説明

燃料クーラーのプロテクタ構造

【課題】冷却効率と燃料クーラーの保護を両立した燃料クーラーのプロテクタ構造を提供すること。
【解決手段】車体の下面9に配置される燃料クーラー10のプロテクタ構造1において、戻り燃料のリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16の底面側を路面から遮蔽する板状プロテクタ22と、燃料クーラー10の前方端面の前方に配置された棒状プロテクタ21と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を冷却する燃料クーラーのプロテクタ構造に関し、特に、車体下面に配置される燃料クーラーのプロテクタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼室での良好な燃焼を図るため予め燃料を高圧に蓄圧しておき、インジェクタから燃焼室に噴射するコモンレールシステムが知られている。コモンレールシステムでは燃焼されなかった燃料がリターンパイプを通じて燃料タンクに還送されるが、この戻り燃料は高温になっているためそのまま燃料タンクに還送すると燃料タンクの圧力が増大するなど不都合が多い。そこで、コモンレールシステムを採用した車両ではリターンパイプの一部に空冷式の燃料クーラーを取り付け、還送される燃料を冷却するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。燃料クーラーは風通しがよく高熱源が近くにない場所に配置することが好ましいため車体下面(床下)に配置されることが多いが、車体下面には路面から小石などが跳ね返るため燃料クーラーを保護する必要がある。
【0003】
特許文献1の燃料クーラー取り付け構造では車体下面に配置された燃料クーラーを、前面から下面にかけて通気孔を有する板状のブラケットにより覆うことで、路面などから飛び散る飛び石から燃料クーラーを保護すると共に、燃料クーラーの熱気を速やかに大気に放出するとしている。
【特許文献1】特開2006−250035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の燃料クーラー取り付け構造は燃料クーラーの前方をブラケットで覆っているため、走行風が燃料クーラーに直接当たらず冷却効率が低いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、冷却効率と燃料クーラーの保護を両立した燃料クーラーのプロテクタ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、車体の下面に配置される燃料クーラーのプロテクタ構造において、戻り燃料のリターンパイプが連結される取り付け口の底面側を路面から遮蔽する板状プロテクタと、燃料クーラーの前方端面の前方に配置された棒状プロテクタと、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、燃料クーラーの前方は棒状プロテクタにより保護されるので大きな石などから燃料クーラーを保護すると共に、十分な走行風で燃料クーラーを冷却可能となり、燃料クーラーの取り付け口の底面側は板状プロテクタにより保護されるのでリターンパイプに引っかかりやすい木の枝等から保護することができる。
【0008】
また、本発明の一形態において、板状プロテクタは、燃料クーラー及び取り付け口の一方の側面から底面を介し他方の側面まで囲繞する囲み面を有し、囲み面は、燃料クーラーの全長のうち一部のみを囲繞する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、燃料クーラーを囲み面でガードするため、小石等から確実に燃料クーラーを保護すると共に、囲み面は燃料クーラーの一部しか囲繞しないため冷却効率を低下競ることがない。
【0010】
また、本発明は、車体の下面に配置される燃料クーラーのプロテクタ構造において、燃料クーラーの略前後長にわたり路面側及び両側面を囲み、路面側又はいずれかの側面の少なくとも一面が前記燃料クーラー側に凹んだ湾曲面を形成している板状プロテクタ、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、湾曲面により走行風の速度が上昇するため、燃料クーラーの冷却効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
冷却効率と燃料クーラーの保護を両立した燃料クーラーのプロテクタ構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は燃料が送油される燃料経路の全体構成図を示す。車両の車体下面9に燃料クーラー10を保護するプロテクタ構造1が配置されている。燃料経路は、燃料タンク3からデリバリパイプ4を介してコモンレール(燃料分配器)5に至る燃料供給系と、コモンレール5からリターンパイプ8、燃料クーラー10及びリターンパイプ2を介して燃料タンク3に至る燃料戻り系とからなる。
【0014】
コモンレール5手前の高圧ポンプは要求される圧力まで燃料を増圧しコモンレール5に蓄圧し、高圧の燃料はエンジン7の気筒毎に装備された電子制御式のインジェクタ6から燃焼室に噴射される。また、燃焼に供されなかった余りの燃料は、リターンパイプ8を通じて燃料クーラー10にて冷却された後、リターンパイプ2を通じて燃料タンク3に還送される。
【0015】
図2は燃料クーラー10の斜視図の一例を示す。なお、図2ではプロテクタ構造1を省略した。燃料クーラー10は、帯板状の本体部13と本体部13の後端面にリターンパイプ8とリターンパイプ2の取り付け口15、16をそれぞれ有する。本体部13の帯板状の内部は中空になっていて、中空部にはリターンパイプ8の取り付け口15とリターンパイプ2の取り付け口16を連結する流路が形成されている。また、本体部13の底面には、前後方向に並行に複数の放熱フィン12が本体部13に一体に並設されている。燃料クーラー10は、1対の取り付け部材14の一端を車体下面9に貫通させその突出部をねじ止めするなどの方法で、放熱フィン12が形成された底面を路面に向け、取り付け口15、16のある後端面が車両後方を向くようにして配置されている。以下、燃料クーラー10のプロテクタ構造1について例を挙げて説明する。
【0016】
〔棒状プロテクタ21と板状プロテクタ22を有するプロテクタ構造1〕
図3(a)は棒状プロテクタ21と板状プロテクタ22を有するプロテクタ構造1の側面図を、図3(b)は正面図をそれぞれ示す。棒状プロテクタ21は、軸を車両の前後方向に向けて、正面視、軸の中心が燃料クーラー10の略中央に来るように配置される。棒状プロテクタ21の先端側は車体下面9に向けて屈曲されていて、先端に車体下面9に固定するための固定座21aを有する。
【0017】
板状プロテクタ22は、取り付け口15,16とリターンパイプ2,8の連結部、すなわち、少なくとも取り付け口15、16の底面を、より好ましくはさらに両側面を覆うように、取り付け口15,16の一方の側面から底面を介し他方の側面まで囲繞する囲み面を形成する。また、板状プロテクタ22は、前側は燃料クーラー10の取り付け口15、16から燃料クーラー10の1/4から1/2長程度(全長程度まであってもよい)まで、後ろ側は燃料クーラー10の取り付け口15、16からリターンパイプ2,8の所定長を含む位置まで、の両側面及び底面を覆うように配置される。
【0018】
なお、図3(a)の板状プロテクタ22の配置は一例に過ぎず、取り付け口15、16から燃料クーラー10の1/4から1/2長程度のみ、又は、取り付け口15、16から所定長のリターンパイプ2,8のみを覆うように配置されてもよい。
【0019】
図3(b)に示すように正面視では板状プロテクタ22が燃料クーラー10を覆う、略コの字状に形成されるが、これは半円状や楕円状であってもよい。板状プロテクタ22の側面側の端部には固定座22aが形成されていて、ねじ止めなどにより車体下面9に固定される。
【0020】
棒状プロテクタ21の後端側は、板状プロテクタ22の前後長の全て又は一部において重畳しており、両者は重畳部分のねじ止めや溶接等で接続されている。
【0021】
以上のような構成のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方は棒状プロテクタ21が比較的大きな石や岩から保護し、後方、特に、リターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16は板状プロテクタ22が、木の枝等がリターンパイプ2,8に引っかかることを防止する。また、燃料クーラー10の前方の端面は、棒状プロテクタ21しか走行風を遮るものがなく走行風が燃料クーラー10に十分に当たるため、冷却効率もほとんど低下しない。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0022】
なお、図3(c)に示すように、棒状プロテクタ21は1本でなく2本以上であってもよく、軸を水平方向にした棒状プロテクタ21であってもよい。また、板状プロテクタ22に放熱性を増すためのパンチ穴を設けてもよい。棒状プロテクタ21及び板状プロテクタ22は周知の材料、金属(アルミ、ステンレス、鋼)、樹脂、ゴム、繊維強化樹脂などで形成される。
【0023】
〔ベンチュリー構造を有する板状プロテクタ23のプロテクタ構造1〕
図4(a)はベンチュリー構造を有する板状プロテクタ23によるプロテクタ構造1の側面図を、図4(b)は正面図をそれぞれ示す。なお、以下では図3と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図4(a)、(b)の板状プロテクタ23の前方端部は、燃料クーラー10の先端位置と同程度かそれよりも前方に位置し、板状プロテクタ23の後方端部は取り付け口15、16及び取り付け口15、16に連結されたリターンパイプ2,8を所定長含むように位置する。したがって、図4(b)に示すように板状プロテクタ23は、燃料クーラー10の全長及び取り付け口15、16の両側面及び底面側を覆うように配置される。板状プロテクタ23の側面側の端部には固定座23bが形成されていて、板状プロテクタ23はねじ止めなどにより車体下面9に固定される。
【0024】
また、図4(a)、(b)のプロテクタ構造1は、底面の前後方向及び車幅方向に、液体燃料10側に凹んだアーチ形状23aを有するため湾曲面を形成しており、そのためアーチ形状23aの凹部において走行風の通路が狭くなるベンチュリー構造を有する。なお、図4(b)に点線で図示したように底面だけでなく側面にアーチ形状23aを設けてもよい。
【0025】
このような構成のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方からリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16に至るまで、板状プロテクタ23により小石、比較的大きな石や岩及び木の枝等から保護することができる。また、ベンチュリー構造により、走行風の流れを絞ることによって走行風の速度が上昇するので、冷却効率を向上させることができる。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0026】
〔外気導入ダクト31を有するプロテクタ構造1〕
図5(a)は外気導入ダクト31が板状プロテクタ32の前方側に接続されたプロテクタ構造1の斜視図を示す。なお、燃料クーラー10は省略した。図5(a)の板状プロテクタ32の形状はベンチュリー構造でない以外は図4(a)、(b)と同様である。すなわち、板状プロテクタ32の前方端部は燃料クーラー10の先端位置と同程度かそれよりも前方に位置し、板状プロテクタ32の後方端部は取り付け口15、16及び取り付け口15、16に連結されたリターンパイプ2,8を所定長含むように位置する。したがって、板状プロテクタ32は燃料クーラー10の全長及び取り付け口15、16に渡って両側面及び底面側を覆うように配置される。板状プロテクタ32の側面側の端部には固定座32aが形成されていて、板状プロテクタ32はねじ止めなどにより車体下面9に固定される。
【0027】
外気導入ダクト31の吸気口は、その面積が板状プロテクタ32の断面よりも大きくなるように車両前方に向かって開拡した形状を有し、板状プロテクタ32と略同一の断面積となる排気口は嵌合や圧入等により板状プロテクタ32に接続されている。したがって、外気導入ダクト31の吸気口から吸気された走行風は外気導入ダクト31及び板状プロテクタ32を通路にして車両後方側へ通過する。
【0028】
このような構成のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方からリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16に至るまで、板状プロテクタ32により小石、比較的大きな石や岩及び木の枝等から保護することができる。また、口径の大きい外気導入ダクト31により、燃料クーラー10へ向かう走行風の流量を増やすことができると共に、板状プロテクタ32では走行風が絞られるので走行風の速度を上昇させることでき、冷却効率を向上させることができる。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0029】
なお、外気導入ダクト31は板状プロテクタ32と一体形成されてもよい。図5(b)は板状プロテクタ33に外気導入ダクト33bが一体形成されたプロテクタ構造1の斜視図を示す。図5(b)のプロテクタ構造1によれば、図5(a)のプロテクタ構造1の効果に加え、外気導入ダクト33bを含んだ全長で燃料クーラー10を覆えばよいので、重量の増大を抑制することができる。
【0030】
〔板状プロテクタ34にルーバー形状34aを設けたプロテクタ構造1〕
図6(a)は板状プロテクタ34にルーバー形状34aを設けたプロテクタ構造1の側面図を示す。図6(a)の板状プロテクタ34の前方端部は、燃料クーラー10の先端位置と同程度かそれよりも前方に位置し、板状プロテクタ34の後方端部は取り付け口15、16及び取り付け口15、16に連結されたリターンパイプ2,8を所定長含むように位置する。したがって、板状プロテクタ34は、燃料クーラー10の全長及び取り付け口15、16に渡って両側面及び底面側を覆うように配置される。
【0031】
板状プロテクタ34の底面側には、複数のスリット孔と燃料クーラー10に向けて内側に所定の角度で取り付けられた複数の板状の突起が一定間隔で並設されたルーバー形状34aを有する。なお、板状プロテクタ34の両側面部にもルーバー形状34aを設けてもよい。
【0032】
このような構成のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方からリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16に至るまで、板状プロテクタ34により小石、比較的大きな石や岩及び木の枝等から保護することができる。また、ルーバー形状34aにより外気を積極的に燃料クーラー10に誘導することで、冷却効率を向上させることができ、さらに、ルーバー形状34aにより誘導された走行風が放熱フィン12を清浄に保つ効果をもたらす。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0033】
〔筒状プロテクタ35の内側にらせん状リブ36を設けたプロテクタ構造1〕
図6(b)は筒状プロテクタ35の内側にらせん状リブ36を設けたプロテクタ構造1の斜視図を示す。図6(b)の筒状プロテクタ35の前方端部は、燃料クーラー10の先端位置と同程度かそれよりも前方に位置し、後方端部は取り付け口15、16及び取り付け口15、16に連結されたリターンパイプ2,8を所定長含むように位置する。したがって、筒状プロテクタ35は、燃料クーラー10の全長及び取り付け口15、16に渡って両側面及び底面側を覆うように配置される。筒状ブラケット35は、側方に延設された固定座35aをねじ止めして車体下面9に固定され、燃料クーラー10はブラケットを介して筒状プロテクタ35に固定される。
【0034】
そして、筒状プロテクタ35の内側に、筒の内面に沿って旋回するように連続した板状の突起、すなわち、らせん状リブ36が全長にわたり形成されている。
【0035】
このような構成のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方からリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16に至るまで、筒状プロテクタ35により小石、比較的大きな石や岩及び木の枝等から保護することができる。また、らせん状リブ36により走行風を渦巻き状に誘導して燃料クーラー10の周囲を通過させるので、走行風の流速が増大されると共に流路が伸長され冷却効率を向上することができる。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0036】
〔変形例〕
プロテクタ構造1の変形例について説明する。図7(a)はベンチュリー構造を有する板状プロテクタ23に外気導入ダクト31を接続したプロテクタ構造1の側面図を示す。なお、図7(a)において、図4(a)、図5(a)と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0037】
図7(b)は、前方端部に一体形成された外気導入ダクト33bを有するベンチュリー構造の板状プロテクタ37の側面図を示す。なお、図7(b)において、図4(a)、図5(b)と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0038】
図7(a)又は図7(b)のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方からリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16に至るまで、板状プロテクタ23又は37により小石、比較的大きな石や岩及び木の枝等から保護することができる。
【0039】
また、外気導入ダクト31又は33bにより、燃料クーラー10へ向かう走行風の流量を増やすことができると共に、板状プロテクタ23、37のベンチュリー構造により、走行風の流れを絞ることによって走行風の速度が上昇するので、図4(a)、図5(a)又は図5(b)いずれかのプロテクタ構造1よりもさらに冷却効率を向上させることができる。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0040】
図8(a)はルーバー形状34aを有する板状プロテクタ34に外気導入ダクト31を接続したプロテクタ構造1の側面図を示す。なお、図8(a)において、図6(a)、図5(a)と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0041】
図8(b)は、前方端部に一体形成された外気導入ダクト33bとルーバー形状34aを有する板状プロテクタ38の側面図を示す。なお、図8(b)において、図6(a)、図5(b)と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0042】
図8(a)又は図8(b)のプロテクタ構造1では、燃料クーラー10の前方からリターンパイプ2,8が連結される取り付け口15、16に至るまで、板状プロテクタ34又は38により小石、比較的大きな石や岩及び木の枝等から保護することができる。
【0043】
また、外気導入ダクト31又は33bにより、燃料クーラー10へ向かう走行風の流量を増やすことができると共に、ルーバー形状34aにより外気を積極的に燃料クーラー10に誘導するので、図6(a)、図5(a)又は図5(b)いずれかのプロテクタ構造1よりもさらに冷却効率を向上させることができる。さらに、誘導された走行風が放熱フィン12を清浄に保つ効果をもたらす。したがって、本実施形態のプロテクタ構造1は燃料クーラー10の保護と冷却効率とを両立させることができる。
【0044】
以上のように、本実施形態の燃料クーラー10のプロテクタ構造1によれば、冷却効率と燃料クーラーの保護を両立することができる。なお、本発明の好ましい実施形態について説明したが、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、プロテクタ構造1の取り付け方向は設計より変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】燃料が送油される燃料経路の全体構成図である。
【図2】燃料クーラーの斜視図の一例である。
【図3】棒状プロテクタと板状プロテクタを有するプロテクタ構造の側面図及び正面図である。
【図4】狭通路を有する板状プロテクタによるプロテクタ構造の側面図及び正面図を示す。
【図5】外気導入ダクトが板状プロテクタの前方側に接続されたプロテクタ構造の斜視図である。
【図6】板状プロテクタにルーバー形状を設けたプロテクタ構造の側面図、筒状プロテクタの内側にらせん状リブを設けたプロテクタ構造の斜視図である。
【図7】ベンチュリー構造を有する板状プロテクタに外気導入ダクトを接続したプロテクタ構造の側面図である。
【図8】ルーバー形状を有する板状プロテクタに外気導入ダクトを接続したプロテクタ構造の側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 プロテクタ構造
2,8 リターンパイプ
3 燃料タンク
4 デリバリパイプ
5 コモンレール
6 インジェクタ
7 エンジン
9 車体下面
10 燃料クーラー
12 放熱フィン
13 本体部
14 取り付け部材
15、16 取り付け口
21 棒状プロテクタ
22、23、32、33、34、37、38 板状プロテクタ
31 外気導入ダクト
35 筒状プロテクタ
36 らせん状リブ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の下面に配置される燃料クーラーのプロテクタ構造において、
戻り燃料のリターンパイプが連結される前記燃料クーラーの取り付け口の底面側を路面から遮蔽する板状プロテクタと、
前記燃料クーラーの前方端面の前方に配置された棒状プロテクタと、
を有することを特徴とする燃料クーラーのプロテクタ構造。
【請求項2】
前記板状プロテクタは、前記取り付け口の一方の側面から底面を介し他方の側面まで囲繞する囲み面を有し、
前記囲み面は、前記燃料クーラーの全長のうち一部のみを囲繞する、
ことを特徴とする請求項1記載の燃料クーラーのプロテクタ構造。
【請求項3】
車体の下面に配置される燃料クーラーのプロテクタ構造において、
前記燃料クーラーの略前後長にわたり路面側及び両側面を囲み、路面側又はいずれかの側面の少なくとも一面が前記燃料クーラー側に凹んだ湾曲面を形成している板状プロテクタ、
を有することを特徴とする燃料クーラーのプロテクタ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−162334(P2008−162334A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352005(P2006−352005)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】