説明

基板処理装置

【課題】光透過性の高い基板を使用する場合であっても、基板の配設状態を検知可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を処理する反応室と、前記基板が載置された基板ホルダを保持すると共に基板処理中前記反応室内に配置される基板保持具12と、前記基板が前記基板ホルダに載置された状態で該基板ホルダの搬送を行う基板移載機11とを具備し、基板移載機11は前記基板ホルダを保持するアーム13と、光を投光する第1の投光部と該第1の投光部から投光された光を受光する第1の受光部を有する第1のファイバセンサとを有し、該第1のファイバセンサはアーム13が正常に前記基板ホルダを保持している場合に、前記第1の投光部と前記第1の受光部との間に前記基板ホルダが位置する様に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する工程を有する基板処理装置及び半導体装置の製造方法及び基板製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(以下SiCとする)は、シリコン(以下Siとする)に比べエネルギーバンドギャップが大きいことや、絶縁体性が高いことから、特にパワーデバイス用素子材料として注目されている。一方で、SiCはSiに比べて融点が高いこと、常圧下での液相を持たないこと、不純物拡散係数が小さいこと等から、結晶基板やデバイスの作製が難しいことが知られている。
【0003】
従来のSiCエピタキシャル膜を成膜する基板処理装置は、図13、図14に示される様な「パンケーキ型」、「プラネタリ型」と称される形態の基板処理装置が主流であり、図15に示される様に数枚〜十数枚程度のSiC基板(以下ウェーハとする)91を板状サセプタ92に平面的に配置して、或は該サセプタ92によりSiCウェーハ91を保持して1500℃〜1800℃に加熱し、成膜に用いる原料ガスをガス供給口93を介して一箇所から反応室94内に供給して、ウェーハ91上面(ウェーハ主面)にSiCエピタキシャル膜を成長させている。
【0004】
原料ガスはウェーハ91を処理する前記反応室94の中心部から供給され、周辺部より排気されるのが一般的であり、前記ガス供給口93からガス排気口95に掛けてガスの濃度分布は大きく変化する為、膜厚の不均一性を回避する様ウェーハ91や前記サセプタ92を成膜時に回転させることも一般的に行われている。
【0005】
然し乍ら、従来の基板処理装置の場合、多数枚のウェーハ91を処理する場合や、ウェーハ91の径を大きくする場合には前記サセプタ92の径を大きくする必要がある為、基板処理装置が大型化し、更に前記反応室94の床面積が増大しコストが増大する。又、原料ガスのガス供給口93から半径方向にウェーハ91を2枚以上並べた場合、上記したガス濃度差の問題により処理ウェーハ91間に膜厚差が発生する為、一度に処理できるウェーハ91の枚数が制限されるという問題があった。
【0006】
一方で、SiCエピタキシャル膜を成膜する基板処理装置ではないものの、ウェーハ1枚相当のフットプリントにて一度に複数(例えば25〜100枚)のウェーハを一括処理可能な装置として縦型の基板処理装置がある。該縦型基板処理装置は、特許文献2に記載される様にウェーハを自動搬送可能な構造となっており、反応室内に装入される基板保持具(ボート)に未処理基板を移載し、ボートから処理済ウェーハを移載する基板移載機には、ウェーハの有無を検知できるファイバセンサが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−196807号公報
【特許文献2】特開2000−91255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、SiCウェーハを基板移載機を用いて自動搬送をすることを考えると、特許文献2にも記載される様にSiCウェーハの光の透過性が問題となる。即ち、SiCウェーハは、可視光や赤外光に対して透過性が高くセンサに応答しない可能性がある。尚、特許文献2では、SiCウェーハは、ダミーウエハとして使用されており、移載装置に設置されたフォトセンサの光源光に対して、低透過性のSiCダミーウエハを使用することで、ウエハカセットからウエハボートへのダミーウエハの移載、及びウエハボートからウエハカセットへのダミーウエハの移載を行う際に、ダミーウエハの枚数・配設状態の検出・監視を行っている。
【0009】
然し乍ら、SiCウェーハ自体を処理対象とした場合には、特許文献2に示される様に故意に光の透過性を小さくすると、品質を維持する為に採用することは難しい。従って、ファイバセンサのファイバ光がSiCウェーハを透過し、上手く検知できない可能性があり、ファイバセンサによってSiCウェーハを検知することが困難であるという問題がある。尚、SiCウェーハと同様に光の透過性が高いウェーハを用いる場合は、同様の問題が生じる。
【0010】
本発明は斯かる実情に鑑み、光透過性の高い基板を使用する場合であっても、基板の配設状態を検知可能な基板処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基板を処理する反応室と、基板が載置された基板ホルダを保持すると共に基板処理中前記反応室内に配置される基板保持具と、基板が前記基板ホルダに載置された状態で該基板ホルダの搬送を行う基板移載機とを具備し、該基板移載機は前記基板ホルダを保持するアームと、光を投光する第1の投光部と該第1の投光部から投光された光を受光する第1の受光部を有する第1のファイバセンサとを有し、該第1のファイバセンサは前記アームが正常に前記基板ホルダを保持している場合に、前記第1の投光部と前記第1の受光部との間に前記基板ホルダが位置する様に配置される基板処理装置に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板処理装置の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に於ける基板処理装置の斜視図である。
【図2】本発明に於ける処理炉を示す概略立断面図である。
【図3】本発明に於けるコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に於ける基板移載機を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例に於けるウェーハホルダの構成を示す概略説明図である。
【図6】本発明の第1の実施例に於けるウェーハホルダの検知方法を示す概略説明図である。
【図7】本発明の第1の実施例の変形例を示す概略説明図である。
【図8】本発明の第2の実施例に於けるウェーハホルダの検知方法を示す概略説明図である。
【図9】本発明の第3の実施例に於けるウェーハホルダの形状を示し、(A)は上ウェーハホルダの概略図であり、(B)は下ウェーハホルダの概略図である。
【図10】本発明の第3の実施例に於けるウェーハホルダの検知方法を示す概略説明図である。
【図11】本発明の第3の実施例の変形例に於けるウェーハホルダの形状を示し、(A)は上ウェーハホルダの概略図であり、(B)は下ウェーハホルダの概略図である。
【図12】本発明の第3の実施例の変形例に於けるウェーハホルダの検知方法を示す概略説明図である。
【図13】従来のパンケーキ型の基板処理装置を示す概略立断面図である。
【図14】従来のプラネタリ型の基板処理装置を示す概略立断面図である。
【図15】従来の基板処理装置を示す概略平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0015】
先ず、図1に於いて、本発明の第1の実施例に於けるSiCエピタキシャル膜を成膜する基板処理装置1の一例について説明する。
【0016】
該基板処理装置1は、バッチ式縦型熱処理装置であり、主要部が配置される筐体2を有する。前記基板処理装置1には、例えばSiC等で構成された基板としてのウェーハ3(図2参照)を収納する密閉式の基板収容器として、フープ(以下、ポッドと称す)4がウェーハキャリアとして使用される。前記筐体2の正面側には、ポッドステージ5が配置されており、該ポッドステージ5にポッド4が搬送される。ポッド4には、例えば図示しないウェーハホルダに個別に保持された状態で25枚のウェーハ3が収納され、蓋が閉じられた状態で前記ポッドステージ5にセットされる。
【0017】
前記筐体2内の正面であって、前記ポッドステージ5に対向する位置には、ポッド搬送装置6が配置されている。又、該ポッド搬送装置6の近傍にはポッド収納棚7、ポッドオープナ8及び基板枚数検知器9が配置されている。前記ポッド収納棚7は前記ポッドオープナ8の上方に配置され、ポッド4を複数個載置した状態で保持する様に構成されている。前記基板枚数検知器9は、前記ポッドオープナ8に隣接して配置され、前記ポッド搬送装置6は前記ポッドステージ5と前記ポッド収納棚7と前記ポッドオープナ8との間でポッド4を搬送する。前記ポッドオープナ8はポッド4の蓋を開けるものであり、前記基板枚数検知器9は蓋を開けられたポッド4内のウェーハ3の枚数を検知する様になっている。
【0018】
前記筐体2内には、基板移載機11、及び基板保持具としてのボート12が配置されている。前記基板移載機11は、アーム(ツイーザ)13及びウェーハ3の有無を検知可能なファイバセンサ(図示せず)を有し、図示しない駆動手段により進退可能且つ昇降可能且つ回転可能な構造となっている。前記アーム13は、例えば5枚のウェーハ3をウェーハホルダごと取出すことができ、前記アーム13の進退、昇降、回転の協働により、前記ポッドオープナ8の位置に置かれたポッド4及びボート12間にてウェーハ3を搬送する。
【0019】
前記ボート12は、例えばカーボングラファイトやSiC等の耐熱性材料で構成されており、複数枚のウェーハ3を水平姿勢で、且つ互いに中心を揃えた状態で整列させて縦方向に積上げ、保持する様に構成されている。尚、前記ボート12の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成された円筒形状の断熱部材としてボート断熱部14(図2参照)が配置されており、後述する被加熱体であるサセプタ15からの熱が処理炉16の下方側に伝わり難くなる様に構成されている(図2参照)。
【0020】
前記筐体2内の背面側上部には前記処理炉16が配置されている。該処理炉16内に複数枚のウェーハ3を装填した前記ボート12が搬入され、成膜処理が行われる。
【0021】
次に、図2に於いて、SiCエピタキシャル膜を成膜する前記基板処理装置1の前記処理炉16について説明する。尚、少なくともSi(シリコン)原子含有ガスとCl(塩素)原子含有ガスとキャリアガスとを供給する第1のガス供給口17を有する第1のガス供給ノズル18、少なくともC(炭素)原子含有ガスとキャリアガスとを供給する第2のガス供給口19を有する第2のガス供給ノズル21、及び第1のガス排気ノズル22が代表例としてそれぞれ1つずつ図示されている。又、不活性ガスを供給する第3のガス供給ノズル23、第2のガス排気管である排気ダクト24が図示されている。
【0022】
前記処理炉16は、円筒形状の反応管25を備えている。該反応管25は、石英又はSiC等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。該反応管25の内側の筒中空部には、反応室26が画成されており、Si又はSiC等で構成された基板としてのウェーハ3を前記ボート12によって水平姿勢で、且つ互いに中心を揃えた状態で整列させて縦方向に積上げ、保持した状態で収納可能に構成されている。
【0023】
前記反応管25の下方には、該反応管25と同心円状にマニホールド27が配設されている。該マニホールド27は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。該マニホールド27は、前記反応管25を支持する様に設けられ、前記マニホールド27と前記反応管25との間には、シール部材としてのOリング(図示せず)が設けられている。前記マニホールド27が図示しない保持体に支持されることにより、前記反応管25は垂直に据付けられた状態になっている。該反応管25と前記マニホールド27により、反応容器が形成されている。
【0024】
前記処理炉16は、加熱される前記サセプタ15及び磁場発生部としての誘電コイル28を具備している。前記サセプタ15は前記反応室26内に配設され、前記誘電コイル28は前記反応管25の外側に設けられた支持柱29に支持されている。該支持柱29はヒータベース31に立設され、アルミナやセラミック等の絶縁物質で構成されている。前記サセプタ15は前記誘電コイル28により発生される磁場によって加熱される様になっており、前記サセプタ15が発熱することにより、前記反応室26内が加熱される様になっている。
【0025】
前記サセプタ15の近傍には、前記反応室26内の温度を検出する温度検出体として図示しない温度センサが設けられている。前記誘電コイル28及び温度センサは、温度制御部32(図3参照)と電気的に接続されており、温度センサにより検出された温度情報に基づき、前記誘電コイル28への通電具合が調節されることで、前記反応室26内の温度が所望の温度分布となる様、所定のタイミングにて制御される様構成されている。
【0026】
尚、前記反応室26内に於いて前記第1及び第2のガス供給ノズル18,21と前記第1のガス排気ノズル22との間であって、前記サセプタ15と前記ボート12との間に、前記サセプタ15と前記ボート12との間の空間を埋める様構造物(図示せず)を設けることで、前記第1及び第2のガス供給ノズル18,21から供給されるガスが、前記サセプタ15の内壁に沿ってウェーハ3を迂回するのを防止することができる。構造物としては、好ましくは断熱材若しくはカーボンフェルト等で構成すると、耐熱及びパーティクルの発生を抑制することができる。
【0027】
前記反応管25と前記サセプタ15との間には、例えば誘電されにくいカーボンフェルト等で構成された断熱材33が設けられ、該断熱材33を設けることにより、前記サセプタ15の熱が前記反応管25或は該反応管25の外側へ伝達するのを抑制することができる。
【0028】
又、該反応管25と前記誘電コイル28との間には、石英製で有天筒状のライナチューブ34が設けられ、前記ヒータベース31の下方には前記マニホールド27の周囲を囲む様にスカベンジャ35が設けられ、前記ライナチューブ34と前記スカベンジャ35によって、前記反応室26から外部にH2 等のキャリアガスが漏洩し、爆発が発生するのを防止する様になっている。尚、前記反応管25と前記ライナチューブ34との間の空間と、前記スカベンジャ35と前記マニホールド27との間の空間は、前記ヒータベース31を境として同一雰囲気化されている。
【0029】
前記反応管25と前記ライナチューブ34との間の空間には、該ライナチューブ34を貫通し、上方に延出する前記第3のガス供給ノズル23が設けられている。又、前記ヒータベース31に前記排気ダクト24が接続され、前記反応管25と前記ライナチューブ34との間の空間及び前記スカベンジャ35の内部は、前記ヒータベース31に形成された図示しない穴を介して前記排気ダクト24に連通し、該排気ダクト24を介して排気できる様になっている。該排気ダクト24にはガス検知器36が設けられ、該ガス検知器36がO2 やH2 の漏洩を検知することで、大気混合による爆発を未然に防止できる様になっている。
【0030】
又、前記誘電コイル28の外側には、前記反応室26内の熱が外側に伝達するのを抑制する為の、例えば水冷構造である外側断熱壁37が前記反応室26を囲む様に設けられている。更に、前記外側断熱壁37の外側には、前記誘電コイル28により発生された磁場が外側に漏れるのを防止する磁気シール38が設けられている。
【0031】
図2に示す様に、前記サセプタ15とウェーハ3との間には、少なくともSi(シリコン)原子含有ガスと、Cl(塩素)原子含有ガス、及びH2 等のキャリアガスとを供給し、前記第1のガス供給ノズル18に少なくとも1つ設けられる前記第1のガス供給口17が設置され、又前記第1のガス供給ノズル18とは異なる箇所には、C(炭素)原子含有ガスとH2 等のキャリアガスとを供給し前記第2のガス供給ノズル21に少なくとも1つ設けられる前記第2のガス供給口19及び第1のガス排気ノズル22が配置され、又前記反応管25と前記ライナチューブ34との間に、前記第3のガス供給ノズル23が配置されている。
【0032】
前記第1のガス供給口17は、例えばカーボングラファイトで構成され、前記反応室26内に設けられ、又前記第1のガス供給ノズル18は、前記マニホールド27を貫通する様該マニホールド27に取付けられている。前記第1のガス供給口17は、少なくともCl(塩素)原子含有ガスを含むSi(シリコン)原子含有ガスとして、例えばテトラクロルシラン(以下SiCl4 とする)と、キャリアガスとして、例えば水素(以下H2 とする)ガスとを前記第1のガス供給ノズル18に流通させて前記反応室26内に供給する様になっている。尚、前記第1のガス供給ノズル18は複数本設けてもよく、Si(シリコン)原子含有ガスとCl(塩素)原子含有ガスを、プロパン(C3 H8 )と塩化水素(HCl)の様に別のガスとして供給してもよい。
【0033】
該第1のガス供給ノズル18は、第1のガスライン39に接続されている。該第1のガスライン39は、例えばガス配管41a,41bに接続され、該ガス配管41a,41bはそれぞれH2 ガス、SiCl4 ガスに対する流量制御器(流量制御手段)としてのマスフローコントローラ(以下MFCとする)42a,42b及びバルブ43a,43bを介して、例えばH2 ガス供給源44a、SiCl4 ガス供給源44bに接続されている。
【0034】
上記構成により、例えばH2 ガス、SiCl4 ガスのそれぞれの供給流量、濃度、分圧を前記反応室26内に於いて制御することができる。前記バルブ43a,43b、前記MFC42a,42bは、ガス流量制御部45(図3参照)に電気的に接続されており、それぞれ供給するガスの流量が所定流量となる様に、所定のタイミングにて制御される様になっている。尚、H2 ガス、SiCl4 ガスそれぞれの前記ガス供給源44a,44b、前記バルブ43a,43b、前記MFC42a,42b、前記ガス配管41a,41b、前記第1のガスライン39、前記第1のガス供給ノズル18及び該第1のガス供給ノズル18に少なくとも1つ設けられる前記第1のガス供給口17により、ガス供給系として第1のガス供給系が構成される。
【0035】
尚、Cl(塩素)原子含有ガスを含むSi(シリコン)原子含有ガスとして、SiCl4 ガスを供給したが、例えばトリクロロシラン(以下SiHCl3 とする)ガス、ジクロロシラン(以下SiH2 Cl2 とする)ガスを供給してもよい。
【0036】
前記第2のガス供給口19は、例えばカーボングラファイトで構成され、前記反応室26内に設けられ、前記第2のガス供給ノズル21は前記マニホールド27を貫通する様に、該マニホールド27に取付けられている。前記第2のガス供給口19は、少なくともキャリアガスとして、例えば水素(H原子単体、若しくはH2 分子。以下H2 とする)と、C(炭素)原子含有ガスとして、例えばプロパン(以下C3 H8 とする)ガスとを前記第2のガス供給ノズル21に流通させて前記反応室26内に供給する様になっている。尚、前記第2のガス供給ノズル21は複数本設けてもよい。
【0037】
該第2のガス供給ノズル21は、第2のガスライン46に接続されている。該第2のガスライン46は、例えばガス配管41c,41dと接続され、該ガス配管41c,41dはそれぞれ、キャリアガスとして、例えばH2 ガスに対して流量制御手段としてのMFC42c及びバルブ43cを介してH2 ガス供給源44cに接続され、C(炭素)原子含有ガスとして、例えばC3 H8 ガスに対して流量制御手段としてのMFC42d及びバルブ43dを介してC3 H8 ガス供給源44dに接続されている。
【0038】
上記構成により、例えばH2 ガス、C3 H8 ガスの供給流量、濃度、分圧を前記反応室26内に於いて制御することができる。前記バルブ43c,43d、前記MFC42c,42dは前記ガス流量制御部45(図3参照)に電気的に接続されており、供給するガス流量が所定の流量となる様、所定のタイミングにて制御される様になっている。尚、H2 ガス、C3 H8 ガスそれぞれの前記ガス供給源44c,44d、前記バルブ43c,43d、前記MFC42c,42d、前記ガス配管41c,41d、前記第2のガスライン46、前記第2のガス供給ノズル21、前記第2のガス供給口19により、ガス供給系として第2のガス供給系が構成される。
【0039】
又、前記第1のガス排気ノズル22が、前記第1のガス供給ノズル18及び前記第2のガス供給ノズル21の位置に対して対向する様に配置され、前記マニホールド27には、前記第1のガス排気ノズル22に接続されたガス排気管47が貫通する様設けられている。該ガス排気管47の下流側には、図示しない圧力検出器としての圧力センサ及び、圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ48を介して真空ポンプ等の真空排気装置49が接続されている。圧力センサ及び前記APCバルブ48には、圧力制御部51(図3参照)が電気的に接続されており、該圧力制御部51は圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記APCバルブ48の開度を調整し、前記処理炉16内の圧力が所定の圧力となる様、所定のタイミングにて制御する様に構成されている。
【0040】
前記処理炉16の下方には、該処理炉16の下端開口を気密に閉塞する為の炉口蓋体としてシールキャップ52が設けられている。該シールキャップ52は、例えばステンレス等の金属製であり、円盤状に形成されている。該シールキャップ52の上面には、前記処理炉16の下端と当接するシール材としてのOリング(図示せず)が設けられている。前記シールキャップ52には回転機構53が設けられ、該回転機構53の回転軸54は前記シールキャップ52を貫通して前記ボート12に接続されており、該ボート12を回転させることでウェーハ3を回転させる様に構成されている。
【0041】
又、前記シールキャップ52は前記処理炉16の外側に設けられた昇降機構として、昇降モータ(図示せず)によって垂直方向に昇降される様に構成されており、該昇降モータにより前記ボート12を前記処理炉16に対して搬入搬出することが可能となっている。前記回転機構53及び前記昇降モータには、駆動制御部55(図3参照)が電気的に接続されており、所定の動作をする様、所定のタイミングにて制御する様構成されている。
【0042】
尚、上述ではC(炭素)原子含有ガスとしてC3 H8 ガスを例示したが、エチレン(以下C2 H4 とする)ガス、アセチレン(以下C2 H2 とする)ガスを用いてもよい。
【0043】
又、上述ではキャリアガスとしてH2 ガスを例示したが、これに限らずH(水素)原子含有ガス、Ar(アルゴン)ガス、He(ヘリウム)ガス、Ne(ネオン)ガス、Kr(クリプトン)ガス、Xe(キセノン)ガス等の希ガスのうち少なくとも1つを用いてもよいし、上記したガスを組合わせた混合ガスを用いてもよい。
【0044】
次に、図3に於いて、SiCエピタキシャル膜を成膜する前記基板処理装置1を構成する各部の制御構成について説明する。
【0045】
前記温度制御部32、前記ガス流量制御部45、前記圧力制御部51、前記駆動制御部55は、操作部及び入出力部を構成し、前記基板処理装置1全体を制御する主制御部56に電気的に接続されている。又、前記温度制御部32、前記ガス流量制御部45、前記圧力制御部51、前記駆動制御部55は、コントローラ57として構成されている。
【0046】
次に、上述した前記基板処理装置1を用い、半導体デバイスの製造工程の一工程として、SiC等で構成されるウェーハ3等の基板上に、例えばSiC膜を形成する方法について説明する。尚、以下の説明に於いて前記基板処理装置1を構成する各部の動作は、前記コントローラ57により制御される。
【0047】
先ず、前記ポッドステージ5に複数枚のウェーハ3を収納したポッド4がセットされると、前記ポッド搬送装置6により前記ポッド4を前記ポッドステージ5から前記ポッド収納棚7へ搬送し、ストックする。次に、前記ポッド搬送装置6により、前記ポッド収納棚7にストックされた前記ポッド4を前記ポッドオープナ8に搬送してセットし、該ポッドオープナ8により前記ポッド4の蓋を開き、前記基板枚数検知器9により前記ポッド4に収納されているウェーハ3の枚数を検知する。
【0048】
次に、前記基板移載機11により、前記ポッドオープナ8の位置にある前記ポッド4からウェーハホルダ(後述)に保持された状態でウェーハ3を取出し、前記ボート12に移載する。この時、前記基板移載機11に設けられたファイバセンサ(後述)により、前記アーム13にウェーハ3が保持されているかどうかが確認される。尚、ウェーハ3は前記ウェーハホルダと一体に搬送処理されるが、該ウェーハホルダを含めて、以下ウェーハと称す。
【0049】
複数枚のウェーハ3が前記ボート12に装填されると、ウェーハ3を保持した前記ボート12は、昇降モータ(図示せず)により前記反応室26内に搬入(ボートローディング)される。この状態では、前記シールキャップ52はOリング(図示せず)を介して前記マニホールド27の下端をシールした状態となる。
【0050】
前記ボート12搬入後、前記反応室26内が所定の圧力(真空度)となる様に、前記真空排気装置49によって真空排気される。この時、前記反応室26内の圧力は、圧力センサ(図示せず)によって測定され、測定された圧力に基づき前記第1のガス排気ノズル22に連通するAPCバルブ48がフィードバック制御される。又、ウェーハ3及び前記反応室26内が所定の温度となる様、前記サセプタ15が加熱される。この時、前記反応室26内が所定の温度分布となる様、温度センサ(図示せず)が検出した温度情報に基づき前記誘電コイル28への通電具合がフィードバック制御される。続いて、前記回転機構53により、前記ボート12が回転されることで、ウェーハ3が周方向に回転される。
【0051】
続いて、SiCエピタキシャル成長反応に寄与するSiCl4 ガスが、前記SiCl4 ガス供給源44bから供給され、前記第1のガス供給口17より前記反応室26内に噴出される。又、H2 ガス及びC3 H8 ガスが、所定の流量となる様に対応する前記MFC42c,42dの開度が調整された後、前記バルブ43c,43dが開かれ、それぞれのガスが前記第2のガスライン46に流通し、前記第2のガス供給ノズル21に流通して前記第2のガス供給口19より前記反応室26内に導入される。
【0052】
前記第1のガス供給口17及び前記第2のガス供給口19より供給されたガスは、前記反応室26内の前記サセプタ15の内側を通り、前記第1のガス排気ノズル22から前記ガス排気管47を通って排気される。前記第1のガス供給口17及び前記第2のガス供給口19より供給されたガスは、前記反応室26内を通過する際に、SiC等で構成されるウェーハ3と接触し、ウェーハ3表面上にSiCエピタキシャル膜成長がなされる。
【0053】
予め設定された時間が経過すると、上述したガスの供給が停止され、図示しない不活性ガス供給源より不活性ガスが供給され、前記反応室26内の前記サセプタ15の内側の空間が不活性ガスで置換されると共に、前記反応室26内の圧力が常圧に復帰される。
【0054】
その後、昇降モータにより前記シールキャップ52が下降され、前記マニホールド27の下端が開口されると共に、処理済みのウェーハ3が前記ボート12に保持された状態で前記マニホールド27の下端から前記反応管25の外部に搬出(ボートアンローディング)され、前記ボート12に保持されたウェーハ3が冷える迄、前記ボート12を所定位置にて待機させる。待機させた該ボート12のウェーハ3が所定温度迄冷却されると、前記基板移載機11により、前記ボート12からウェーハ3を取出し、ファイバセンサによってウェーハの有無が確認された後、前記ポッドオープナ8にセットされている空のポッド4に搬送して収納する。その後、ポッド搬送装置6によりウェーハ3が収納された前記ポッド4を前記ポッド収納棚7、又は前記ポッドステージ5に搬送する。この様にして、前記基板処理装置1の一連の作動が完了する。
【0055】
次に、図4〜図6に於いて、前記基板移載機11によるウェーハ3移載時に於けるウェーハ3の検知について説明する。
【0056】
前記基板移載機11は複数(図示では5つ)の前記アーム13を有し、該アーム13は先端にウェーハ3を保持するウェーハホルダ58を保持できる様になっており、ウェーハホルダ保持部の近傍(図4中では前記アーム13の根本側)には第1のファイバセンサ59が設けられている。
【0057】
図5に示される様に、前記ウェーハホルダ58は下ウェーハホルダ61と上ウェーハホルダ62とで構成され、少なくとも一方はカーボングラファイト等の耐熱性を有し、且つ不透明材質或は低光透過率の材質によって形成されている。前記下ウェーハホルダ61はリング形状であり、中央にウェーハ3と略同径のウェーハ保持部63が形成される様内周部が欠切されている。又、前記上ウェーハホルダ62は前記下ウェーハホルダ61と同径の円板形状の部材であり、中央に前記ウェーハ保持部63と略同径で該ウェーハ保持部63の深さよりも少なくともウェーハ3の板厚分低い高さの円板状の凸部64が形成され、前記ウェーハ保持部63にウェーハ3を載置し、前記凸部64を前記ウェーハ保持部63と嵌合させて前記上ウェーハホルダ62を前記下ウェーハホルダ61と合体させることで、ウェーハ3が前記ウェーハホルダ58によって保持される。
【0058】
尚、ウェーハ3は前記ウェーハホルダ58によって保持された状態で成膜処理が行われるので、前記下ウェーハホルダ61の下面より露出した部分が成膜面となり、該成膜面に所定の膜厚のSiCエピタキシャル膜が成膜される様になっている。又、前記上ウェーハホルダ62によって前記下ウェーハホルダ61の上面開口を覆うので、ウェーハ3の成膜面の反対面に対してパーティクルが落下するのを防止できる様になっている。
【0059】
前記第1のファイバセンサ59は、第1の投光部65と第1の受光部66から構成され、前記アーム13に前記ウェーハホルダ58が保持された際に、前記第1の投光部65と前記第1の受光部66とで前記ウェーハホルダ58を上下に挾込む位置に設けられ、前記第1の投光部65から前記第1の受光部66に対してファイバ光が投光される。従って、前記ウェーハホルダ58は前記第1の投光部65と前記第1の受光部66の光路を遮断する様な配置となる。
【0060】
前記基板移載機11による前記ポッド4から前記ボート12への未処理ウェーハ3の移載、及び前記ボート12からポッド4への処理済ウェーハ3の移載時には、前記第1の投光部65から投光されたファイバ光を前記第1の受光部66が受光できるかどうかでウェーハ3の有無が判断される。
【0061】
前記第1の受光部66がファイバ光を受光できない、即ち前記第1の投光部65から投光されたファイバ光が前記ウェーハホルダ58によって遮られている場合には、ウェーハ3が前記アーム13に正常に保持されていると判断され、処理が続行される。
【0062】
又、前記第1の受光部66がファイバ光を受光した、即ち前記第1の投光部65から投光されたファイバ光が前記ウェーハホルダ58によって遮られていない場合には、ウェーハ3が前記アーム13に保持されていないと判断され、処理を中断し、前記基板処理装置1が停止される。
【0063】
上述の様に、前記基板移載機11がウェーハ3を移載する工程に於いて、前記第1のファイバセンサ59によりウェーハ3ではなく、ウェーハ3を保持する不透明材質の前記ウェーハホルダ58の有無を検知する様にしたので、ウェーハ3にSiC等の光透過率の高い材質を用いる場合であっても、ファイバ光が前記ウェーハホルダ58を透過することがなく、ウェーハ3の有無を誤検知することがない。
【0064】
従って、前記ウェーハホルダ58が前記アーム13に正常に保持されているにも拘らず、保持していないと誤検知され、誤動作により処理を中断して前記アーム13のチェックを行うという様なスループットの低下を防止することができる。
【0065】
尚、第1の実施例では前記ウェーハホルダ58をカーボングラファイト製としているが、該ウェーハホルダ58の材質はウェーハ3よりも光透過率の低いものであれば他の材質のものであっても同様の効果を得ることができる。
【0066】
又、SiCウェーハ3に対するエピタキシャル膜の成膜をバッチ式の基板処理装置によって行う様にしたので、従来のパンケーキ型やプラネタリ型の基板処理装置よりも前記反応室26の床面積を縮小することができる。
【0067】
図7は第1の実施例の変形例を示しており、第1の実施例に於ける前記第1のファイバセンサ59の、前記第1の投光部65と前記第1の受光部66の何れか一方(図7中では前記第1の投光部65)を、前記ウェーハホルダ58の側面側に配置している。
【0068】
上記変形例では、各アーム13間のピッチは、前記第1の投光部65と前記第1の受光部66の何れか一方を設けるだけのスペースがあればよいので、前記第1のファイバセンサ59の占有スペースを縮小でき、前記アーム13間のピッチを縮小することができる。
【0069】
更に、上側のアーム13の第1の受光部66と下側のアーム13の第1の投光部65の距離を離すことができるので、前記第1のファイバセンサ59同士の誤動作を防止することができる。尚、上記した第1の実施例では、前記下ウェーハホルダ61と前記上ウェーハホルダ62のうち、何れか一方が不透明であれば前記ウェーハホルダ58の検知が可能であり、変形例では、少なくとも前記下ウェーハホルダ61が不透明であれば前記ウェーハホルダ58の検知が可能である。
【0070】
次に、図8に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図8中、図6中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
第2の実施例では、第1の実施例に対して更に第2のファイバセンサ73を設けたものである。又、ウェーハホルダ58のウェーハ3を保持していない部分、即ち下ウェーハホルダ61のウェーハ保持部63(図5参照)よりも外側に、上下に貫通する第2の貫通孔である下貫通孔67が穿設され、上ウェーハホルダ62の凸部64(図5参照)の外側で前記下貫通孔67と合致する位置に、上下に貫通する第3の貫通孔である上貫通孔68が穿設され、前記下貫通孔67と前記上貫通孔68とで前記ウェーハホルダ58を上下に貫通する第1の貫通孔である貫通孔69を構成している。
【0072】
前記貫通孔69の近傍には第2の投光部71と第2の受光部72からなる第2のファイバセンサ73が設けられ、前記第2の投光部71と前記第2の受光部72とで前記貫通孔69を上下に挾込み、該貫通孔69を介して前記第2の投光部71から投光されるファイバ光が前記第2の受光部72によって受光される様になっている。
【0073】
前記ウェーハホルダ58は、前記下ウェーハホルダ61と前記上ウェーハホルダ62の2分割構成となっている為、基板移載機11(図1参照)での移載時に前記上ウェーハホルダ62がずれることがある。
【0074】
該上ウェーハホルダ62がずれると、前記下貫通孔67と前記上貫通孔68の位置がずれるので、前記第2の受光部72によって受光されていたファイバ光が遮断され、前記ウェーハホルダ58のずれを検知でき、正常に保持されていないウェーハ3に対して成膜を行うことによる不具合を防止することができる。
【0075】
又、前記上ウェーハホルダ62ではなく、前記ウェーハホルダ58全体がずれた場合でも、前記第2の受光部72によって受光されるファイバ光が遮断され、異常が検知される。
【0076】
尚、前記下貫通孔67と前記上貫通孔68に、それぞれ石英等の光の透過性が高い部材を埋込んでもよい。その場合、前記下貫通孔67と前記上貫通孔68を塞ぐことができる為ガスの流れ具合や熱の伝導具合を、前記下ウェーハホルダ61の前記下貫通孔67が穿設されていない箇所と同様にすることができ、ウェーハ3の処理に於ける均一性、特にウェーハ3の面内膜厚均一性を向上させることができる。
【0077】
又、前記第2のファイバセンサ73は、前記ウェーハホルダ58全体のずれを検知することができるので、前記下ウェーハホルダ61と前記上ウェーハホルダ62の2分割構造ではないウェーハホルダに対しても適用可能である。
【0078】
尚、ウェーハ3の有無ではなく、前記上ウェーハホルダ62のずれのみを検知したい場合には、第1のファイバセンサ59を省略し、前記第2のファイバセンサ73のみを設けてもよい。
【0079】
次に、図9、図10に於いて、本発明の第3の実施例について説明する。尚、図9、図10中、図5、図6中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
第3の実施例では、下ウェーハホルダ61の周縁部に欠切部74を形成し、上ウェーハホルダ62の周縁部に前記欠切部74と係合可能な突出し部75を形成している。
【0081】
ウェーハ3をウェーハホルダ58に保持する際には、前記下ウェーハホルダ61のウェーハ保持部63にウェーハ3を載置し、前記上ウェーハホルダ62の凸部64が前記ウェーハ保持部63と嵌合し、前記突出し部75が前記欠切部74に係合されることで前記上ウェーハホルダ62が前記下ウェーハホルダ61と合体する。
【0082】
又、前記欠切部74及び前記突出し部75の近傍には、第3の投光部76と第3の受光部77からなる第3のファイバセンサ78が設けられている。前記第3の投光部76と前記第3の受光部77の何れか一方(図10中では前記第3の投光部76)が前記ウェーハホルダ58の側面側に配置され、前記第3の投光部76から投光されたファイバ光が前記欠切部74を通過して前記第3の受光部77に受光される様になっており、前記上ウェーハホルダ62が前記下ウェーハホルダ61上に正常に載置されている場合には、前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が前記突出し部75によって遮断される様になっている。
【0083】
基板移載機11(図1参照)によるウェーハ3の移載時に於いて、前記突出し部75が前記下ウェーハホルダ61上に乗上げる等の位置ずれが発生した場合には、前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が前記欠切部74を通過して前記第3の受光部77に受光されるので、前記上ウェーハホルダ62の位置ずれが検知できる。
【0084】
又、第3の実施例の前記第3のファイバセンサ78は、正常時には前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が遮断され、異常時には前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が前記第3の受光部77に受光される様構成したので、前記第3のファイバセンサ78はウェーハ3の有無も検知でき、第1のファイバセンサ59を省略することができる。
【0085】
又、前記下ウェーハホルダ61と前記上ウェーハホルダ62は、前記欠切部74と前記突出し部75が係合するので、意図しない回転ずれを防止することができ、更に係合の際に前記上ウェーハホルダ62が位置決めされることで、再現性の高い成膜処理が可能となる。
【0086】
又、前記欠切部74と前記突出し部75を係合させた際に、該突出し部75の下端と前記下ウェーハホルダ61の下面とを同一平面上になる様にすることで、ガスの流れ具合や熱の伝導具合を、前記下ウェーハホルダ61の前記欠切部74が形成されていない箇所と同様とすることができ、ウェーハ3の処理均一性、特にウェーハ3の面内膜厚均一性を向上させることができる。
【0087】
更に、第3の実施例では、前記第3の投光部76と前記第3の受光部77の何れか一方を前記ウェーハホルダ58の側面に配置する様にしたので、前記第1のファイバセンサ59を第1の実施例の変形例と同様、第1の投光部65と第1の受光部66の何れか一方を前記ウェーハホルダ58の側面に配置することで、前記第1のファイバセンサ59の占有スペースを縮小でき、アーム13間(図4参照)のピッチを縮小することができる。
【0088】
図11、図12は第3の実施例の変形例を示しており、該変形例では前記下ウェーハホルダ61の周縁部に、前記欠切部74に代えて該下ウェーハホルダ61を上下に貫通する貫通孔79を穿設し、上ウェーハホルダ62の周縁部に、前記突出し部75に代えて前記貫通孔79に嵌入可能な棒状の突起部81を形成すると共に、該突起部81の周辺に欠切部82を形成し、ウェーハ3保持時には前記突起部81が前記貫通孔79に嵌入される。
【0089】
又、前記第3のファイバセンサ78は、前記第3の投光部76と前記第3の受光部77が前記貫通孔79を上下に挾む様に設けられ、前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が前記貫通孔79を通って前記第3の受光部77に受光される様になっている。前記上ウェーハホルダ62が前記下ウェーハホルダ61と正常に合体している場合には、前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が前記上ウェーハホルダ62によって遮断され、前記上ウェーハホルダ62が位置ずれを起した場合には、前記第3の投光部76から投光されるファイバ光が前記欠切部82を通って前記第3の受光部77に受光される。
【0090】
上記変形例も、第3の実施例と同様、前記第3の投光部76から投光されるファイバ光を前記第3の受光部77が受光することで、前記上ウェーハホルダ62の位置ずれを検知するので、前記アーム13に保持される前記ウェーハホルダ58の有無も検知でき、前記第1のファイバセンサ59を省略することができる。
【0091】
又、前記突起部81が前記貫通孔79に嵌入されることで、前記下ウェーハホルダ61と前記上ウェーハホルダ62の合体位置が決ると共に、意図しない回転ずれが防止されるので、再現性の高い処理が可能となる。
【0092】
更に、前記欠切部74を前記貫通孔79に代えたことで、前記下ウェーハホルダ61の下面開口の面積を小さくできるので、ガスの流れ具合等をより均一にすることができる。
【0093】
尚、第1の実施例〜第3の実施例では、前記ウェーハホルダ58をカーボングラファイト製としているが、ウェーハ3よりも光の透過率が低い材質であれば他の材質であってもカーボングラファイト製の前記ウェーハホルダ58と同様の効果を得ることができる。又、前記ウェーハホルダ58を上下の二つの部材で構成しているが、上下のウェーハホルダを一体的に構成してあってもよい。
【0094】
又、第1の実施例〜第3の実施例では、SiC製のウェーハ3を用いた処理について説明しているが、ウェーハ3はSi製等他の材質のものであってもよい。
【0095】
更に、第1の実施例〜第3の実施例ではバッチ式の縦型基板処理装置について説明しているが、例えば枚葉式の基板処理装置等、ウェーハ3を自動的に移載する工程を有する基板処理装置であれば適用可能であるのは言う迄もない。
【0096】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0097】
(付記1)基板を処理する反応室と、基板が載置された基板ホルダを保持すると共に基板処理中前記反応室内に配置される基板保持具と、基板が前記基板ホルダに載置された状態で該基板ホルダの搬送を行う基板移載機とを具備し、該基板移載機は前記基板ホルダを保持するアームと、光を投光する第1の投光部と該第1の投光部から投光された光を受光する第1の受光部を有する第1のファイバセンサとを有し、該第1のファイバセンサは前記アームが正常に前記基板ホルダを保持している場合に、前記第1の投光部と前記第1の受光部との間に前記基板ホルダが位置する様に配置されることを特徴とする基板処理装置。
【0098】
(付記2)前記基板ホルダは、前記第1の投光部から投光される光の透過率が基板よりも低い付記1の基板処理装置。
【0099】
(付記3)前記基板移載機は、上下方向に並んだ複数のアームを有し、前記第1のファイバセンサは前記複数のアームのそれぞれに対応して複数設けられ、前記第1の投光部と前記第1の受光部の何れか一方は対応する前記基板ホルダの側面に位置する様に配置され、他方は前記基板ホルダの下方に位置する様に配置される付記2の基板処理装置。
【0100】
(付記4)第2の投光部と該第2の投光部から投光された光を受光する第2の受光部とを有する第2のファイバセンサを更に具備し、該第2のファイバセンサは、前記アームが正常に前記基板ホルダを保持している場合に、前記第2の投光部と前記第2の受光部との間に前記基板ホルダに穿設された第1の貫通孔が位置する様に配置された付記1の基板処理装置。
【0101】
(付記5)前記基板ホルダは、基板を保持すると共に第2の貫通孔が穿設された下基板ホルダと、該下基板ホルダに支持され基板の裏面を覆うと共に第3の貫通孔を穿設された上基板ホルダとを有し、前記下基板ホルダと前記上基板ホルダが組合わされた際に、前記第2の貫通孔と前記第3の貫通孔により前記第1の貫通孔が構成される付記4の基板処理装置。
【0102】
(付記6)前記第1の貫通孔は、前記第2の投光部から投光される光の透過率が前記基板ホルダよりも高い部材で埋められている付記4又は付記5の基板処理装置。
【0103】
(付記7)第3の投光部と該第3の投光部から投光された光を受光する第3の受光部とを有する第3のファイバセンサを更に具備し、前記基板ホルダは基板を保持する下基板ホルダと、該下基板ホルダに支持され基板の裏面を覆う上基板ホルダとを有し、前記下基板ホルダに欠切部が形成され、前記第3のファイバセンサは、前記アームが正常に前記基板ホルダを保持している場合に、前記第3の投光部と前記第3の受光部との間に前記欠切部及び前記上基板ホルダが位置する様に配置される付記1の基板処理装置。
【0104】
(付記8)前記上基板ホルダは、前記欠切部と係合する突出し部が形成された付記7の基板処理装置。
【0105】
(付記9)前記欠切部は、前記下基板ホルダの周縁部に形成され、前記突出し部は前記上基板ホルダの周縁部に形成され、前記第3の投光部と前記第3の受光部の何れか一方は前記突出し部の側面に配置され、他方は前記下基板ホルダの下方に配置される付記8の基板処理装置。
【0106】
(付記10)前記欠切部は、前記下基板ホルダに穿設された貫通孔であり、前記突出し部は前記貫通孔に嵌入可能な棒状の突起部である付記7の基板処理装置。
【0107】
(付記11)処理される基板が保持された基板ホルダを搬送する為に該基板ホルダを保持するアームと、光を投光する第1の投光部及び該第1の投光部から投光された光を受光する第1の受光部とを有する第1のファイバセンサとを有し、該第1のファイバセンサは、前記アームが正常に前記基板ホルダを取出した場合に、前記第1の投光部と前記第1の受光部との間に前記基板ホルダが位置する様に配置されることを特徴とする基板移載機。
【0108】
(付記12)処理される基板が保持された基板ホルダを基板移載機のアームで保持し、搬送する搬送工程と、前記基板ホルダに基板が保持された状態で基板を処理する処理工程と、前記搬送工程時に、前記基板ホルダが前記アームに正常に保持されているかを前記基板ホルダを通過する光を受光できるか否かによって判断する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0109】
(付記13)処理される基板が保持された基板ホルダを基板移載機のアームで保持し、搬送する搬送工程と、前記基板ホルダに基板が保持された状態で基板を処理する処理工程と、前記搬送工程時に、前記基板ホルダが前記アームに正常に保持されているかを前記基板ホルダを通過する光を受光できるか否かによって判断する工程とを有することを特徴とする基板製造方法。
【符号の説明】
【0110】
1 基板処理装置
3 ウェーハ
11 基板移載機
13 アーム
26 反応室
58 ウェーハホルダ
59 第1のファイバセンサ
61 下ウェーハホルダ
62 上ウェーハホルダ
65 第1の投光部
66 第1の受光部
67 下貫通孔
68 上貫通孔
69 貫通孔
71 第2の投光部
72 第2の受光部
73 第2のファイバセンサ
74 欠切部
75 突出し部
76 第3の投光部
77 第3の受光部
78 第3のファイバセンサ
79 貫通孔
81 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する反応室と、基板が載置された基板ホルダを保持すると共に基板処理中前記反応室内に配置される基板保持具と、基板が前記基板ホルダに載置された状態で該基板ホルダの搬送を行う基板移載機とを具備し、該基板移載機は前記基板ホルダを保持するアームと、光を投光する第1の投光部と該第1の投光部から投光された光を受光する第1の受光部を有する第1のファイバセンサとを有し、該第1のファイバセンサは前記アームが正常に前記基板ホルダを保持している場合に、前記第1の投光部と前記第1の受光部との間に前記基板ホルダが位置する様に配置されることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−44060(P2012−44060A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185351(P2010−185351)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】