説明

実装基板および発光装置

【課題】 小型化が容易な、発光素子等の電子部品素子実装用の実装基板を提供する。
【解決手段】 複数の電子部品素子5が搭載される搭載部1aが上面に設けられた平板部1と、平板部1の上面に搭載部1aを囲むように積層された枠部2と、平板部1および枠部2の少なくとも一方に形成された複数の実装パッド4とを備えており、枠部2の上面に、複数の実装パッド4同士を互いに電気的に接続するための接続導体8が形成されている実装基板である。接続導体8が枠部2の上面に形成されているため、搭載部1aにおいて接続導体8を配置するスペースが不要であり、小型化が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子等の電子部品素子が実装される実装基板、および実装基板に発光素子が実装されてなる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザ)等の発光素子,ダイオード等の半導体素子,容量素子等の電子部品素子は、電子部品素子を実装するための実装基板に実装されて、各種の発光機器や電子機器において発光装置等の部品として用いられる。
【0003】
実装基板としては、上面に電子部品の搭載部が設けられた板状の平板部と、平板部の上面に搭載部を取り囲むように積層された枠部とを備えたものが一般的に用いられている。平板部の上面等には電子部品素子の入出力用等の電極が電気的に接続される複数の実装パッドが形成されている。
【0004】
実装基板に電子部品素子として発光素子が搭載され、この発光素子の電極と実装パッドとが電気的に接続されれば、発光装置が形成される。複数の発光素子が搭載される場合には、複数の発光素子が例えば互いに並列に接続される。また、発光素子を過電圧(いわゆるサージ電圧)等から保護するための保護素子が搭載される場合には、発光素子と保護素子とが互いに並列に接続される。
【0005】
上記のように複数の電子部品素子が互いに並列に接続される場合には、例えば複数の電子部品素子の互いに対応し合う電極が一つの実装パッドに電気的に接続される。また、複数の電子部品素子の互いに対応し合う電極に対応して複数の実装パッドが形成されたときには、これらの複数の実装パッド同士が互いに電気的に接続される。複数の実装パッド同士の電気的な接続は、通常、平板部の上面において搭載部の周辺に形成された接続用の配線導体を介して行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−19919号公報
【特許文献2】特開2005−136019号公報
【特許文献3】特開2009−38215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記実装基板および発光装置においては、搭載部に接続用の配線導体を形成するスペースが必要であるため、平面視における小型化が難しいという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題に鑑みて完成されたものであり、その目的は、発光素子等の複数の電子部品素子が実装される実装基板であって小型化が容易な実装基板、および小型化が容易な発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの態様による実装基板は、複数の電子部品素子が搭載される搭載部が上面に設けられた平板部と、該平板部の前記上面に前記搭載部を囲むように積層された枠部と、前記平板部の前記上面および前記枠部の前記上面の少なくとも一方に形成された複数の実装パッドとを備えており、前記枠部の上面に、前記複数の実装パッド同士を互いに電気
的に接続するための接続導体が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の一つの態様による発光装置は、上記構成の実装基板と、該実装基板の前記搭載部に搭載された前記複数の電子部品素子である発光素子および保護素子とを備えており、前記複数の実装パッドが、前記発光素子が電気的に接続された第1実装パッドと前記保護素子が電気的に接続された第2実装パッドとを含んでおり、前記第1実装パッドと前記第2実装パッドとが前記接続導体を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一つの態様による実装基板によれば、複数の実装パッドを互いに電気的に接続する接続導体が枠部の上面に形成されていることから、搭載部およびその周辺において接続用の配線導体を形成するスペースが不要であり、小型化が容易な実装基板を提供することができる。
【0012】
また、本発明の一つの態様による発光装置によれば、上記構成を備え、発光素子が接続された第1実装パッドと、保護素子が接続された第2実装パッドとが、枠部の上面に形成された接続導体を介して電気的に接続されていることから、搭載部およびその周辺において接続用の配線導体を形成するスペースが不要であり、小型化が容易な発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の実装基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図2】図1に示す実装基板の斜視図である。
【図3】本発明の実装基板の実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図4】本発明の実装基板の実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図5】本発明の発光装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実装基板および発光装置について、添付の図面を参照して説明する。実装基板に搭載される電子部品素子は、発光素子や半導体素子,容量素子,抵抗器等である。発光素子は、LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザ)等である。なお、以下の説明において、複数の電子部品素子が、発光素子および発光素子を過電圧から保護する保護素子である場合を例に挙げて説明する。また、以下の説明において光(可視光)の反射率を単に反射率という場合がある。また、互いに同一又は類似する構成については、例えば、「電極6a」、「電極6b」のように、アルファベットの小文字を付加して表わすことがあり、また、小文字のアルファベットを省略して、単に「電極6」といい、これらを区別しないことがある。
【0015】
図1および図2に本発明の実装基板の実施の形態の一例を示す。図1(a)は本発明の実装基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図であり、図2は図1に示す実装基板の斜視図である。図1(a)においては実装基板に電子部品素子を搭載した状態を示しているが、図1(b)においては電子部品素子を省略している。また、図2においては、図1(a)に示す実装基板と電子部品素子とを分けて示している。なお、図1および図2は断面図ではないが、部位の識別のために、一部にハッチングを施している。図3以下においても、同様にハッチングを施す場合がある。
【0016】
実装基板は、例えば図1に示すように、上面に発光素子が搭載される搭載部1aを備える平板部1と、平板部1の上面に搭載部1aを囲むように積層された枠部2とを備えてい
る。平板部1と枠部2とにより、実装基板の絶縁基体3が形成されている。
【0017】
平板部1および枠部2は、例えばガラスセラミック焼結体や酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体、エポキシ樹脂等の有機樹脂材料または有機樹脂材料と無機フィラーとの複合材料等によって形成されている。
【0018】
平板部1および枠部2は、例えばガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、ホウケイ酸ガラスや酸化アルミニウム等の原料粉末を有機溶剤およびバインダ等とともにドクターブレード法等の方法でシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを積層して焼成することによって作製することができる。この場合、枠部2となるセラミックグリーンシートは適当な打ち抜き加工によって枠状に成形した後に積層する。
【0019】
実装パッド4には、搭載部1aに搭載される電子部品素子5の電極6が電気的に接続される。この実施形態の例において、電子部品素子5は発光素子5aおよび保護素子5bであり、それぞれ複数の電極6を有している。なお、各電子部品素子5の電極6は、模式的に、楕円形のパターンで、電子部品素子5の表面の比較的大きい範囲に形成された形態で示している。電極6は、実際には、例えば発光の妨げにならないように、上記と異なるパターンまたは大きさで形成されている場合が多い。
【0020】
実装パッド4と電子部品素子5の電極6との電気的な接続は、例えばボンディングワイヤ7を介して行なわれる。ボンディングワイヤ7は、例えばアルミニウムや金等の金属材料からなる金属線であり、超音波ボンディングやボールボンド等の方法で実装パッド4および電極6に接続される。なお、図2においては、ボンディングワイヤ7を省略している。
【0021】
実装パッド4は、電子部品素子5の電極6に対応して複数個が形成されている。実装パッド4は、発光素子5aの電極6が接続される第1実装パッド4aと、保護素子5bの電極6が接続される第2実装パッド4bとを含んでいる。この実施の形態の例においては、二つの発光素子5aと一つの保護素子5bとが互いに並列に接続される。
【0022】
このため、発光素子5aおよび保護素子5bのそれぞれ一対の電極6のうち一方の電極6aが、複数の実装パッド4にそれぞれ接続され、複数の実装パッド4同士が、枠部2の上面に形成された接続導体8を介して互いに電気的に接続されている。なお、発光素子5aおよび保護素子5bのそれぞれ一対の電極6のうち他方の電極6bは同じ実装パッド4に接続されている。なお、保護素子5bの他方の電極6bは、保護素子5bの下面に形成されている。
【0023】
言い換えれば、複数の実装パッド4は、発光素子5aの一方の電極6aが接続される第1実装パッド4aと、保護素子5bの一方の電極6aが接続される第2実装パッド4bとを含んでいる。また、第1実装パッド4aと第2実装パッド4bとは接続導体8を介して電気的に接続されている。
【0024】
このような実装基板によれば、複数の実装パッド4を互いに電気的に接続する接続導体8が枠部2の上面に形成されていることから、搭載部1aおよびその周辺において、従来のような接続用の配線導体(図示せず)を形成するスペースが不要であり、小型化が容易である。
【0025】
接続導体8と第1および第2の実装パッド4a,4bとの電気的な接続は、例えば両者が直接に接続されて行なわれてもよいし、ボンディングワイヤ7を介して行なわれてもよ
い。接続導体8のうちボンディングワイヤ7が接続される部分は、ボンディングワイヤ7の接続をしやすくするために、他の部分に比べて幅が広くされていてもよい。
【0026】
なお、保護素子5bの電極6は、保護素子5bの上面および下面にそれぞれ配置されている。保護素子5bの上面の電極6(一方の電極6a)が第2実装パッド4bに接続されている。なお、保護素子5bの下面の電極6(他方の電極6b)は、第1および第2の実装パッド4a,4bとは異なる他の実装パッド4と対向し、この他の実装パッド4にはんだ等を介して接続されている。
【0027】
以上のように、実装基板に複数の電子部品素子5として発光素子5aおよび保護素子5bが搭載され、発光素子5aの一方の電極6aが第1実装パッド4aに電気的に接続され、保護素子5bの一方の電極6bが第2実装パッド4bに電気的に接続され、発光素子5aおよび保護素子5bそれぞれの他方の電極6(6b)が他の実装パッド4に電気的に接続されて、発光装置が製作される。
【0028】
この発光装置において、発光素子5aと保護素子5bとが互いに並列に接続され、サージ電圧等の過電圧が生じたときには保護素子5b側に電流が流れる。これにより、発光素子5aに過大な電圧が作用することが防止される。
【0029】
上記の例においては、搭載部1aに形成された第1実装パッド4aと、枠部2の上面に形成された第2実装パッド4bとが、枠部2の上面に形成された接続導体8を介して互いに電気的に接続されている。第1実装パッド4aと接続導体8とは、ボンディングワイヤ7を介して互いに電気的に接続されている。このような場合には、小型化の上で有利な発光装置用の実装基板および発光装置を提供することができる。
【0030】
なお、実装パッド4および接続導体8は、例えば銀や銅,金,タングステン,モリブデン等の金属材料で形成されている。実装基板を用いて発光装置を形成する場合であれば、光の反射率および熱伝導性に優れた銀によって、または銀を主成分とする合金材料によって、実装パッド4および接続導体8が形成されていることが好ましい。
【0031】
実装パッド4および接続導体8は、例えば銀からなる場合であれば、銀の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して作製した金属ペーストを、平板部1となるセラミックグリーンシートおよび枠部2となるセラミックグリーンシートのそれぞれに所定パターンに印刷し、同時焼成することによって形成することができる。
【0032】
また、実装パッド4および接続導体8が銀からなる場合であれば、銀(合金)の表面は、ボンディングワイヤ7が接続されるような部位、つまり露出していることが必要な部位を除いて、ホウケイ酸系ガラス等のガラスで被覆されていることが好ましい。実装パッド4および接続導体8の一部を露出させた場合には、この露出させた部位を、金等の、銀よりも耐食性に優れた金属材料で被覆しておくことが好ましい。
【0033】
実装パッド4および接続導体8を被覆するガラス材料としては、平板部1および枠部2を形成するガラスセラミック焼結体に含まれるガラス材料よりも軟化点が低いものを用いる。これにより、焼成時に、被覆用のガラス材料が平板部1および枠部2のガラス材料よりも先に軟化して、実装パッド4および接続導体8の表面に軟化したガラス材料が被着される。
【0034】
また、接続導体8は、図1および図2に示すような同じ幅の直線状(折れ線状)のものに限らず、枠部2の上面の形状や寸法等に応じて、途中で幅が変化していたり、湾曲していたりしてもよい。また、接続導体8は、枠部2の幅いっぱいに形成されていたり、一部
が枠部2の内側面まで延長されていたりしてもよい。
【0035】
なお、図1および図2に示す例において、搭載部1aには、発光素子5aが発した光を外部に反射するための金属層10が形成されている。金属層10は、例えば実装パッド4と同様の金属材料(銀等)を用い、同様の方法で形成することができる。金属層10が銀または銀を主成分とする金属材料からなる場合には、金属層10の酸化や硫化による変色を抑制するために、金属層10がガラス層等の透光性の材料(図示せず)で被覆されていることが好ましい。
【0036】
ここで、上記実装基板における小型化の効果について具体例を挙げる。具体例の実装基板は、図1および図2に示すような形態で、電子部品素子5として二つの発光素子5aおよび一つの保護素子5bが搭載されるものであり、平板部1および枠部2ともにガラスセラミック焼結体で形成されたものとした。発光素子5aは、いずれも平面視において辺の長さが約1.0×0.65mmの長方形状であり、保護素子5bは、平面視において辺の長さが
約0.3mmの正方形状であった。第1実装パッド4aは、搭載部1aに、辺の長さが0.6×0.4mmの長方形状のパターンで形成し、第2実装パッド4bは、平面視で四角枠状の枠
部2の角部分に、辺の長さが0.35×0.3mmの長方形状のパターンで形成した。枠部2の幅
は約0.25mmであり、この枠部2の上面に、図1および図2に示す形態で、幅が0.075m
mの接続導体8を形成した。
【0037】
なお、比較例として従来技術の実装基板(図示せず)を準備した。比較例の実装基板は、第1実装パッドおよび第2実装パッドのいずれも搭載部に形成されており、これらの実装パッド同士を接続するために配線導体が搭載部の外周部に形成されていること以外は、上記具体例の実装基板と同様の構成であった。
【0038】
上記具体例の実装基板は、外形が、辺の長さが約2.6×2.44mmの長方形状であった。
これに対し、比較例の実装基板は、外形が、辺の長さが約2.92×2.77mmであった。この結果より、本発明の実装基板の具体例における小型化の効果が確認された。
【0039】
上記構成の、発光装置用の実装基板において、第1実装パッド4aが平板部1の上面に形成されている場合、つまり搭載部1aと同じ平面内に、発光素子5aと接続される実装パッド4(4a)が形成されている場合には、発光装置の輝度を高める上でより有効な実装基板を提供することができる。
【0040】
すなわち、この場合には、発光素子5aの上面に比べて低い位置に実装パッド4(第1実装パッド4a)が位置している。そのため、ボンディングワイヤ7の高さ(いわゆる立ち上がり)を低く抑えることができ、発光素子5aで発する光がボンディングワイヤ7で遮られるようなことがより効果に抑制される。なお、発光素子5aが第1実装パッド4a以外の他の実装パッド4にも接続されるときには、他の接続パッド4も平板部1の上面に形成されていることが、発光装置の輝度を高める上では、より好ましい。
【0041】
また、上記構成の発光装置用の実装基板において、例えば図3に示すように、第1の実装パッド4aが枠部2の上面に形成されている場合には、小型化の上でより有利な実装基板を提供することができる。なお、図3は、本発明の実装基板の実施の形態の他の例を示す平面図である。図3において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。
【0042】
すなわち、この場合には、搭載部1aにおいて第1実装パッド4aを形成するスペースが不要である。そのため、搭載部1aの面積をより小さく抑えることができ、小型化を図る上でより有利な実装基板とすることができる。
【0043】
また、この場合には、例えば図3に示す例のように、枠部2の上面に第1および第2実装パッド4a,4bの両方が形成され、いずれも接続導体8と直接に接続され得る。そのため、第1および第2実装パッド4a,4bの間の電気抵抗を低く抑えることもできる。
【0044】
なお、枠部2の上面に第1実装パッド4aが形成される場合には、例えば四角枠状の枠部2の上面のうち、角部分に第1実装パッド4a形成されることが好ましい。角部においては、辺部分よりも枠部2の上面の幅を広くすることが容易であるため、第1実装パッド4aを形成するスペースの確保が容易である。また、第1実装パッド4aを、ボンディングワイヤ7の接続を容易とする程度の十分な面積で形成することも、容易である。
【0045】
図4は、本発明の実装基板の実施の形態の他の例を示す平面図である。図4において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。図4に示す例においては、枠部2の上面に環状に接続導体8が形成されている。この場合には、接続導体8における電気抵抗をより小さく抑えて、第1実装パッド4aと第2実装パッド4bとの間の電気的な接続の信頼性を高めることができる。
【0046】
また、この場合には、枠部2の上面のより広い範囲で、枠部2の上面部分における熱伝導性や光の反射率を高めることができる。そのため、より発光装置における放熱性や輝度を高めることができる。
【0047】
なお、枠部2の上面に第2実装パッド4bが形成される場合にも、前述した枠部2の上面に第1実装パッド4aが形成される場合と同様に、例えば四角枠状の枠部2の上面のうち、角部分に第2実装パッド4b形成されることが好ましい。この場合にも、枠部2の上面において第2実装パッド4bを形成するスペースの確保、および第2実装パッド4bの面積の確保がより容易である。
【0048】
なお、図4に示す例の実装基板は、枠部2の上面に環状の導体(符号なし)が形成され、この環状の導体の一部が第2実装パッド4bとして用いられ、他の部分が接続導体8として用いられた例とみなすこともできる。
【0049】
また、図4に示す例においては、接続導体8のうちボンディングワイヤ7が接続される部分以外は、ガラス層11によって被覆されている。ガラス層11で被覆されていることにより、接続導体8の酸化や硫化等の化学変化をより確実かつ長期にわたって抑制することができる。
【0050】
ガラス層11は、例えば接続導体8となる金属ペーストの所定部分を被覆するようにガラスペーストを塗布しておき、セラミックグリーンシートおよび金属ペーストと同時焼成することによって形成することができる。
【0051】
図5は、本発明の発光装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図5において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。
【0052】
本発明の一つの態様による発光装置は、上記構成を備える実装基板と、この実装基板に搭載された発光素子5aおよび保護素子5bとを備えるものであり、上記のように複数の電子部品素子5が発光素子5aおよび保護素子5bであり、複数の実装パッド4が、発光素子5aが電気的に接続される第1実装パッド4aと保護素子5bが電気的に接続される第2実装パッド4bとを含んでおり、第1実装パッド4aと2実装パッド4bとが接続導体8を介して電気的に接続されている。
【0053】
このような発光装置によれば、第1実装パッド4aと第2実装パッド4bとを互いに接続する接続導体8が枠部2の上面に形成されているため、小型化に有利な発光装置を提供することができる。
【0054】
また、このような発光装置においては、枠部2の上面に形成された接続導体8によって、枠部2の上面部分における熱伝導性および光の反射率を向上させることができるため、発光装置における放熱性や輝度の向上を図る上で有利である。
【0055】
発光装置を形成する実装基板としては、例えば、前述した本発明の実装基板の実施の形態のいずれかの構成のものを用いることができる。図5に示す例においては、平板部1が四角板状であり、枠部2が四角枠状である。この平板部1の上面の搭載部1aに第1実装パッド4aが形成されている。また、枠部2の上面に第2実装パッド4bが形成され、この第2実装パッド4bに直接に接続されて接続導体8が形成されている。
【0056】
発光素子5aと第1実装パッド4aとの電気的な接続、および接続導体8と第1実装パッド4aとの電気的な接続は、それぞれボンディングワイヤ7を介して行なわれている。この例においては、搭載部1aに第1実装パッド4aが形成されているため、発光素子5aの上面で発光される光の外部への放射がボンディングワイヤ7で妨げられるようなことは抑制されている。
【0057】
なお、図5に示す例において第2実装パッド4bが四角枠状の枠部2の上面の辺部分に形成されているが、第2実装パッド4bは、枠部2の上面の角部分に形成されていてもよい。
【0058】
この発光装置においても、搭載部1aに金属層10が形成され、発光装置としての輝度を向上させるようにしている。また、金属層10がガラス層11で被覆され、金属層10の酸化や硫化による変色が抑制されている。
【0059】
また、図5に示す例において、各実装パッド4の表面には金めっき層12が被着されている。金めっき層12によって、実装パッド4の酸化腐食が抑制されているとともに、実装パッド4に対するボンディングワイヤ7のボンディング性が向上している。
【0060】
なお、枠部2の内側面には、接続導体8の一部が延びて被着されている。この枠部2の内側面に延びて被着された接続導体8により、枠部2の内側面における光の反射層(符号なし)として機能する。この反射層により、枠部2の内側面における反射率が向上して、発光措置としての輝度が高められている。
【0061】
また、図5に示す発光装置において、発光素子5aが、蛍光体(図示せず)を含む封止樹脂9によって被覆されている。蛍光体を含む封止樹脂9によって接続導体8が被覆されている場合には、発光素子5aで発光されて接続導体8で反射された光も蛍光体を介して外部に発光される。そのため、発光装置の輝度を向上させることができる。
【0062】
前述したように、上記発光装置においては、実装パッド4および接続導体8は、ボンディングワイヤ7が接続されている部位を除いて、ホウケイ酸系ガラス等のガラス層11で被覆されている。このガラス層11の上に上記封止樹脂9が付着されている。実装パッド4および接続導体8のうちボンディングワイヤ7が接続されている部分は、あらかじめ金めっき層12で被覆されているが、金めっき層12も被覆層9で被覆されている。
【0063】
なお、平板部1の内部および表面(下面等)には、第1および第2の実装パッド4a,4bを含む各実装パッド4を外部の電気回路に電気的に接続するための貫通導体等の他の
導体13が形成されている。
【0064】
他の導体13は、銅や銀,パラジウム,金,白金等の金属材料で形成されている。他の導体13は、電気抵抗を低く抑えることや、マイグレーションの抑制および経済性等を考慮すれば、銅または銅を主成分とする金属材料で形成されていることが好ましい。他の導体13は、例えば銅の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して作製した金属ペーストを、平板部1または枠部2となるセラミックグリーンシートの表面等に所定パターンで印刷し、セラミックグリーンシートと同時焼成することによって形成することができる。
【0065】
他の導体13のうち平板部1等を貫通する貫通導体部分(符号なし)は、平板部1となるセラミックグリーンシートに機械的な打ち抜き加工やレーザ加工等の方法で貫通孔を形成しておき、この貫通孔内に上記金属ペーストを充填して焼成することによって形成することができる。
【0066】
なお、図5に示す例においては、接続導体8等の一部を枠部2の内側面に延ばして光の反射層として利用しているが、枠部2の内側面に、接続導体8および第2接続パッド4b等と電気的に独立させて反射層(図示せず)を形成するようにしてもよい。反射層は、例えば接続導体8と同様に銀等の金属材料を用いて、同様の方法で形成することができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・平板部
2・・・枠部
3・・・絶縁基体
4・・・実装パッド
4a・・第1実装パッド
4b・・第2実装パッド
5・・・電子部品素子
5a・・発光素子
5b・・保護素子
6・・・電極
6a・・一方の電極
6b・・他方の電極
7・・・ボンディングワイヤ
8・・・接続導体
9・・・封止樹脂
10・・・金属層
11・・・ガラス層
12・・・金めっき層
13・・・他の導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品素子が搭載される搭載部が上面に設けられた平板部と、該平板部の前記上面に前記搭載部を囲むように積層された枠部と、前記平板部の前記上面および前記枠部の前記上面の少なくとも一方に形成された複数の実装パッドとを備えており、
前記枠部の上面に、前記複数の実装パッド同士を互いに電気的に接続するための接続導体が形成されていることを特徴とする実装基板。
【請求項2】
前記複数の電子部品素子が発光素子および保護素子であり、
前記複数の実装パッドが、前記発光素子が電気的に接続される第1実装パッドと前記保護素子が電気的に接続される第2実装パッドとを含んでおり、
前記第1実装パッドと前記第2実装パッドとが前記接続導体を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の実装基板。
【請求項3】
前記第1実装パッドが前記平板部の上面に形成されていることを特徴とする請求項2記載の実装基板。
【請求項4】
前記第1実装パッドが前記枠部の上面に形成されていることを特徴とする請求項2記載の実装基板。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかに記載の実装基板と、前記搭載部に前記複数の電子部品素子として搭載された発光素子および保護素子とを備えており、
前記発光素子が前記第1実装パッドに電気的に接続されているとともに、前記保護素子が前記第2実装パッドに電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
前記発光素子および前記接続導体が、蛍光体を含む封止樹脂によって被覆されていることを特徴とする請求項5記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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