撮像装置及びその制御方法及びプログラム及び記憶媒体
【課題】ファインダー性能やAE性能を低下させることなく、絞りを駆動する際に発生する画質劣化を防ぐ。
【解決手段】被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子と、撮像素子から出力される画像信号を表示する表示部と、撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御部と、撮像素子の駆動タイミングを調節することにより撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御部とを備え、撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に画像信号を前記表示部に表示させるライブビュー動作において、絞りの開き量を変化させる場合に、絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正する。
【解決手段】被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子と、撮像素子から出力される画像信号を表示する表示部と、撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御部と、撮像素子の駆動タイミングを調節することにより撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御部とを備え、撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に画像信号を前記表示部に表示させるライブビュー動作において、絞りの開き量を変化させる場合に、絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置における露出制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラは、撮影時に被写体を捕らえるためのファインダーを備えている。ファインダーには大きく分けて光学的なものと電子式のものがある。
【0003】
光学ファインダーには、一眼レフカメラのように撮影時に使用する光学レンズを通過した光をミラーで屈曲させるものや、撮影用の光学レンズを通さずにファインダー窓から被写体を覗き見るものがある。
【0004】
電子式ビューファインダーは、近年のコンパクトデジタルスチルカメラに多く採用されている方式である。具体的には、撮影用レンズを通過した光を、撮影時に使用するCCDなどの撮像素子にて受光し、光電変換した画像信号をLCDなどの画像表示装置に逐次表示する構成となっている。この構成では、ファインダー時と撮影時で同じ撮像素子を使用することができるため、ファインダー視野率100%を実現することが容易となり、視野率の点では光学ファインダーに比べてメリットが大きいとされている。
【0005】
撮像素子は、静止画撮影用途、ファインダー用途に留まらない。即ち、被写体へのピント合わせを自動で行うAF(Auto Focus Control)用途、被写体の明るさを適正に制御するAE(Auto Exposure Control)用途にも使用される。AF時、AE時にはそれぞれ、撮像素子を測距センサー、測光センサーとして使用することとなる。このように撮像素子は、ファインダーとしてユーザーに被写体像をモニタリングさせるとともに、AF、AEといった撮影準備作業も両立させて行う場合がある。
【0006】
カメラには露出を決める要素として、入射光量を調節する絞り、露光する時間を調節するシャッターが備えられている。デジタルカメラの場合、撮像素子で受光した後に撮像素子から読み出した信号レベルを増幅/減衰させるゲイン制御もある。特に、絞り機構は露出を変更するだけでなく、絞り径により被写界深度が変わることを考慮しなければならない。絞りは、絞り径が大きいほど被写界深度が浅くなり、絞り径が小さいほど被写界深度が深くなる。この光学的な現象を考慮し、AF時には絞りを開放寄りにして静止画撮影時よりも深度が浅い状態でピント合わせをしておくことで、深度による静止画撮影時のピントずれを防止できることが知られている。
【0007】
AF、AE機能を備えたカメラでは、ユーザーが撮影を指示するレリーズボタンが2段階となっているのが一般的となっている。即ち、ボタンを浅く押下することでAF、AEが行われて静止画撮影のためのピント合わせと露出合わせが行われ、ボタンを深く押下することで撮影が開始される仕組みとなっているものが一般的である。以後、レリーズボタンを浅く押下することをSW1動作、深く押下することをSW2動作と呼ぶ。
【0008】
SW1動作においてAFする際、前述のようにAF時には絞りを開放寄りに制御する。AF完了後は、静止画撮影で使用する絞り径にあらかじめ制御しておくことで、SW2押下後に絞り駆動する必要がなくなり、レリーズタイムラグの短縮に効果がある。このように、絞りはメカ機構であるため駆動にはある程度の時間がかかることを前提とし、それを考慮した提案がなされている(特許文献1参照)。
【0009】
さらに、絞り制御にはある程度の時間がかかることから、前述のようにファインダー用途としてユーザーが被写体像をモニタリングしている最中に絞りを駆動すると、絞りが動く途中の劣化画像が画像表示装置に出力されてしまうという問題があった。これを防ぐために絞り駆動中には画像表示装置の画像更新は行わず、絞り駆動前の画像を表示するとした提案がなされている(特許文献2参照)。しかしこの提案では画像更新が一旦停止したように見えるため、被写体の動きをとらえるファインダーとしての用途には適していない解決策である。
【0010】
また、絞りを制御する際の画質劣化をファインダーに見せない、あるいは動画に記録されないように、条件によっては絞りを動かさなくするという提案もなされている(特許文献3参照)。しかしこの提案では、絞りを動かさないようにすることで被写体輝度への追従範囲が狭くなり、AE性能が低下してしまうという問題があった。
【特許文献1】特許第03817563号公報
【特許文献2】特開2006−352905号公報
【特許文献3】特開平11−112865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、静止画撮影用の撮像素子を、ファインダー、AF、AE、動画撮影など様々な用途で単独あるいは同時に使用し、かつ、それぞれの要件に応じて絞りを駆動していくことで、レスポンス良く良好な撮影画像が得られる。しかしカメラ使用者が、ファインダー用途として被写体像を捕らえている最中に、絞り駆動による画質劣化が発生してしまう場合があり、その場合、電子ファインダー性能を大きく損なってしまうという問題があった。
【0012】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファインダー性能やAE性能を低下させることなく、絞りを駆動する際に発生する画質劣化を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備え、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係わる撮像装置は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備え、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段に、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ファインダー性能やAE性能を低下させることなく、絞りを駆動する際に発生する画質劣化を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【0020】
デジタルカメラ100は、被写体像を結像させるためのレンズ10を備えている。図1ではレンズ10は1枚として表現しているが、複数枚のレンズから構成されたレンズユニットを搭載することも可能である。また、レンズ駆動回路42によりレンズ位置を撮影光軸に沿って前後に動かすことで焦点を調節したり、画角を調節することも可能である。さらに、手ブレ補正回路40によりレンズ10を駆動し、手ブレをキャンセルする方向に光軸を移動させることで光学的な手ブレ補正を行う構成とすることも可能である。図1ではレンズを駆動することで手ブレ補正を実現しているが、撮像素子16(本実施形態ではCCD)を移動させることで同様に手ブレを補正することも可能である。レンズ10を含む鏡筒部を繰り出し及び繰り込みさせる方式とし、カメラ未使用時の本体体積を小さくして携帯性を向上させることが可能である。レンズ10を通過した光は絞り14により、その光量を調節することができる。
【0021】
システム制御回路60は、絞り制御情報を絞り駆動回路26に伝達することで、絞り14の開き量を制御することが可能である。システム制御回路60から絞り駆動回路26への制御情報伝達は、シリアル通信やパルス信号などがあり、絞り駆動回路26の仕様に合わせて適した手段をとる。絞り14は、複数枚の羽根から構成された虹彩絞りや、あらかじめ、板に様々な径で穴を打ち抜いた丸絞りがある。システム制御回路60はこれらの絞り14と絞り駆動回路26を用い、被写体輝度が高い場合は絞りを絞って光量を落とすように制御し、被写体輝度が低い場合は絞りを開放にして光を多く取り込むように制御することが可能である。
【0022】
システム制御回路60は、メカニカルシャッターの制御情報をメカニカルシャッター駆動回路28に伝達することで、メカニカルシャッター12を制御することが可能である。静止画撮影時の露光時間は、メカニカルシャッター12の開閉時間により決定され、この時間はシステム制御回路60が時間を判断し、メカニカルシャッター駆動回路28に指示を出す。
【0023】
レンズ10、メカニカルシャッター12、絞り14を通過した光は撮像素子16で受光される。システム制御回路60は、撮像素子制御信号をTG(Timing Generator)24に伝達することで、撮像素子16を制御することができる。システム制御回路60からTG24への制御情報伝達は、シリアル通信やパラレルバス通信などがあり、TG24の仕様に合わせて適した手段をとる。TG24は、システム制御回路60から受信した制御情報をもとに撮像素子16を駆動する。撮像素子16は素子への露光と、露光した信号の読み出し作業を周期的に行っており、この作業はTG24からの駆動信号を基準に行われる。撮像素子16で露光した信号のうち、特定のラインや特定の領域のみを読み出してくることが可能である。これは、TG24から出力される読み出し制御パルスにより読み出し方を変更することで実現できる。システム制御回路60は状況に応じて最適な読み出し方式を決定し、TG24に指示する。例えば、静止画撮影時は高解像度が要求されるため撮像素子16の全画素の信号を読み出し、電子ファインダー時や動画撮影時は30fps/60fpsなどの高いフレームレートが要求されるため特定のラインだけ間引いて読み出す、といった使い分けを行う。
【0024】
またTG24は、撮像素子16の露光時間を制御することが可能である。任意のタイミングで、素子がチャージした電荷を開放するように、TG24から撮像素子16へ駆動信号を出すことでこれを可能としている。
【0025】
撮像素子16から読み出された画像信号は、CDS回路(Correlated Double Sampler)18を通過する。CDS回路18は相関二重サンプリング方式により画像信号のノイズ成分を除去することを主な役割とする。
【0026】
その後、画像信号はPGA回路(Programmable Gain Amplifier)20により、画像信号レベルを減衰/増幅することができる。システム制御回路60は、増幅レベルをPGA20に伝達することで、増幅量を制御することができる。システム制御回路60からPGA20への制御情報伝達は、シリアル通信やパラレルバス通信などがあり、PGA20の仕様に合わせて適した手段をとる。通常、撮像素子16の露出を適正にするには、絞り14で撮像素子16への露光量を適切に設定すると共に、シャッターにより露光時間を適切に設定することで実現される。しかし、PGA20で画像信号を減衰/増幅することで、擬似的に画像信号の露出を変える役割を担うことができる。これは、絞りやシャッター速度と並ぶ撮影時の露出条件の一つとして、感度という概念でユーザーに機能提供することが可能である。
【0027】
画像信号はA/D変換回路(Analog/Digital Converter)22にてアナログ信号からデジタル信号へ変換される。デバイスにより、デジタル信号のビット幅は10ビット、12ビット、14ビットなどがあり、後段の画像処理回路50は、複数種類のビット幅に対応可能である。図1では、CDS回路18、PGA回路20、A/D変換回路22をそれぞれ別のブロックとして表現しているが、一つのICパッケージにこれらの機能を搭載したものを採用することも可能である。
【0028】
A/D変換回路22でデジタル化された画像データは画像処理回路50へ入力される。画像処理回路50は複数のブロックから構成され、さまざまな機能を実現している。
【0029】
撮像素子16はカラーフィルターを通して各画素ごとに特定の色成分を抽出するのが一般的である。A/D変換回路22からの画像データは撮像素子16の画素及びカラーフィルター配置に対応したデータ形式になっている。そのため、輝度成分のみを評価して露出制御を行う自動露出制御(AE:Auto Exposure Control)で使用するには適さない形式である。画像処理回路50は、画像信号から色情報を排除し、輝度情報のみを抜き出す機能を備えている。さらに、画像処理回路50は、撮像素子16から読み出された信号の周波数成分のみを抜き出す機能を備え、自動ピント合わせ制御(AF:Auto Focus)時に使用することができる。また、画像処理回路50は、A/D変換回路22によりデジタル化された画像データのレベルの増減、画像の色効果などを操作する機能を備え、撮影画像の画質を調節するという役割も担っている。
【0030】
A/D変換回路22でデジタル化された画像データは画像処理回路50へ入力されると同時に、一時記憶メモリ30に記憶することができる。一旦、一時記憶メモリ30に記憶した画像データは再度読み出すことができ、システム制御回路60から画像データを参照したり、読み出した画像データを画像処理回路50に入力することが可能である。さらに、画像処理回路50で画像処理した画像データを一時記憶メモリ30に書き戻したり、システム制御回路60から任意のデータを書き込むことも可能である。
【0031】
LCDなどの画像表示装置108に画像データを出力する場合、画像処理回路50で画像処理を行った画像データをVRAM34上に展開しておき、それをD/A変換回路36にてアナログ信号に変換して画像表示装置108に表示する。電子ファインダーを実現する場合は、撮像素子16から読み出される連続した画像を順次画像表示装置108に表示更新していくことで可能となる。ここで、VRAM34の画像を1コマあるいは複数コマのみ更新しないようにすることが可能である。絞り駆動中(絞りが動いている途中)の画質劣化を画像表示装置108に出力しないようにするには、この手段を用いることとなる。VRAM34上に画像データを展開する際、1つの画像データを画像表示装置108に最も大きくなるように、または複数の画像をマルチ画面表示するように、など、様々な表示形態に対応するようにVRAM34上に展開することができる。
【0032】
画像表示装置108には、画像だけでなく任意の情報を単独、もしくは画像と共に表示することが可能である。カメラの状態表示や、ユーザーが選択あるいはカメラが決定したシャッター速度や絞り値、感度情報などの文字情報や、画像処理回路50で測定した輝度分布のようなグラフも表示可能である。情報の表示位置、表示色も任意に選択可能である。これら様々な情報を表示することで、ユーザーインターフェースを実現することが可能となる。また、画像表示装置108には、画像記憶媒体82に記憶されている画像データを表示することも可能である。画像データが圧縮されている場合、圧縮伸張ブロック32で伸張し、VRAM34にデータを展開する。このデータをD/A変換回路34でアナログ信号に変換して出力する。
【0033】
図2は、デジタルカメラ100の外観を示す図である。カメラ前面にはレンズ10が配置され、被写体像をとらえることができる。レンズ10の同一面にストロボユニット90が配置されている。主被写体が暗い場合にストロボユニット90を発光させることで十分な光量を得ることができ、暗い中でも速いシャッター速度を保ち、好適な画像を得ることができる。図2では、レンズ10とストロボユニット90が同一面に配置されているが、これに限定されるものではなく、ストロボ光が主被写体に直接当たることを避けるために、ストロボがカメラ上方に向くように配置することも可能である。
【0034】
カメラ背面には、画像表示装置108が配置されている。前述したように、画像表示装置108には画像のみならず、文字情報やグラフなどを表示することができ、ユーザーとインターフェースをとる重要な部材となっている。近年、デジタルカメラでは電子ビューファインダー(EVF:Electrical ViewFinder)が主流となっており、画像表示装置108に出力される連続画像を参照することで被写体を捕らえ、ファインダーとして使用している。また、従来からの光学ファインダー106を併設する構成とすることも可能である。電子ビューファインダーは、高い視野率を実現し易い、画像表示装置108の大きさによっては被写体を大きく見易い、撮影画像とファインダー画像の画角差(パララックス)が無い、などのメリットがある。その反面、撮像素子16や画像表示装置108を動作させるための電力が必要となり、電池の消耗が懸念される。このため、電池の消耗を避けて多くの撮影枚数が望まれる場合には、電子ビューファインダー機能をOFFし、光学ファインダー106を使用するという使い方も可能である。
【0035】
モード切替スイッチ110は、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モードなどのカメラ動作モードを切り替えることができる。図2では、数モードを切り替え可能な部材として表現しているが、撮影する特定のシーンに最適化した、風景撮影モードや人物撮影モードなどの多くの静止画モードを備えることも可能である。
【0036】
パラメータ選択スイッチ151,153,157,159により、撮影時の撮影条件の選択や、撮影画像再生時のページ送り、カメラの動作設定全般などをユーザーが選択することができる。さらに前述の電子ファインダーのON/OFFを選択することもできる。また、画像表示装置108は画像を表示すると共に、タッチパネルとして入力装置となる構成とすることもできる。
【0037】
カメラ上部にレリーズボタン104が配置されている。レリーズボタン104は一つの操作部材であるが、ボタンを浅く押下する場合(SW1動作)と深く押下する場合(SW2動作)の2段階の押下操作を実現可能である。自動露出制御や自動ピント制御を行うカメラの場合、レリーズボタン104を浅く押すことで撮影準備として自動露出制御とピント制御が行われ、深く押すことで静止画撮影を行う操作が実現可能である。
【0038】
自動露出制御は、モード切替スイッチ110で選択されている撮影モードで好適な露出を得るように動作する。撮影モードには、ポートレートモードや風景モード、夜景モード、といった特定の被写体に特化したものや、オートモードといった汎用的なモードがある。また、シャッター速度優先モードや絞り優先モードなど、撮影時のシャッター速度や絞り値をあらかじめユーザーが指定しておくモードもある。これらのモードでは、PGA20で設定する撮影感度を自動で好適に選択設定することや、あらかじめユーザーが感度を指定することが可能である。ユーザーがあらかじめ感度を指定する際、撮影感度を上げるほど画像信号のS/Nが低下するため、画質を優先したいユーザーは低感度を選択することが想定される。
【0039】
図3は、レリーズボタン104が押下された際のシーケンスを示す図である。ここでは、カメラの動作と、そのときの絞り径の変化を主に示す。また、各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうちEVF線図を図4に、AF線図を図5に、静止画線図を図6に示す。プログラム線図とは、そのカメラ動作時に取り得る絞り、シャッター、ゲインの組み合わせを定義した一種のテーブル情報であり、被写体輝度に応じてこのプログラム線図を用いて露出決定を行う。ただし、ここで示したプログラム線図の内容はあくまで一例であり、プログラム線図の内容は機器ごとに任意に変更可能である。
【0040】
カメラ動作状態のうちEVF状態(Electrical ViewFinder)212は、画像表示装置108に被写体像を連続出力して電子ビューファインダーを実現している状態であり、撮影前の待機状態と位置づけられる。このEVF状態212では、図4に示すEVF用のプログラム線図を使用して絞り、シャッターなどの露出制御値を求め、その値に制御している。撮像素子16にCCDを使用する場合、CCD特有のスミア現象を軽減させるために、早めに、絞り径を閉方向に制御するプログラム線図にしている。また、図4では、絞りをF2.8、F4.0、F5.6、F8.0の四値しか取りえないように離散的な絞り制御を行う線図としている。その理由は次のようなものである。高い絞り精度を実現する際にはある程度の絞り駆動速度が必要となる場合があるが、その駆動速度で絞りを駆動すると駆動音が鳴る場合がある。このため、被写体輝度の変化に対してAEが追従する際に駆動音が鳴る回数を限定するために、図4のように逆Z型を積み上げたようなプログラム線図を設計する場合がある。ただし、これはそのメカ絞り機構の精度に依存する内容であり、低速駆動で駆動音が抑えられ、さらに高い精度も実現できるメカ絞りの場合、図4のようなプログラム線図とする必要は無い。即ち、F2.8〜F8.0まで縦方向にリニアな線図を設計することも可能である。
【0041】
EVF状態(ライブビュー動作)212からユーザーによりレリーズボタン104が浅く押されてSW1がONになると、カメラ動作がAF(Auto Focus)状態214に切り替わる。CCDなどの撮像素子16をAFの測距センサーとして使用する場合、次のようなAF方式が知られている。即ち、レンズ10を撮影光軸に沿って動かしながらそれぞれのレンズ位置で、撮像素子16から読み出された画像信号を元に画像処理回路50にて画像の周波数成分を抽出し、周波数の高いレンズ位置を探していくスキャンAF方式である。このAFスキャン時に使用するプログラム線図は、図5のように絞り径は開放位置を多用する線図が設計される。これは、絞り径により被写界深度が変化するという光学的な現象を考慮したもので、絞り開放の深度が浅い状態でピント位置を合わせておけば、AF後にどの絞り径で撮影しようとも、深度の変化がピント位置に悪影響を及ぼすことが少なくなるからである。仮に、AFスキャン時に深度が深い状態でピント合わせをし、その後絞り径を開いて静止画撮影する場合、絞り径を開くことで深度が浅くなり、ピントずれが発生する懸念がある。逆に、静止画撮影で使用する絞り径が既に決定している場合は、AF時に図5のプログラム線図を使用せず、静止画用の絞り径を使用してスキャンAFするシーケンスとすることも可能である。
【0042】
AFが終了すると、SW1保持状態216となる。この状態は、静止画撮影用のピントおよび露出を決定し、レリーズボタン104が深く押されてSW2がONされればすぐに撮影可能な状態である。図3のシーケンスでは、SW2押下後の撮影タイムラグを短くすることを目的に、AF後に、静止画撮影で使用する絞り径にあらかじめ絞り制御しておくシーケンスを示している。このようにすることでSW2押下後に絞りが駆動することがなく、撮りたい瞬間にすぐ撮影できるようになる。
【0043】
このようなカメラ動作状態が遷移していく撮影シーケンスが実現された場合、絞り駆動が発生する箇所が複数出てくる。一つは、EVF状態からAF状態に遷移する際にプログラム線図が図4から図5に変更され、絞り駆動が発生する場合である。もう一つは、AF状態からSW1保持状態に遷移する場合である。例として、露出値Ev=12の場合の絞り値及びシャッター速度の変化は次のようになる。ただしこの例では、図4のEVF線図、図5のAF線図、図6の静止画線図において、感度Svは同一と仮定する。
【0044】
EVF線図 : F8.0、1/60秒 (302)
AF線図 : F2.8、1/500秒 (304)
静止画線図 : F4.0、1/250秒 (306)
このように、カメラ動作状態に応じて露出値Ev=12を保ったまま絞りとシャッター速度が変化するが、その際、絞りはメカ機構であるためその駆動にはある程度の時間がかかってしまう。この絞り駆動中の様子が撮像素子16にて露光されてしまい、結果的にファインダーとして使用している画像表示装置108に絞りによる画質劣化の様子が出力されてしまう。レリーズボタン104の押下時はユーザーに撮影する意思があり、撮影に集中したいところであるが、このような絞り駆動による露出変動と言う画質劣化がファインダーに見えてしまうため、集中力が削がれたり、最悪、被写体を撮り逃してしまう場合がある。
【0045】
図7は、絞り駆動時に発生する露出変動による画質劣化を説明するための詳しいタイミング図である。ここでは例として、Av3(F2.8)、Tv6(1/60秒)から、Av4(F4.0)、Tv5(1/30秒)に露出を変化させる場合を示す。この変化は、次のような式で示される。
【0046】
制御前の露出 : Av3+Tv6=Ev9 (422)
制御後の露出 : Av4+Tv5=Ev9 (424)
即ち、Ev=9を保ったまま、絞りとシャッター速度を変化させることとなる。
【0047】
VD402は撮像素子16の垂直駆動信号である。この垂直同期信号内で、SUBパルス404の出力量を調節することで、撮像素子16の駆動タイミングが制御され、電子シャッター406の開閉(電荷蓄積の時間の制御、即ち電子シャッター制御)が実現される。SUBパルス404は撮像素子に蓄積された電荷を捨てる役割を果たしており、電荷を捨てることで露光を行わない、すなわちシャッターを閉じていると考えることができる。SUBパルスを出力しないようにすることで電荷が蓄積され続け、これをシャッターが開いている(電子シャッター開時間)と考えることができる。このようにSUBパルス404にて電子シャッターの開閉が実現される。
【0048】
図7(a)は、Av3、Tv6からAv4、Tv5へ変化する際に、絞り駆動時間がゼロだった場合のタイミング図である。SUBパルス404はVD402に同期して出力量を制御可能であるため、あるVDとあるVDで、電子シャッター速度を瞬時に変えることが可能である。絞りもVD単位で瞬時に変化することが可能な場合、絞り駆動408のように、Av3からAv4までタイムラグなく移動できる。この場合、Av3、Tv6での露光量422、Av4、Tv5での露光量424は、露光量(斜線部の面積であり電荷蓄積量でもある)としては同一となり、露出値Ev=9を保ったまま、絞りとシャッターを制御することができている。
【0049】
しかし、実際には絞り駆動にはある程度の時間がかかってしまうため、現実的には図7(b)のように絞り駆動410にタイムラグが生じてしまう。このとき、絞り駆動により露光オーバー分426が生じてしまい、この分が、露出変動としてビューファインダーに表示されてしまう。
【0050】
そこで本実施形態では、図7(c)のように、絞り駆動中であっても露出値Evが保たれ露光量(斜線部の面積)に変化がないようにする。具体的には、露光量の変動を抑制するため、シャッター速度412を本来の目標値であるTv=5から若干速めのシャッター速度に補正し、露光オーバー分が相殺されるようにする。こののち、絞り駆動が完了後、シャッター速度を本来の目標値であるTv=5に設定する。このように制御することで、絞り駆動時の露出変動による画質劣化がビューファインダーに表示されるのを防ぐことができる。
【0051】
このように、絞り駆動による露光量の変動をシャッターで補正する以外に、ゲインを用いて補正する方式を取ることも可能である。図8(c)に、絞り駆動による露光変動量を抑制するためにゲインで相殺する場合を示す。ゲインによる画像信号の増幅/減衰は、撮像素子16から読み出される信号全体に作用させることができる。そのため、図8(c)のように、露光量426、424のレベルを462、464で示すように全体的に下げ、撮像素子16から読み出された撮像信号レベルで露光量に変化がないように制御する。これにより、電子シャッターで補正したのと同様な効果を得ることができ、絞り駆動時の露出変動による画質劣化がビューファインダーに表示されるのを防ぐことができる。
【0052】
図9は、デジタルカメラ100を起動してからの動作を示すフローチャートである。
【0053】
カメラの電源投入スイッチ102 が押下された後、撮影に必要な各種デバイスの初期化を行う(ステップS101)。レンズ10を含む鏡筒が繰り出し方式の場合は鏡筒繰り出し処理を行い、画像処理回路50などカメラ内部のLSIやCPUの初期化、起動も行う。
【0054】
画像表示装置108をカメラファインダーとして使用するために被写体のライブ画像を出力する場合、ライブ画像の露出を適正に制御するためにライブビュー用のコンティニュアスAE動作を開始する(ステップS103)。コンティニュアスAE開始後は、被写体の輝度変化に応じて露出が適正に制御され続ける。ピント制御は、常に主被写体にピントを合わせつづけるコンティニュアスモードや、撮影準備時にのみピントを合わせるワンショットモードを備える場合がある。そのため、ライブ画像を出力する際に常にピントを合わせるわけではなく、所定位置にフォーカスレンズを駆動するのみとする場合もあり、図9では記載を省いている。
【0055】
ライブ画像を出力する準備が整った後、画像表示装置108 にライブ画像出力を開始する(ステップS105)。ユーザーは画像表示装置108に表示されたライブ画像を見て被写体のフレーミングを行い、電子ビューファインダーとして使用することができる。画像表示装置108にライブ画像を出力しないようにユーザーが指示することも可能で、その場合は光学ファインダー106をカメラファインダーとして使用することになる。
【0056】
ユーザーにファインダー機能を提供した後、レリーズボタン104の押下の受付を許可する。まず、露出とピントを合わせるためのSW1押下があるかどうかを検出する(ステップS107)。SW1押下を検出した場合、図10で示したSW1処理(ステップS109)が実行され、被写体に応じて露出とピントが決定される。SW1処理の完了後、SW2ボタンがONされるか(ステップS113)、SW1ボタンがOFFされて撮影を中断するか(ステップS111)を検出する。SW2押下を検出した場合は静止画撮影を行い(ステップS115)、SW1がOFFされた場合は、元の撮影待機状態に戻る。
【0057】
図10は、SW1押下後の処理を示すフローチャートである。
【0058】
SW1押下直前まではライブビュー用のコンティニュアスAEが動作しており(ステップS103)、図4のEVF用プログラム線図から求めた絞り、シャッター、ゲイン値に露出が設定されている。このSW1押下時点で設定されている絞り値AvEVF、シャッター速度TvEVF、ゲインGainEVFと、そのときの撮像素子16の駆動により決定される感度SvEVFを用い、被写体輝度Bvを計測する(ステップS131)。
【0059】
Bv=AvEVF+TvEVF−GainEVF−SvEVF
次に、AF動作用の露出を図5のAF用プログラム線図から求めるが、まずはプログラム線図を引くための露出値EvAFを求める。先ほど求めた被写体輝度Bvと、AF時の撮像素子16の駆動により決定される感度SvAFを使用する。
【0060】
EvAF=Bv+SvAF
このように求めたEvAFを用い、プログラム線図からAF用の絞り値、シャッター速度、ゲイン値を求める(ステップS133)。
【0061】
EvAF=AvAF+TvAF−GainAF
このあとAF用の露出に制御し(ステップS135)、この露出にて被写体に応じてピント合わせ処理が行われる(ステップS137)。
【0062】
AF終了後、静止画撮影用露出と(ステップS139)、SW1保持用露出(ステップS141)の2つの露出を決定する。静止画撮影用露出は、図6の静止画撮影用プログラム線図から絞り、シャッター、ゲインの組み合わせを求める。まずはプログラム線図を引くための露出値EvCapを求める。先ほど求めた被写体輝度Bvと、静止画撮影時の感度SvCapを使用する。
【0063】
EvCap=Bv+SvCap
このように求めたEvCapを用い、プログラム線図を引く。
【0064】
EvCap=AvCap+TvCap−GainCap
続いて、SW1保持用露出を決定する場合も、まずは先ほど求めた被写体輝度Bvと、SW1保持時の撮像素子16の駆動により決定される感度SvLockを使用し、露出値EvLockを求める。
【0065】
EvLock=Bv+SvLock
EvLockから絞り値、シャッター速度、ゲイン値を求める際、プログラム線図を用いずに次の手順で決定していく。まず絞り値は、SW2押下後のタイムラグ短縮を目的に、絞り値をAvCapに決定する。次に、EvLockを実現できるようなシャッター速度TvLockを選択する。被写体輝度が明るい、もしくは暗いために、選択したシャッター速度TvLockではEvLockが実現できない場合、ゲインによりEvLockが実現できるようにGainLockを決定する。
【0066】
決定したSW1保持用の露出に制御する前に、レリーズボタン104が深く押されてSW2がONされているかを検出する(ステップS143)。ユーザーにより既にSW2がONされて撮影開始が指示されている場合、SW1保持用の露出に制御して画像表示装置にライブ画像を出力する必要がないため、SW1保持用の露出制御を行わずにSW1完了とする。SW2が押下されていない場合は、SW1保持状態でファインダー機能を実現するために、SW1保持用の露出に制御する(ステップS145)。
【0067】
図11は、露出制御時の動作を示すフローチャートである。このフロー実行時には、現在設定されている絞り値Av1、シャッター速度Tv1、ゲイン値Gain1と、次に設定する目標となる絞り値Av2、シャッター速度Tv2、ゲイン値Gain2が明確になっているものとする。また、フロー中で用いている変数は、図12のタイミング図に記載した各値を意味している。
【0068】
本実施形態は、電子ファインダーに出力される画像に対し、絞りによる画質劣化を改善するものであるため、まずは電子ファインダー出力しているかどうかを判定する(ステップS151)。電子ファインダーがOFFされている場合、光学ファインダー106を使用していると判断し、絞り駆動による露光変動補正を行わないようにする。また、光学ファインダーがONされている場合であっても、絞り駆動が露光期間に重なっていないと判断された場合は補正する必要がないため、補正しない(ステップS153)。補正しない場合は目標絞り値Av2、シャッター速度Tv2、ゲイン値Gain2にそのまま露出制御する(ステップS155)。
【0069】
絞り駆動が露光期間に重なるかどうかの判定は、絞り駆動時間IrisMoveTimeと、シャッター閉時間ShutterCloseTimeの差であるIrisNoiseTimeで行う。IrisNoiseTimeが正の値を持っている時は、絞り駆動が露光期間に重なっていると判断できる。絞り駆動時間IrisMoveTimeは絞り駆動量(Av2−Av1) と絞り駆動速度IrisSpeedから算出し、シャッター閉時間は目標シャッター速度での露光時間ExpTime2と垂直同期信号周期VDTimeから算出することができる。
【0070】
IrisMoveTime=(Av2−Av1)÷IrisSpeed
ShutterCloseTime=VDTime−ExpTime2
次に、露出制御前後と、絞り駆動時の露出変動分の露光量(図12における斜線部の面積)を算出する(ステップS157、159、161)。
【0071】
露出制御前の露光量は、
Area1=Value1×ExpTime1
となる(ステップS157)。Av値、Tv値は、log圧縮した単位系で表現されているため、log解凍するために2のべき乗したものをValue*、ExpTime* として計算する。また、Valueは、露出制御後のValue2を基準としてValue1を表現している。
【0072】
露出制御後の露光量は、
Area2=Value2×ExpTime2
となる(ステップS159)。絞り駆動による露光変動がない場合には、露出制御前後の露光量Area1とArea2の面積が等しいはずである。
【0073】
絞り駆動による露光変動分は、
IrisNoiseArea=IrisNoiseValue×IrisNoiseTime÷2
となる(ステップS161)。IrisNoiseValueは、目標シャッター速度Tv2に制御した際の、露光開始時点での絞り変動値を示している。また、ここでは絞り駆動が目標絞り値までリニアに制御できるものとしている。さらに、絞り駆動がシャッター閉タイミングと同期して制御可能なものとしている。しかし絞りによってはこの限りではなく、その場合、IrisNoiseAreaの算出方法を絞り駆動特性や、駆動開始遅れ時間に応じて変更することが可能である。
【0074】
各露光量の算出後、それぞれの面積の関係から、絞りによる露光変動分が補正できているかチェックする(ステップS163)。
【0075】
RefArea1とRefArea2+IrisNoiseAreaを比較し、RefArea2+IrisNoiseAreaのほうが大きい場合、絞りによる露光変動分が補正できていないと判断する。そして、シャッター速度を一定量だけ補正方向に変化させる(ステップS171)。その後、再度RefArea2 とIrisNoiseValue を再計算し(ステップS159、161)、RefAreaとの比較を行う(ステップS163)。このように、RefArea2+IrisNoiseAreaの値が、RefArea1と同等の露光量になるまでシャッター速度を補正していく。
【0076】
補正用のShutterCloseTimeが決定されたなら、垂直同期信号VDTimeとの差から補正用露光時間ExpTime2’を算出し、さらにTv2’を補正用シャッター速度とする(ステップS165)。
【0077】
ExpTime2’=VDTime−ShutterCloseTime
Tv2’=−log2(ExpTime2’)
決定した補正用シャッター速度Tv2’を用い、目標絞り値Av2、目標ゲイン値Gain2と共に、露出制御を行う(ステップS167)。この露出制御時に、Tv2’により絞り駆動による露光変動分がキャンセルされ、ファインダーへ劣化画像が出力されることを防ぐことができる。その後絞り駆動が完了した後、シャッター速度を本来の目標値であるTv2に制御し、一連の補正処理が完了する(ステップS169)。
【0078】
図11のフローチャートでは、ステップS165の処理でシャッター速度を補正して絞り駆動による露光変動分をキャンセルしようとしている。しかし、別の形態として、ゲイン値を使用して露光変動分をキャンセルする場合もある。その場合は、露光面積IrisNoiseAreaの縦方向のValue値を補正するものとしてフロー演算を行い、求めたValue値をゲイン値に置き換えることで、ゲイン値による補正が可能となる。
【0079】
このような実施形態にて、絞り駆動による露光変動分を補正し、質の高い電子ファインダーを提供することが可能となる。
【0080】
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0081】
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0082】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラの外観を示す図である。
【図3】レリーズボタンが押下された際のシーケンスを示す図である。
【図4】各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうちEVF線図を示す図である。
【図5】各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうちAF線図を示す図である。
【図6】各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうち静止画線図を示す図である。
【図7】絞り駆動時に発生する露出変動による画質劣化を説明するための詳しいタイミング図である。
【図8】絞り駆動時に発生する露出変動による画質劣化を説明するための詳しいタイミング図である。
【図9】デジタルカメラを起動してからの動作を示すフローチャートである。
【図10】SW1押下後の処理を示すフローチャートである。
【図11】露出制御時の動作を示すフローチャートである。
【図12】露出制御時の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 レンズ
12 メカニカルシャッター
14 絞り
16 撮像素子
18 CDS回路
20 PGA
22 A/D変換回路
24 TG
26 絞り駆動回路
28 メカニカルシャッター駆動回路
50 画像処理回路
34 VRAM
32 圧縮伸張回路
36 D/A変換回路
60 システム制御回路
70 カメラ操作部
108 画像表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置における露出制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラは、撮影時に被写体を捕らえるためのファインダーを備えている。ファインダーには大きく分けて光学的なものと電子式のものがある。
【0003】
光学ファインダーには、一眼レフカメラのように撮影時に使用する光学レンズを通過した光をミラーで屈曲させるものや、撮影用の光学レンズを通さずにファインダー窓から被写体を覗き見るものがある。
【0004】
電子式ビューファインダーは、近年のコンパクトデジタルスチルカメラに多く採用されている方式である。具体的には、撮影用レンズを通過した光を、撮影時に使用するCCDなどの撮像素子にて受光し、光電変換した画像信号をLCDなどの画像表示装置に逐次表示する構成となっている。この構成では、ファインダー時と撮影時で同じ撮像素子を使用することができるため、ファインダー視野率100%を実現することが容易となり、視野率の点では光学ファインダーに比べてメリットが大きいとされている。
【0005】
撮像素子は、静止画撮影用途、ファインダー用途に留まらない。即ち、被写体へのピント合わせを自動で行うAF(Auto Focus Control)用途、被写体の明るさを適正に制御するAE(Auto Exposure Control)用途にも使用される。AF時、AE時にはそれぞれ、撮像素子を測距センサー、測光センサーとして使用することとなる。このように撮像素子は、ファインダーとしてユーザーに被写体像をモニタリングさせるとともに、AF、AEといった撮影準備作業も両立させて行う場合がある。
【0006】
カメラには露出を決める要素として、入射光量を調節する絞り、露光する時間を調節するシャッターが備えられている。デジタルカメラの場合、撮像素子で受光した後に撮像素子から読み出した信号レベルを増幅/減衰させるゲイン制御もある。特に、絞り機構は露出を変更するだけでなく、絞り径により被写界深度が変わることを考慮しなければならない。絞りは、絞り径が大きいほど被写界深度が浅くなり、絞り径が小さいほど被写界深度が深くなる。この光学的な現象を考慮し、AF時には絞りを開放寄りにして静止画撮影時よりも深度が浅い状態でピント合わせをしておくことで、深度による静止画撮影時のピントずれを防止できることが知られている。
【0007】
AF、AE機能を備えたカメラでは、ユーザーが撮影を指示するレリーズボタンが2段階となっているのが一般的となっている。即ち、ボタンを浅く押下することでAF、AEが行われて静止画撮影のためのピント合わせと露出合わせが行われ、ボタンを深く押下することで撮影が開始される仕組みとなっているものが一般的である。以後、レリーズボタンを浅く押下することをSW1動作、深く押下することをSW2動作と呼ぶ。
【0008】
SW1動作においてAFする際、前述のようにAF時には絞りを開放寄りに制御する。AF完了後は、静止画撮影で使用する絞り径にあらかじめ制御しておくことで、SW2押下後に絞り駆動する必要がなくなり、レリーズタイムラグの短縮に効果がある。このように、絞りはメカ機構であるため駆動にはある程度の時間がかかることを前提とし、それを考慮した提案がなされている(特許文献1参照)。
【0009】
さらに、絞り制御にはある程度の時間がかかることから、前述のようにファインダー用途としてユーザーが被写体像をモニタリングしている最中に絞りを駆動すると、絞りが動く途中の劣化画像が画像表示装置に出力されてしまうという問題があった。これを防ぐために絞り駆動中には画像表示装置の画像更新は行わず、絞り駆動前の画像を表示するとした提案がなされている(特許文献2参照)。しかしこの提案では画像更新が一旦停止したように見えるため、被写体の動きをとらえるファインダーとしての用途には適していない解決策である。
【0010】
また、絞りを制御する際の画質劣化をファインダーに見せない、あるいは動画に記録されないように、条件によっては絞りを動かさなくするという提案もなされている(特許文献3参照)。しかしこの提案では、絞りを動かさないようにすることで被写体輝度への追従範囲が狭くなり、AE性能が低下してしまうという問題があった。
【特許文献1】特許第03817563号公報
【特許文献2】特開2006−352905号公報
【特許文献3】特開平11−112865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、静止画撮影用の撮像素子を、ファインダー、AF、AE、動画撮影など様々な用途で単独あるいは同時に使用し、かつ、それぞれの要件に応じて絞りを駆動していくことで、レスポンス良く良好な撮影画像が得られる。しかしカメラ使用者が、ファインダー用途として被写体像を捕らえている最中に、絞り駆動による画質劣化が発生してしまう場合があり、その場合、電子ファインダー性能を大きく損なってしまうという問題があった。
【0012】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファインダー性能やAE性能を低下させることなく、絞りを駆動する際に発生する画質劣化を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備え、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係わる撮像装置は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備え、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段に、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ファインダー性能やAE性能を低下させることなく、絞りを駆動する際に発生する画質劣化を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【0020】
デジタルカメラ100は、被写体像を結像させるためのレンズ10を備えている。図1ではレンズ10は1枚として表現しているが、複数枚のレンズから構成されたレンズユニットを搭載することも可能である。また、レンズ駆動回路42によりレンズ位置を撮影光軸に沿って前後に動かすことで焦点を調節したり、画角を調節することも可能である。さらに、手ブレ補正回路40によりレンズ10を駆動し、手ブレをキャンセルする方向に光軸を移動させることで光学的な手ブレ補正を行う構成とすることも可能である。図1ではレンズを駆動することで手ブレ補正を実現しているが、撮像素子16(本実施形態ではCCD)を移動させることで同様に手ブレを補正することも可能である。レンズ10を含む鏡筒部を繰り出し及び繰り込みさせる方式とし、カメラ未使用時の本体体積を小さくして携帯性を向上させることが可能である。レンズ10を通過した光は絞り14により、その光量を調節することができる。
【0021】
システム制御回路60は、絞り制御情報を絞り駆動回路26に伝達することで、絞り14の開き量を制御することが可能である。システム制御回路60から絞り駆動回路26への制御情報伝達は、シリアル通信やパルス信号などがあり、絞り駆動回路26の仕様に合わせて適した手段をとる。絞り14は、複数枚の羽根から構成された虹彩絞りや、あらかじめ、板に様々な径で穴を打ち抜いた丸絞りがある。システム制御回路60はこれらの絞り14と絞り駆動回路26を用い、被写体輝度が高い場合は絞りを絞って光量を落とすように制御し、被写体輝度が低い場合は絞りを開放にして光を多く取り込むように制御することが可能である。
【0022】
システム制御回路60は、メカニカルシャッターの制御情報をメカニカルシャッター駆動回路28に伝達することで、メカニカルシャッター12を制御することが可能である。静止画撮影時の露光時間は、メカニカルシャッター12の開閉時間により決定され、この時間はシステム制御回路60が時間を判断し、メカニカルシャッター駆動回路28に指示を出す。
【0023】
レンズ10、メカニカルシャッター12、絞り14を通過した光は撮像素子16で受光される。システム制御回路60は、撮像素子制御信号をTG(Timing Generator)24に伝達することで、撮像素子16を制御することができる。システム制御回路60からTG24への制御情報伝達は、シリアル通信やパラレルバス通信などがあり、TG24の仕様に合わせて適した手段をとる。TG24は、システム制御回路60から受信した制御情報をもとに撮像素子16を駆動する。撮像素子16は素子への露光と、露光した信号の読み出し作業を周期的に行っており、この作業はTG24からの駆動信号を基準に行われる。撮像素子16で露光した信号のうち、特定のラインや特定の領域のみを読み出してくることが可能である。これは、TG24から出力される読み出し制御パルスにより読み出し方を変更することで実現できる。システム制御回路60は状況に応じて最適な読み出し方式を決定し、TG24に指示する。例えば、静止画撮影時は高解像度が要求されるため撮像素子16の全画素の信号を読み出し、電子ファインダー時や動画撮影時は30fps/60fpsなどの高いフレームレートが要求されるため特定のラインだけ間引いて読み出す、といった使い分けを行う。
【0024】
またTG24は、撮像素子16の露光時間を制御することが可能である。任意のタイミングで、素子がチャージした電荷を開放するように、TG24から撮像素子16へ駆動信号を出すことでこれを可能としている。
【0025】
撮像素子16から読み出された画像信号は、CDS回路(Correlated Double Sampler)18を通過する。CDS回路18は相関二重サンプリング方式により画像信号のノイズ成分を除去することを主な役割とする。
【0026】
その後、画像信号はPGA回路(Programmable Gain Amplifier)20により、画像信号レベルを減衰/増幅することができる。システム制御回路60は、増幅レベルをPGA20に伝達することで、増幅量を制御することができる。システム制御回路60からPGA20への制御情報伝達は、シリアル通信やパラレルバス通信などがあり、PGA20の仕様に合わせて適した手段をとる。通常、撮像素子16の露出を適正にするには、絞り14で撮像素子16への露光量を適切に設定すると共に、シャッターにより露光時間を適切に設定することで実現される。しかし、PGA20で画像信号を減衰/増幅することで、擬似的に画像信号の露出を変える役割を担うことができる。これは、絞りやシャッター速度と並ぶ撮影時の露出条件の一つとして、感度という概念でユーザーに機能提供することが可能である。
【0027】
画像信号はA/D変換回路(Analog/Digital Converter)22にてアナログ信号からデジタル信号へ変換される。デバイスにより、デジタル信号のビット幅は10ビット、12ビット、14ビットなどがあり、後段の画像処理回路50は、複数種類のビット幅に対応可能である。図1では、CDS回路18、PGA回路20、A/D変換回路22をそれぞれ別のブロックとして表現しているが、一つのICパッケージにこれらの機能を搭載したものを採用することも可能である。
【0028】
A/D変換回路22でデジタル化された画像データは画像処理回路50へ入力される。画像処理回路50は複数のブロックから構成され、さまざまな機能を実現している。
【0029】
撮像素子16はカラーフィルターを通して各画素ごとに特定の色成分を抽出するのが一般的である。A/D変換回路22からの画像データは撮像素子16の画素及びカラーフィルター配置に対応したデータ形式になっている。そのため、輝度成分のみを評価して露出制御を行う自動露出制御(AE:Auto Exposure Control)で使用するには適さない形式である。画像処理回路50は、画像信号から色情報を排除し、輝度情報のみを抜き出す機能を備えている。さらに、画像処理回路50は、撮像素子16から読み出された信号の周波数成分のみを抜き出す機能を備え、自動ピント合わせ制御(AF:Auto Focus)時に使用することができる。また、画像処理回路50は、A/D変換回路22によりデジタル化された画像データのレベルの増減、画像の色効果などを操作する機能を備え、撮影画像の画質を調節するという役割も担っている。
【0030】
A/D変換回路22でデジタル化された画像データは画像処理回路50へ入力されると同時に、一時記憶メモリ30に記憶することができる。一旦、一時記憶メモリ30に記憶した画像データは再度読み出すことができ、システム制御回路60から画像データを参照したり、読み出した画像データを画像処理回路50に入力することが可能である。さらに、画像処理回路50で画像処理した画像データを一時記憶メモリ30に書き戻したり、システム制御回路60から任意のデータを書き込むことも可能である。
【0031】
LCDなどの画像表示装置108に画像データを出力する場合、画像処理回路50で画像処理を行った画像データをVRAM34上に展開しておき、それをD/A変換回路36にてアナログ信号に変換して画像表示装置108に表示する。電子ファインダーを実現する場合は、撮像素子16から読み出される連続した画像を順次画像表示装置108に表示更新していくことで可能となる。ここで、VRAM34の画像を1コマあるいは複数コマのみ更新しないようにすることが可能である。絞り駆動中(絞りが動いている途中)の画質劣化を画像表示装置108に出力しないようにするには、この手段を用いることとなる。VRAM34上に画像データを展開する際、1つの画像データを画像表示装置108に最も大きくなるように、または複数の画像をマルチ画面表示するように、など、様々な表示形態に対応するようにVRAM34上に展開することができる。
【0032】
画像表示装置108には、画像だけでなく任意の情報を単独、もしくは画像と共に表示することが可能である。カメラの状態表示や、ユーザーが選択あるいはカメラが決定したシャッター速度や絞り値、感度情報などの文字情報や、画像処理回路50で測定した輝度分布のようなグラフも表示可能である。情報の表示位置、表示色も任意に選択可能である。これら様々な情報を表示することで、ユーザーインターフェースを実現することが可能となる。また、画像表示装置108には、画像記憶媒体82に記憶されている画像データを表示することも可能である。画像データが圧縮されている場合、圧縮伸張ブロック32で伸張し、VRAM34にデータを展開する。このデータをD/A変換回路34でアナログ信号に変換して出力する。
【0033】
図2は、デジタルカメラ100の外観を示す図である。カメラ前面にはレンズ10が配置され、被写体像をとらえることができる。レンズ10の同一面にストロボユニット90が配置されている。主被写体が暗い場合にストロボユニット90を発光させることで十分な光量を得ることができ、暗い中でも速いシャッター速度を保ち、好適な画像を得ることができる。図2では、レンズ10とストロボユニット90が同一面に配置されているが、これに限定されるものではなく、ストロボ光が主被写体に直接当たることを避けるために、ストロボがカメラ上方に向くように配置することも可能である。
【0034】
カメラ背面には、画像表示装置108が配置されている。前述したように、画像表示装置108には画像のみならず、文字情報やグラフなどを表示することができ、ユーザーとインターフェースをとる重要な部材となっている。近年、デジタルカメラでは電子ビューファインダー(EVF:Electrical ViewFinder)が主流となっており、画像表示装置108に出力される連続画像を参照することで被写体を捕らえ、ファインダーとして使用している。また、従来からの光学ファインダー106を併設する構成とすることも可能である。電子ビューファインダーは、高い視野率を実現し易い、画像表示装置108の大きさによっては被写体を大きく見易い、撮影画像とファインダー画像の画角差(パララックス)が無い、などのメリットがある。その反面、撮像素子16や画像表示装置108を動作させるための電力が必要となり、電池の消耗が懸念される。このため、電池の消耗を避けて多くの撮影枚数が望まれる場合には、電子ビューファインダー機能をOFFし、光学ファインダー106を使用するという使い方も可能である。
【0035】
モード切替スイッチ110は、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モードなどのカメラ動作モードを切り替えることができる。図2では、数モードを切り替え可能な部材として表現しているが、撮影する特定のシーンに最適化した、風景撮影モードや人物撮影モードなどの多くの静止画モードを備えることも可能である。
【0036】
パラメータ選択スイッチ151,153,157,159により、撮影時の撮影条件の選択や、撮影画像再生時のページ送り、カメラの動作設定全般などをユーザーが選択することができる。さらに前述の電子ファインダーのON/OFFを選択することもできる。また、画像表示装置108は画像を表示すると共に、タッチパネルとして入力装置となる構成とすることもできる。
【0037】
カメラ上部にレリーズボタン104が配置されている。レリーズボタン104は一つの操作部材であるが、ボタンを浅く押下する場合(SW1動作)と深く押下する場合(SW2動作)の2段階の押下操作を実現可能である。自動露出制御や自動ピント制御を行うカメラの場合、レリーズボタン104を浅く押すことで撮影準備として自動露出制御とピント制御が行われ、深く押すことで静止画撮影を行う操作が実現可能である。
【0038】
自動露出制御は、モード切替スイッチ110で選択されている撮影モードで好適な露出を得るように動作する。撮影モードには、ポートレートモードや風景モード、夜景モード、といった特定の被写体に特化したものや、オートモードといった汎用的なモードがある。また、シャッター速度優先モードや絞り優先モードなど、撮影時のシャッター速度や絞り値をあらかじめユーザーが指定しておくモードもある。これらのモードでは、PGA20で設定する撮影感度を自動で好適に選択設定することや、あらかじめユーザーが感度を指定することが可能である。ユーザーがあらかじめ感度を指定する際、撮影感度を上げるほど画像信号のS/Nが低下するため、画質を優先したいユーザーは低感度を選択することが想定される。
【0039】
図3は、レリーズボタン104が押下された際のシーケンスを示す図である。ここでは、カメラの動作と、そのときの絞り径の変化を主に示す。また、各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうちEVF線図を図4に、AF線図を図5に、静止画線図を図6に示す。プログラム線図とは、そのカメラ動作時に取り得る絞り、シャッター、ゲインの組み合わせを定義した一種のテーブル情報であり、被写体輝度に応じてこのプログラム線図を用いて露出決定を行う。ただし、ここで示したプログラム線図の内容はあくまで一例であり、プログラム線図の内容は機器ごとに任意に変更可能である。
【0040】
カメラ動作状態のうちEVF状態(Electrical ViewFinder)212は、画像表示装置108に被写体像を連続出力して電子ビューファインダーを実現している状態であり、撮影前の待機状態と位置づけられる。このEVF状態212では、図4に示すEVF用のプログラム線図を使用して絞り、シャッターなどの露出制御値を求め、その値に制御している。撮像素子16にCCDを使用する場合、CCD特有のスミア現象を軽減させるために、早めに、絞り径を閉方向に制御するプログラム線図にしている。また、図4では、絞りをF2.8、F4.0、F5.6、F8.0の四値しか取りえないように離散的な絞り制御を行う線図としている。その理由は次のようなものである。高い絞り精度を実現する際にはある程度の絞り駆動速度が必要となる場合があるが、その駆動速度で絞りを駆動すると駆動音が鳴る場合がある。このため、被写体輝度の変化に対してAEが追従する際に駆動音が鳴る回数を限定するために、図4のように逆Z型を積み上げたようなプログラム線図を設計する場合がある。ただし、これはそのメカ絞り機構の精度に依存する内容であり、低速駆動で駆動音が抑えられ、さらに高い精度も実現できるメカ絞りの場合、図4のようなプログラム線図とする必要は無い。即ち、F2.8〜F8.0まで縦方向にリニアな線図を設計することも可能である。
【0041】
EVF状態(ライブビュー動作)212からユーザーによりレリーズボタン104が浅く押されてSW1がONになると、カメラ動作がAF(Auto Focus)状態214に切り替わる。CCDなどの撮像素子16をAFの測距センサーとして使用する場合、次のようなAF方式が知られている。即ち、レンズ10を撮影光軸に沿って動かしながらそれぞれのレンズ位置で、撮像素子16から読み出された画像信号を元に画像処理回路50にて画像の周波数成分を抽出し、周波数の高いレンズ位置を探していくスキャンAF方式である。このAFスキャン時に使用するプログラム線図は、図5のように絞り径は開放位置を多用する線図が設計される。これは、絞り径により被写界深度が変化するという光学的な現象を考慮したもので、絞り開放の深度が浅い状態でピント位置を合わせておけば、AF後にどの絞り径で撮影しようとも、深度の変化がピント位置に悪影響を及ぼすことが少なくなるからである。仮に、AFスキャン時に深度が深い状態でピント合わせをし、その後絞り径を開いて静止画撮影する場合、絞り径を開くことで深度が浅くなり、ピントずれが発生する懸念がある。逆に、静止画撮影で使用する絞り径が既に決定している場合は、AF時に図5のプログラム線図を使用せず、静止画用の絞り径を使用してスキャンAFするシーケンスとすることも可能である。
【0042】
AFが終了すると、SW1保持状態216となる。この状態は、静止画撮影用のピントおよび露出を決定し、レリーズボタン104が深く押されてSW2がONされればすぐに撮影可能な状態である。図3のシーケンスでは、SW2押下後の撮影タイムラグを短くすることを目的に、AF後に、静止画撮影で使用する絞り径にあらかじめ絞り制御しておくシーケンスを示している。このようにすることでSW2押下後に絞りが駆動することがなく、撮りたい瞬間にすぐ撮影できるようになる。
【0043】
このようなカメラ動作状態が遷移していく撮影シーケンスが実現された場合、絞り駆動が発生する箇所が複数出てくる。一つは、EVF状態からAF状態に遷移する際にプログラム線図が図4から図5に変更され、絞り駆動が発生する場合である。もう一つは、AF状態からSW1保持状態に遷移する場合である。例として、露出値Ev=12の場合の絞り値及びシャッター速度の変化は次のようになる。ただしこの例では、図4のEVF線図、図5のAF線図、図6の静止画線図において、感度Svは同一と仮定する。
【0044】
EVF線図 : F8.0、1/60秒 (302)
AF線図 : F2.8、1/500秒 (304)
静止画線図 : F4.0、1/250秒 (306)
このように、カメラ動作状態に応じて露出値Ev=12を保ったまま絞りとシャッター速度が変化するが、その際、絞りはメカ機構であるためその駆動にはある程度の時間がかかってしまう。この絞り駆動中の様子が撮像素子16にて露光されてしまい、結果的にファインダーとして使用している画像表示装置108に絞りによる画質劣化の様子が出力されてしまう。レリーズボタン104の押下時はユーザーに撮影する意思があり、撮影に集中したいところであるが、このような絞り駆動による露出変動と言う画質劣化がファインダーに見えてしまうため、集中力が削がれたり、最悪、被写体を撮り逃してしまう場合がある。
【0045】
図7は、絞り駆動時に発生する露出変動による画質劣化を説明するための詳しいタイミング図である。ここでは例として、Av3(F2.8)、Tv6(1/60秒)から、Av4(F4.0)、Tv5(1/30秒)に露出を変化させる場合を示す。この変化は、次のような式で示される。
【0046】
制御前の露出 : Av3+Tv6=Ev9 (422)
制御後の露出 : Av4+Tv5=Ev9 (424)
即ち、Ev=9を保ったまま、絞りとシャッター速度を変化させることとなる。
【0047】
VD402は撮像素子16の垂直駆動信号である。この垂直同期信号内で、SUBパルス404の出力量を調節することで、撮像素子16の駆動タイミングが制御され、電子シャッター406の開閉(電荷蓄積の時間の制御、即ち電子シャッター制御)が実現される。SUBパルス404は撮像素子に蓄積された電荷を捨てる役割を果たしており、電荷を捨てることで露光を行わない、すなわちシャッターを閉じていると考えることができる。SUBパルスを出力しないようにすることで電荷が蓄積され続け、これをシャッターが開いている(電子シャッター開時間)と考えることができる。このようにSUBパルス404にて電子シャッターの開閉が実現される。
【0048】
図7(a)は、Av3、Tv6からAv4、Tv5へ変化する際に、絞り駆動時間がゼロだった場合のタイミング図である。SUBパルス404はVD402に同期して出力量を制御可能であるため、あるVDとあるVDで、電子シャッター速度を瞬時に変えることが可能である。絞りもVD単位で瞬時に変化することが可能な場合、絞り駆動408のように、Av3からAv4までタイムラグなく移動できる。この場合、Av3、Tv6での露光量422、Av4、Tv5での露光量424は、露光量(斜線部の面積であり電荷蓄積量でもある)としては同一となり、露出値Ev=9を保ったまま、絞りとシャッターを制御することができている。
【0049】
しかし、実際には絞り駆動にはある程度の時間がかかってしまうため、現実的には図7(b)のように絞り駆動410にタイムラグが生じてしまう。このとき、絞り駆動により露光オーバー分426が生じてしまい、この分が、露出変動としてビューファインダーに表示されてしまう。
【0050】
そこで本実施形態では、図7(c)のように、絞り駆動中であっても露出値Evが保たれ露光量(斜線部の面積)に変化がないようにする。具体的には、露光量の変動を抑制するため、シャッター速度412を本来の目標値であるTv=5から若干速めのシャッター速度に補正し、露光オーバー分が相殺されるようにする。こののち、絞り駆動が完了後、シャッター速度を本来の目標値であるTv=5に設定する。このように制御することで、絞り駆動時の露出変動による画質劣化がビューファインダーに表示されるのを防ぐことができる。
【0051】
このように、絞り駆動による露光量の変動をシャッターで補正する以外に、ゲインを用いて補正する方式を取ることも可能である。図8(c)に、絞り駆動による露光変動量を抑制するためにゲインで相殺する場合を示す。ゲインによる画像信号の増幅/減衰は、撮像素子16から読み出される信号全体に作用させることができる。そのため、図8(c)のように、露光量426、424のレベルを462、464で示すように全体的に下げ、撮像素子16から読み出された撮像信号レベルで露光量に変化がないように制御する。これにより、電子シャッターで補正したのと同様な効果を得ることができ、絞り駆動時の露出変動による画質劣化がビューファインダーに表示されるのを防ぐことができる。
【0052】
図9は、デジタルカメラ100を起動してからの動作を示すフローチャートである。
【0053】
カメラの電源投入スイッチ102 が押下された後、撮影に必要な各種デバイスの初期化を行う(ステップS101)。レンズ10を含む鏡筒が繰り出し方式の場合は鏡筒繰り出し処理を行い、画像処理回路50などカメラ内部のLSIやCPUの初期化、起動も行う。
【0054】
画像表示装置108をカメラファインダーとして使用するために被写体のライブ画像を出力する場合、ライブ画像の露出を適正に制御するためにライブビュー用のコンティニュアスAE動作を開始する(ステップS103)。コンティニュアスAE開始後は、被写体の輝度変化に応じて露出が適正に制御され続ける。ピント制御は、常に主被写体にピントを合わせつづけるコンティニュアスモードや、撮影準備時にのみピントを合わせるワンショットモードを備える場合がある。そのため、ライブ画像を出力する際に常にピントを合わせるわけではなく、所定位置にフォーカスレンズを駆動するのみとする場合もあり、図9では記載を省いている。
【0055】
ライブ画像を出力する準備が整った後、画像表示装置108 にライブ画像出力を開始する(ステップS105)。ユーザーは画像表示装置108に表示されたライブ画像を見て被写体のフレーミングを行い、電子ビューファインダーとして使用することができる。画像表示装置108にライブ画像を出力しないようにユーザーが指示することも可能で、その場合は光学ファインダー106をカメラファインダーとして使用することになる。
【0056】
ユーザーにファインダー機能を提供した後、レリーズボタン104の押下の受付を許可する。まず、露出とピントを合わせるためのSW1押下があるかどうかを検出する(ステップS107)。SW1押下を検出した場合、図10で示したSW1処理(ステップS109)が実行され、被写体に応じて露出とピントが決定される。SW1処理の完了後、SW2ボタンがONされるか(ステップS113)、SW1ボタンがOFFされて撮影を中断するか(ステップS111)を検出する。SW2押下を検出した場合は静止画撮影を行い(ステップS115)、SW1がOFFされた場合は、元の撮影待機状態に戻る。
【0057】
図10は、SW1押下後の処理を示すフローチャートである。
【0058】
SW1押下直前まではライブビュー用のコンティニュアスAEが動作しており(ステップS103)、図4のEVF用プログラム線図から求めた絞り、シャッター、ゲイン値に露出が設定されている。このSW1押下時点で設定されている絞り値AvEVF、シャッター速度TvEVF、ゲインGainEVFと、そのときの撮像素子16の駆動により決定される感度SvEVFを用い、被写体輝度Bvを計測する(ステップS131)。
【0059】
Bv=AvEVF+TvEVF−GainEVF−SvEVF
次に、AF動作用の露出を図5のAF用プログラム線図から求めるが、まずはプログラム線図を引くための露出値EvAFを求める。先ほど求めた被写体輝度Bvと、AF時の撮像素子16の駆動により決定される感度SvAFを使用する。
【0060】
EvAF=Bv+SvAF
このように求めたEvAFを用い、プログラム線図からAF用の絞り値、シャッター速度、ゲイン値を求める(ステップS133)。
【0061】
EvAF=AvAF+TvAF−GainAF
このあとAF用の露出に制御し(ステップS135)、この露出にて被写体に応じてピント合わせ処理が行われる(ステップS137)。
【0062】
AF終了後、静止画撮影用露出と(ステップS139)、SW1保持用露出(ステップS141)の2つの露出を決定する。静止画撮影用露出は、図6の静止画撮影用プログラム線図から絞り、シャッター、ゲインの組み合わせを求める。まずはプログラム線図を引くための露出値EvCapを求める。先ほど求めた被写体輝度Bvと、静止画撮影時の感度SvCapを使用する。
【0063】
EvCap=Bv+SvCap
このように求めたEvCapを用い、プログラム線図を引く。
【0064】
EvCap=AvCap+TvCap−GainCap
続いて、SW1保持用露出を決定する場合も、まずは先ほど求めた被写体輝度Bvと、SW1保持時の撮像素子16の駆動により決定される感度SvLockを使用し、露出値EvLockを求める。
【0065】
EvLock=Bv+SvLock
EvLockから絞り値、シャッター速度、ゲイン値を求める際、プログラム線図を用いずに次の手順で決定していく。まず絞り値は、SW2押下後のタイムラグ短縮を目的に、絞り値をAvCapに決定する。次に、EvLockを実現できるようなシャッター速度TvLockを選択する。被写体輝度が明るい、もしくは暗いために、選択したシャッター速度TvLockではEvLockが実現できない場合、ゲインによりEvLockが実現できるようにGainLockを決定する。
【0066】
決定したSW1保持用の露出に制御する前に、レリーズボタン104が深く押されてSW2がONされているかを検出する(ステップS143)。ユーザーにより既にSW2がONされて撮影開始が指示されている場合、SW1保持用の露出に制御して画像表示装置にライブ画像を出力する必要がないため、SW1保持用の露出制御を行わずにSW1完了とする。SW2が押下されていない場合は、SW1保持状態でファインダー機能を実現するために、SW1保持用の露出に制御する(ステップS145)。
【0067】
図11は、露出制御時の動作を示すフローチャートである。このフロー実行時には、現在設定されている絞り値Av1、シャッター速度Tv1、ゲイン値Gain1と、次に設定する目標となる絞り値Av2、シャッター速度Tv2、ゲイン値Gain2が明確になっているものとする。また、フロー中で用いている変数は、図12のタイミング図に記載した各値を意味している。
【0068】
本実施形態は、電子ファインダーに出力される画像に対し、絞りによる画質劣化を改善するものであるため、まずは電子ファインダー出力しているかどうかを判定する(ステップS151)。電子ファインダーがOFFされている場合、光学ファインダー106を使用していると判断し、絞り駆動による露光変動補正を行わないようにする。また、光学ファインダーがONされている場合であっても、絞り駆動が露光期間に重なっていないと判断された場合は補正する必要がないため、補正しない(ステップS153)。補正しない場合は目標絞り値Av2、シャッター速度Tv2、ゲイン値Gain2にそのまま露出制御する(ステップS155)。
【0069】
絞り駆動が露光期間に重なるかどうかの判定は、絞り駆動時間IrisMoveTimeと、シャッター閉時間ShutterCloseTimeの差であるIrisNoiseTimeで行う。IrisNoiseTimeが正の値を持っている時は、絞り駆動が露光期間に重なっていると判断できる。絞り駆動時間IrisMoveTimeは絞り駆動量(Av2−Av1) と絞り駆動速度IrisSpeedから算出し、シャッター閉時間は目標シャッター速度での露光時間ExpTime2と垂直同期信号周期VDTimeから算出することができる。
【0070】
IrisMoveTime=(Av2−Av1)÷IrisSpeed
ShutterCloseTime=VDTime−ExpTime2
次に、露出制御前後と、絞り駆動時の露出変動分の露光量(図12における斜線部の面積)を算出する(ステップS157、159、161)。
【0071】
露出制御前の露光量は、
Area1=Value1×ExpTime1
となる(ステップS157)。Av値、Tv値は、log圧縮した単位系で表現されているため、log解凍するために2のべき乗したものをValue*、ExpTime* として計算する。また、Valueは、露出制御後のValue2を基準としてValue1を表現している。
【0072】
露出制御後の露光量は、
Area2=Value2×ExpTime2
となる(ステップS159)。絞り駆動による露光変動がない場合には、露出制御前後の露光量Area1とArea2の面積が等しいはずである。
【0073】
絞り駆動による露光変動分は、
IrisNoiseArea=IrisNoiseValue×IrisNoiseTime÷2
となる(ステップS161)。IrisNoiseValueは、目標シャッター速度Tv2に制御した際の、露光開始時点での絞り変動値を示している。また、ここでは絞り駆動が目標絞り値までリニアに制御できるものとしている。さらに、絞り駆動がシャッター閉タイミングと同期して制御可能なものとしている。しかし絞りによってはこの限りではなく、その場合、IrisNoiseAreaの算出方法を絞り駆動特性や、駆動開始遅れ時間に応じて変更することが可能である。
【0074】
各露光量の算出後、それぞれの面積の関係から、絞りによる露光変動分が補正できているかチェックする(ステップS163)。
【0075】
RefArea1とRefArea2+IrisNoiseAreaを比較し、RefArea2+IrisNoiseAreaのほうが大きい場合、絞りによる露光変動分が補正できていないと判断する。そして、シャッター速度を一定量だけ補正方向に変化させる(ステップS171)。その後、再度RefArea2 とIrisNoiseValue を再計算し(ステップS159、161)、RefAreaとの比較を行う(ステップS163)。このように、RefArea2+IrisNoiseAreaの値が、RefArea1と同等の露光量になるまでシャッター速度を補正していく。
【0076】
補正用のShutterCloseTimeが決定されたなら、垂直同期信号VDTimeとの差から補正用露光時間ExpTime2’を算出し、さらにTv2’を補正用シャッター速度とする(ステップS165)。
【0077】
ExpTime2’=VDTime−ShutterCloseTime
Tv2’=−log2(ExpTime2’)
決定した補正用シャッター速度Tv2’を用い、目標絞り値Av2、目標ゲイン値Gain2と共に、露出制御を行う(ステップS167)。この露出制御時に、Tv2’により絞り駆動による露光変動分がキャンセルされ、ファインダーへ劣化画像が出力されることを防ぐことができる。その後絞り駆動が完了した後、シャッター速度を本来の目標値であるTv2に制御し、一連の補正処理が完了する(ステップS169)。
【0078】
図11のフローチャートでは、ステップS165の処理でシャッター速度を補正して絞り駆動による露光変動分をキャンセルしようとしている。しかし、別の形態として、ゲイン値を使用して露光変動分をキャンセルする場合もある。その場合は、露光面積IrisNoiseAreaの縦方向のValue値を補正するものとしてフロー演算を行い、求めたValue値をゲイン値に置き換えることで、ゲイン値による補正が可能となる。
【0079】
このような実施形態にて、絞り駆動による露光変動分を補正し、質の高い電子ファインダーを提供することが可能となる。
【0080】
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0081】
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0082】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラの外観を示す図である。
【図3】レリーズボタンが押下された際のシーケンスを示す図である。
【図4】各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうちEVF線図を示す図である。
【図5】各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうちAF線図を示す図である。
【図6】各カメラの動作時に使用するプログラム線図のうち静止画線図を示す図である。
【図7】絞り駆動時に発生する露出変動による画質劣化を説明するための詳しいタイミング図である。
【図8】絞り駆動時に発生する露出変動による画質劣化を説明するための詳しいタイミング図である。
【図9】デジタルカメラを起動してからの動作を示すフローチャートである。
【図10】SW1押下後の処理を示すフローチャートである。
【図11】露出制御時の動作を示すフローチャートである。
【図12】露出制御時の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 レンズ
12 メカニカルシャッター
14 絞り
16 撮像素子
18 CDS回路
20 PGA
22 A/D変換回路
24 TG
26 絞り駆動回路
28 メカニカルシャッター駆動回路
50 画像処理回路
34 VRAM
32 圧縮伸張回路
36 D/A変換回路
60 システム制御回路
70 カメラ操作部
108 画像表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、
前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、
前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備え、
前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像素子の電荷蓄積量の変動は、前記絞りの駆動量、前記絞りの駆動速度、前記絞り駆動時間、前記電子シャッターのシャッター開時間、前記電子シャッターのシャッター閉時間を用いて算出されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記電子シャッター制御手段は、前記撮像装置がライブビュー動作を行なっていない場合には、前記電荷蓄積の時間の補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、
前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、
前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備え、
前記撮像素子に逐次に電荷蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記ゲイン制御手段は、前記撮像装置がライブビュー動作を行なっていない場合には、前記画像信号のゲインの補正を行わないことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、
前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段に、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項7】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、
前記撮像素子に逐次に電荷蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、
前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、
前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備え、
前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像素子の電荷蓄積量の変動は、前記絞りの駆動量、前記絞りの駆動速度、前記絞り駆動時間、前記電子シャッターのシャッター開時間、前記電子シャッターのシャッター閉時間を用いて算出されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記電子シャッター制御手段は、前記撮像装置がライブビュー動作を行なっていない場合には、前記電荷蓄積の時間の補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、
前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、
前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備え、
前記撮像素子に逐次に電荷蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記ゲイン制御手段は、前記撮像装置がライブビュー動作を行なっていない場合には、前記画像信号のゲインの補正を行わないことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記撮像素子の駆動タイミングを調節することにより前記撮像素子の電荷蓄積の時間を調節する電子シャッターの動作を制御する電子シャッター制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、
前記撮像素子に逐次に電荷の蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記電子シャッター制御手段に、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積の時間を、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積における電荷蓄積量の変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項7】
被写体像を光電変換して電荷の蓄積を行う撮像素子を備える撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像信号を表示する表示手段と、前記撮像素子に入射する光量を調節する絞りの開き量を制御する絞り制御手段と、前記画像信号のゲインを制御するゲイン制御手段とを備える撮像装置を制御する方法であって、
前記撮像素子に逐次に電荷蓄積を行なわせ、逐次に前記撮像手段から出力される画像信号を前記表示手段に表示させるライブビュー動作において、前記絞りの開き量を変化させる場合に、前記絞りの開き量を変化させるためにかかる絞り駆動時間が逐次に行われる前記電荷蓄積の内の少なくとも1つの電荷蓄積の時間に重なる場合に、前記ゲイン制御手段は、前記絞り駆動時間が重なる電荷蓄積で得られる画像信号のゲインを、逐次に行なわれる前記撮像素子の電荷蓄積で得られる画像信号のレベルの変動を抑制するように補正させる工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−271412(P2008−271412A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114505(P2007−114505)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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