説明

治具パレット

【課題】製造ライン上で共有化できるとともに、汎用性を有する治具パレットを提供する。
【解決手段】各種装置が並ぶ製造ラインに沿って半製品を載せて搬送される治具パレットであって、搬送台車部材Aと、搬送台車部材Aに配置される半製品受け部材Bと、半製品受け部材Bにセットされる半製品の所定の加工周辺部に対向して配置されるとともに、加工周辺部を上方から押さえる押さえ手段Eを有し、搬送台車部材Aの一端部の位置で開閉可能にされる半製品押さえ部材Dとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は治具パレットに関する。さらに詳しくは、ドアトリム組立自動ラインなどの製造ラインに適した治具パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば自動車用ドアトリムは、ドアトリムアッパーとドアトリムロアなどから構成されており、このドアトリムアッパーは、樹脂芯材の表面に表皮を貼着した積層構造体であり、また、ドアトリムロアは、合成樹脂の射出成形体である。このドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合構造として、たとえば、ドアトリムロアの接合縁部に沿って、適宜ピッチ間隔で立設された溶着用ボスをドアトリムアッパーに形成した取付孔に挿入した半製品を超音波溶着カシメ装置にセットしたのち、クランパーを閉めて溶着(超音波カシメ)加工を施すことにより、ドアトリムアッパーとドアトリムロアを接合している(特許文献1参照)。
【0003】
かかる超音波溶着加工に際しては、前記溶着用ボスと取付孔の周辺部との接触部に隙間が生じていると、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合部に隙間が生じて密着性がわるくなるため、加工周辺部を押さえて、溶着加工をしている。また、製造ラインにおいては、前記超音波溶着加工のほかに、ウェザーストリップ爪曲げ加工、リテーナ挿入加工およびビス締め加工などが行われている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−224012号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の製造ラインの超音波溶着カシメ装置、爪曲げ装置およびリテーナ挿入装置などにおける半製品の受け金型では、それぞれ専用の接合箇所を有している。また、受け金型の接合部の押さえ金具についても各装置の接合箇所の加工数に応じてそれぞれ加工されている。このように、装置毎に専用の受け金型を使用しているため、ライン上で受け金型の共有化ができず、装置間の搬送機などが必要になるなど、生産性を向上させることが難しく、生産コストが高くなるという問題がある。また、製品の機種毎に受け金型を作製しなければならないので、各装置の製造コストが高くなるという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、叙上の事情に鑑み、製造ライン上で共有化できるとともに、汎用性を有する治具パレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の治具パレットは、各種装置が並ぶ製造ラインに沿って半製品を載せて搬送される治具パレットであって、搬送台車部材と、該搬送台車部材に配置される半製品受け部材と、該半製品受け部材にセットされる半製品の所定の加工周辺部に対向して配置されるとともに、該加工周辺部を上方から押さえる押さえ手段を有し、前記搬送台車部材の一端部の位置で開閉可能にされる半製品押さえ部材とを備えてなることを特徴としている。
【0008】
なお、本明細書において、加工周辺部とは、溶着カシメ部やビス締め部、リテーナ挿入部などの接合部のみならず、爪曲げ加工などにおける半製品が浮き上がらず隙間が生じないように押さえられる箇所を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1つの製造ライン上でフロント、リア、左右などの形状の異なるものの組立を共有化できるとともに、別車種との混合生産を行うなどの汎用性を有する治具パレットを提供することができる。また、本発明によれば、半製品押さえ部材を開閉可能にする開閉機構の駆動機構を外部に持たせながら、開き状態や閉じ状態を保ち移動できるため、軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて本発明の治具パレットを説明する。本発明の治具パレットは、各種装置が並ぶ製造ラインに沿って半製品を載せて搬送される治具パレットである。各種装置が並ぶ製造ラインとしては、たとえば、超音波溶着カシメ装置、ウェザーストリップ爪曲げ装置、リテーナ挿入装置が並ぶ製造ラインや、さらにビス締め装置、ホットメルト接着装置などが並ぶ製造ラインなどを挙げることができる。この半製品は、ドアトリムアッパーや、ドアトリムロア、アームレスト、ポケット、オーナメント、ウェザーストリップなどの部品を総称している。また、これらの装置の複数の加工部(作業部)では、溶着カシメや、爪曲げ、リテーナ挿入などに際して、半製品が浮き上がらず、接合や挿入加工などを施す部品間に隙間やズレなどが生じないように所定の配置に固定できるように加工周辺部を押さえる必要がある。
【0011】
そこで、本発明の一実施の形態にかかわる治具パレットは、図1〜7に示されるように、搬送台車部材Aと、該搬送台車部材Aに配置される半製品受け部材Bと、該半製品受け部材Bにセットされる半製品の所定の加工周辺部C(図7参照)を上方から押さえ、すべての加工が施されたのち、加工済半製品(完了品)を取り出すことができるように、開閉可能にされる半製品押さえ部材Dとを備えている。
【0012】
前記搬送台車部材Aは、アルミニウム製の溝付きフレームを上下2段にして格子状に組み付けたフレーム構造体とされて軽量化が図られている。本実施の形態の治具パレットは、製造ラインのライン搬送方向Lに沿って所定の間隔に配設される一対の搬送チェーンL1に戴置された状態で搬送されるため、この搬送台車部材Aの両側部フレーム体A1の下面および外側面には、それぞれ、たとえば耐摩耗性を有するガイド部材1が取り付けられている。
【0013】
この搬送台車部材Aの中央部フレーム体A2には、前記半製品受け部材Bにセット(戴置)された半製品を感知する半製品検知手段2が取り付けられている。この半製品検知手段2の検知部2aは、前記半製品受け部材Bの一部を切り欠いた箇所から挿通して、前記半製品受け部材Bに戴置された半製品を接触または非接触にて感知することができる。本実施の形態では、半製品検知手段2としてタッチスイッチが用いられているが、とくにこれに限定されるものではない。
【0014】
また、前記搬送台車部材Aには、前記製造ラインにおける所定の装置の作業位置に搬送された治具パレットを感知するためのパレット検知部材3と、該治具パレットを位置決めするための位置決め部材4が、図1〜3に示されるように、四隅のうち、搬送方向Lの前後2箇所のコーナー部R1、R2に位置する内側フレーム体A3に配設されている。本実施の形態では、このパレット検知部材3と位置決め部材4は、L型プレート5a、5bを介してフレーム体A3に固着されている。なお、図2において、位置決め部材4をわかりやすく示すために、側部フレーム体A4と周辺部材を省略している。
【0015】
前記治具パレットの位置決めは、各装置の所定位置に配置される検知手段(図示せず)により、前記パレット検知部材3を感知し、前記搬送チェーンL1を停止したのち、製造ラインに配置される昇降可能な位置決めピン(図示せず)が上昇し、前記位置決め部材4に形成される孔4aに挿入して行われる。
【0016】
本実施の形態では、前記パレット検知部材2により治具パレットを感知した信号を製造管理システムに知らせることにより、製造ライン上の治具パレットの搬送位置を管理し、延いては半製品の製造(加工作業)の管理を行うようにすることができる。
【0017】
また、前記搬送台車部材Aには、前記四隅のコーナー部に支持部材6が設けられている。なお、本実施の形態では、該支持部材6のうち1つの支持部材は前記位置決め部材4と兼用されている。この支持部材6もL型プレート5b、7a、7bにより固着されている。
【0018】
本実施の形態では、各装置における加工作業は、各装置の所定位置の4箇所に配置される昇降部材(図示せず)により、これらの支持部材6および位置決め部材3を下側から保持して治具パネルを持ち上げ、該治具パネルに対向して上方に設けられる各装置の固定部材(図示せず)に該治具パネルにおける半製品押さえ部材Dの上面を当接させて該治具パネルを固定支持したのち、行われる。
【0019】
前記半製品受け部材Bは、格子状に配置される脚部11と該脚部11に固着される受け部12とを具備しており、該脚部12は前記搬送台車部材AにL型プレート13とボルト(図示せず)とによる固定手段により固着されている。前記脚部11は、鋼板または合成樹脂などにより格子状に作製されている。前記受け部12は、たとえば半製品の形状に成形される繊維強化プラスチックの成形体の基材に表皮材(保護材)を貼り付けたものとすることができるが、該繊維強化プラスチックの成形体の基材に表層部として流動性を有するウレタンゴムを塗布し、乾燥して形成するのが、作業性を向上させる上で好ましい。また、半製品受け部材として、樹脂ブロックを形状加工したものに保護材を貼ったものが主流であるが、重量が大きくなる欠点を有している。
【0020】
前記半製品押さえ部材Dは、前記搬送台車部材Aと同様にアルミニウム製の溝付きフレームを上下3段にして格子状に組み付けたフレーム構造体とされて軽量化が図られている。この半製品押さえ部材Dは、半製品の所定の加工周辺部Cに対向して配置される押さえ手段Eと、前記搬送台車部材Aの一端部の位置で開閉可能にする開閉機構Fとを具備している。
【0021】
前記押さえ手段Eは、図1、図4および図5に示されるように、加工周辺部C(図7参照)を押さえる押さえロッドと、高さ方向および水平方向の位置を調整できる調整機構Fとを具備しており、この押さえ手段Eの個数と配置は、各装置における加工部の個数と加工位置に合わせて設定されている。そして、前記押さえロッドについても、半製品への加工に際して、たとえばドアトリムアッパーとドアトリムロアとの部品間に隙間などが生じないように所定の配置に固定して、加工周辺部を押さえることができる形状にされている。本実施の形態では、押さえロッドとして、先端部が円弧状の押さえ部21aと該押さえ部21aの基部から立設する調整ねじ部22aとからなる形態の押さえロッドE1と、先端部が円柱形状の押さえ部21bと該押さえ部21bの基部から立設する調整ねじ部22bとからなる形態の押さえロッドE2の2種類の形状にされている。また、この調整ねじ部22bには、加工周辺部を押さえたときに押さえ部21bの位置ズレを防止するために補強用のナット部22cが設けられている。
【0022】
なお、前記先端部が円弧状の押さえ部21aを有する押さえロッドE1は、半製品の加工部のうち、外径が円形状を呈する超音波ヘッドにより溶着ボスを溶着カシメするときに、該超音波ヘッドの外径形状に沿うように、該溶着ボスの近傍の加工周辺部Cを押させる場合に用いられる。これに対し、先端部が円柱形状の押さえ部21bを有する押さえロッドE1は、半製品の加工部が窪んだところであり、前記溶着ボスの近傍の外周位置を直接押させることができないときに、該窪んだ箇所の加工部から少し離れた加工周辺部Cを押さえる場合に用いられる。
【0023】
前記調整機構Fは、高さ方向の位置を調整できるようにL型プレート23a、23bの水平部の孔に挿通された調整ねじ部22a、22bに螺合されるナットのうち、L型プレート23a、23bの下方に螺合されるナット24aと、上方に螺合されるダブルナット24bとを具備している。このダブルナット24bがL型プレート23a、23bの上方に螺合されているのは、上方の方が前記押さえ部21a、21bの高さ調整がしやすいからである。なお、図5において、符号25はワッシャーである。また、水平方向の位置調整は、L型プレート23a、23bの垂直部の孔に挿通されるボルト26をフレーム体27の溝に沿って移動し、ねじ止めすることにより行うことができる。なお、図5において、符号28は前記水平方向に直交する他の水平方向のための調整台座(スペーサ)である。
【0024】
前記半製品押さえ部材Dを開閉可能にする開閉機構は、搬送方向Lに直交する該半製品押さえ部材Dの対向する部材であるフレーム体D1の下部に配設される軸受支持部31に軸支される回動軸32と、前記搬送台車部材Aに配置され、該回動軸32を回動自在に軸支する軸受群と、該回動軸32に固着される開閉レバー33とを備えている。半製品押さえ部材Dの開閉は、製造ライン沿いに配設される、たとえば駆動モータと該モータの揺動軸に固着される係合部材34を有する揺動板とを含む開閉駆動機構(図示せず)の該係合部材34が揺動するときに、前記開閉レバー33の切り欠き部33aに係合して半製品押さえ部材Dを開閉駆動するようにされている。本実施の形態では、この開閉駆動機構が、製造ライン沿いに配設されているため、治具パレットの軽量化を図ることができる。前記軸受群としては、回動軸32の両端部と開閉レバー33の側部に配置される3個のピロー型軸受ユニット35が用いられている。
【0025】
また、半製品押さえ部材Dの開閉終了時の位置決めのために、第1ストッパ部36と第2ストッパ部37が設けられている。この開状態のときの第1ストッパ部36は、前記フレーム体D1側に固定されるプレート36cに設けられるストッパピン36aと、搬送台車部材Aに設けられるストッパ板(停止板)36bとからなり、前記閉状態のときの第2ストッパ部37は、前記搬送台車部材Aに設けられるストッパピン37aと半製品押さえ部材Dの支持(脚)フレーム体D2の下面に設けられるストッパ板37bとからなる。
【0026】
また、本実施の形態では、半製品押さえ部材Dの開閉位置を感知するための開閉検知手段を具備している。この開状態のときの検知手段38aは、前記軸受支持部31の下方に設けられる台座39の内側に配置されており、前記閉状態のときの検知手段38bは、搬送台車部材Aの側部フレーム体A4上に設けられている。前記検知手段38aは、側部フレーム体D1に設けられる検知部材40を検知し、前記検知手段38bは、支持フレームD2に設けられる屈曲プレート41を検知することにより、半製品押さえ部材Dの開閉位置を感知する。本実施の形態では、検知手段38aと検知手段38bとして近接スイッチが用いられているが、とくにこれに限定されるものではない。
また、前記開閉機構と開閉駆動機構とによる半製品押さえ部材Dの開閉時に、治具パレットおよび半製品に掛かる衝撃を緩和させるために、前記フレーム体D1と搬送台車部材Aとのあいだに開閉用ショックアブソーバ42を具備するのが好ましい。
【0027】
本実施の形態では、図7に示されるように、予め各装置で作業される加工部における所定の加工周辺部Cに対向して配置できるように調整された押さえ手段Eの押さえロッド部E1、E2を組み付けた半製品押さえ部材Dを開状態にし、たとえば樹脂製ドアトリムの各部品の加工部である孔と溶着ボス51と合わせた半製品Sを半製品受け部材Bに戴置する。このとき、半製品検知手段2であるタッチスイッチにより半製品Sが半製品受け部材Bにセットされることを確認する。ついで、半製品押さえ部材Dを回動して前記押さえロッドE1、E2により前記加工部の周辺の加工周辺部Cを押し付ける。ついで、搬送チェーンL1を駆動して、半製品を戴置した治具パレットを超音波溶着カシメ装置の前に搬送する。そして、該治具パレットの確認、位置決めおよび上昇して固定支持されたのち、超音波ヘッド(図示せず)で溶着ボス51を超音波溶融して溶着カシメする。溶着カシメ加工が終了すると、該治具パレットは下降して搬送チェーンL1に戴置されたのち、該搬送チェーンL1によりつぎの装置へと搬送され、他の所定の加工部の加工が順次行われる。
【0028】
なお、本実施の形態では、前記半製品押さえ部材Dの開閉機構が、回動軸32、軸受ユニット34および開閉レバー33を備え、製造ライン沿いに配設される開閉駆動機構の係合部材が前記開閉レバー33に係合して半製品押さえ部材Dを開閉駆動するようにされているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、開閉機構として、回動軸、軸受ユニットおよび搬送台車部材に戴置されるエアシリンダとすることができる。ただし、エアシリンダが搬送台車部材に戴置する分、治具パレットが重たくなる。
【0029】
また、本実施の形態においては、前記搬送台車部材Aおよび半製品押さえ部材Dは、フレーム構造体とされて軽量化が図られているが、半製品押さえ部材Dに押さえ手段を取り付けるため、少なくとも半製品押さえ部材Dがフレーム構造体であるのが好ましい。
【0030】
これまで、製造ラインの加工装置間に搬送される治具パレットについて説明したが、本発明においては、これに限定されるものではなく、製造ラインにおいて加工装置がロボットなどの自動機ばかりではなく、手作業による工程を含む製造ラインに搬送される治具パレットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態にかかわる治具パレットの斜視図である。
【図2】図1の治具パレットの一部省略したI―I側断面図である。
【図3】図1の治具パレットのうち、半製品受け部材の一部と半製品押さえ部材を一部切り欠いた状態の平面図である。
【図4】図1の治具パレットにおける半製品押さえ部材の平面図である。
【図5】図4の半製品押さえ部材の楕円領域Wに囲まれる押さえ手段を斜めから見た図である。
【図6】図1の治具パレットにおける半製品押さえ部材の回動を説明する図である。
【図7】図1の治具パレットの動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0032】
A 搬送台車部材
A1、A4 側部フレーム体
A2 中央部フレーム体
A3 内側フレーム
B 半製品受け部材
C 加工周辺部
D 半製品押さえ部材
D1 フレーム体
D2 支持フレーム体
E 押さえ手段
E1、E2 押さえロッド
F 調整機構
L ライン搬送方向
L1 搬送チェーン
S 半製品
1 ガイド部材
2 半製品検知手段
2a 検知部
3 パレット検知部材
3a 孔
4 位置決め部材
5a、5b、7a、7b、13、23a、23b L型プレート
6 支持部材
11 脚部
12 受け部
21a、21b 押さえ部
22a、22b 調整ねじ部
22c ナット部
24a ナット
24b ダブルナット
25 ワッシャー
26 ボルト
27 フレーム体
28 調整台座
31 軸受支持部
32 回動軸
33 開閉レバー
33a 切り欠き部
34 係合部材
35 ピロー型軸受ユニット
36 第1ストッパ部
36a、37a ストッパピン
36b、37b ストッパ板
36c プレート
37 第2ストッパ部
38a、38b 検知手段
39 台座
40 検知部材
41 屈曲プレート
42 開閉用ショックアブソーバ
51 溶着ボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種装置が並ぶ製造ラインに沿って半製品を載せて搬送される治具パレットが、
搬送台車部材と、
該搬送台車部材に配置される半製品受け部材と、
該半製品受け部材にセットされる半製品の所定の加工周辺部に対向して配置されるとともに、該加工周辺部を上方から押さえる押さえ手段を有し、前記搬送台車部材の一端部の位置で開閉可能にされる半製品押さえ部材
とを備えてなることを特徴とする治具パレット。
【請求項2】
前記搬送台車部材および半製品押さえ部材のうち、少なくとも半製品押さえ部材がフレーム構造体である請求項1記載の治具パレット。
【請求項3】
前記フレーム構造体が溝付きフレームを格子状に組み付けてなる構造体である請求項2記載の治具パレット。
【請求項4】
前記押さえ手段が高さ方向および水平方向の位置を調整できる調整機構を具備する請求項1、2または3記載の治具パレット。
【請求項5】
前記半製品押さえ部材を開閉可能にする開閉機構が、該半製品押さえ部材の対向する部材側にて回動自在に軸支される回動軸と、前記搬送台車部材に配置され、該回動軸を回動自在に軸支する軸受群と、該回動軸に固着される開閉レバーとを備えており、前記製造ライン沿いに配設される開閉駆動機構の係合部材が前記開閉レバーに係合して前記半製品押さえ部材を開閉駆動する請求項1、2、3または4記載の治具パレット。
【請求項6】
前記開閉機構が開閉用ショックアブソーバを具備する請求項5記載の治具パレット。
【請求項7】
前記半製品押さえ部材の開閉位置を感知する開閉検知手段が配設されてなる請求項1、2、3、4、5または6記載の治具パレット。
【請求項8】
前記搬送台車部材に、前記半製品受け部材にセットされた半製品を感知する半製品検知手段が配設されてなる請求項1、2、3、4、5、6または7記載の治具パレット。
【請求項9】
前記搬送台車部材に、前記製造ラインにおける所定の装置の作業位置に搬送された前記治具パレットを感知するパレット検知部材と、該治具パレットを位置決めする位置決め部材とが配設されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の治具パレット。
【請求項10】
前記パレット検知部材を感知した信号により製造管理を行う製造管理システムを備える請求項9記載の治具パレット。
【請求項11】
前記半製品受け部材が脚部と受け部とを具備し、該受け部の基材が繊維強化プラスチックの成形体であり、該繊維強化プラスチックの成形体の表層部がウレタンゴムで形成されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の治具パレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−283422(P2007−283422A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111745(P2006−111745)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【Fターム(参考)】