撮影装置、及び撮影方法
【課題】他の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切なスルー画像を得る。
【解決手段】ストロボ発光が行われていることが検出された場合(108で肯定判定)に、画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定する(110)。
【解決手段】ストロボ発光が行われていることが検出された場合(108で肯定判定)に、画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定する(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、及び撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光センサを用いて、撮影時に調光を行うデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のデジタルカメラでは、フラッシュ光(ストロボ光)を発光させて、積分された光センサの受光量の累積値が、基準となる適正値に到達した場合には、ストロボ光の発光が停止される。
【特許文献1】特開2000−324384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のデジタルカメラでは、他のデジタルカメラ等からストロボ発光が行われた場合には、スルー画像がストロボ発光に応じて変化して、スルー画像表示のハンチングが発生してしまい、ユーザに不快感を与えてしまう、という問題点がある。
【0005】
また、特許文献1に記載のデジタルカメラでは、先幕発光撮影を行うため、自機のストロボ発光後に、他のデジタルカメラ等からストロボ発光が行われた場合には、被写体を撮影して得られる画像に白とびが発生し適切な画像が得られない、という問題点がある。なお、この他のデジタルカメラ等からストロボ発光が行われるような撮影環境としては、結婚式の会場や記者会見の会場等が挙げられる。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために成されたもので、他のデジタルカメラ等の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切なスルー画像が得られる撮影装置及び撮影方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、他のデジタルカメラ等の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切な画像を得ることができる撮影装置及び撮影方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1の目的を達成するために第1の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整する調整手段と、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定するホワイトバランス固定手段とを含んで構成されている。
【0008】
本発明に係る撮影装置によれば、検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、ホワイトバランス固定手段によって画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われている場合であっても、表示手段に表示される画像のホワイトバランスが周辺の撮影環境の影響で変化することがなくなるため、スルー画像表示のハンチングが発生せずユーザに不快感を与えることを防止することができる。なお、ホワイトバランスは、ストロボ発光モードの際の値に固定するとより効果的である。
【0009】
また、上記第2の目的を達成するために第2の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、前記撮影手段による撮影時の露出を決定する決定手段とを含んで構成されている。
【0010】
本発明に係る撮影装置によれば、検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値に基づいて撮影時の露出を決定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われた場合において1回のみ測光された被写体の明るさに基づいて撮影時の露出を決定する場合と比較して、良好な画像を得る可能性を高めることができる。
【0011】
また、上記第2の目的を達成するために第3の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、前記被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、前記撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出する白とび検出手段と、前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0012】
本発明に係る撮影装置によれば、白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように撮影手段を制御するので、白とびのない画像を得ることができる。
【0013】
第3の発明に係る撮影装置は、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段を更に含み、決定手段が、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られた測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度露出を決定するようにしてもよい。
【0014】
また、上記第2の目的を達成するために第4の発明に係る撮影装置は、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0015】
本発明に係る撮影装置によれば、撮影前に検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさと、撮影前の複数の測光値の平均値との差の絶対値が所定値以上になったときには、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。
【0016】
これにより、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われ、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値に所定値を加えた値)以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0017】
また、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われなくなり、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値から所定値を減じた値)以下になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0018】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定手段で決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定するように決定手段を制御すると共に、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0019】
また、上記第2の目的を達成するために第5の発明に係る撮影装置は、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、ストロボ発光を行うストロボ発光手段と、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きい場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さい場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0020】
本発明に係る撮影装置によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以上大きい場合、または撮影中に検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。これにより、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0021】
また、本発明に係る撮影装置によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以下小さい場合、または撮影中に検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0022】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定手段で決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定するように決定手段を制御すると共に、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0023】
また、上記第2の目的を達成するために第6の発明に係る撮影装置は、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段と、前記被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、前記後幕ストロボ発光を行わないように前記ストロボ発光手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0024】
本発明に係る撮影装置によれば、検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないようにストロボ発光手段を制御するので、撮影中に他の撮影装置によりストロボ発光が行われた場合には、後幕ストロボ発光を行わないことにより画像の白とびを防止することができる。
【0025】
また、上記第1の目的を達成するために第1の発明に係る撮影方法は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整し、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて、表示手段に画像を表示させ、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定する。
【0026】
本発明に係る撮影方法によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われている場合であっても、表示手段に表示される画像のホワイトバランスが周辺の撮影環境の影響で変化することがなくなるため、スルー画像表示のハンチングが発生せずユーザに不快感を与えることを防止することができる。なお、ホワイトバランスは、ストロボ発光モードの際の値に固定するとより効果的である。
【0027】
また、上記第2の目的を達成するために第2の発明に係る撮影方法は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する。
【0028】
本発明に係る撮影方法によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値に基づいて撮影時の露出を決定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われた場合において1回のみ測光された被写体の明るさに基づいて撮影時の露出を決定する場合と比較して、良好な画像を得る可能性を高めることができる。
【0029】
また、上記の目的を達成するために第3の発明に係る撮影方法は、被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定し、撮影時に、被写体を撮影し撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出し、決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影時に前記被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する。
【0030】
本発明に係る撮影方法によれば、撮影時に被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように撮影手段を制御するので、白とびのない画像を得ることができる。
【0031】
また、上記の目的を達成するために第4の発明に係る撮影方法は、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する。
【0032】
本発明に係る撮影方法によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさと、撮影前の複数の測光値の平均値との差の絶対値が所定値以上になったときには、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。
【0033】
これにより、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われ、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値に所定値を加えた値)以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0034】
また、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われなくなり、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値から所定値を減じた値)以下になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0035】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0036】
また、上記目的を達成するために第5の発明に係る撮影方法は、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に前記被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する。
【0037】
本発明に係る撮影方法によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。これにより、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0038】
また、本発明に係る撮影方法によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0039】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0040】
また、上記目的を達成するために第6の発明に係る撮影方法は、被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出し、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段による撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないように、後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段を制御する。
【0041】
本発明に係る撮影方法によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないようにストロボ発光手段を制御するので、撮影中に他の撮影装置によりストロボ発光が行われた場合には、後幕ストロボ発光を行わないことにより画像の白とびを防止することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上説明したように、本発明によれば、他のデジタルカメラ等の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切なスルー画像及び適切な画像を得ることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、デジタル電子スチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という。)に適用した場合について説明する。
【0044】
[第1の実施の形態]
図1(A)に示すように、本発明の撮影装置としてのデジタルカメラ10の正面には、撮影時に必要に応じて発光されるストロボ12と、撮影される被写体からの光が入射するファインダー窓14と、被写体像を結像させるための光学ユニット16と、が設けられている。また、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られた画像データをデジタルデータとして記憶する可搬型の記録メディア18(図2参照、図1では省略)を装着可能なスロット20が設けられている。
【0045】
なお、光学ユニット16は、沈胴式の光学レンズで構成され、撮影時以外は、デジタルカメラ10本体の筐体22内に沈胴されており、撮影時には、光軸方向に伸縮可能な鏡筒16Aが伸長されて、図1(A)に示すように筐体22の外部に現れるようになっている。また、この光学ユニット16は、鏡筒16A内に、撮影レンズ40、フォーカスレンズ42、及び絞り・シャッタ機構44を含んでいる(図2参照)。撮影レンズ40は、1枚又は複数枚のレンズで構成された単一の焦点距離(固定焦点)のレンズでも良いし、ズームレンズや望遠/広角の二焦点切替式レンズのように焦点距離可変のものでもよい。
【0046】
一方、デジタルカメラ10の背面には、図1(B)に示すように、スルー画像、撮影によって得られた被写体画像、各種メニュー、及びパラメータ等を表示するLCD24、ファインダー窓14から入射した光が図示を省略した光学部材を介して案内され、撮影する被写体の構図を決定する際に撮影者によって覗かれるファインダー接眼部26、及び撮影倍率をアップ又はダウンしたり、LCD24に表示されたメニュー画面から所望のメニュー項目又はズーム倍率の設定や各種パラメータ等を選択する際に撮影者によって操作される十字ボタン28が設けられている。
【0047】
更に、デジタルカメラ10の上面には、デジタルカメラ10の各部への電源電力の供給/供給停止の切り替えを行う電源スイッチ30、撮影の指示入力のために撮影者によって押圧操作されるレリーズスイッチ(所謂シャッタスイッチ)32、及び撮影モードを選択する際に撮影者によって回転操作されるモードダイヤル34が設けられている。レリーズスイッチ32は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)、及び当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)の2段階の押圧操作が可能に構成されている。詳細は後述するがデジタルカメラ10では、レリーズスイッチ32を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)が、設定モード(シャッタースピード優先AE、絞り優先AE、オート)に応じて設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御されるとともに、AWB(Auto White Balance)補正値(ホワイトバランスを補正するための基準補正値)の演算、及び必要に応じて感度を調整するための補正値が設定される。その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。なお、ホワイトバランスを調整するための基準補正値の演算は、上記のように自動で行っても良いが、手動又は半自動で行うことができる。
【0048】
次に本実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成を説明する。
【0049】
図2に示すように、デジタルカメラ10は、光学ユニット16の光軸後方に配置され、被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えたCCD(Charge Coupled Device)50、CDS(Correlated Double Sampling)回路52、アナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」と称す)54、CCD駆動信号発生部56、モータドライバ58、ストロボ制御部13、及びデジタルカメラ10の全体的な動作を司る主制御部60を備えている。なお、CCD50に代えて、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いることもできる。
【0050】
CDS回路52は、CCD50から読み出された被写体像を示す出力信号を相関二重サンプリング処理すると共にR、G、Bの各色信号に色分解処理して各色信号の信号レベルの調整を行う。A/D変換器54は、CDS回路52により処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0051】
CCD駆動信号発生部56は、CCD50を駆動するためのタイミング信号を生成する。モータドライバ58は、光学ユニット16に含まれる撮影レンズ40を移動(鏡筒の伸縮)させるためのズームモータ、フォーカスレンズ42を移動させるためのAFモータ、及び絞り・シャッタ機構44を駆動するアイリスシャッタモータの各モータを駆動する。モータドライバ58は、更に、撮影レンズ40のズーム位置を検知するための検知センサ58Aを含んでいる。ストロボ制御部13は、ストロボ12の発光を制御する。
【0052】
主制御部60は、画像入力制御部62、画像信号処理回路64、VRAM66、表示制御部68、圧縮伸長処理回路70、メディア制御部72、AF検出回路74、AE・AWB検出回路76、感度調整部90、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)78、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)80、及びCPU82が、バス84により相互に接続されている。また、CPU82は、CCD駆動信号発生部56、モータドライバ58と接続されている。さらに、CPU82は、十字ボタン28、電源スイッチ30、レリーズスイッチ32、及びモードダイヤル34と接続されている。
【0053】
画像入力制御部62は、A/D変換器54によるデジタル変換後のデジタル信号を被写体を表す被写体画像の画像データとして入力する。画像信号処理回路64は、入力された画像データに対して所定のデジタル信号処理を行う。VRAM66は、LCD24に表示する画像データを記憶する。表示制御部68は、VRAM66に記憶された画像データに基づく画像を表示するようにLCD24の表示を制御する。圧縮伸長処理回路70は、入力された画像データを圧縮・伸長する。メディア制御部72は、スロット20に装填された記録メディア18に対して各種情報を読み書きする。AF検出回路74は、入力された画像データに基づいて最適な焦点位置を検出する。AE・AWB検出回路76は、入力された画像データに基づいて最適な露出状態及びホワイトバランスを調整するためのAWB補正値等を演算する。感度調整部90は、入力された被写体画像の画像データに基づいて必要に応じて感度を調整する。SDRAM78は、ワークメモリとして用いられる。EEPROM80には、以下で詳細を説明するスルー画像表示処理ルーチンを実行するためのプログラム、各種処理を実行するためのプログラム、及びパラメータ等の情報が予め記憶されている。また、EEPROM80には、以下で詳細を説明する、被写体の周辺でストロボ発光が行われている場合におけるストロボ発光撮影モード用のホワイトバランス調整を行う際のAWB補正値(Rgst、Ggst、Bgst)が記憶されている。CPU82は、EEPROM80からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を制御する。
【0054】
なお、一般に、CCD50には、シャッターゲートを介してシャッタードレインが設けられており、シャッターゲートをシャッターゲートパルスによって駆動することにより、蓄積した信号電荷をシャッタードレインに掃き出すことができる。すなわち、CCD50は、シャッターゲートパルスによって各センサに蓄積される電荷の蓄積時間(シャッタスピード)を制御する、所謂電子シャッター機能を有しており、絞り・シャッタ機構44のシャッタ機能の代わりにこの電子シャッター機能を用いるようにしてもよい。
【0055】
次に、上記実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。
【0056】
デジタルカメラ10のCPU82が行うスルー画像表示処理ルーチンについて図3を用いて説明する。
【0057】
まず、ステップ100で電源スイッチ32の操作により電源がONされたことを検出すると、次のステップ102では、LCD24に所定のフレームレートで取り込んだ画像データを表示するスルー画像表示を開始するように上記各部を制御する。
【0058】
具体的には、ステップ102では、モータドライバ58にレンズ駆動の指示を行うことにより、光学ユニット16を筐体20の外側に突出させ、CCD駆動信号発生部56へCCD制御の指示を行うことにより、CCD50が所定のタイミングで被写体からの光を受け取って光電変換し、光電変換して得られるアナログ信号をCDS回路52へ出力し、CDS回路52が入力されたアナログ信号を相関二重サンプリング処理し、A/D変換器54が相関二重サンプリング処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を画像入力制御部62へ出力する。そして、画像入力制御部62が、A/D変換器54によるデジタル変換後のデジタル信号を、被写体を表す被写体画像の画像データとして入力し、画像信号処理回路64は、入力された画像データに対して所定のデジタル信号処理を行う。なお、本実施の形態において、画像信号処理回路64が行う所定のデジタル信号処理には、例えば、AE・AWB検出回路76によって、画像入力制御部62により入力された画像データのR、G、Bの色信号の輝度等に基づいて演算されたAWB補正値に基づいて、最適なホワイトバランスとなるように画像データのホワイトバランスを調整する処理が含まれている。すなわち、画像信号処理回路64は、被写体の明るさに基づいて、画像データのホワイトバランスを調整する調整手段として機能する。デジタル信号処理が施された画像データはVRAM66に記憶され、表示制御部68が、VRAM66に記憶された画像データに基づく画像がLCD24に所定のフレームレートで動画像的に連続表示されるようにLCD24の表示を制御する。すなわち、LCD24には、ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて画像が表示される。
【0059】
次のステップ104では、被写体画像1フレーム毎に、R、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求めることを開始する。なお、本実施の形態では、CCD50から取得される画像データに基づいて被写体輝度を求める例について説明するが、周知の測光センサやAF投光/受光センサからなる測距センサ等を用いて被写体輝度を求めるようにしてもよい。
【0060】
次のステップ106で、図5(A)及び図5(B)に示すように、複数のフレーム分、例えば10フレーム分の被写体輝度を測定したと判断された場合、すなわち被写体の明るさを複数回測定(測光)した場合には、次のステップ108へ進む。
【0061】
次のステップ108では、測定された複数フレーム、例えば10フレーム分の被写体の明るさの最大値と最小値との差が所定の閾値P以上であるか否かを判定することにより、被写体の周辺で他のデジタルカメラ等の撮像装置によるストロボ発光が行われているかを検出する。すなわち、検出手段としてのステップ108では、被写体の周辺で他の撮像装置によるストロボ発光が行われているかを検出する。なお、この所定の閾値Pについては、実験的又は統計的に、被写体の周辺で他の撮像装置によってストロボ発光が行われているような状況における被写体の明るさの最大値と最小値との差を求めておき、この差を閾値Pとして設定しておけばよい。また、本ステップにおいて、蛍光灯等の周期的なちらつき(フリッカー)を他の撮像装置等によるストロボ発光と区別するために、所定周期での発光は、他の撮像装置によるストロボ発光であると判定しないようにする。
【0062】
ステップ108で否定判定された場合には、次のステップ112へ進み、一方、ステップ108で肯定判定された場合には、次のステップ110で、EEPROM80からストロボ発光時に画像データのホワイトバランスを調整する際に用いられるAWB補正値(Rgst、Ggst、Bgst)を読み込み、読み込んだAWB補正値(Rgst、Ggst、Bgst)を用いて、ホワイトバランスを予め定められた状態に固定する。このように、ホワイトバランスがストロボ発光時のホワイトバランスに固定されるためスルー画像表示時のハンチングが防止される。
【0063】
ステップ112では、レリーズスイッチ32の半押し状態及び全押し状態を検出したか否かを判定することにより、ユーザから撮影指示があったか否かを判定する。
【0064】
ステップ112で否定判定がされた場合には、ステップ104へ戻り、上記で説明した処理を再び行う。
【0065】
一方、ステップ112で肯定判定がされた場合には、次のステップ114では、レリーズスイッチ32を半押し状態にしたときに設定された露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)及び合焦制御されたフォーカスレンズ42の焦点位置で、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0066】
次のステップ116では、電源スイッチ32の操作により電源がOFFされたか否かを判定し、否定判定された場合には、ステップ102へ戻り上記で説明した処理を再び行う。一方、ステップ116で肯定判定された場合には、次のステップ118で電源OFFする。
【0067】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定するので、被写体の周辺で他の撮像装置によるストロボ発光が行われている場合であっても、表示手段に表示される画像のホワイトバランスが周辺の撮影環境の影響で変化することがなくなるため、スルー画像表示のハンチングが発生せずユーザに不快感を与えることを防止することができ、適切なスルー画像を得ることができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
本実施の形態では、図4に示す、第1の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第1の撮影処理ルーチンを実行する。
【0070】
本実施の形態に係るデジタルカメラの作用を説明する。
【0071】
デジタルカメラのCPU82が行う第1の撮影処理ルーチンについて図4を用いて説明する。
【0072】
第1の撮影処理ルーチンでは、ステップ102でスルー画像を表示した後、ステップ204で、レリーズスイッチ32が半押し状態であるか否かを判断し、半押し状態であることを検出すると、次のステップ104へ進む。
【0073】
ステップ108で他の撮像装置によるストロボ発光が検出された場合には、次のステップ212で、ステップ106で求められた複数フレーム(例えば、10フレーム)の被写体の明るさ(被写体輝度)の平均値Ave(図5参照)を算出する。
【0074】
次のステップ214では、撮影時の露出を決定するために、ステップ212で算出された被写体の明るさの平均値Aveに基づいて、露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって平均値Aveに基づいた露出状態が演算され、演算結果を受け取ることができる。すなわち、ステップ214では、ステップ108においてストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを撮影前に複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値Aveに基づいて、撮影時の露出を決定する
一方、ステップ108で否定判定された場合には、次のステップ218で、上記で説明したステップ106で求められた複数フレーム(例えば、10フレーム)の被写体の明るさのうち、最新(直近)の被写体の明るさに基づいて、露出状態を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって最新の被写体の明るさに基づいた露出状態が演算され、演算結果を受け取ることができる。
【0075】
次のステップ216では、ステップ214またはステップ218でAE・AWB検出回路76によって演算された露出状態となるように、上記で説明したアイリスシャッタモータを介して、絞り・シャッタ機構44を制御すると共に、AF検出回路74により、画像データに基づいて検出された最適な焦点位置に設定されるように、AFモータを介してフォーカスレンズ42を制御する。
【0076】
次のステップ220では、レリーズスイッチ32の全押し状態を検出したか否かを判定することにより、ユーザから撮影指示があったか否かを判定する。
【0077】
ステップ220で否定判定がされた場合には、ステップ206へ戻り、上記で説明した処理を再び行う。
【0078】
一方、ステップ220で肯定判定がされた場合には、次のステップ222で、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。すなわち、ステップ216、ステップ222では、決定された露出で撮影が行われるように上記で説明した撮影手段を制御する。そして、次のステップ116へ進む。
【0079】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値に基づいて撮影時の露出を決定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われた場合において1回のみ測光された被写体の明るさに基づいて撮影時の露出を決定する場合と比較して、良好な画像を得る可能性を高めることができる。
【0080】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
本実施の形態では、図6に示す、第2の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第2の撮影処理ルーチンを実行する。
【0082】
本実施の形態に係るデジタルカメラの作用を説明する。
【0083】
デジタルカメラのCPU82が行う第2の撮影処理ルーチンについて図6を用いて説明する。
【0084】
第2の撮影処理ルーチンでは、レリーズスイッチ32の半押し状態が検出されたときに、ステップ304で、予め十字ボタン28等から、顔領域の検出の指示または指定領域の検出の指示が入力されてSDRAM78に記憶されているか否かを判定し、SDRAM78に上記の指示が記憶されていると判定がされた場合には、次のステップ305で、SDRAM78から上記の指示を読み取る。
【0085】
読み取った指示が顔領域の検出指示である場合には、次のステップ306で、得られた画像データに基づいて被写体画像の中の人物の顔領域を抽出する顔領域抽出処理が実行される。ステップ306の処理は、例えば、顔領域を認識するための輪郭情報テンプレートをEEPROM80に予め記憶し、被写体画像から人物の顔領域の輪郭を抽出して抽出した輪郭と、輪郭情報テンプレートとを比較することによって、顔領域を抽出する。そして、抽出した顔領域に対応する画像データに基づいて、顔領域の輝度の算出を開始することにより、顔領域の明るさの測定を開始する。
【0086】
また、読み取った指示が指定領域の検出の指示である場合には、ステップ306で、画像データの指定された領域の輝度の算出を開始することにより、指定領域の明るさの測定を開始する。
【0087】
なお、ステップ305で、SDRAM78に上記で説明した指示が記憶されていないと判定された場合には、次のステップ306で、上述したステップ104での処理と同様に、被写体画像1フレーム毎に、R、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求めることを開始する。
【0088】
したがって、SDRAM78に上記で説明した指示が記憶されている場合には、ステップ214またはステップ218で、顔領域の明るさまたは指定領域の明るさに基づいた露出状態が決定される。すなわち、AE・AWB検出回路76は、ステップ214またはステップ218で、被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定する。このとき、ステップ222では、顔領域または指定領域の画像に適切な露出となるような画像の画像データが記録メディア18に記録される。
【0089】
次のステップ324では、ステップ305で上記の指示をSDRAM78から読み取った場合には、指定された領域(顔領域または指定領域)において、白とびの検出を行う。例えば、指定された領域において、輝度が8ビット(0〜255のいずれかの値)で表される場合において、所定値、例えば、230以上の輝度が検出されたときには白とびが発生している、と判定することにより、白とびの検出を行う。また、ステップ305で上記の指示をSDRAM78から読み取っていない場合(すなわち、ステップ304において否定判定がされた場合)には、ステップ324では、画像データの全領域において白とびの検出を、上記と同様の処理により行う。
【0090】
ステップ324で肯定判定がされた場合には、次のステップ326で、上述したステップ322の処理以降に測定された被写体画像1フレーム毎の被写体輝度(被写体の明るさ)と、ステップ308で求められた複数フレームの被写体の明るさとの平均値を算出することにより、それまでの平均値Aveを更新する。なお、ステップ326では、最新のフレームから10フレーム分の移動平均を算出することにより、それまでの平均値Aveを更新するようにしてもよい。
【0091】
次のステップ328では、ステップ326で更新された平均値に基づいて、露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって平均値に基づいた露出状態が演算され、演算結果を受け取ることができる。
【0092】
次のステップ330では、ステップ328でAE・AWB検出回路76によって演算された露出状態となるように、上記で説明したアイリスシャッタモータを介して、絞り・シャッタ機構44を制御すると共に、AF検出回路74によって、画像データに基づいて検出された最適な焦点位置に設定されるように、AFモータを介してフォーカスレンズ42を制御する。
【0093】
そして、ステップ322に戻り、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させ、以降の処理を再び行う。すなわち、ステップ324、ステップ326、ステップ328、ステップ330、及びステップ322において、被写体画像の白とびが検出された場合には、再度露出を決定するように制御し、決定した露出で再度撮影が行われるように制御する。
【0094】
一方、ステップ324で否定判定がされた場合には、ステップ116へ進む。
【0095】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように制御するので、白とびのない画像を得ることができる。
【0096】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
本実施の形態では、図7に示す、第3の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第3の撮影処理ルーチンを実行する。また、本実施の形態では、図8に示すCCD51には、蓄積した電荷を廃却するための電荷廃却ドレイン95及び電荷廃却ゲート96が配置されており、電荷廃却ゲート96の制御により、蓄積した電荷を電荷廃却ドレイン82へ廃却することが可能である。
【0098】
本実施の形態に係るデジタルカメラ11の作用を説明する。
【0099】
デジタルカメラ11のCPU82が行う第3の撮影処理ルーチンについて図7を用いて説明する。
【0100】
第3の撮影処理ルーチンでは、ステップ212で、複数フレーム(例えば、10フレーム)の被写体の明るさ(被写体輝度)の平均値Ave(図5参照)が算出されると、次のステップ414では、上記で説明したステップ306で開始された被写体の明るさの測光における1回の測定時間97(図5参照)がCCD51の露光期間となるようなシャッタースピードを演算する。そして、算出された平均値Ave及び演算したシャッタースピードに基づいて、絞りの状態を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって適切な絞りの状態を受け取ることができる。
【0101】
ステップ220でレリーズスイッチ32の全押し状態が検出されると、次のステップ424では、CCD51への露光が行われるように、CCD駆動信号発生部56へCCD制御指示を行う。
【0102】
次のステップ426では、露光期間中に測定された被写体の明るさが、上記で説明したステップ212で算出された平均値Aveとほぼ等しいか、すなわち、露光期間中の被写体の明るさと、平均値Aveとの差の絶対値が所定値より小さいか否かを判定する。
【0103】
ステップ426で否定判定がされた場合、次のステップ428で、蓄積した全ての電荷を電荷廃却ドレイン82へ廃却するように、CCD駆動信号発生部56に対して電荷廃却ゲート96を制御する指示を行い、ステップ424へ戻り、再び露光(撮影)を行う。このようなステップ426〜ステップ428〜ステップ424の一連の処理により、差の絶対値が所定値以上になった場合に平均値Aveより露光期間中の被写体の明るさが大きいときには、CCD51の電荷蓄積素子に蓄積された全ての電荷を廃却して、再度撮影を行うので、白とびが発生した画像が生成されるのを防止でき、また、差の絶対値が所定値以上になった場合に平均値Aveより露光期間中の被写体の明るさが小さいときには、CCD51の電荷蓄積素子に蓄積された全ての電荷は廃却されるので、黒つぶれが発生した画像が生成されるのを防止できる。
【0104】
一方、ステップ426で肯定判定がされた場合、次のステップ430で、CCD駆動信号発生部56へCCD制御指示を行うことにより、CCD51の蓄積素子に蓄積された電荷をアナログ信号としてCDS回路52へ出力させ、CDS回路52から、A/D変換器54、画像入力制御部62、画像信号処理回路64、及びメディア制御部72を介して記録メディア18に記憶させる。そして、次のステップ116へ進む。
【0105】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ11によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさと、撮影前の複数の測光値の平均値Aveとの差の絶対値が所定値以上になったときには、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるようにCCD51等を制御する。
【0106】
これにより、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われ、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値Aveに所定値を加えた値)以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0107】
また、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われなくなり、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値Aveから所定値を減じた値)以下になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0108】
なお、ステップ424において再度撮影を行う場合には、ステップ414で決定された露出で撮影を行う例について説明したが、ステップ424において、ステップ414での処理と同様に再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うようにしてもよい。
【0109】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】
本実施の形態では、図9に示す、第4の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第4の撮影処理ルーチンを実行する点が異なる。
【0111】
本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。
【0112】
デジタルカメラ10のCPU82が行う第4の撮影処理ルーチンについて図9を用いて説明する。
【0113】
ステップ528では、露光期間中に測定した被写体の明るさが、ステップ212で算出された平均値Aveより小さい状態が所定期間続いたか否か、または、露光期間中に複数回測定した被写体の明るさの最大値と最小値との差分が所定値よりも小さい状態が所定期間続いたか否かを判定する。この判定を行うことによって、肯定判定の場合には、露光期間中、すなわち撮影中に被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われていないことが検出され、否定判定の場合には、撮影中に被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われたことが検出される。
【0114】
ステップ528で否定判定がされた場合には、次のステップ428へ進む。
【0115】
一方、ステップ528で肯定判定がされた場合には、次のステップ538で、露光機寒中に測定された最新の被写体の明るさと、平均値Aveとの明るさの差分を計算する。
【0116】
次のステップ540では、ステップ538で計算された明るさの差分を補うために、明るさの差分に対応する発行量のストロボ発光をストロボが行うように、ストロボ制御部13を制御する。そして、次のステップ116へ進む。
【0117】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御した後再度撮影を行う。これにより、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0118】
また、本発明に係る撮影装置によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中に検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボのストロボ発光量を制御するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0119】
なお、ステップ424において再度撮影を行う場合には、ステップ414で決定された露出で撮影を行う例について説明したが、ステップ424において、ステップ414での処理と同様に再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うようにしてもよい。
【0120】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
【0121】
本実施の形態では、図10に示す、第5の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第5の撮影処理ルーチンを実行する。また、本実施の形態では、ストロボが後幕ストロボ発光を行うことが可能である。
【0122】
本実施の形態に係るデジタルカメラの作用を説明する。
【0123】
デジタルカメラのCPU82が行う第5の撮影処理ルーチンについて図10を用いて説明する。
【0124】
ステップ108で、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われていることが検出された場合には、次のステップ611で、ストロボの発光モードを露光期間中の後半でストロボ発光する後幕発光モードに設定する。
【0125】
ステップ626では、CCD50の露光期間中に被写体の明るさを測定する。
【0126】
次のステップ628では、CCD50の露光期間中に、所定値L以上の被写体の明るさを検出したかどうかを判定する。なお、この所定値Lについては、実験的又は統計的に、被写体の周辺で他の撮像装置によってストロボ発光が行われ、自機のストロボによるストロボ発光を行うことが不要であるような状況における被写体の明るさを所定値Lとして設定しておけばよい。
【0127】
ステップ628で、所定値L以上の被写体の明るさを検出した場合には、次のステップ630では、後幕ストロボ発光をストロボが行わないようにストロボ制御部13を制御すると共に、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0128】
一方、ステップ628で、所定値以上の被写体の明るさを検出しなかった場合には、次のステップ632で、後幕ストロボ発光をストロボが行うようにストロボ制御部13を制御すると共に、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0129】
一方、ステップ108で、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われていることが検出されなかった場合には、ステップ634で、先幕ストロボ発光をストロボが行うようにストロボ制御部13を制御すると共に、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0130】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないようにストロボ制御部13を介してストロボを制御するので、撮影中に他の撮影装置によりストロボ発光が行われた場合には、後幕ストロボ発光を行わないことにより画像の白とびを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行するスルー画像表示処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第1の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図5】被写体の明るさ、平均値などを説明するための図である。
【図6】第3の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第2の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図7】第4の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第3の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】第4の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図9】第5の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第4の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】第6の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第5の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0132】
10 デジタルカメラ
16 光学ユニット
24 LCD
50 CCD
52 CDS回路
54 A/D変換器
62 画像入力制御部
64 画像信号処理回路
76 AE・AWE検出回路
82 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、及び撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光センサを用いて、撮影時に調光を行うデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のデジタルカメラでは、フラッシュ光(ストロボ光)を発光させて、積分された光センサの受光量の累積値が、基準となる適正値に到達した場合には、ストロボ光の発光が停止される。
【特許文献1】特開2000−324384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のデジタルカメラでは、他のデジタルカメラ等からストロボ発光が行われた場合には、スルー画像がストロボ発光に応じて変化して、スルー画像表示のハンチングが発生してしまい、ユーザに不快感を与えてしまう、という問題点がある。
【0005】
また、特許文献1に記載のデジタルカメラでは、先幕発光撮影を行うため、自機のストロボ発光後に、他のデジタルカメラ等からストロボ発光が行われた場合には、被写体を撮影して得られる画像に白とびが発生し適切な画像が得られない、という問題点がある。なお、この他のデジタルカメラ等からストロボ発光が行われるような撮影環境としては、結婚式の会場や記者会見の会場等が挙げられる。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために成されたもので、他のデジタルカメラ等の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切なスルー画像が得られる撮影装置及び撮影方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、他のデジタルカメラ等の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切な画像を得ることができる撮影装置及び撮影方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1の目的を達成するために第1の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整する調整手段と、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定するホワイトバランス固定手段とを含んで構成されている。
【0008】
本発明に係る撮影装置によれば、検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、ホワイトバランス固定手段によって画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われている場合であっても、表示手段に表示される画像のホワイトバランスが周辺の撮影環境の影響で変化することがなくなるため、スルー画像表示のハンチングが発生せずユーザに不快感を与えることを防止することができる。なお、ホワイトバランスは、ストロボ発光モードの際の値に固定するとより効果的である。
【0009】
また、上記第2の目的を達成するために第2の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、前記撮影手段による撮影時の露出を決定する決定手段とを含んで構成されている。
【0010】
本発明に係る撮影装置によれば、検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値に基づいて撮影時の露出を決定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われた場合において1回のみ測光された被写体の明るさに基づいて撮影時の露出を決定する場合と比較して、良好な画像を得る可能性を高めることができる。
【0011】
また、上記第2の目的を達成するために第3の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、前記被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、前記撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出する白とび検出手段と、前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0012】
本発明に係る撮影装置によれば、白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように撮影手段を制御するので、白とびのない画像を得ることができる。
【0013】
第3の発明に係る撮影装置は、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段を更に含み、決定手段が、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られた測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度露出を決定するようにしてもよい。
【0014】
また、上記第2の目的を達成するために第4の発明に係る撮影装置は、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0015】
本発明に係る撮影装置によれば、撮影前に検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさと、撮影前の複数の測光値の平均値との差の絶対値が所定値以上になったときには、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。
【0016】
これにより、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われ、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値に所定値を加えた値)以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0017】
また、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われなくなり、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値から所定値を減じた値)以下になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0018】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定手段で決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定するように決定手段を制御すると共に、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0019】
また、上記第2の目的を達成するために第5の発明に係る撮影装置は、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、ストロボ発光を行うストロボ発光手段と、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きい場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さい場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0020】
本発明に係る撮影装置によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以上大きい場合、または撮影中に検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。これにより、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0021】
また、本発明に係る撮影装置によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以下小さい場合、または撮影中に検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0022】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定手段で決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定するように決定手段を制御すると共に、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0023】
また、上記第2の目的を達成するために第6の発明に係る撮影装置は、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段と、前記被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、前記後幕ストロボ発光を行わないように前記ストロボ発光手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0024】
本発明に係る撮影装置によれば、検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないようにストロボ発光手段を制御するので、撮影中に他の撮影装置によりストロボ発光が行われた場合には、後幕ストロボ発光を行わないことにより画像の白とびを防止することができる。
【0025】
また、上記第1の目的を達成するために第1の発明に係る撮影方法は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整し、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて、表示手段に画像を表示させ、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定する。
【0026】
本発明に係る撮影方法によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われている場合であっても、表示手段に表示される画像のホワイトバランスが周辺の撮影環境の影響で変化することがなくなるため、スルー画像表示のハンチングが発生せずユーザに不快感を与えることを防止することができる。なお、ホワイトバランスは、ストロボ発光モードの際の値に固定するとより効果的である。
【0027】
また、上記第2の目的を達成するために第2の発明に係る撮影方法は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する。
【0028】
本発明に係る撮影方法によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値に基づいて撮影時の露出を決定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われた場合において1回のみ測光された被写体の明るさに基づいて撮影時の露出を決定する場合と比較して、良好な画像を得る可能性を高めることができる。
【0029】
また、上記の目的を達成するために第3の発明に係る撮影方法は、被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定し、撮影時に、被写体を撮影し撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出し、決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影時に前記被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する。
【0030】
本発明に係る撮影方法によれば、撮影時に被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように撮影手段を制御するので、白とびのない画像を得ることができる。
【0031】
また、上記の目的を達成するために第4の発明に係る撮影方法は、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する。
【0032】
本発明に係る撮影方法によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさと、撮影前の複数の測光値の平均値との差の絶対値が所定値以上になったときには、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。
【0033】
これにより、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われ、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値に所定値を加えた値)以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0034】
また、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われなくなり、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値から所定値を減じた値)以下になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0035】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0036】
また、上記目的を達成するために第5の発明に係る撮影方法は、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に前記被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する。
【0037】
本発明に係る撮影方法によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように撮影手段を制御する。これにより、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0038】
また、本発明に係る撮影方法によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0039】
なお、再度撮影を行う場合には、既に決定された露出で撮影を行うように撮影手段を制御してもよく、また再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うように撮影手段を制御するようにしてもよい。
【0040】
また、上記目的を達成するために第6の発明に係る撮影方法は、被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出し、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段による撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないように、後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段を制御する。
【0041】
本発明に係る撮影方法によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないようにストロボ発光手段を制御するので、撮影中に他の撮影装置によりストロボ発光が行われた場合には、後幕ストロボ発光を行わないことにより画像の白とびを防止することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上説明したように、本発明によれば、他のデジタルカメラ等の撮影装置からストロボ発光が行われても、適切なスルー画像及び適切な画像を得ることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、デジタル電子スチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という。)に適用した場合について説明する。
【0044】
[第1の実施の形態]
図1(A)に示すように、本発明の撮影装置としてのデジタルカメラ10の正面には、撮影時に必要に応じて発光されるストロボ12と、撮影される被写体からの光が入射するファインダー窓14と、被写体像を結像させるための光学ユニット16と、が設けられている。また、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られた画像データをデジタルデータとして記憶する可搬型の記録メディア18(図2参照、図1では省略)を装着可能なスロット20が設けられている。
【0045】
なお、光学ユニット16は、沈胴式の光学レンズで構成され、撮影時以外は、デジタルカメラ10本体の筐体22内に沈胴されており、撮影時には、光軸方向に伸縮可能な鏡筒16Aが伸長されて、図1(A)に示すように筐体22の外部に現れるようになっている。また、この光学ユニット16は、鏡筒16A内に、撮影レンズ40、フォーカスレンズ42、及び絞り・シャッタ機構44を含んでいる(図2参照)。撮影レンズ40は、1枚又は複数枚のレンズで構成された単一の焦点距離(固定焦点)のレンズでも良いし、ズームレンズや望遠/広角の二焦点切替式レンズのように焦点距離可変のものでもよい。
【0046】
一方、デジタルカメラ10の背面には、図1(B)に示すように、スルー画像、撮影によって得られた被写体画像、各種メニュー、及びパラメータ等を表示するLCD24、ファインダー窓14から入射した光が図示を省略した光学部材を介して案内され、撮影する被写体の構図を決定する際に撮影者によって覗かれるファインダー接眼部26、及び撮影倍率をアップ又はダウンしたり、LCD24に表示されたメニュー画面から所望のメニュー項目又はズーム倍率の設定や各種パラメータ等を選択する際に撮影者によって操作される十字ボタン28が設けられている。
【0047】
更に、デジタルカメラ10の上面には、デジタルカメラ10の各部への電源電力の供給/供給停止の切り替えを行う電源スイッチ30、撮影の指示入力のために撮影者によって押圧操作されるレリーズスイッチ(所謂シャッタスイッチ)32、及び撮影モードを選択する際に撮影者によって回転操作されるモードダイヤル34が設けられている。レリーズスイッチ32は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)、及び当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)の2段階の押圧操作が可能に構成されている。詳細は後述するがデジタルカメラ10では、レリーズスイッチ32を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)が、設定モード(シャッタースピード優先AE、絞り優先AE、オート)に応じて設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御されるとともに、AWB(Auto White Balance)補正値(ホワイトバランスを補正するための基準補正値)の演算、及び必要に応じて感度を調整するための補正値が設定される。その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。なお、ホワイトバランスを調整するための基準補正値の演算は、上記のように自動で行っても良いが、手動又は半自動で行うことができる。
【0048】
次に本実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成を説明する。
【0049】
図2に示すように、デジタルカメラ10は、光学ユニット16の光軸後方に配置され、被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えたCCD(Charge Coupled Device)50、CDS(Correlated Double Sampling)回路52、アナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」と称す)54、CCD駆動信号発生部56、モータドライバ58、ストロボ制御部13、及びデジタルカメラ10の全体的な動作を司る主制御部60を備えている。なお、CCD50に代えて、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いることもできる。
【0050】
CDS回路52は、CCD50から読み出された被写体像を示す出力信号を相関二重サンプリング処理すると共にR、G、Bの各色信号に色分解処理して各色信号の信号レベルの調整を行う。A/D変換器54は、CDS回路52により処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0051】
CCD駆動信号発生部56は、CCD50を駆動するためのタイミング信号を生成する。モータドライバ58は、光学ユニット16に含まれる撮影レンズ40を移動(鏡筒の伸縮)させるためのズームモータ、フォーカスレンズ42を移動させるためのAFモータ、及び絞り・シャッタ機構44を駆動するアイリスシャッタモータの各モータを駆動する。モータドライバ58は、更に、撮影レンズ40のズーム位置を検知するための検知センサ58Aを含んでいる。ストロボ制御部13は、ストロボ12の発光を制御する。
【0052】
主制御部60は、画像入力制御部62、画像信号処理回路64、VRAM66、表示制御部68、圧縮伸長処理回路70、メディア制御部72、AF検出回路74、AE・AWB検出回路76、感度調整部90、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)78、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)80、及びCPU82が、バス84により相互に接続されている。また、CPU82は、CCD駆動信号発生部56、モータドライバ58と接続されている。さらに、CPU82は、十字ボタン28、電源スイッチ30、レリーズスイッチ32、及びモードダイヤル34と接続されている。
【0053】
画像入力制御部62は、A/D変換器54によるデジタル変換後のデジタル信号を被写体を表す被写体画像の画像データとして入力する。画像信号処理回路64は、入力された画像データに対して所定のデジタル信号処理を行う。VRAM66は、LCD24に表示する画像データを記憶する。表示制御部68は、VRAM66に記憶された画像データに基づく画像を表示するようにLCD24の表示を制御する。圧縮伸長処理回路70は、入力された画像データを圧縮・伸長する。メディア制御部72は、スロット20に装填された記録メディア18に対して各種情報を読み書きする。AF検出回路74は、入力された画像データに基づいて最適な焦点位置を検出する。AE・AWB検出回路76は、入力された画像データに基づいて最適な露出状態及びホワイトバランスを調整するためのAWB補正値等を演算する。感度調整部90は、入力された被写体画像の画像データに基づいて必要に応じて感度を調整する。SDRAM78は、ワークメモリとして用いられる。EEPROM80には、以下で詳細を説明するスルー画像表示処理ルーチンを実行するためのプログラム、各種処理を実行するためのプログラム、及びパラメータ等の情報が予め記憶されている。また、EEPROM80には、以下で詳細を説明する、被写体の周辺でストロボ発光が行われている場合におけるストロボ発光撮影モード用のホワイトバランス調整を行う際のAWB補正値(Rgst、Ggst、Bgst)が記憶されている。CPU82は、EEPROM80からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を制御する。
【0054】
なお、一般に、CCD50には、シャッターゲートを介してシャッタードレインが設けられており、シャッターゲートをシャッターゲートパルスによって駆動することにより、蓄積した信号電荷をシャッタードレインに掃き出すことができる。すなわち、CCD50は、シャッターゲートパルスによって各センサに蓄積される電荷の蓄積時間(シャッタスピード)を制御する、所謂電子シャッター機能を有しており、絞り・シャッタ機構44のシャッタ機能の代わりにこの電子シャッター機能を用いるようにしてもよい。
【0055】
次に、上記実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。
【0056】
デジタルカメラ10のCPU82が行うスルー画像表示処理ルーチンについて図3を用いて説明する。
【0057】
まず、ステップ100で電源スイッチ32の操作により電源がONされたことを検出すると、次のステップ102では、LCD24に所定のフレームレートで取り込んだ画像データを表示するスルー画像表示を開始するように上記各部を制御する。
【0058】
具体的には、ステップ102では、モータドライバ58にレンズ駆動の指示を行うことにより、光学ユニット16を筐体20の外側に突出させ、CCD駆動信号発生部56へCCD制御の指示を行うことにより、CCD50が所定のタイミングで被写体からの光を受け取って光電変換し、光電変換して得られるアナログ信号をCDS回路52へ出力し、CDS回路52が入力されたアナログ信号を相関二重サンプリング処理し、A/D変換器54が相関二重サンプリング処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を画像入力制御部62へ出力する。そして、画像入力制御部62が、A/D変換器54によるデジタル変換後のデジタル信号を、被写体を表す被写体画像の画像データとして入力し、画像信号処理回路64は、入力された画像データに対して所定のデジタル信号処理を行う。なお、本実施の形態において、画像信号処理回路64が行う所定のデジタル信号処理には、例えば、AE・AWB検出回路76によって、画像入力制御部62により入力された画像データのR、G、Bの色信号の輝度等に基づいて演算されたAWB補正値に基づいて、最適なホワイトバランスとなるように画像データのホワイトバランスを調整する処理が含まれている。すなわち、画像信号処理回路64は、被写体の明るさに基づいて、画像データのホワイトバランスを調整する調整手段として機能する。デジタル信号処理が施された画像データはVRAM66に記憶され、表示制御部68が、VRAM66に記憶された画像データに基づく画像がLCD24に所定のフレームレートで動画像的に連続表示されるようにLCD24の表示を制御する。すなわち、LCD24には、ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて画像が表示される。
【0059】
次のステップ104では、被写体画像1フレーム毎に、R、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求めることを開始する。なお、本実施の形態では、CCD50から取得される画像データに基づいて被写体輝度を求める例について説明するが、周知の測光センサやAF投光/受光センサからなる測距センサ等を用いて被写体輝度を求めるようにしてもよい。
【0060】
次のステップ106で、図5(A)及び図5(B)に示すように、複数のフレーム分、例えば10フレーム分の被写体輝度を測定したと判断された場合、すなわち被写体の明るさを複数回測定(測光)した場合には、次のステップ108へ進む。
【0061】
次のステップ108では、測定された複数フレーム、例えば10フレーム分の被写体の明るさの最大値と最小値との差が所定の閾値P以上であるか否かを判定することにより、被写体の周辺で他のデジタルカメラ等の撮像装置によるストロボ発光が行われているかを検出する。すなわち、検出手段としてのステップ108では、被写体の周辺で他の撮像装置によるストロボ発光が行われているかを検出する。なお、この所定の閾値Pについては、実験的又は統計的に、被写体の周辺で他の撮像装置によってストロボ発光が行われているような状況における被写体の明るさの最大値と最小値との差を求めておき、この差を閾値Pとして設定しておけばよい。また、本ステップにおいて、蛍光灯等の周期的なちらつき(フリッカー)を他の撮像装置等によるストロボ発光と区別するために、所定周期での発光は、他の撮像装置によるストロボ発光であると判定しないようにする。
【0062】
ステップ108で否定判定された場合には、次のステップ112へ進み、一方、ステップ108で肯定判定された場合には、次のステップ110で、EEPROM80からストロボ発光時に画像データのホワイトバランスを調整する際に用いられるAWB補正値(Rgst、Ggst、Bgst)を読み込み、読み込んだAWB補正値(Rgst、Ggst、Bgst)を用いて、ホワイトバランスを予め定められた状態に固定する。このように、ホワイトバランスがストロボ発光時のホワイトバランスに固定されるためスルー画像表示時のハンチングが防止される。
【0063】
ステップ112では、レリーズスイッチ32の半押し状態及び全押し状態を検出したか否かを判定することにより、ユーザから撮影指示があったか否かを判定する。
【0064】
ステップ112で否定判定がされた場合には、ステップ104へ戻り、上記で説明した処理を再び行う。
【0065】
一方、ステップ112で肯定判定がされた場合には、次のステップ114では、レリーズスイッチ32を半押し状態にしたときに設定された露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)及び合焦制御されたフォーカスレンズ42の焦点位置で、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0066】
次のステップ116では、電源スイッチ32の操作により電源がOFFされたか否かを判定し、否定判定された場合には、ステップ102へ戻り上記で説明した処理を再び行う。一方、ステップ116で肯定判定された場合には、次のステップ118で電源OFFする。
【0067】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10によれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、画像データのホワイトバランスを予め定められた状態に固定するので、被写体の周辺で他の撮像装置によるストロボ発光が行われている場合であっても、表示手段に表示される画像のホワイトバランスが周辺の撮影環境の影響で変化することがなくなるため、スルー画像表示のハンチングが発生せずユーザに不快感を与えることを防止することができ、適切なスルー画像を得ることができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
本実施の形態では、図4に示す、第1の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第1の撮影処理ルーチンを実行する。
【0070】
本実施の形態に係るデジタルカメラの作用を説明する。
【0071】
デジタルカメラのCPU82が行う第1の撮影処理ルーチンについて図4を用いて説明する。
【0072】
第1の撮影処理ルーチンでは、ステップ102でスルー画像を表示した後、ステップ204で、レリーズスイッチ32が半押し状態であるか否かを判断し、半押し状態であることを検出すると、次のステップ104へ進む。
【0073】
ステップ108で他の撮像装置によるストロボ発光が検出された場合には、次のステップ212で、ステップ106で求められた複数フレーム(例えば、10フレーム)の被写体の明るさ(被写体輝度)の平均値Ave(図5参照)を算出する。
【0074】
次のステップ214では、撮影時の露出を決定するために、ステップ212で算出された被写体の明るさの平均値Aveに基づいて、露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって平均値Aveに基づいた露出状態が演算され、演算結果を受け取ることができる。すなわち、ステップ214では、ステップ108においてストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを撮影前に複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値Aveに基づいて、撮影時の露出を決定する
一方、ステップ108で否定判定された場合には、次のステップ218で、上記で説明したステップ106で求められた複数フレーム(例えば、10フレーム)の被写体の明るさのうち、最新(直近)の被写体の明るさに基づいて、露出状態を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって最新の被写体の明るさに基づいた露出状態が演算され、演算結果を受け取ることができる。
【0075】
次のステップ216では、ステップ214またはステップ218でAE・AWB検出回路76によって演算された露出状態となるように、上記で説明したアイリスシャッタモータを介して、絞り・シャッタ機構44を制御すると共に、AF検出回路74により、画像データに基づいて検出された最適な焦点位置に設定されるように、AFモータを介してフォーカスレンズ42を制御する。
【0076】
次のステップ220では、レリーズスイッチ32の全押し状態を検出したか否かを判定することにより、ユーザから撮影指示があったか否かを判定する。
【0077】
ステップ220で否定判定がされた場合には、ステップ206へ戻り、上記で説明した処理を再び行う。
【0078】
一方、ステップ220で肯定判定がされた場合には、次のステップ222で、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。すなわち、ステップ216、ステップ222では、決定された露出で撮影が行われるように上記で説明した撮影手段を制御する。そして、次のステップ116へ進む。
【0079】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の明るさを複数回測定して得られる被写体の明るさの平均値に基づいて撮影時の露出を決定するので、被写体の周辺でストロボ発光が行われた場合において1回のみ測光された被写体の明るさに基づいて撮影時の露出を決定する場合と比較して、良好な画像を得る可能性を高めることができる。
【0080】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
本実施の形態では、図6に示す、第2の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第2の撮影処理ルーチンを実行する。
【0082】
本実施の形態に係るデジタルカメラの作用を説明する。
【0083】
デジタルカメラのCPU82が行う第2の撮影処理ルーチンについて図6を用いて説明する。
【0084】
第2の撮影処理ルーチンでは、レリーズスイッチ32の半押し状態が検出されたときに、ステップ304で、予め十字ボタン28等から、顔領域の検出の指示または指定領域の検出の指示が入力されてSDRAM78に記憶されているか否かを判定し、SDRAM78に上記の指示が記憶されていると判定がされた場合には、次のステップ305で、SDRAM78から上記の指示を読み取る。
【0085】
読み取った指示が顔領域の検出指示である場合には、次のステップ306で、得られた画像データに基づいて被写体画像の中の人物の顔領域を抽出する顔領域抽出処理が実行される。ステップ306の処理は、例えば、顔領域を認識するための輪郭情報テンプレートをEEPROM80に予め記憶し、被写体画像から人物の顔領域の輪郭を抽出して抽出した輪郭と、輪郭情報テンプレートとを比較することによって、顔領域を抽出する。そして、抽出した顔領域に対応する画像データに基づいて、顔領域の輝度の算出を開始することにより、顔領域の明るさの測定を開始する。
【0086】
また、読み取った指示が指定領域の検出の指示である場合には、ステップ306で、画像データの指定された領域の輝度の算出を開始することにより、指定領域の明るさの測定を開始する。
【0087】
なお、ステップ305で、SDRAM78に上記で説明した指示が記憶されていないと判定された場合には、次のステップ306で、上述したステップ104での処理と同様に、被写体画像1フレーム毎に、R、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求めることを開始する。
【0088】
したがって、SDRAM78に上記で説明した指示が記憶されている場合には、ステップ214またはステップ218で、顔領域の明るさまたは指定領域の明るさに基づいた露出状態が決定される。すなわち、AE・AWB検出回路76は、ステップ214またはステップ218で、被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定する。このとき、ステップ222では、顔領域または指定領域の画像に適切な露出となるような画像の画像データが記録メディア18に記録される。
【0089】
次のステップ324では、ステップ305で上記の指示をSDRAM78から読み取った場合には、指定された領域(顔領域または指定領域)において、白とびの検出を行う。例えば、指定された領域において、輝度が8ビット(0〜255のいずれかの値)で表される場合において、所定値、例えば、230以上の輝度が検出されたときには白とびが発生している、と判定することにより、白とびの検出を行う。また、ステップ305で上記の指示をSDRAM78から読み取っていない場合(すなわち、ステップ304において否定判定がされた場合)には、ステップ324では、画像データの全領域において白とびの検出を、上記と同様の処理により行う。
【0090】
ステップ324で肯定判定がされた場合には、次のステップ326で、上述したステップ322の処理以降に測定された被写体画像1フレーム毎の被写体輝度(被写体の明るさ)と、ステップ308で求められた複数フレームの被写体の明るさとの平均値を算出することにより、それまでの平均値Aveを更新する。なお、ステップ326では、最新のフレームから10フレーム分の移動平均を算出することにより、それまでの平均値Aveを更新するようにしてもよい。
【0091】
次のステップ328では、ステップ326で更新された平均値に基づいて、露出状態(シャッタースピード、及び絞りの状態)を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって平均値に基づいた露出状態が演算され、演算結果を受け取ることができる。
【0092】
次のステップ330では、ステップ328でAE・AWB検出回路76によって演算された露出状態となるように、上記で説明したアイリスシャッタモータを介して、絞り・シャッタ機構44を制御すると共に、AF検出回路74によって、画像データに基づいて検出された最適な焦点位置に設定されるように、AFモータを介してフォーカスレンズ42を制御する。
【0093】
そして、ステップ322に戻り、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させ、以降の処理を再び行う。すなわち、ステップ324、ステップ326、ステップ328、ステップ330、及びステップ322において、被写体画像の白とびが検出された場合には、再度露出を決定するように制御し、決定した露出で再度撮影が行われるように制御する。
【0094】
一方、ステップ324で否定判定がされた場合には、ステップ116へ進む。
【0095】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように制御するので、白とびのない画像を得ることができる。
【0096】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
本実施の形態では、図7に示す、第3の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第3の撮影処理ルーチンを実行する。また、本実施の形態では、図8に示すCCD51には、蓄積した電荷を廃却するための電荷廃却ドレイン95及び電荷廃却ゲート96が配置されており、電荷廃却ゲート96の制御により、蓄積した電荷を電荷廃却ドレイン82へ廃却することが可能である。
【0098】
本実施の形態に係るデジタルカメラ11の作用を説明する。
【0099】
デジタルカメラ11のCPU82が行う第3の撮影処理ルーチンについて図7を用いて説明する。
【0100】
第3の撮影処理ルーチンでは、ステップ212で、複数フレーム(例えば、10フレーム)の被写体の明るさ(被写体輝度)の平均値Ave(図5参照)が算出されると、次のステップ414では、上記で説明したステップ306で開始された被写体の明るさの測光における1回の測定時間97(図5参照)がCCD51の露光期間となるようなシャッタースピードを演算する。そして、算出された平均値Ave及び演算したシャッタースピードに基づいて、絞りの状態を演算するように、AE・AWB検出回路76に指示を出力する。これにより、AE・AWB検出回路76によって適切な絞りの状態を受け取ることができる。
【0101】
ステップ220でレリーズスイッチ32の全押し状態が検出されると、次のステップ424では、CCD51への露光が行われるように、CCD駆動信号発生部56へCCD制御指示を行う。
【0102】
次のステップ426では、露光期間中に測定された被写体の明るさが、上記で説明したステップ212で算出された平均値Aveとほぼ等しいか、すなわち、露光期間中の被写体の明るさと、平均値Aveとの差の絶対値が所定値より小さいか否かを判定する。
【0103】
ステップ426で否定判定がされた場合、次のステップ428で、蓄積した全ての電荷を電荷廃却ドレイン82へ廃却するように、CCD駆動信号発生部56に対して電荷廃却ゲート96を制御する指示を行い、ステップ424へ戻り、再び露光(撮影)を行う。このようなステップ426〜ステップ428〜ステップ424の一連の処理により、差の絶対値が所定値以上になった場合に平均値Aveより露光期間中の被写体の明るさが大きいときには、CCD51の電荷蓄積素子に蓄積された全ての電荷を廃却して、再度撮影を行うので、白とびが発生した画像が生成されるのを防止でき、また、差の絶対値が所定値以上になった場合に平均値Aveより露光期間中の被写体の明るさが小さいときには、CCD51の電荷蓄積素子に蓄積された全ての電荷は廃却されるので、黒つぶれが発生した画像が生成されるのを防止できる。
【0104】
一方、ステップ426で肯定判定がされた場合、次のステップ430で、CCD駆動信号発生部56へCCD制御指示を行うことにより、CCD51の蓄積素子に蓄積された電荷をアナログ信号としてCDS回路52へ出力させ、CDS回路52から、A/D変換器54、画像入力制御部62、画像信号処理回路64、及びメディア制御部72を介して記録メディア18に記憶させる。そして、次のステップ116へ進む。
【0105】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ11によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、撮影中の被写体の明るさと、撮影前の複数の測光値の平均値Aveとの差の絶対値が所定値以上になったときには、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるようにCCD51等を制御する。
【0106】
これにより、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われ、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値Aveに所定値を加えた値)以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0107】
また、撮影中に他の撮像装置によるストロボ発光が行われなくなり、撮影中に測定して得られた被写体の明るさが予め定められた値(平均値Aveから所定値を減じた値)以下になった場合には、蓄積された電荷を廃棄し、再度撮影を開始するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0108】
なお、ステップ424において再度撮影を行う場合には、ステップ414で決定された露出で撮影を行う例について説明したが、ステップ424において、ステップ414での処理と同様に再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うようにしてもよい。
【0109】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】
本実施の形態では、図9に示す、第4の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第4の撮影処理ルーチンを実行する点が異なる。
【0111】
本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。
【0112】
デジタルカメラ10のCPU82が行う第4の撮影処理ルーチンについて図9を用いて説明する。
【0113】
ステップ528では、露光期間中に測定した被写体の明るさが、ステップ212で算出された平均値Aveより小さい状態が所定期間続いたか否か、または、露光期間中に複数回測定した被写体の明るさの最大値と最小値との差分が所定値よりも小さい状態が所定期間続いたか否かを判定する。この判定を行うことによって、肯定判定の場合には、露光期間中、すなわち撮影中に被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われていないことが検出され、否定判定の場合には、撮影中に被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われたことが検出される。
【0114】
ステップ528で否定判定がされた場合には、次のステップ428へ進む。
【0115】
一方、ステップ528で肯定判定がされた場合には、次のステップ538で、露光機寒中に測定された最新の被写体の明るさと、平均値Aveとの明るさの差分を計算する。
【0116】
次のステップ540では、ステップ538で計算された明るさの差分を補うために、明るさの差分に対応する発行量のストロボ発光をストロボが行うように、ストロボ制御部13を制御する。そして、次のステップ116へ進む。
【0117】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように電荷蓄積素子を制御した後再度撮影を行う。これにより、白とびが発生していない画像を得ることができる。
【0118】
また、本発明に係る撮影装置によれば、撮影前にストロボ発光が行われていることが検出され、撮影中の被写体の明るさが平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中に検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボのストロボ発光量を制御するので、黒つぶれが発生していない画像を得ることができる。
【0119】
なお、ステップ424において再度撮影を行う場合には、ステップ414で決定された露出で撮影を行う例について説明したが、ステップ424において、ステップ414での処理と同様に再度露出を決定し、再度決定した露出で撮影を行うようにしてもよい。
【0120】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
【0121】
本実施の形態では、図10に示す、第5の撮影処理ルーチンを実行するためのプログラムがEEPROM80に記憶され、CPU82が第5の撮影処理ルーチンを実行する。また、本実施の形態では、ストロボが後幕ストロボ発光を行うことが可能である。
【0122】
本実施の形態に係るデジタルカメラの作用を説明する。
【0123】
デジタルカメラのCPU82が行う第5の撮影処理ルーチンについて図10を用いて説明する。
【0124】
ステップ108で、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われていることが検出された場合には、次のステップ611で、ストロボの発光モードを露光期間中の後半でストロボ発光する後幕発光モードに設定する。
【0125】
ステップ626では、CCD50の露光期間中に被写体の明るさを測定する。
【0126】
次のステップ628では、CCD50の露光期間中に、所定値L以上の被写体の明るさを検出したかどうかを判定する。なお、この所定値Lについては、実験的又は統計的に、被写体の周辺で他の撮像装置によってストロボ発光が行われ、自機のストロボによるストロボ発光を行うことが不要であるような状況における被写体の明るさを所定値Lとして設定しておけばよい。
【0127】
ステップ628で、所定値L以上の被写体の明るさを検出した場合には、次のステップ630では、後幕ストロボ発光をストロボが行わないようにストロボ制御部13を制御すると共に、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0128】
一方、ステップ628で、所定値以上の被写体の明るさを検出しなかった場合には、次のステップ632で、後幕ストロボ発光をストロボが行うようにストロボ制御部13を制御すると共に、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0129】
一方、ステップ108で、被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われていることが検出されなかった場合には、ステップ634で、先幕ストロボ発光をストロボが行うようにストロボ制御部13を制御すると共に、被写体の撮影を実行し、入力された画像データに対して画像信号処理回路64により所定のデジタル信号処理が行われた画像データを、メディア制御部72を介して記録メディア18に記録させる。
【0130】
以上、説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、被写体の撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないようにストロボ制御部13を介してストロボを制御するので、撮影中に他の撮影装置によりストロボ発光が行われた場合には、後幕ストロボ発光を行わないことにより画像の白とびを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行するスルー画像表示処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第1の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図5】被写体の明るさ、平均値などを説明するための図である。
【図6】第3の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第2の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図7】第4の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第3の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】第4の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図9】第5の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第4の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】第6の実施の形態に係るデジタルカメラのCPUが実行する第5の撮影処理ルーチンのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0132】
10 デジタルカメラ
16 光学ユニット
24 LCD
50 CCD
52 CDS回路
54 A/D変換器
62 画像入力制御部
64 画像信号処理回路
76 AE・AWE検出回路
82 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、
前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整する調整手段と、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定するホワイトバランス固定手段と、
を含む撮影装置。
【請求項2】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、前記撮影手段による撮影時の露出を決定する決定手段と、
を含む撮影装置。
【請求項3】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、
前記被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、
前記撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出する白とび検出手段と、
前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項4】
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段を更に含み、
前記決定手段は、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られた測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度露出を決定する請求項3記載の撮影装置。
【請求項5】
撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項6】
撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、
ストロボ発光を行うストロボ発光手段と、
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項7】
撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、
後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段と、
前記被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、前記後幕ストロボ発光を行わないように前記ストロボ発光手段を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項8】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、
前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整し、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて、表示手段に画像を表示させ、
ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定する
撮影方法。
【請求項9】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する
撮影方法。
【請求項10】
被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定し、
撮影時に、被写体を撮影し撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出し、
決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影時に前記被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する
撮影方法。
【請求項11】
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、
決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する
撮影方法。
【請求項12】
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、
決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に前記被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する
撮影方法。
【請求項13】
被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出し、
ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段による撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないように、後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段を制御する
撮影方法。
【請求項1】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、
前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整する調整手段と、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定するホワイトバランス固定手段と、
を含む撮影装置。
【請求項2】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、前記撮影手段による撮影時の露出を決定する決定手段と、
を含む撮影装置。
【請求項3】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段と、
前記被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、
前記撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出する白とび検出手段と、
前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項4】
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段を更に含み、
前記決定手段は、撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られた測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、前記白とび検出手段によって被写体画像の白とびが検出された場合には、再度露出を決定する請求項3記載の撮影装置。
【請求項5】
撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項6】
撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、
ストロボ発光を行うストロボ発光手段と、
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
撮影前に前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中に前記検出手段でストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項7】
撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段と、
後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段と、
前記被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出する検出手段と、
前記検出手段によってストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、前記後幕ストロボ発光を行わないように前記ストロボ発光手段を制御する制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項8】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、
前記被写体の明るさに基づいて、前記画像データのホワイトバランスを調整し、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
前記ホワイトバランスが調整された画像データに基づいて、表示手段に画像を表示させ、
ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記ホワイトバランスを予め定められた状態に固定する
撮影方法。
【請求項9】
被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを出力し、
前記被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを複数回測定して得られる前記被写体の明るさの平均値に基づいて、撮影時の露出を決定する
撮影方法。
【請求項10】
被写体の明るさを撮影前に測光して得られた測光値に基づいて、撮影時の露出を決定し、
撮影時に、被写体を撮影し撮影した被写体の画像データを出力する撮影手段で撮影された被写体画像の白とびを検出し、
決定された露出で撮影が行われるように前記撮影手段を制御すると共に、撮影時に前記被写体画像の白とびが検出された場合には、再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する
撮影方法。
【請求項11】
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、
決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさと前記平均値との差の絶対値が所定値以上になった場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御し再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御する
撮影方法。
【請求項12】
被写体の周辺で他の撮影装置によるストロボ発光が行われているかを検出し、
撮影前にストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の明るさを撮影前に複数回測光して得られる測光値の平均値に基づいて、撮影時の露出を決定し、
決定された露出で撮影が行われるように、撮影時に前記被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段を制御すると共に、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以上大きくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていることが検出された場合には、蓄積された電荷を廃棄するように前記電荷蓄積素子を制御した後再度撮影が行われるように前記撮影手段を制御し、撮影中の前記被写体の明るさが前記平均値より所定値以下小さくなった場合、または撮影中にストロボ発光が行われていないことが検出された場合には、前記平均値に基づいた電荷が得られるようにストロボ発光量を制御する
撮影方法。
【請求項13】
被写体の周辺でストロボ発光が行われているかを検出し、
ストロボ発光が行われていることが検出された場合に、前記被写体の撮影時に被写体からの光を受光して受光量に応じた電荷を蓄積する複数の電荷蓄積素子を備えた撮影手段による撮影中の被写体の明るさが、所定の明るさより大きいときには、後幕ストロボ発光を行わないように、後幕ストロボ発光を行うことが可能なストロボ発光手段を制御する
撮影方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−27244(P2009−27244A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185625(P2007−185625)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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