説明

携帯通信システム及び携帯通信方法

【課題】周囲に騒音等が予想される環境下でも、確実に通信相手側と通話等の通信が可能となったこと知らせることができる携帯通信システム及び携帯通信方法を提供すること。
【解決手段】発信側装置2と受信側装置3とを有し、発信側装置の通信接続要請信号に対応して、受信側装置が通信可能となるための通信応答信号を発信し、受信側装置が、応答信号を送信すると、この応答信号に対応して発信側装置の報知部15が動作すると共に、報知部の動作終了後に、発信側装置と受信側装置との通信が接続状態となる携帯通信システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電話機等の携帯通信システム及び携帯通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、固定式電話機においては、オンフックボタンを備えた電話機が採用されている(例えば、特許文献1)。
このような電話機では、電話機の発信者が、このオンフックボタンを押し、ダイヤルを回すと、発信者の固定電話機のスピーカから、相手方の電話機における呼び出し音が流れ、相手方が受話器を取り、通話接続が可能となると、相手の声が発信者の固定電話機のスピーカから流れる構成となっている。
このため、電話の発信者は、相手方が電話の受話器を取り通話が接続状態となるまで受話器を耳に当てて待つことなく、相手の声が電話機のスピーカから流れてくるまで、他の仕事等をすることができ、使用者にとって使い易い構成となっている。
【特許文献1】特開平7−79276号公報(要約等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、近年、携帯電話の普及により、多くのビジネスマンは仕事上の連絡等に携帯電話を使用する傾向となっている。このようなビジネスマンが、携帯電話でダイヤルをした後、相手方が電話機に出るまで、携帯電話機を耳に当てて待つことは、固定電話機の場合に増して不便となっている。
つまり、ビジネスマンが携帯電話機で連絡する際は、屋外で移動中の場合等が多く、その際、携帯電話機を耳に当て相手方が電話機に出るのを待つことは、周囲の状況から困難である場合が多い。
また、屋外は、周囲の騒音等が多く、相手が電話に出た声が騒音等で良く聞こえず通話し難いという問題があった。
このような、状況下で使用される携帯電話機に上記のオンフック式のシステムを採用しても、相手方の声が周囲の騒音等にかき消され機能しないという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は、周囲に騒音等が予想される環境下でも、確実に通信相手側と通話等の通信が可能となったこと知らせることができる携帯通信システム及び携帯通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、本発明によれば、発信側装置と、受信側装置と、を有し、前記発信側装置の通信接続要請信号に対応して、前記受信側装置が通信可能となるための通信応答信号を発信する携帯通信システムであって、前記受信側装置が、前記応答信号を送信すると、この応答信号に対応して前記発信側装置の報知部が動作すると共に、前記報知部の動作終了後に、前記発信側装置と前記受信側装置との通信が接続状態となることを特徴とする携帯通信システムにより達成される。
【0006】
前記構成によれば、受信側装置が、応答信号を送信すると、この応答信号に対応して発信側装置の報知部が動作するので、発信側装置の操作者は、発信側装置が受信側装置と接続可能となったことが分かる構成となっている。
したがって、発信側装置である例えば、発信側電話機の操作者は、受信側電話機の電話番号等を入力した後、その電話機を操作者の耳に当て続けなくても、この報知部の動作によって電話通信が接続可能状態になったことを知ることができる。このため、発信側電話機に受信側電話機の電話番号を入力した後は、相手が電話に出るまでの間、他の作業等をすることができる。
また、携帯通信機である例えば、携帯電話機を屋外の騒音下で使用する場合で、相手側の声を電話機を介して聞き難い場合であっても、操作者は報知部の動作で、相手側が電話に出たことを知るので、確実に相手が電話に出たことが分かる。
【0007】
ところで、発信側電話機の報知部である例えば、振動部が動作している間は、発信側電話機全体に振動が生じ、その振動が生じている間に、相手側が電話機で通話等すると、騒音等により円滑な通話が妨げられるおそれがある。
そのため、前記構成では、報知部の動作終了後に、発信側装置と受信側装置との通信が接続状態としている。このように、発信側装置である例えば、発信側電話機で報知部が動作している間は、受信側装置である例えば、受信側電話機と発信側電話機とは通話可能な接続状態とならないので、振動部の騒音等により円滑な通話が妨げられない構成となっている。
【0008】
好ましくは、前記発信側装置は、前記報知部動作時間情報を有し、前記報知部は、前記報知部動作時間情報に基づき動作し、前記受信側装置は、前記応答信号に対応して前記発信側装置と前記受信側装置とを通信状態とする交換装置に接続され、前記交換装置は、前記報知部動作時間情報を有し、前記交換装置は、前記応答信号及び前記報知部動作時間情報に基づいて、前記発信側装置と前記受信側装置とを接続状態するか否かを判断する接続可否判断部を有することを特徴とする携帯通信システムである。
【0009】
前記構成によれば、発信側装置は、報知部動作時間情報を有し、報知部は、報知部動作時間情報に基づき動作している。このため、発信側装置である例えば、発信側の電話機の報知部である例えば、振動部が振動する時間は、報知部動作時間情報として管理され、この報知部動作時間情報の時間だけ振動部が振動する。
また、前記構成によれば、受信側装置は、応答信号に対応して発信側装置と受信側装置とを通信状態とする交換装置に接続されている。
つまり、受信側装置である例えば、受信側電話機は、交換装置を介して発信側装置である例えば、発信側電話機と接続される構成となっており、前記構成では、この接続は、受信側の電話機(受信側装置)の応答信号に対応して実施される構成となっている。
このような構成において、交換装置は、受信側装置の報知部の動作時間である報知部動作時間情報を有している。そして、交換装置は、上述の応答信号及びこの報知部動作時間情報に基いて、発信側装置と受信側装置とを接続状態するか否かを判断する接続可否判断部を有している。
したがって、交換装置の接続可否判断部は、受信側装置から応答信号を受け取った場合でも、発信側装置と通信接続を行うことなく、報知部動作時間が経過した後、接続動作を実施するように判断することができる。
したがって、交換装置は、発信側装置で振動部等の報知部が動作している時間(報知部動作時間)内は、受信側装置と発信側装置を接続しないので、受信側装置である例えば、受信側の電話機に振動等の騒音等が混入等することを未然に防止することができる。
【0010】
好ましくは、前記発信側装置は、前記報知部動作時間情報を有し、前記報知部は、前記報知部動作時間情報に基づき動作し、前記発信側装置は、前記報知部の動作終了を検知し、その動作終了情報を発信する動作検知発信部を有し、前記受信側装置は、前記応答信号に対応して前記発信側装置と前記受信側装置とを通信状態とする交換装置に接続され、前記交換装置は、前記応答信号及び前記動作終了情報に基づいて、前記発信側装置と前記受信側装置とを接続状態するか否かを判断する接続可否判断部を有することを特徴とする携帯通信システムである。
【0011】
前記構成によれば、発信側装置は、報知部の動作終了を検知し、その動作終了情報を発信する動作検知発信部を有し、交換装置は、応答信号及び動作終了情報に基づいて、発信側装置と受信側装置とを接続状態するか否かを判断する接続可否判断部を有している。
このように、交換装置は、動作終了情報で発信側装置の報知部の動作終了を知ることができる。したがって、この動作終了情報に基づいて発信側装置と受信側装置とを接続状態にするか否かを判断することで、報知部の動作時に接続状態とすることを確実に防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、前記報知部が振動部であることを特徴とする携帯通信システムである。
【0013】
前記報知部が振動部であるため、例え屋外の騒音下であっても、受信側装置が接続状態にあることを操作者に確実に伝えることができる。
【0014】
前記課題は、本発明によれば、発信側装置と受信側装置とを有し、前記発信側装置の通信接続要請信号に対応して、前記受信側装置が通信状態となるための通信応答信号を発信する携帯通信方法であって、前記受信側装置が、前記応答信号を送信すると、この応答信号に対応して前記発信側装置の報知部が動作すると共に、前記報知部の動作終了後に、前記発信側装置と前記受信側装置との通信が接続状態となることを特徴とする携帯通信方法により達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、周囲に騒音等が予想される環境下でも、確実に通信相手側と通話等の通信が可能となったこと知らせることができる携帯通信システム及び携帯通信方法を提供できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯通信システムである例えば、携帯電話システム1を示す概略図である。
図1に示すように、携帯電話システム1は、発信側装置である例えば、発信側電話機2、受信側装置である例えば、相手側電話機3を有している。これら発信側電話機2及び相手側電話機3は、それぞれ基地局4、5を介して、発信側電話機の交換機6、交換装置である例えば、相手側電話機の交換機7に接続されている。
また、これら発信側電話機の交換機6と相手側電話機の交換機7とは、相互に接続されている。
つまり、本実施の形態の携帯電話システム1は、携帯用の電話機を用いた通話システムであり、移動可能な携帯用の電話機である発信側電話機2及び相手側電話機3は、移動先の基地局4、5を介して常に、発信側電話機の交換機6及び相手側電話機の交換機7とそれぞれ接続可能な構成となっている。
このため、発信側電話機2は移動しながら、移動中の相手側電話機3と電話通信が可能な構成となっている。
【0018】
図2は、図1の発信側電話機2及び相手側電話機3の主なハードウエア構成等を示す概略ブロック図である。
図2に示す発信側電話機2等は、コンピュータを有している。具体的には、コンピュータは、バス11を有し、このバス11にCPU(Central Processing Unit)12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14等が接続されている。
また、バス11には、電話装置10、振動部(報知部)である例えば、バイブレータ装置15、計時装置であるタイマ16等が接続されている。
バイブレータ装置15は、発信側電話機2等を振動させる機能を発揮させる構成となっている。
【0019】
すなわち、このバス11はすべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部パスである。
CPU12は所定のプログラムの処理を行う他、バス11に接続されたROM14等を制御している。ROM14は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
RAM13は、プログラム処理中のメモリの内容を対比したり、プログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。
【0020】
図3は、図1の発信側電話機の交換機6及び相手側電話機の交換機7の主なハードウエア構成等を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、発信側電話機の交換機6等は、発信側電話機2等と同様にバス11、CPU12、RAM13、ROM14及びタイマ16を有していると共に、受信側電話機2や相手側電話機3等を管理等する交換装置17が備えられている。
【0021】
図4及び図5は、本実施の形態にかかる携帯電話システム1の主なソフトウエア構成等を示す概略ブロック図である。また、図6及び図7は、本実施の形態にかかる携帯電話システム1の動作等を示す概略フローチャートである。
以下、図6等のフローチャートを説明しつつ、併せて図4等のブロック図を説明する。
先ず、図6のST1で示すように、発信側電話機2から、電話をしようとする相手側電話機3の電話番号が入力される。
具体的には、図1の発信側電話機2で、相手側電話機3の電話番号を入力すると、図4の送信プログラム21が動作し、その信号は基地局4を介して発信側電話機の交換機6に達する。
この相手側電話機3の電話番号に対応する信号が、通信接続要請信号の一例となっている。
次に、ST2に進み、相手側電話機3の相手側電話機の交換機7に対する接続が完了した否かを判断する。
具体的には、発信側電話機の交換機6は、当該電話番号の相手側電話機3の相手側電話機の交換機7を探し、接続しようとし、この動作は図5の発信側電話機の交換機6及び相手側電話機の交換機7の電話機及び交換機接続プログラム61により実行される。
【0022】
次に、ST2で、相手側電話機の交換機7に対する接続が完了した場合は、ST3へ進む。ST3では、相手側電話機3で「呼び出し信号」が流れ、発信側電話機2では「呼び 出し音」が流れる。
次に、ST4へ進む。ST4では、相手側電話機の交換機7が相手側電話機3からの「応答信号」を受信したか否かを判断する。
具体的には、相手側電話機3の通話ボタン等を、その操作者が押し、応答すると、相手側電話機3から相手側電話機の交換機7に対して「応答信号」が送信される。
また、この動作は、図4の応答信号発信プログラム31により実行される。
なお、この「応答信号」が、通信応答信号の一例となっている。
【0023】
従来の携帯電話機等では、受信側電話機の交換機が、この「応答信号」を受信側電話機から受信すると直ちに発信側電話機2との通話接続処理を実行し、通話状態としていた。
この点、本実施の形態では、この「応答信号」は、相手側電話機3の操作者が通話ボタン等を押下したこと、つまり、固定電話機でいう受話器を取り上げた状態であることから、この「応答信号」を受信したタイミングで、その事実を発信側電話機2に報知する構成となっている。
また、この報知は、発信側電話機2のバイブレータ装置15が動作し、振動で発信側電話機2の操作者に知らせる構成となっているため、同時に騒音等が発生する。
このため、相手側電話機の交換機6は、この振動が終了するまで、上記通話接続を待つ構成となっている。
【0024】
以下、図6のフローチャートに沿って詳細に説明する。
先ず、発信側電話機2の動作から説明する。ST5では、発信側電話機の交換機6は、相手側電話機の交換機7から受信した「応答信号」を発信側電話機2に送信する。
具体的には、図5の応答信号受信判断プログラム71が「応答信号」を受信したと判断すると、応答信号送信プログラム72が動作し、「応答信号」又は「応答信号を受信した事実に関する信号」を発信側電話機の交換機6に送信する。
すると、発信側電話機の交換機6は、この「応答信号」等を基地局4を介して発信側電話機2に送信する。
これにより、発信側電話機2は、相手側電話機3の操作者が電話機の通話ボタン等を押したことが分かることになる。
【0025】
次に、ST6へ進む。ST6では、発信側電話機2のバイブレータ装置15が動作し、振動が生じ、発信側電話機2の操作者に、相手側電話機3の操作者が電話機の通話ボタン等を押したことを知らせることとなる。
具体的には、図4の応答信号の受信プログラム22が動作し、発信側電話機の交換機6から「応答信号」等を受信したか否かを判断する。そして、受信したと判断した場合は、バイブレータ装置制御プログラム23が動作し、発信側電話機2を振動させる。
このように、受信側装置(相手側電話機3)が「応答信号」を送信すると、この応答信号に対応して発信側装置(発信側電話機2)の報知部(バイブレータ装置15)が動作する構成となっている。
【0026】
次に、ST7へ進む。ST7では、図2のタイマ16がカウントを開始する。具体的には、この動作は、図4のタイマ制御プログラム24が実行する。
次に、図7のST8へ進み、タイマ16が0.5秒経過したか否かを判断する。
具体的には、図4のタイマ経過時間判断プログラム25が、タイマ経過時間データ26(例えば、0.5秒)を参照して実行する。
この動作によって、発信側電話機2の操作者に、相手側電話機3の操作者が電話機の通話ボタン等を押したことを知らせるに必要な報知時間を確保している。
なお、タイマ経過時間データ26が、報知部動作時間情報の一例である。また、報知部(バイブレータ装置15)は、このタイマ経過時間データ26に基づいて動作する構成となっている。
また、本実施の形態で、「0.5秒」としたのは、以下の理由からである。実際、相手側電話機3の操作者が手でボタン等を操作し、電話機を耳に当てるまでの時間が「0.5秒」程度である。このため、「0.5秒」間通話ができなくても、相手側電話機3の操作者にとっては、通話開始が遅いとは感じない時間となっている。
【0027】
ST8で、タイマ16が、0.5秒経過した場合は、ST9へ進み、発信側電話機2のバイブレータ装置15の振動動作を終了させる。具体的には、タイマ制御プログラム24が実行する。
一方、相手側電話機の交換機7は、以下のように動作する。すなわち、図6のST10に示すように、相手側電話機の交換機7のタイマ16がカウントを開始する。
具体的には、相手側電話機の交換機7が、相手側電話機3から「応答信号」を受信したタイミングでカウントを開始する。
この動作は、図5のタイマ制御プログラム73が実行する。
また、このカウントは図6もST7とほぼ同じタイミングとなる。
【0028】
次にST11で、タイマ16が、0.5秒経過したか否かを判断する。
この動作は、図5のタイマ経過時間判断プログラム74が、タイマ経過時間データ75(例えば、0.5秒)を参照して判断する。
この0.5秒は、上述した発信側電話機2でバイブレータ装置15が動作している時間、すなわち、図4のタイマ経過時間データ26と同様である。
このタイマ経過時間判断プログラム73が接続可否判断部の一例であり、タイマ経過時間データ74が、報知部動作時間情報の一例である。
その後、ST12で、相手側電話機の交換機7が発信側電話機2と相手側電話機3との通話接続を実行する。具体的には、図5の通話接続実行プログラム76が実行する。
このように、交換装置(相手側電話機の交換機7)は、「応答信号」及び報知部動作時間情報8(タイマ経過時間データ74)に基づいて、発信側装置(発信側電話機2)と受信側装置(相手側電話機3)とを接続状態とするか否かを判断する接続可否判断部(タイマ経過時間判断プログラム73)を有する構成となっている。
また、ST10及びST11の工程を経ることで、発信側電話機2でバイブレータ装置15が動作している間は、発信側電話機2と相手側電話機3とは通話接続されず、バイブレータ装置15の動作が終了後に通話できる構成となっている。
したがって、バイブレータ装置15が動作し、その振動等の騒音等が発生している間に通話することで、通話し難い等の事態が発生することを未然に防ぐことができる。
【0029】
また、本実施の形態によれば、発信側電話機2の操作者は、相手側電話機3の電話番号を入力して、その信号を送信すれば、その後、相手が電話に出るまで、発信側電話機2を操作者の耳に当て続ける必要はなく、バイブレータ装置15が動作し、発信側電話機2が振動したときに、通話を開始すればよいので、時間を有効に利用することができる。
また、携帯電話の場合は、屋外の騒音下が使用することが多く、相手が電話に出たことを電話機から聞こえてくる声のみで判断するのが困難な場合が多い。この点、本実施の形態では、振動で報知するので、相手が電話に出たことを確実に知ることができる。
【0030】
また、本実施の形態では、発信側電話機2の操作者は、相手側電話機3の操作者が電話に出るまで、自己の受信側電話機を、耳に当て続けて、相手が出たことを確認する必要がないため、発信側電話機2の操作者の手に負担がかからない構成となっている。
また、本実施の形態では、発信側電話機2で通話可能状態に移行するまで、注意深く発信側電話機2からの呼び出し音を聞く必要がないため、特に歩行中などは、注意力が保たれ安全を確保することができる。
さらに、呼び出し中、発信側電話機2を直接身体に当接させる必要がないため、電話機から発生する電磁波から操作者の身体を守ることもできる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話システムの主な動作等を示すフローチャートである。本実施の形態に係る携帯電話システムの多くの構成は、上述の第1の実施の形態に係る携帯電話システム1と同様であるため、同様な構成は、同一符号等として、説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態のST10及びST11が存在しない点で上述の第1の実施の形態と相違する。
つまり、本実施の形態の相手側電話機の交換機7は、発信側電話機2でバイブレータ装置15が動作する時間をカウントしない構成となっている。
その代わりに、第1の実施の形態に存在しない、図8のST21が設けられている。
すなわち、図7のST9で発信側電話機2がバイブレータ装置15の動作を終了すると、発信側電話機2がバイブレータ装置15の振動動作の終了信号を発信側電話機の交換機6を介して相手側電話機の交換機7に送信する構成となっている。
そして、相手側電話機の交換機7が、この振動動作の終了信号を受信すると、図7のST12で示すように、相手側電話機3と発信側電話機2との通話接続を開始する構成となっている。
具体的には、この動作は、発信側電話機2の振動動作終了プログラム(図示せず)が動作して、振動動作の信号を送信し、この信号を受信した相手側電話機の交換機7は、通話接続実行プログラム76が実行して通話接続を開始する構成となっている。
この振動動作終了プログラムが動作検知発信部の一例となっている。
【0032】
このように構成することで、相手側電話機の交換機7は、発信側電話機2におけるバイブレータ装置15の振動時間をタイマでカウントする必要がないので、製造コストを削減することができる。
また、上述の振動動作の終了信号を発信側電話機2が受信するので、発信側電話機2におけるバイブレータ装置15の振動終了時間を確実に把握することができ、通話時に振動等の騒音等が混入することを確実に防止することができる。
【0033】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
なお、本実施の形態では、相手側電話機3の通話状態を例に説明したが、他に留守電、着信拒否、圏外通知等のメッセージを発信側電話機2で受信する場合でも、同様に適用することができる。
すなわち、一定時間内に相手側電話機2から応答信号が発信されない場合で、相手側電話機の交換機7内の留守番電話機能が働く場合は、この留守番電話機能が動作したタイミングでバイブレータ装置15が動作する構成としても構わない。
また、応答信号や留守番電話機能の動作に限らず、相手側電話機3の着信拒否メッセージや圏外通知を相手側電話機の交換機7が発信側電話機2に送る場合も同様にバイブレータ装置15を動作させても構わない。さらに、相手側電話機2が通話中である場合も所定時間経過後、同様にバイブレータ装置15を動作させても構わない。
さらに、上述の実施の形態で、発信側電話機2が電話番号を入力し、発信した後、相手側電話機3から「応答信号」来るまで、すなわち、バイブレータ装置15が振動するまでの間、LEDが光る構成としてもよい。
この場合は、保留中であることを発信側電話機2の操作者に明確に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施の形態に係る携帯通信システムである例えば、携帯電話システムを示す概略図である。
【図2】図1の発信側電話機及び相手側電話機の主なハードウエア構成等を示す概略ブロック図である。
【図3】図1の発信側電話機の交換機及び相手側電話機の交換機の主なハードウエア構成等を示す概略ブロック図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる携帯電話システムの主なソフトウエア構成等を示す概略ブロック図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる携帯電話システムの他の主なソフトウエア構成等を示す概略ブロック図である。
【図6】第1の本実施の形態にかかる携帯電話システムの動作等を示す概略フローチャートである。
【図7】第1の実施の形態にかかる携帯電話システムの動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る携帯電話システムの主な動作等を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1・・・携帯電話システム、2・・・発信側電話機、3・・・相手側電話機、4、5・・・基地局、6・・・発信側電話機の交換機、7・・・相手側電話機の交換機、10・・・電話装置、11・・・バス、12・・・CPU、13・・・RAM、14・・・ROM、15・・・バイブレータ装置、16・・・タイマ、17・・・交換装置、21・・・送信プログラム、22・・・応答信号の受信プログラム、23・・・バイブレータ装置制御プログラム、24・・・タイマ制御プログラム、25・・・タイマ経過時間判断プログラム、26・・・タイマ経過時間データ、31・・・応答信号発信プログラム、61・・・電話機及び交換機接続プログラム、71・・・応答信号受信判断プログラム、72・・・応答信号送信プログラム、73・・・タイマ制御プログラム、74・・・タイマ経過時間判断プログラム、75・・・タイマ経過時間データ、76・・・通話接続実行プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信側装置と、受信側装置と、を有し、
前記発信側装置の通信接続要請信号に対応して、前記受信側装置が通信可能となるための通信応答信号を発信する携帯通信システムであって、
前記受信側装置が、前記応答信号を送信すると、この応答信号に対応して前記発信側装置の報知部が動作すると共に、
前記報知部の動作終了後に、前記発信側装置と前記受信側装置との通信が接続状態となることを特徴とする携帯通信システム。
【請求項2】
前記発信側装置は、前記報知部動作時間情報を有し、
前記報知部は、前記報知部動作時間情報に基づき動作し、
前記受信側装置は、前記応答信号に対応して前記発信側装置と前記受信側装置とを通信状態とする交換装置に接続され、
前記交換装置は、前記報知部動作時間情報を有し、
前記交換装置は、前記応答信号及び前記報知部動作時間情報に基づいて、前記発信側装置と前記受信側装置とを接続状態するか否かを判断する接続可否判断部を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯通信システム。
【請求項3】
前記発信側装置は、前記報知部動作時間情報を有し、
前記報知部は、前記報知部動作時間情報に基づき動作し、
前記発信側装置は、前記報知部の動作終了を検知し、その動作終了情報を発信する動作検知発信部を有し、
前記受信側装置は、前記応答信号に対応して前記発信側装置と前記受信側装置とを通信状態とする交換装置に接続され、
前記交換装置は、前記応答信号及び前記動作終了情報に基づいて、前記発信側装置と前記受信側装置とを接続状態するか否かを判断する接続可否判断部を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯通信システム。
【請求項4】
前記報知部が振動部であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の携帯通信システム。
【請求項5】
発信側装置と受信側装置とを有し、
前記発信側装置の通信接続要請信号に対応して、前記受信側装置が通信状態となるための通信応答信号を発信する携帯通信方法であって、
前記受信側装置が、前記応答信号を送信すると、この応答信号に対応して前記発信側装置の報知部が動作すると共に、
前記報知部の動作終了後に、前記発信側装置と前記受信側装置との通信が接続状態となることを特徴とする携帯通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−164799(P2009−164799A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340714(P2007−340714)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(596055187)
【Fターム(参考)】