンズ、47…センサ部、48…絶縁膜、60…固体撮像装置、61…アルミナ基板、62…リード、63…枠体、64…接着剤、65…接着剤、66…センサチップ、67…マイクロレンズ、68…電極、69…ワイヤ、70,71…反射防止膜、72…ガラス板、73…接着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有する基板と、
複数の電極を有するとともに、第1の面に受光部を有し前記第1の面の反対面となる第2の面を前記基板の前記第1の面に接着剤を介して接着される固体撮像素子と、
前記基板の前記第1の面に形成され、一端が外部電極端子となる複数の配線と、
前記固体撮像素子の前記各電極と前記配線を電気的に接続する接続手段とを有し、
前記固体撮像素子の前記受光部よりも外側となる前記基板の表面側に前記受光部を囲むように熱膨張係数が前記基板及び前記固体撮像素子の熱膨張係数よりも大きい樹脂からなる収縮枠が接着形成され、前記固体撮像素子の前記受光部の受光面は反っていることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記収縮枠は無端状になっていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記収縮枠は一部の領域において前記収縮枠の外側に張り出した形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記基板の前記第1の面に前記収縮枠が形成され、前記固体撮像素子の前記受光面は凹面状に反っていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記基板の前記第2の面に前記収縮枠が形成され、前記固体撮像素子の前記受光面は凸面状に反っていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記固体撮像素子を構成する材質の熱膨張係数と前記基板を構成する材質の熱膨張係数は同程度であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記固体撮像素子は熱膨張係数が約3ppm/℃程度のシリコンで形成され、前記基板は熱膨張係数が約3ppm/℃程度のシリコンの熱膨張係数に近い材料で形成され、前記収縮枠は熱膨張係数が約11 ppm/℃程度のエポキシ樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記固体撮像素子の前記電極と前記配線は導電性のワイヤで接続され、かつ前記ワイヤは前記収縮枠内に埋まっていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記基板の前記第1の面には、絶縁性のテープと、前記テープの一面に設けられた複数の配線からなるフレキシブル配線基板が接着されて前記配線が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記固体撮像素子の前記受光面全域には透明な保護体が透明な接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面に固体撮像素子固定部を有し、前記第1の面に前記固体撮像素子の電極に電気的に接続される複数の配線を有する基板を準備する工程、
(b)複数の電極を有するとともに、第1の面に受光部を有し前記第1の面の反対面となる第2の面を有する固体撮像素子を準備する工程、
(c)前記基板の前記固体撮像素子固定部に前記固体撮像素子の前記第2の面側を前記基板の前記第1の面側に固定するとともに、前記固体撮像素子の各前記電極を各前記配線に接続手段を介して電気的に接続する工程、
(d)前記固体撮像素子の前記受光部よりも外側となる前記基板の表面側に、前記受光部を囲むように熱膨張係数が前記基板及び前記固体撮像素子の熱膨張係数よりも大きい樹脂によって収縮枠を常温よりも高い温度下で接着形成し、その後、常温まで冷却して前記収縮枠の収縮によって前記固体撮像素子の前記受光部の受光面を反らせる工程、
を有することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(d)では、前記収縮枠を無端状に形成することを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項13】
前記工程(d)では、前記収縮枠を一部の領域において前記収縮枠の外側に張り出した形状に形成することを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項14】
前記工程(d)では、前記基板の前記第1の面に前記収縮枠を形成し、前記固体撮像素子の前記受光面を凹面状に反らせることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項15】
前記工程(d)では、前記基板の前記第2の面に前記収縮枠を形成し、前記固体撮像素子の前記受光面を凸面状に反らせることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項16】
前記工程(a)では、熱膨張係数が約3ppm/℃の材料で形成される前記基板を準備し、
前記工程(b)では、熱膨張係数が約3ppm/℃のシリコンで形成される前記固体撮像素子を準備し、
前記工程(d)では、百数十度の温度下で熱膨張係数が約11ppm/℃のエポキシ樹脂によって前記収縮枠を形成し、その後常温にまで冷却させることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項17】
前記工程(c)では、前記固体撮像素子の前記第2の面を前記基板の前記第1の面に接着剤を介して固定し、その後前記固体撮像素子の前記電極と前記配線を導電性のワイヤで接続し、
前記工程(d)では、前記ワイヤを覆うように前記収縮枠を形成することを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項18】
前記工程(a)では、絶縁性のテープと前記テープの一面に設けられた複数の配線とからなるフレキシブル配線基板を、前記基板の前記第1の面に接着して前記配線を形成することを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項19】
前記工程(d)の後に、(e)前記固体撮像素子の前記受光面全域に透明な保護体を透明な接着剤を介して接着する工程を有することを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2008−78598(P2008−78598A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300239(P2006−300239)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】