説明

振動アクチュエータ、レンズユニット、および撮像装置。

【課題】弾性体の振動による外部の機器への影響を軽減することができる振動アクチュエータを提供する。
【解決手段】振動アクチュエータは、角柱の弾性体と、弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、弾性体に接触して、振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、弾性体の角で、弾性体を支持する支持部とを備える。前記支持部は、前記振れ回り振動による前記弾性体の曲げに対して弾性を有してもよい。支持部は、前記弾性体を挿通させる開口を有する板状部材であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動アクチュエータに関する。より詳細には、電気機械変換素子を用いて形成された電気機械変換部を有する振動アクチュエータ、並びに当該振動アクチュエータを備えるレンズユニットおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波帯域の振動を回転運動または直線運動に変換して出力する振動アクチュエータがある。振動アクチュエータは、圧電材料等を用いて形成された電気機械変換部を備え、周期的に変化する駆動電圧を電気機械変換部に印加することより生じた振動を、回転運動または直線運動に変換して外部の被駆動部材に伝達する。
【0003】
この種の振動アクチュエータは、高い応答速度、高い駆動トルクを有する他、動作音が小さい等の産業上有利な特徴を有する。また、エネルギー効率が高く、部品点数が少ないので小型化に適していることも知られている。
【0004】
特許文献1には、送りネジ型超音波モータの構造が記載されている。この超音波モータは、両端付近の内面にネジ溝を切られた貫通穴を有する角柱状弾性体と、角柱状弾性体の側方4面に個々に装着された電気機械変換素子と、貫通穴に螺入挿通されたネジ棒とを備える。4枚の電気機械変換素子に位相が順次遅れた周期的な駆動電圧を印加することにより弾性体に振動が生じ、振動がネジ棒を軸方向に進退させる。
【0005】
特許文献2にも、貫通穴を有すると共に側面に電気機械変換素子を装着された角柱状の弾性体と、貫通穴に挿通された回転子とを備えたチューブ型超音波モータが記載されている。弾性体はセラミックスにより形成され、高い耐久性、特に耐磨耗性を有する。
【特許文献1】米国特許第6940209号明細書
【特許文献2】特開2007−049897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載された超音波モータが製品に実装された場合に、弾性体の振動が超音波モータの外部に伝達してしまう。これにより、製品の性能に影響をおよぼしてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態において、振動アクチュエータは、角柱の弾性体と、弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、弾性体に接触して、振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、弾性体の角で、弾性体を支持する支持部とを備える。支持部は、振れ回り振動による弾性体の曲げに対して弾性を有してもよい。
【0008】
支持部は、弾性体を挿通させる開口を有する板状部材であってもよい。弾性体は、弾性体の角に切り欠き部を有し、支持部は、開口の周縁部の少なくとも一部を切り欠き部に嵌合させることによって、弾性体の角で、弾性体を支持してもよい。
【0009】
電気機械変換部は、角柱の各側面に配置された複数の電気機械変換素子を有し、開口は、弾性体および複数の電気機械変換素子を挿通させ、切り欠き部は、一の電気機械変換素子と他の電気機械変換素子との間の、弾性体の角に設けられてもよい。弾性体は、四角柱であり、支持部は、弾性体の4つの角で、弾性体を支持してもよい。開口は、四角形であり、開口の四角形の辺は、支持部が弾性体を支持する位置における弾性体の断面の四角形の辺より長く、かつ支持部が弾性体を支持する位置における弾性体の断面の四角形の対角線より短く、支持部は、開口の四角形の辺で、弾性体の断面の四角形の角を支持してもよい。
【0010】
本発明の第2の形態によると、レンズユニットは、光学部材、光学部材を収容するレンズ鏡筒、およびレンズ鏡筒の内部に設けられて、光学部材を駆動する振動アクチュエータを備える。振動アクチュエータは、角柱の弾性体と、弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、弾性体に接触して、振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、弾性体の角で、弾性体を支持する支持部とを有する。
【0011】
本発明の第3の形態によると、撮像装置は、光学部材、光学部材を収容するレンズ鏡筒、およびレンズ鏡筒の内部に設けられて、光学部材を駆動する振動アクチュエータを備える。振動アクチュエータは、角柱の弾性体と、弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、弾性体に接触して、振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、弾性体の角で、弾性体を支持する支持部とを有する。
【0012】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。しかしながら、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、一実施形態に係る振動アクチュエータ100の分解斜視図である。なお、以下の記載においては、図面の表示に従って、各要素の軸方向の一端を上端、他端を下端と記載する。しかしながら、このような記載は、振動アクチュエータ100の使用を、図示の方向に限定するものではない。
【0015】
振動アクチュエータ100は、弾性体120と、弾性体120を振れ回り振動させる電気機械変換部130と、弾性体120の端部以外の振れ回り振動における腹で弾性体120の内面に接触して振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体140とを備える。また、振動アクチュエータ100は、回転体140を回転自在に支持する軸受け部材110、160と、回転体140を付勢する付勢部材150と、回転体140の回転を外部に伝達する出力ギア170とを備える。さらに、振動アクチュエータ100は、弾性体120の角で、弾性体120を支持する支持部180、190を備える。
【0016】
回転体140は、円柱状の回転伝達軸144と、回転伝達軸144の軸方向の中程に形成された、円柱状の回転体接触部142とを一体的に有する。回転体接触部142の外径は、回転伝達軸144の外径より大きい。
【0017】
弾性体120は、回転体140より短い筒型をなして、長手方向に貫通する貫通穴を有する。貫通穴は、円形の断面形状を有して、上端において回転体接触部142の外径より大きな内径を有する。また、貫通穴の端部近傍には、ネジ溝部122、222を有する。弾性体120は、四角柱であってよい。弾性体120は、四角柱以外の角柱であってもよい。
【0018】
また、弾性体120は、外周面の長手方向の中程に、弾性体120の外径を減じる切り欠き部119を有する。切り欠き部119が形成された部分においては、弾性体120の肉厚が薄くなっている。なお、弾性体120は、種々の金属、プラスチックまたはセラミックスにより形成し得る。
【0019】
さらに、弾性体120は、弾性体120の角に切り欠き部102および切り欠き部104を有する。具体的には、弾性体120の角における、長手方向の上端近傍に、切り欠き部102が形成されており、長手方向の下端近傍に、切り欠き部104が形成されている。
【0020】
切り欠き部102、104は、弾性体120の外面の、一の電気機械変換素子と他の電気機械変換素子との間に設けられる。具体的には、切り欠き部102、104は、一の電気機械変換素子と他の電気機械変換素子との間の、弾性体120の4つの角に設けられる。
【0021】
電気機械変換部130は、弾性体120の外面における、弾性体120の周方向の異なる位置に配置された3以上の電気機械変換素子を有する。特に、本実施形態の電気機械変換部130は、弾性体120がなす四角柱の各側面に配置された複数の電気機械変換素子を有する。
【0022】
具体的には、電気機械変換部130は、弾性体120の外面における、弾性体120の周方向の異なる位置に配置された電気機械変換素子132、134、136、138を有する。互いに略同じ寸法を有する電気機械変換素子132、134、136、138の各々は、弾性体120の長手方向に長い矩形をなす。
【0023】
電気機械変換素子132、134、136、138は、駆動電圧を印加された場合に伸張する圧電材料を含む。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の圧電材料を含む。
【0024】
なお、多くの圧電材料は脆いので、りん青銅等の高弾性金属材料で補強することが好ましい。あるいは、弾性体120自体を担体にして、弾性体120の表面に圧電材料層を形成して、電気機械変換素子132、134、136、138を形成してもよい。圧電材料に駆動電圧を印加する場合に用いる電極は、ニッケル、金等の電極材料を、鍍金、スパッタ、蒸着、厚膜印刷等の方法で、圧電材料の表面に直接に形成してもよい。
【0025】
支持部180は、取り付け穴182、184および開口186を有する。支持部190は、取り付け穴192、194および開口196を有する。支持部180、190は、互いに略同形状の円形の板状部材であってもよい。支持部180、190は、弾性体120の振れ回り振動による弾性体120の曲げに対して弾性を有する。
【0026】
取り付け穴182、184、192、194は、円形であってよく、振動アクチュエータ100を固定するための螺子等の固定部材を挿通させる。開口186、196は、弾性体120を挿通させる。
【0027】
開口186、196は、四角形であってもよい。開口186、196の四角形の辺は、支持部180、190が弾性体120を支持する位置における弾性体120の断面の四角形の辺より長く、かつ支持部180、190が弾性体120を支持する位置における弾性体120の断面の四角形の対角線より短くてもよい。
【0028】
支持部180、190は、弾性体120の角で、弾性体120を支持する。支持部180、190は、弾性体120の4つの角で、弾性体120を支持してよい。支持部180、190は、開口186、196の四角形の辺で、弾性体120の断面の四角形の角を支持してもよい。
【0029】
具体的には、支持部180は、開口186の周縁部の少なくとも一部を、弾性体120が有する切り欠き部102に嵌合させることによって、弾性体120の断面の四角形の角で、弾性体120を支持する。同様に、支持部190は、開口196の周縁部の少なくとも一部を、弾性体120が有する切り欠き部104に嵌合させることによって、弾性体120の断面の四角形の角で、弾性体120を支持する。
【0030】
たとえば、支持部180は、開口186の四角形の辺のそれぞれを、弾性体120が有する切り欠き部102に嵌合させることによって、弾性体120の断面の四角形のそれぞれの角で、弾性体120を支持する。同様に、支持部190は、開口196の四角形の辺のそれぞれを、弾性体120が有する切り欠き部104に嵌合させることによって、弾性体120の断面の四角形のそれぞれ角で、弾性体120を支持する。
【0031】
なお、支持部180、190の外形は、振動アクチュエータ100を固定することが可能な形状であればよく、円形に限らない。支持部180、190は、1つまたは3つ以上の取り付け穴を有してもよい。取り付け穴182、184、192、194は、振動アクチュエータ100を固定するための螺子等の固定部材を挿通させることが可能な形状であればよく、円形に限らない。開口186、196は、弾性体120の角で弾性体を支持することが可能な形状であればよく、四角形に限らない。
【0032】
支持部180、190には、金属材料または樹脂材料を用いることが好ましいが、その他の材料を用いてもよい。また、支持部180、190には、スリットが設けられていてもよい。また、支持部180、190には、弾性体120の振動の性質に応じたスリットが設けられていてもよい。たとえば、支持部180、190には、同心円の周に沿った形状の一つまたは複数のスリットが設けられていてもよい。
【0033】
軸受け部材110は、フランジ部111およびネジ山部112を有する。軸受け部材160も、フランジ部161およびネジ山部162を有する。フランジ部111、161は、弾性体120の断面がなす正方形と略同一の形状を有する。この正方形の各辺は、弾性体120の貫通穴の内径より長い。
【0034】
さらに、フランジ部111、161の中央には、回転伝達軸144の外径と略同じ内径を有する軸受け部114、164が形成される。ネジ山部112、162は、弾性体120のネジ溝部122、222に螺合する寸法を有する。
【0035】
付勢部材150は、回転体接触部142の外径より小さな外径と、回転伝達軸144の外径より大きな内径とを有する。図中では回転体140に挿入されたコイルばねとして描かれているが、この構造に限られるものではない。
【0036】
出力ギア170は、中心に軸穴172を有する。軸穴172は、回転体140の回転伝達軸144に嵌着する内径を有する。軸穴172に回転伝達軸144を嵌着させた場合に、出力ギア170は回転体140の回転と一体的に回転する。
【0037】
本実施形態の振動アクチュエータ100は、弾性体120の角で、支持部180、190が弾性体120を支持する。これにより、弾性体120から外部に伝達する振動を軽減できるので、弾性体120の振動による外部の機器への影響を小さくすることができる。また、支持部180、190を切り欠き部102、104に嵌合させて指示することにより、支持部180、190から弾性体120が離脱することを防ぎ、弾性体120を確実に支持することができる。
【0038】
また、本実施形態の支持部180、190は、弾性体120の振れ回り振動による弾性体120の曲げに対して弾性を有する。支持部180、190が撓むことで弾性体120の振動を吸収できるので、弾性体120の振動による外部の機器への影響をさらに軽減することができる。
【0039】
図2は、振動アクチュエータ100の縦断面図である。なお、図1と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0040】
弾性体120は、支持部180によって、上端が支持され、支持部190によって、下端が支持される。支持部180と支持部190との間隔は、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれの長さよりも長い。また、支持部180、190は、一の電気変換素子と、他の電気変換素子との間で、弾性体120を支持する。このため、支持部180、190は、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれと干渉することなく、弾性体120を支持する。
【0041】
電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれは、弾性体120の外周面上に接着されている。これにより、駆動電圧が印加されて電気機械変換素子132、134、136、138のいずれかが伸張した場合に、電気機械変換素子132、134、136、138が接着された部分において弾性体120も共に伸張する。
【0042】
一方、弾性体120の貫通穴は、図中の上側において大きく、下側においては小さな内径を有する。また、貫通穴の中程に、異なる内径の内面を結合する傾斜した駆動面121をなす肩部118を有する。傾斜した駆動面121は、弾性体120の内周面に沿ってすり鉢状の環状面をなす。
【0043】
軸受け部材110、160のそれぞれは、ネジ溝部122、222に対してネジ山部112、162を螺着させることにより、弾性体120の長手方向両端に装着される。装着された軸受け部材110、160は、各々のフランジ部111、161が弾性体120の端面に当接することにより弾性体120の両端に停まる。
【0044】
なお、本実施形態では、軸受け部材110のネジ山部112を弾性体120のネジ溝部122に、軸受け部材160のネジ山部162を弾性体120のネジ溝部222にそれぞれ螺合させることにより軸受け部材110、160が固定される。しかしながら、軸受け部材110、160は、接着、嵌め合い等の他の方法により弾性体120に固定されてもよい。
【0045】
回転体140は、弾性体120の貫通穴に挿通される。ここで、回転伝達軸144の下端および上端は軸受け部材110、160の軸受け部114、164を通じて外部まで延在する。回転伝達軸144は、上端側においてより長く延在して、先端部に出力ギア170が装着される。
【0046】
なお、図示の例では回転体140の一端に出力ギア170を装着した。しかしながら、回転伝達軸144を下方にも延長して、回転体140の両端に出力ギア170を装着することもできる。
【0047】
回転伝達軸144は、軸受け部材110、160の軸受け部114、164により、回転自在に位置決めされる。軸受け部114、164は、転がり軸受け、滑り軸受け等であってもよい。軸受け部114、164および回転伝達軸144の間の間隙は十分に小さいので、弾性体120の内部まで塵芥が侵入することが防止される。
【0048】
一方、回転体接触部142は、弾性体120の内面の駆動面121に当接する。換言すれば、弾性体120の貫通穴は、駆動面121より上側においては、回転体接触部142の外径より大きな内径を有する。また、駆動面121より下側においては、回転体接触部142の外径より小さな内径を有する。これにより、回転体接触部142外周の下側角部が、被駆動部141として駆動面121に当接する。
【0049】
付勢部材150は、回転伝達軸144を挿通させることにより弾性体120の内部に配置される。ここで、付勢部材150の上端は軸受け部材160の下面に、付勢部材150の下端は回転体接触部142の上面に、それぞれ当接する。
【0050】
さらに、付勢部材150は、軸受け部材160および回転体接触部142の間で圧縮された状態で装着される。従って、付勢部材150は、回転体接触部142を下方に付勢する。
【0051】
付勢された回転体接触部142は、弾性体120の肩部118が形成する駆動面121に係止される。これにより、回転体接触部142の被駆動部141が、弾性体120の駆動面121に押し付けられる。このような構造により、弾性体120の振れ回り振動が回転体140を回転駆動する。
【0052】
なお、回転体接触部142は回転体140の一部として回転する。このため、付勢部材150両端の少なくとも一方は、当接する部材に対して摺動する。この摺動部における摩擦を低減するこれにより、振動アクチュエータ100の動損を低減し得る。具体的には、摺動部に潤滑材を塗布または貼付してもよい。
【0053】
図3は、振動アクチュエータ100の動作を説明する概念図である。電気機械変換素子132、134、136、138は、駆動電圧が印加された場合に、弾性体120の長手方向に伸張する。電気機械変換素子132、134、136、138のいずれかが伸張した場合、電気機械変換素子132、134、136、138が接着された箇所において弾性体120も伸張するので、弾性体120は屈曲する。
【0054】
さらに、電気機械変換素子132、134、136、138の各々に対して、弾性体120の周方向に沿って順次駆動電圧が印加されると、弾性体120の屈曲の向きが順次変化する。そこで、電気機械変換素子132、134、136、138に対して、順次π/2遅れた位相の交流電界を印加すると、紙面に直交する円を描く振れ回り振動が弾性体120に生じる。
【0055】
弾性体120は、振れ回り振動における節の位置Xより上部に形成された切り欠き部102においては、支持部180によって支持されている。また、弾性体120は、振れ回り振動における節の位置Zより下部に形成された切り欠き部104においては、支持部190によって支持されている。
【0056】
振れ回り振動を生じた弾性体120は、長手方向中央付近に、紙面に直交する円を描く腹Yを形成する。これらの現象により、弾性体120全体に、上下端を節X、Zとして、中央付近を腹Yとする振れ回り振動が生じる。
【0057】
また、振れ回り振動により生じる弾性体120の水平方向の変位は、長手方向について略中央において最も大きい。そこで、弾性体120に生じた振れ回り振動の腹Yにおいて回転体接触部142を接触させることにより、回転体接触部142を周方向に効率よく回転させることができる。
【0058】
即ち、回転体接触部142は、付勢部材150により下方に付勢されている。従って、被駆動部141は、駆動面121に押し付けられる。弾性体120の振れ回り振動による駆動面121の水平な変位は、傾斜した被駆動部141を介して回転体接触部142に作用する。被駆動部141に水平方向の変位が作用した場合、回転体接触部142は、付勢部材150の付勢に逆らって軸方向に変位する。
【0059】
回転体接触部142が軸方向に変位すると、被駆動部141および駆動面121の間に間隙が生じる。さらに、振れ回り振動においては、駆動面121の変位の方向が回転するので、被駆動部141および駆動面121の間に回転体接触部142を回転させる摩擦が生じる。この摩擦により駆動されて生じた回転体接触部142の回転は、回転伝達軸144および出力ギア170を介して外部に伝えられる。
【0060】
なお、弾性体120は、切り欠き部119により軸方向の中程で曲げ剛性が低下されている。曲げ剛性が低い箇所は、振れ回り振動の腹Yが生じやすい。このように、弾性体120の長手方向に曲げ剛性の分布を形成することにより、振れ回り振動の腹Yが生じる位置を意図した箇所に確実に生じさせることができる。曲げ剛性の分布は、弾性体120の形状を、予めあるいは後加工により薄肉化することにより形成できる。
【0061】
また、電気機械変換部130に印加される駆動電圧の周波数は、弾性体120の固有振動数に応じた共振周波数を含むことが好ましい。これにより、弾性体120は、投入された駆動電力に対して効率よく振れ回り振動を生じて、それを継続できる。さらに、弾性体120は、複数の腹および節を生じるような他の振動モードで振れ回り振動することもできる。
【0062】
またさらに、等間隔に配置された4枚の電気機械変換素子132、134、136、138を含む電気機械変換部130を例示したが、電気機械変換部130の構造はこれに限定されない。弾性体120は、弾性体120の周方向に配置された3以上の電気機械変換素子132、134、136、138を含む電気機械変換部130によっても振れ回り振動を発生し得る。
【0063】
またさらに、被駆動部141および駆動面121は、相互に当接および離間を繰り返す。従って、被駆動部141および駆動面121の少なくとも表面は、セラミックス等の耐磨耗性の高い材料により形成され得る。これにより、振動アクチュエータ100の寿命が延長される。
【0064】
図4は、弾性体120を支持する部分の構造を示すA−A断面図である。以下、支持部180が弾性体120を支持する部分の構造について説明するが、支持部190が弾性体120を支持する部分の構造については、以下と同様であってよい。
【0065】
支持部180は、円形の外形を有する。また、支持部180は、中央に正方形の開口186を有する。開口186には、弾性体120が挿通される。
【0066】
開口186がなす四角形の辺は、弾性体120の断面がなす四角形の対角線より短い。開口186がなす四角形の辺は、弾性体120の断面がなす四角形の辺より長い。たとえば、開口186がなす四角形の辺と弾性体120の断面がなす四角形の辺とが略平行となるように、支持部180の向きと弾性体120の向きとを一致させることにより、開口186と弾性体120とが干渉することなく、開口186に、弾性体120を挿通できる。
【0067】
そして、弾性体120を切り欠き部102の位置まで開口186に挿通させ、支持部180または弾性体120を回動させる。たとえば、開口186がなす四角形の対角線と、弾性体120の断面がなす四角形の対角線とを、略45度の角度で交差させることより、開口186がなす四角形の辺のそれぞれを、弾性体120に形成された切り欠き部102に嵌合できる。これにより、支持部180は、弾性体120の長手方向および周方向への移動を係止する。すなわち、支持部180は、開口186がなす四角形の辺のそれぞれで、弾性体120の4つの角を支持する。
【0068】
このように、支持部180は、四角柱の弾性体120の角で、弾性体120を支持する。これにより、弾性体120の振動による外部の機器への影響を軽減することができる。
また、支持部180は、切り欠き部102に嵌合することにより、弾性体120を確実に支持することができる。なお、上記嵌合位置において、支持部180と弾性体120とを接着剤等により接着させることが好ましい。これにより、支持部180は、弾性体120をより確実に支持することができる。
【0069】
図5は、弾性体120を支持する部分の他の構造を示すA−A断面図である。図5に示す支持部180は、楕円形の外形を有する。その他の構成および作用については、図4と同様であり、説明を省略する。このように、支持部180は、楕円形の外形を有していてもよい。なお、支持部180の外形は、円形および楕円形以外の形状を有していてもよい。
【0070】
図6は、他の実施形態に係る振動アクチュエータ100の分解斜視図である。なお、以下に説明する部分以外の構成および作用は、図1に示した振動アクチュエータ100と同一であり、重複する説明は省略する。
【0071】
図6に示す振動アクチュエータ100は、弾性体120における切り欠き部102および切り欠き部104の形成位置が、図1に示した振動アクチュエータ100と相違する。弾性体120は、弾性体120の角であって、弾性体120の振れ回り振動の節の位置に切り欠き部102および切り欠き部104を有する。具体的には、弾性体120の角における、長手方向の上端近傍であって、弾性体120の振れ回り振動の一方の節の位置に、切り欠き部102が形成されており、弾性体120の角における、長手方向の下端近傍であって、弾性体120の振れ回り振動の他の一方の節の位置に、切り欠き部104が形成されている。
【0072】
これにより、支持部180、190は、弾性体120の角であって、弾性体120の振れ回り運動における節の位置で、弾性体120を支持する。支持部180が有する開口186、および支持部190が有する開口196は、弾性体120とともに電気機械変換素子132、134、136、138を挿通させるのに十分な開口面積および形状を有する。開口186、196が有する正方形の一辺は、弾性体120の断面がなす正方形の一辺より長く、かつ弾性体120の断面がなす正方形の対角線より僅かに短い。
【0073】
支持部180は、開口186がなす正方形のそれぞれの辺を、弾性体120が有する切り欠き部102に嵌合させることによって、弾性体120を支持する。同様に、支持部190は、開口196がなす正方形のそれぞれの辺を、弾性体120が有する切り欠き部104に嵌合させることによって、弾性体120を支持する。なお、開口186、196は、弾性体120および電気機械変換素子132、134、136、138を挿通させることが可能な形状であり、かつ開口186、196の少なくとも一部が、弾性体120が有する切り欠き部104に嵌合することが可能な形状であればよく、正方形に限らない。
【0074】
本実施形態の振動アクチュエータ100は、弾性体120の角であって、弾性体120の振れ回り運動において弾性体120の周方向への移動量が他の位置より少ない位置である節の位置で、支持部180、190が弾性体120を支持する。これにより、弾性体120の振動を外部に伝達することがないので、弾性体120の振動による外部の機器への影響を軽減することができる。また、支持部180、190が、切り欠き部102、104に嵌合することにより、弾性体120を確実に支持することができる。
【0075】
また、本実施形態の支持部180、190は、弾性体120の振れ回り振動による弾性体120の曲げに対して弾性を有する。支持部180、190が撓むことで弾性体120の振動を吸収できるので、弾性体120の振動による外部の機器への影響をさらに軽減することができる。
【0076】
図7は、図6に示した振動アクチュエータ100の縦断面図である。弾性体120は、支持部180によって、上端が支持され、支持部190によって、下端が支持される。支持部180と支持部190との間隔は、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれの長さよりも短い。
【0077】
しかしながら、支持部180、190は、弾性体120だけでなく、電気機械変換素子132、134、136、138も挿通されるのに十分な開口を有する。また、支持部180、190は、一の電気変換素子と、他の電気変換素子との間で、弾性体120を支持する。このため、支持部180、190は、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれと干渉することなく、弾性体120および電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれを挿通することができるうえ、弾性体120を支持することができる。
【0078】
図8は、図6に示した振動アクチュエータ100の動作を説明する概念図である。弾性体120は、振れ回り振動における節の位置Xと略同位置に形成された切り欠き部102においては、支持部180によって支持されている。また、弾性体120は、振れ回り振動における節の位置Yと略同位置に形成された切り欠き部104においては、支持部190によって支持されている。
【0079】
弾性体120の振れ回り振動により生じる、弾性体120の水平方向の変位は、長手方向について略中央において最も大きく、節X、Zにおいて最も小さい。すなわち、支持部180、190は、弾性体120の振動が最も少ない位置で弾性体120を支持する。これにより、支持部180、190は、弾性体120の振動を、弾性体120の外部へ伝えることなく、弾性体120を支持することができる。
【0080】
図9は、弾性体120を支持する部分の構造を示すA−A断面図である。以下、支持部180が弾性体120を支持する部分の構造について説明するが、支持部190が弾性体120を支持する部分の構造については、以下と同様であってよい。
【0081】
支持部180は、正方形の開口186を有する。開口186には、開口186がなす正方形の対角線と、弾性体120の断面がなす正方形の対角線とが、略45度の角度で交差するように、弾性体120が挿通されている。
【0082】
開口186がなす四角形の辺は、弾性体120の断面がなす四角形の対角線より僅かに短い。弾性体120および支持部180は、弾性を有するため、たとえば、弾性体120および支持部180を僅かに変形させながら、弾性体120を開口186に押し込むことにより、弾性体120を開口186に挿通できる。
【0083】
弾性体120がなす四角柱の各側面には、電気機械変換素子132、134、136、138が配置されている。開口186は、弾性体120だけでなく、電気機械変換素子132、134、136、138も挿通されるのに十分な開口面積および形状を有している。これにより、支持部180は、開口186と、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれとが干渉することなく、弾性体120を開口186に挿通できる。
【0084】
弾性体120がなす四角柱のそれぞれ角には、弾性体120の振れ回り運動における節の位置において、切り欠き部102が形成されている。弾性体120を切り欠き部102の位置まで開口186に挿通することにより、開口186がなす四角形の辺のそれぞれを、弾性体120に形成された切り欠き部102に嵌合できる。これにより、支持部180は、弾性体120の長手方向および周方向への移動を係止する。すなわち、支持部180は、開口186がなす四角形の辺のそれぞれで、弾性体120の4つの角を支持する。
【0085】
このように、支持部180は、四角柱の弾性体120の角であって、四角柱の弾性体120の振れ回り運動における節の位置で弾性体120を支持する。これにより、弾性体120の振動による外部の機器への影響を軽減することができる。また、支持部180は、切り欠き部102に嵌合することにより、弾性体120を確実に支持することができる。なお、上記嵌合位置において、支持部180と弾性体120とを接着剤等により接着させることが好ましい。これにより、支持部180は、弾性体120をより確実に支持することができる。
【0086】
図10は、弾性体120を支持する部分の他の構造を示すA−A断面図である。支持部180は、十字形の開口186、および開口186の中心方向に向かって突出する尖形状の突出部188を有する。開口186には、突出部188の先端の位置と、弾性体120がなす四角柱の角の位置とが一致するように、弾性体120が挿通されている。
【0087】
互いに向かい合う突出部188の先端同士の間隔は、弾性体120の断面がなす四角形の対角線より僅かに短い。弾性体120および突出部188は、弾性を有するため、たとえば、弾性体120および突出部188を僅かに変形させながら、弾性体120を開口186に押し込むことにより、弾性体120を開口186に挿通できる。
【0088】
弾性体120がなす四角柱の各側面には、電気機械変換素子132、134、136、138が配置されている。開口186は、弾性体120だけでなく、電気機械変換素子132、134、136、138も挿通されるのに十分な開口面積および形状を有している。これにより、支持部180は、開口186と、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれとが干渉することなく、弾性体120を開口186に挿通できる。
【0089】
弾性体120がなす四角柱のそれぞれ角には、弾性体120の振れ回り運動における節の位置において、切り欠き部102が形成されている。弾性体120を切り欠き部102の位置まで開口186に挿通することにより、突出部188のそれぞれを、弾性体120に形成された切り欠き部102に嵌合できる。これにより、支持部180は、弾性体120の長手方向および周方向への移動を係止する。すなわち、支持部180は、突出部188のそれぞれで、弾性体120の4つの角を支持する。
【0090】
図11は、弾性体120を支持する部分のさらに他の構造を示すA−A断面図である。支持部180は、円形の開口186を有する。開口186には、弾性体120が挿通されている。
【0091】
開口186の直径は、弾性体120の断面がなす正方形の対角線より僅かに短い。弾性体120および支持部180は、弾性を有するため、たとえば、弾性体120および支持部180を僅かに変形させながら、弾性体120を開口186に押し込むことにより、弾性体120を開口186に挿通できる。
【0092】
弾性体120がなす四角柱の各側面には、電気機械変換素子132、134、136、138が配置されている。開口186は、弾性体120だけでなく、電気機械変換素子132、134、136、138も挿通されるのに十分な開口面積および形状を有している。これにより、支持部180は、開口186と、電気機械変換素子132、134、136、138のそれぞれとが干渉することなく、弾性体120を開口186に挿通できる。
【0093】
弾性体120がなす四角柱のそれぞれ角には、弾性体120の振れ回り運動における節の位置において、切り欠き部102が形成されている。弾性体120を切り欠き部102の位置まで開口186に挿通することにより、弾性体120に形成された切り欠き部102のそれぞれを、開口186の周縁部に嵌合できる。これにより、支持部180は、弾性体120の長手方向および周方向への移動を係止する。すなわち、支持部180は、開口186の周縁部で、弾性体120の4つの角を支持する。
【0094】
図12は、撮像装置400の構造を模式的に示す縦断面図である。撮像装置400は、レンズユニット410およびボディ460を含む。レンズユニット410は、マウント450を介して、ボディ460に対して着脱自在に装着される。レンズユニット410は、光学部材、光学部材を収容する鏡筒430、および、鏡筒430の内部に設けられて光学部材420を駆動する振動アクチュエータ100を備える。
【0095】
光学部材は、図中で左側にあたる入射端から順次配列された、フロントレンズ422、コンペンセータレンズ424、フォーカシングレンズ426およびメインレンズ428を含む。フォーカシングレンズ426およびメインレンズ428の間には、アイリスユニット440が配置される。
【0096】
振動アクチュエータ100は、支持部180、190において、螺子等の固定部材によって、鏡筒430の内部に固定される。支持部180、190は、弾性体120の角で、弾性体120を支持する。これにより、弾性体120の振動を鏡筒430に伝達させることがなく、弾性体120の振動の撮像装置400への影響を軽減することができる。
【0097】
振動アクチュエータ100は、光軸方向について鏡筒430の中程にあって相対的に小径なフォーカシングレンズ426の下方に配置される。これにより、鏡筒430の径を拡大することなく、振動アクチュエータ100は鏡筒430内に収容される。振動アクチュエータ100は、たとえば輪列を介してフォーカシングレンズ426を光軸方向に前進または後退させる。
【0098】
ボディ460は、メインミラー540、ペンタプリズム470、接眼系490を含む光学部材を収容する。メインミラー540は、レンズユニット410を介して入射した入射光の光路上に傾斜して配置される待機位置と、入射光を避けて上昇する撮影位置(図中に点線で示す)との間を移動する。
【0099】
待機位置にあるメインミラー540は、入射光の大半を、上方に配置されたペンタプリズム470に導く。ペンタプリズム470は、入射光の鏡映を接眼系490に向かって出射するので、フォーカシングスクリーンの映像を接眼系490から正像として見ることができる。入射光の残りは、ペンタプリズム470により測光ユニット480に導かれる。測光ユニット480は、入射光の強度およびその分布等を測定する。
【0100】
なお、ペンタプリズム470および接眼系490の間には、ファインダ液晶494に形成された表示画像を、フォーカシングスクリーンの映像に重ねるハーフミラー492が配置される。表示画像は、ペンタプリズム470から投影された画像に重ねて表示される。
【0101】
また、メインミラー540は、入射光の入射面に対する裏面にサブミラー542を有する。サブミラー542は、メインミラー540を透過した入射光の一部を、下方に配置された測距ユニット530に導く。これにより、メインミラー540が待機位置にある場合は、測距ユニット530が被写体までの距離を測定する。なお、メインミラー540が撮影位置に移動した場合は、サブミラー542も入射光の光路から退避する。
【0102】
さらに、入射光に対してメインミラー540の後方には、シャッタ520、光学フィルタ510および撮像素子500が順次配置される。シャッタ520が開放される場合、その直前にメインミラー540が撮影位置に移動するので、入射光は直進して撮像素子500に入射される。これにより、入射光の形成する画像が電気信号に変換される。
【0103】
撮像装置400において、レンズユニット410とボディ460とは電気的にも結合されている。従って、たとえば、ボディ460側の測距ユニット530が検出した被写体までの距離の情報に基づいて振動アクチュエータ100の回転を制御することにより、オートフォーカス機構を形成できる。また、測距ユニット530が振動アクチュエータ100の動作量を参照することにより、フォーカスエイド機構を形成することもできる。
【0104】
なお、振動アクチュエータ100によりフォーカシングレンズ426を移動させる場合について例示したが、アイリスユニット440の開閉、ズームレンズのバリエータレンズの移動等を振動アクチュエータ100で駆動できることはいうまでもない。この場合も、電気信号を介して測光ユニット480、ファインダ液晶494等と情報を参照し合うことにより、振動アクチュエータ100は、露出の自動化、シーンモードの実行、ブラケット撮影の実行等に寄与する。
【0105】
以上のように、振動アクチュエータ100は、撮影機、双眼鏡等の光学系において、合焦機構、ズーム機構、手振れ補正機構等の駆動に好適に使用できる。さらに、精密ステージ、より具体的には電子ビーム描画装置、検査装置用各種ステージ、バイオテクノロジ用セルインジェクタの移動機構、核磁気共鳴装置の移動ベッド等の動力源に使用されうるが、用途がこれらに限られないことはいうまでもない。
【0106】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることは当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】一実施形態に係る振動アクチュエータ100の分解斜視図である。
【図2】振動アクチュエータ100の縦断面図である。
【図3】振動アクチュエータ100の動作を説明する概念図である。
【図4】弾性体120を支持する部分の構造を示すA−A断面図である。
【図5】弾性体120を支持する部分の他の構造を示すA−A断面図である。
【図6】他の実施形態に係る振動アクチュエータ100の分解斜視図である。
【図7】図6に示した振動アクチュエータ100の縦断面図である。
【図8】図6に示した振動アクチュエータ100の動作を説明する概念図である。
【図9】弾性体120を支持する部分の構造を示すA−A断面図である。
【図10】弾性体120を支持する部分の他の構造を示すA−A断面図である。
【図11】弾性体120を支持する部分のさらに他の構造を示すA−A断面図である。
【図12】撮像装置400の構造を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0108】
100 振動アクチュエータ
102、104 切り欠き部
110、160 軸受け部材
111、161 フランジ部
112、162 ネジ山部
114、164 軸受け部
118 肩部
119 切り欠き部
120 弾性体
122、222 ネジ溝部
121 駆動面
130 電気機械変換部
132、134、136、138 電気機械変換素子
140 回転体
141 被駆動部
142 回転体接触部
144 回転伝達軸
150 付勢部材
170 出力ギア
172 軸穴
180、190 支持部
182、184、192、194 取り付け穴
186、196 開口
188 突出部
400 撮像装置
410 レンズユニット
422 フロントレンズ
424 コンペンセータレンズ
426 フォーカシングレンズ
428 メインレンズ
430 鏡筒
440 アイリスユニット
450 マウント
460 ボディ
470 ペンタプリズム
480 測光ユニット
490 接眼系
492 ハーフミラー
494 ファインダ液晶
500 撮像素子
510 光学フィルタ
520 シャッタ
530 測距ユニット
540 メインミラー
542 サブミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角柱の弾性体と、
前記弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、
前記弾性体に接触して、前記振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、
前記弾性体の角で、前記弾性体を支持する支持部と
を備える振動アクチュエータ。
【請求項2】
前記支持部は、前記振れ回り振動による前記弾性体の曲げに対して弾性を有する請求項1に記載の振動アクチュエータ。
【請求項3】
前記支持部は、前記弾性体を挿通させる開口を有する板状部材である請求項2に記載の振動アクチュエータ。
【請求項4】
前記弾性体は、前記弾性体の角に切り欠き部を有し、
前記支持部は、前記開口の周縁部の少なくとも一部を前記切り欠き部に嵌合させることによって、前記弾性体の角で、前記弾性体を支持する請求項3に記載の振動アクチュエータ。
【請求項5】
前記電気機械変換部は、前記角柱の各側面に配置された複数の電気機械変換素子を有し、
前記開口は、前記弾性体および前記複数の電気機械変換素子を挿通させ、
前記切り欠き部は、一の前記電気機械変換素子と他の前記電気機械変換素子との間の、前記弾性体の角に設けられる請求項4に記載の振動アクチュエータ。
【請求項6】
前記弾性体は、四角柱であり、
前記支持部は、前記弾性体の4つの角で、前記弾性体を支持する請求項5に記載の振動アクチュエータ。
【請求項7】
前記開口は、四角形であり、
前記開口の四角形の辺は、前記支持部が前記弾性体を支持する位置における前記弾性体の断面の四角形の辺より長く、かつ前記支持部が前記弾性体を支持する位置における前記弾性体の断面の四角形の対角線より短く、
前記支持部は、前記開口の四角形の辺で、前記弾性体の断面の四角形の角を支持する請求項6に記載の振動アクチュエータ。
【請求項8】
光学部材、前記光学部材を収容するレンズ鏡筒、および前記レンズ鏡筒の内部に設けられて、前記光学部材を駆動する振動アクチュエータを備えるレンズユニットであって、
前記振動アクチュエータは、
角柱の弾性体と、
前記弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、
前記弾性体に接触して、前記振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、
前記弾性体の角で、前記弾性体を支持する支持部と
を有するレンズユニット。
【請求項9】
光学部材、前記光学部材を収容するレンズ鏡筒、および前記レンズ鏡筒の内部に設けられて、前記光学部材を駆動する振動アクチュエータを備える撮像装置であって、
前記振動アクチュエータは、
角柱の弾性体と、
前記弾性体を振れ回り振動させる電気機械変換部と、
前記弾性体に接触して、前記振れ回り振動による駆動力を受けて回転する回転体と、
前記弾性体の角で、前記弾性体を支持する支持部と
を有する撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−124804(P2009−124804A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293741(P2007−293741)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】