説明

物品収納什器

【課題】 什器本体における左右の物品収納部の開口面を、該収納部の内部空間を小さくすることなく、引戸により体裁よく閉塞しうるようにする。
【解決手段】 什器本体2の内部を、ほぼ中央部において中仕切板により左右に2分割し、その分割された左右の物品収納部の開口面を選択的に閉塞する1枚の引戸3を、什器本体2の前端部に、その少なくとも底板6と両側板7の前端と近接する前方を左右方向に移動しうるように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机やテーブルの天板の下方に一側部を挿入して使用される物品収納什器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の物品収納什器としては、例えば本願の出願人が先に出願しているものがある(特許文献1参照)。
【0003】
これは、内部に物品収納部を有する什器本体の高さを、机等の天板の下面よりも低くするとともに、什器本体の左右長のほぼ半分とした上板(天板)を、什器本体の上面に、左右位置を選択的に変更しうるように、かつ机等の天板の上面と同一面に整合するように設け、什器本体のほぼ半分の、上板の取付けられていない什器本体の一側部を、机等の天板の左右いずれか一方の下方に、使い勝手に応じて選択的に挿入して使用しうるようにしたものである。
【特許文献1】特開2003−135179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載されている物品収納什器においては、使用頻度の高い物品を、机等の天板よりも前方に突出している什器本体の物品収納部に収容し、使用頻度の低い物品は、机の天板の下方の物品収納部に収容することができる。
【0005】
しかし、上記物品収納部の開口面には、扉が設けられていないため、収容した物品が露呈し、体裁が悪いだけなく、収納物品のセキュリティの問題もある。
【0006】
この問題に対処するべく、物品収納部の開口部に、施錠可能な観音開き状の開閉扉を設けようとすると、開閉扉を、机等の天板の下方において内側に開閉する必要があり、大きなスペースを要するので使い勝手が悪くなる。
【0007】
また、上記開閉扉に代えて、引違い戸を設けると、通常、前後の引違い戸は、什器本体の底板と上板及び両側板により囲まれた物品収納部の開口部に、左右にスライド可能に設けられるので、収納部の内部空間が小さくなるとともに、前後の引違い戸の重なり合う部分において左右の物品収納部の開口スペースも小さくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、什器本体の左右の物品収納部の開口面を、引戸により選択的に閉塞しうるとともに、収納部の内部空間を小さくすることがなく、かつ閉塞時の体裁もよくしうるようにした物品収納什器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 前面が開口された箱状の什器本体の上面に、該什器本体の左右長のほぼ半分の長さの天板を、左右両側のいずれにも選択的に取付可能または左右両側のいずれにも移動可能に設けてなる物品収納什器において、前記什器本体の内部を、ほぼ中央部において中仕切板により左右に2分割し、その分割された左右の物品収納部の開口面を選択的に閉塞する1枚の引戸を、前記什器本体の前端部に、その少なくとも底板と両側板の前端と近接する前方を左右方向に移動しうるように設ける。
【0010】
(2) 上記(1)項において、引戸の下端部の後面に、底板の前端部下方に延出する下部支持部材を取付け、この下部支持部材の後端部を、底板の下面に設けた左右方向を向くガイドレールにより摺動可能に支持することにより、引戸の下端を、什器本体に左右方向に移動可能に取付ける。
【0011】
(3) 上記(2)項において、下部支持部材の後端部に、前後方向を向く枢軸回りに回転する戸車を設け、この戸車をガイドレールにより支持する。
【0012】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、引戸の上端部の後面に上部支持部材を取付け、この上部支持部材に設けた上向きのガイド部材を、什器本体の上面板の前端部下面に設けた左右方向を向く案内溝に摺動可能に嵌合する。
【0013】
(5) 上記(4)項において、上部支持部材に上下方向を向く枢軸を取付け、この枢軸に回転自在に枢嵌したガイドローラをガイド部材とする。
【0014】
(6) 上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、什器本体の上面板の前端を、底板及び両側板の前端とほぼ同一面に整合させることにより、引戸が上面板の前端よりも、前方を移動するようにする。
【0015】
(7) 上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、引戸に、これを左限及び右限位置において施錠しうる施錠装置を設ける。
【0016】
(8) 上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、引戸の後面の両側端部に、上下方向に沿って所要長さの塞ぎ片を後向きに突設する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、什器本体の左右の物品収納部の開口面を、1枚の引戸により選択的に閉塞しうるので、例えば天板が取付けられていない什器本体の一側部を机等の天板の下方に挿入した際等において、机等の外方に露出する什器本体の他側部の物品収納部の開口面を、引戸により体裁よく閉塞することができる。
また、引戸は、什器本体の底板及び両側板の前端よりも前方に位置しているので、引戸が位置している側において底板や側板の前端が引戸により覆われて、外部に露呈することがなく、見栄えが向上する。
さらに、引戸は、底板及び両側板の前方を左右方向に移動するので、物品収納部の内部空間が小さくなることはない。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、引戸の下端部に取付けた上部支持部材や、これを支持するガイドレールが前方に露呈しないので、体裁がよくなる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、引戸の下端の摺動抵抗が小さくなるので、これを軽快に移動することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、引戸の上端部に取付けた上部支持部材や、そのガイド部材を案内する案内溝が前方に露呈しないので、体裁がよくなる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、引戸の上端の摺動抵抗が小さくなるので、これを軽快に移動することができる。特に、請求項3の発明と併用すれば、引戸をより軽快に移動することができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、引戸が位置している側において、上面板の前端も引戸により覆われ、外部に露呈しないので、見栄えがさらに向上する。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、左右の物品収納部に、セキュリティを要する物品を選択的に収納して施錠することができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、引戸を左限または右限位置まで移動させた際に、引戸の後面と中仕切板の前端との間に大きな隙間が形成されなくなるので、左右の物品収納部の内部が内側方から見えにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の物品収納什器の斜視図を示すもので、前面が開口され、かつ下面の四隅部にキャスタ(1)が取付けられた横長矩形箱状の什器本体(2)と、その前面の開口部の右半部と左半部とを選択的に開閉しうるように設けられた引戸(3)と、什器本体(2)の上面板(4)の直上に、その右半部と左半部とのいずれにも選択的に取付可能として載置された、上面板(4)の左右寸法のほぼ半分の長さの天板(5)とを備えている。
【0026】
什器本体(2)は、上記上面板(4)と、底板(6)と、左右の側板(7)(7)と、図示しない後面板とからなり、内部の物品収納部における左右方向の中央部には、中仕切板(8)(図3、図4参照)が、またこの中仕切板(8)を挟む左右両側の物品収納部の上下方向の中間部には、棚板(9)が取付けられている。
【0027】
底板(6)と、左右の側板(7)との前端は同一面に整合し、上面板(4)のみが、ほぼ引戸(3)の板厚分だけ前方に突出している。
【0028】
天板(5)は、前後左右の4個の高さ調節装置(10)により、上下位置を調節することができる。
【0029】
各高さ調節装置(10)は、図2に示すように、下半部がおねじ部(11)となっている調整軸(12)と、上半部の操作筒部(13a)とその下端に連設された、操作筒部(13a)よりも小径のめねじ筒(13b)とよりなる筒状アジャスタ(13)と、この筒状アジャスタ(13)のめねじ筒(13b)を回動自在に収容して支持する硬質合成樹脂製の支持筒(14)とからなり、めねじ筒(13b)の内周面のめねじ(15)には、調整軸(12)のおねじ部(11)が螺合されている。
【0030】
操作筒部(13a)の内径は、調整軸(12)の外径よりも若干大径とされている。
【0031】
前後に並ぶ調整軸(12)の上端は、天板(5)の側端部下面にねじ止めされた前後方向を向く支持金具(16)の前後両端の下面に、溶接により固着され、前後左右の4個の調整軸(12)は、実質的に天板(5)の下面の四隅部より垂下している。
【0032】
支持筒(14)は、什器本体(2)の上面板(4)の四隅部、及び中央部の前後両端部に穿設された支持孔(17)と、什器本体(2)の両側板(7)と中仕切板(8)との前後両端部上面に形成された有底孔(18)とに、上方より圧嵌され、上端の拡径鍔部(14a)が支持孔(17)の開口縁に係止することにより、上面板(4)の上面より若干突出している。
【0033】
中央に圧嵌された支持筒(14)から、左右の両側端部に圧嵌された支持筒(14)までの左右寸法は、天板(5)を什器本体(2)の左半部と右半部とのいずれにも選択して取付けうるように、左右の調整軸(12)の離間寸法と等しくされている。
【0034】
筒状アジャスタ(13)のめねじ筒(13b)を支持筒(14)に挿入した際、操作筒部(13a)の下端の拡径段部(19)が、拡径鍔部(14a)の上面と当接することにより、筒状アジャスタ(13)全体は拡径鍔部(14a)に受支された状態で回転されるようになっている。
【0035】
筒状アジャスタ(13)の操作筒部(13a)を指でつまんで回転させると、めねじ筒(13b)のめねじ(15)におねじ部(11)が螺合している調整軸(12)が、ねじ送り作用により、筒状アジャスタ(13)に対し相対的に上下動することにより、図2の2点鎖線で示すように、天板(5)の高さを調節することができる。
【0036】
上記引戸(3)は、什器本体(2)の前面の開口部に、次のようにして取付けられている。
【0037】
図3及び図4に示すように、鋼板よりなる底板(6)の前後左右の端部には、ほぼ内向L字状断面をなす上下寸法の大きな折曲部(20)が形成され、それよりも内方の下面には、左右方向を向く側面視上向コ字状断面をなす前後1対の補強部材(21)(前部のもののみ図示する)の上端が固着されている。
【0038】
前部の補強部材(21)の下面には、左右方向を向くとともに、前端に上向きの突片(22a)を有する支持板(22)が、前端部が補強部材(21)の前端よりも所要寸法前方に突出し、かつ突片(22a)の前端と折曲部(20)の後面との間に若干の隙間(S)が形成されるようにして、複数のねじ(23)により固着されている。
【0039】
補強部材(21)の前部の起立片(21a)と前向片(21b)、及び支持板(22)における前方への突出部(22b)により、前方に開口する側面視コ字状断面のガイドレール(24)が形成されている。
【0040】
上面板(4)の前端部下方において底板(6)の前端面を覆いうる上下寸法とされた引戸(3)における後面の下端部には、ほぼ側面視上向コ字状断面をなす左右1対の下部支持金具(25)(25)が、その前部の上向片(25a)を皿ねじ(26)により固定することにより、底板(6)の前部の折曲部(20)を下方から囲むようにして後向きに取付けられている。
【0041】
各下部支持金具(25)の後部の上向片(25b)は、上記隙間(S)を通して底板(6)の前端部下方の凹状空間内に延出し、そのやや上方寄りの中央部に前端が固着された前後方向を向く枢軸(27)の後端部には、戸車(28)が回転自在に枢嵌されている。
【0042】
戸車(28)の下面は、支持板(22)の前端部上面により支持され、ガイドレール(24)に沿って左右方向に転動しうるようになっている。
従って、引戸(3)の下端部も、戸車(28)を介してガイドレール(24)により左右方向に移動自在に支持されている。
【0043】
下部支持金具(25)の前部の上向片(25a)の後面には、硬質合成樹脂等よりなるスライダ(29)が皿ねじ(30)により固定され、その後面が底板(6)の前面と摺接可能とすることにより、下部支持金具(25)と底板(6)とが金属同士で接触したり、引戸(3)の後面が底板(6)の前端に当接したりするのを防止するとともに、摺動抵抗を小さくして、引戸(3)が円滑に左右方向に移動しうるようになっている。
【0044】
各下部支持金具(25)における後部の上向片(25b)の両側縁には、左右1対の後向片(25c)(25c)が連結され、外方の後向片(25c)には、ゴム等の緩衝材(31)が取付けられている。
【0045】
左右の緩衝材(31)(31)は、引戸(3)を、その側端が側板(7)の側面とほぼ整合する右限と左限位置、すなわち什器本体(2)の物品収納部の開口面における右半部と左半部とを選択的に閉塞しうる位置まで左右方向に移動したとき、補強部材(21)の前部の起立片(21a)に連設された、前方かつ上下方向を向くストッパ片(32)(32)との内側面とそれぞれ当接するようになっている(図4参照)。
【0046】
図4及び図5に示すように、ガイドレール(22)の前端部の左右両側部上面には、戸車(28)が乗り越え可能な上向円弧状に膨出する突部(33)が設けられ、この突部(33)を戸車(28)が乗り越えて外方に転動した直後に、上記緩衝材(31)がストッパ片(32)と当接するようになっている。
【0047】
上記突部(33)を戸車(28)が乗り越えることにより、引戸(3)は、左限または右限位置で停止され、妄りに什器本体(2)の中央部に移動することがなくなる。
【0048】
引戸(3)の上端部の後面には、左右1対の上部支持金具(34)における下向片(34a)が、複数の皿ねじ(35)により取付けられ、その上端に連設された、引戸(3)の上部後面より若干後方に離間する側面視下向コ字状断面の後向き支持部(34b)には、上下方向を向く枢軸(36)が固定され、その上部には、ガイドローラ(37)が回動自在に枢嵌されている。
【0049】
ガイドローラ(37)における引戸(3)の上端よりも上方に位置する上端部は、上面板(4)の前端部下面に形成された左右方向を向く上向き凹状の案内溝(38)に、摺動かつ転動可能に嵌挿されている。
【0050】
これにより引戸(3)の上端は、上面板(4)の前端部下面に沿って左右に安定して移動することができる。
【0051】
引戸(3)の後面における底板(6)よりも上方の左右両側部には、後方を向く塞ぎ片(39)(39)が上下方向に沿って取付けられ、引戸(3)の後面と中仕切板(8)の前端との間に形成される隙間を通して、物品収納部の内部が側方から見えにくいようにしてある。
【0052】
図1に示すように、引戸(3)の上端部前面には、例えばシリンダ錠(40)が取付けられ、その内部の施解錠レバー(41)が、キー操作により上下方向に回動して、上面板(4)の左右の前端部下面に設けた施錠孔(42)に進入することにより、引戸(3)が、左限または右限位置で施錠されるようになっている。
【0053】
(43)(43)は、引戸(3)の前面における上端部の左右両側部に前向きに突設された手掛けである。
【0054】
上記実施形態の物品収納什器は、天板(5)が取付けられていない什器本体(2)の一側部の半分を、机やテーブルの天板の下方に、物品収納部の開口面が内方を向くように挿入し、天板(5)の内方の端面を机等の天板の前端に当接させて使用される。
【0055】
天板(5)は、右半部と左半部とのいずれにも選択的に取付可能としてあるため、机等の左右両側に勝手違いに配置して使用することができる。
【0056】
この際、例えば使用頻度が高く、かつセキュリティを要する物品を、中仕切板(8)により内部が仕切られた手前側、すなわち天板(5)を有する側の物品収納部に収納するとともに、引戸(3)もその側に移動させて、前面開口部を閉じ、シリンダ錠(40)により施錠すればよい。
【0057】
上記実施形態のように、引戸(3)を、物品収納部の開口部よりも前方、すなわち底板(6)や側板(7)の前端よりも前方においてそれらを覆うようにして左右方向に移動可能に設けると、什器本体(2)の物品収納部の内部空間が小さくなるのが防止される。
【0058】
また、物品収納部の開口部の半分を、什器本体(2)における底板(6)や側板(7)及び中仕切板(8)の半部の前端面を露呈させることなく、引戸(3)により体裁よく閉塞することができる。
【0059】
さらに、引戸(3)の下端は、その後面に側面視上向コ字状の下部支持金具(25)を取付け、この下部支持金具(25)の後端の上向片(25b)の枢軸(27)に枢嵌した戸車(28)を、底板(6)の下方においてガイドレール(24)により受支することにより、実質的に底板(6)の下面により左右方向に移動可能に支持されているため、底板(6)の前端部上面に凹状のガイド溝やガイドレールを設ける必要はない。
【0060】
従って、底板(6)全体の上面がフラットな物品載置面となるため、物品の出しれ時にそれが引っ掛かるなどの恐れはなく、かつ凹状のガイド溝等に埃り等の異物が入り込み、引戸(3)の移動の障害となることもない。
【0061】
一方、引戸(3)の上端は、その後面に取付けた上部支持金具(34)の上端に、上下方向を向く枢軸(36)回りに回転するガイドローラ(37)を設け、このガイドローラ(37)を、上面板(4)の前端部下面の案内溝(38)に嵌挿することにより、上面板(4)の下面により左右方向に移動可能に支持されているため、引戸(3)が前後方向にがた付くことなく、安定して移動させることができる。
また、案内溝(38)やガイドローラ(37)は、前方より見えにくいので、見栄えも良い。
【0062】
さらに、上面板(4)の前端部に、吊支レール等、上向コ字状断面のガイドレールを付設したりする必要もなく、単に上面板(4)の下面に案内溝(38)を設けるのみでよいので、外観的な体裁がよく、かつ上面板(4)の板厚も小としうる。
【0063】
上記実施形態では、上面板(4)の前端部を引戸(3)のほぼ板厚分だけ前方に突出させ、引戸(3)の上端が上面板(4)の前端部直下に位置するようにしているが、図6に示すように上面板(4)の前後寸法を、その前端面が底板(6)や側板(7)の前端面と整合するように短寸とするとともに、引戸(3)の上下寸法を、その上端が上面板(4)の上面と同一面となるように大とし、引戸(3)が上面板(4)の前方を左右方向に移動するようにしてもよい。
このようにすると、引戸(3)により上面板(4)の前端面も覆われるので、前方から見たときの体裁がさらによくなる。
【0064】
引戸(3)の上端をガイドするガイドローラ(37)を省略し、上部支持金具(34)の上端に突出したガイド片を、単に上面板(4)の下面に設けた狭幅の案内溝に摺動可能に嵌合するようにしてもよい。
【0065】
この際には、摺動抵抗を小さくするために、ガイド片を硬質合成樹脂製としたり、案内溝内に硬質合成樹脂製のガイド部材を圧嵌するなどしてもよい。
【0066】
上部支持金具(34)やガイドローラ(37)を省略し、引戸(3)の上端部を、上面板(4)の下面に形成した上向き凹状の案内溝に、摺動可能に直接嵌合することもある。
【0067】
底板(6)を、補強部材(21)のない平板状のものとした際には、その前端部下面に、側面視コ字状もしくは上向コ字状をなすガイドレールを固着し、このガイドレールにより、戸車(28)を支持するようにしてもよい。また、戸車(28)の代わりに、硬質合成樹脂等のスライダを取付け、このスライダを、ガイドレール(24)により摺動可能に支持するようにしてもよい。
【0068】
本発明は、天板(5)を、什器本体(2)の上面に、左右両側のいずれにも移動可能に設けてなる物品収納什器、例えば、本願の出願人が「特開2004−159798号公報」において先に提案している可動天板付き物品収納什器等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の物品収納什器の斜視図である。
【図2】同じく、図1のII−II線拡大縦断正面図である。
【図3】同じく、図1のIII−III線拡大縦断側面図である。
【図4】同じく、図3のIV−IV線横断平面図である。
【図5】同じく、図4のV−V線縦断後面図である。
【図6】同じく、引戸の上端部と上面板の前端部の変形例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0070】
(1)キャスタ
(2)什器本体
(3)引戸
(4)上面板
(5)天板
(6)底板
(7)側板
(8)中仕切板
(9)棚板
(10)高さ調節装置
(11)おねじ部
(12)調整軸
(13)筒状アジャスタ
(13a)操作筒部
(13b)めねじ筒
(14)支持筒
(15)めねじ
(16)支持金具
(17)支持孔
(18)有底孔
(19)拡径段部
(20)折曲部
(21)補強部材
(21a)起立片
(21b)前向片
(22)支持板
(22a)突片
(22b)突出部
(23)ねじ
(24)ガイドレール
(25)下部支持金具(下部支持部材)
(25a)(25b)上向片
(25c)後向片
(26)皿ねじ
(27)枢軸
(28)戸車
(29)スライダ
(30)皿ねじ
(31)緩衝材
(32)ストッパ片
(33)突部
(34)上部支持金具(上部支持部材)
(34a)下向片
(34b)後向き支持部
(35)皿ねじ
(36)枢軸
(37)ガイドローラ
(38)案内溝
(39)塞ぎ片
(40)シリンダ錠
(41)施解錠レバー
(42)施錠孔
(43)手掛け
(S)隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口された箱状の什器本体の上面に、該什器本体の左右長のほぼ半分の長さの天板を、左右両側のいずれにも選択的に取付可能または左右両側のいずれにも移動可能に設けてなる物品収納什器において、前記什器本体の内部を、ほぼ中央部において中仕切板により左右に2分割し、その分割された左右の物品収納部の開口面を選択的に閉塞する1枚の引戸を、前記什器本体の前端部に、その少なくとも底板と両側板の前端と近接する前方を左右方向に移動しうるように設けたことを特徴とする物品収納什器。
【請求項2】
引戸の下端部の後面に、底板の前端部下方に延出する下部支持部材を取付け、この下部支持部材の後端部を、底板の下面に設けた左右方向を向くガイドレールにより摺動可能に支持することにより、引戸の下端を、什器本体に左右方向に移動可能に取付けてなる請求項1記載の物品収納什器。
【請求項3】
下部支持部材の後端部に、前後方向を向く枢軸回りに回転する戸車を設け、この戸車をガイドレールにより支持してなる請求項2記載の物品収納什器。
【請求項4】
引戸の上端部の後面に上部支持部材を取付け、この上部支持部材に設けた上向きのガイド部材を、什器本体の上面板の前端部下面に設けた左右方向を向く案内溝に摺動可能に嵌合した請求項1〜3のいずれかに記載の物品収納什器。
【請求項5】
上部支持部材に上下方向を向く枢軸を取付け、この枢軸に回転自在に枢嵌したガイドローラをガイド部材とした請求項4記載の物品収納什器。
【請求項6】
什器本体の上面板の前端を、底板及び両側板の前端とほぼ同一面に整合させることにより、引戸が上面板の前端よりも、前方を移動するようにした請求項1〜5のいずれかに記載の物品収納什器。
【請求項7】
引戸に、これを左限及び右限位置において施錠しうる施錠装置を設けた請求項1〜6のいずれかに記載の物品収納什器。
【請求項8】
引戸の後面の両側端部に、上下方向に沿って所要長さの塞ぎ片を後向きに突設した請求項1〜7のいずれかに記載の物品収納什器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−230719(P2006−230719A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50016(P2005−50016)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】