説明

撮像装置

【課題】カメラの携帯性及びグリップ性を向上させる。
【解決手段】側面4dにグリップ部Gを有するカメラボディ2と、上面側に設けられるレリーズボタン11と、側面4dに設けられ、ストラップが取り付けられる孔部12が形成されたスライド部材10とを備え、スライド部材10は、電源のオンオフ状態を切り替える操作部材を兼ね、孔部12が側面4dの長手方向の略中央に位置し、電源をオフ状態にする第1の位置と、第1の位置から側面4dの長手方向にずれた位置であって電源をオン状態にする第2の位置との間で移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの小型化を図る一方で、カメラのグリップ性を向上させるための種々の技術が開示されている。
特許文献1では、カメラボディの側面位置から背面位置へ回動可能な可動グリップを設けたカメラが開示されている。
特許文献2では、カメラボディの上方へ突出するように移動可能なストロボをグリップ部に設けたカメラが開示されている。
特許文献3では、カメラボディの下方へ突出するように移動可能な棒状のグリップを設けたカメラが開示されている。
特許文献4では、カメラボディの前面側へ突出するように移動可能なグリップ部を設けたカメラが開示されている。なお、グリップ部の移動によりカメラの電源がオンオフされる。
特許文献5では、カメラボディの側面において回動可能なグリップ部を設け、グリップ部の厚みを変化可能としたカメラが開示されている。
【特許文献1】特開平11−15072号公報
【特許文献2】特開平07−181566号公報
【特許文献3】特開平09−5879号公報
【特許文献4】特開平10−254051号公報
【特許文献5】特開2004−309740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラボディにはストラップを取り付けるための吊り環等のストラップ取付部が設けられる。ストラップ取付部の配置される位置は、カメラの携帯時と撮影時とでは好ましい位置が異なる。例えば、携帯時において、カメラボディの一側面側が上方になるように、ストラップにより吊り下げて保持する場合には、ストラップ取付部は当該一側面の中央にあることが望ましい。一方、撮影時においては、ストラップ取付部がグリップの邪魔にならない位置やグリップに利用できる位置にあることが望ましく、当該位置はカメラボディの側面中央とは限らない。従って、カメラの携帯性及びグリップ性の双方を向上させる位置にストラップ取付部を設けることは困難であった。なお、ストラップ取付部をグリップに利用する技術は上述の先行技術では開示されていない。
【0004】
本発明の目的は、カメラの携帯性及びグリップ性を向上させることができる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点の撮像装置は、筐体と、前記筐体の上面且つ一方の側面側の略端部に配置されたレリーズボタンと、前記筐体の一側面に配置されると共に、電源のオンオフを切り換え可能であって電源をオフする第1の位置と電源をオンする第2の位置とにスライド移動可能なスライド部材と、ストラップを取り付け可能な前記スライド部材に配置されたストラップ取付部と、を備え、前記スライド部材が前記第1の位置にある場合には、前記ストラップ取付部が前記一側面の高さ方向における略中央に位置する。
【0006】
本発明の第2の観点の撮像装置は、撮像装置を形成する筐体と、前記筐体の上面且つ一方の側面側の略端部に配置されたレリーズボタンと、前記筐体の一側面に配置されると共に、電源のオンオフを切り換え可能であって電源をオフする第1の位置と電源をオンする第2の位置とにスライド移動可能なスライド部材と、ストラップを取り付け可能な前記スライド部材に配置されたストラップ取付部と、を備え、前記スライド部材が前記第1の位置にある場合には、前記ストラップ取付部が、前記撮像装置の重心を通る線上であって、前記筐体の幅方向と略平行な線上に位置する。
【0007】
好適には、前記スライド部材は、前記筐体の背面側に設けられた該筐体を保持するための指載置部を備える。
【0008】
好適には、前記指載置部は、前記レリーズボタンを操作する際に操作者の指を載置することにより前記筐体の保持を補助可能とする。
【0009】
好適には、前記筐体の背面側であって、且つ、前記指載置部に近接して配置した画像表示部を備える。なお、近接とは、撮影者の親指を置くスペースがない(置きにくい)ほど、側面側の近くに配置されていることをいう。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カメラの携帯性及びグリップ性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1(a)は、本発明の実施形態のカメラ1の背面側から見た斜視図であり、図1(b)はカメラ1を正面側から見た斜視図であり、図2はカメラ1の平面図である。図2において、図2(a)は電源オフ状態を示す図、図2(b)は電源オン状態を示す図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、カメラ1は、例えば比較的小型のデジタルカメラとして構成され、横長薄型の直方体状のカメラボディ2を備えている。カメラボディ2は、撮像ユニット5が設けられる撮像側ボディ3と、表示部6が設けられる表示側ボディ4とを備えている。撮像側ボディ3と、表示側ボディ4とは、撮像ユニット5に含まれる撮像レンズ(不図示)の光軸に直交する方向であって表示部6に平行な方向(図1においてx軸方向)の軸周りに相対的に回転可能である。従って、ユーザは表示部6を視認しながら撮像側ボディ3を表示側ボディ4に対して回転させ、適宜な方向の被写体を撮影可能であり、例えば自分自身を撮影することも可能である。
【0013】
なお、撮像側ボディ3は、撮像レンズの露出する撮影面3cから発光するストロボ8、各種操作ボタン等も備えている。表示部6は、例えば液晶表示装置により構成されている。
【0014】
表示側ボディ4は、表示部6が背面4bに設けられ、表示側ボディ4内部側へ押し込み操作可能なレリーズボタン11が上面4cに設けられている。そして、表示側ボディ4のレリーズボタン11が設けられている側の端部はグリップ部Gとして機能する。すなわち、ユーザは、例えば中指、薬指、小指をグリップ部Gの前面側(図2の紙面奥手方向側)に、親指をグリップ部Gの背面4b側に置いてカメラ1を把持しつつ、人差し指によりレリーズボタン11を押し込み操作可能である。なお、グリップG側の側面4dは、カメラ1の側方外側へやや湾曲するように形成されている。
【0015】
なお、表示側ボディ4の背面4bには、比較的広い範囲に亘って表示部6が設けられている(例えば背面4bの2/3程度)。また、背面4bの上方側にはメニューボタンやズームボタン等の各種のボタンが設けられている。従って、背面4bにおいてユーザが親指を置くことができるスペースは、比較的狭い範囲となっている。
【0016】
カメラ1のグリップ部G側の側面4dには、スライド部材10が設けられている。スライド部材10は、ストラップ(不図示)を取り付けるための部材と、カメラ1の電源スイッチを操作する操作部材と、ユーザが親指を置くスペースを拡大する部材とを兼ねるものである。
【0017】
スライド部材10には、ストラップを挿通して取り付けるための孔部(ストラップ取付部)12が設けられている。また、スライド部材10は、図2(a)に示す、孔部12が側面4dの長手方向(図2の紙面上下方向)の略中央に位置する第1の位置と、図2(b)に示す、第1の位置から側面4dの長手方向においてレリーズボタン11側(紙面上方)にずれた第2の位置との間を移動可能に設けられている。なお、第1の位置は、カメラ1の重心GPを通り、カメラ1の筐体幅方向と平行な直線L1上にも位置している。第2の位置は、例えば表示側ボディ4のグリップ時に親指を当接させ易い位置に設定されている。スライド部材10が第1の位置に移動することにより電源がオフ状態になり、スライド部材10が第2の位置に移動することにより電源がオン状態になる。
【0018】
図3(a)は電源オフ状態におけるスライド部材10をカメラ1の内部側から見た斜視図、図3(b)は電源オン状態におけるスライド部材10をカメラ1の内部側から見た斜視図、図4(a)は、電源オフ状態におけるスライド部材10をカメラ1の内部側から見た図、図4(b)は電源オン状態におけるスライド部材10をカメラ1の内部側から見た図、図5は、図3(a)のIV−IV線における断面図である。なお、図5において紙面下方は、表示側ボディ4の背面4b側(図2の紙面手前側)であり、紙面右側は、表示側ボディ4の側面4dのカメラ外部側である。
【0019】
図5に示すように、スライド部材10は、側面4dに対向し、側面4dに保持される被保持部10aと、側面4dに直交又傾斜し、側面4dから突出するように設けられる取付部10bとを有し、断面略L字状に形成されている。取付部10bには孔部12が設けられている。スライド部材10は、例えば樹脂や金属により一体成形されている。
【0020】
図5に示すように、取付部10bは、被保持部10aよりも背面側(図5の紙面下方)に設けられ、図1(a)、図2及び図3に示すように、取付部10bの背面10c(指載置部)がグリップ部Gの背面4bに連続するように設けられている。
【0021】
取付部10bは、例えばカメラ1の背面側から見て略半円状に形成され、半円の直線状の縁部10dが側面4dの長手方向(図3の紙面上下方向)に沿うように配置されている。取付部10bは、例えば半円の直径が側面4dの長手方向の長さの1/3程度に設定されている。孔部12は、側面4dの長手方向において、取付部10bの略中央に設けられている。また、孔部12は、長手方向に直交する方向において、取付部10bの中央よりも側面4dから離間する側(半円の円周側)に設けられている。取付部10bの背面10cには、側面4dと孔部12との間に、側面4dの長手方向に沿う方向に延びる突条部10eが複数本(例えば2本)設けられている。
【0022】
図5に示すように、被保持部10aにはネジボス10gが設けられ、ネジボス10gは側面4dに設けられた溝部15(図3及び図4も参照)に側面4dの外側(図5の紙面右側)から挿通されている。側面4dの内側には、溝部15の幅よりも径の大きい抜け止め部材17が配置されている。そして、ねじ16が抜け止め部材17に挿通されるとともに、ネジボス10gに螺着されることにより、被保持部10aは側面4dに保持されている。
【0023】
溝部15は、側面4dの長手方向に沿う方向に延びており、ネジボス10gは溝部15に案内されて側面4dの長手方向に沿って移動する。ネジボス10gが溝部15の端部(規制部)によって移動を規制される位置は、それぞれスライド部材10の第1の位置と第2の位置に対応する。なお、溝部15はガイド部として機能し、ネジボス10gは被ガイド部として機能する。
【0024】
図3及び図4に示すように、表示側ボディ4の内部側には、スライド部材10を第1の位置及び第2の位置に位置保持するためのばね20が設けられている。具体的には、ばね20は、線材をV字状に折り曲げ、当該線材が直線状に復帰しようとする力を付勢力とする圧縮ばねにより構成されている。ばね20は、一端が軸部21に回転可能に保持されるとともに、他端が抜け止め部材17に回転可能に保持されている。
【0025】
軸部21は、側面4dの長手方向における位置が溝部15の略中央に設けられ、側面4dの内側に突出して設けられている。ばね20の一端は軸部21に線材が巻き回されることにより、軸部21に回転可能に保持されている。
【0026】
図5に示すように抜き止め部17の外周には凹部17aが設けられ、ばね20の他端は線材が凹部17aに嵌合するように抜き止め部17に巻き回されることにより、抜き止め部17に対して回転可能に保持されている。
【0027】
図3及び図4に示すように、側面4dの内側には、電源スイッチとしてのスイッチ23が設けられている。スイッチ23は、固定接点24及び可動接点25を備えている。固定接点24及び可動接点25は、長尺な金属製の板により構成され、互いに平行に配置されるとともに、一端側は表示側ボディ4に対して固定され、他端は自由端となっている。固定接点24の他端には可動接点25側に湾曲して可動接点25に接触する湾曲部24aが設けられている。
【0028】
図4(a)に示すように、スライド部材10が第1の位置にあるときには、抜け止め部材17により可動接点25の自由端が固定接点24から離間する方向へ押される。可動接点25は弾性変形により曲がり、可動接点25と固定接点24とは離間し、スイッチ23はオフ状態となる。
【0029】
図4(b)に示すように、スライド部材10が第2の位置にあるときには、抜け止め部材17による可動接点25の押圧が解除される。可動接点25は弾性により固定接点24と接触する位置へ復帰し、スイッチ23はオン状態となる。電源オン状態では、シャッタの駆動等に必要な電力がカメラ1に装着された不図示のバッテリからカメラ1の各種の装置に供給される。なお、バッテリ(電源)は一次電源でも二次電源でもよい。
【0030】
図6は、カメラ1をカメラケース30に収納して示す平面図である。なお、カメラ1とカメラケース30とにより、撮像装置セットが構成される。
【0031】
カメラケース30は、カメラ1を収納可能な収納部30aを備えている。収納部30aは、例えば内部にカメラ1と近似した形状、大きさの収納空間が形成可能に構成されており、カメラ1の直方体形状に対応して直方体状に形成されている。ただし、収納部30aの内部に、カメラ1に当接してカメラ1を収納部30aに対して固定する樹脂やゴム等からなる部材を設け、収納部30aの外観をカメラ1の形状、大きさをカメラ1と全く異なるものにすることも可能である。
【0032】
収納部30aの一端側(図6の紙面上方側)には、カメラ1を収納部30aに出し入れするための開口部30bが設けられ、また、開口部30bを塞ぐ蓋部30cが設けられている。開口部30bは例えば直方体状のカメラケースの側面に設けられ、蓋部30cにはスライド部材10を挿通するための孔部30dが設けられている。
【0033】
カメラケース30の開口部30bからカメラ1のスライド部材10とは反端側の端部から挿入すると、当該反対側の端部が収納部30aの開口部30bから見て奥側となる側面30fの内側に当接する。この状態で蓋部30cを閉じると、孔部30dからスライド部材10が突出する。なお、カメラ1のカメラケース30に対する挿入方向(図6の紙面上下方向)における移動は側面30fの内側と蓋部30cにより規制され、カメラ1の側面4dに沿う方向(図6の紙面左右方向)における移動は側面30h、30gの内側により規制される。
【0034】
孔部30dは、スライド部材10の第1の位置から第2の位置への移動を規制可能に設けられている。換言すれば、孔部30dは、カメラ1を収納したときに、第1の位置のスライド部材10が挿通可能であり、第2の位置のスライド部材10が挿通不可能に形成されている。具体的には、孔部30dはカメラ1の側面4dに対応するカメラケース30の側面側に設けられ、当該側面の長手方向の位置(図6の紙面左右方向)は、スライド部材10の第1の位置に対応する位置(例えば長手方向の略中央)に設定され、長手方向の大きさは、スライド部材10取付部10bの長手方向の大きさと同程度に設定されている。
【0035】
なお、蓋部30c又はカメラケース30全体は、スライド部材10の孔部30dによりスライド部材10の移動を規制可能に、所定の剛性を有する材質により形成されることが望ましい。例えば、樹脂、金属、鞣革により構成されることが望ましい。
【0036】
以上の実施形態によれば、カメラボディ2と、カメラボディ2の上面且つ一方の側面側の略端部に配置されたレリーズボタン11と、カメラボディ2の一側面に配置されると共に、電源のオンオフを切り換え可能であって電源をオフする第1の位置と電源をオンする第2の位置とにスライド移動可能なスライド部材10と、ストラップを取り付け可能なスライド部材10に配置された孔部12と、を備え、スライド部材10が第1の位置にある場合には、孔部12が側面4dの高さ方向における略中央に位置することから、部材の共用と構造の簡素化が図られる。また、電源オフ時に孔部12が側面4dの略中央に位置することで、ストラップを取り付けて首から吊るした場合に筐体が傾かない。
【0037】
また、当該効果は、スライド部材10が第1の位置にある場合には、孔部12が、カメラ1の重心GPを通り、カメラ1の幅方向と略平行な線L1上に位置する場合にも得られる。
【0038】
スライド部材10がカメラボディ2の背面側に指載置部を備えることからカメラ1の保持を補助することができる。
【0039】
特に、レリーズボタン11を操作する際に操作者の指を載置することによりカメラ1の保持を好適に補助できる。
【0040】
表示部6が側面4d近傍に配置されている場合、指を載置できるスペースが必要である。スライド部材10を設けることで表示部6を側面4d近傍に配置することができる。
【0041】
図7は、スライド部材の変形例であるスライド部材40を示す平面図であり、図7(a)は電源オフ状態を図7(b)は電源オン状態を示している。
【0042】
図7(a)に示すように、電源オフ状態となる第1の位置では、ストラップを取り付けるための孔部41は表示側ボディ4′の側面4d′の略中央に位置している。ただし、スライド部材40の取付部41bは、側面4d′の中央からずれた位置にある。例えば、取付部41bの長手方向における両端部の中央が側面4d′の中央側からレリーズボタン11側にずれ、又は、取付部41bの平面視における重心が側面4d′の中央側からレリーズボタン11側にずれている。
【0043】
図7(b)に示すように、電源オン状態となる第2の位置は、取付部10bのずれの方向(レリーズボタン11側の方向)へ、第1の位置からずれた位置となっている。なお、孔部41は、第2の位置から第1の位置への方向へ、取付部41bの中央からずれて設けられている。
【0044】
このように、第1の位置においてあらかじめ取付部41bをレリーズボタン11側に設けておくことにより、第1の位置と第2の位置との距離を短くしつつ、第2の位置をグリップに適した位置に設定することができる。
【0045】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0046】
撮像装置はデジタルカメラに限定されず、例えば銀塩カメラであってもよい。カメラボディは、一側面側にグリップ部が設けられるものであればよく、撮像側ボディと表示側ボディとを有し、全体の形状が変化するものや、薄型横長の直方体形状に限定されない。例えば、カメラボディは一つの筐体からなるものでもよい。直方体よりも複雑な形状であってもよいし、曲面や傾斜面を有していてもよい。
【0047】
なお、カメラボディの側面、グリップ部の背面、上面は、一般には、ユーザがカメラをグリップしたときに、ユーザの左右方向におけるカメラの端面を側面、カメラのユーザ側の面を背面、ユーザの頭上方向の面を上面と定義することができ、カメラの各種装置等のレイアウトから特定することが可能である。例えば、撮影時にユーザが被写体を視認するためのファインダ光学系の接眼レンズが設けられている側の面や、撮影時にユーザが被写体を視認するための液晶表示装置等の画面が設けられている側の面は背面として特定できる。また、例えば、背面に略直交するとともに、互いに略直交する2面があれば、いずれかを一方を上面、他方を側面として特定することができ、さらに、当該2面の一方にレリーズボタンが設けられていれば、当該レリーズボタンが設けられている側の面を上面、レリーズボタンが設けられていない面を側面として特定することができる。
【0048】
第1の位置は、ストラップを取り付けるための孔部がグリップ部の側面の長手方向の略中央に位置すればよく、ストラップ取付部の被保持部や取付部は側面の長手方向の中央に位置する必要はなく、レリーズボタン側又はその反対側にずれていてもよい。
【0049】
第2の位置は、第1の位置から側面の長手方向においてずれた位置であればよく、レリーズボタン側と反対側にずれた位置でもよい。なお、好ましくは、人差し指でレリーズボタンを押し込み操作可能にグリップしたときに、親指を置くことが可能な又は親指を置くのに適した位置に設定する。この場合、親指を置くことが可能な位置等は、対象とするユーザの一般的な手の大きさ、カメラボディの大きさ等の諸条件に基づいて特定され、例えば、一般的な大きさのカメラボディであれば、第2の位置は第1の位置よりも上方位置となり、比較的小さなカメラボディであれば、第2の位置は第1の位置よりも下方位置となる。
【0050】
図8は、カメラ1の第2の位置を変更した変形例を示す平面図であり、図8(a)は電源オフ状態を、図8(b)は電源オン状態を示している。図8(a)に示すようにカメラ1″の第1の位置はカメラ1と同一位置であるが、第2の位置は第1の位置から下方(レリーズボタンの反対側)にずれた位置に設定されている。
【0051】
スライド部材はレリーズボタン側(右側面)に限定されない。例えば、スライド部材を筐体の右側面に、レリーズボタンを筐体の左側面に配置してもよい。いずれにせよ、指の置き場が拡張され、筐体の保持を良好にする効果を奏しうる。ただし、可動部材をレリーズボタン側に配置することが望ましい。例えば片手で保持しつつレリーズボタンを操作できるからである。
【0052】
スライド部材の背面側に設けられる凸部又は凹部は、ユーザの指等の滑りを防止できるものであればよく、突条部に限定されない。溝部が設けられてもよいし、平面形状が矩形や円の凸部や凹部が設けられてもよい。凹部は抜け穴状であってもよい。凸部及び凹部の双方を設けてもよいし、凸部又は凹部が単数設けられてもよいし、複数設けられてもよい。また、取付部にゴム等の弾性部材や滑り止め部材を設け、グリップ性を向上させてもよい。
【0053】
スライド部材のカメラボディの前面側から背面側への位置は適宜に設定してよい。なお、取付部の背面側とカメラボディの背面側とが、前面側から背面側への方向(前後方向)において同じ位置になることが好ましい。また、他の好ましい態様として、スライド部材を一側面から突出するとともにカメラボディの背面からも突出するように形成してもよい。例えば、取付部10bの背面10cが表示側ボディ4の背面4bよりも背面側へ突出するようにしてもよい。この場合、親指を置きやすくなり、カメラボディの保持を好適にできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態のカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態のカメラの外観を示す平面図である。
【図3】図1のカメラのスライド部材周辺の構成をカメラ内部側から見た斜視図である。
【図4】図1のカメラのスライド部材周辺の構成をカメラ内部側から見た側面図である。
【図5】図1のカメラのスライド部材周辺の構成を示す断面図である。
【図6】図1のカメラをカメラケースに収納された状態で示す正面図である。
【図7】スライド部材の変形例を示す図である。
【図8】スライド部材の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1…撮像装置、2…カメラボディ、10…スライド部材、11…レリーズボタン、12…孔部、G…グリップ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の上面且つ一方の側面側の略端部に配置されたレリーズボタンと、
前記筐体の一側面に配置されると共に、電源のオンオフを切り換え可能であって電源をオフする第1の位置と電源をオンする第2の位置とにスライド移動可能なスライド部材と、
ストラップを取り付け可能な前記スライド部材に配置されたストラップ取付部と、を備え、
前記スライド部材が前記第1の位置にある場合には、前記ストラップ取付部が前記一側面の高さ方向における略中央に位置する
撮像装置。
【請求項2】
撮像装置を形成する筐体と、
前記筐体の上面且つ一方の側面側の略端部に配置されたレリーズボタンと、
前記筐体の一側面に配置されると共に、電源のオンオフを切り換え可能であって電源をオフする第1の位置と電源をオンする第2の位置とにスライド移動可能なスライド部材と、
ストラップを取り付け可能な前記スライド部材に配置されたストラップ取付部と、を備え、
前記スライド部材が前記第1の位置にある場合には、前記ストラップ取付部が、前記撮像装置の重心を通る線上であって、前記筐体の幅方向と略平行な線上に位置する
撮像装置。
【請求項3】
前記スライド部材は、前記筐体の背面側に設けられた該筐体を保持するための指載置部を備える、
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記指載置部は、前記レリーズボタンを操作する際に操作者の指を載置することにより前記筐体の保持を補助可能とする
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記筐体の背面側であって、且つ、前記指載置部に近接して配置した画像表示部を備える
請求項3に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−235404(P2006−235404A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52128(P2005−52128)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】