説明

対象物の位置検出装置、光学構造、携帯端末、及び、対象物の位置検出方法

【課題】電子機器の小型化、薄型化、省コスト化に対応するとともに、レンズの位置制御が効率的に行える光学構造を提供する。
【解決手段】カメラ装置10の光学構造は、圧電素子18に第2電気信号を入力し、この第2電気信号に基づいて圧電素子18にて第2振動信号を発生させる。また、光学系制御部20は、圧電素子18に出力した第2電気信号と、第2振動信号がレンズマウント14aで反射した第3振動信号である反射波信号40aが圧電素子18で変換された第3電気信号と、に基づいて、圧電素子18に対するレンズ14の位置を検出する。この検出位置に基づき、圧電素子18からの第1振動信号によって、レンズ14がフォーカス位置に移動され、オートフォーカス制御が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の位置検出装置、光学構造、携帯端末、及び、対象物の位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの小型の電子機器において、オートフォーカス機能又はズーミング機能を実現するために、レンズの移動に圧電素子が使用されている。圧電素子は、内部に誘電分極を生じており、振動や圧力などの外力が加わると電圧を発生するものである。
【0003】
このような電子機器においては、図12(a)及び(b)に示すように、オートフォーカス機能又はズーミング機能を実現するに際し、目標位置であるフォーカス(焦点)位置(JP)まで移動させるため、一旦レンズ14をメカ端まで移動させ、圧電素子18を所定の時間、振動させている。ここで、「メカ端」とは、図12を参照して、レンズ14が鏡筒15内で後方側(イメージセンサ11側)に移動可能な限界位置をいう。また、それとは逆に、「マクロ端」とは、レンズ14がマクロ側でピントが合う方向、つまり、レンズ14が鏡筒15内で前方側(開口15a側)に移動可能な限界位置をいう。また、図12(b)における「10cm」とは、携帯電話機などに搭載される小型カメラのマクロ撮影範囲の一般的な最小値である。
【0004】
この位置制御によれば、常時レンズ14をメカ端に移動させてからレンズ14の位置制御を行っている。このため、前回の位置制御によって目標位置又はその近傍にレンズが位置していたとしても、再度メカ端からレンズ14を移動させる必要があるので、レンズの位置制御の効率が良くない。
【0005】
これに対し、レンズの移動に圧電素子を使用するとともに、レンズに固定されたMR(Magneto-Resistive)素子と、レンズの移動方向に沿って、N/S極が交互に配置された複数の永久磁石とを用いて、レンズの位置を検出する電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この技術によれば、電子機器の制御部は、レンズの位置を知ることができるので、当該位置情報に基づいてレンズの位置制御を効率化することができる。即ち、新たにメカ端にレンズを復帰させることなく、現在のレンズの位置からJPまでレンズの移動をさせれば済むようになり、レンズの位置制御の効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−43479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この技術では、圧電素子及びそのドライバの他、レンズの位置検出のため、MR素子及びそのドライバ、複数の永久磁石などの余分な部品を必要としている。このため、近年ますます小型化、薄型化、省コスト化が求められている携帯電話などの小型の通信機器に適用することが困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電子機器の小型化、薄型化、省コスト化に対応するとともに、レンズの位置制御が効率的に行える光学構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の対象物の位置検出装置は、
アクチュエータ素子と、
前記アクチュエータ素子に電気信号を入力し、該電気信号に基づいて前記アクチュエータ素子から位置検出用の振動信号を発生させる制御部と、を備え、
前記アクチュエータ素子は、対象物に前記位置検出用の振動信号を送信し、該振動信号が前記対象物から反射した振動信号である反射波信号を受信するとともに、該反射波信号を電気信号に変換し、
前記制御部は、前記アクチュエータ素子に入力した電気信号と、前記アクチュエータ素子で前記反射波信号が変換された電気信号と、に基づいて、前記アクチュエータ素子に対する前記対象物の位置を検出する、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の光学構造は、レンズを光軸方向に移動させることでフォーカス機能又はズーミング機能を実現する光学構造であって、
上記位置検出装置を備え、
前記アクチュエータ素子は、対象物としての前記レンズに前記位置検出用の振動信号を送信し、前記位置検出装置で検出された前記レンズの位置から目標とする位置に前記レンズを移動させる、
ことを特徴とする光学構造。
【0012】
本発明の光学構造は、レンズを光軸方向に移動させることでフォーカス機能又はズーミング機能を実現する光学構造であって、
前記レンズを支持するレンズマウントに摩擦係合し、前記レンズマウントを前記光軸方向に移動させるための案内部材と、
外部から入力された電気信号を振動信号に変換するとともに、外部から受信した振動信号を電気信号に変換するアクチュエータ素子と、
前記アクチュエータ素子に第1及び第2電気信号を入力し、当該アクチュエータ素子から、それぞれ、第1及び第2振動信号を送信させるとともに、前記アクチュエータ素子から外部からの振動信号に基づく電気信号を受け取る制御部と、を備え、
前記アクチュエータ素子は、前記制御部からの前記第1電気信号に基づき、前記第1振動信号を前記案内部材に送信し、前記レンズを前記レンズマウントと共に前記案内部材に沿って前記光軸方向に移動させるとともに、前記制御部からの前記第2電気信号に基づき、前記第2振動信号を前記案内部材に送信し、
前記制御部は、前記第2電気信号と、前記第2振動信号が前記レンズマウントで反射して生じた第3振動信号である反射波信号が前記アクチュエータ素子で変換された第3電気信号と、に基づいて、前記光軸方向における前記レンズの位置を検出するとともに、前記アクチュエータ素子に前記第1電気信号を入力し、前記検出したレンズの位置から目標とするレンズの位置に前記レンズを移動させる、
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の携帯端末は、レンズを所定位置に移動させることでフォーカス機能又はズーミング機能を実現するカメラ装置が搭載された携帯端末であって、
前記カメラ装置は、前記フォーカス機能又はズーミング機能を実現するべく前記光学構造を備えている、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の対象物の位置検出方法は、アクチュエータ素子に電気信号を入力し、該電気信号に基づいて前記アクチュエータ素子にて位置検出用の振動信号を発生させるステップと、
前記アクチュエータ素子が、対象物に位置検出用の振動信号を送信し、前記対象物から反射した振動信号である反射波信号を受信するステップと、
前記アクチュエータ素子が前記反射波信号を受信し、該反射波信号を電気信号に変換するステップと、
前記アクチュエータ素子に送信した電気信号と、前記アクチュエータ素子で前記反射波信号が変換された電気信号と、に基づいて、前記アクチュエータ素子に対する前記対象物の位置を検出するステップと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器の小型化、薄型化、省コスト化に対応するとともに、レンズの位置制御が効率的に行える光学構造が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、カメラ装置を内蔵した携帯電話機の外観を示す正面図であり、(b)は、同携帯電話機の外観を示す背面図である。
【図2】カメラ装置の機械的構成及び電気的構成を示すブロック図である。
【図3】オートフォーカス(AF)ドライバの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】圧電素子の構成を示す構造図である。
【図5】(a)は、レンズ移動用信号、レンズ位置検出用信号、反射波信号を示す図であり、(b)は、ガタツキ補正信号を示す図である。
【図6】カメラ装置のオートフォーカス制御動作を示すフローチャートである。
【図7】(a)は、カメラ装置のオートフォーカス制御動作を示す構造図であり、(b)は、同カメラ装置のオートフォーカス制御動作を示す模式図である。
【図8】圧電素子の別の構成を示す構造図である。
【図9】圧電素子のさらに別の構成を示す構造図である。
【図10】圧電素子のさらに別の構成を示す構造図である。
【図11】圧電素子のさらに別の構成を示す構造図である。
【図12】(a)は、参考例のカメラ装置のオートフォーカス制御動作を示す構造図であり、(b)は、同カメラ装置のオートフォーカス制御動作を示す模式図である。
【図13】カメラ装置の別のオートフォーカス制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を説明する。各種の携帯電話機、電子カメラ(デジタルカメラ)、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、小型のPC(Personal computer)などの電子機器に搭載されるカメラ装置に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素又は全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、それらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0018】
図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明の実施形態に係る携帯電話機100は、折り畳み式のものであり、第1筐体101と第2筐体102とがヒンジ部100aを介して開閉可能に連結されている。
【0019】
携帯電話機100は、カメラ機能を実現する光学構造を有するカメラ装置10と、LCD(液晶表示装置:Liquid Crystal Display)から構成される長方形状のLCD表示部100dと、を備えている。カメラ装置10は、第1筐体101の下方部に配置され、表示部100dは、第1筐体101の正面側中央部に配置されている。そして、カメラ装置10によって撮影した画像は、表示部100dに表示可能となっている。
【0020】
また、第1筐体101の背面側上方部には、超音波により被写体と携帯電話機100との距離を計測するための距離計27が配設されている。距離計27は、超音波を出力する出力部と、被写体で反射された超音波を受け取る入力部(いずれも図示せず)とを備えている従来周知の構成のものである。そして、出力部から超音波を出力したタイミングと、入力部で超音波を受け取ったタイミングとの時間差などに基づいて、被写体と携帯電話機100との距離を計測するとともに、その結果をデジタル信号として携帯電話機100内部の光学系制御部20(図2参照)に出力する。なお、ここでの距離計測には、超音波のほか、赤外線なども使用することができる。
【0021】
図1(a)及び図1(b)に示すように、携帯電話機100の第2筐体102には、シャッターボタンとして機能する撮像キー25のほか、ユーザからの文字列や数字の入力を受け付けるためのテンキーなどの操作キーを有する操作部103が配設されている。撮像キー25は、カメラ装置10のシャッター(図示せず)を動作させ、イメージセンサ11(図2参照)で画像データを生成するトリガスイッチとして使用される。この撮像キー25は、レンズのフォーカス(焦点)をコンピュータ制御で合わせるためのトリガとなるオートフォーカススイッチ、及び、距離計27を動作させるためのスイッチとしても機能する。
【0022】
また、第2筐体102の右側面には、手指による押圧操作により、携帯電話機100を、カメラ装置10が作動する撮像モード(カメラモード)に設定するための撮像モード設定ボタン26が配設されている。
【0023】
図2に示すように、カメラ装置10は、鏡筒15、鏡筒15を後方から支持するリング状の支持台15s、鏡筒15の内部を塞ぐ蓋部材16、撮像のためのレンズ14を備えている。
【0024】
鏡筒15の前方側には、被写体からの光をカメラ装置10の内部に採光するための開口15aが設けられている。鏡筒15内において、蓋部材16の前方側の面には、撮像素子としてのイメージセンサ(CCD(Charge Coupled Device))11が配設されている。本実施形態では、イメージセンサ11としてCCDを使用するが、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor))を使用することもできる。
【0025】
イメージセンサ11は、複数の受光素子がマトリクス状に配列された矩形状の受光領域(図示せず)を有する。撮像キー25の操作をトリガとして、カメラ装置10のシャッター(図示せず)が動作される。そして、開口15aから鏡筒15の内部に入った光は、光軸19に沿って進み、レンズ14で集光された後、光学像がイメージセンサ11上の受光領域で受光される。
【0026】
鏡筒15の内部には、レンズ14に加え、前後方向に延びるガイド軸17a及び支持軸17bが、それぞれ、後方側の端部を支持台15sに固定された状態で、レンズ14を挟むようにして収容されている。
【0027】
そして、レンズ14は、リング状のレンズマウント14aに保持され、レンズマウント14aの下方の周縁部にはガイド軸17aが挿通され、摩擦によって係合されている。また、レンズマウント14aの上方の周縁部には支持軸17bが挿通され、摩擦によって係合されている。この構造により、ガイド軸17aに軸方向に所定の振動信号が付与されることで、レンズ14は、レンズマウント14aに保持された状態で前後方向に移動可能となっている。
【0028】
図2に示すように、鏡筒15の内部には、さらに、アクチュエータ素子としての圧電素子18、及び、圧電素子18に電気的に接続され、圧電素子18との間で電気信号を出入力するオートフォーカスドライバ12(以下、「AFドライバ12」という。)が収容されている。圧電素子18、AFドライバ12は、それぞれ、支持台15s、蓋部材16に固定されている。圧電素子18は、内部に誘電分極を生じた素子であり、外部から振動信号が加わると該振動に応じて変化する電気信号(アナログ電圧)を発生し、逆に鋸波、三角波、サイン波などの時系列で値が変化する電気信号が入力されると該電圧に応じて変化する振動信号を発生する。この発生する振動信号は、電気信号の振幅(最大電圧値)、印加時間(時間周期)に応じて変化する。また、発生する電気信号は、振動信号の振幅、振動の時間周期に応じて変化する。即ち、振動信号の振幅が大きければ、それに応じて電気信号の振幅も大きくなり、振動信号の時間周期が長ければ、それに応じて電気信号の印加時間も長くなる。また、電気信号の振幅が大きければ、それに応じて振動信号の振幅も大きくなり、電気信号の印加時間が長ければ、それに応じて振動信号の時間周期も長くなる。
【0029】
圧電素子18は、振動伝達用ばねとして機能するガイド軸17aの後方(イメージセンサ11)側の端部に連結されている。そして、圧電素子18がAFドライバ12からの第1電気信号であるレンズ移動用信号30により振動すると、ガイド軸17aに第1振動信号が伝達され、この振動によってレンズ14がガイド軸17a及び支持軸17bに沿って前後方向に移動する。
【0030】
図2に示すように、携帯電話機100は、さらに、カメラ装置10の蓋部材16が配置されたフレキシブル基板13のほか、電子部品として、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)である光学系制御部20、RAM(Random Access Memory)21、ROM(Read Only Memory)22、CCD信号処理回路23、フラッシュメモリ24、A/Dコンバータ29をそれぞれ備えている。これらの電子部品は、フレキシブル基板13に配設されている。なお、CPUに代えて、DSP(Digital Signal Processor)を用いることでも同様の動作が実現可能である。
【0031】
RAM21及びROM22、CCD信号処理回路23は、それぞれ、光学系制御部20に電気的に接続されている。また、イメージセンサ11は、A/Dコンバータ29を介してCCD信号処理回路23に電気的に接続され、CCD信号処理回路23は、フラッシュメモリ24及びLCD表示部100d(図1参照)に電気的に接続されている。光学系制御部20は、RAM21及びROM22、CCD信号処理回路23との間で、カメラ装置10による撮像処理のため、指令やデータをやりとりする。CCD信号処理回路23は、イメージセンサ11からの画像データを図示しない前処理回路及びA/Dコンバータ29によりデジタル信号として受け取り、各種の画像処理を行う。そして、CCD信号処理回路23は、画像処理後の画像データをLCD表示部100dの複数の画素により画像として表示する。また、CCD信号処理回路23は、デジタル信号である各種の画像データをフラッシュメモリ24に記憶する。
【0032】
ROM22には、制御系全体の動作に必要なオペレーティングシステム(OS)のプログラム、その他の動作用のアプリケーションプログラムや各種のデータが記録され、光学系制御部20がこれらのプログラム等をROM22からRAM21に読み出して実行する。RAM21は、データやプログラムを一時的に記憶し、作業領域として使用されるもので、ROM22から読み出したプログラムやデータ、その他情報処理の進行に必要な情報が保持される。
【0033】
図2に示すように、光学系制御部20には、撮像キー25、撮像モード設定ボタン26、操作部103(図1参照)が電気的に接続されている。そして、これらのスイッチなどから、記号、文章の入力情報、オンオフの外部信号を受け取り、光学系制御部20内でのプログラム処理に使用する。光学系制御部20には、距離計27が図示しないインターフェイス回路を介して電気的に接続されている。そして、距離計27で計測された距離データが、光学系制御部20内でテーブル(変換表)を使用したプログラム処理により、レンズ14のフォーカス(焦点)位置に変換される。また、撮像キー25を操作することで、光学系制御部20は、カメラ装置10のシャッター(図示せず)を動作させ、イメージセンサ11で画像データを生成させる。また、撮像モード設定ボタン26を操作することで、携帯電話機100は、光学系制御部20によってカメラ装置10が作動する撮像モードに設定される。
【0034】
本実施形態では、圧電素子18を駆動源として用い、レンズ14をレンズマウント14aと共にガイド軸17a及び支持軸17bに沿って移動させることでイメージセンサ11上に結像される光学像のピント合わせが行われる。即ち、圧電素子18は、光学系制御部20によりAFドライバ12を介して制御される。つまり、圧電素子18は、光学系制御部20で演算された距離計27に基づくフォーカス位置を目標値として、第1振動信号をガイド軸17aの後方側の端部に送信し、レンズ14を光軸19方向に移動させる。これにより、レンズ14のフォーカスをイメージセンサ11(撮像面)上に結像させるオートフォーカス処理が実行される。
【0035】
図3に示すように、AFドライバ12は、第1信号増幅回路1001、出力回路1003、及び出力用端子12b1からなる信号出力電気回路系と、第2信号増幅回路1002、入力回路1004、及び入力用端子12b2からなる信号入力電気回路系とを備えている。
【0036】
AFドライバ12は、さらに、圧電素子接続用端子12aと、圧電素子18側で両電気回路系を切り替える切り替えスイッチ12sと、制御信号入力用端子12cとを備えている。
【0037】
圧電素子接続用端子12aと、第1信号増幅回路1001及び第2信号増幅回路1002は、切り替えスイッチ12sを介して接続されている。また、第1信号増幅回路1001、出力回路1003、及び出力用端子12b1は直列に接続されている。さらに、第2信号増幅回路1002、入力回路1004、及び入力用端子12b2は直列に接続されている。そして、切り替えスイッチ12sは、圧電素子接続用端子12aを介して圧電素子18に接続されている。
【0038】
圧電素子18からのアナログ電圧である電気信号は第1信号増幅回路1001で所定の電圧値まで増幅され、出力回路1003でデジタル信号に変換され、更にフィルタ処理、信号処理が行われた後、出力用端子12b1を介して光学系制御部20に出力される。他方、光学系制御部20からのデジタル信号は、入力回路1004でアナログ電圧である電気信号に変換された後、第2信号増幅回路1002で所定の電圧値まで増幅され、圧電素子18に出力される。また、出力回路1003、及び入力回路1004は、出力用端子12b1、及び入力用端子12b2を介して、光学系制御部20と電気的に接続されている。
【0039】
制御信号入力用端子12cは光学系制御部20と電気的に接続されている。制御信号入力用端子12cで受け取ったデジタル信号である制御信号により、切り替えスイッチ12sは、圧電素子18と、AFドライバ12の信号出力電気回路系及び信号入力系電気回路系との接続を切り替えるようになっている。即ち、光学系制御部20から制御信号が入力されると、圧電素子18と、信号出力電気回路系とが接続され、圧電素子18からのアナログ電圧である電気信号がデジタル信号に変換され、光学系制御部20に出力される状態となる。一方、光学系制御部20からの制御信号の入力が停止されると、圧電素子18と、信号入力電気回路系とが接続され、光学系制御部20からのデジタル信号が、所定のアナログ電圧である電気信号に変換され、圧電素子18に出力される状態となる。
【0040】
図4に示すように、本実施形態に係る圧電素子18は、支持台15sに固定されている。
圧電素子18は、駆動信号用プラス端子18aと、駆動信号用マイナス端子18bと、駆動信号用プラス電極18cと、駆動信号用マイナス電極18dと、を備えている。駆動信号用プラス端子18aは、駆動信号用プラス電極18cと電気的に接続され、駆動信号用マイナス端子18bは、駆動信号用マイナス電極18dと電気的に接続されている。駆動信号用プラス電極18cと、駆動信号用マイナス電極18dとの間には、圧電活性層18eが介在配置されている。また、図4では、圧電素子18は、駆動信号用マイナス電極18d側の端面で支持台15sに固定されているが、駆動信号用プラス電極18c側の端面で支持台15sに固定されていてもよい。
【0041】
圧電活性層18eには、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミックス、圧電単結晶、高分子樹脂・セラミックス複合材料からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく使用できる。また、圧電活性層18eには、これらの複数種の材料を混在させてもよい。中でも、入力電力を振動信号エネルギーに変換するエネルギー変換効率が高いことから、PZT系セラミックスを使用することが好ましい。
【0042】
この状態で、駆動信号用プラス端子18a及び駆動信号用マイナス端子18bにAFドライバ12から所定の電気信号であるレンズ移動用信号30(第1電気信号)及びレンズ位置検出用信号40(第2電気信号)が印加されると、駆動信号用プラス電極18c及び駆動信号用マイナス電極18dによって圧電活性層18eに交番的に変化する電界が発生する。ここでの圧電活性層18eは図2の前後方向に、印加される電圧の方向に応じて結晶双極子の分極方向が設定されている。このため、圧電活性層18eは、所謂ピエゾ効果によって、前後方向に伸縮運動を行い、レンズ移動用信号30(第1電気信号)及びレンズ位置検出用信号40(第2電気信号)にそれぞれ対応して、振動信号である第1及び第2振動信号を発生する。
【0043】
この場合、図4に示すように、圧電活性層18eの振動信号の伝達方向(振動方向)は、駆動信号用プラス電極18c及び駆動信号用マイナス電極18dと略直交するようになる。即ち、圧電活性層18eの振動信号の振動方向が、圧電素子18内で電極により形成される電界の方向と略平行となる。そして、圧電素子18の前方に位置するガイド軸17aの端部に当該振動信号が伝達される。ここでの振動信号には、第1及び第2振動信号が含まれ、第1及び第2振動信号に対応する第1及び第2電気信号は、前述したとおり、それぞれ、図5(a)に示すレンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40である。
【0044】
図5(a)を参照して、レンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40について説明する。レンズを移動させる場合、先に第2電気信号であるレンズ位置検出用信号40がAFドライバ12から出力され、続いて第1電気信号であるレンズ移動用信号30がAFドライバ12から出力される。このように、レンズ移動用信号30と、レンズ位置検出用信号40とは、時間的に重複しないタイミングで所定振幅、所定周期でAFドライバ12から出力される。これにより両電気信号の時間的干渉が防止されるとともに、両電気信号にそれぞれ対応し、圧電素子18から送信される第1及び第2振動信号が時間的に完全に分離されるようになる。またここでは、図5(a)に示すように、圧電素子18において、レンズ位置検出用信号40がレンズマウント14aで反射されて生じた第3振動信号である反射波信号40aも、反射及び帰還に要する時間差を考慮し、レンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40に対し、時間的に重複しないタイミングで送受信されるようになる。
【0045】
図5(a)中、時間軸より上側に位置する実線で示すレンズ移動用信号30は、レンズ位置L、即ち、現在のレンズ14の焦点位置がJPよりもメカ端側に位置している場合にAFドライバ12から出力されるものである。一方、同図中、時間軸より下側に位置する破線で示すレンズ移動用信号31は、レンズ位置LがJPよりもマクロ端側に位置している場合にAFドライバ12から出力されるものである。ここで、「メカ端」とは、図7(b)を参照して、レンズ14が鏡筒15内で後方側(イメージセンサ11側)に移動可能な限界位置をいう。また、それとは逆に、「マクロ端」とは、レンズ14がマクロ側でピントが合う方向、つまり、レンズ14が鏡筒15内で前方側(開口15a側)に移動可能な限界位置をいう。また、図7(b)における「10cm」とは、携帯電話機などに搭載される小型カメラのマクロ撮影範囲の一般的な最小値である。
【0046】
また、図5(a)に示すように、レンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40は、いずれも前後で非対称な鋸波状となっている。このとき、マイナス電極18dをグランド(接地)側とする。これにより、各電気信号が、緩やかに電圧が上昇する立ち上がり部と、急激に電圧が降下する立ち下がり部とで構成され、図2を参照して、ガイド軸17aが前方への緩やかな移動と、後方への急激な移動とを繰り返す。なお、各電気信号は、急激に電圧が上昇する立ち上がり部と、緩やかに電圧が降下する立ち下がり部とで構成されていても構わない。
【0047】
そして、ガイド軸17aが前方へ緩やかに移動したときには、ガイド軸17aとレンズマウント14aとの摩擦力により、レンズマウント14aも前方へ移動する。これに対し、ガイド軸17aが後方へ急激に移動したときには、レンズマウント14aは慣性によってその場に留まろうとする(ガイド軸17aのみが後方へ移動する)。このような動作を繰り返すことで、レンズマウント14a及びレンズ14を前方へと変位(移動)させることができる。
【0048】
なお、反射波信号40aは、第2振動信号がレンズマウント14aで反射されて生じた第3振動信号であるため、図5(a)に示すように、レンズ移動用信号30の急峻な変化が抑制され、角がとれ、なまった波形となっている。
【0049】
図4に戻り、圧電素子18は、外部から反射波信号40aを受け取ると、その振動によって圧電活性層18eに交番的に変化する電界が発生する。そして、駆動信号用プラス電極18c及び駆動信号用マイナス電極18dに所定の電気信号が誘起される。そして、AFドライバ12に向けて、圧電素子18の駆動信号用プラス端子18a及び駆動信号用マイナス端子18bから当該電気信号が出力される。
【0050】
以下、本実施形態のカメラ装置10の動作(オートフォーカス制御動作)について図6のフローチャートを参照しながら説明する。なお、このオートフォーカス制御動作は、ROM22に格納されたレンズ位置制御プログラムによって実行される。
【0051】
図6に示すように、まず、携帯電話機100が電源オンされた後、携帯電話機100の光学系制御部20は、携帯電話機100が撮像モードに設定されたか否かを判別する。つまり、光学系制御部20は、撮像モード設定ボタン26が操作されたか否かを判別する(ステップS101)。
【0052】
光学系制御部20は、撮像モード設定ボタン26が操作されていないと判別すると(ステップS101:No)、撮像モード設定ボタン26の操作有無の判別状態(待機状態)を継続する(ステップS101)。
【0053】
一方、撮像モード設定ボタン26が操作され、光学系制御部20は、携帯電話機100が撮像モードに設定されたと判別した場合(ステップS101:Yes)には、オートフォーカススイッチとしての撮像キー25が操作されたか否かを検出する。
【0054】
光学系制御部20は、撮像キー25が操作されていないと判別すると(ステップS102:No)、撮像キー25の操作有無の判別状態(待機状態)を継続する(ステップS102)。
他方、光学系制御部20は、撮像キー25が操作されたと判別する(ステップS102:Yes)と、オートフォーカス制御動作を起動する(ステップS103)。
【0055】
即ち、光学系制御部20は、まず、距離計27からの距離データに基づき、所定のテーブルを使用してピントの合った位置であるフォーカス位置(以下、「JP」という。)を決定する。このJPは、オートフォーカス制御において、レンズ位置の目標位置となる。
【0056】
続くステップS104では、光学系制御部20は、AFドライバ12を介して、圧電素子18を制御する。即ち、圧電素子18には、光学系制御部20からのデジタル信号に基づき、AFドライバ12から所定の電気信号(アナログ電圧)が供給される。ここでは、振幅及び印加時間の異なる2種の第1及び第2電気信号の内、第2電気信号であるレンズ位置検出用信号40がAFドライバ12から圧電素子18に出力される。圧電素子18は、このレンズ位置検出用信号40に基づき、第2振動信号をガイド軸17aの後方側の端部に送信する(図2及び図4参照)。第2振動信号は、ガイド軸17aに沿って伝達し、レンズマウント14aに到達する。そして、レンズマウント14aで反射され、第3振動信号である反射波信号40aとなってガイド軸17aに沿って伝達し、圧電素子18に帰還する(ステップS104)。
【0057】
そして、光学系制御部20は、圧電素子18が、反射波信号40a(図5(a)参照)を受け取ったか否かを判別する。即ち、圧電素子18から当該反射波信号40aに対応した第3電気信号が出力されたか否かを判別する。この第3電気信号が反射波信号40aに由来するものかどうかの判別は、第3電気信号の出入力タイミングや周波数に基づいて行われる。即ち、第3電気信号の出入力タイミングに基づく場合においては、圧電素子18に第3電気信号を出力するタイミングでは、光学系制御部20は、AFドライバ12の切り替えスイッチ12sを信号出力電気回路系側(図3参照)に切り替え、圧電素子18から第3電気信号の受け取りを行わないように制御する。一方、圧電素子18から第3電気信号を受け取るタイミングでは、光学系制御部20は、AFドライバ12の切り替えスイッチ12sを信号入力電気回路系側に切り替え、圧電素子18への第3電気信号の出力を行わないように制御する。他方、周波数に基づく場合では、AFドライバ12の出力回路1003(図3参照)に内蔵されたフィルタ回路(図示せず)を使用し、圧電素子18から特定の周波数信号のみを選択的に受け取るようにする。さらに、レンズマウント14aからの反射波信号40aと同じ周波数のノイズを除去するために、光学系制御部20は、信号振幅(電圧値)最大値(ピーク値)に対する閾値を設け、該閾値より高いピーク値を有する信号の場合は反射波信号40aであると判断してレンズ位置の検出に使用する一方、閾値より低いピーク値を有する信号の場合はノイズと判断することで除去する。ここで、閾値は、ガイド軸17a、レンズマウント14aなどの配置、形状によって決定され、鋸波状のレンズ位置検出用信号40のピーク値に対して、20〜80%の大きさに設定することが好ましい(ステップS105)。
【0058】
光学系制御部20は、圧電素子18が反射波信号40aを受け取っていないと判別した場合(ステップS105:No)には、ステップS104で、レンズ位置検出用信号40の出力を所定回数継続する。なお、所定回数内で検知できない場合には、一旦オートフォーカス制御処理を終了する(ステップS108)。
【0059】
一方、光学系制御部20は、反射波信号40aを受け取ったと判別した場合(ステップS105:YES)には、図5(a)に示すように、圧電素子18が送受信した両信号(レンズ位置検出用信号40とその反射波信号40a)の時間差Δt(sec)の半分に、当該信号の伝達速度v(mm/sec)を乗算する。そして、光学系制御部20は、圧電素子18からレンズ14までのレンズ位置L(L=Δt×v(mm)/2)を演算し、取得する(レンズ位置検出操作)(ステップS106)。
【0060】
続くステップS107において、光学系制御部20は、JPと、レンズ位置Lとを比較し、図7(b)の(i)に示すように、レンズ位置L、即ち、現在のレンズ14の焦点位置がJPよりもメカ端側に位置していると判別した場合には、図7(a)を参照して、圧電素子18に、第1電気信号であるレンズ移動用信号30(図5(a)参照)をAFドライバ12から供給する。そして、光学系制御部20は、圧電素子18から、ガイド軸17aに対し、レンズ位置LとJPとの離間距離相当分の第1振動信号を所定振幅、所定周期で、少なくとも1周期以上送信させる。一方、光学系制御部20は、図7(b)の(ii)に示すように、レンズ位置LがJPよりもマクロ端側に位置していると判別した場合には、図7(a)を参照して、圧電素子18に、第1電気信号であるレンズ移動用信号31(図5(a)参照)をAFドライバ12から供給する。そして、光学系制御部20は、圧電素子18から、ガイド軸17aに対し、レンズ位置LとJPとの離間距離相当分の第1振動信号を所定振幅、所定周期で、少なくとも1周期以上送信させる。これにより、図7(a)を参照して、レンズ14が、前方側又は後方側に移動してJPで停止するようになり、オートフォーカス(自動焦点設定)が実現される。即ち、カメラ装置10のコンピュータ制御によるピント合わせが完了する(ステップS107)。
【0061】
その後、光学系制御部20は、ここでのオートフォーカス制御処理を一旦終了する(ステップS108)。
【0062】
本実施形態によれば、以下のとおりの作用効果が得られる。
即ち、圧電素子18を、レンズ14の移動操作だけでなく、レンズ14の位置検出操作にも用いることで、レンズ14の位置検出のため、MR素子及びそのドライバ、複数の永久磁石などの余分な部品を使用することなく、低コストでオートフォーカス制御(レンズの位置制御)が行えるようになる。
そしてこの結果、本実施形態の携帯電話機100は、小型化、薄型化、省コスト化に対応するとともに、レンズの位置制御が効率的に行えるようになる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明の技術的思想をカメラ装置のオートフォーカス処理に適用した。しかしこれに限られず、本発明の技術的思想は、レンズの位置制御によって一定の効果が実現できるものであれば、例えばズーミング処理にも適用できることは勿論である。
【0064】
また、上記実施形態では、圧電素子18の駆動信号用プラス端子18a及び駆動信号用マイナス端子18bを用いて、第1及び第2電気信号であるレンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40の入力、並びに、第3振動信号である反射波信号40aに対応する第3電気信号の出力を行った。しかしこれに限られず、第1及び第2電気信号の入力、並びに、第3振動信号に対応する第3電気信号の出力にそれぞれ専用の電極端子を設けることも可能である。
【0065】
この場合について、図8を参照して、本実施形態の変形例に係る、第1及び第2電気信号の入力、並びに、第3振動信号に対応する第3電気信号の出力にそれぞれ専用の電極端子を設けた圧電素子118を説明する。ここで、圧電素子118は、駆動信号用マイナス電極18d側の端面で支持台15sに固定されているが、駆動信号用プラス電極18c側の端面で支持台15sに固定されていてもよい。
図8に示すように、圧電素子118は、駆動信号用電極端子群として、駆動信号用プラス端子18aと、駆動信号用マイナス端子18bと、駆動信号用プラス電極18cと、駆動信号用マイナス電極18dと、を備えている。ここで、駆動信号用プラス端子18aは、駆動信号用プラス電極18cと電気的に接続され、駆動信号用マイナス端子18bは、駆動信号用マイナス電極18dと電気的に接続されている。圧電素子118において、レンズ移動用信号30(第1電気信号)及びレンズ位置検出用信号40(第2電気信号)の入力には、この駆動信号用電極端子群を用いる。
さらに、圧電素子118は、反射波信号用電極端子群として、反射波信号用プラス端子18fと、反射波信号用マイナス端子18gと、反射波信号用プラス電極18hと、反射波信号用マイナス電極18kと、を備えている。反射波信号用プラス端子18fは、反射波信号用プラス電極18hと電気的に接続され、反射波信号用マイナス端子18gは、反射波信号用マイナス電極18kと電気的に接続されている。
ここで、駆動信号用プラス電極18cと、駆動信号用マイナス電極18dとの間、及び、反射波信号用プラス電極18hと、反射波信号用マイナス電極18kとの間には、いずれも、圧電活性層18e(の一部)が介在配置されている。圧電素子118において、反射波信号40a(第3振動信号)により生じた第3電気信号の出力には、この反射波信号用電極端子群を用いる。
圧電素子118の駆動信号用電極端子群では、圧電活性層18eの一部が、駆動信号用プラス電極18c及び駆動信号用マイナス電極18dによって挟まれた構造を有している。ここでの圧電活性層18eは前後方向に、印加される電圧の方向に応じて結晶双極子の分極方向が設定されている。このため、両電極18c、電極18dにレンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40が印加されることにより、駆動信号用プラス電極18c及び駆動信号用マイナス電極18dによって挟まれた圧電活性層18eが前後方向に伸縮運動を行う。また、この伸縮運動は、支持台15sに向かう場合、当該支持台15sによって前方側に押し返される。これにより、圧電素子118から前方側のガイド軸17aに第1及び第2振動信号が送信(伝達)される。
一方、圧電素子118の反射波信号用電極端子群では、圧電活性層18eの一部が、反射波信号用プラス電極18h及び反射波信号用マイナス電極18kによって挟まれた構造を有している。圧電素子118は、外部から第3振動信号である反射波信号40aを受け取ると、その振動によって、反射波信号用プラス電極18h及び反射波信号用マイナス電極18kによって挟まれた圧電活性層18eに交番的な電界が発生する。そして、反射波信号用プラス電極18h及び反射波信号用マイナス電極18kに所定のアナログ電圧が誘起される。そして、AFドライバ12に向けて、反射波信号用プラス端子18f及び反射波信号用マイナス端子18gから当該アナログ電圧である第3電気信号が出力される。
圧電素子118においては、電極間の距離を調整すること等で、駆動信号用電極端子群、反射波信号用電極端子群のために最適な共振周波数が設定されている。これによれば、第2電気信号であるレンズ位置検出用信号40、第3振動信号である反射波信号40aに対応する第3電気信号を、圧電素子118から時間的に重複するタイミングで出入力することが可能となり、オートフォーカス制御に要する時間の短縮に寄与させることができる。
なお、図8に示す圧電素子118では、反射波信号用電極端子群を支持台15s側に配置し、駆動信号用電極端子群をガイド軸17a側に配置したが、その逆の配置、即ち、駆動信号用電極端子群を支持台15s側に配置し、反射波信号用電極端子群をガイド軸17a側に配置することも可能である。
【0066】
さらに、本発明の技術思想においては、駆動信号用プラス・マイナス電極、及び、反射波信号用プラス・マイナス電極をそれぞれ積層構造とすることもできる。
この場合、図9を参照して、本実施形態の変形例に係る、駆動信号用プラス・マイナス電極218c、218dを積層構造とした圧電素子218について説明する。ここで、圧電素子218は、駆動信号用プラス電極218c及び駆動信号用マイナス電極218d側の端面で支持台15sに固定されているが、反射波信号用プラス電極18h及び反射波信号用マイナス電極18k側の端面で支持台15sに固定されていてもよい。
図9に示すように、圧電素子218は、駆動信号用電極端子群として、駆動信号用プラス端子18aと、駆動信号用マイナス端子18bと、駆動信号用プラス電極218cと、駆動信号用マイナス電極218dと、を備えている。ここで、駆動信号用プラス端子18aは、駆動信号用プラス電極218cと電気的に接続され、駆動信号用マイナス端子18bは、駆動信号用マイナス電極218dと電気的に接続されている。圧電素子218において、レンズ移動用信号30(第1電気信号)及びレンズ位置検出用信号40(第2電気信号)の入力には、この駆動信号用電極端子群を用いる。
図9に示す圧電素子218の反射波信号用電極端子群は、図8に示す圧電素子118の反射波信号用電極端子群と同様な構成であるので、ここでの説明を省略する。
図9に示すように、圧電素子218では、駆動信号用プラス電極218cと、駆動信号用マイナス電極218dとは、いずれも、複数(図9では3つ)の板状の単位電極を有し、各単位電極が積層構造となっている。さらに、駆動信号用プラス電極218cの各単位電極(正極)と駆動信号用マイナス電極218dの各単位電極(負極)とが交互に積層した構造となっている。
図9に示すように、圧電素子218の駆動信号用電極端子群では、圧電活性層18eの一部が、駆動信号用プラス電極218c及び駆動信号用マイナス電極218dの各単位電極によって挟まれた構造を有している。つまり、互いに隣接する、駆動信号用プラス電極218cの単位電極と、駆動信号用マイナス電極218dの単位電極との間には、いずれも、圧電活性層18e(の一部)が介在配置されている。
ここで、圧電活性層18eは、前後方向に、印加される電圧の方向に応じて結晶双極子の分極方向が設定されている。詳しくは、図9に示すように、駆動信号用プラス電極218cの単位電極及び駆動信号用マイナス電極218dの各単位電極によって挟まれた圧電活性層18eの一部は、互いに隣接するもの同士で+−の方向が異なる分極状態となっている。
このため、両電極218c、電極218dにレンズ移動用信号30及びレンズ位置検出用信号40が印加されることにより、互いに隣接する、駆動信号用プラス電極218cの単位電極及び駆動信号用マイナス電極218dの各単位電極によって挟まれた圧電活性層18eの一部が前後方向に伸縮運動を行う。また、この伸縮運動は、支持台15sに向かう場合、当該支持台15sによって前方側に押し返される。したがって、駆動信号用プラス電極218cの単位電極及び駆動信号用マイナス電極218dの各単位電極によって挟まれた圧電活性層18eの一部が、図9に示すように、互いに隣接するもの同士で+−の方向が異なる分極状態となっていても、圧電素子218から、常に前方側、即ち、ガイド軸17a側に第1及び第2振動信号が送信(伝達)されるようになる。
このような圧電素子218では、駆動信号用電極端子群の各単位電極間あたりの圧電活性層18eの厚みが薄くなり、駆動信号用電極端子群が非積層構造の圧電素子18、118と比較して、より低い印加電圧の第1及び第2電気信号で駆動信号用電極端子群に高い電界を発生することができる。つまり、低い圧電素子の駆動電圧で大きな機械ひずみ量を得ることができる。この結果、レンズ14の移動や位置検知のための駆動電圧が低下するので、バッテリー電源の交換頻度や充電頻度を減少させることができる。
【0067】
図10を参照して、本実施形態の変形例に係る、駆動信号用プラス・マイナス電極218c、218dに加えて、反射波信号用プラス・マイナス電極318h、318kを積層構造とした圧電素子318について説明する。ここで、圧電素子318は、駆動信号用プラス電極218c及び駆動信号用マイナス電極218d側の端面で支持台15sに固定されているが、反射波信号用プラス電極318h及び反射波信号用マイナス電極318k側の端面で支持台15sに固定されていてもよい。
図10に示す圧電素子318の駆動信号用電極端子群は、図9に示す圧電素子218の駆動信号用電極端子群と同様な構成であるので、ここでの説明を省略する。
図10に示すように、圧電素子318は、反射波信号用電極端子群として、反射波信号用プラス端子18fと、反射波信号用マイナス端子18gと、反射波信号用プラス電極318hと、反射波信号用マイナス電極318kと、を備えている。反射波信号用プラス端子18fは、反射波信号用プラス電極318hと電気的に接続され、反射波信号用マイナス端子18gは、反射波信号用マイナス電極318kと電気的に接続されている。圧電素子318において、反射波信号40a(第3振動信号)により生じた第3電気信号の出力には、この反射波信号用電極端子群を用いる。
ここで、反射波信号用プラス電極318hと、反射波信号用マイナス電極318kとは、いずれも、複数(図10では3つ)の板状の単位電極を有し、各単位電極が積層構造となっている。さらに、反射波信号用プラス電極318hの各単位電極(正極)と反射波信号用マイナス電極318kの各単位電極(負極)とが交互に積層した構造となっている。
図10に示すように、圧電素子318の反射波信号用電極端子群では、圧電活性層18eの一部が、反射波信号用プラス電極318h及び反射波信号用マイナス電極318kの各単位電極によって挟まれた構造を有している。つまり、互いに隣接する、反射波信号用プラス電極318hの単位電極と、反射波信号用マイナス電極318kの単位電極との間には、圧電活性層18e(の一部)が介在配置されている。
ここで、圧電活性層18eは、前後方向に、印加される電圧の方向に応じて結晶双極子の分極方向が設定されている。詳しくは、図10に示すように、反射波信号用プラス電極318hの単位電極及び反射波信号用マイナス電極318kの単位電極によって挟まれた圧電活性層18eの一部は、互いに隣接するもの同士で+−の方向が異なる分極状態となっている。
このような圧電素子318では、反射波信号用電極端子群の単位電極間あたりの圧電活性層18eの厚みが薄くなり、反射波信号用電極端子群が非積層構造の圧電素子18、118、218と比較して、より低い信号振幅の第3振動信号で反射波信号用電極端子群により高い電界を発生することができる。つまり、低い圧電素子への振動信号で大きな機械ひずみ量を得ることができる。この結果、発生した電界によって、反射波信号用電極端子群に誘起されるアナログ電圧の変化も大きくなるため、反射波信号40aの検知感度を向上させることができる。
【0068】
また、上記実施形態では、圧電素子18の圧電活性層18eは、前後方向に分極し、振動信号の伝達方向(振動方向)が、駆動信号用プラス電極18c及び駆動信号用マイナス電極18dと直交するようにした。しかしこれに限られず、例えば、図11に示すように、本実施形態の変形例に係る圧電素子418において、駆動信号用プラス電極48c及び駆動信号用マイナス電極48dは、圧電活性層48eの結晶双極子の分極方向に略平行となるように配設することも可能である。これによれば、レンズ移動用信号30の振動方向が、該振動を生じさせるために当該圧電素子18内の電極間で形成される電界の方向と略直交する。そして、該電界によって生じた圧電活性層48eの伸縮運動は、支持台15sによって前方側に押し返される。つまり、振動の発生効率が低下するものの、各電極48c、48dと振動信号の伝達方向(振動方向)とが垂直になるので、各電極48c、48dと圧電活性層48eとの間で剥離を生じ難くすることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、距離計27で計測した被写体とカメラ装置10(携帯電話機100)との間の離間距離を用いてレンズ14のフォーカス位置(JP)を決定するとともに、圧電素子18を用いてレンズ14の現在位置(レンズ位置L)を決定し、JPにレンズを移動するオートフォーカス制御を行った。この制御では、圧電素子18からレンズ移動用信号30を送信した後は、レンズ14の現在位置を検知していないので、万一、レンズ移動用信号30を送信した後にレンズ14の位置が変動した場合には、正確なオートフォーカス制御が行われないことになる。しかしこれに限られず、例えば、圧電素子18からレンズ移動用信号30を送信した後も、さらに圧電素子18を用いてレンズ14の現在位置を検知し、両者の離間距離に基づいてレンズ14の位置制御を行うことも可能である。これによれば、レンズ14の位置が一旦、光学系制御部20にフィードバックされるので、より高精度なオートフォーカス制御が可能となる。
【0070】
また、上記実施形態では、圧電素子18からレンズ移動用信号30、レンズ位置検出用信号40を送信し、それぞれ、レンズ14の移動、レンズ14の位置検出に使用した。しかしこれに限られず、図5(b)に示すように、それらの信号に加え、さらに、圧電素子18からレンズ14のガタツキを補正するためのガタツキ補正用信号50を送信することもできる。このガタツキ補正用信号50は、誤ってレンズ14が移動しないように、その振幅を、レンズ移動用信号30よりも小さくすることが望ましい。また、圧電素子18からガタツキ補正用信号50を送信するタイミングは、レンズ移動用信号30、レンズ位置検出用信号40の送信タイミングと重複しないようにする限り、任意に設定可能である。例えば、AFドライバ12からのデジタル信号に基づくレンズ14のガタツキ検出操作→ガタツキ補正用信号50のガイド軸17aへの送信によるレンズ14のガタツキ補正操作→通常のレンズ移動操作→レンズ位置検出処理(JPに一致)→ガタツキ検出操作→ガタツキ補正操作、のシーケンスを設定することができる。この場合、ガタツキ補正操作を行った直後に、その補正操作の結果の確認のためのガタツキ検出操作を行うことができる。
【0071】
上記実施形態では、ユーザによる携帯電話機100の取り扱いによる振動等によって、レンズ14が任意の位置に移動している場合でも、柔軟に対応できる動作フロー(図6参照)を採用した。しかしこれに限られず、図13に示すように、図6に示すフローチャートにおいて、さらに次のステップS104a及びステップS108aを追加することも可能である。これによれば、ユーザによる携帯電話機100の取り扱いによっては、レンズ14が移動しない場合に有効な動作フローが実現できる。
【0072】
図13に示すフローチャートでは、ステップS103の次のステップS103aにおいて、光学系制御部20は、RAM21に前回のレンズ位置情報が記憶されているか否かを判別する。つまり、前回のオートフォーカス制御の結果としてのレンズ位置情報がRAM21に存在するか否かを判別する(ステップS103a)。
【0073】
そして、光学系制御部20は、RAM21に前回のレンズ位置情報が記憶されていないと判別した場合(ステップS103a:NO)には、ステップS104〜ステップS106の処理を行う。一方、RAM21に前回のレンズ位置情報が記憶されていると判別した場合(ステップS103a:YES)には、ステップS104〜ステップS106の処理をスキップし、ステップS107、S107aの処理を行う。
【0074】
ステップS107aでは、光学系制御部20は、次回のオートフォーカス制御に備え、RAM21に現在のレンズ位置を記憶する(ステップS107a)とともに、ここでのオートフォーカス制御処理を一旦終了する(ステップS108)。
【符号の説明】
【0075】
10 カメラ装置
14 レンズ
14a レンズマウント
17a ガイド軸(案内部材)
17b 支持軸
18 圧電素子(アクチュエータ素子)
19 光軸
20 光学系制御部(制御部)
30 レンズ移動用信号(第1電気信号)
40 レンズ位置検出用信号(第2電気信号)
100 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ素子と、
前記アクチュエータ素子に電気信号を入力し、該電気信号に基づいて前記アクチュエータ素子から位置検出用の振動信号を発生させる制御部と、を備え、
前記アクチュエータ素子は、対象物に前記位置検出用の振動信号を送信し、該振動信号が前記対象物から反射した振動信号である反射波信号を受信するとともに、該反射波信号を電気信号に変換し、
前記制御部は、前記アクチュエータ素子に入力した電気信号と、前記アクチュエータ素子で前記反射波信号が変換された電気信号と、に基づいて、前記アクチュエータ素子に対する前記対象物の位置を検出する、
ことを特徴とする対象物の位置検出装置。
【請求項2】
レンズを光軸方向に移動させることでフォーカス機能又はズーミング機能を実現する光学構造であって、
請求項1に記載の位置検出装置を備え、
前記アクチュエータ素子は、対象物としての前記レンズに前記位置検出用の振動信号を送信し、前記位置検出装置で検出された前記レンズの位置から目標とする位置に前記レンズを移動させる、
ことを特徴とする光学構造。
【請求項3】
レンズを光軸方向に移動させることでフォーカス機能又はズーミング機能を実現する光学構造であって、
前記レンズを支持するレンズマウントに摩擦係合し、前記レンズマウントを前記光軸方向に移動させるための案内部材と、
外部から入力された電気信号を振動信号に変換するとともに、外部から受信した振動信号を電気信号に変換するアクチュエータ素子と、
前記アクチュエータ素子に第1及び第2電気信号を入力し、当該アクチュエータ素子から、それぞれ、第1及び第2振動信号を送信させるとともに、前記アクチュエータ素子から外部からの振動信号に基づく電気信号を受け取る制御部と、を備え、
前記アクチュエータ素子は、前記制御部からの前記第1電気信号に基づき、前記第1振動信号を前記案内部材に送信し、前記レンズを前記レンズマウントと共に前記案内部材に沿って前記光軸方向に移動させるとともに、前記制御部からの前記第2電気信号に基づき、前記第2振動信号を前記案内部材に送信し、
前記制御部は、前記第2電気信号と、前記第2振動信号が前記レンズマウントで反射して生じた第3振動信号である反射波信号が前記アクチュエータ素子で変換された第3電気信号と、に基づいて、前記光軸方向における前記レンズの位置を検出するとともに、前記アクチュエータ素子に前記第1電気信号を入力し、前記検出したレンズの位置から目標とするレンズの位置に前記レンズを移動させる、
ことを特徴とする光学構造。
【請求項4】
前記アクチュエータ素子は、前記第1振動信号を、前記第2振動信号と異なるタイミングで送信することを特徴とする請求項3に記載の光学構造。
【請求項5】
前記アクチュエータ素子は、前記第2振動信号を、前記第1振動信号よりも高い周波数で送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の光学構造。
【請求項6】
前記アクチュエータ素子は、前記第2振動信号を、前記第1振動信号よりも小さい振動振幅で送信することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項7】
前記アクチュエータ素子は、前記第1及び第2振動信号に対応する前記第1及び第2電気信号の入力に用いる駆動信号用電極端子群と、前記反射波信号に対応する第3電気信号の出力に用いる反射波信号用電極端子群と、を備えていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項8】
前記アクチュエータ素子は、前記第1及び第2振動信号に対応する前記第1及び第2電気信号の入力に用いる駆動信号用電極端子群、及び、前記反射波信号に対応する第3電気信号の出力に用いる反射波信号用電極端子群の双方として機能する電極端子群、を備えていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項9】
前記駆動信号用電極端子群は、正極と負極とを交互に積層した構造の電極群を含んで構成されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項10】
前記反射波信号用電極端子群は、正極と負極とを交互に積層した構造の電極群を含んで構成されていることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項11】
前記アクチュエータ素子は、前記第1振動信号の振動方向が、該振動を生じさせるために当該アクチュエータ素子内の電極間で形成される電界の方向と略直交するものであることを特徴とする請求項3乃至10のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項12】
前記アクチュエータ素子は、前記第1振動信号の振動方向が、該振動を生じさせるために当該アクチュエータ素子内の電極間で形成される電界の方向と略平行なものであることを特徴とする請求項3乃至10のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項13】
前記アクチュエータ素子は、PZT系セラミックス、圧電単結晶、高分子樹脂・セラミックス複合材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる圧電活性層が一対の電極で挟み込まれた構造を有する圧電素子であることを特徴とする請求項2乃至12のいずれか1項に記載の光学構造。
【請求項14】
レンズを所定位置に移動させることでフォーカス機能又はズーミング機能を実現するカメラ装置が搭載された携帯端末であって、
前記カメラ装置は、前記フォーカス機能又はズーミング機能を実現するべく請求項2乃至13のいずれか1項に記載の光学構造を備えていることを特徴とする携帯端末。
【請求項15】
アクチュエータ素子に電気信号を入力し、該電気信号に基づいて前記アクチュエータ素子にて位置検出用の振動信号を発生させるステップと、
前記アクチュエータ素子が、対象物に位置検出用の振動信号を送信し、前記対象物から反射した振動信号である反射波信号を受信するステップと、
前記アクチュエータ素子が前記反射波信号を受信し、該反射波信号を電気信号に変換するステップと、
前記アクチュエータ素子に送信した電気信号と、前記アクチュエータ素子で前記反射波信号が変換された電気信号と、に基づいて、前記アクチュエータ素子に対する前記対象物の位置を検出するステップと、
を備えたことを特徴とする対象物の位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−232500(P2011−232500A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101959(P2010−101959)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】