説明

学習装置及びそれを用いた学習システム

【課題】ユーザに対し変化に富んだ学習教材や学習方法を提供し、ユーザの学習効果を高めることができる学習装置及びそれを用いた学習システムを提供すること。
【解決手段】計時手段とアラームを設定するアラーム設定手段と前記アラーム設定手段の設定に基づいて前記アラームを作動させるアラーム作動手段と前記アラームを停止するアラーム停止手段と前記アラーム停止手段が出力するアラーム停止信号に基づきユーザに問題を出題する問題出題手段とを備えた学習装置において、電気通信回線網に接続可能とする外部接続手段を備え、前記電気通信回線網を介して外部サーバと通信可能とした。これにより、外部サーバから問題を取得できる。また、外部サーバを介して、他のユーザと協同または競争できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目覚まし時計等で用いられるアラーム機能とユーザの学力向上のための学習機能とを融合させた学習装置及びそれを用いた学習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目覚まし時計等の覚醒装置と電子学習支援装置を組み合わせることにより、起床時にユーザを確実に覚醒させ、かつ意志の弱いユーザでも毎日学習を持続させるようにした装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、図11に示す様に、問題提示手段Cに提示される問題に対して解答入力手段Dに解答を入力したとき、この解答の正誤を解答判定手段Bで判定する電子学習支援装置と覚醒装置の融合装置が開示されている。そしてこの融合装置では、解答判定手段Bの判定の結果をもとに覚醒刺激出力手段Eを制御する覚醒刺激制御手段Aを具備し、正解率や連続正解数が所定の条件に達しないと覚醒刺激出力手段Eの覚醒刺激すなわちアラームが止まらない構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−166761号公報(請求項1及び図1など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の融合装置では、ユーザへ提供する学習教材や学習方法に変化が乏しく十分な学習効果を得ることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザに対し変化に富んだ学習教材や学習方法を提供し、ユーザの学習効果を高めることができる学習装置及びそれを用いた学習システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、計時手段と、アラームを設定するアラーム設定手段と、アラーム設定手段の設定に基づいてアラームを作動させるアラーム作動手段と、アラームを停止するアラーム停止手段と、アラーム停止手段が出力するアラーム停止信号に基づきユーザに問題を出題する問題出題手段とを備えた学習装置において、電気通信回線網に接続可能とする外部接続手段を備え、電気回線通信網に接続された他のユーザによる問題の解答状況に応じた情報を、電気通信回線網を介して外部サーバと通信可能であることを特徴とする。
【0008】
また、問題出題手段は、電気通信回線網に接続された学習装置を利用する所定のユーザで構成された集団における解答順位に応じて、問題の量や質を変える調整手段を備えてもよい。
【0009】
また、問題出題手段は、集団内において、いずれかのユーザが正解した問題は、その他のユーザには出題しないことが好ましい。
【0010】
また、集団内の順位状況を報知する機能を有してもよい。
【0011】
また、問題出題手段は、問題に解答する時刻に応じて問題の量を増減してもよい。
【0012】
また、本発明の学習システムは、上記いずれかの学習装置を有し、電気通信回線網を通じてユーザの学習を可能とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の学習装置及びそれを用いた学習システムによれば、電気通信回線網に接続可能とする外部接続手段を備えていることにより、電気通信回線網を介して外部サーバと通信可能となるため、他のユーザによる問題の解答状況に応じた学習教材や学習方法を提供することができる。したがって、ユーザ一人で行う場合よりも、バラエティに富んだ学習を行うことができるため、より高い学習効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による学習装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明による学習装置を用いた学習システムを説明する概念図である。
【図3】本発明による学習装置が接続する外部サーバの構成を説明するブロック図である。
【図4】本発明による学習装置の動作の概要を説明するチャートである。
【図5】本発明による学習装置の問題情報取得時の動作を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明による学習装置の出題リスト及び出題情報データの構成図である。
【図7】本発明による学習装置の問題情報取得時の表示例を説明する外観図である。
【図8】本発明による学習装置のネットワークを用いた学習の動作を説明するシーケンス図である。
【図9】本発明による学習装置のネットワークを用いた学習の動作を説明するシーケンス図である。
【図10】本発明による学習装置のネットワークを用いた学習の表示例を説明する外観図である。
【図11】学習装置の従来例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の学習装置の大まかな動作は、アラームが鳴りユーザがアラームを停止すると履修コースの問題が順次提示され、ユーザの解答状況や他のユーザとの成績の比較状況で問題の量や質が変わり、ゲーム感覚で学習効果を高めるものである。
【0016】
以下、図面により本発明の学習装置の実施の形態を詳述する。
【0017】
以下、図1〜図10を用いて本発明の学習装置の実施形態を詳述する。
[実施形態の構成説明:図1〜図3]
図1は学習装置1の構成を説明するブロック図である。
【0018】
図1に示す様に学習装置1は、計時手段2と、アラームボタン3と、スピーカ4と、全体制御部6と、外部インターフェイス部7と、ユーザインターフェイス部12と、タッチパネルディスプレイ13と、アラーム時刻メモリ14と、出題内容メモリ15と、ユーザ解答メモリ16とから構成されている。
【0019】
計時手段2は学習装置1の時計機能を管理し、時間計測機能とカレンダー機能を備えている。
【0020】
図1において、アラームボタン3はスライド動作とプッシュ動作の何れの動作も可能なスイッチで、アラーム設定手段とスヌーズ機能とアラーム停止手段の3つの機能を備えている。
【0021】
このようなアラームボタン3は、例えば引き上げるとアラームが設定され、軽く押すとスヌーズ機能が働き、さらに下方に押して固定するとアラームの設定が解除されユーザを覚醒させるためのベル音の鳴動が停止するようになっている。
【0022】
アラームボタン3は、アラームの設定時とアラームの停止時の各々の状態に対応して、アラーム設定信号Asとアラーム停止信号Ahを出力し、ユーザインターフェイス部12を通じて全体制御部6に入力される。
【0023】
スピーカ4は、アラーム作動時刻に、ユーザを覚醒させるためのベル音などを鳴動するアラーム作動手段であり、学習装置1からユーザに音声で学習のガイダンスを行なう機能を備えることも可能である。
【0024】
全体制御部6は、学習装置1の論理動作判断、入出力制御、データ記憶など動作全体を制御すると共に問題出題手段61を備えている。
【0025】
問題出題手段61はユーザインターフェイス部12やタッチパネルディスプレイ13を通じてユーザに問題を出題する。
【0026】
調整手段62は問題出題手段61に備えられ、アラーム停止時に出題する問題の質や量を調整する機能を有している。
【0027】
外部インターフェイス部7は、学習装置1を無線または有線方式でルータを通じて電気通信回線網に接続する。
【0028】
タッチパネルディスプレイ13は液晶表示器による出力機能とタッチパネル入力機能とを備え、学習装置1がユーザに出題する問題を表示すると共に、ユーザの解答をタッチパネル方式で入力する。
【0029】
ユーザインターフェイス部12は、ユーザと学習装置1との接点であるタッチパネルディスプレイ13と学習装置1の全体制御部6とを結合する。
【0030】
アラーム時刻メモリ14、出題内容メモリ15およびユーザ解答メモリ16は不揮発記憶素子で構成され、アラーム時刻メモリ14はアラームに係わる情報やアラーム回数などのデータ類を、出題内容メモリ15は出題問題に係わる情報やデータ類を、ユーザ解答メモリ16はユーザの解答に係わる情報やデータ類を、各々記憶する。
【0031】
図2を用いて学習システムの構成をさらに詳述する。
【0032】
図2は学習装置1を用いた学習システムの構成を説明する概念図である。
【0033】
図2に示す様に、学習システムは、学習装置1と、ルータ71と、インターネット(電気通信回線網)21と、外部サーバ18とで構成されている。
【0034】
図3を用いて学習システムを構成する外部サーバ18の構成を詳述する。
【0035】
図3は学習装置1が構成する学習システムにおける外部サーバ18の構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示す様に、外部サーバ18は外部インターフェイス181と、履修情報データベ
ース182(以下、データベースをDBと表記する)と、出題リストDB183と、出題内容DB184と、センタ全体制御部185と、所属グループDB186と、解答履歴DB187とから構成される。
【0037】
外部インターフェイス181は、電気通信回線網を介して外部サーバ18をインターネットに接続し、ユーザが使用する学習装置1とデータの通信を行う。
【0038】
履修情報DB182はユーザ照合標識(以下、照合標識をIDと表記する)によって履修しているコースのIDすなわち履修コースIDを検索できる。
【0039】
出題リストDB183は、履修コースIDと日付時刻とから出題すべき内容のIDすなわち出題情報IDを検索できる。
【0040】
出題内容DB184は、出題情報IDから出題情報データを検索できる。
【0041】
センタ全体制御部185は、センタ全体の動作を制御する。さらに詳細には受動的な制御としては以下の様な動作がある。
【0042】
学習装置1からユーザIDを含む履修コース要求を受信し、そのユーザIDで示されるユーザが学習する履修コースを履修情報DB182で検索し、検索結果である1個以上の履修コースIDを学習装置1に返送する。
【0043】
学習装置1から履修コースIDを含む出題リスト要求を受信し、出題リストDB183でその履修コースで出題すべき複数の問題を示す出題情報IDを検索し、検索結果である複数の出題情報IDを含む出題リストを学習装置1に返送する。
【0044】
学習装置1から出題情報IDを含む出題情報要求を受信し、対応する出題情報データを出題内容DB184で検索し、検索結果である出題情報データを学習装置1に返送する。<改行と空白挿入>
学習装置1から日付時刻やユーザIDやユーザ解答や出題情報IDを含むユーザ解答履歴保存要求を受信し解答履歴DBに保存する。
【0045】
学習装置1からユーザIDを含む順位ランキング報告要求を受信した際は、そのユーザIDで所属グループDB186を検索し、同じグループに属するユーザを同定する。同じグループに属するユーザの解答履歴を解答履歴DB187で検索し、その結果に基づき順位ランキングを集計する。求められた順位ランキングは、学習装置1に返送される。
【0046】
学習装置1からユーザIDを含む正解率報告要求を受信した際は、同様の手順でユーザが属するグループ内での正解率ランキングを集計し、学習装置1に正解率ランキングを返送する。
【0047】
学習装置1からユーザIDと出題情報IDを含む状況提示要求を受信した際は、そのユーザIDで所属グループDB186を検索し、同じグループに属するユーザを同定する。さらに出題情報IDで解答履歴DB187を検索し、先に同定されたユーザのいずれかによって、すでにその問題が正解されているかを判定する。外部サーバ18は、その判定結果を学習装置1に返送する。
【0048】
本実施例では、外部サーバ18から学習装置1に返送されるランキング情報は、それを要求したユーザのみの情報を含むものとし、グループ内の他のユーザの順位は含まれないものとする。ただし、グループ内の全てのユーザのランキング情報を含む方法も考えられ
る。いずれの方法を採用しても、本発明の本質には影響しない。
【0049】
センタ全体制御部185の受動的な制御としては以上の様な動作がある。
【0050】
なお日付時刻やユーザIDやユーザ解答や出題情報IDは学習装置1から送信されてくる情報であり、解答履歴DB以外のDBの内容は、例えば年度始めに書き込んでおくことが可能である。
【0051】
所属グループDB186は、ユーザIDと所属グループIDが組になって格納され、ランキング計算等の集計範囲を決めるために使われ、ユーザIDで所属グループIDを検索することが可能であって、また逆に所属グループIDでユーザIDを検索可能である。
【0052】
解答履歴DB187はユーザの、日付時刻とユーザIDと出題情報IDとユーザ解答からなる解答履歴を保存する。
【0053】
解答履歴は集団内のランキング情報すなわち順位ランキングと正解率ランキングとを計算する際に使用される。
[第1の実施形態の動作説明:図4〜図9]
次に図4〜図9および図3を併用して本発明の学習装置1の動作を説明する。
【0054】
学習装置1はパーソナルコンピュータやインターネット端末で構成することが可能であるが、本実施形態では液晶画面にタッチパネルを備えたインターネット端末を使用したのでこれを前提に説明を行なう。
【0055】
図4は本発明の学習装置1の大まかな動作を示すチャートであり、図5〜図9は詳細の動作を説明するシーケンス図および外観図およびデータ構成図である。
【0056】
また以下の説明において、各要素と各要素間の信号の説明については図1を併用する。[動作の概要]
図4を用いて学習装置1の動作の概要を説明する。
【0057】
以後の説明において処理ステップP1〜P5は、単にP1〜P5と表記する。
<P1>
図4においてP1は問題取得プロセスであり、学習装置1は、例えば昼の12時など学習装置1が使用されていない時間帯に自動的にインターネット21を経由し外部サーバ18に接続し、図3に示す外部サーバ18の履修情報DB182に収納されている履修コースの問題を取得する。
【0058】
学習装置1は、取得した問題データを図1に示す学習装置1の出題内容メモリ15に記憶する。
<P2>
ユーザ30は希望する時間に起床するため、学習装置1のアラームを設定する。
【0059】
P2に続く“Z”と示された間、ユーザ30は就寝する。
<P3>
学習装置1は、その日に出題すべき問題に応じて、アラーム設定時刻より所定の時間前にユーザを覚醒させるベル音を鳴動する。
<P4>
ユーザはアラームボタン3を押し下げて固定しアラームを停止する。
<P5>
学習装置1は履修コースで定められた問題を出題する。
【0060】
ユーザが、複数のユーザで予め構成された集団に属している場合は、学習装置1は図1に示す問題出題手段61の調整手段62によって、集団内での成績や起床時間に応じて出題する問題の量や質を調整する。問題の量や質を調整する方法は、学習装置1の動作を説明する図8を用いて後述する。
【0061】
ユーザ30は問題への解答を行なう。
【0062】
学習装置1は電気通信回線網を通じて外部サーバ18に解答履歴を登録する。外部サーバ18に登録された解答履歴は、図3の解答履歴DBに保存され、ユーザが所属するグループ内での順位やランキング算出に利用される。
P5の、問題の出題、解答、解答履歴の記録は、所定の問題数だけ繰り返される。
[詳細の動作説明]
図5〜図7と図1を用いて学習装置1の問題取得プロセスすなわち図4のP1における動作をさらに詳細に説明する。
【0063】
図5は、問題取得プロセスにおける学習装置1とユーザ30と外部サーバ18の動作を示すシーケンス図であり、図5の紙面上方から下方に時間が経過する。また点線で囲ったR1、R2は複数の動作ステップからなるプログラムルーチンであり、“出題情報取得ルーチンR1”の様に表記する。
【0064】
また動作ステップS1、S2、・・、Snは、以後は単にS1、S2、・・Snと表記する。
【0065】
図6は、学習装置1が外部サーバ18から取得する情報類のデータの構成図であって、図6(a)は出題リストの構成を示し、図6(b)は出題情報データの構成を示している。
【0066】
図7は学習装置1の表示例を示す外観図であって、図7(1)はアラームが設定されていない場合で、タッチパネルディスプレイ13には現在時刻のみが表示されている。
【0067】
学習装置1の上部には、アラームの設定、スヌーズ、アラームの停止が可能なアラームボタン3を備えている。
【0068】
図7(2)は、履修コースがない場合に、アラームボタン3を引き上げてアラームが設定された場合の学習装置1の表示例で、タッチパネルディスプレイ13のアラーム作動時刻表示部13aには、アラーム作動時刻とアラームを設定したことを示すマークが表示されている。アラーム作動時刻は、アラーム作動時刻表示部13aをなぞることによって変更することができる。
【0069】
また図7(2)に示す様に、タッチパネルディスプレイ13にはユーザが属する集団内での成績順位を表示する集団順位表示部13gを設ける事も可能である。
<S1>
図5において、まず学習装置1は、例えば昼の12時になったら外部サーバ18と通信を始め、外部サーバ18に対しユーザIDデータを送信して、ユーザの履修コースを要求する。
<S2>
外部サーバ18は、学習装置1からのユーザIDデータを含む履修コース要求を受信したら、履修情報DB182の内容を参照し、ユーザIDで特定されるユーザが履修する1
個又は複数の履修コースIDを、学習装置1に対し返送する。
<S3>
学習装置1は、外部サーバ18から履修コースIDデータを取得したら、外部サーバ18に対し、履修コースID毎の履修コースIDデータ、およびユーザに問題を出題する日付時刻データを送信し、出題リストを要求する。
<S4>
外部サーバ18は、学習装置1から出題リストを要求されたら、複数の出題情報IDデータを含む出題リストを学習装置1に返送する。ここで、出題リストは、例えば、図6(a)に示すデータから構成される。これにより、学習装置1は、その日に出題すべき問題リストを取得する。図6(a)に示されるように、問題リストは、履修コースID、その問題リストに含まれる標準問題の個数、予備問題の個数、標準問題の出題情報IDが個数分、予備問題の出題情報IDが個数分、で構成される。標準問題とは、ユーザに必ず出題される問題である。予備問題は、後に説明されるように、ユーザ毎に出題されるか否かが決定される。
<S5>
そして、学習装置1は、外部サーバ18より取得した複数の出題情報IDの全てについて、出題情報IDデータを一つずつ外部サーバ18に送信して出題情報要求を行う。
<S6>
外部サーバ18は、学習装置1からの出題情報要求を受信したら、それに含まれる出題情報IDに対応する出題情報データを出題内容DBで検索し、その出題情報データを学習装置1に返送する。ここで、出題情報データは、図6(b)に示すように、出題情報ID、問題データ、解答用データ、正解データ、標準解答時間から構成される。問題データは例えば動画であり、学習装置1が問題出題時に再生する。解答用データは、例えば動画であり、学習装置1がユーザに解答を促す際に表示される。正解データは、問題の正解を表すデータであり、例えば正解の選択肢等である。標準解答時間は、その問題を解くために必要と予想される時間であり、本実施例では秒数で表される。標準解答時間は、学習装置1がアラーム鳴動時刻を調整する際に参考とされる。これにより、学習装置1は、その日に出題すべき問題を取得する。
【0070】
図5に示す様に、S5とS6で構成される出題情報取得ルーチンR1は、S4によって取得された1個又は複数の問題のリストで定められた問題の取得が終了するまで、継続する。
【0071】
図5に示す様に、S3〜S6で構成される出題リスト取得ルーチンR2は、S2によって取得された1個又は複数の履修コースIDで定められた問題リストの取得が終了するまで、継続する。
【0072】
以上のS1からS6のステップで履修コースの問題が外部サーバ18から学習装置1に送信される。
【0073】
図7(1)に示す様に、S1からS7の間は、学習装置1のタッチパネルディスプレイ13にはその時点の時刻を表示している。またS1からS6の動作は、学習装置1とサーバ18とインターネット21とによって自動的に行なわれる。
【0074】
つぎに図8と図9を用いて、アラーム作動時すなわち学習装置1によってアラームのベル音が鳴動した時の動作を詳述する。
【0075】
図8、9は、アラーム作動時の学習装置1とユーザ30と外部サーバ18の時間経過毎の動作を示すシーケンス図であり、図8はユーザ30の順序ランキングに応じて問題が増減する場合の一例、図9は他のユーザの解答状況に応じて問題が増減する場合の一例であ
る。図10はアラーム作動プロセスにおける学習装置1の表示例を示す外観図である。
<S10>
図8において、学習装置1はアラーム作動時刻より所定の時間前の時刻になると、スピーカ4でベル音を鳴動しユーザを覚醒する。
【0076】
図10(1)に示す様に、学習装置1のタッチパネルディスプレイ13にはその時点の時刻が表示されているが、この時刻はユーザ30が問題を解く時間を考慮し、アラーム作動時刻表示部13aに表示されているアラーム設定時間より早くなっている。
<S11>
図8において、ユーザが学習装置1のアラームボタン3を下方に押し下げて固定すると、アラームが停止され、ベル音の鳴動が停止する。
<S12>
ベル音の鳴動が停止すると、図1に示す学習装置1のアラームボタン3はアラーム停止信号Ahを出力し、アラーム停止信号Ahはユーザインターフェイス部12を通じて全体制御部6の問題出題手段61に入力される。
【0077】
図10(2)に示す様に問題出題手段61は、ユーザインターフェイス部12を通じて学習装置1のタッチパネルディスプレイ13に1番目の問題を表示する。
<S13>
図8において、ユーザは1番目の問題を確認するとタッチパネルディスプレイ13の、次ボタン13nを押して、解答を入力するための画面を要求する。
<S14>
学習装置1はタッチパネルディスプレイ13に解答画面を提示する。
【0078】
すなわち図10(3)に示す様にタッチパネルディスプレイ13には、1番目の問題の解答を入力する画面が提示される。
【0079】
<S15>
図8において、ユーザ30はタッチパネルディスプレイ13に表示された解答欄を押して解答を入力する。
【0080】
すなわち図10(3)に示すタッチパネルディスプレイ13の“A”または“B”の解答欄を押す。
<S16>
図8において、学習装置1はタッチパネルディスプレイ13にユーザの解答が正解か不正解かを提示する。
【0081】
すなわち図10(4)に示す様にタッチパネルディスプレイ13には、1番目の解答が正解か不正解かが提示される。
<S17>
図8において、ユーザ30は次ボタン13nで、次の画面の表示を促す。
<S18>
図8において学習装置1は、ユーザ30に解答結果を表示すると同時に、外部サーバ18に解答履歴すなわちユーザの成績の保存を要求する。
<S18a>
外部サーバ18は解答履歴を解答履歴DB187に保存する。
【0082】
以上、<S12>から<S18a>までの処理は、問題の出題および解答および履歴保存に関わる基本的な処理であり、まとめて解答入力保存ルーチンR4と称することとする。
【0083】
解答入力保存ルーチンR4は、図5に示した処理で取得した標準問題の数だけ繰り返される。すなわち、図8に示される処理では、標準問題は全てユーザに出題される。
【0084】
全ての標準問題の出題および解答が終了すると、処理は<S19>に進む。
<S19>
学習装置1は外部サーバ18に、順序ランキング要求を送る。
<S19a>
外部サーバ18は、順序ランキング要求を受け取ると、解答履歴から同じグループに属するユーザの解答状況を解答履歴DB187で検索し、要求元のユーザ30が、グループ内で何番目に標準問題を終了したかを求める。あるいは、グループ内の順位は、最初の問題に答えた時刻の順番で決めても良い。あるいは、外部サーバ18は、それまでの正解率の順位を順位ランキング情報として用いても良い。それまでの正解率も、解答履歴DB187で検索した結果から計算できる。
<S20>
外部サーバ18は、以上のようにして求めた順位ランキング情報を、学習装置1に返送する。
<S21>
学習装置1は、ランキング情報すなわち順位ランキングや正解率ランキングに基づき、出題する問題の量、質を調整する。より詳細には、図1に示す様に、学習装置1の全体制御部6の問題出題手段61が有する調整手段62は、ランキング情報によって出題する問題の量、質、構成を調整する。例えば本実施例では、ランキングが1位のユーザには、すべての予備問題を出題し、以降ランキングが下がる毎に出題する予備問題の数を一つずつ減らしていくものとする。この場合は、追加の問題をボーナスと捉えている。あるいは逆に、ランキングが1位のユーザには予備問題を全く出題せず、以降ランキングが下がる毎に出題する予備問題の数を一つずつ増やして行く方式も考えられる。この場合は、追加の問題をペナルティと捉えている。どちらの考え方をしても、本発明の本質とは矛盾しない。追加の問題が無かった場合、図8においては<S30>に進む。
<S22>
追加の問題の個数が決定されると、学習装置1は<S22>においてユーザ30にメッセージを提示する。図示しないが、本実施例では例えば「第1位、ボーナス5問」のように提示するものとする。
<S23>
ユーザ30は、次ボタン13nを押して、次の画面を促す。
<S24>
学習装置1は、<S21>で決定された問題数に応じて、解答入力保存ルーチンR4を繰り返す。すなわち、問題の出題、ユーザ30からの解答受付、外部サーバ18への履歴保存を繰り返す。問題数分の出題、解答、履歴保存が終了したら、<S30>に進む。
<S30>
履修コースで定められた問題数が終了すると、図10には図示していないが学習装置1はタッチパネルディスプレイ13に終了のメッセージを表示する。例えば、「問題はもうありません」のような文字列を表示する。
【0085】
なお、図10(2)に示す様に、学習装置1のタッチパネルディスプレイ13にユーザのランキング情報を集団順位表示部13gに常時表示し、ユーザの注意を喚起することも可能である。
【0086】
次に、図9を用いて、学習装置1がユーザ30に問題を提示する方法の別の形態をしめす。
<S10>〜<S12>
アラーム鳴動<S10>とアラーム停止<S11>は、前記図8と同じであるので説明を省略する。
<S25>
学習装置1は、図5に示した処理で取得した問題の全てについて、<S25>から<S28>で構成される選択的解答入力保存ルーチンR5を実行する。選択的解答入力保存ルーチンR5の最初は、学習装置1から外部サーバ18への状況提示要求<S25>である。状況提示要求には、ユーザ30のユーザIDと、これからユーザ30に提示するかどうかを判定する問題の出題情報IDが含まれる。
<S25a>
外部サーバ18は、学習装置1からの状況提示要求を受け取ると、図3の説明でも述べたように、そのユーザIDで所属グループDB186を検索し、同じグループに属するユーザを同定する。さらに出題情報IDで解答履歴DB187を検索し、先に同定されたユーザのいずれかによって、すでにその問題が正解されているかを判定する。
<S26>
外部サーバ18は、その判定結果を学習装置1に返送する。
<S27>
学習装置1は、外部サーバ18からの状況解答に応じ、その問題をユーザ30に出題するか否かを判定する。図9に示される実施形態では、他のユーザが回答済みでない問題であれば、次の<S28>が実行され、問題がユーザ30に提示される。他のユーザが既に回答済みである問題であれば、<S28>は実行されず、問題はユーザ30に提示されない。
<S28>
<S28>は、学習装置1から出題された問題に、ユーザ30が答え、その履歴を外部サーバ18に記録する処理であり、すでに説明した解答入力保存ルーチンR4と同一の処理である。
<S30>
出題すべき問題が無くなったら、学習装置1はユーザに対して終了メッセージを表示する。これは、図8で説明した処理と同じである。
【0087】
以上によれば、ユーザ30に対して、同一グループに属する他のユーザが回答済みである問題は出題されない。これにより、同一グループに属するユーザ同士が分担して問題を解くような処理を実現できる。
[実施形態の効果]
以上の様に本実施形態に係る学習装置及びそれを用いた学習システムによれば、インターネット21に接続可能とする外部インターフェイス部7を備えていることにより、インターネット21を介して外部サーバ18と通信可能となるため、他のユーザの学習状況に応じた学習教材や学習方法を提供することができる。したがって、ユーザ一人で行う場合よりも、バラエティに富んだ学習を行うことができるため、より高い学習効果が期待できる。例えば、集団を構成する複数のユーザがお互いに切磋琢磨しユーザ間の繋がりによってより効果的に学業の向上を図る学習システムを提供することができる。また、ネットワーク経由でユーザに十分な学習教材を提供することができる。
【0088】
なお、以上説明した実施形態はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば任意に変更することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0089】
1 学習装置
2 計時手段
3 アラームボタン
31 アラーム設定手段
32 アラーム作動手段
33 アラーム停止手段
4 スピーカ
6 全体制御部
61 問題出題手段
62 調整手段
7 外部インターフェイス部
12 ユーザインターフェイス部
13 タッチパネルディスプレイ
13a アラーム作動時刻表示部
13n 次ボタン
13b 前ボタン
13g 集団順位表示部
14 アラーム時刻メモリ
15 出題内容メモリ
16 ユーザ解答メモリ
18 外部サーバ
181 外部インターフェイス
182 履修情報DB
183 出題リストDB
184 出題内容DB
185 センタ全体制御部
186 所属グループDB
187 解答履歴DB
21 インターネット
30 ユーザ
As アラーム設定信号
Ah アラーム停止信号
R1 出題情報取得ルーチン
R2 出題リスト取得ルーチン
R4 履歴保存ルーチン
P1〜P5 処理ステップ
S1〜S30 動作ステップ
t 時間進行

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時手段と、アラームを設定するアラーム設定手段と、前記アラーム設定手段の設定に基づいて前記アラームを作動させるアラーム作動手段と、前記アラームを停止するアラーム停止手段と、前記アラーム停止手段が出力するアラーム停止信号に基づきユーザに問題を出題する問題出題手段と、を備えた学習装置において、
電気通信回線網に接続可能とする外部接続手段を備え、前記電気回線通信網に接続された他のユーザによる前記問題の解答状況に応じた情報を、前記電気通信回線網を介して外部サーバと通信可能であることを特徴とする学習装置。
【請求項2】
前記問題出題手段は、前記電気通信回線網に接続された学習装置を利用する所定のユーザで構成された集団における解答順位に応じて、前記問題の量や質を変える調整手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
【請求項3】
前記問題出題手段は、前記集団内において、いずれかのユーザが正解した問題は、その他のユーザには出題しないことを特徴とする請求項2に記載の学習装置。
【請求項4】
前記集団内の順位状況を報知する機能を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の学習装置。
【請求項5】
前記問題出題手段は、前記問題に解答する時刻に応じて前記問題の量を増減することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の学習装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の学習装置を有し、前記電気通信回線網を通じて前記ユーザの学習を可能とする学習システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−47732(P2013−47732A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186028(P2011−186028)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】