説明

情報端末装置

【課題】情報端末装置から送信された画像情報を特別な画像表示装置を持たない携帯情報端末で表示する。
【解決手段】ネットワークによる通信を制御する通信制御手段6と、情報端末に画像情報を入力する画像情報入力手段2と、画像情報入力手段によって入力された画像情報を携帯情報端末向けのコンテンツ記述言語に変換する画像情報変換手段4と、ネットワーク20を介して情報端末からデータを送信するデータ送信手段8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続可能な情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末装置としての携帯電話機によるインターネット接続サービスが進んでおり、音声通話以外に電子メール、Web閲覧といった本来パソコンによるインターネット利用形態であった機能が携帯電話機で利用されている。
【0003】
例えば携帯電話会社が携帯電話網を使って提供しているインターネット接続サービスでは、e−mailの送受信やWWW(World Wide Web)を利用した情報提供サービスはもちろんのこと、インターネットバンキングやチケット予約などのアプリケーションサービス、ゲームなどのエンターテイメント系コンテンツサービスが増加しつつある。
【0004】
しかし、携帯情報端末装置の多機能化が進んでも携帯情報端末装置ではその制約上狭い液晶画面しか持つことができず、画像情報のようなパソコンのディスプレイを想定したコンテンツを利用したリアルタイムのコミュニケーションを行うことは困難であった。画像情報を送る手段として電子メールの添付ファイル機能があるが、電子メールの添付ファイル機能で送信する場合、送信先の存在/不在に拘わらず内容送信が行われるため、即時性や相手先の誤送信等によるデータの秘匿性に問題点が残る。
【0005】
このような画像情報を使用したコミュニケーションを可能にする方法としては(特許文献1)に記載の通信装置及び記録媒体がある。
【特許文献1】特開平10−228431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、(特許文献1)に記載の通信装置及び記録媒体は画像データを表示するために一般端末とWWWサーバを使用しており、WWWサーバを有さない一般の利用者が画像情報を相手先に表示させることは困難であった。
【0007】
また、地図や写真等の画像情報を相手側の携帯情報端末装置に送信する場合、相手側が所持する情報端末装置が携帯情報端末装置のみの場合は使用できないという問題点があった。
【0008】
また、電子メールの添付ファイル機能で送信する場合、送信先の存在/不在に拘わらず内容送信が行われるため、即時性や相手先の誤送信等によるデータの秘匿性に問題点があった。
【0009】
そこで、WWWサーバや大画面のディスプレイを使用しなくても、携帯情報端末装置だけで情報端末装置から送られてきた画像情報の表示を容易に行え、また相手側の携帯情報端末装置の受信確認を即時かつ容易に取得でき、画像情報を含むコンテンツを利用した安全なコミュニケーションを行うことができ、利便性の向上が図れる情報端末装置が要求されていた。
【0010】
本発明は、この要求を満たすため、WWWサーバや大画面のディスプレイを使用しなくても、携帯情報端末装置だけで情報端末装置から送られてきた画像情報の表示を容易に行うことができ、また相手側の携帯情報端末装置の受信確認を即時かつ容易に取得することができ、画像情報を含むコンテンツを利用した安全なコミュニケーションを行うことができ、利便性の向上が図れる情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、本発明は、ネットワークを介して携帯情報端末装置に接続される情報端末装置であって、ネットワークによる通信を制御する通信制御手段と、画像情報を入力する画像情報入力手段と、画像情報入力手段によって入力された画像情報を携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換する画像情報変換手段と、ネットワークを介してデータを送信するデータ送信手段とを有することとしたものである。
【0012】
これにより、WWWサーバや大画面のディスプレイを使用しなくても、携帯情報端末装置だけで情報端末装置から送られてきた画像情報の表示を容易に行うことができる情報端末装置が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネットワークを介して画像情報を携帯情報端末装置に送信する際に、画像情報を携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換して送信するので、画像情報表示のための特別な表示装置を持たない携帯情報端末装置でも画像情報を表示でき、また、受信可否検出の機能を備えれば、相手端末の受信確認を即時かつ容易に取得することができるので、利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、ネットワークを介して携帯情報端末装置に接続される情報端末装置であって、ネットワークによる通信を制御する通信制御手段と、画像情報を入力する画像情報入力手段と、画像情報入力手段によって入力された画像情報を携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換する画像情報変換手段と、ネットワークを介してデータを送信するデータ送信手段とを有することにより、画像情報を携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換したデータを送信することができるので、一般の携帯情報端末装置では表示できない画像情報を相手側の携帯情報端末装置に送信した際に画像情報を携帯情報端末装置で表示することができ、また受信可否検出機能を備えることにより、相手携帯情報端末装置の受信確認を即時かつ容易に取得することができ、画像情報を含むコンテンツを利用した安全なコミュニケーションを行うことができるという作用・効果を有する。
【0015】
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、画像情報を携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換したデータ内に応答メッセージ入力フォームを埋め込む応答メッセージ入力フォーム作成手段を備えたことにより、着信側の携帯情報端末装置は受信したデータのブラウザ機能等の操作によりユーザの応答を送信側の情報端末装置に送信することができるので、双方向通信が可能となるという作用・効果を有する。
【0016】
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、携帯情報端末装置の話中などの情報の受信可否を判別する受信可否検出手段を備えたことにより、着信側携帯情報端末装置が通信ビジー状態などにより受信できない状態の場合は画像情報を自動的に電子メールに変換して送信することができるので、着信側携帯情報端末装置が通信ビジーなどであっても情報伝達を遂行することができ、利便性の向上を図ることができるという作用・効果を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、携帯情報端末装置と本発明の実施の形態1に係る情報端末装置とがネットワークを介して接続されているネットワークシステムを示す構成図であり、情報端末装置および携帯情報端末装置においては、機能実現手段(コンピュータによりその機能が実現される手段)が示されている。
【0019】
図1において、1は本発明の実施の形態1に係る情報端末装置、2は画像情報を情報端末装置1に取り込む画像情報入力手段、3は画像情報入力手段2により取り込んだ画像情報を保存するための画像情報保持手段、4は画像情報保持手段2により保存している画像情報を後述の携帯情報端末装置21で表示可能な型に変換するための画像情報変換手段、5は画像情報変換手段4により変換されたデータを保存するためのデータ保持手段、6はネットワークを介した通信路を生成するための通信制御手段、7は着信側の携帯情報端末装置21がデータを受信できる状態にあるか否かを検出する受信可否検出手段、8は通信制御手段6により生成した通信路を介してデータを送信するデータ送信手段、9は着信側の携帯情報端末装置21が、ブラウザを介して応答メッセージを入力して送信するための入力フォームを作成するための応答メッセージ入力フォーム作成手段、10は着信側の携帯情報端末装置21からの応答メッセージを受信するための応答メッセージ受信手段、11はテキストや画像情報等を電子メールの形式に変換する電子メール作成手段、12は電子メール作成手段11により作成した電子メールを送信する電子メール送信手段、20はインターネットやイントラネットなどにより構成されるネットワークである。
【0020】
また、21は携帯情報端末装置、22はネットワークを介した通信路を生成するための通信制御手段、23は通信制御手段22により生成した通信路を介してデータを受信するデータ受信手段、24はデータ受信手段23により受信したデータを保存するためのデータ保持手段、25はデータ保持手段24により保存されたデータをディスプレイなどに表示するデータ表示手段、26は画像情報を携帯情報端末装置21で表示可能な型に変換したデータ内に埋め込まれた入力フォームを操作して応答メッセージを作成するブラウザ操作手段、27はブラウザ操作手段26により作成した応答メッセージを通信制御手段22により生成した通信路により送信するデータ送信手段、28は電子メール受信手段である。
【0021】
このように構成されたネットワークシステムにおける情報端末装置1について、その動作を図2を用いて説明する。
【0022】
図2は情報端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【0023】
図2において、ユーザは画像情報入力手段2を用いて情報端末装置1内に画像情報を取り込み、取り込んだ画像情報を画像情報保持手段3を用いて保存する(S1)。次に、取り込んだ画像情報を画像情報変換手段4を用いて携帯情報端末装置21で表示可能な型に変換し、変換したデータをデータ保持手段5を用いて保存する(S2)。変換する型としては携帯情報端末装置21向けのコンテンツ記述言語であるcHTML(Compact Hyper Text Markup Language)が挙げられる。cHTMLは携帯電話やPDAなどの携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語であり、これらの機器を用いて閲覧されるWebサイトのコンテンツの記述に利用される。HTMLから余分な仕様を除いた部分集合(サブセット)として定義され、HTMLと下位互換性があるため、既存のコンテンツの移行が容易なのが特徴である。また、着信側の携帯情報端末装置21と双方向通信が必要な場合は、応答メッセージを取得するための入力フォームを応答メッセージ入力フォーム作成手段9を用いて作成し、画像情報を変換したデータ内に埋め込む(S2)。入力フォームはWebサイトが訪問者の入力を取得するための手段であり、入力フォームを通してホームページの訪問者に応答メッセージを入力させることができる。
【0024】
次に、通信制御手段6を用いて情報端末装置1と携帯情報端末装置21の間にネットワーク20を介した通信路を生成し(S3)、生成した通信路を使用して携帯情報端末装置21がデータを受信できる状態かどうかを受信可否検出手段7を用いて検出する(S4)。着信側の携帯情報端末装置21が受信可能状態であると図示しない判定手段により判定した場合は(S5)、ステップ3で生成した通信路を使用してデータ保持手段5によりRAM等に保存しているデータをデータ送信手段8を用いて携帯情報端末装置21に送信する(S6)。
【0025】
次に、着信側の携帯情報端末装置21から応答メッセージを受信したと図示しない判定手段により判定した場合は(S7)、応答メッセージ受信手段10は応答メッセージを受信する(S8)。応答メッセージを受信していないと判定した場合はこの処理を終了する。
【0026】
着信側の携帯情報端末装置21が受信不可状態であると図示しない判定手段により判定した場合は(S5)、電子メール作成手段11は、画像情報保持手段3によりRAM等に保存している画像情報を電子メールの形態に変換し、ステップ3で生成した通信路を使用して電子メール送信手段12は携帯情報端末装置21に上記電子メールを送信する(S9)。
【0027】
次に、携帯情報端末装置21について、その動作を図3を用いて説明する。
【0028】
図3は携帯情報端末装置21の動作を示すフローチャートである。
【0029】
まず、図示しない判定手段は、通信制御手段22を用いて生成した通信路を介して、情報端末装置1からデータを受信したか否かを判定し(S11)、受信したと判定した場合は、ステップ6で送信されたデータをデータ受信手段23により受信し、データ保持手段24を用いて保存する(S12)。次に、データ保持手段24によりRAM等に保存されたデータをデータ表示手段25を用いてディスプレイ(図示せず)に表示する(S13)。更に、着信側の携帯情報端末装置21のユーザはブラウザ操作手段26を用いて作成した応答メッセージをデータ送信手段27を用いてネットワーク20を介して情報端末装置1に送信する(S14)。ステップ11で受信していないと判定した場合は、この処理を終了する。
【0030】
なお、フローチャートには示されていないが、携帯情報端末装置21が通信ビジー状態である場合は、情報端末装置1から送信されてきた電子メールを電子メール受信手段28を用いて受信することにより、情報端末装置1から携帯情報端末装置21への情報伝達を遂行することができ、利便性を向上することができる。
【0031】
以上のように本実施の形態によれば、従来の携帯情報端末装置では表示できなかった画像情報を相手側の携帯情報端末装置21に特別な表示装置を追加しなくても表示することができ、携帯情報端末装置21の受信確認を即時かつ容易に取得することが可能となる。また、情報端末装置1は応答メッセージ入力フォーム作成手段9を用いて携帯情報端末装置21に送信するデータ内に応答メッセージ入力フォームを埋め込み、携帯情報端末装置21にてブラウザを操作することにより応答メッセージを送信させて、情報端末装置1の応答メッセージ受信手段9にて応答メッセージを受信させることにより、双方向通信が可能となる。また、受信可否検出手段7により受信側の携帯情報端末装置21が通信ビジー状態である場合は、電子メール作成手段11を用いて画像情報保持手段3に保存している画像情報を従来の電子メールの形態に変換して電子メール送信手段12を用いて送信することにより、受信側の携帯情報端末装置21が通信ビジーであっても情報伝達を遂行することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、ネットワークに接続可能な情報端末装置に関し、WWWサーバや大画面のディスプレイを使用しなくても、携帯情報端末装置だけで情報端末装置から送られてきた画像情報の表示を容易に行うことができ、また相手側の携帯情報端末装置の受信確認を即時かつ容易に取得することができ、画像情報を含むコンテンツを利用した安全なコミュニケーションを行うことができ、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】携帯情報端末装置と本発明の実施の形態1に係る情報端末装置とがネットワークを介して接続されているネットワークシステムを示す構成図
【図2】情報端末装置の動作を示すフローチャート
【図3】携帯情報端末装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0034】
1 情報端末装置
2 画像情報入力手段
3 画像情報保持手段
4 画像情報変換手段
5 データ保持手段
6 通信制御手段
7 受信可否検出手段
8 データ送信手段
9 応答メッセージ入力フォーム作成手段
10 応答メッセージ受信手段
11 電子メール作成手段
12 電子メール送信手段
20 ネットワーク
21 携帯情報端末装置
22 通信制御手段
23 データ受信手段
24 データ保持手段
25 データ表示手段
26 ブラウザ操作手段
27 データ送信手段
28 電子メール受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して携帯情報端末装置に接続される情報端末装置であって、ネットワークによる通信を制御する通信制御手段と、画像情報を入力する画像情報入力手段と、前記画像情報入力手段によって入力された画像情報を前記携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換する画像情報変換手段と、前記ネットワークを介してデータを送信する手段とを有することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
画像情報を携帯情報端末装置向けのコンテンツ記述言語に変換したデータ内に応答メッセージ入力フォームを埋め込む応答メッセージ入力フォーム作成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記携帯情報端末装置の話中などの情報の受信可否を判別する受信可否検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−15645(P2008−15645A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184052(P2006−184052)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】