説明

基板処理装置及び半導体装置の製造方法

【課題】装置の大型化を抑制し、装置内に収納する基板を増加することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置は基板処理装置本体とポッドを搬送する搬送機構22を備え、基板処理装置本体にポッドを搬入出する搬入出部と、基板処理装置本体内においてウエハを収容するポッドを移送するポッド移送装置と、この搬入出部とポッド移送装置とを離間させるようにして設けられ、基板処理装置本体内に搬入されたポッドを収納するバッファ棚とを有し、搬送機構22はポッド移送装置に向けて伸縮する伸縮部202と、伸縮部202の伸縮動作に伴って伸縮部202の伸縮する長さよりも大きくなるようにポッドを移動させる移動部210・220とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の基板(ウエハ)を一度にまとめて処理(バッチ処理)するバッチ式縦型基板処理装置においては、ウエハは基板収容器(FOUP等)に複数枚収容された状態で装置内に搬送され、一度のプロセス処理で数十〜数百枚が同時に処理される。
【0003】
このような基板処理装置には、装置内に基板収容器を収納(ストック)できるように収納棚(ストッカ)が設けられている。
処理する基板枚数が増加すると、これに伴い収納棚を増加させる必要がある。装置内に設けられる収納棚が増加すると、装置自体を大型化する必要性が生じる。
【0004】
例えば、基板収容器を装置内外に搬入出する搬入出部(ステージ)の後方に収納棚を設けると、装置内で基板収容器を移送する移送装置とステージとの距離が長くなる。
この場合、基板収容器を移送装置に受け渡す方法の一つとして、この基板収容器を移送装置に受け渡す位置まで移動させる方法が挙げられる。
【0005】
特許文献1には、CVD装置の筺体内の回転棚設置室の奥には前面をカバーするクリーンユニットが建て込まれ、クリーンユニットのパーティクルフィルタは回転棚設置室に露出し、ファン群、ダクト部の下流側に配置され、回転棚設置室の天井の上に敷設されたダクトの吸込口は筺体の正面側で開口され、吹出口はダクト部に接続され、この吸込口に設置されたファンの下流側にはケミカルフィルタが設置されている半導体製造装置が開示されている。
【0006】
特許文献2には、ウエハを出し入れするための開口に着脱可能に取り付けられた蓋を有するカセットが載置される載置台と、この載置台のカセットに収容されたウエハを処理するためのカセットステーションと、載置台上のカセットからウエハを取出してカセットステーションに搬送し、処理後のウエハを載置台のカセットに戻すサブアーム機構と、サブアーム機構の側の雰囲気をカセット載置台のそばの雰囲気から仕切る仕切板と、この仕切板の開口の方向に載置台上のカセットを移動させるスライドステージと、開口を介してカセットの開口から蓋を取り外す蓋外し機構とスライドステージの推力を制御するX軸シリンダから構成される基板処理装置が開示されている。
【0007】
特許文献3には、半導体製造装置外部上方にある頭上搬送機から降下してくる基板カセットを載置可能な搬入出ステージ部と、稼動状況表示および稼動命令操作を表示操作部とを半導体製造装置正面に有し、表示操作部は、頭上搬送機から降下してくる基板カセットの垂直軌道よりも下部の半導体製造装置正面壁または垂直軌道よりも前に突出した正面壁に設けられたことを特徴とする半導体製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−297763号公報
【特許文献2】特開2001−358197号公報
【特許文献3】特開2008−211244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、一般的なリニアガイドやボールねじ、エアシリンダ等を用いたスライド機構は、そのユニット全長が長くなり、搬入出部の寸法が増大する。
また、搬入出部を旋回させて、この搬入出部あるいは装置本体内を保守点検(メンテナンス)する場合がある。この場合、搬入出部の寸法が大きいと旋回に要する半径が大きくなり、この旋回する範囲を確保するため装置自体を大型化する必要性が生じる。
【0010】
本発明の目的は、装置の大型化を抑制しつつ、この装置内に収納する基板を増加することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の特徴とするところは、基板処理装置本体と、基板を搬送する搬送手段を備え、前記基板処理装置本体に基板を搬入出する搬入出部と、前記基板処理装置本体内において基板を移送する移送装置と、前記搬入出部と前記移送装置とを離間させるようにして設けられ、前記基板処理装置本体内に搬入された基板を収納する収納部と、を有し、前記搬送手段は、前記移送装置に向けて伸縮する伸縮部と、前記伸縮部の伸縮動作に伴って、当該伸縮部の伸縮する長さよりも大きくなるように基板を移動させる移動部と、を有する基板処理装置にある。
【0012】
本発明の第2の特徴とするところは、伸縮部の伸縮する長さよりも大きくなるように基板を移動させ、基板処理装置本体に当該基板を搬入出する工程と、前記基板処理装置本体内において基板を移送する工程と、基板を搬入出する搬入出部と基板を移送する移送装置とを離間させるようにして設けられた収納部に基板を収納する工程と、を有する半導体装置の製造方法にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置の大型化を抑制しつつ、この装置内に収納する基板を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の全体概略概略図である。
【図2】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態で用いられる基板処理装置の上面断面図である。
【図4】本発明の実施形態で用いられる搬送機構の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態で用いられる搬送機構の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態で用いられる搬送機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置10の全体概略図を示す。
図2は、基板処理装置10の側面断面図を示す。
図3は、基板処理装置10の上面断面図を示す。
【0016】
本実施形態において基板処理装置10は、基板としてのウエハ2に酸化処理や拡散処理、CVD(Chemical Vapor Deposition)処理等を行う縦型の装置として構成されている。
【0017】
基板処理装置10には、例えばシリコン(Si)からなるウエハ2を収容する基板収容器(ウエハキャリア)としてFOUP(Front Opening Unified Pod:以下、ポッド4と称する)が使用される。
ウエハキャリアとしてポッド4が使用される場合、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、ウエハ2の清浄度が向上する。
【0018】
基板処理装置10は、基板処理装置本体12を有する。基板処理装置本体12の正面壁12aには、ポッド4をこの基板処理装置本体12内外に搬入及び搬出(搬入出)する搬入出部14が設けられている。
正面壁12aには、基板処理装置本体12内外を連通する搬入出口16が開設されている。搬入出口16は、開閉部18によって開閉されるようになっている。
【0019】
搬入出部14は、ポッド4が載置される載置部20と、この載置部20を前後方向に搬送(スライド)させる搬送機構22と、これら載置部20及び搬送機構22を旋回自在とする例えばヒンジ等により構成される旋回部24と、により構成されている。
本実施形態においては、載置部20及び搬送機構22はそれぞれ、左右方向に並んで2つ設けられている。
【0020】
搬送機構22が載置部20を前後方向に搬送することによって、この載置部20に載置されたポッド4が、搬入出口16を通って基板処理装置本体12内外を往来するようになっている。
このように、搬送機構22は、載置部20を搬入出位置と受渡位置との間で搬送する。
搬入出位置は、基板処理装置本体12外であって、外部の運搬装置(非図示)との間でポッド4の授受が行われる位置である。また、受渡位置は、基板処理装置本体12内であって、後述するポッド移送装置70との間でポッド4の授受が行われる位置である。
【0021】
載置部20及び搬送機構22は、例えば、基板処理装置本体12内の保守点検(メンテナンス)時に前方に旋回される。
【0022】
基板処理装置本体12内であって搬入出部14の後方上部には、複数個のポッド4を収納する第一の収納部として用いられるバッファ棚30が設けられている。
バッファ棚30は、搬入搬出部14とポッド移送装置70とを離間させるようにして設けられている。
【0023】
バッファ棚30は、正面壁12aの内面に据え付けられた支持板32と、この支持板32に水平に支持された複数の棚板34と、により構成されている。バッファ棚30は、それぞれの棚板34に複数個のポッド4を左右方向に並べて載置するようになっている。
【0024】
基板処理装置本体12内の後方下部には、副筺体40が設けられている。副筺体40は、前後方向に設けられた水平壁42と、上下方向に設けられた垂直壁44とによって、基板処理装置本体12内の空間から流体的に隔絶された空間を形成する。
【0025】
副筺体40の上方には、ポッド4を収納する第二の収納部として用いられる回転棚50が設けられている。
回転棚50は、モータ等の駆動部(非図示)によって間欠回転される回転軸52と、この回転軸52に上下方向で配置され略卍形状に形成された棚板54と、により構成される。
回転棚50は、それぞれの棚板54に複数個のポッド4を載置するようになっており、これらの棚板54に載置されたポッド4が、正面の位置(前側)に順次送られるようになっている。
【0026】
副筺体40の垂直壁44には、ポッド4から副筺体40内にウエハ2を搬入出(ローディング及びアンローディング)するウエハローディングポート60が上下方向に2つ設けられている。
ウエハローディングポート60には、ポッド4の蓋部を着脱してこのポッド4を開閉するポッド開閉装置62が設けられている。
また、垂直壁44には、ウエハローディングポート60に対応して、ウエハ2を副筺体40内外に連通する搬入出口64が開設されている。
【0027】
基板処理装置本体12内において、バッファ棚30と回転棚50との間には、ポッド4を移送するポッド移送装置70が設けられている。
ポッド移送装置70は、載置部20、バッファ棚30、回転棚50、及びウエハローディングポート60これらの間で、ポッド4を移送するように構成されている。
【0028】
ポッド移送装置70は、基板処理装置本体12の底面に左右方向に設けられたリニアアクチュエータ72と、このリニアアクチュエータ72の上部に立設されたエレベータ74とにより構成される。
【0029】
リニアアクチュエータ72は、モータ72aを駆動源としてエレベータ74を左右方向に移動させるようになっている。
エレベータ74は、モータ74aを駆動源として、このエレベータ74に設けられた昇降台76を昇降させるようになっている。
昇降台76には、所定の位置に載置されているポッド4を保持し、所定の位置に載置する(ハンドリングする)ポッドハンドリング装置78が設けられている。
【0030】
ポッドハンドリング装置78は、スカラ型ロボット(SCARA : Selective compliance assembly robot arm、水平多関節ロボット)によって構成されている。
具体的には、ポッドハンドリング装置78は、昇降台76に垂直に据え付けられたロータリーアクチュエータ80を備えており、このロータリーアクチュエータ80は、その出力軸である回転軸に一端部が固定された第一のアーム82を水平面内で回転させるように構成されている。
【0031】
第一のアーム82の他端部には、第二のアーム84の一端部が軸支されており、この第二のアーム84は、ロータリーアクチュエータ80によって水平面内で回転されるようになっている。
第二のアーム84の他端部には、ポッド4を保持するハンド86が水平に取り付けられており、このハンド86は、ポッド4を下方から掬い取って水平に保持するようになっている。
【0032】
基板処理装置本体12内の後方上部には、ヒータユニット90が垂直方向に据え付けられている。ヒータユニット90の内部には、処理室を構成するプロセスチューブ92が同心上に配置されている。
プロセスチューブ92には、このプロセスチューブ92内に原料ガスやパージガス等を導入するガス導入管94と、プロセスチューブ92内を真空排気する排気管96とが接続されている。
【0033】
ヒータユニット90の下方であって副筺体40内には、ボート昇降装置100が設けられている。ボート昇降装置100は、プロセスチューブ92の真下に水平に配置されたキャップ102を垂直方向に昇降させるように構成されている。
キャップ102は、プロセスチューブ92の下端開口よりも大径の円盤形状に形成されている。キャップ102は、プロセスチューブ92の下端開口を密閉(シール)するとともに、ボート104を垂直に立脚した状態で支持するように構成されている。
【0034】
ボート104は、ウエハ2を複数枚、中心を揃えて水平に配置した状態で保持するようになっている。ボート104は、キャップ102がボート昇降装置100により昇降されるのに伴って、プロセスチューブ92内に搬入出されるようになっている。
ボート104は、1つのポッド4に収容されたウエハ2の枚数(例えば25枚)と比較して、多く(例えば100 - 150枚)のウエハ2を保持するようになっている。
【0035】
副筺体40内の空間には、ウエハ移載装置110が設けられている。
ウエハ移載装置110は、ウエハローディングポート60と、ボート104との間でウエハ2を移送するように構成されている。
【0036】
ウエハ移載装置110は、ベース112を備える。
ベース112の上面には、ロータリーアクチュエータ114が設置されており、このロータリーアクチュエータ114の上部には、第一のリニアアクチュエータ116が設置されている。ロータリーアクチュエータ114は、第一のリニアアクチュエータ116を水平面内で回転させるように構成されている。
【0037】
第一のリニアアクチュエータ116の上部には、第二のリニアアクチュエータ118が設置されている。第一のリニアアクチュエータ116は、第二のリニアアクチュエータ118を水平移動させるように構成されている。
第二のリニアアクチュエータ118の上部には、取付台120が設置されている。第二のリニアアクチュエータ118は、取付台120を水平移動させるように構成されている。
取付台120には、ウエハを下方から支持するツィーザ122が等間隔で複数枚、水平に取り付けられている。
【0038】
ウエハ移載装置110は、エレベータ124によって昇降されるようになっている。
【0039】
次に、搬送機構22の詳細について説明する。
【0040】
図4、図5は、搬送機構22の斜視図を示し、図6は、搬送機構22の側面図を示す。
図4、図6(a)は、載置部20が搬入出位置(前側)にある場合を示し、図5、図6(b)は、載置部20が受渡位置(後側)にある場合を示す。
なお、図4、図5においては、載置部20の図示を省略する。
【0041】
まず、エアシリンダ等からなる伸縮部の特徴について説明する。
伸縮部は、伸縮部材を伸縮させることによってその伸縮方向に他の部材を移動させるものであり、伸縮する長さの最大は、伸縮部材を備えるこの伸縮部自体の長さとなる。
このため、一般的に、他の部材を移動させる長さが大きくなるほど伸縮部自体の長さを大きくする必要がある。
【0042】
よって、このような伸縮部を搬入出部に設ける場合、伸縮方向に対するこの搬入出部の大きさは、この伸縮部の大きさに規制される。すなわち、搬入出部には、伸縮方向に対して、少なくとも伸縮部自体の長さを確保する必要がある。
【0043】
本実施形態においては、図4〜6に示すように、搬送機構22は基台部200を備える。
基台部200には、例えばエアシリンダ等により構成され伸縮する伸縮部202と、第一の案内部204と、第一の固定部206とが設けられている。
伸縮部202は、ポッド移送装置70に向けて伸縮部材202aを伸縮させるように構成されている。
【0044】
基台部200の上部には、第一の移動部210が前後方向に移動自在に設けられている。第一の移動部210は、第一の案内部204に案内されて移動するようになっている。
第一の移動部210は、接続部208を介して伸縮部202に接続されている。このため、伸縮部202が延伸した場合、第一の移動部210が後方に移動し、伸縮部202が収縮した場合、第一の移動部210が前方に移動するようになっている。
【0045】
第一の移動部210の側面には、移動伝達部212が設けられている。
移動伝達部212は、例えば無端状ベルトにより構成される帯部(ベルト部)214が、支持部材として用いられる2つの支持ロール216a、216bによって回転自在に支持されるようにして構成されている。
第一の移動部210の上面には、第二の案内部218が設けられている。
【0046】
第一の移動部210の上部には、第二の移動部220が前後方向に移動自在に設けられている。第二の移動部220は、第二の案内部218に案内されて移動するようになっている。
第二の移動部220には、第二の固定部222が設けられている。
第二の移動部220の上面に、載置部20が設けられている。
【0047】
ここで、移動伝達部212の帯部214の下側(基台部200側)には第一の固定部206が固定され、上側(第二の移動部220側)には第二の固定部222が固定されている。
第一の固定部206と第二の固定部222とは、帯部214に沿った間隔が相互に遠くなるように配置されている。
【0048】
本実施形態においては、第一の移動部210が前側に配置されている場合(伸縮部202が収縮している場合)において、第一の固定部206が帯部214の下側後方に配置され、第二の固定部222が上側前方に配置されるようになっている。
【0049】
次いで、搬送機構22の動作について説明する。
伸縮部202が延伸すると、第一の移動部210が後方に移動する。帯部214の下側は第一の固定部206により固定されているため、この帯部214は第一の移動部210の移動に伴って回転する(図6において時計方向)。
帯部214の上側には第二の固定部222が固定されているため、この帯部214の回転に伴って第二の移動部220が後方に移動する。
【0050】
このようにして、載置部20が後方に移動される。
図6に示すように、載置部20が後方に移動する長さLは、伸縮部202の延伸する長さMよりも大きくなる。
具体的には、「動滑車の原理」に基づいて、載置部20が移動する長さLは、伸縮部202の延伸する長さMの2倍となる。また、載置部20が移動する速度は、伸縮部202の延伸する速度の2倍となる。
【0051】
本実施形態においては、第一の移動部210が、「動滑車の原理」における軸の固定されていない動滑車に相当する。このため、第二の移動部220(載置部20)が移動する長さは、第一の移動部210の移動する長さ(伸縮部202の延伸する長さ)の2倍となる。
同様に、第二の移動部220(載置部20)が移動する速度は、第一の移動部210の移動する速度(伸縮部202の延伸する速度)の2倍となる。
【0052】
伸縮部202が収縮すると、第一の移動部210が前方に移動する。第一の移動部210が移動すると、これに伴って帯部214は回転する(図6において反時計方向)。
帯部214が回転すると、これに伴って第二の移動部220が前方に移動する。
【0053】
このようにして、載置部20が前方に移動される。
同様に、載置部20が前方に移動する長さLは、伸縮部202の収縮する長さMよりも大きくなる。
具体的には、載置部20が移動する長さLは、伸縮部部202の収縮する長さMの2倍となる。
【0054】
このように、搬送機構22は、伸縮部202の長さ(伸縮する長さ)よりも大きい距離、載置部20を移動させる。
すなわち、載置部20を大きく移動させる必要がある場合であっても、その移動させる長さと比較して、伸縮部202の前後方向の長さが小さくなり、搬入出部14の前後方向の寸法(図3中、長さA)を小さくすることができる。
【0055】
次に、基板処理装置10の動作について説明する。
【0056】
搬入出位置にある載置部20にポッド4が載置されると、この載置部20は搬送機構22によって受渡位置に移動される。これに伴ってポッド4は、搬入出口16から基板処理装置本体12内に搬入される。
【0057】
基板処理装置本体12内に搬入されたポッド4は、ポッド移送装置70によって、載置部20から、バッファ棚30又は回転棚50の所定の位置に移送され、一時的に保管される。
バッファ棚30及び回転棚50に保管されたポッド4は、ポッド移送装置70によって、所定のウエハローディングポート60に搬送される。
なお、載置部20から、直接ウエハローディングポート60に搬送するようにしてもよい。
【0058】
ウエハローディングポート60に搬送されたポッド4は、ポッド開閉装置62によって蓋部が開かれる。
これと並行して、他方のウエハローディングポート60に、別のポッド4が搬送される。
【0059】
上側のウエハローディングポート60においてポッド4の開放作業を行っている間に、下側のウエハローディングポート60への他のポッド4の搬送作業を行う場合、本構成を有さない場合と比較して、ポッド4の入れ替え作業による待機時間が短縮される。
【0060】
ウエハローディングポート60においてポッド4の蓋部が開かれると、このポッド4に収容されたウエハ2が、ウエハ移載装置110によってボート104に移載(ローディング)される。
ポッド4がウエハローディングポート60に繰り返し供給され、これら複数個のポッド4に収容されたウエハ2がボート104に保持された状態で、バッチ処理されることとなる。
【0061】
予め定められた複数枚のウエハ2がボート104に保持されると、このボート104は、ボート昇降装置100によって上昇され、プロセスチューブ92内に搬入される。
この際、ボート104を保持するキャップ102がプロセスチューブ92の下端開口を閉塞し、このプロセスチューブ92内が気密に閉じられた状態となる。
【0062】
プロセスチューブ92の処理室が気密に閉じられると、排気管96によって所定の真空度に真空排気され、ヒータユニット90によって所定の温度に加熱される。その後、ガス導入管94によって所定の原料ガスが所定の流量で供給される。
このようにして、ウエハ2に所定の処理(例えばCVD膜の形成)がなされる。
【0063】
予め定められた処理時間が経過すると、ボート104はボート昇降装置100によって下降され、このボート104が待機位置に搬出される。
ボート104のプロセスチューブ92への搬入出作業及び処理作業と並行して、ポッド移送装置70によるポッド4の移送作業が行われる。
【0064】
ボート104に保持された処理済みのウエハ2は、ウエハ移載装置110によって、ウエハローディングポート60に待機するポッド4に移送(アンローディング)される。
続いて、ポッド4の蓋部がポッド開閉装置62によって閉じられる。
【0065】
処理済みのウエハ2を収容したポッド4は、ポッド移送装置70によって、バッファ棚30又は回転棚50に搬送される。
【0066】
処理済みのウエハ2の移載作業は、ポッド4がウエハローディングポート60に繰り返し供給され、これら複数個のポッド4に対してボート104から処理済みのウエハ2を収容するようにして行われる。
【0067】
この際、ボート104から一方(上側又は下側)のウエハローディングポート60へウエハ2を移載する作業と並行して、他方のウエハローディングポート60へのポッド4の搬送作業を行うことで、本構成を有さない場合と比較して、ポッド4の入れ替え作業による待機時間が短縮される。
【0068】
処理済みのウエハ2を収容したポッド4は、ポッド移送装置70によって、バッファ棚30又は回転棚50から受渡位置にある載置部20に移送される。次いで、載置部20は搬送機構22によって搬入搬出位置に搬送され、ポッド4が基板処理装置本体12外に搬出される。
なお、処理済みのウエハ2を収容したポッド4は、ウエハローディングポート60から直接、載置部20に移送されるようにしてもよい。
【0069】
上記実施形態においては、基板処理装置10がバッチ式縦形CVD装置を構成する場合について説明したが、これに限らず、バッチ式縦形拡散装置等の半導体製造装置全般に適用することができる。
【0070】
また、ウエハ2の基板収容器としてポッド4を用いた場合について説明したが、これに限らず、開閉するキャップを有さないカセットを使用するようにしてもよい。
基板収容器としてカセットを使用する場合、ポッド開閉装置62の設置を省略することができる。
【0071】
基板処理装置本体12内に基板を搬入する搬入部と、基板処理装置本体12外に基板を搬出する搬出部とを別個に設け、これらのうち少なくともいずれかに搬送機構22を設けるようにしてもよい。
【0072】
ウエハローディングポート60は、上下二段に限らず、一段だけ設置してもよいし、上中下三段のように三段以上設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
2 ウエハ
4 ポッド
10 基板処理装置
12 基板処理装置本体
14 搬入出部
20 載置部
22 移動機構
24 旋回部
30 バッファ棚
40 副筺体
50 回転棚
70 ポッド移送装置
72 リニアアクチュエータ
74 エレベータ
76 昇降台
78 ポッドハンドリング装置
90 ヒータユニット
92 プロセスチューブ
104 ボート
110 ウエハ移載装置
200 基台部
202 伸縮部
204 第一の案内部
206 第一の固定部
208 接続部
210 第一の移動部
212 移動伝達部
214 帯部
218 第二の案内部
220 第二の移動部
222 第二の固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置本体と、
基板を搬送する搬送手段を備え、前記基板処理装置本体に基板を搬入出する搬入出部と、
前記基板処理装置本体内において基板を移送する移送装置と、
前記搬入出部と前記移送装置とを離間させるようにして設けられ、前記基板処理装置本体内に搬入された基板を収納する収納部と、
を有し、
前記搬送手段は、
前記移送装置に向けて伸縮する伸縮部と、
前記伸縮部の伸縮動作に伴って、当該伸縮部の伸縮する長さよりも大きくなるように基板を移動させる移動部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
伸縮部の伸縮する長さよりも大きくなるように基板を移動させ、基板処理装置本体に当該基板を搬入出する工程と、
前記基板処理装置本体内において基板を移送する工程と、
基板を搬入出する搬入出部と基板を移送する移送装置とを離間させるようにして設けられた収納部に基板を収納する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−169534(P2012−169534A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30909(P2011−30909)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】