説明

基板取り付け装置、基板取り付け方法及び電子機器

【課題】電子機器の筐体に多層基板を容易かつ安価に取り付けて、電磁バンドギャップ構造体を設ける。
【解決手段】多層基板100は、多層基板100の下面に形成された接地導体1と、配線導体5と、多層基板100の下面の各位置であって配線導体5に対向する各位置に所定の間隔d1で形成された複数のパッチ導体6とを備える。基板取り付け装置50は、パッチ導体6と、各パッチ導体6を電子機器200の筐体10にそれぞれ電気的に接続する複数の導電性の足部30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板取り付け装置、基板取り付け方法及び電子機器に関する。特に、本発明は、電子機器の筐体などの導体板に配線基板を取り付けるための基板取り付け装置、基板取り付け方法及び当該基板取り付け装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子機器の筐体内には当該電子機器を動作させるための配線基板が取り付けられる。配線基板には半導体装置などの電子部品が実装されるため、半導体装置の動作時に配線に流れる電流に起因して配線から電磁ノイズが放射される。この電磁ノイズは、同じ筐体内の他の半導体装置及び筐体外の他の電子機器の誤動作の原因となる。そのため、配線基板からの電磁ノイズの放射を抑制する必要がある。配線から放射される電磁ノイズを抑制するために、抑制する電磁ノイズの波長より小さい周期を有する構造を例えば金属材料で形成してなる電磁バンドギャップ(Electric Band Gap)構造体(以下、EBG構造体という。)を設ける手法がとられる。EBG構造体は帯域阻止フィルタとして動作し、阻止帯域(以下、電磁バンドギャップという。)内の周波数を有する電磁ノイズの放射が抑制される。
【0003】
例えば、特許文献1記載の電磁気バンドギャップ構造物は、第1金属板と一端が前記第1金属板に接続されるビアとを備えたきのこ型構造物と、前記ビアの他端に接続される第2金属板と、金属線により前記第2金属板に接続される第1金属層と、前記第1金属層と前記第1金属板との間に積層される第1誘電層と、前記第1誘電層及び前記第1金属板上に積層される第2誘電層と、前記第2誘電層上に積層される第2金属層とを含むことを特徴としている。
【0004】
また、特許文献2記載の電子装置は、筐体と、前記筐体の内表面上に配置され、かつ裏面が前記内表面に対向している配線基板と、前記筐体及び前記配線基板の一方に繰り返し設けられた複数の第1導体と、前記筐体及び前記配線基板の他方に設けられ、前記複数の第1導体と対向している第2導体と、前記筐体及び前記配線基板の前記一方に設けられ、前記複数の第1導体それぞれに電気的に接続している第3導体とを備えて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2009−004791号公報
【特許文献2】特開2011−124503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の電磁気バンドギャップ構造物によれば、配線基板内に第1金属板を設ける必要があるため、配線基板内の層数が増加してコストが増加するという課題があった。また、特許文献2記載の電子装置によれば、例えば正方形又は長方形の導体パターンである第1導体を、柱状の接続部材を介して電子機器の導電性の筐体(第3導体である。)に取り付けておく必要があり製造が難しく、さらに製造コストもかかるという課題があった。
【0007】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して容易かつ安価に電磁バンドギャップを実現できる基板取り付け装置、基板取り付け方法及び当該基板取り付け装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る基板取り付け装置は、第1及び第2の面を有する配線基板を、電子機器の導体板に、上記第1の面が上記導体板に所定の第1の距離を有して対向するように取り付けるための基板取り付け装置において、
上記配線基板は、
上記第1の面上に形成された接地導体と、
上記第1の面以外の部分に形成された配線導体と、
上記第1の面上の各位置であって上記配線導体に対向する各位置に所定の間隔で形成された複数のパッチ導体とを備え、
上記基板取り付け装置は、
上記複数のパッチ導体と、
上記各パッチ導体を上記導体板にそれぞれ電気的に接続する複数の導電性の足部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記基板取り付け装置において、上記各足部は、変更可能なインダクタンスを有することを特徴とする。
【0010】
また、上記基板取り付け装置において、上記基板取り付け装置は、上記接地導体を上記導体板に電気的に接続する導電性の追加足部をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
さらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、上記導体板の一部を含むことを特徴とする。
【0012】
またさらに、上記基板取り付け装置において、上記導体板の一部は、上記電子機器の導体板を切り起こし加工することによって形成された切り起こし部であることを特徴とする。
【0013】
また、上記基板取り付け装置において、上記導体板の一部は、上記電子機器の導体板の凸部であることを特徴とする。
【0014】
さらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、上記電子機器の導体板の一部と上記パッチ導体とを電気的に接続するための導電性接着剤又は導電性フィルムを含むことを特徴とする。
【0015】
またさらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、上記導体板の弾性率より大きい弾性率を有することを特徴とする。
【0016】
また、上記基板取り付け装置において、上記各足部は金属バネを含むことを特徴とする。
【0017】
さらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、上記金属バネに挿入されたガイド部をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
またさらに、上記金属バネの直径は、上記配線基板に近づくほど小さくなるように設定されたことを特徴とする。
【0019】
また、上記基板取り付け装置において、上記複数の足部は、
上記各パッチ導体にそれぞれ電気的に接続された一端と、他端とをそれぞれ有する複数の導電性の接続部と、
上記複数の導電性の接続部の各他端を上記導体板に電気的に接続するシート部とを含むことを特徴とする。
【0020】
さらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、
誘電体と、
上記誘電体の周囲の少なくとも一部を囲みかつ上記パッチ導体を上記導体板に電気的に接続する導電体とを含むことを特徴とする。
【0021】
またさらに、上記基板取り付け装置において、上記導体板は、上記各パッチ導体に対向する各位置に形成された複数の凹部を有し、
上記各足部は上記凹部に嵌って固定されたことを特徴とする。
【0022】
また、上記基板取り付け装置において、上記各足部はそれぞれ、複数の足部分を含むことを特徴とする。
【0023】
さらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、上記各パッチ導体の中心に接続されたことを特徴とする。
【0024】
またさらに、上記基板取り付け装置において、上記各足部は、上記各パッチ導体の中心以外の位置に接続されたことを特徴とする。
【0025】
また、上記基板取り付け装置において、上記複数のパッチ導体は、上記配線導体に対向する各位置のみに形成されたことを特徴とする。
【0026】
さらに、上記基板取り付け装置において、上記配線基板を上記導体板に取り付ける前の上記各足部の長さは、上記第1の距離以上の長さに設定されたことを特徴とする。
【0027】
またさらに、上記基板取り付け装置において、上記導体板は上記電子機器の筐体であることを特徴とする。
【0028】
第2の発明に係る電子機器は、
上記導体板と、
上記配線基板と、
上記基板取り付け装置の複数の導電性の足部とを備えたことを特徴とする。
【0029】
第3の発明に係る基板取り付け方法は、第1及び第2の面を有する配線基板を、電子機器の導体板に、上記第1の面が上記導体板に所定の距離を有して対向するように取り付けるための基板取り付け方法において、
上記配線基板は、
上記第1の面上に形成された接地導体と、
上記第1の面以外の部分に形成された配線導体とを備え、
上記基板取り付け方法は、
上記第1の面上の各位置であって上記配線導体に対向する各位置に所定の間隔で複数のパッチ導体を形成するステップと、
上記導体板に複数の導電性の足部を設けるステップと、
上記複数のパッチ導体と、上記複数の足部とをそれぞれ電気的に接続するように、上記配線基板を上記導体板に取り付けるステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る基板取り付け装置、基板取り付け方法及び電子機器によれば、配線基板の第1の面上の各位置であって配線導体に対向する各位置に所定の間隔で形成された複数のパッチ導体と、各パッチ導体を電子機器の導体板にそれぞれ電気的に接続する複数の導電性の足部とを備えたので、従来技術に比較して容易かつ安価に電磁バンドギャップを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子機器200の足部30を横切る縦断面図である。
【図2】図1の電子機器200の配線導体5を横切る横断面図である。
【図3】図1の多層基板100を筐体10に取り付ける前の筐体10と、足部30とを示す縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電子機器200Aの足部30を横切る縦断面図である。
【図5】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第3の実施形態に係る基板取り付け装置50Aを示す縦断面図である。
【図6】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第4の実施形態に係る基板取り付け装置50Bを示す縦断面図である。
【図7】多層基板100を筐体10に取り付ける前の本発明の第5の実施形態に係る足部30Cを示す縦断面図である。
【図8】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第5の実施形態に係る基板取り付け装置50Cを示す縦断面図である。
【図9】多層基板100を筐体10に取り付ける前の本発明の第6の実施形態に係る足部30Dを示す縦断面図である。
【図10】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第6の実施形態に係る基板取り付け装置50Dを示す縦断面図である。
【図11】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第7の実施形態に係る基板取り付け装置50Eを示す縦断面図である。
【図12】多層基板100を筐体10に取り付ける前の本発明の第8の実施形態に係る足部30Fを示す縦断面図である。
【図13】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第9の実施形態に係る基板取り付け装置50Fを示す縦断面図である。
【図14】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第10の実施形態に係る基板取り付け装置50Gを示す縦断面図である。
【図15】本発明の第11の実施形態に係る足部30Iを示す斜視図である。
【図16】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第11の実施形態に係る基板取り付け装置50Hを示す縦断面図である。
【図17】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第12の実施形態に係る基板取り付け装置50Iを示す縦断面図である。
【図18】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第13の実施形態に係る基板取り付け装置50Jを示す縦断面図である。
【図19】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第14の実施形態に係る基板取り付け装置50Kを示す縦断面図である。
【図20】多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第15の実施形態に係る基板取り付け装置50Lを示す縦断面図である。
【図21】本発明の第16の実施形態に係るパッチ導体6の平面図である。
【図22】本発明の第17の実施形態に係るパッチ導体6Aの平面図である。
【図23】本発明の第18の実施形態に係るパッチ導体6を示す配線導体5を横切る横断面図である。
【図24】図23のパッチ導体6に接続される足部30Nの斜視図である。
【図25】図4の足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを6nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。
【図26】図4の足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、足部30を接続点C2に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。
【図27】図4の足部30を接続点C1のみに接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、2本の足部分30−1及び30−2を接続点C1及びC2(図23参照。)に接続し、各足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。
【図28】図4の足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定し、追加足部37を取り除いたときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0033】
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器200の足部30を横切る縦断面図であり、図2は、図1の電子機器200の配線導体5を横切る横断面図である。
【0034】
図1において、本実施形態に係る電子機器200は、例えば100MHz以上の周波数帯域の地上波デジタル放送信号を受信するための受信装置であって、導電性の筐体10と、筐体10の内側の表面に取り付けられた多層基板100と、少なくとも3個の固定具20と、複数の足部30とを備えて構成される。以下、多層基板100の2つの面のうち、筐体10に対向する面を下面又は第1の面といい、他方の面を上面又は第2の面という。図1において、多層基板100は、接地導体1(グラウンドプレーンともいう。)と、複数の半導体部品2と、複数のビア導体3と、複数の誘電体層4と、少なくとも1つの配線導体5と、複数のパッチ導体6と、図示していないその他の部品、配線及びプレーンとを備えて構成される。
【0035】
ここで、例えば、図1に示すように、多層基板100の上面に設けられる半導体部品2は、多層基板100の上面に設けられたボール状の導体7と、ビア導体3と、多層基板100の内層に形成された配線導体5と、ビア導体3と、多層基板100の下面に設けられたボール状の導体7とを介して、多層基板100の下面に設けられた半導体部品2に電気的に接続される。ここで、図1において、配線導体5は、例えば100MHz以上の周波数を有するクロックに従って高周波信号を伝送するための信号線又は高周波ノイズを含み、放射するおそれのある電源配線である。なお、半導体部品2は、ボール状の導体7で多層基板100の配線と接続されているが、半導体部品2と多層基板100の接続は例えばQFP(Quad Flat Package)であるピン構造などの任意の構造であってもよい。また、図1において、配線導体5は多層基板の内層に形成され、ビア導体3を用いて多層基板100の上面及び下面に電気的に延長され、直接導体7と接続されているが、本発明はこれに限られず、ビア導体3で配線導体5が多層基板100の上面及び下面に延長されたのちに、さらに上面の配線、下面に形成された配線を通して導体7と接続されてもよい。さらに、図1において、2つの半導体部品2は多層基板100の両面にそれぞれ設けられているが、上面のみ又は下面のみに設けられてもよい。
【0036】
図1において、多層基板100は、筐体10の内側の平坦部11に設けられかつ凸形状を有する少なくとも3個の支持部12に、例えばネジである少なくとも3個の固定具20を用いて固定される。ここで、多層基板100の下面は、筐体10の内側の表面に、所定の距離h1を有して対向する。なお、筐体10の一部である支持部12に代えて、筐体10とは別の部品をスペーサーとして用いてもよい。
【0037】
図2において、接地導体1と、パッチ導体6とは、多層基板100の下面に形成される。また、パッチ導体6は正方形の形状を有し、互いに平行な3本の配線導体5に対向する各位置に所定の間隔d1(パッチ導体6の中心間距離である。)で形成される。ここで、間隔d1は、配線導体5から放射される電磁ノイズの周波数帯のうち抑制する周波数に対応する波長λより短いように設定される。例えば、抑制する電磁ノイズの周波数が2GHzであるとき、間隔d1は約2cm程度である。なお、図2において1つの接地導体1のみが形成されているが、本発明はこれに限られず、複数の接地導体1が形成されてもよい。また、図2において、4個のパッチ導体6を3本の配線導体5の直下に形成したが、本発明はこれに限られない。例えば、配線導体5の数は3本に限られず、1本以上であればよい。また、パッチ導体6の個数と間隔d1とは、配線導体5の長さと抑制する電磁ノイズの周波数に応じて設定すればよい。
【0038】
図1において、各パッチ導体6の中心の接続点C1は、導電性の足部30を介して筐体10に電気的に接続される。図3は、図1の多層基板100を筐体10に取り付ける前の筐体10と、足部30とを示す縦断面図である。多層基板100の製造時に、多層基板100の下面に複数のパッチ導体6が形成される。そして、多層基板100は、以下に説明にするように筐体10に取り付けられる。始めに、図3に示すように、足部30を筐体10の平坦部11にあらかじめ筐体10の一部として形成し、又は、平坦部11にあらかじめ固定することによって、筐体10に設ける。次に、多層基板100の各パッチ導体6の接続点C1を各足部30の頂部に接触させて電気的に接続するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。
【0039】
ここで、図3に示すように、多層基板100を筐体10に取り付ける前の足部30の長さh2は、多層基板100と平坦部11との間の距離h1(図1参照。)以上の高さに設定される。長さh2が距離h1と実質的に等しい場合、多層基板100を3個以上の固定具20を用いて筐体10に取り付けたときに、各パッチ導体6の接続点C1を、足部30を介して筐体10に電気的に接続できる。また、長さh2が距離h1より高い場合、足部30は、足部30の長手方向に伸縮性を有する材料(例えば、金属製のバネである。)を用いて形成される。この場合、足部30の長さh2に製造バラツキがあっても、多層基板100を固定具20を用いて筐体10に取り付けたときに、その製造バラツキを吸収して、パッチ導体6を確実に筐体10に電気的に接続できる。
【0040】
図1において、パッチ導体6と足部30とは、基板取り付け装置50を構成する。また、筐体10と、足部30と、パッチ導体6とは、EBG構造体を構成し、帯域阻止フィルタとして動作する。従って、配線導体5を伝導する電磁ノイズおよび、配線導体5から放射される電磁ノイズのうち、この帯域阻止フィルタの阻止帯域である電磁バンドギャップ内の周波数を有する電磁ノイズが抑制される。つまり、配線導体5から電磁バンドギャップ内の周波数を有する電磁ノイズが放射され、多層基板100に設けられた他の回路などに影響を及ぼすことを防止できる。
【0041】
また、足部30は、変更可能なインダクタンスを有する。従って、図1において、足部30のインダクタンスを変化させることにより、電磁バンドギャップの周波数を変化させることができる。具体的には、足部30のインダクタンスを大きくするほど、電磁バンドギャップの周波数を低くできる。筐体10のサイズ及び形によって放射される電磁ノイズの周波数帯が異なるため、電磁バンドギャップを、放射される電磁ノイズの周波数帯になるように設定する必要がある。しかしながら、特許文献1記載の電磁気バンドギャップ構造物によれば、配線基板内に第1金属板を設けるので、電磁バンドギャップの周波数帯が固定される、同一の配線基板を、サイズ及び形状が異なる別の筐体に適用できないという課題があった。これに対して、本実施形態によれば、多層基板100を製造した後であっても、多層基板100の設計変更を行うことなく、足部30のインダクタンスを変更するだけで、電磁バンドギャップの周波数帯を変更できる。
【0042】
さらに、本実施形態によれば、図3に示すように、筐体10にあらかじめ足部30を設けた後に、多層基板100を筐体10に固定するだけでEGB構造体を形成でき、従来技術に比較して容易かつ安価に、多層基板100を筐体10に取り付けることができる。従って、従来技術に比較して容易かつ安価に製造できる基板取り付け装置50及び電子機器200を提供できる。
【0043】
またさらに、図3に示すように、電磁ノイズを放射する配線導体5に対向する各位置のみにパッチ導体6を設けたので、多層基板100の下面全体にパッチ導体6を形成する場合に比較して、広い接地導体1を確保できる。
【0044】
第2の実施形態.
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電子機器200Aの足部30を横切る縦断面図である。本実施形態に係る電子機器200Aは、第1の実施形態に係る電子機器200に比較して、導電性の追加足部37をさらに備えたことを特徴としている。図4において、パッチ導体6と、足部30と、追加足部37とは、基板取り付け装置51を構成する。
【0045】
図4において、追加足部37は足部30と同様に筐体10に設けられ、多層基板100の下面に形成された接地導体1を筐体10に電気的に接続する。本実施形態によれば、筐体10と接地導体1との間のインピーダンスは、追加足部37を用いないときよりも小さくなり、電磁バンドギャップをより効果的に形成できる。このとき、好ましくは追加足部37と、当該追加足部37に最も近い足部30との間の距離d2を、足部30の間隔d1より短いように設定することで、筺体10と接地導体1との間のインピーダンスが、追加足部37を用いない時よりも小さくできる。
【0046】
なお、図4において、1組の追加足部37を設けたが、本実施形態はこれに限られず、少なくとも1つの追加足部37を設ければよい。1つの追加足部37を設けた場合は、追加足部37と、当該追加足部37に最も近い足部30との間の距離d2を、足部30の間隔d1より短いように設定することが好ましい。また、複数の追加足部37を設けた場合は、距離d1と距離d2の関係は必ずしもd1>d2でなくても低インピーダンスで接地導体1と筺体10を接続することができる。
【0047】
なお、本実施形態において、追加足部37は足部30と同様に構成されたが、本発明はこれに限られず、以下の各実施形態及び変形例に係る足部30A〜30Mのうちのいずれか1つと同様に構成されてもよい。また、図4において、足部30に代えて、以下の各実施形態及び変形例に係る足部30A〜30Mのうちのいずれか1つを用いてもよい。さらに、支持部12と、支持部12に最も近い足部30との間の距離がd1以下であるときは、支持部12を追加足部37として用いることができるが、好ましくは、図4に示すように、支持部12の他に追加足部37を設ける。
【0048】
第3の実施形態.
図5は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第3の実施形態に係る基板取り付け装置50Aを示す縦断面図である。図5において、基板取り付け装置50Aは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、筐体10の平坦部11に形成された複数の切り起こし部13である足部30Aとを備えて構成される。なお、図5において、1組のパッチ導体6と足部30Aのみを示す。図5において、始めに、筐体10の形成時に、筐体10の平坦部11に切り起こし加工を行うことにより、切り起こし部13を形成する。次に、多層基板100の各パッチ導体6が各切り起こし部13の頂部に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。
【0049】
従って、本実施形態によれば、足部30Aは筐体10の一部である切り起こし部13を含み、足部30Aを筐体10と一体化したので、足部30Aを筐体10に設ける工程を、筐体10を形成する工程と同時に実施できる。また、切り起こし部13の高さ及び幅のうちの少なくとも一方を変更することにより、切り起こし部13のインダクタンスを変化させることができ、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。
【0050】
なお、各切り起こし部13のうち少なくともパッチ導体6と接触する部分に対して、ヤスリで削るなどの表面処理を行うと、パッチ導体6と切り起こし部13とを低抵抗で電気的に接続できる。また、切り起こし部13のパッチ導体6との接触面の面積をパッチ導体6の面積よりも小さくすることで、多層基板100を筐体10に取り付けたときに位置ずれが生じても、切り起こし部13が接触するべきパッチ導体6の隣のパッチ導体6に接触することを防止できる。
【0051】
第4の実施形態.
図6は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第4の実施形態に係る基板取り付け装置50Bを示す縦断面図である。図6において、基板取り付け装置50Bは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、筐体10の平坦部11に形成された複数の凸部14である足部30Bとを備えて構成される。なお、図6において、1組のパッチ導体6と足部30Bのみを示す。図6において、始めに、筐体10の形成時に、筐体10の平坦部11にプレス加工を行うことにより、凸部14を形成する。次に、多層基板100の各パッチ導体6が各凸部14の頂部に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。
【0052】
従って、本実施形態によれば、足部30Bは筐体10の一部である凸部14を含み、足部30Bを筐体10と一体化したので、足部30Bを筐体10に設ける工程を、筐体10を形成する工程と同時に実施できる。また、プレス加工によって足部30Bを形成したので、第3の実施形態に比較して、切り起こし加工時の筐体10に切り込みを入れる工程を省くことができ、切り込みを入れるための金型が必要なくなる。このため、第3の実施形態に比較して容易かつ安価に多層基板100を筐体10に取り付けることができる。さらに、切り込みを入れる工程を省くことで、第3の実施形態に比較して高さバラツキの少ない足部30Bを高い歩留まりで形成できる。また、凸部14の高さ及び幅のうちの少なくとも一方を変更することにより、凸部14のインダクタンスを変化させることができ、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。
【0053】
なお、凸部14のうち少なくともパッチ導体6と接触する部分に対して、ヤスリで削るなどの表面処理を行うと、パッチ導体6と凸部14とを低抵抗で電気的に接続できる。また、凸部14のパッチ導体6との接触面の面積をパッチ導体6の面積よりも小さくすることで、多層基板100を筐体10に取り付けたときに位置ずれが生じても、凸部14が接触するべきパッチ導体6の隣のパッチ導体6に接触することを防止できる。
【0054】
第5の実施形態.
図7は、多層基板100を筐体10に取り付ける前の本発明の第5の実施形態に係る足部30Cを示す縦断面図であり、図8は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第5の実施形態に係る基板取り付け装置50Cを示す縦断面図である。図8において、基板取り付け装置50Cは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、筐体10の平坦部11に形成された複数の凸部14及び導電性接着剤15を備えた足部30Cとを備えて構成される。なお、図8において、1組のパッチ導体6と足部30Cのみを示す。また、導電性接着剤15は、樹脂などの接着剤に導電性粒子を分散させた材料からなる。
【0055】
図7において、始めに、筐体10の形成時に、筐体10の平坦部11にプレス加工を行うことにより、凸部14を形成する。次に、導電性接着剤15を凸部14の頂部に付着させる。さらに、図8に示すように、多層基板100の各パッチ導体6が導電性接着剤15に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。これにより、パッチ導体6は導電性接着剤15を介して凸部14に電気的に接続される。
【0056】
第4の実施形態に係る足部50Bの場合、凸部14の高さに、例えば数百μm〜数mmのバラツキがあり、あるいは多層基板100に反りがあるとき、一部の凸部14がパッチ導体6と接触しない可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、パッチ導体6と凸部14とを導電性接着剤15を用いて接着するので、第4の実施形態に比較して、パッチ導体6を凸部14に高い精度で接続できる。
【0057】
なお、筐体10に凸部14を形成する工程の次に、凸部14の頂部に導電性接着剤15の層を塗布などにより数百μmの厚みで形成し、多層基板100を筐体10に取り付け、その後、導電性接着剤15を熱などにより硬化させてもよい。これにより、多層基板100と筐体10との間の距離h1にバラツキがあっても、パッチ導体6を凸部14に高い精度で接続できる。また、導電性接着剤15を用いるので、温度変化などの環境変化及び多層基板100と筐体10との間の距離h1のバラツキに起因する多層基板100と凸部14との間の応力集中を緩和でき、第4の実施形態に比較して、長期間に亘って、多層基板100と凸部14とを安定して高い信頼度で接続できる。
【0058】
なお、本実施形態において、また、凸部14に代えて、図5の切り起こし部13を用いてもよい。
【0059】
第6の実施形態.
図9は、多層基板100を筐体10に取り付ける前の本発明の第6の実施形態に係る足部30Dを示す縦断面図であり、図10は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第6の実施形態に係る基板取り付け装置50Dを示す縦断面図である。図10において、基板取り付け装置50Dは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、筐体10の平坦部11に形成された複数の凸部14及び導電性フィルム16を備えた足部30Dとを備えて構成される。なお、図10において、1組のパッチ導体6と足部30Dのみを示す。
【0060】
本実施形態に係る足部30Dは、第5の実施形態に係る足部30Cに比較して、導電性接着剤15に代えて導電性フィルム16を備えた点のみが異なる。本実施形態は、第5の実施形態と同様の効果を奏する。
【0061】
なお、本実施形態において、導電性フィルム16を用いたが、本発明はこれに限られず、導電接着フィルム又は熱硬化性樹脂に導電性を有する微細な金属粒子を混ぜ合わせて膜状に成形した異方性導電フィルムを用いてもよい。また、凸部14に代えて、図5の切り起こし部13を用いてもよい。
【0062】
第7の実施形態.
図11は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第7の実施形態に係る基板取り付け装置50Eを示す縦断面図である。図11において、基板取り付け装置50Eは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、筐体10の凹部10cにそれぞれ固定された複数の金属バネ31である足部30Eとを備えて構成される。なお、図11において、1組のパッチ導体6と足部30Eのみを示す。ここで、金属バネ31は、筐体10の弾性率より大きい弾性率を有する。
【0063】
図11において、始めに、筐体10の形成時に、平坦部11に凹部10cを形成する。次に、金属バネ31の各一端を、金属バネ31が縮む方向の余裕を持った状態で各凹部10cに取り付ける。このとき、多層基板100を筐体10に取り付けるときに金属バネ31が縮むように、金属バネ31の伸縮方向の長さは多層基板100と筐体10との間の距離h1より長い。次に、多層基板100の各パッチ導体6が各金属バネ31の他端に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。
【0064】
従って、本実施形態によれば、金属バネ31を用いるので、金属バネ31の伸縮方向の長さ及び多層基板100と筐体10との間の距離h1にバラツキがあったとしてもそのバラツキを吸収し、第1の実施形態に比か得して、パッチ導体6を筐体10に高い精度で接続できる。例えば、多層基板100を筐体10に取り付けた後の多層基板100と筐体10との間の距離h1が5mmであり、金属バネ31を約20%だけ縮ませて使用する設計の場合、縮む前の金属バネ31の長さは6mmである必要がある。このとき、金属バネ31の長さに1mmの製造誤差があっても、パッチ導体6を金属バネ31に接触させることができる。なお、距離h1などの数値は一例であり、本発明を限定するものではない。
【0065】
また、本実施形態によれば、金属バネ31を用いたので、金属バネ31の長さ又は巻き数を変化させることにより、比較的容易に足部30Eのインダクタンスを変化させ、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。具体的には、金属バネ31の巻き数を増やすほど、金属バネ31のインダクタンスは大きくなる。
【0066】
なお、金属バネ31の先端を鋭利な構造にすることで、金属バネ31はパッチ導体6に接触しやすくなる。また、金属バネ31とパッチ導体6とを導電性接着剤15を用いて接着してもよい。これにより、金属バネ31をパッチ導体6に、より確実に接続できる。また、本実施形態において、凹部10cに金属バネ31を固定したが、本発明はこれに限られず、筐体100に凹部10cに設けず、平坦部11に金属バネ31を固定してもよい。ただし、好ましくは凹部10cに金属バネ31を固定する。
【0067】
第8の実施形態.
図12は、多層基板100を筐体10に取り付ける前の本発明の第8の実施形態に係る足部30Fを示す縦断面図である。図12において、1つの足部30Fのみを示す。図12において、始めに、筐体10の形成後に、筐体10の平坦部11に、円柱形状を有する磁性体にてなるガイド部40を取り付ける。次に、ガイド部40に各金属バネ31を通す。最後に、多層基板100の各パッチ導体6が各金属バネ31の他端に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。なお、ガイド部40の高さh3は、多層基板100と筐体10との間の距離h1以下に設定される(h3≦h1≦h2)。
【0068】
本実施形態によれば、筐体10にガイド部40を取り付け、ガイド部40を金属バネ31に挿入したので、第7の実施形態に比較して金属バネ31を筐体10に設けやすい。また、多層基板100を筐体10に取り付けるときに、多層基板100に金属バネ31の伸縮方向以外の方向から力が加わっても、金属バネ31が折れ曲がりにくい。さらに、ガイド部40に磁性体を用いれば、ガイド部40の高さh3を変化させることにより足部30Fのインダクタンスを変化させることができる。
【0069】
なお、本実施形態において、ガイド部40は円柱形状を有したが、本発明はこれに限られず、円錐又は角錐などの尖った形状を有してもよい。又は、ガイド部40は、角柱形状を有してもよい。
【0070】
第9の実施形態.
図13は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第9の実施形態に係る基板取り付け装置50Fを示す縦断面図である。図13において、基板取り付け装置50Fは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、筐体10の凹部10cにそれぞれ固定された複数の金属バネ31Aである足部30Gとを備えて構成される。なお、図13において、1組のパッチ導体6と足部30Fのみを示す。ここで、金属バネ31Aは、筐体10の弾性率より大きい弾性率を有する。本実施形態は、第7の実施形態に比較して、金属バネ31に代えて金属バネ31Aを用いた点のみが異なる。
【0071】
図13において、金属バネ31Aは、金属バネ31Aの伸縮方向に非対称な形状を有する。具体的には、金属バネ31Aの直径は、多層基板100に近いほど小さくなるように設定されている。従って、金属バネ31Aは金属バネ31より筐体10に取り付けやすい。また、多層基板100が筐体10に対して斜め方向から取り付けられても、金属バネ31Aは金属バネ31より倒れにくい。このため、本実施形態によれば、第7の実施形態に比較して、多層基板100を筐体10に容易かつ確実に取り付けることができる。
【0072】
第10の実施形態.
図14は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第10の実施形態に係る基板取り付け装置50Gを示す縦断面図である。図14において、基板取り付け装置50Gは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、足部30Hとを備えて構成される。また、足部30Hは、第9の実施形態に係る金属バネ31Aと、第8の実施形態に係るガイド部40とを備えて構成される。なお、図14において、1組のパッチ導体6と足部30Hのみを示す。
【0073】
図14において、始めに、筐体10の形成後に、筐体10の平坦部11に、円柱形状を有する磁性体にてなるガイド部40を取り付ける。次に、ガイド部40に各金属バネ31Aを通す。最後に、多層基板100の各パッチ導体6が各金属バネ31Aの他端に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。なお、ガイド部40の高さh3は、多層基板100と筐体10との間の距離h1以下に設定される(h3≦h1)。
【0074】
従って、本実施形態によれば、筐体10にガイド部40を取り付けたので、第9の実施形態に比較して、金属バネ31Aを筐体10に設けやすい。また、多層基板100を筐体10に取り付けるときに、多層基板100に金属バネ31Aの伸縮方向以外の方向から力が加わっても、金属バネ31Aが折れ曲がりにくい。さらに、ガイド部40に磁性体を用いれば、ガイド部40の高さh3を変化させることにより足部30Hのインダクタンスを変化させることができる。
【0075】
なお、本実施形態において、ガイド部40は円柱形状を有したが、本発明はこれに限られず、円錐又は角錐などのパッチ導体6に接触する部分が尖った形状を有してもよい。又は、ガイド部40は、角柱形状を有してもよい。
【0076】
第11の実施形態.
図15は、本発明の第11の実施形態に係る足部30Iを示す斜視図であり、図16は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第11の実施形態に係る基板取り付け装置50Hを示す縦断面図である。図15において、足部30Iは、導電性のシート部32と、シート部32の上に所定の間隔d1(パッチ導体6の中心間距離である。)で取り付けられた複数の導電性の接続部33とを備えて構成される。ここで、シート部32と接続部33とを、例えば導電性ゴムなどの同一の導電性材料を用いて一体に形成してもよい。あるいは、互いに異なる導電性材料を用いてシート部32と接続部33とをそれぞれ形成した後に、シート部32に接続部33を取り付けてもよい。図16において、始めに、筐体10を形成した後に、シート部32を筐体10に取り付ける。次に、多層基板100の各パッチ導体6が接続部33の頂部に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。なお、足部30Iは、筐体10の弾性率より大きい弾性率を有する。
【0077】
上述した第7〜第10の各実施形態では、足部30E,30F,30G又は30Hを1つずつ筐体10に取り付ける工程が必要となるが、本実施形態によれば、複数の接続部33をシート部32を用いて一体化したので工程数を大幅に削減できる。また、接続部33の高さ及び太さのうちの少なくとも一方を変えることにより接続部33のインダクタンスを変化させ、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。
【0078】
なお、接続部33として金属バネ31を用いると、第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、接続部33として金属バネ31Aを用いると、第9の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、接続部33は、第8の実施形態に係るガイド部40であってもよい。この場合、第8又は第10の実施形態と同様に、各接続部33に金属バネ31又は31Aを通した後に、多層基板100を筐体10に取り付ける。
【0079】
第12の実施形態.
図17は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第12の実施形態に係る基板取り付け装置50Iを示す縦断面図である。図17において、基板取り付け装置50Iは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、足部30Jとを備えて構成される。また、足部30Jは、ソフトガスケット41と、取り付け部36とを備えて構成される。ここで、ソフトガスケット41は、例えば紐状のスポンジである誘電体35と、例えば誘電体35の周囲に巻かれた導電性の布である導電体34とを備えて構成される。また、取り付け部36は両面テープ又は接着剤である。なお、図17において、1組のパッチ導体6と足部30Jのみを示す。
【0080】
図17において、始めに、筐体10の形成後に、筐体10の平坦部11に両面テープ36を取り付ける。次に、両面テープ36の上にソフトガスケット41を付着させる。最後に、多層基板100の各パッチ導体6がソフトガスケット41に接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。
【0081】
図17において、多層基板100を筐体10に取り付ける前の足部30Jの高さは多層基板100を筐体10に取り付けた後の両者の距離h1よりも高いように設定される。多層基板100が筐体10に取り付けられたときに、ソフトガスケット41は多層基板100と筐体10との間に挟まれて押しつぶされ、導電体34を介してパッチ導体6と筐体10とを電気的に接続する。
【0082】
図17において、誘電体35として、筐体10の弾性率より大きい弾性率を有しかつ空気の誘電率よりも高い誘電率を有する材料を選ぶことにより、ソフトガスケット41により筐体10と多層基板100とを電気的に接続させ、かつ筐体10と多層基板100の間に、誘電体35がないときに比較して大きい容量成分を発生させることができる。このため、誘電体35の誘電率を変化させることにより、足部30Jの容量を変化させることができ、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。
【0083】
なお、本実施形態において、誘電体35の全体が導電体34に完全に囲まれているが、本発明はこれに限られず、導電体34を介してパッチ導体6と筐体10とを電気的に接続できれば、誘電体35の一部のみが導電体34に囲まれていてもよい。また、取り付け部36を用いてソフトガスケット41を筐体10に取り付けたが、本発明はこれに限られず、取り付け部36を用いてソフトガスケット41をパッチ導体6に取り付けてもよい。さらに、導電性の材料にてなる取り付け部36を用いれば、導電体35と筐体10とを低抵抗で電気的に接続できる。
【0084】
第13の実施形態.
図18は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第13の実施形態に係る基板取り付け装置50Jを示す縦断面図である。図18において、基板取り付け装置50Jは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、導電性の球体である足部30Kとを備えて構成される。なお、図18において、1組のパッチ導体6と足部30Kのみを示す。
【0085】
図18において筐体10の平坦部11のパッチ導体6に対向する各位置に円形の凹部10dを形成する。次に、足部30Kを各凹部10dに嵌める。最後に、多層基板100の各パッチ導体6が足部30Kに接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。これにより、足部30Kは、凹部10dに嵌って固定され、パッチ導体6と筐体10とを電気的に接続する。
【0086】
本実施形態によれば、多層基板100及び筐体10を備えた電子機器の量産時に、足部30Kを筺体10に確実に取り付けることができる。また、足部30Kのサイズを変更することにより、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。
【0087】
なお、導電性接着剤又は導電性フィルムなどの導電性粒子を分散させた材料を足部30Kに付着させてもよい。これにより、足部30Kと筐体10との間、及び足部30Kとパッチ導体6との間を、より低抵抗で電気的に接続できる。
【0088】
第14の実施形態.
図19は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第14の実施形態に係る基板取り付け装置50Kを示す縦断面図である。図19において、基板取り付け装置50Kは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、導電性の足部30Lとを備えて構成される。なお、図19において、1組のパッチ導体6と足部30Lのみを示す。
【0089】
図19において、始めに、筐体10の平坦部11のパッチ導体6に対向する各位置に円形の凹部10dを形成する。次に、足部30Lを各凹部10dに嵌める。ここで、足部30Lは、凹部10dの直径より小さい直径を有する円柱に凹部10dの直径より大きいフランジを取り付けた形状を有する。最後に、多層基板100の各パッチ導体6が足部30Lに接触するように、固定具20を用いて、多層基板100を筐体10に取り付ける。これにより、足部30Lは、凹部10dに嵌ってフランジで固定され、パッチ導体6と筐体10とを電気的に接続する。
【0090】
本実施形態によれば、多層基板100及び筐体10を備えた電子機器の量産時に、足部30Lを筺体10に確実に取り付けることができる。また、足部30Lのサイズを変更することにより、電磁バンドギャップの周波数帯を変化させることができる。
【0091】
なお、本実施形態において、足部30Lはフランジ以外の部分において一様な直径を有したが、本発明はこれに限られず、足部30Lはフランジ以外の部分においてパッチ導体6に近づくほど大きくなるまたは小さくなる直径を有してもよい。
【0092】
また、第14及び第15の実施形態において、凹部10dを用いて足部30K又は30Lを固定したが、本発明はこれに限られず、開口部を筐体に設け、当該開口部に足部30K又は30Lを固定すればよい。具体的には、凹部10dに代えて、筐体10に設けられる通気口の一部などの筐体10を貫通する穴を用いてもよい。また、本実施形態において、凹部10dは円形の形状を有したが、本発明はこれに限られず、足部30K又は30Lを嵌めて、パッチ導体6と筐体10とを足部30K又は30Lを介して電気的に接続できる形状を有していればよい。
【0093】
第15の実施形態.
図20は、多層基板100を筐体10に取り付けた後の本発明の第15の実施形態に係る基板取り付け装置50Lを示す縦断面図である。図20において、基板取り付け装置50Lは、配線導体5の直下に形成された複数のパッチ導体6と、足部30Mとを備えて構成される。なお、図20において、1組のパッチ導体6と2本の足部分30−1及び30−2を備えた足部30Mのみを示す。ここで、足部分30−1及び30−2は、上述した各実施形態に係る足部30,30A〜30Lのうちのいずれか1つと同様に構成される。
【0094】
上記各実施形態において、多層基板100と筐体10との間の距離h1が比較的長く、足部30,30A〜30Lのインダクタンスを所定の値以上にしか設定できない場合、電磁バンドギャップの周波数帯を所望の周波数帯よりも低くしか設定できないことがある。本実施形態によれば、1つのパッチ導体6を2本の足部分30−1及び30−2を介して筐体10に接続するので、1つのパッチ導体6を1本の足部を介して筐体10に接続する場合に比較して足部30M全体のインダクタンスを下げることができる。このため、上記各実施形態に比較して、電磁バンドギャップの周波数帯を高く設定できる。
【0095】
なお、本実施形態において、足部30Mは2本の足部分30−1及び30−2を備えたが、本発明はこれに限られず、足部30,30A〜30Lのうちのいずれか1つと同様に構成された3本以上の複数の足部分を備えてもよい。また、パッチ導体6における各足部の接続点は、所望の電磁バンドギャップが得られるように調整すればよい。
【0096】
第16の実施形態.
図21は、本発明の第16の実施形態に係るパッチ導体6の平面図である。第1〜第14の実施形態において、足部30,30A〜30Lをパッチ導体6の中心の接続点C1に接続したが、本発明はこれに限られない。図21に示すように、足部30,30A〜30Lをパッチ導体6の角付近の接続点C2に接続してもよい。接続点C2に足部30,30A〜30Lを接続することにより、接続点C1に足部30,30A〜30Lを接続した場合より、電磁バンドギャップの周波数帯を低く設定できる。なお、パッチ導体6おける足部30,30A〜30Lの接続点は接続点C1及びC2に限られず、電磁バンドギャップの周波数帯が得られるように、パッチ導体6おける足部30,30A〜30Lの接続点を設定すればよい。
【0097】
第17の実施形態.
図22は、本発明の第17の実施形態に係るパッチ導体6Aの平面図である。上記各実施形態において、正方形の形状を有するパッチ導体6を用いたが、本発明はこれに限られない。例えば、上記各実施形態及び以下の各実施形態において、パッチ導体6に代えて図20の渦形のパッチ導体6Aを用いてもよい。また、多角形又は円形などの他の任意の形状を有するパッチ導体を用いてもよい。
【0098】
第18の実施形態.
図23は、本発明の第18の実施形態に係るパッチ導体6を示す配線導体5を横切る横断面図である。図2に示すように、上記各実施形態においてパッチ導体6又は6Aは一次元的に配置されたが、配線導体5が二次元的に配置されている場合は、図23に示すように、パッチ導体6を二次元的に配置すればよい。これにより、全ての配線導体5の直下にパッチ導体6を設けることができる。図24は、図23のパッチ導体6に接続される足部30Nの斜視図である。図24において、足部30Nは、図15の足部30Iに比較して、接続部33をシート部32の上に所定の間隔d1で二次元的に配置した点のみが異なる。本実施形態によれば、配線導体5が二次元的に配置されている場合でも、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
なお、図23において、配線導体5の直下以外の位置のパッチ導体6を接地導体1に置き換えてもよい。また、図24の足部30Nに代えて、上記各実施形態に係る足部30,30A〜30H,30J〜30Mを、各パッチ導体6に電気的に接続するように二次元的に配置してもよい。
【0100】
なお、上記各実施形態において、導電性の筐体10に多層基板100を取り付けたが、本発明はこれに限られず、電子機器のシールド板などの電子機器の導体板に多層基板100を取り付けてもよい。また、多層基板100に代えて、第1及び第2の面を有し、第1の面上に形成された接地導体1と、第1の面以外の部分に形成された配線導体5と、第1の面上の各位置であって配線導体5に対向する各位置に所定の間隔で形成された複数のパッチ導体6とを備えた配線基板を、上述した基板取り付け装置50,50A〜50L,51を用いて、筐体10などの導体板に取り付けてもよい。
【0101】
さらに、上記各実施形態において、電子機器200及び200Aは、例えば100MHz以上の周波数帯域の地上波デジタル放送信号を受信するための受信装置であったが、本発明はこれに限られない。本発明は、例えば、無線信号を送受信する無線通信装置などの電子機器に適用できる。
【実施例】
【0102】
パッチ導体6と、足部30とを備えた、第1の実施形態に係る基板取り付け装置50(図1参照。)において、配線導体5の伝達係数S21をシミュレーションにより計算した。シミュレーションにおいて、多層基板100の導体である配線導体5の厚みを18μmに設定し、配線導体5とパッチ導体6との間の誘電体層4の厚みを200μmに設定し、パッチ導体6を2cm×2cmの正方形に設定し、パッチ導体6間のギャップを2mmに設定し(すなわち、パッチ導体6の間隔d1は22mmである。)、パッチ導体6の個数を4個に設定した。また、多層基板100と筐体10の距離h1を5mmに設定した。そして、図4の接地導体1を電位の基準面とし、配線導体5の両端にポートP1及びP2を設けたときの2つのポートP1,P2間のエネルギーの伝達係数S21を計算した。ただし、接地導体1は所定のインピーダンス以下の低インピーダンスで筐体10と接続されていると仮定した。すなわち、以下の図25〜図28に示すシミュレーション結果のうち、図28の破線で示すシミュレーション結果以外は、図4の追加足部37がある場合のシミュレーション結果に実質的に対応している。
【0103】
図25は、図4の足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを6nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。図25に示すように、配線導体5により伝達されにくい周波数帯である電磁バンドギャップを形成できた。また、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定すると、足部30のインダクタンスを6nHに設定したときより、電磁バンドギャップの中心周波数が約500MHz高くなった。なお、足部30として直径1.5mmで長さ5mmの金属バネを用いる場合、巻数を2に設定することにより足部30のインダクタンスを約1.5nHに設定でき、巻数を4に設定することにより足部30のインダクタンスを約6nHに設定できる。
【0104】
図26は、図4の足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、足部30を接続点C2に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。図26に示すように、足部30を接続点C2に接続すると、足部30を接続点C1に接続したときより、電磁バンドギャップの周波数帯は低くなった。
【0105】
図27は、図4の足部30を接続点C1のみに接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、2本の足部分30−1,30−2を接続点C1及びC2に接続し、各足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。図27に示すように、2本の足部分30−1及び30−2を用いてパッチ導体6を筐体10に接続すると、1本の足部を用いてパッチ導体6を筐体10に接続する場合より、電磁バンドギャップの周波数帯を高くできる。
【0106】
図28は、図4の足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定したときの配線導体5の伝達係数S21と、足部30を接続点C1に接続し、足部30のインダクタンスを1.5nHに設定し、追加足部37を取り除いたとき(第1の実施の形態において、接地導体1が低インピーダンスで筺体10と接続されていない場合)の配線導体5の伝達係数S21とを示すグラフである。図28に示すように、追加足部37があるときは、追加足部37がないときに比較して低いインピーダンスで接地導体1を筐体10に接続できるので、電磁バンドギャップ外での伝達係数S21が大きくなり、電磁バンドギャップ内での伝達係数S21は小さくなる。また、追加足部37がなく接地導体1と筺体10が低インピーダンスで接続されていない場合、電磁バンドギャップより低い周波数帯の信号を遮断してしまう可能性があることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上説明したように、本発明に係る基板取り付け装置、基板取り付け方法及び電子機器によれば、配線基板の第1の面上の各位置であって配線導体に対向する各位置に所定の間隔で形成された複数のパッチ導体と、各パッチ導体を電子機器の導体板にそれぞれ電気的に接続する複数の導電性の足部とを備えたので、従来技術に比較して容易かつ安価に電磁バンドギャップを実現できる。
【符号の説明】
【0108】
1…接地導体、
2…半導体部品、
3…ビア導体、
4…誘電体層、
5…配線導体、
6,6A…パッチ導体、
7…ボール状の導体、
10c,10d…凹部、
11…平坦部、
12…支持部、
13…切り起こし部、
14…凸部、
15…導電性接着剤、
16…導電性フィルム、
20…固定具、
30,30A〜30N…足部、
30−1,30−2…足部分、
31,31A…金属バネ、
32…シート部、
33…接続部、
34…導電体、
35…誘電体、
36…取り付け部、
37…追加足部、
40…ガイド部、
41…ソフトガスケット、
50,50A〜50L,51…基板取り付け装置、
100…多層基板、
200,200A…電子機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の面を有する配線基板を、電子機器の導体板に、上記第1の面が上記導体板に所定の第1の距離を有して対向するように取り付けるための基板取り付け装置において、
上記配線基板は、
上記第1の面上に形成された接地導体と、
上記第1の面以外の部分に形成された配線導体と、
上記第1の面上の各位置であって上記配線導体に対向する各位置に所定の間隔で形成された複数のパッチ導体とを備え、
上記基板取り付け装置は、
上記複数のパッチ導体と、
上記各パッチ導体を上記導体板にそれぞれ電気的に接続する複数の導電性の足部とを備えたことを特徴とする基板取り付け装置。
【請求項2】
上記各足部は、変更可能なインダクタンスを有することを特徴とする請求項1記載の基板取り付け装置。
【請求項3】
上記基板取り付け装置は、上記接地導体を上記導体板に電気的に接続する導電性の追加足部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の基板取り付け装置。
【請求項4】
上記各足部は、上記導体板の一部を含むことを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項5】
上記導体板の一部は、上記電子機器の導体板を切り起こし加工することによって形成された切り起こし部であることを特徴とする請求項4記載の基板取り付け装置。
【請求項6】
上記導体板の一部は、上記電子機器の導体板の凸部であることを特徴とする請求項4記載の基板取り付け装置。
【請求項7】
上記各足部は、上記電子機器の導体板の一部と上記パッチ導体とを電気的に接続するための導電性接着剤又は導電性フィルムを含むことを特徴とする請求項4から6までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項8】
上記各足部は、上記導体板の弾性率より大きい弾性率を有することを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項9】
上記各足部は金属バネを含むことを特徴とする請求項8記載の基板取り付け装置。
【請求項10】
上記各足部は、上記金属バネに挿入されたガイド部をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の基板取り付け装置。
【請求項11】
上記金属バネの直径は、上記配線基板に近づくほど小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項9又は10記載の基板取り付け装置。
【請求項12】
上記複数の足部は、
上記各パッチ導体にそれぞれ電気的に接続された一端と、他端とをそれぞれ有する複数の導電性の接続部と、
上記複数の導電性の接続部の各他端を上記導体板に電気的に接続するシート部とを含むことを特徴とする請求項8記載の基板取り付け装置。
【請求項13】
上記各足部は、
誘電体と、
上記誘電体の周囲の少なくとも一部を囲みかつ上記パッチ導体を上記導体板に電気的に接続する導電体とを含むことを特徴とする請求項8記載の基板取り付け装置。
【請求項14】
上記導体板は、上記各パッチ導体に対向する各位置に形成された複数の凹部を有し、
上記各足部は上記凹部に嵌って固定されたことを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項15】
上記各足部はそれぞれ、複数の足部分を含むことを特徴とする請求項1から14までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項16】
上記各足部は、上記各パッチ導体の中心に接続されたことを特徴とする請求項1から14までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項17】
上記各足部は、上記各パッチ導体の中心以外の位置に接続されたことを特徴とする請求項1から14までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項18】
上記複数のパッチ導体は、上記配線導体に対向する各位置のみに形成されたことを特徴とする請求項1から17までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項19】
上記配線基板を上記導体板に取り付ける前の上記各足部の長さは、上記第1の距離以上の長さに設定されたことを特徴とする請求項1から19までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項20】
上記導体板は上記電子機器の筐体であることを特徴とする請求項1から19までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置。
【請求項21】
上記導体板と、
上記配線基板と、
請求項1から20までのうちのいずれか1つに記載の基板取り付け装置の複数の導電性の足部とを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項22】
第1及び第2の面を有する配線基板を、電子機器の導体板に、上記第1の面が上記導体板に所定の距離を有して対向するように取り付けるための基板取り付け方法において、
上記配線基板は、
上記第1の面上に形成された接地導体と、
上記第1の面以外の部分に形成された配線導体とを備え、
上記基板取り付け方法は、
上記第1の面上の各位置であって上記配線導体に対向する各位置に所定の間隔で複数のパッチ導体を形成するステップと、
上記導体板に複数の導電性の足部を設けるステップと、
上記複数のパッチ導体と、上記複数の足部とをそれぞれ電気的に接続するように、上記配線基板を上記導体板に取り付けるステップとを含むことを特徴とする基板取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−110257(P2013−110257A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253823(P2011−253823)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】