説明

歩行田植機

【課題】重量の大きいトルクリミッタなどの配置に工夫を凝らすことにより、車体の安定性などの向上を図れるようにする。
【解決手段】複数の植付機構30を車体の左右方向に並べて配備し、トランスミッションケース4の底部に、エンジン3からの動力を植付機構30のそれぞれに分配する動力分配軸57を配備し、動力分配軸57に、動力分配軸57に対する伝動の断続操作を可能にする植付クラッチ64と、植付機構30に対する過負荷に基づいて動力分配軸57に対する伝動を遮断するトルクリミッタ63とのいずれか一方又は双方を装備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の植付機構を車体の左右方向に並べて配備した歩行田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような歩行田植機では、車体の前部に備えたトランスミッションケースにおける上側の横一側部から、エンジンからの動力を車体の後部に備えた苗植付装置に伝達する前後向き伝動軸を延出し、その伝動軸のトランスミッションケース内に位置する前端部に、重量の大きいトルクリミッタを装備するように構成していた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−226612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の構成によると、重量の大きいトルクリミッタが、トランスミッションケース内の上部に位置することにより、車体の重心位置が高くなって車体の安定性が低下する。又、重量の大きいトルクリミッタが、トランスミッションケース内の横一側部に偏って位置することにより、車体の左右バランスが低下し、車体の取り扱い性が悪くなる。
【0004】
本発明の目的は、重量の大きいトルクリミッタなどの配置に工夫を凝らすことにより、車体の安定性などの向上を図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、
複数の植付機構を車体の左右方向に並べて配備し、
トランスミッションケースの底部に、エンジンからの動力を前記植付機構のそれぞれに分配する動力分配軸を配備し、
前記動力分配軸に、前記動力分配軸に対する伝動の断続操作を可能にする植付クラッチと、前記植付機構に対する過負荷に基づいて前記動力分配軸に対する伝動を遮断するトルクリミッタとのいずれか一方又は双方を装備してあることを特徴とする。
【0006】
この特徴構成によると、重量の大きいトルクリミッタ及び植付クラッチのいずれか一方又は双方が、トランスミッションケースの底部に位置することにより、車体の重心位置を下げることができる。
【0007】
従って、車体の安定性を向上させることができる。
【0008】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、
複数の植付機構を車体の左右方向に並べて配備し、
トランスミッションケースの内部に、エンジンからの動力を前記植付機構のそれぞれに分配する動力分配軸を配備し、
前記動力分配軸から対応する植付機構に伝動する植付伝動機構を内部に備えた複数の伝動ケースを、前記トランスミッションケースから前記植付機構のそれぞれにわたるように配備し、
前記トランスミッションケースの内部における、左右の外側端に配備される伝動ケースの間の位置に、前記動力分配軸に対する伝動の断続操作を可能にする植付クラッチと、前記植付機構に対する過負荷に基づいて前記動力分配軸に対する伝動を遮断するトルクリミッタとのいずれか一方又は双方を配備してあることを特徴とする。
【0009】
この特徴構成によると、重量の大きいトルクリミッタ及び植付クラッチのいずれか一方又は双方が、車体の左右中央側に位置するようになり、これにより、車体の左右バランスが向上する。
【0010】
従って、車体の取り扱い性を向上させることができる。
【0011】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の発明において、
前記トランスミッションケースの内部に備える伝動系を、車体の左右外側端に配備した伝動ケースにおける車体横方向の最外側端よりも車体の内側に位置するように配置してあることを特徴とする。
【0012】
この特徴構成によると、トランスミッションケースの内部に備える伝動系が、車体の左右中央側に位置するようになり、これにより、車体の左右バランスが向上する。
【0013】
従って、車体の取り扱い性を向上させることができる。
【0014】
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、
前記トランスミッションケースの内部に、走行伝動系と植え付け伝動系とに伝達する動力を変速する変速ギアと、植え付け伝動系に伝達する動力を変速する株間ギアとを側面視で重複するように配置してあることを特徴とする。
【0015】
この特徴構成によると、変速ギア及び株間ギアの装備に要する空間を側面視で小さくすることができ、これにより、トランスミッションケースのコンパクト化を図ることができる。そして、トランスミッションケースのコンパクト化により、その内部に貯留するオイル量を減らすことができる。
【0016】
従って、トランスミッションケースのコンパクト化、及び、その内部に貯留するオイルの減量により、車体の軽量化やコストの削減を図ることができる。
【0017】
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、
前記トランスミッションケースの内部における後部側に走行伝動系を配備し、前記トランスミッションケースの内部における前部側に植え付け伝動系を配備し、
前記植え付け伝動系に対する操作部を前記トランスミッションケースの前面部に配備してあることを特徴とする。
【0018】
通常、歩行田植機では、トランスミッションケースよりも後方の位置に操縦部を形成してある。そして、操縦部に備えた操作具からトランスミッションケースの内部に備えた走行伝動系や植え付け伝動系にわたる操作機構の簡素化などを図るために、操縦部に近いトランスミッションケースの後部側に、走行伝動系に対する操作部や植え付け伝動系に対する操作部を配備するようにしている。そのため、トランスミッションケースの後部側において、走行伝動系に対する操作部を操作する操作機構と植え付け伝動系に対する操作部を操作する操作機構とが手中配備されることになり、それらの操作機構を干渉しないように配備することが困難になっていた。
【0019】
そこで、この特徴構成では、走行伝動系に対する操作部が存在しないトランスミッションケースの前面部に植え付け伝動系に対する操作部を配備するようにしているのであり、これにより、植え付け伝動系に対する操作部を操作する操作機構を、トランスミッションケースの前面側で構成するができ、走行伝動系に対する操作部を操作する操作機構と植え付け伝動系に対する操作部を操作する操作機構とが干渉する虞を効果的に抑制することができる。
【0020】
従って、走行伝動系に対する操作部を操作する操作機構や植え付け伝動系に対する操作部を操作する操作機構の組付け性や、それらに対するメンテナンス性を向上させることができる。
【0021】
本発明のうちの請求項6に記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、
前記トランスミッションケースとその前後一方に配置する推進車輪との間に泥除カバーを配備し、
前記推進車輪と対向する前記トランスミッションケースの前後一側部に、前記トランスミッションケースの内部に備えた伝動系に対する操作部を配備し、
前記操作部に連係する操作ワイヤを、そのインナワイヤにおける前記操作部との連係端側が、前記泥除カバーで覆われた所定の領域内で、アウタワイヤに対して出退変位するように配索してあることを特徴とする。
【0022】
この特徴構成によると、トランスミッションケースと推進車輪との間を狭くして車体の全長を短くするようにしても、推進車輪からインナワイヤへの泥跳ねを確実に防止することができる。
【0023】
従って、車体の小型化を図りながら、インナワイヤに泥が付着することに起因して、トランスミッションケースの内部に備えた伝動系が操作不良に陥ることを効果的に防止することができる。
【0024】
本発明のうちの請求項7に記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、
前記トランスミッションケースの一側部に、前記トランスミッションケースから延出するポンプ軸で駆動される油圧ポンプを配備し、かつ、前記油圧ポンプから前記トランスミッションにわたる戻り油路に介装するリリーフ弁を、そのポペットの軸心方向が前記ポンプ軸と直交する方向となるように配備してあることを特徴とする。
【0025】
この特徴構成によると、リリーフ弁を、そのポペットの軸心方向がポンプ軸の軸心に沿う方向となるように装備する場合に比較して、ポンプ軸の軸心に沿う方向でのリリーフ弁の長さを短くすることができ、リリーフ弁の重心位置を、トランスミッションケースの重心位置に近づけることができ、車体の中心に近づけることができる。そして、この重心位置の調整により、車体の安定性を向上させることができる。
【0026】
従って、車体の取り扱い性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は歩行田植機の全体左側面図であり、図2は歩行田植機の全体右側面図であり、図3は歩行田植機の全体平面図であり、これらの図に示すように、この歩行田植機は、1輪式で歩行型の走行車体1に2条植え用の苗植付装置2などを装備して構成してある。
【0029】
図4は歩行田植機の前半部の構成を示す平面図であり、図1〜4に示すように、走行車体1は、その前部にエンジン3やフレーム兼用のトランスミッションケース(以下、T/Mケースと称する)4などを配備し、その前後中間部に、単一の走行用の伝動ケース5、単一の推進車輪6、左右一対の第1サイドフレーム7、及び、左右一対の第2サイドフレーム8、などを装備し、その後部に操縦部9を形成して構成してある。
【0030】
図5は、エンジン周りやT/Mケース周りの構成を示す要部の左側面図であり、図1〜5に示すように、エンジン3には、リコイルスタータ式のガソリンエンジンを採用してあり、その左側部にT/Mケース4を連結してある。エンジン3の真上には、燃料タンク10を配備し、上部カバー11を、エンジン3の上部や燃料タンク10を上方から覆う作業位置と、それらの上方を開放するメンテナンス位置とに変位可能に装備してある。
【0031】
T/Mケース4は、左右のメインケース12,13、左側のメインケース12に着脱可能に取り付けたギアカバー14、右側のメインケース13の前下部から右方に向けて延出するように右側のメインケース13に連結した筒状ケース15、及び、筒状ケース15の延出端である右端に連結したギアケース16、などにより構成してある。左側のメインケース12は、その側壁の前下部に、左側の第1サイドフレーム7に対する連結部12Aを形成してある。右側のメインケース13は、その側壁の後下部に伝動ケース5に対する筒状の連結部13Aを形成してある。
【0032】
図1〜4に示すように、伝動ケース5は、左右向きの軸心P1を支点にした回動が可能となるように右側のメインケース13の連結部13Aに連結した第1ギアケース17、第1ギアケース17から後方に向けて延設した筒状の軸ケース18、及び、軸ケース18の延出端に連結した第2ギアケース19、などにより、左右向きの軸心P1を支点にした上下方向への揺動操作が可能となるように構成してある。そして、その左横側方に推進車輪6が位置するように第2ギアケース19に推進車輪6を支持させてある。
【0033】
左右の第1サイドフレーム7は、伝動ケースに兼用するために丸パイプ材などにより構成してある。左側の第1サイドフレーム7は、T/Mケース4の左端部から後方に向けて延出するように、その前端を左側のメインケース12の連結部12Aに連結してある。右側の第1サイドフレーム7は、T/Mケース4の右端部から後方に向けて延出するように、その前端をギアケース16に連結してある。
【0034】
左側の第2サイドフレーム8は、その下端部が伝動ケースとして機能するように形成して、左側の第1サイドフレーム7の後端に連結してある。右側の第2サイドフレーム8は、その全体が伝動ケースとして機能するように形成して、右側の第1サイドフレーム7の後端に連結してある。
【0035】
操縦部9は、左右一対のハンドルフレーム20、左右一対の把持部21A,21Bを有する操縦ハンドル21、昇降用の操作レバー22、エンジン回転数調節用の操作レバー23、植え付け用のクラッチレバー24、及び、走行用のクラッチレバー25、などを走行車体1の後部に配備して形成してある。
【0036】
左右のハンドルフレーム20は、対応する第2サイドフレーム8から後上方に向けて延設してある。操縦ハンドル21は、左右向きの軸心(図示せず)を支点にした上下方向への揺動操作により、体格などに応じた高さ調節が可能で、かつ、その把持部21A,21Bが車体の後方に向けて延出する作業姿勢と下方に向けて延出する格納姿勢との姿勢切り替えが可能となるように、左右のハンドルフレーム20の遊端部にわたって架設してある。
【0037】
図1〜3に示すように、昇降用の操作レバー22は、左側の把持部21Aを把持する手の親指による、上下向きの軸心(図示せず)を支点にした左右方向への揺動操作が可能となるように、操縦ハンドル21における左側の把持部21Aの前方の位置に配備してある。
【0038】
エンジン回転数調節用の操作レバー23は、右側の把持部21Bを把持する手の親指による、上下向きの軸心(図示せず)を支点にした左右方向への揺動操作が可能となるように、操縦ハンドル21における右側の把持部21Bの前方の位置に配備してある。
【0039】
植え付け用のクラッチレバー24は、左側の把持部21Aを把持する手による、左右向きの軸心(図示せず)を支点にした上下方向への共握り操作が可能となるように、操縦ハンドル21における左側の把持部21Aの前方の位置から左側の把持部21Aの下方に向けて延設してある。
【0040】
走行用のクラッチレバー25は、右側の把持部21Bを把持する手による、左右向きの軸心(図示せず)を支点にした上下方向への共握り操作が可能となるように、操縦ハンドル21における右側の把持部21Bの前方の位置から右側の把持部21Bの下方に向けて延設してある。
【0041】
図1〜4に示すように、苗植付装置2は、車体の走行に伴って水田での苗植え付け位置を整地する左右一対の整地フロート26を推進車輪6の左右に配備し、2条分のマット状苗を載置する苗載台27、苗載台27を左右方向に一定のストロークで往復移動させる横送り機構28、苗載台27が左右のストローク端に達するごとに苗載台27に載置した各マット状苗を所定量だけ苗載台27の下方に向けて移動させる縦送り機構29、及び、苗載台27に載置したマット状苗の下端部から所定量の苗を切り取って水田に植え付ける左右一対の植付機構30などを、左右の第2サイドフレーム8と操縦部9との間に装備して構成してある。
【0042】
左右の整地フロート26は、その後部に設定した左右向きの軸心(図示せず)を支点にして走行車体1に対して上下揺動するように装備してある。左右の植付機構30は、走行車体1の左右方向に所定間隔をあけて並ぶように配備してある。
【0043】
図6は歩行田植機の伝動構成を示す概略平面図であり、図7はT/Mケース4の縦断右側面図であり、図8は走行用の伝動構成を示す要部の展開断面図であり、図9は走行用の伝動構成を示す要部の横断平面図であり、これらの図に示すように、この歩行田植機では、エンジン3を、その出力軸31が左方のT/Mケース4に向けて延出するように姿勢設定し、その出力軸31からの動力を、T/Mケース4の内部に備えた変速装置32により変速し、その変速後の動力を走行伝動系33を介して推進車輪6に伝達する。
【0044】
図6〜8に示すように、変速装置32は、T/Mケース4の上部に備えた左右向きの第1軸34、エンジン3の出力軸31と第1軸34とに外嵌する筒軸35、それらの軸31,34,35を一体回転するように連結するキー36、T/Mケース4における上下方向中間部の後部側に備えた左右向きの第2軸37、第1軸34に一体形成した低速伝動用の第1変速ギア38、筒軸35に一体形成した高速伝動用の第2変速ギア39、第1変速ギア38と噛合するように第2軸37に相対回転可能に外嵌した低速伝動用の第3変速ギア40、第2変速ギア39と噛合するように第2軸37に外嵌した高速伝動用の第4変速ギア41、及び、第2軸37にスプライン嵌合したシフト部材42、などにより、シフト部材42を摺動操作することにより、シフト部材42が第3変速ギア40に噛合して第3変速ギア40と一体回転する低速状態と、シフト部材42が第4変速ギア41に噛合して第4変速ギア41と一体回転する高速状態との、高低2段の切り替えを行えるように構成してある。
【0045】
走行伝動系33は、T/Mケース4における底部の後部側に備えた左右向きの第3軸43、伝動ケース5に備えた前後向きの伝動軸44、第2ギアケース19に備えた左右向きの車軸45、第2軸37と一体回転する第1減速ギア46、第1減速ギア46と噛合するように第3軸43に相対回転可能に外嵌した第2減速ギア47、第3軸43に備えた走行クラッチ48、第3軸43から伝動軸44へ減速伝動するように第1ギアケース17に備えた一対のベベルギア49,50、及び、伝動軸44から車軸45へ減速伝動するように第2ギアケース19に備えた一対のベベルギア51,52、などにより構成してある。
【0046】
走行クラッチ48は、第2減速ギア47、第3軸43にスプライン嵌合したシフト部材53、及び、シフト部材53を第2減速ギア47に向けて噛合付勢する付勢バネ54、などにより、付勢バネ54の付勢によるシフト部材53の摺動操作により、シフト部材53が第2減速ギア47に噛合して第2減速ギア47と一体回転する伝動状態と、付勢バネ54の付勢に抗したシフト部材53の摺動操作により、シフト部材53が第2減速ギア47との噛合を解除して第2減速ギア47との一体回転を停止する遮断状態とに、切り換え可能に構成してある。
【0047】
図10は作業用の伝動構成を示す要部の横断平面図であり、図11は作業用の伝動構成を示す要部の展開断面図であり、図12は、左側の植付機構30に対する伝動構成や横送り機構28の支持構造を示す要部の展開断面図であり、図13は、右側の植付機構30や横送り機構28に対する伝動構成を示す要部の展開断面図であり、図6、図7、図9〜13に示すように、この歩行田植機では、変速装置32による変速後の動力を植え付け伝動系55を介して苗植付装置2に伝達する。
【0048】
植え付け伝動系55は、T/Mケース4における上下方向中間部の前部側に備えた左右向きの株間変速軸56、T/Mケース4における底部の前部側に備えた左右向きの動力分配軸57、左右の各第1サイドフレーム7に備えた前後向きの伝動軸58、左右の各第2サイドフレーム8に備えた左右向きの植付駆動軸59、第2軸37と株間変速軸56とにわたって装備した株間変速装置60、株間変速軸56と一体回転する第1減速ギア61、第1減速ギア61と噛合するように動力分配軸57に相対回転可能に備えた第2減速ギア62、動力分配軸57に備えたトルクリミッタ63と植付クラッチ64、動力分配軸57から左右の伝動軸58へ伝動するようにT/Mケース4の左右両端部に位置するギアケース16と連結部12Aとに備えた一対のベベルギア65,66、左右の伝動軸58から左右の植付駆動軸59へ伝動するように左右の第2サイドフレーム8に備えた一対のベベルギア67,68、右側の第2サイドフレーム8に備えた横送り変速装置69とチェーン伝動式の伝動装置70、などにより構成してある。
【0049】
そして、左右の第1サイドフレーム7に備えた伝動軸58、及び、左右の第2サイドフレーム8に備えた植付駆動軸59と各ベベルギア67,68により、動力分配軸57から対応する植付機構30に伝動する左右の植付伝動機構Aを構成してある。また、左右の第1サイドフレーム7及び左右の第2サイドフレーム8を、対応する植付伝動機構Aを外囲する伝動ケースに兼用してある。
【0050】
株間変速軸56は、T/Mケース4における左側のメインケース12に片持ち支持させてある。動力分配軸57は、トルクリミッタ63と植付クラッチ64とを備える左伝動軸71、左伝動軸71の右端部に左伝動軸71と一体回転するように外嵌した筒状の中間伝動軸72、及び、中間伝動軸72の右端部に中間伝動軸72と一体回転するように内嵌した右伝動軸73、を備える3分割構造に構成してある。
【0051】
株間変速装置60は、第2軸35と一体回転するように第2軸35の左端部に着脱可能に外嵌した第1株間ギア74、及び、株間変速軸56と一体回転するように株間変速軸56の左端部に着脱可能に外嵌した第2株間ギア75、により構成してある。第1株間ギア74及び第2株間ギア75は、T/Mケース4における左側のメインケース12とギアカバー14とから形成した収納空間に配備してあり、左側のメインケース12からギアカバー14を取り外すことにより、第2軸35及び株間変速軸56に対する各株間ギア74,75の付け替えや歯数の異なるものとの交換などによりギア比を変更することによる変速を行えるように構成してある。
【0052】
図14は、トルクリミッタ63及び植付クラッチ64の構成を示す要部の横断平面図であり、図6、図11及び図14に示すように、トルクリミッタ63は、第2減速ギア62、動力分配軸57と第2減速ギア62との間に相対回転可能に介装した筒軸76、筒軸76にスプライン嵌合したシフト部材77、シフト部材77を第2減速ギア62に向けて噛合付勢する付勢バネ78、及び、筒軸76にスプライン嵌合したバネ受け部材79、などにより、付勢バネ78の作用により、シフト部材77が第2減速ギア62に噛合して第2減速ギア62と一体回転する伝動状態と、植付機構30に対する過負荷に基づいて、付勢バネ78の付勢に抗して、シフト部材53が第2減速ギア62との噛合を解除して第2減速ギア62との一体回転を停止する遮断状態とに、切り替わるように構成してある。
【0053】
植付クラッチ64は、トルクリミッタ63のバネ受け部材79、動力分配軸57にスプライン嵌合したシフト部材80、及び、シフト部材80をバネ受け部材79に向けて噛合付勢する付勢バネ81、などにより、付勢バネ81の付勢によるシフト部材80の摺動操作により、シフト部材80がバネ受け部材79に噛合してバネ受け部材79と一体回転する伝動状態と、付勢バネ81の付勢に抗したシフト部材80の摺動操作により、シフト部材80がバネ受け部材79との噛合を解除してバネ受け部材79との一体回転を停止する遮断状態とに、切り換え可能に構成してある。
【0054】
横送り変速装置69は、右側の植付駆動軸59と一体回転するように植付駆動軸59の右端部に着脱可能に外嵌した第1変速ギア82、及び、中継軸83と一体回転するように中継軸83の右端部に着脱可能に外嵌した第2変速ギア84、により構成してある。第1変速ギア82及び第2変速ギア84は、右側の第2サイドフレーム8とギアカバー85とから形成した収納空間に配備してあり、右側の第2サイドフレーム8からギアカバー85を取り外すことにより、右側の植付駆動軸59及び中継軸83に対する各変速ギア82,84の付け替えや歯数の異なるものとの交換などによりギア比を変更することによる変速を行えるように構成してある。
【0055】
チェーン伝動式の伝動装置70は、横送り変速装置69による変速後の動力を、横送り機構28の横送り駆動軸86に伝達する。横送り駆動軸86の両端部には、苗載台27が左右のストローク端に達するごとに縦送り機構29を駆動させる駆動アーム87を、横送り駆動軸86と一体回転するように装備してある。
【0056】
図11に示すように、トルクリミッタ63及び植付クラッチ64は、T/Mケース4の内部において、車体の左右外側端に配備した伝動ケースである左右の第1サイドフレーム7の間に位置するように配置してある。つまり、T/Mケース4の内部に備えた伝動系88のうちの重量の大きいトルクリミッタ63及び植付クラッチ64が車体の左右中央側に位置するようになる。その結果、車体の左右バランスを向上させることができる。
【0057】
又、T/Mケース4の内部に備える伝動系88を、左右の第1サイドフレーム7における車体横方向の最外側端よりも車体の内側に位置するように配置してある。これにより、T/Mケース4において、左右の第1サイドフレーム7から車体の横外方に食み出す部分がなくなる。その結果、車体の左右バランスを向上させることができる。又、旋回時に車体を左右方向に傾斜させた場合に、T/Mケース4を水田の泥面に浸かりにくくすることができ、T/Mケース4が泥面に浸かることに起因したT/Mケース4の耐久性の低下などを防止することができる。
【0058】
そして、前述したように、重量の大きいトルクリミッタ63及び植付クラッチ64を、T/Mケース4の底部に配備した動力分配軸57に装備することにより、車体の重心位置を下げることができ、車体の安定性を向上させることができる。
【0059】
図6、図7、図10及び図11に示すように、この歩行田植機においては、前述したように、株間変速軸56をT/Mケース4における左側のメインケース12に片持ち支持させてある。これにより、株間変速軸56をT/Mケース4に両持ち支持させる場合に比較して、株間変速軸56の配置の自由度を高めることができる。そして、このように配置の自由度が高くなることにより、第2軸35に備えた第3変速ギア40及び第4変速ギア41に対して、株間変速装置60の各株間ギア74,75を側面視で重複するように配置することができ、この配置により、T/Mケース4のコンパクト化を図ることができ、このコンパクト化により、T/Mケース4の内部に貯留するオイル量を減らすことができ、このオイルの減量とT/Mケース4のコンパクト化により、車体の軽量化を図ることができる。
【0060】
又、前述したように、この歩行田植機においては、株間変速装置60を第2軸37と株間変速軸56とにわたって装備してある。これに対し、例えば、株間変速装置60を株間変速軸56と動力分配軸57とにわたって装備するように構成すると、その株間ギア74,75の付け替えや交換などによる変速を可能にするためには、株間変速装置60を、左側の第1サイドフレーム7に備えた伝動軸58に対する伝動用として動力分配軸57の左端部に備えたベベルギア65よりも左外方側に位置するように配備する必要が生じる。すると、T/Mケース4に、左側の第1サイドフレーム7から車体の左外方に食み出す部分を形成する必要が生じることになり、結果、車体の左右バランスが低下し、又、旋回時に車体を左右方向に傾斜させた場合に、T/Mケース4が水田の泥面に浸かりやすくなり、T/Mケース4が泥面に浸かることに起因したT/Mケース4の耐久性の低下などを招き易くなる。
【0061】
つまり、株間変速装置60を第2軸37と株間変速軸56とにわたって装備することにより、その株間ギア74,75の付け替えや交換などによる変速を可能にしながら、車体の左右バランスを向上させることができるとともに、T/Mケース4が泥面に浸かることに起因したT/Mケース4の耐久性の低下などを防止することができる。
【0062】
図5、図7に示すように、変速装置32は、T/Mケース4の上部に備えた偏心カム式の操作部材89を、その軸心(図示せず)を支点にして回動操作することにより、シフト部材42が第2軸37に沿って摺動するように構成してある。操作部材89は、操縦部9に備えた変速レバー(図示せず)に操作ロッド90などを介して連係してある。
【0063】
図15は走行クラッチ48の操作構造を示す要部の縦断左側面図であり、図16は走行クラッチ48の操作構造を示す要部の背面図であり、図2、図8、図15及び図16に示すように、推進車輪6と対向するT/Mケース4の後部には、T/Mケース4の内部に備えた走行クラッチ48に対する操作部としての操作アーム91を配備してある。操作アーム91は、T/Mケース4の内部に備えたシフトフォーク92と一体揺動するように、シフトフォーク92に前後向きの支軸93を介して連結してある。操作アーム91の遊端は、操縦部9に備えた走行用のクラッチレバー25に操作ワイヤ94を介して連係してある。シフトフォーク92は、走行クラッチ48のシフト部材53に係合連係してある。
【0064】
この連係により、走行用のクラッチレバー25を、操縦ハンドル21の把持部21Bに向けて共握り操作することにより、走行クラッチ48を伝動状態から遮断状態に切り換えることができる。そして、操縦部9に備えた保持機構(図示せず)の作用により、走行用のクラッチレバー25を遮断位置に保持することができ、走行クラッチ48を遮断状態に維持することができる。又、右側の把持部21Bに備えた解除レバー95を把持部21Bに向けて共握り操作することにより、保持機構によるクラッチレバー25の保持を解除することができ、走行クラッチ48の付勢バネ54の作用により、走行クラッチ48を遮断状態から伝動状態に、クラッチレバー25を遮断位置から伝動位置に戻すことができる。
【0065】
又、走行クラッチ48に対する操作アーム91を、T/Mケース4の低部よりも上方に位置するT/Mケース4の後部に配備することにより、操作アーム91などに対する泥面からの泥の跳ね上げによる泥の付着を抑制することができ、結果、操作アーム91などに泥が付着することに起因した走行クラッチ48の操作不良の発生を抑制することができる。
【0066】
図8、図15及び図16に示すように、T/Mケース4とその後方に位置する推進車輪6との間には、推進車輪6からエンジン3やT/Mケース4などへの泥跳ねを防止する泥除カバー96を配備してある。そして、走行クラッチ48に対する操作ワイヤ94は、そのインナワイヤ94Aにおける操作アーム91との連係端側が、泥除カバー96で覆われた所定の領域内で、アウタワイヤ94Bに対して出退変位するように配索してある。これにより、T/Mケース4と推進車輪6との間を狭くして車体の全長を短くするようにしても、推進車輪6からインナワイヤ94Aへの泥跳ねを確実に防止することができ、結果、車体の小型化を図りながら、インナワイヤ94Aに泥が付着することに起因した走行クラッチ48の操作不良の発生を効果的に防止することができる。
【0067】
図1、図5、図7及び図14に示すように、T/Mケース4の前面部には、T/Mケース4の内部に備えた植付クラッチ64に対する操作部としての操作軸97を配備してある。操作軸97は、植付クラッチ64のシフト部材80に形成した乗り上げ式のカム面80Aに接当する作用位置と、カム面80Aから離間する退避位置とにわたる摺動変位が可能となるようにT/Mケース4に支持させてある。操作軸97の前端部は、操縦部9に備えた植え付け用のクラッチレバー24に揺動アーム98及び操作ワイヤ99などを介して連係してある。揺動アーム98は、左右向きの軸心(図示せず)を支点にして揺動するようにT/Mケース4に支持させてある。T/Mケース4と揺動アーム98とにわたって、操作軸97を退避位置に復帰付勢する付勢バネ100を架設してある。
【0068】
この連係により、植え付け用のクラッチレバー24を、操縦ハンドル21の把持部21Aに向けて共握り操作することにより、植付クラッチ64を伝動状態から遮断状態に切り換えることができる。そして、操縦部9に備えた保持機構(図示せず)の作用により、植え付け用のクラッチレバー24を遮断位置に保持することができ、植付クラッチ64を遮断状態に維持することができる。又、左側の把持部21Aに備えた解除レバー101を把持部21Aに向けて共握り操作することにより、保持機構によるクラッチレバー24の保持を解除することができ、植付クラッチ64の付勢バネ81や操作用の付勢バネ110の作用により、植付クラッチ64を遮断状態から伝動状態に、クラッチレバー24を遮断位置から伝動位置に戻すことができる。
【0069】
そして、変速装置32に対する操作部材89や走行クラッチ48に対する操作アーム91などが存在しないT/Mケース4の前面部に植付クラッチ64に対する操作軸97を配備したことにより、植付クラッチ64に対する揺動アーム98や操作ワイヤ99などからなる植付クラッチ用の操作機構Bを、変速装置32に対する操作ロッド90などからなる変速用の操作機構Cや、走行クラッチ48に対する操作アーム91や操作ワイヤ94などからなる走行クラッチ用の操作機構D、が存在しない領域を利用して配備することができ、その結果、植付クラッチ用の操作機構Bが、変速用の操作機構Cや走行クラッチ用の操作機構Dに干渉する虞を効果的に防止することができる。
【0070】
又、推進車輪6が存在しないT/Mケース4の前面部に植付クラッチ64に対する操作軸97を配備したことにより、推進車輪6から操作軸97などへの泥跳ねを防止することができ、操作軸97などに泥が付着することに起因した植付クラッチ64の操作不良の発生を効果的に防止することができる。
【0071】
しかも、植付クラッチ64に対する操作軸97をT/Mケース4の前面部に装備するために、重量の大きい植付クラッチ64などをT/Mケース4の前部側に配備することになり、結果、前部側にエンジン3やT/Mケース4など配備し、後部側に苗植付装置2などを配備した走行車体1の前後バランスを向上させることができ、歩行田植機としての取り扱い性を向上させることができる。
【0072】
植付クラッチ64は、シフト部材80のカム面80Aが操作軸97に乗り上がることにより伝動状態から遮断状態に切り替わった場合に、各植付機構30が、それらが描く植え付け作動軌跡(図示せず)の上部に位置する状態で作動停止するように構成してある。つまり、植付クラッチ64を、各植付機構30を上限位置にて作動停止させる上限停止機構としての機能を有するように構成してある。
【0073】
図5及び図7に示すように、T/Mケース4の内部には、その後上部にブリーザ室102を形成するための隔壁103を形成してある。T/Mケース4の後上部には、そのブリーザ室102から延出するブリーザ104を装備してある。ブリーザ104は、丸パイプ材によりコの字状に形成してあり、その両端部が下向きになり、かつ、露出側の端部がT/Mケース4よりも後方に位置する姿勢でT/Mケース4に取り付けてある。
【0074】
これにより、T/Mケース4の内部に貯留したオイルが、走行時に第3変速ギア40や第4変速ギア41などにより掻き上げられることによってブリーザ104から漏れ出す虞を防止することができる。又、輸送のために、車体の前部を下側にして起こした倒立姿勢に車体の姿勢を切り換えた場合であっても、T/Mケース4の内部に貯留したオイルがブリーザ104から漏れ出す虞を防止することができる。
【0075】
図17は油圧構成を示す要部の縦断背面図であり、図18は油圧構成を示す要部上側の横断平面図であり、図19は油圧構成を示す要部の縦断左側面図であり、図20は油圧構成を示す要部下側の横断平面図であり、図4〜6、図8及び図17〜20に示すように、T/Mケース4における上部の左側部には油圧ユニット105を配備してある。
【0076】
油圧ユニット105は、T/Mケース4の左側部に連結する油圧ブロック106に、油圧ポンプ形成用の第1凹部106A、制御弁形成用の第2凹部106B、リリーフ弁形成用の第3凹部106C、供給油路106D、戻り油路106E、第1給排油路106F、第2給排油路106G、及び、排出油路106H、などを形成し、第1凹部106Aにトロコイド式の油圧ポンプ107を、第2凹部106Bにスプール108を、第3凹部106Cにリリーフ弁109を装備して構成してある。
【0077】
尚、油圧ポンプ107として、ギアポンプ、プランジャポンプ、あるいはベーンポンプ、などの異なる構造のものを採用してもよい。
【0078】
図8及び図17〜20に示すように、第1凹部106Aは、T/Mケース4から左外側方に向けて突出させた第1軸34による油圧ポンプ107の駆動が可能となるように、T/Mケース4に接続する油圧ブロック106の右側面に形成してある。これにより、T/Mケース4の第1軸34をポンプ軸に兼用することができる。
【0079】
第2凹部106Bは、油圧ユニット105の左外側部をスプール操作部として使用することが可能となるように、油圧ブロック106の左側面から油圧ブロック106の内部に向けて左右向きに形成してある。そして、この第2凹部106Bに、スプール108をその軸心(図示せず)を支点にした回動操作が可能となるように装備することにより、スプール108を、車体高さ調節用の制御弁として機能させることができる。
【0080】
第3凹部106Cは、T/Mケース4に接続する油圧ブロック106の右側面から油圧ブロック106の内部に向けて左右向きに形成した供給油路106Dと戻り油路106Eとにわたるように、油圧ブロック106の上面から油圧ブロック106の内部に向けて上下向きに形成してある。これにより、第3凹部106Cの略全体を戻り油路の一部として利用することができる。そして、この第3凹部106Cに、ポペット110とポペット110を閉じ付勢する付勢バネ111とを配備し、バネ受け兼用のプラグ112で第3凹部106Cを閉塞することにより、リリーフ弁109を構成することができる。
【0081】
つまり、この油圧ユニット105では、リリーフ弁109を、そのポペット110の軸心方向が第1軸34と直交する上下方向となるように装備してある。これにより、リリーフ弁109を、そのポペット110の軸心方向が第1軸34の軸心(図示せず)に沿う左右方向となるように装備する場合に比較して、油圧ユニット105の左右方向の長さを短くすることができ、油圧ユニット105の重心位置を車体の左右中心に近づけることができる。そして、この重心位置の調整により、車体を左右方向に傾斜させた場合に慣性モーメントが作用しにくくなり、結果、歩行田植機としての取り扱い性の向上を図ることができる。
【0082】
又、T/Mケース4の左側部に配備した油圧ユニット105にリリーフ弁109を上下向きに装備することにより、第3凹部106Cを、T/Mケース4の内部に連通する供給油路106Dと戻り油路106Eとにわたるように形成することができ、これにより、リリーフ弁109を左右向きに装備する場合に比較して、戻り油路106Eを形成する場合の穴加工数を減らすことができ、製作の容易化やコストの削減を図ることができる。
【0083】
しかも、リリーフ弁109のプラグ位置が、スプール操作部として使用する油圧ユニット105の左外側部に位置しないことにより、リリーフ弁109に対するメンテナンスを行う際に、スプール108に対する操作系が邪魔になりにくくなり、結果、リリーフ弁109に対するメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0084】
ちなみに、リリーフ弁109を、そのポペット110の軸心方向が第1軸34と直交する前後方向となるように油圧ユニット105に装備してもよい。
【0085】
図1、図3、図4、図17及び図20に示すように、スプール108の左端部には、スプール108の軸心を支点にしてスプール108と一体で動く揺動アーム113を連結してある。揺動アーム113は、操縦部9に備えた昇降用の操作レバー22に操作ワイヤ114を介して連係してある。つまり、昇降用の操作レバー22を操作することによりスプール108を回動操作することができる。
【0086】
図21はスプール108の作動を示す要部の縦断左側面図であり、図22は車体高さ調節用の油圧配管を示す要部の右側面図であり、図1、図3〜5及び図18〜22に示すように、油圧ユニット105は、走行車体1の右側部に車体高さ調節用として備えた複動型の油圧シリンダ115に金属製の一対の配管116,117を介して接続してある。この接続により、油圧シリンダ115は、昇降用の操作レバー22を操作して、油圧ユニット105のスプール108を中立位置から上昇位置に切り換えた場合には、油圧ポンプ107により圧送されるオイルが伸長作動用の油室(図示せず)に供給され、かつ、短縮作動用の油室(図示せず)からオイルが排出されることにより伸長作動する。又、スプール108を中立位置から下降位置に切り換えた場合には、油圧ポンプ107により圧送されるオイルが短縮作動用の油室に供給され、かつ、伸長作動用の油室からオイルが排出されることにより短縮作動する。そして、スプール108を上昇位置又は下降位置から中立位置に切り換えた場合には、伸長作動用の油室及び短縮作動用の油室に対するオイルの給排が停止されることにより作動停止する。
【0087】
油圧シリンダ115は、車体の前後方向に沿う姿勢でエンジン3の右外方側に位置するように配置してある。又、油圧シリンダ115の伸長作動用の油室に接続する配管116は、油圧ユニット105からエンジン3の前方を通し、油圧シリンダ115の右外方から油圧シリンダ115の上方を通して、伸長作動用の油室に対して上方から螺合により接続してある。油圧シリンダ115の短縮作動用の油室に接続する配管117は、油圧ユニット105からエンジン3の前方を通し、油圧シリンダ115の下方を通して、短縮作動用の油室に対して下方から螺合により接続してある。
【0088】
つまり、配管116,117を、エンジン3を迂回させて油圧シリンダ115と上下方向で重なるようにして配管するようにしているのであり、これにより、エンジン3の右側部から延出するリコイルロープ118を、油圧シリンダ115や配管116,117に干渉させることなく操縦部9に向けて配索することができる。
【0089】
又、油圧シリンダ115に対して配管116,117を上下方向から螺合接続することにより、その緩み方向を油圧シリンダ115の振動方向と異ならせることができ、結果、油圧シリンダ115の振動に起因して、油圧シリンダ115に対する配管116,117の接続に緩みが生じることを抑制することができる。
【0090】
図23は車体高さ調節構造を示す要部の平面図であり、図24及び図25は車体高さ調節構造を示す要部の右側面図であり、図4及び図22〜25に示すように、油圧シリンダ115は、左右向きの軸心P1を支点にして伝動ケース5と一体揺動する揺動アーム119と、右側の第1サイドフレーム7とにわたるように、そのピストンロッド側の端部を揺動アーム119に、そのシリンダチューブ側の端部を右側の第1サイドフレーム7に、それぞれ枢支させてある。揺動アーム119は、伝動ケース5における揺動始端側の右側部に、上方に向けて延出する姿勢で着脱可能に取り付けてある。これにより、油圧シリンダ115は、その第1部材であるシリンダチューブ120から第2部材であるピストンロッド121が前上方に向けて延出する前上がり姿勢で走行車体1に装備されることになる。
【0091】
そして、このように姿勢設定した油圧シリンダ115の上部側に位置する短縮作動用の油室に対して、配管117を前述したように下方から接続することにより、その配管117を、油圧シリンダ115の下部側に位置する伸長作動用の油室に対する配管116と同様の比較的に低い位置に通すことができるようになり、結果、エンジン3やその周辺機器に対するメンテナンスが行いやすくなる。
【0092】
又、上記のように構成することにより、昇降用の操作レバー22を操作して油圧シリンダ115を伸縮作動させることにより、伝動ケース5を左右向きの軸心P1を支点にして上下揺動させることができ、この上下騒動により、推進車輪6の対車体高さを変更することができ、車体の対地高さを調節することができる。その結果、水田での作土層の深さの変動にかかわらず所定の植え付け深さで苗を安定して上付けることができる。
【0093】
つまり、昇降用の操作レバー22、揺動アーム113、操作ワイヤ114、油圧ユニット105、配管116,117、及び油圧シリンダ115、などにより、油圧シリンダ115の作動ストロークにより設定される揺動範囲で伝動ケース5を上下方向に揺動操作する操作機構Eを構成し、この操作機構E、伝動ケース5、及び揺動アーム119、などにより車体高さ調節機構Fを構成してある。
【0094】
図22〜25に示すように、揺動アーム119の揺動支点部には、一対1組で、左右向きの軸心P1を支点にした揺動方向での位置を異ならせた2組の、合計4つの連結孔119A〜118Dを穿設してある。つまり、揺動アーム119を伝動ケース5に1組目の連結孔119A,119Cを使用して取り付けた場合と、2組目の連結孔119B,119Dを使用して取り付けた場合とでは、伝動ケース5に対する揺動アーム119の取り付け位置が、それらの揺動方向で異なることになり、これにより、油圧シリンダ115の作動ストロークにより設定される伝動ケース5の上下方向の揺動範囲を高低2段の揺動範囲に設定変更することができる。
【0095】
具体的には、1組目の連結孔119A,119Cを使用して揺動アーム119を伝動ケース5に取り付けた場合には、伝動ケース5の揺動範囲を、車体に対する高い側の揺動範囲に設定することができ、2組目の連結孔119B,119Dを使用して揺動アーム119を伝動ケース5に取り付けた場合には、伝動ケース5の揺動範囲を、車体に対する低い側の揺動範囲に設定することができる。
【0096】
これにより、耕盤から田面にわたる作土層が比較的に浅い一般的な水田で作業を行う場合には、1組目の連結孔119A,119Cを使用して揺動アーム119を伝動ケース5に取り付けることにより、この水田での作土層の深さに応じた車体の高さ調節を適切に行うことができる。又、耕盤から田面にわたる作土層が比較的に深い天水田(灌漑設備のない水田)などの深田で作業を行う場合には、2組目の連結孔119B,119Dを使用して揺動アーム119を伝動ケース5に取り付けることにより、この深田での作土層の深さに応じた車体の高さ調節を適切に行うことができる。
【0097】
つまり、揺動アーム119の揺動支点部に穿設した4つの連結孔119A〜119Dが、左右向きの軸心P1を支点にした伝動ケース5の揺動方向で、伝動ケース5に対する揺動アーム119の連結位置を変更することにより、左右向きの軸心P1を支点にした伝動ケース5の揺動範囲を変更する揺動範囲変更手段Gとして機能し、この揺動範囲変更手段の作用により、一般的な水田と深田とにかかわらず、車体の上部側を水田に浸けることなく推進車輪6を適切に耕盤に接地させることができ、植え付け作業を良好に行うことができる。
【0098】
又、油圧シリンダ115として、一般的な水田に対する揺動範囲だけでなく深田に対する揺動範囲にも対応することのできる作動ストロークの大きい大型のものを採用する必要がないことから、大型の油圧シリンダ115を採用することによって生じる、車体重量の増加、左右バランスの低下、及びコストの高騰、などを未然に回避することができる。
【0099】
図26は油圧シリンダ115の支持構造を示す要部の縦断右側面図であり、図27は油圧シリンダ115の支持構造を示す要部の縦断背面図であり、図4及び図22〜27に示すように、油圧シリンダ115のシリンダチューブ120は、第1枢支部122を介して右側の第1サイドフレーム7に枢支させてある。油圧シリンダ115のピストンロッド121は、第2枢支部123を介して揺動アーム119に枢支させてある。
【0100】
第1枢支部122は、油圧シリンダ115のシリンダチューブ120を支持するように右側の第1サイドフレーム7から左方に向けて延設した軸部材としての支軸124と、この支軸124にその軸心P2回りに相対回動可能に外嵌するようにシリンダチューブ120の後端部に形成したホルダ部材としてのホルダ部125、により構成してある。第2枢支部123は、油圧シリンダ115のピストンロッド121に相対摺動可能に備えた軸部材126と、この軸部材126にその軸心P3回りに相対回動可能に外嵌するように揺動アーム119から右方に向けて延設したホルダ部材127、により構成してある。
【0101】
第2枢支部123において、軸部材126は、シリンダチューブ120と略同径の大径に形成した樹脂製で、ピストンロッド121の先端部に外嵌装備したサスペンションバネ128を受け止め支持するバネ受け部126Aを有するように形成してある。ホルダ部材127は、断面C字状に形成した板金製で、ピストンロッド121の挿通及び相対揺動許容する長孔127Aを形成してある。
【0102】
そして、上記のように軸部材126を大径に形成したことにより、軸部材126にかかる面圧を小さくすることができ、これにより、軸部材126に、コストの面や成形の面で有利な樹脂製のものを採用して軽量化を図りながらも、高い耐久性を得ることができる。又、軸部材126をバネ受けに兼用することにより、部品点数の削減による組付け性の向上やコストの削減を図ることができる。
【0103】
しかも、第1枢支部122及び第2枢支部123を上記のように構成したことにより、車体に対する油圧シリンダ115の組付けを、車体の右方からの差し込みなどにより簡単に行うことができる。
【0104】
尚、ピストンロッド121には、サスペンションバネ128を介して第2枢支部123の軸部材126を受け止める軸受具129や、第2枢支部123のホルダ部材127を受け止めるホルダ受具130、などを備えている。
【0105】
図28は歩行田植機の自立保持構造を示す要部の右側面図であり、図29は歩行田植機の自立保持構造を示す要部の平面図であり、図1〜4、図28及び図29に示すように、左右の第1サイドフレーム7には、歩行田植機を自立保持するためのスタンド131を装備してある。左右のスタンド131は、左右の第1サイドフレーム7の左右向きの軸心(図示せず)を支点にして、車体前方側で垂下する作用姿勢と、車体前方側で第1サイドフレーム7に略沿うようになる格納姿勢とに、姿勢切り換え可能に構成してある。又、左右の第1サイドフレーム7と対応する左右のスタンド131とにわたって、デッドポイント越えによるスタンド131の姿勢保持を可能にする引っ張りバネ132を架設してある。
【0106】
この構成により、スタンド131を作用姿勢に切り換えることにより、歩行田植機を自立保持させることができる。そして、この自立保持状態を維持したまま、車体を前進させて水田に入った場合には、水田の泥などによる抵抗がスタンド131にかかることにより、スタンド131が作用姿勢から格納姿勢に自動的に切り替わるようになる。その結果、スタンド131を作用姿勢に切り換えた状態が水田に入った後も維持されることによる車体の沈み込みを未然に回避することができる。
【0107】
図30は歩行田植機の吊り下げ支持構造を示す要部の縦断背面図であり、図1、図2及び図28〜30に示すように、この歩行田植機には、その吊り下げ搬送を可能にする複数のフック133を備えている。これらのフック133のうち、車体前部側の2つは、左右の第1サイドフレーム7の前端部に、T/Mケース4に対する連結用として備えたブラケット134に形成してある。又、車体後部側の2つは、左右一対のハンドルフレーム20に、整地フロート26や苗載台27などに対する支持用として備えたブラケット135に形成してある。
【0108】
これにより、吊り下げ搬送用の専用部品を装備する必要がなくなり、結果、部品点数の削減による組付け性の向上やコストの削減を図ることができる。
【0109】
図31は燃料供給構造を示す要部の正面図であり、図1、図2及び図31に示すように、燃料タンク10は、その排出口10Aが右下方に向かう傾斜姿勢となるように形成し、又、その排出口10Aがエンジン3のキャブレタ136の近くに位置するように配置してある。これにより、燃料タンク10を、エンジン3の上端に近接させるようにしても、燃料タンク10の排出口10Aからキャブレタ136への配管を簡単に行うことができる。
【0110】
図1〜3及び図5に示すように、この歩行田植機には作業灯137を装備してある。作業灯137は、上部カバー11から食み出している油圧ユニット105に支持ブラケット138を介して上下方向及び左右方向に向き変更可能に支持させてある。これにより、上部カバー11の内部に作業灯137を装備する場合に比較して照射範囲を広くすることができるとともに、照射方向の設定の自由度を高めることができ、結果、作業灯137を使用する夜間作業などでの作業性を向上させることができる。
【0111】
〔別実施形態〕
【0112】
〔1〕歩行田植機としては、3条以上の苗の植え付けを行うように構成したものであってもよい。
【0113】
〔2〕動力分配軸57に、植付クラッチ64とトルクリミッタ63のいずれか一方を装備するように構成してもよい。
【0114】
〔3〕トランスミッションケース4の内部における、左右の外側端に配備される伝動ケース5の間の位置に、植付クラッチ64とトルクリミッタ63のいずれか一方を配備するように構成してもよい。
【0115】
〔4〕トランスミッションケース4の内部に備える伝動系88としては、走行専用の変速装置などを備えるように構成したものであってもよい。又、株間変速装置60の操縦部9からの操作が可能となるように構成したものであってもよい。そして、株間変速装置60の操縦部9からの操作を可能に構成する場合には、植え付け伝動系55に対する操作部97が株間変速用のものであってもよい。
【0116】
〔5〕泥除カバー96で保護される操作ワイヤ94により操作される伝動系88に対する操作部97としては、走行クラッチ用以外の、例えば走行変速用のものや植付クラッチ用のものなどであってもよい。
【0117】
〔6〕トランスミッションケース4に、油圧ポンプ107に対する専用の駆動軸(ポンプ軸)34を備えるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】歩行田植機の全体左側面図
【図2】歩行田植機の全体右側面図
【図3】歩行田植機の全体平面図
【図4】歩行田植機の前半部の構成を示す平面図
【図5】エンジン周りやT/Mケース周りの構成を示す要部の左側面図
【図6】歩行田植機の伝動構成を示す概略平面図
【図7】T/Mケースの縦断右側面図
【図8】走行用の伝動構成を示す要部の展開断面図
【図9】走行用の伝動構成を示す要部の横断平面図
【図10】作業用の伝動構成を示す要部の横断平面図
【図11】作業用の伝動構成を示す要部の展開断面図
【図12】左側の植付機構に対する伝動構成や横送り機構の支持構造を示す要部の展開断面図
【図13】右側の植付機構や横送り機構に対する伝動構成を示す要部の展開断面図
【図14】トルクリミッタ及び植付クラッチの構成を示す要部の横断平面図
【図15】走行クラッチの操作構造を示す要部の縦断左側面図
【図16】走行クラッチの操作構造を示す要部の背面図
【図17】油圧構成を示す要部の縦断背面図
【図18】油圧構成を示す要部上側の横断平面図
【図19】油圧構成を示す要部の縦断左側面図
【図20】油圧構成を示す要部下側の横断平面図
【図21】スプールの作動を示す要部の縦断左側面図
【図22】車体高さ調節用の油圧配管を示す要部の右側面図
【図23】車体高さ調節構造を示す要部の平面図
【図24】車体高さ調節構造を示す要部の右側面図
【図25】車体高さ調節構造を示す要部の右側面図
【図26】油圧シリンダの支持構造を示す要部の縦断右側面図
【図27】油圧シリンダの支持構造を示す要部の縦断背面図
【図28】歩行田植機の自立保持構造を示す要部の右側面図
【図29】歩行田植機の自立保持構造を示す要部の平面図
【図30】歩行田植機の吊り下げ支持構造を示す要部の縦断背面図
【図31】燃料供給構造を示す要部の正面図
【符号の説明】
【0119】
3 エンジン
4 トランスミッションケース
5 伝動ケース
6 推進車輪
30 植付機構
33 走行伝動系
34 ポンプ軸
40 変速ギア
41 変速ギア
55 植え付け伝動系
57 動力分配軸
63 トルクリミッタ
64 植付クラッチ
74 株間ギア
75 株間ギア
88 伝動系
94 操作ワイヤ
94A インナワイヤ
94B アウタワイヤ
96 泥除カバー
97 操作部
106E 戻り油路
107 油圧ポンプ
109 リリーフ弁
110 ポペット
A 植付伝動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の植付機構を車体の左右方向に並べて配備し、
トランスミッションケースの底部に、エンジンからの動力を前記植付機構のそれぞれに分配する動力分配軸を配備し、
前記動力分配軸に、前記動力分配軸に対する伝動の断続操作を可能にする植付クラッチと、前記植付機構に対する過負荷に基づいて前記動力分配軸に対する伝動を遮断するトルクリミッタとのいずれか一方又は双方を装備してあることを特徴とする歩行田植機。
【請求項2】
複数の植付機構を車体の左右方向に並べて配備し、
トランスミッションケースの内部に、エンジンからの動力を前記植付機構のそれぞれに分配する動力分配軸を配備し、
前記動力分配軸から対応する植付機構に伝動する植付伝動機構を内部に備えた複数の伝動ケースを、前記トランスミッションケースから前記植付機構のそれぞれにわたるように配備し、
前記トランスミッションケースの内部における、左右の外側端に配備される伝動ケースの間の位置に、前記動力分配軸に対する伝動の断続操作を可能にする植付クラッチと、前記植付機構に対する過負荷に基づいて前記動力分配軸に対する伝動を遮断するトルクリミッタとのいずれか一方又は双方を配備してあることを特徴とする歩行田植機。
【請求項3】
前記トランスミッションケースの内部に備える伝動系を、車体の左右外側端に配備した伝動ケースにおける車体横方向の最外側端よりも車体の内側に位置するように配置してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行田植機。
【請求項4】
前記トランスミッションケースの内部に、走行伝動系と植え付け伝動系とに伝達する動力を変速する変速ギアと、植え付け伝動系に伝達する動力を変速する株間ギアとを側面視で重複するように配置してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の歩行田植機。
【請求項5】
前記トランスミッションケースの内部における後部側に走行伝動系を配備し、前記トランスミッションケースの内部における前部側に植え付け伝動系を配備し、
前記植え付け伝動系に対する操作部を前記トランスミッションケースの前面部に配備してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の歩行田植機。
【請求項6】
前記トランスミッションケースとその前後一方に配置する推進車輪との間に泥除カバーを配備し、
前記推進車輪と対向する前記トランスミッションケースの前後一側部に、前記トランスミッションケースの内部に備えた伝動系に対する操作部を配備し、
前記操作部に連係する操作ワイヤを、そのインナワイヤにおける前記操作部との連係端側が、前記泥除カバーで覆われた所定の領域内で、アウタワイヤに対して出退変位するように配索してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の歩行田植機。
【請求項7】
前記トランスミッションケースの一側部に、前記トランスミッションケースから延出するポンプ軸で駆動される油圧ポンプを配備し、かつ、前記油圧ポンプから前記トランスミッションにわたる戻り油路に介装するリリーフ弁を、そのポペットの軸心方向が前記ポンプ軸と直交する方向となるように配備してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の歩行田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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