説明

照明装置

【課題】照明範囲を変更するとともに、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することのできる照明装置を提供する。
【解決手段】発光素子42を有する発光ユニット11、21を、一方向に延びる対向面41b、41cを対向して複数並設してなる照明装置1であって、複数の発光ユニット11、21の対向面41b、41cの相対位置を変更することで、照明範囲を変更するとともに、照明範囲内での照度の分布を可変した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光ユニットを並設した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置は特許文献1に開示されている。この照明装置は複数の光源が一方向に並設され、各光源を並設方向にスライドさせるスライド機構が設けられる。各光源が接近した状態からスライド機構によって並設方向に互いに離すと、各光源相互の間隔が一様に変化して照明範囲を所望の範囲に広げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−323809号公報(第2頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の照明装置によると、スライド機構によって各光源相互の間隔が一様に変化してそれぞれの間隔が一定になるようにしか照明範囲を可変することができない。即ち、照明範囲を可変するのみであって照明範囲内では照度の分布を変更することはできない。つまり、照明範囲を可変しながら、必要に応じて一部の領域を明るくして、他の領域を前記一部の領域よりも暗く照明することができないという問題がある。
【0005】
このため、上記従来の照明装置では、例えば、机上面等の使用者の近傍を明るく照明して周囲の明るさを下げて照明するようないわゆるタスクアンドアンビエント照明として使用することができない。
【0006】
本発明は、照明範囲を変更するとともに、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することのできる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、発光素子を有する発光ユニットを、一方向に延びる対向面を対向して複数並設してなる照明装置であって、前記複数の発光ユニットの前記対向面の相対位置を変更することで、照明範囲を変更するとともに、照明範囲内での照度の分布を可変することを特徴としている。
【0008】
この構成によると、発光ユニットは一または複数の発光素子を有し、複数の発光ユニットが対向面を対向して並設される。隣接する発光ユニットは相対移動可能に形成され、発光ユニットのスライドや回動等によって対向面の少なくとも一部が相対的に互いに離れる。これにより、照明装置の照明範囲及び照明範囲内での照明の分布が変更される。
【0009】
また本発明は、上記構成の照明装置において、発光素子を有する発光ユニットを一方向に延びる対向面を対向して他方向に複数並設し、前記他方向に並ぶ各出射面から面発光して照明光を出射する照明装置において、隣接する前記発光ユニットが互いに対峙する対峙状態から前記他方向の距離を維持して少なくとも一部の前記対向面が互いに離れる方向に相対移動できることを特徴としている。
【0010】
この構成によると、発光ユニットは一または複数の発光素子を有し、出射面から面発光する。複数の発光ユニットは一方向に延びる対向面を対向して他方向に並設され、出射面が一面に並べられる。隣接する発光ユニットは相対移動可能に形成され、互いに対峙した対峙状態から移動する。この時、隣接する発光ユニットの他方向の距離が一定に維持され、一方向のスライドや一端を軸とした回動等によって対向面の少なくとも一部が互いに離れる。
【0011】
また本発明は、上記構成の照明装置において、隣接する前記発光ユニットが相対的に前記一方向にスライドして離れることを特徴としている。この構成によると、発光ユニットの一方向のスライドにより照明範囲が可変される。
【0012】
また本発明は、上記構成の照明装置において、隣々接の前記発光ユニットを連結した第1発光ユニット群と、第1発光ユニット群に隣接する前記発光ユニットを連結した第2発光ユニット群とを備え、第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群を前記一方向にスライド可能にしたことを特徴としている。この構成によると、第1発光ユニット群の発光ユニット間に第2発光ユニット群の発光ユニットが配される。第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群が一体的に一方向に相対移動する。
【0013】
また本発明は、上記構成の照明装置において、第1発光ユニット群に隣接するとともに第2発光ユニット群の前記発光ユニットに対して前記一方向に並設される前記発光ユニットを連結した第3発光ユニット群を備え、第2発光ユニット群及び第3発光ユニット群の前記発光ユニットが第1発光ユニット群の前記発光ユニットに対して前記一方向に短く、前記一方向に互いに離れる方向にスライド可能にしたことを特徴としている。この構成によると、第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群の発光ユニットが一方向にスライド移動し、第3発光ユニット群の発光ユニットが該一方向と反対方向にスライド移動する。
【0014】
また本発明は、上記構成の照明装置において、隣接する前記発光ユニットの前記対向面に互いに係合して摺動する係合部を設け、前記係合部に前記一方向に延びる電力供給用の電極を設けたことを特徴としている。この構成によると、隣接する発光ユニットが係合部の係合によって他方向の距離を維持して一方向にスライドする。この時、発光ユニットのスライド時に係合部に設けた電極が互いに摺動して電力供給される。
【0015】
また本発明は、上記構成の照明装置において、隣接する前記発光ユニットが互いに対峙する対峙状態から前記発光ユニットが前記一方向の一端部を支点に互いに回動して隣接する前記発光ユニットから離れることを特徴としている。この構成によると、隣接する発光ユニットが相対的に回動して照明範囲が可変される。
【0016】
また本発明は、上記構成の照明装置において、隣々接の前記発光ユニットを連結した第1発光ユニット群と、第1発光ユニット群に隣接する前記発光ユニットを連結した第2発光ユニット群とを備え、第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群が回動し、前記対峙状態で第1、第2発光ユニット群が反対方向に照明光を出射するとともに、回動により第1、第2発光ユニット群が離れて一面上に開かれた状態で第1、第2発光ユニット群が同じ方向に照明光を出射することを特徴としている。
【0017】
この構成によると、第1発光ユニット群の発光ユニット間に第2発光ユニット群の発光ユニットが配される。第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群が一端を回動軸として回動して開閉される。第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群を同一面上に開いた状態では一方向の照明範囲が広く確保され、第1、第2発光ユニット群が同じ方向に照明光を出射する。第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群を閉じた対峙状態では第1発光ユニット群の出射面と第2発光ユニット群の出射面が反対側に配置され、反対方向に照明光が出射される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、照明範囲を変更するとともに、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該一部の領域よりも他の領域を暗く照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態の照明装置を示す斜視図
【図2】本発明の第1実施形態の照明装置を示す平面図
【図3】本発明の第1実施形態の照明装置の発光ユニットの内部を示す正面図
【図4】本発明の第1実施形態の照明装置の発光ユニットを示す側面断面図
【図5】本発明の第1実施形態の照明装置の対峙状態を示す正面図
【図6】本発明の第1実施形態の照明装置の対峙状態から離れた状態示す平面図
【図7】本発明の第1実施形態の照明装置の対峙状態から離れた状態を示す正面図
【図8】本発明の第1実施形態の照明装置の対峙状態から更に離れた状態示す平面図
【図9】本発明の第1実施形態の照明装置の対峙状態から更に離れた状態を示す正面図
【図10】本発明の第2実施形態の照明装置の対峙状態を示す平面図
【図11】本発明の第2実施形態の照明装置の対峙状態から離れた状態を示す平面図
【図12】本発明の第2実施形態の照明装置の対峙状態から更に離れた状態を示す平面図
【図13】本発明の第3実施形態の照明装置の対峙状態を示す平面図
【図14】本発明の第3実施形態の照明装置の対峙状態を示す正面図
【図15】本発明の第3実施形態の照明装置の対峙状態から離れた状態を示す正面図
【図16】本発明の第3実施形態の照明装置の対峙状態から更に離れた状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2は第1実施形態の照明装置を示す斜視図及び平面図である。照明装置1は断面矩形の長尺の発光ユニット11、21、31をそれぞれ複数有している。発光ユニット21、31は発光ユニット11の約1/2の長さに形成され、長手方向に並設される。
【0021】
発光ユニット11及び発光ユニット21は短手方向に並設され、発光ユニット11間に発光ユニット21が配される。これにより、発光ユニット11、21が互いに隣接して配される。同様に、発光ユニット11及び発光ユニット31は短手方向に並設され、発光ユニット11間に発光ユニット31が配される。これにより、発光ユニット11、31が互いに隣接して配される。
【0022】
発光ユニット21、31を挟んで隣々接の発光ユニット11は両端部に配される連結板12、13により連結して一体となる発光ユニット群10を形成する。発光ユニット11を挟んで隣々接の発光ユニット21は一方の端部に配される連結板22により連結して一体となる発光ユニット群20を形成する。発光ユニット11を挟んで隣々接の発光ユニット31は一方の端部に配される連結板32により連結して一体となる発光ユニット群30を形成する。
【0023】
短手方向の中央部に配される発光ユニット11にはローゼット3に接続された配線2が上方に導出される。連結板22、32には配線2が挿通される切欠き部22a、32aが形成される。ローゼット3を屋内の天井面の端子に接続し、配線2を介して照明装置1に電力が供給される。
【0024】
詳細を後述するように、発光ユニット群20の発光ユニット21は発光ユニット群10の発光ユニット11に対して短手方向の距離を維持して長手方向にスライド移動する。同様に、発光ユニット群30の発光ユニット31は発光ユニット群10の発光ユニット11に対して短手方向の距離を維持して発光ユニット群20と逆方向の長手方向にスライド移動する。一部の発光ユニット11、21、31の下面端部にはスライド移動された位置を保持する係止機構部50が設けられる。
【0025】
図3は発光ユニット11の内部を示す正面図である。発光ユニット21、31も同様に構成される。発光ユニット11は長尺の筐体41により覆われ、筐体41の一面に形成される出射面41aに沿って拡散板43が配される。拡散板43に対して出射面41aと反対側には一または複数のLEDから成る発光素子42が配される。
【0026】
発光素子42の出射光は拡散板43で拡散され、出射面41aが面発光して均一な照明光が出射される。尚、出射面41aを除く筐体41の内面には反射シート(不図示)が設けられる。これにより、発光素子42の出射光の利用効率を高くすることができる。発光素子42を蛍光管や有機EL素子等により形成してもよい。
【0027】
図4は隣接する発光ユニット11、21の側面断面図を示している。発光ユニット31も同様に構成される。発光ユニット11、21の筐体41は出射面41aに直交して互いに対向する対向面41b、41cが設けられる。
【0028】
一方の対向面41bには長手方向に延びる断面T字状の係合突起44が突設される。他方の対向面41cには長手方向に延びて係合突起44に係合する係合溝45が設けられる。係合突起44及び係合溝45は互いに摺動して係合する係合部を構成する。係合部によって隣接する発光ユニット11、21は短手方向の距離を一定に維持して長手方向にスライド自在に保持される。尚、複数の係合突起44を長手方向に分割して設けてもよい。
【0029】
係合突起44の端面及び係合溝45の底面にはそれぞれ導体から成る電極46が設けられる。係合突起44及び係合溝45の電極46は発光ユニット11、21のスライド時に互いに摺動する。これにより、配線2(図1参照)から供給される電力を各発光ユニット11、21に供給することができる。
【0030】
係止機構部50はストッパ51及びゴムシート53を有している。隣接する発光ユニット11、21の筐体41の下面にはそれぞれ案内部41d及び溝部41eが凹設される。断面C字状に形成されたストッパ51は案内部41dに係合し、ゴムシート53は溝部41eのストッパ51に対向する面に配される。
【0031】
案内部41dの案内によってストッパ51は発光ユニット11、21の短手方向にスライド自在に保持される。また、ストッパ51は圧縮バネにより形成される付勢部52によって隣接する発光ユニット21の溝部41eの方向に付勢される。
【0032】
付勢部52の付勢に抗してストッパ51をゴムシート53から退避させると、発光ユニット群10に対して発光ユニット群20、30をスライド移動することができる。ストッパ51が付勢部52の付勢によってゴムシート53に当接すると、両者の摩擦により発光ユニット群20、30が係止される。これにより、発光ユニット群20、30を所望の位置に配置することができる。
【0033】
上記構成の照明装置1において、図1、図2に示すように発光ユニット11と発光ユニット21、31とが対峙した対峙状態で照明装置1は発光ユニット11の長さL1(図5参照)になる。この時、長さの短い発光ユニット21及び発光ユニット31の対向面41b、41c(図4参照)全体が発光ユニット11の対向面41b、41cに対向する。
【0034】
図5の正面図に示すように、対峙状態の照明装置1による床面F上の照明範囲は発光ユニット11、21、31の長手方向に長さL1に略一致する。各発光ユニット11、21、31は出射面41aから均一に面発光するので、照明範囲全体が均一に照明される。
【0035】
図6、図7は発光ユニット群10に対して発光ユニット群20、30を対峙状態からそれぞれスライド移動させた状態の平面図及び正面図を示している。尚、連結板12と連結板22とが離れ、連結板13と連結板32とが離れた状態を示している。発光ユニット群20、30のスライドにより発光ユニット11と発光ユニット21、31の対向面41b、41cの一部が互いに離れる方向に相対移動する。これにより、照明装置1の長さL2は対峙状態の長さL1(図5参照)よりも長くなり、照明範囲が広がる。
【0036】
この時、発光ユニット群10の発光ユニット11と発光ユニット群20、30の発光ユニット21、31とが短手方向に重なる部分の照明範囲Cは明るく照明される。また、発光ユニット11、21、31が短手方向に重ならない部分の照明範囲Dは照明範囲Cよりも明るさを低くして照明される。これにより、不要な領域の照明の明るさを下げることができる。
【0037】
図8、図9は発光ユニット群10に対して発光ユニット群20、30を図6、図7の状態から更にスライド移動させた状態の平面図及び正面図を示している。尚、連結板12と連結板22とが当接し、連結板13と連結板32とが当接した状態を示している。発光ユニット群20、30のスライドにより照明装置1の長さL3は対峙状態の長さL1(図5参照)の約2倍になり、照明範囲が更に広がる。
【0038】
この時、発光ユニット群10、20、30の発光ユニット11、21、31は短手方向に殆ど重ならずに照明範囲Dの明るさで略全体が均一に照明される。尚、発光ユニット11、21、31が短手方向に一部重なる照明範囲Cを有するが、狭い範囲であるので照明範囲全体に対して均一に照明することができる。
【0039】
本実施形態によると、隣接する発光ユニット11、21及び発光ユニット11、31の対向面41b、41cの相対位置を変更することで、照明範囲を変更するとともに照明範囲内での照度の分布が可変される。従って、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することができる。
【0040】
また、隣接する発光ユニット11、21及び発光ユニット11、31が互いに対峙する対峙状態から短手方向(他方向)の距離を維持して少なくとも一部の対向面41b、41cが互いに離れる方向に相対移動できる。これにより、照明範囲を変更するとともに照明範囲内での照度の分布が可変される。従って、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することができる。また、明るさを下げてもよい領域まで明るく照明することを防止し、照明装置1の省電力化を図ることができる。
【0041】
また、対峙状態から隣接する発光ユニット11、21及び発光ユニット11、31が相対的に長手方向(一方向)にスライドして離れるので、発光ユニット11、21、31の短手方向(他方向)の距離を維持して照明範囲を可変する照明装置1を容易に実現することができる。
【0042】
また、隣々接の発光ユニット11を連結した発光ユニット群10(第1発光ユニット群)に対して、発光ユニット群10に隣接する発光ユニット21、31を連結した発光ユニット群20、30(第2発光ユニット群)を長手方向にスライド可能にしたので、複数の発光ユニット11、21、31をそれぞれ一体に移動して容易に照明範囲を可変することができる。
【0043】
また、発光ユニット群20、30(第2、第3発光ユニット群)の発光ユニット21、31が発光ユニット11に対して長手方向に短く、長手方向に互いに離れる方向にスライド可能にしたので、発光ユニット11の両側方に発光ユニット21、31がスライドして容易に照明範囲を可変することができる。また、照明装置1を室内の天井等の壁面に接続する際に、発光ユニット群20、30の長手方向の間に配される発光ユニット群10を壁面に取り付けて照明装置1を安定して保持することができる。
【0044】
また、隣接する発光ユニット11、21及び発光ユニット11、31の対向面41b、41cに互いに係合して摺動する係合突起44及び係合溝45(係合部)を設け、係合突起44及び係合溝45に長手方向に延びる電力供給用の電極46を設けたので、スライド移動する発光ユニット11、21、31に容易に電力を供給することができる。
【0045】
本実施形態において、複数の発光ユニット11を一体化した発光ユニット群10と複数の発光ユニット21を一体化した発光ユニット群20とが相対的にスライド移動するが、各発光ユニット11、21を個別に相対的にスライド移動させてもよい。また、複数の発光ユニット11を一体化した発光ユニット群10と複数の発光ユニット31を一体化した発光ユニット群30とが相対的にスライド移動するが、各発光ユニット11、31を個別に相対的にスライド移動させてもよい。これにより、照明範囲や照度の分布状態を可変した更に多くの照明状態のバリエーションを得ることができる。
【0046】
また、発光ユニット11、21、31が長尺に形成されるが、スライド方向(一方向)と並設方向(他方向)とを略同じ長さに形成してもよい。
【0047】
次に、図10は第2実施形態の照明装置を示す平面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図9に示す第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。照明装置1は第1実施形態と同様の同じ長さの発光ユニット11、21を有している。発光ユニット11及び発光ユニット21は短手方向に並設され、発光ユニット11間に発光ユニット21が配される。これにより、発光ユニット11、21が互いに隣接して配される。
【0048】
発光ユニット21を挟んで隣々接となる発光ユニット11は両端部に配される連結板12、13により連結して一体となる発光ユニット群10を形成する。発光ユニット11を挟んで隣々接の発光ユニット21は両端部に配される連結板22、23により連結して一体となる発光ユニット群20を形成する。
【0049】
同図に示すように発光ユニット11と発光ユニット21とが対峙した対峙状態で発光ユニット11、21の対向面41b、41c(図4参照)全体が互いに対向する。これにより、発光ユニット11、21全体が短手方向に重なり、照明範囲全体が均一に照明される。
【0050】
図11は発光ユニット群10に対して発光ユニット群20を対峙状態からスライド移動させた状態の平面図を示している。尚、連結板12と連結板22とが離れ、連結板13と連結板23とが離れた状態を示している。発光ユニット群20のスライドにより発光ユニット11と発光ユニット21の対向面41b、41cの一部が互いに離れる方向に相対移動する。これにより、照明装置1の長さは対峙状態の長さよりも長くなり、照明範囲が広がる。
【0051】
この時、発光ユニット群10の発光ユニット11と発光ユニット群20の発光ユニット21とが短手方向に重なる部分の照明範囲は明るく照明される。また、発光ユニット11、21が短手方向に重ならない部分の照明範囲は上記よりも明るさを低くして照明される。これにより、不要な領域の照明の明るさを下げることができる。
【0052】
図12は発光ユニット群10に対して発光ユニット群20を図11の状態から更にスライド移動させた状態の平面図を示している。尚、連結板12と連結板22とが当接し、連結板13と連結板23とが当接した状態を示している。発光ユニット群20のスライドにより照明装置1の長さは対峙状態の長さの約2倍になり、照明範囲が更に広がる。
【0053】
この時、発光ユニット群10、20の発光ユニット11、21は短手方向に殆ど重ならずに所定の明るさで略全体が均一に照明される。尚、発光ユニット11、21が短手方向に一部重なる照明範囲を有するが、狭い範囲であるので照明範囲全体に対して均一に照明することができる。
【0054】
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、隣接する発光ユニット11、21の対向面41b、41cの相対位置を変更することで、照明範囲を変更するとともに照明範囲内での照度の分布が可変される。従って、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することができる。
【0055】
また、隣接する発光ユニット11、21が互いに対峙する対峙状態から短手方向の距離を維持して少なくとも一部の対向面41b、41cが互いに離れる方向に相対移動できる。。これにより、照明範囲を変更するとともに照明範囲内での照度の分布が可変される。従って、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することができる。また、明るさを下げてもよい領域まで明るく照明することを防止し、照明装置1の省電力化を図ることができる。
【0056】
本実施形態において、複数の発光ユニット11を一体化した発光ユニット群10と複数の発光ユニット21を一体化した発光ユニット群20とが相対的にスライド移動するが、各発光ユニット11、21を個別に相対的にスライド移動させてもよい。これにより、更に多くの照明状態のバリエーションを得ることができる。
【0057】
また、発光ユニット11、21が長尺に形成されるが、スライド方向(一方向)と並設方向(他方向)とを略同じ長さに形成してもよい。
【0058】
次に、図13、図14は第3実施形態の照明装置を示す平面図及び正面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図9に示す第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。照明装置1は第1実施形態と同様の同じ長さの発光ユニット11、21を有している。発光ユニット11及び発光ユニット21は短手方向に並設され、発光ユニット11間に発光ユニット21が配される。これにより、発光ユニット11、21が互いに隣接して配される。
【0059】
発光ユニット21を挟んで隣々接となる発光ユニット11は一端部に配されるヒンジ部55により連結して一体となる発光ユニット群10を形成する。発光ユニット11を挟んで隣々接の発光ユニット21はヒンジ部55により連結して一体となる発光ユニット群20を形成する。ヒンジ部55によって発光ユニット群10、20は発光ユニット11、21の長手方向の外側に配された回動軸55aで回動自在に連結される。
【0060】
図13、図14に示すように発光ユニット群10、20を閉じて発光ユニット11と発光ユニット21とが対峙した対峙状態で発光ユニット11、21の対向面41b、41c(図4参照)全体が互いに対向する。この時、発光ユニット11の出射面41aと発光ユニット21の出射面41aとは反対側に配置される。
【0061】
このため、例えば、対峙状態で出射面41aを床面Fに垂直に配置すると、発光ユニット群10の発光ユニット11から矢印A1に示すように床面Fに対して平行に照明光が出射される。また、発光ユニット群20の発光ユニット21から矢印A2に示すように発光ユニット11と反対側に照明光が出射される。これにより、発光ユニット11と発光ユニット21の一方からの照明光により側壁や天井面等を照明して間接照明として利用し、他方からの照明光により直接照明領域を照明して利用することができる。
【0062】
図15は発光ユニット群10、20を対峙状態から回動して開いた状態の正面図を示している。発光ユニット群10、20の回動により発光ユニット11と発光ユニット21の対向面41b、41cの全体が互いに離れる方向に相対移動する。
【0063】
この時、発光ユニット群10の発光ユニット11の出射面41aに対向するとともに発光ユニット群20の発光ユニット21の出射面41aに対向した領域の照明範囲Cは明るく照明される。また、発光ユニット11、21の一方のみの出射面41aに対向した領域の照明範囲Dは照明範囲Cよりも明るさを低くして照明される。これにより、不要な領域の照明の明るさを下げることができる。
【0064】
図16は発光ユニット群10、20を図14の状態から更に回動し、発光ユニット11、21が略一平面上に開かれた状態の正面図を示している。この時、照明装置1の長さは対峙状態の長さの約2倍になり、照明範囲を広くすることができる。また、発光ユニット群10、20の発光ユニット11、21は略一平面上に配されるため出射面41aから同じ方向に照明光が出射され、照明範囲の略全体が均一に照明される。
【0065】
本実施形態によると、隣接する発光ユニット11、21の相対的な回動により対向面41b、41cの相対位置を変更することで、照明範囲を変更するとともに照明範囲内での照度の分布が可変される。従って、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することができる。
【0066】
また、隣接する発光ユニット11、21が互いに対峙する対峙状態から回動により短手方向の距離を維持して対向面41b、41cが互いに離れる方向に相対移動できる。これにより、照明範囲を変更するとともに照明範囲内での照度の分布が可変される。従って、照明範囲の一部の領域を明るく照明すると同時に該領域よりも他の領域を暗く照明することができる。また、明るさを下げてもよい領域まで明るく照明することを防止し、照明装置1の省電力化を図ることができる。
【0067】
また、対峙状態から発光ユニット11、21が長手方向の一端部を支点に互いに回動して隣接する発光ユニット11、21から離れるので、発光ユニット11、21の短手方向の距離を維持して照明範囲を可変する照明装置1を容易に実現することができる。
【0068】
また、発光ユニット群10(第1発光ユニット群)対して発光ユニット群20(第2発光ユニット群)が回動する。そして、対峙状態で発光ユニット群10、20が反対方向に照明光を出射し、回動により発光ユニット群10、20が離れて一面上に開かれた状態で発光ユニット群10、20が同じ方向に照明光を出射する。これにより、間接照明と直接照明等の照明状態のバリエーションをより多くすることができる。
【0069】
本実施形態において、回動軸55aを発光ユニット11、21の外側に形成しているが、発光ユニット11、21を貫通して形成してもよい。この時、発光ユニット11、21の回動により、回動軸55a近傍の一部の対向面41b、41cが離れず、回動軸55aから離れた対向面41b、41cが互いに離れる方向に相対移動する。
【0070】
また、複数の発光ユニット11を一体化した発光ユニット群10と複数の発光ユニット21を一体化した発光ユニット群20とが相対的に回動するが、各発光ユニット11、21を個別に相対的に回動させてもよい。これにより、更に多くの照明状態のバリエーションを得ることができる。
【0071】
また、発光ユニット11、21が長尺に形成されるが、回動軸55aを中心とした径方向(一方向)と並設方向(他方向)とを略同じ長さに形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によると、複数の発光ユニットを並設した照明装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 照明装置
2 配線
3 ローゼット
10、20、30 発光ユニット群
11、21、31 発光ユニット
12、13、22、23、32 連結板
41 筐体
42 発光素子
43 拡散板
44 係合突起
45 係合溝
46 電極
50 係止機構部
51 ストッパ
52 付勢部
53 ゴムシート
55 ヒンジ部
55a 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する発光ユニットを、一方向に延びる対向面を対向して複数並設してなる照明装置であって、
前記複数の発光ユニットの前記対向面の相対位置を変更することで、照明範囲を変更するとともに、照明範囲内での照度の分布を可変することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
発光素子を有する発光ユニットを一方向に延びる対向面を対向して他方向に複数並設し、前記他方向に並ぶ各出射面から面発光して照明光を出射する照明装置において、隣接する前記発光ユニットが互いに対峙する対峙状態から前記他方向の距離を維持して少なくとも一部の前記対向面が互いに離れる方向に相対移動できることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
隣接する前記発光ユニットが相対的に前記一方向にスライドして離れることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
隣々接の前記発光ユニットを連結した第1発光ユニット群と、第1発光ユニット群に隣接する前記発光ユニットを連結した第2発光ユニット群とを備え、第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群を前記一方向にスライド可能にしたことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
第1発光ユニット群に隣接するとともに第2発光ユニット群の前記発光ユニットに対して前記一方向に並設される前記発光ユニットを連結した第3発光ユニット群を備え、第2発光ユニット群及び第3発光ユニット群の前記発光ユニットが第1発光ユニット群の前記発光ユニットに対して前記一方向に短く、前記一方向に互いに離れる方向にスライド可能にしたことを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
隣接する前記発光ユニットの前記対向面に互いに係合して摺動する係合部を設け、前記係合部に前記一方向に延びる電力供給用の電極を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
隣接する前記発光ユニットが互いに対峙する対峙状態から前記発光ユニットが前記一方向の一端部を支点に互いに回動して隣接する前記発光ユニットから離れることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項8】
隣々接の前記発光ユニットを連結した第1発光ユニット群と、第1発光ユニット群に隣接する前記発光ユニットを連結した第2発光ユニット群とを備え、第1発光ユニット群に対して第2発光ユニット群が回動し、前記対峙状態で第1、第2発光ユニット群が反対方向に照明光を出射するとともに、回動により第1、第2発光ユニット群が離れて一面上に開かれた状態で第1、第2発光ユニット群が同じ方向に照明光を出射することを特徴とする請求項7に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−156015(P2012−156015A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14469(P2011−14469)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】