説明

多重バイナリ入力を使用したロボットプログラミング制御

【課題】多重バイナリ入力を使用したロボットプログラミング制御を提供する。
【解決手段】ロボット制御をプログラムする方法は、制御ループで実行可能な動作を定める段階と、実行可能な動作に対する修正又は追加を行うサブプログラムを確立する段階とを含む。サブプログラムは、外部バイナリ入力により実行される。外部バイナリ入力は、制御ループの実行の間に提供されて、制御ループの部分としてサブプログラムを実行することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラミング方法に関し、より具体的には、プログラムした実行可能な動作を修正するために外部バイナリ入力を使用するロボットプログラミング制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは特に、同一の自動化作業を何度も繰り返して行うのに適している。しかしながら、補修サービス組織のような幾つかの産業では、そのジョブは同一でなく頻繁に変わる。その結果、自動化プログラムの絶え間ない調整が必要になる。しかしながら、従来型の制御プログラムは、自動動作モードにおいてそのような調整を許さず、むしろ運動制御コードセクション全体の書き換えを必要とする。
【0003】
それに代えて、ロボットに設ける全ての部品を正確に固定しかつ設置して、自動化プログラムの調整が必要でないようにすることが提案されてきた。しかしながら、この措置は、行われる仕事が大幅にコスト及び時間がかかるものになる。
【特許文献1】米国特許第4,590,356号公報
【特許文献2】米国特許第4,664,587号公報
【特許文献3】米国特許第4,673,795号公報
【特許文献4】米国特許第4,675,502号公報
【特許文献5】米国特許第4,680,519号公報
【特許文献6】米国特許第4,974,210号公報
【特許文献7】米国特許第5,243,690号公報
【特許文献8】米国特許第5,254,835号公報
【特許文献9】米国特許第6,374,158号公報
【特許文献10】米国特許第6,390,383号公報
【特許文献11】米国特許第6,414,458号公報
【特許文献12】米国特許第6,525,500号公報
【特許文献13】米国特許第6,532,840号公報
【特許文献14】米国特許第7,034,262号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の例示的な実施形態では、ロボット制御をプログラムする方法は、制御ループ内で実行可能な動作を定める段階と、実行可能な動作に対する修正又は追加を行いかつ外部バイナリ入力により実行されるサブプログラムを確立する段階と、制御ループの実行の間に外部バイナリ入力を提供する段階とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本明細書に記載したロボット制御のためのプログラミング方法は、固定式運動制御装置及びPLCソフトウエアではなく外部バイナリ入力を利用する。一般的に、ロボットは、ループを実行し、そこでロボットは、バイナリコード入力が既に設定されているかどうか知るためにチェックし、設定されている場合には、ロボットは、入力にとって必要なステップを実行する。ロボットは次に、ループを再び循環させて別の入力をチェックする。
【0006】
本方法は本質的に、統合されかつ即時応答して合成完全プログラムを形成する無限に短いプログラムを実行するロボットの処理速度の利点を有する。このことにより、プログラム実行可能動作に対する修正又は追加が可能になり、アーク溶接ロボットとの関連では、これら修正又は追加には、トーチ位置/角度を修正すること、アーク始動/終了を開始すること、頻繁にポイント間を運動させることなどが含まれ、当面アプリケーションを適応させるように順次に動作させかつ柔軟に修正することができる。バイナリ入力ストリングに対する入力は、スイッチボックス、ジョイスティック、コントローラ、センサ、及び/又は他の入力にエンジニアリングルールを適用する外部コンピュータ制御装置によって与えることができる。例示的なエンジニアリングルールには、それに限定されないが、アンペア数限界値、予熱要件、ロボット運動のソフト限界値及び同様なものが含まれる。
【0007】
本方法は、センサ又は人間によるモニタによってプロセス上で収集したデータに基づいて、実行中のプロセスを無効にしてプログラムを最適化するのを可能にする。ロボットは、プログラム又はサブルーチンとして個々のコマンドを実行し、それら個々のコマンドが組合されて、自動的にかつリアルタイムに合成完全プログラムを形成する。システムは、制御システム内で確立されたエンジニアリングルールにセンサ及び/又は人間による入力を組合せる。
【0008】
図1は、本明細書に記載したプログラミング制御方法に従った例示的なロボットアームの概略図である。標準的な電気エンクロージャ12は、ロボットコントローラ16上の入力部を介して接続された複数のマイクロスイッチ14を内蔵するように修正される。1つの適切なコントローラは、日本国、大阪のOTC Limitedから購入可能なAXコントローラである。上述のコントローラは例示であり、その他の適切なコントローラを利用することができることは、当業者には分かるであろう。スイッチ14の各々は、ON/OFF信号として作用し、コントローラ16は、これら信号を個々に又はバイナリ入力としての組合せで認識する。
【0009】
複数のセンサ18が、ロボットの作動状態をモニタする。センサ18は、スイッチ14と通信し、検知した作動状態及びエンジニアリングルールにより特定のスイッチを入れるか又は切る。1つの実施例では、センサ18は、ロボットの作動状態の1つが対応するエンジニアリングパラメータ限界値に近付いた又は該エンジニアリングパラメータ限界値を越えた場合に、スイッチを入れて警報を発することができる。あらゆる数のセンサ18を設けることができる。例示的なセンサには、温度センサ、ロボット位置センサ(OBセンサ)、緊急停止スイッチセンサ、電気センサ(電圧、アンペア数)、溶接温度センサ及び同様のものが含まれる。人手による入力に加えて、センサ18は、特定のスイッチ14を入れてプログラムした実行可能な動作に対する修正又は追加のためのバイナリ入力を提供する。
【0010】
メモリ20内に記憶された論理プログラムがロボットコントローラ16内でプロセッサ22によって実行されて、入力に対する応答を行う。このように、ロボットコントローラ16は、制御ループからの実行可能な動作を実施するようにプログラムされる。コントローラ16は、バイナリ入力と通信するポーリングメカニズム又は割込みメカニズム24を含む。実行可能な動作に対する修正又は追加が必要な場合には、プログラムは、制御ループの実行の間に、人間又はコンピュータによって制御されたスイッチ14を介しての入力の組合せによって修正することができる。
【0011】
図2は、プロセスの概略を示すフローチャートである。本明細書に記載したプロセスは、システム内での運動/PLCコマンドの実行を有効にするが、一般的なロボットプラットフォームはリアルタイム入力を許さない閉鎖プログラミングアーキテクチャを利用しているので、一般的にはシステム内でのこの運動/PLCコマンドの実行は可能でない。システムに対する外部入力の全てが正しいことをロボットが確認できない時に、オペレータがそのことを確認するようにAその後Bその後Cのプログラムを実行する代わりに、ロボットは、むしろ制御ループ内で実行可能な動作を行い、U及びVが正当である場合には、ロボットはAを行い、次にW及びXが正当である場合には、ロボットはBを行い、またオペレータは、調整Dのような調整が行われたことを知ることができ、次にY及びZが正当である場合には、ロボットは最後にCを行うことになる。最後の結果は同じであるが、付加的なセンサ入力及び調整能力は、オペレータにはシームレスに見えかつ運動制御コードセクション全体を書き換えるよりもはるかに簡単な方法で無限に変動可能な修正を可能にする。
【0012】
外部ソースは、スイッチを使用して照明を点けるのと同じように、コントローラの入力ブロックを通して回路を完成させることによってコントローラと通信する。組合せた入力の組合せは、実行するサブプログラム(A〜D)を決定するためにコントローラが使用するバイナリ数を表す。
【0013】
本明細書に記載した方法は、統合されて合成完全プログラムを形成する短いプログラムを実行するロボット処理速度の利点を有する。その結果、ロボット制御の所定の実行可能な動作は、バイナリ入力ストリングを使用してリアルタイムに修正することができる。
【0014】
現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、それどころか、特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲に含まれる様々な変更及び均等な構成を保護しようとするものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ロボット制御プログラミングハードウエアの概略図。
【図2】プログラミング方法のフローチャート。
【符号の説明】
【0016】
12 電気エンクロージャ
14 マイクロスイッチ
16 ロボットコントローラ
18 センサ
20 メモリ
22 プロセッサ
24 ポーリング/割込みメカニズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット用のロボット制御をプログラムする方法であって、
制御ループ内で実行可能な動作を定める段階と、
前記実行可能な動作に対する修正又は追加を行いかつ外部バイナリ入力により実行されるサブプログラムを確立する段階と、
前記制御ループの実行の間に前記外部バイナリ入力を提供する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記提供する段階が、前記外部バイナリ入力を事前設定ルールと比較することによって実施される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記提供する段階が、外部ソースとの通信を介して前記外部バイナリ入力を検知するコントローラによって実施される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記外部ソースが、複数のスイッチ(14)を内蔵する電気エンクロージャ(12)を含み、前記提供する段階が、前記複数のスイッチのポーリングの1つ又は該スイッチと通信する割込みメカニズム(24)によって実施される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記ロボット制御が、溶接ロボット用のものであり、前記実行可能な動作に対する修正又は追加が、トーチ位置を修正すること、トーチ角度を修正すること、アーク始動を開始すること、アーク終了を開始すること、頻繁なポイント間運動、及び溶接パラメータの少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記提供する段階が、前記バイナリ入力のポーリングの1つ又は該バイナリ入力と通信する割込みメカニズム(24)によって実施される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ロボットの作動状態をモニタする段階をさらに含み、前記外部入力が、前記ロボット作動状態に基づいて前記提供する段階において提供される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ロボットの作動状態の1つが対応するエンジニアリングパラメータ限界値に近付いた又は該エンジニアリングパラメータ限界値を越えた場合に警報を発する段階をさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
溶接ロボット用の制御システムであって、
制御ループ内で実行可能な動作を定めるコンピュータプログラムを記憶し、前記実行可能な動作に対する修正又は追加を行いかつ外部バイナリ入力により実行されるサブプログラムを記憶するメモリ(20)と、
前記メモリと通信しかつ前記コンピュータプログラムを実行するプロセッサ(22)と、
前記制御ループの実行の間に前記外部バイナリ入力を提供する外部ソース(12、14、18)と、
を含む制御システム。
【請求項10】
前記外部ソースとの通信を介して前記外部バイナリ入力を検知するコントローラ(16)をさらに含む、請求項9記載の制御システム。
【請求項11】
前記外部ソースが、複数のスイッチ(14)を内蔵する電気エンクロージャを含み、前記コントローラが、前記複数のスイッチのポーリングの1つ又は該スイッチと通信する割込みメカニズム(24)によって検知することを行う、請求項10記載の制御システム。
【請求項12】
前記実行可能な動作に対する修正又は追加が、トーチ位置を修正すること、トーチ角度を修正すること、アーク始動を開始すること、アーク終了を開始すること、頻繁なポイント間運動、及び溶接パラメータの少なくとも1つを含む、請求項9記載の制御システム。
【請求項13】
前記外部ソースと通信するポーリングメカニズム又は割込みメカニズム(24)の1つをさらに含む、請求項9記載の制御システム。
【請求項14】
前記ロボットの作動状態をモニタする該ロボットに結合された複数のセンサ(18)をさらに含み、前記外部入力が、前記ロボット作動状態に基づいて提供される、請求項9記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−59573(P2008−59573A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−200392(P2007−200392)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】