説明

異なる基材材料を含む製品のための色調和コーティング

異なる基材材料を含む製品のための、色の調和が提供される。物品の実質的に均質な視覚的特徴を維持しながら、異なる基材材料に塗布され得るコーティング組成物が、選択される。これらの基材としては、天然皮革、合成皮革、ビニル、発泡体、布などのような、可撓性材料が挙げられ得る。製品の例としては、履物、自動車のクッション材料および自動車の内装が挙げられる。本発明の1つの実施形態は、第一の可撓性材料を含む第一の基材と、この第一の材料とは異なる第二の材料を含む第二の基材と、この第一の基材の少なくとも一部およびこの第二の基材の少なくとも一部を覆う色調和コーティングとを備える、製品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、色の調和に関し、そしてより特定すると、異なる型の基材材料を含む製品について実質的に均質な視覚的特徴を提供する、コーティング組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
多くの製品は、一緒に組み立てられる、異なる型の構成要素から作製される。種々の構成要素の間で、色の均質性を維持することが、しばしば望ましい。しかし、これらの構成要素が異なる型の材料から作製される場合、これらの構成要素が組み立てられる際にこの物品の均質な視覚的外観を提供することは、困難であり得る。
【0003】
例えば、運動靴のような履物は、しばしば、異なる型の材料を含み、これらの材料としては、天然皮革、合成皮革、ビニル、布、発泡体、およびゴムが挙げられる。従来、異なるコーティング組成物が、各型の基材材料に塗布されている。例えば、1つの型のコーティングが、靴の天然皮革製の上部構成要素に塗布され得、そして別の型のコーティングが、この靴の合成皮革製の上部構成要素に塗布され得る。さらに、中央ソール(midsole)に色を与える目的、ならびに/あるいは靴の上部構成要素と中央ソールとの間に均質性および/または色の調整を提供する目的で、このような色の発泡体中央ソールに顔料を組み込むことは、通常のことである。複数の特殊コーティングおよび顔料のこのような使用は、比較的複雑かつ費用がかかる製造プロセス、在庫の問題を生じ得、そしてまた、異なるコーティングの「色を一致させる」必要性を生じ得る。
【0004】
色を一致させるとは、2つ以上のコーティングが、同じかまたは実質的に同じ外観を与えるように、1つより多いコーティングの視覚的特徴が「一致」させられるプロセスである。色を一致させることは、例えば、同じ製品上の2つの異なる基材が、2つの異なるコーティングでコーティングされる場合に、望まれ得る。色の一致はまた、以前にコーティングされた物品または構成要素と一致するコーティングを同定することを試みる場合に望まれ得る。例えば、車体の小売店は、しばしば、自動車の修復された部分を、もともとの車体塗料の色に一致するように選択されたコーティング組成物で塗装する。このような、色が一致したコーティングは、しばしば、元のコーティングとは異なる組成を有し、そしてかなり異なる型のコーティング(例えば、空気硬化性コーティング対加熱硬化性コーティング)を含有し得る。
【0005】
色が一致した構成要素は、いくらかの観察条件および照射条件においては、実質的に同じ外観を有し得るが、見る角度が変化する場合、光源の空間的分布が変化する場合、および/またはコーティングが熟成する場合に、これらの構成要素は、同じ外観を維持しないかもしれない。例えば、色が一致した同じ構成要素は、日光の条件においては同じ外観を有し得るが、蛍光灯および/または白熱電球の光の下では、一致しないかもしれない。色の一致が、照射条件または観察条件に依存する場合、この一致は、条件的または「構造異性的」と称される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
色の一致を行う必要性を排除しながら、製品の種々の異なる型の基材をコーティングし得るコーティング組成物を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明の1つの実施形態は、第一の可撓性材料を含む第一の基材と、この第一の材料とは異なる第二の材料を含む第二の基材と、この第一の基材の少なくとも一部およびこの第二の基材の少なくとも一部を覆う色調和コーティングとを備える、製品を提供する。
【0008】
本発明の別の実施形態は、第一の可撓性材料を含む第一の基材と、この第一の可撓性材料とは異なる第二の可撓性材料を含む第二の基材と、この第一の基材の少なくとも一部およびこの第二の基材の少なくとも一部を覆う色調和コーティングとを備える、履物を提供する。
【0009】
本発明のさらなる実施形態は、異なる材料の第一の可撓性基材および第二の可撓性基材を備える製品を作製する方法を提供する。この方法は、この第一の可撓性基材の少なくとも一部を、色調和コーティング組成物でコーティングする工程、およびこの第二の可撓性基材の少なくとも一部を、この色調和コーティング組成物でコーティングする工程を包含する。
【0010】
本発明の別の実施形態は、異なる材料の第一の可撓性基材および第二の可撓性基材を備える履物を作製する方法を提供する。この方法は、この第一の可撓性基材の少なくとも一部を、色調和コーティング組成物でコーティングする工程、およびこの第二の可撓性基材の少なくとも一部を、この色調和コーティング組成物でコーティングする工程を包含する。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、発泡体を含む第一の基材と、第二の基材と、水性ポリウレタン樹脂および着色剤を含有する色調和コーティングとを備える製品を提供し、この製品において、この第一の基材の少なくとも一部およびこの第二の基材の少なくとも一部は、この色調和コーティングでコーティングされている。
【0012】
本発明の別の実施形態は、発泡体を含む第一の基材と、第二の基材と、水性ポリウレタン樹脂および着色剤を含有する色調和コーティングとを備える履物を提供し、この履物において、この第一の基材の少なくとも一部およびこの第二の基材の少なくとも一部は、この色調和コーティングでコーティングされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(詳細な説明)
本発明は、異なる材料または基材を備える、2つ以上の構成要素を備える製品のための色調和を提供する。「色調和」および類似の用語は、実質的に均質な視覚的特徴を、2つ以上の異なる型の基材に対して、1つより多くの照明条件下で提供するための、同じかまたは実質的に類似のコーティング組成物の使用を意味する。「色調和コーティング」とは、このような実質的に均質な視覚的特徴を示すコーティングである。色調和コーティングは、実質的に均質な色を複数の構成要素に対して提供するために、製品の2つ以上の構成要素をコーティングするために使用され得、これによって、従来の色を調和させる技術に関連する問題および/または労働を回避する。
【0014】
本発明の1つの実施形態によれば、製品の構成要素のうちの少なくとも1つは、可撓性基材を備える。本明細書中で使用される場合、用語「可撓性基材」とは、有意な不可逆的変化なしで、機械適応力(例えば、屈曲、伸長、圧縮など)を受け得る基材をいう。可撓性基材の例としては、天然皮革、合成皮革、加工天然皮革、加工合成皮革、スウェード皮、ビニル、ナイロン、エチレン酢酸ビニル発泡体(EVA発泡体)、熱可塑性ウレタン(TPU)、流体を満たした袋、ポリオレフィンおよびポリオレフィンブレンド、ポリ酢酸ビニルおよびコポリマー、ポリ塩化ビニルおよびコポリマー、ウレタンエラストマー、合成織物および天然織物が挙げられる。
【0015】
非限定的な実施形態において、この物品の少なくとも1つの可撓性基材は、発泡体を含み得る。本明細書中で使用される場合、用語「発泡体基材」とは、複数の連続気泡および/または不連続気泡を含む、ポリマー材料または天然材料を意味する。発泡体基材の例としては、ポリスチレン発泡体、ポリメタクリルイミド発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリプロピレン発泡体、およびポリエチレン発泡体が挙げられる。オレフィン系発泡体の例としては、ポリプロピレン発泡体、エチレン酢酸ビニル(EVA)発泡体およびポリエチレン発泡体が挙げられる。
【0016】
本発明の非限定的な実施形態において、製品は、履物を含む。本明細書中で使用される場合、用語「履物」は、運動靴およびスポーツシューズ、紳士用および婦人用の正装用靴、紳士用および婦人用の普段履きの靴、子供用の靴、サンダル、ゴム草履、長靴、仕事用の長靴、屋外用の履物、整形外科用の靴、スリッパなどを包含する。履物構成要素の例としては、ソール、中央ソール、上部材料およびライナーが挙げられる。特定の非限定的な例において、運動靴は、天然皮革、合成皮革、および/または織物の上部材料、ならびにEVA発泡体の中央ソールを備え得る。
【0017】
図1は、本発明の実施形態による色調和コーティングでコーティングされ得る、様々な型の基材材料から作製された複数の構成要素を備える、運動靴を図示する。靴10は、上部分12、ソール14、および中央ソール16を備える。靴10の上部分12は、種々のセクション(例えば、本体22、踵24、つま先26、中央セクション27、はと目28、および舌皮29)を備える。従来の靴の設計および製造技術に従って、靴10の種々の上部セクションは、様々な型の材料から作製され得る。例えば、本体セクション22は、天然皮革を含み得、踵24は、TPUを含み得、つま先26は、合成皮革を含み得、中央セクション27は、天然皮革を含み得、はと目28は、ナイロンを含み得、そして舌皮29は、合成皮革または布を含み得る。これらの種々の構成要素は、縫合、接着などの技術によって、一緒に組み立てられ得る。
【0018】
靴10のソール14および中央ソール16は、種々の型の材料から作製され得、これらの材料は、代表的に、上部分12の材料とは異なる。例えば、ソール14は、ゴムなどから作製され得、一方で、中央ソール16は、上に列挙されたようなEVA発泡体などの発泡体基材を備え得る。
【0019】
実質的に均質な視覚的特徴を、上部分12の種々の構成要素の間に提供することに加えて、実質的に均質な視覚的特徴を、中央ソール16と、上部分12の構成要素のうちの少なくとも1つとの間に提供することがしばしば望ましい。さらに、いくつかの型の靴において、実質的に均質な視覚的特徴を、ソール14と中央ソール16との間に提供すること、および/または実質的に均質な視覚的特徴を、ソール14と上部分12のセクションのうちの少なくともいくらかとの間に提供することが望ましい。
【0020】
靴をコーティングする従来のプロセスには、通常は異なる供給者によって別々に作製され、そして異なる供給者によってかつ/または異なるコーティングで着色された各構成要素が関与する。このことは、いくつかの欠点を生じる。供給者の全てが、必要とされる色を一致させ得、そして必要とされる質を供給し得るように、変更を行うために必要とされるリードタイムが長くなる。異なる供給者が材料を製造する場合、色を生じさせる方法が異なり得る。従来の靴構成要素は、代表的に、色が最初に一致させられる場合においてさえも、照明に依存して、異なる色合いであるように見え得る。異なるコーティングを塗布するために異なるプロセスを使用することによって、構成要素間での色の一致が、さらに悪くなり得る。
【0021】
本発明の1つの実施形態に従って、色調和コーティングは、色を一致させる必要なしに望ましい均質な視覚的特徴を提供する目的で、図1に示されるもののような異なる基材を備える異なる靴構成要素のうちの少なくとも2つに塗布され得る。本発明の色調和方法は、異なる靴構成要素の基材をコーティングするために使用され得る1つのコーティング系を使用することによって、従来の靴組み立て方法より優れた1つ以上の利点を提供し得る。その結果、靴を製造するためのサイクル時間が大いに減少し得る。なぜなら、靴の基材の全てが、標準的な色(例えば、白色または黒色)で注文され得るからである。靴の製造業者は、全ての構成要素自体を、同じ塗料で同じ方法を使用して塗装し得る。また、靴構成要素は、その靴に対して必要とされる望ましい色を得るために、コーティングされ得る。本発明の方法はまた、独特な色および/または視覚的効果を有する小さいバッチの靴の製造に役に立つ。さらに、同じコーティングが、異なる靴構成要素の基材に塗布され得るので、全ての照明状況において、良好な色の調和を有する。さらに、磨耗または亀裂の結果としてのあらゆる色褪せが、異なる基材にわたって実質的に均質であり得、これによって、色の調和を、その靴の寿命の間中維持する。
【0022】
履物に加えて、本発明の実施形態に従って色調和を受け得る製品の他の例としては、自動車のクッション、自動車の内装、家具のクッション、ハンドバッグ、衣類、コート、財布、ホイールカバー、旅行荷物、スーツケース、スポーツ用品、スポーツ用具などが挙げられる。例えば、自動車または家具のクッションは、天然皮革構成要素と合成皮革構成要素との組み合わせを含み得、これらの構成要素は、本発明の実施形態による色調和コーティングでコーティングされ得る。
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「コーティング」とは、実質的に連続的な表面層またはフィルムを、基材の外側表面に形成する材料を意味する。このコーティングの厚さは、この基材の表面から測定される。いくつかの実施形態において、このコーティングの一部は、この基材の内部に少なくとも部分的に浸入し得る。例えば、このコーティングは、皮革基材または発泡体基材の細孔内に、少なくとも部分的に浸入し得る。本発明のコーティングは、基材自体の上に噴霧されるか、または他の様式で堆積させられ、このコーティングには他のコーティングが塗布されても塗布されなくてもよく、そして本発明のコーティングは、積層体として塗布されず、剥離紙に塗布されて基材上に移動されるのでもないことが、理解される。従って、本発明のコーティング組成物は、労働時間を短縮し得る。
【0024】
本発明の色調和コーティングは、任意の従来のコーティング塗布プロセスによって、基材上に塗布され得る。例示的なコーティング塗布方法としては、噴霧、スロットコーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、浸漬、スクリーン印刷、ブラッシングまたは棒コーティングが挙げられる。1つの実施形態において、このコーティングは、基材の全外側表面の実質的に全てに塗布される。他の実施形態において、このコーティングは、基材の外側表面の一部に塗布される。
【0025】
いくつかの用途について、コーティングを、基材の外側表面に直接塗布することが望ましくあり得る。他の用途において、コーティングを塗布する前に、基材の外側にプライマーを塗布することが望ましくあり得る。プライマーの例としては、エポキシ、エポキシポリアミド、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、ビニルポリマー、ポリウレタン、アルキド、アクリル、ポリエステルなどが挙げられる。他の実施形態において、保護層(例えば、シーラーおよび/またはクリアコート)が、コーティングの外側表面に塗布されて、保護層および/または視覚的に美的な層を提供し得る。このコーティング組成物は、任意の型のコーティングのために適切であり、そして特に、トップコートとして適切である。1つの実施形態において、このコーティングは、単一塗布コーティングまたはモノコートを含有し得る。別の実施形態において、このコーティング組成物は、2つ以上の層を有する多層コーティングシステムにおける1つの層として塗布され得る。この多層コーティングシステムにおいて、各コートは、異なる成分を含有しても含有しなくてもよい。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、色調和コーティング組成物は、水性樹脂分散物および着色剤を含有する、水性組成物である。特定の実施形態において、この水性コーティング組成物は、実質的に溶媒を含まない。用語「実質的に溶媒を含まない」とは、本明細書中で使用される場合、コーティング組成物が、約15重量%未満または約20重量%未満の有機溶媒(例えば、5重量%未満または10重量%未満)を含有することを意味する。重量%は、基材に塗布されるコーティング組成物の総重量に基づく。例えば、コーティング組成物は、0〜2重量%または3重量%の有機溶媒を含有し得る。
【0027】
用語「水性」とは、本明細書中で使用される場合、組成物のキャリア流体が、重量%を基準として主として水である(すなわち、キャリアの約50重量%が水を含有する)コーティング組成物を意味する。このキャリアの残りの部分は、50重量%未満(代表的には、25重量%未満であり、例えば、15重量%未満)の有機溶媒を含有する。コーティング組成物(キャリアと固形物とを含む)の総重量に基づいて、水は、この組成物全体の、約20重量%〜約80重量%、代表的には、約30重量%〜約70重量%を占め得る。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の、実質的に溶媒を含まない水性コーティング組成物は、ポリウレタン分散剤を含有する。適切なフィルムを形成し、そして水ベースの組成物と適合性である、任意のポリウレタン樹脂が、本発明のこれらの実施形態に従って、適合性の問題なしに使用され得る。適切なポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート、活性水素含有材料(例えば、ポリオール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミン、ポリオレフィン、シロキサンポリオール、および/またはこれらの混合物)、酸官能性材料(イソシアネートおよび必要に応じてポリアミンと反応性である官能基を有するもの)から形成されるものが挙げられる。本発明のコーティング組成物において使用するために適切であり得るいくつかの例示的な樹脂は、米国特許第5,939,491号に記載されており、これは、本明細書中に参考として援用される。
【0029】
フィルム形成ポリウレタン樹脂は、一般に、コーティング中に、約20重量%より多い量(例えば、約40重量%より多い量)であり、かつ90重量%より少ない量で存在する。この重量%は、硬化したコーティングの全固形物重量に基づく。例えば、樹脂の重量%は、20重量%と80重量%との間であり得る。1つの非限定的な実施形態において、ポリウレタンは、平均して少なくとも10,000の(例えば、少なくとも25,000または100,000またはこれより大きい)分子量を有する。特定の実施形態におけるポリウレタン樹脂は、約10未満(例えば、約5未満、例えば、約3未満)のヒドロキシル数を有する。
【0030】
1つの非限定的な実施形態において、二官能性および/または三官能性の、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、エポキシおよび/またはビニルが、水性コーティング組成物のポリウレタン分散物の一部の部分的な置き換えとして、添加され得る。適切な二官能性および/または三官能性のアクリル樹脂としては、不飽和アクリルのモノマー、および/または不飽和アクリルとビニルモノマーとのコポリマー(エマルジョン重合により調製される)が挙げられ得る。適切なポリエステル樹脂としては、多官能性の酸、無水物、多官能性アルコール、ならびに一官能性の酸およびアルコールの、反応生成物が挙げられ得る。他の適切な樹脂としては、これらの樹脂のいずれかのハイブリッドまたは混合物(例えば、アクリル/ポリウレタンのハイブリッドもしくはブレンド、および/またはアクリル/ポリエステルのハイブリッドもしくはブレンド)が挙げられる。
【0031】
本発明の別の実施形態において、溶媒ベースのポリマーコーティング組成物が使用され得る。例えば、溶媒ベースのコーティングは、2つの成分を含有し得る。1つの実施形態において、第一の成分は、第一の官能性を有する第一のポリエステルポリオールおよび第二の官能性を有する第二のポリエステルポリオールを含有し得、ここで、この第二の官能性は、この第一の官能性より大きい。第二の成分は、イソシアネートを含有する。特定の実施形態において、コーティング組成物のNCO:OHの比は、0.8:1以上であり得る。これらの2つの成分は、混合されると、ポリウレタンコーティングを生成することが理解される。
【0032】
1つの実施形態において、第一のポリエステルポリオールと第二のポリエステルポリオールとの間の、ヒドロキシル数の差は、少なくとも10である。別の実施形態において、第一のポリエステルポリオールと第二のポリエステルポリオールとの間の、ヒドロキシ数の差は、少なくとも20である。1つの実施形態において、第一の成分の第一のポリエステルポリオールは、低い官能性を有する。本明細書中で使用される場合、用語「低い官能性」とは、そのポリエステルポリオールが、約65未満のヒドロキシル数を有することを意味する。適切な低官能性ポリエステルポリオールは、約40〜約60のヒドロキシル数を有する。1つの実施形態において、第一のポリエステルポリオールは、約54〜約58のヒドロキシル数を有する。第一のポリエステルポリオールの官能性が低い結果として、コーティング中のイソシアネートと反応する場合に、可撓性が増加し、そして架橋を形成する傾向が低くなる。低い官能性を有する任意のポリエステルポリオールが、本発明において使用され得る。例えば、第一のポリエステルポリオールは、カルボン酸とポリアルコールとの反応生成物であり得る。このような生成物は、DESMOPHEN 1625Aとして、Bayer Corporationから市販されている。
【0033】
1つの実施形態において、第一の成分の第二のポリエステルポリオールは、中程度の官能性を有する。本明細書中で使用される場合、用語「中程度の官能性」とは、そのポリエステルポリオールが、約90〜約125のヒドロキシル数を有することを意味する。1つの実施形態において、第二のポリエステルポリオールは、約104〜約118のヒドロキシル数を有する。第二のポリエステルポリオールの中程度の官能性は、代表的に、コーティングの架橋密度を増加させ、その結果、コーティングの硬度が増加し、そして化学耐性が改善される。中程度の官能性を有する任意のポリエステルポリオールが、本発明において使用され得る。例えば、第二のポリエステルポリオールは、1種以上のポリオール、1種以上の芳香族二カルボン酸および/または無水物、ならびに1種以上の脂肪族二カルボン酸および/または無水物の、反応生成物であり得る。第二のポリエステルポリオールは、イソフタル酸と、無水フタル酸と、アジピン酸と、トリメチロールプロパンと、1,6−キサンジオールとの反応生成物であり得る。このような生成物は、DESMOPHEN 670 A−80として、Bayer Corporationから市販されている。1つの実施形態において、第二のポリエステルポリオールは、ネオペンチルグリコールを、明確に除外する。
【0034】
第一のポリエステルポリオールおよび第二のポリエステルポリオールは、一緒に混合されて、第一の成分におけるポリエステルポリオールブレンドを形成し得る。1つの実施形態において、このポリエステルポリオールブレンド中の、第一のポリエステルポリオール対第二のポリエステルポリオールの比は、約5:1〜約8:1である。別の実施形態において、このポリエステルポリオールブレンド中の、第一のポリエステルポリオール対第二のポリエステルポリオールの比は、約6.5:1〜約7.5:1である。このブレンド中の、第一のポリエステルポリオールの量および第二のポリエステルポリオールの量は、各ポリオールの特定の特徴を最適にするように選択され得る。例えば、第一のポリエステルポリオールの量が増加すると、その結果として、可撓性が増加し、一方で、第二のポリエステルポリオールの量が増加すると、結果として、硬度および化学耐性が増加する。当業者は、使用者の要求に依存して、これらの考慮に基づいて、最良の比を決定し得る。
【0035】
1つの実施形態において、第一のポリエステルポリオール、第二のポリエステルポリオール、および1種以上のアクリルポリオールが、混合されて、第一の成分を生成し得る。アクリルポリオールは、コーティングの強度をさらに増加させる目的で、第一の成分中のポリエステルポリオールブレンドに添加され得る。1つの実施形態において、アクリルポリオールは、スチレン化アクリルポリオールである。他の適切なアクリルポリオールの例としては、メタクリル酸メチルとヒドロキシ官能基化(メタ)アクリレートモノマーとのコポリマー、(メタ)アクリル酸イソボルニルのコポリマー、(メタ)アクリル酸エチルコポリマー、ヒドロキシル−エチル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシル−プロピルメタクリレートが挙げられる。アクリルポリオールは、官能性を有しても、実質的に非官能性であってもよい。1つの実施形態において、本発明において使用されるアクリルポリオールは、代表的に、少なくとも約50のヒドロキシル数を有する。1つの実施形態において、アクリルポリオール(例えば、スチレン化アクリルポリオール)は、約40重量%までの量で、第一の成分に添加され得る。
【0036】
アクリルポリオールは、コーティングに充分な強度を提供するために望ましい任意の量で、提供され得る。アクリルポリオールは、代表的に、最終コーティング中のイソシアネートと架橋し、これによって、このコーティングの架橋密度および硬度を増加させる。アクリルポリオールの量が増加すると、コーティングの強度が増加し得るが、可撓性の量が低下し得るので、アクリルポリオールの望ましい量は、使用者の要求に基づいて決定され得る。
【0037】
2成分コーティングの第二の成分は、イソシアネートを含有し得る。本明細書中で使用される場合、用語「イソシアネート」は、ポリイソシアネートと、ポリイソシアネートの環状三量体とを包含する。適切なイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネートもしくは1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラアルキルキシレンジイソシアネート(例えば、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート(dianisdine diisocyanate)、ビトリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート(4,4’−diphenylpropance diisocyanate)、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート三量体が挙げられる。
【0038】
第一の成分中のポリエステルポリオールブレンドの量、および使用される場合にはアクリルポリオールの量、ならびに第二の成分中のイソシアネートの量は、イソシアネート基対ヒドロキシル基の比(すなわち、NCO:OH)が、少なくとも0.8:1または1:1より大きい(例えば、少なくとも1.7:1、少なくとも2:1、または少なくとも3:1)のHCO:OH比を有するコーティング組成物を提供するように選択され得る。この機構によって束縛されることを望まないが、未反応NCO基は、可撓性基材(例えば、熱可塑性ウレタン)の表面に結合して、改善された表面接着、傷耐性、鉛筆硬度(穴たがね(gouge))および/または全体的な硬化特性を有する可撓性コーティングを生じ得ると考えられる。
【0039】
本発明のコーティングはまた、着色剤を含有し得る。本明細書中で使用される場合、用語「着色剤」とは、組成物に、色および/または他の不透明性および/または他の視覚効果を付与する、任意の物質を意味する。着色剤は、任意の適切な形態(例えば、不連続な粒子、分散物、溶液および/または薄片)で、コーティングに添加され得る。単一の着色剤、または2種以上の着色剤が、本発明のコーティングにおいて使用され得る。
【0040】
例示的な着色剤としては、例えば、塗料産業において使用されるもの、ならびに/あるいはDry Color Manufacturers Association(DCMA)に列挙されるものである、顔料、色素および染料、ならびに特殊効果組成物が挙げられる。着色剤が、例えば、不溶性であるが使用条件下において濡れ可能である、微細に分割された固体粉末を含有し得る。着色剤は、有機物であっても無機物であってもよく、そして凝集していても凝集していなくてもよい。
【0041】
例示的な顔料および/または顔料組成物としては、カルバゾールジオキサジン粗製顔料、アゾ、モノアゾ、ジスアゾ、ナフトール AS、塩型(レーキ)、ベンゾイミダゾロン、縮合物(condensation)、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリンおよび多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラックおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。用語顔料および有色充填剤が、交換可能に使用され得る。
【0042】
例示的な染料としては、溶媒ベースのものおよび/または水性ベースのものであって、例えば、フタログリーンまたはフタロブルー、酸化鉄、バナジン酸ビスマス、アントラキノン、ペリレン、アルミニウムおよびキナクリドンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
例示的な染料としては、水ベースのキャリアまたは水混和性キャリア中に分散された顔料であって、例えば、AQUA−CHEM 896(Degussa,Inc.から市販されている)、ならびにCHARISMA COLORANTSおよびMAXITONER INDUSTRIAL COLORANTS(Eastman Chemical,Inc.のAccurate Dispersions部門から市販されている)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
上記のように、着色剤は、分散物の形態(ナノ粒子分散物が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。ナノ粒子分散物は、1種以上の高度に分散されたナノ粒子の着色剤または着色剤粒子を含有し得、これらが、望ましい視覚的な色および/または不透明性および/または視覚的効果を生じる。ナノ粒子分散物は、約150nm未満(例えば、70nm未満、または30nm未満)の粒子サイズを有する、顔料または色素のような着色剤を含有し得る。ナノ粒子は、ストック有機顔料またはストック無機顔料を、0.5mm未満の粒子サイズを有する粉砕媒体を用いて製粉することによって、生成され得る。例示的なナノ粒子分散物およびこれらを作製するための方法は、米国特許出願公開第2003/0125417号において確認され、これは、本明細書中に参考として援用される。ナノ粒子分散物はまた、結晶化、沈殿、気相凝縮、および化学アトリション(すなわち、部分的溶解)によって生成され得る。コーティング内のナノ粒子の再凝集を最小にする目的で、樹脂でコーティングされたナノ粒子が使用され得る。本明細書中で使用される場合、「樹脂でコーティングされたナノ粒子の分散物」とは、ナノ粒子と、このナノ粒子上の樹脂コーティングとを含む、不連続な「複合微粒子」が、連続相中に分散している、連続相をいう。例示的な、樹脂でコーティングされたナノ粒子の分散物およびこれらを作製するための方法は、2004年6月24日に出願された、米国特許出願番号10/876,315(これは、本明細書中に参考として援用される)および2003年6月24日に出願された、米国仮出願番号60/482,167(これもまた、本明細書中に参考として援用される)において確認される。
【0045】
本発明のコーティングにおいて使用され得る例示的な特殊効果組成物としては、1つ以上の外観上の効果(例えば、反射率、真珠光沢、金属光沢、リン光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミスム(goniochromism)および/または色変化)を生じる、顔料および/または組成物が挙げられる。さらなる特殊効果組成物は、他の知覚効果(例えば、不透明性またはきめ)を提供し得る。非限定的な実施形態において、特殊効果組成物は、色シフトを生じ得、その結果、コーティングが異なる角度で観察される場合に、このコーティングの色が変化する。色効果組成物の例は、米国特許出願公開第2003/0125416号(本明細書中に参考として援用される)において確認される。さらなる色効果組成物としては、透明物質でコーティングされたマイカおよび/または合成マイカ、コーティングされたシリカ、コーティングされたアルミナ、透明液晶顔料、液晶コーティング、ならびに/あるいは干渉が材料の基材と空気との間の屈折率の差に起因するのではなく、材料内の屈折率の差から生じる、任意の組成物が挙げられ得る。
【0046】
特定の非限定的な実施形態において、感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物(これらは、1つ以上の光源に曝露される場合に、その色を可逆的に変化させる)が、本発明のコーティングにおいて使用され得る。フォトクロミック組成物および/または感光性組成物は、特定の波長の放射線への曝露によって、達成され得る。この組成物が励起されると、その分子構造が変化し、そしてこの変化した構造は、その組成物の元の色とは異なる新たな色を示す。放射線への曝露が除かれると、このフォトクロミック組成物および/または感光性組成物は、休止状態に戻り得、この状態において、この組成物の元の色が戻る。1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミック組成物および/または感光性組成物は、非励起状態において無色であり得、そして励起状態において色を示し得る。全色での変化が、数ミリ秒から数分以内(例えば、20秒〜60秒)に現れ得る。例示的なフォトクロミック組成物および/または感光性組成物としては、フォトクロミック色素が挙げられる。
【0047】
非限定的な実施形態において、感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物は、ポリマーおよび/または重合性成分のポリマー材料に、会合し得、そして/または少なくとも部分的に(例えば、共有結合によって)結合し得る。感光性組成物が基材上へのコーティングから移動し得るいくつかのコーティングとは異なり、本発明の非限定的な実施形態に従って、ポリマーおよび/または重合性成分に会合し、そして/または少なくとも部分的に結合した、感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物は、コーティングからの最小の移動を有する。例示的な感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物、ならびにこれらを作製するための方法は、2004年7月16日に出願され、本明細書中に参考として援用される、米国特許出願番号10/892,919において確認される。
【0048】
一般に、着色剤は、望ましい視覚効果および/または色効果を付与するために充分な任意の量で、コーティング組成物中に存在し得る。着色剤は、本発明の組成物の1重量%から65重量%(例えば、3重量%〜40重量%、または5重量%〜35重量%)を占め得、この重量%は、組成物の総重量に基づく。
【0049】
本発明の色調和コーティング組成物はまた、必要に応じて、他の成分(例えば、架橋剤、増量剤、紫外線(UV)吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤、レベリング剤、接着促進剤、レオロジー改変剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)および湿潤剤)を、基材に塗布されるべきコーティング組成物の総重量%に基づいて、80重量%までの総重量で含有し得る。適切な架橋剤は、コーティングの化学に基づいて、当業者によって選択され得る。例としては、カルボジイミド、アミノプラスト樹脂およびフェノプラスト樹脂ならびにこれらの混合物、ポリイソシアネートおよびブロックポリイソシアネート、無水物、ポリエポキシド、ポリ酸、ポリオールおよびポリアミンが挙げられる。水ベースのカルボジイミドは、特定の水性ベースのコーティング組成物において好ましくあり得る。なぜなら、これらは、コーティングへのかなりの量の有機溶媒の移動に寄与しないからである。架橋剤が使用される場合、この架橋剤は、硬化したコーティングの総固形分重量に基づいて、約50重量%までの量で存在する。
【0050】
さらなる任意のコーティング添加剤としては、香り効果組成物が挙げられ、香り効果組成物は、望ましい香気をコーティングに付与し、そして/または望ましくない臭気が経時的に発生することを制限する。香り効果組成物の例としては、芳香添加剤(例えば、香料および/またはオーデコロン)ならびに/あるいは臭気マスキング組成物(例えば、脱臭剤)が挙げられ得る。非限定的な実施形態において、香り効果組成物は、新たな皮革のにおいを生じさせるかまたは排除する添加剤を含有し得る。
【0051】
他の適切なコーティング成分としては、1種以上のきめ増強剤が挙げられ、これは、コーティングの表面の手触りを増強し、そして/またはコーティングのひずみ耐性を増強させる。1つの非限定的な実施形態において、きめ増強剤は、コーティングに、柔軟な手触りを付与する。本明細書中で使用される場合、用語「柔軟な手触り」とは、コーティングされた基材が、触られる場合に変化した触覚特性(例えば、模造されたビロードまたは皮革の触覚手触り)を意味する。きめ増強剤は、シリカ平面加工剤および/または蝋添加剤のような、コーティング組成物に添加され得る添加剤であり得る。例示的なシリカ平面加工剤としては、Degussa,Inc.から市販されている、ACEMATT OK 412およびACEMATT TS 100が挙げられ得る。蝋添加剤の例としては、ポリテトラエチレンオキシド、フッ素化蝋、ポリエチレン蝋ならびに天然蝋(例えば、パラフィン蝋および/またはカルナウバ蝋)が挙げられ得る。別の非限定的な実施形態において、きめ増強剤は、ポリウレタン樹脂自体に組み込まれ得る。例えば、ポリウレタンにより大きい「柔軟セグメント」を付与する成分が、使用され得る。例としては、TERATHANE 2000の名称でInvista,Inc.から市販されている、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
【0052】
色調和コーティングは、実質的に可撓性であり得、その結果、このコーティングは、優位な不可逆的変化なしで、機械的応力(例えば、屈曲、伸長および/または圧縮)を受け得る。1つの非限定的な実施形態において、このコーティングが、成形され、折り畳まれ、しわを付けられ、そして/または屈曲される場合、このコーティングの引き続く薄片化、傷および/または変化した視覚的外観は、最小にされる。例えば、このコーティングでコーティングされた可撓性基材が、延伸または圧縮される場合、色調和コーティングは、この基材がその元の大きさおよび形状に戻る際に、耐摩耗性および/または変形特性を維持し得る。
【0053】
以下の実施例は、本発明の種々の局面を説明することが意図され、本発明の範囲を限定することを意図されない。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
以下のように、水性色調和コーティング組成物を作製し、そして異なる材料を含む運動靴構成要素に塗布した。攪拌棒、熱電対、凝縮器および窒素入口を備える反応容器に、1447.3gのポリテトラメチレンエーテルグリコール(約1,000の分子量を有し、TERATHANE 1000の指定で販売されている)、145.4gのジメチロールプロピオン酸をチャージし、そして60℃まで加熱することにより、ポリウレタン分散物を作製した。965.3gのイソホロンジイソシアネートを、13分間にわたって添加し、続いて、637.5gのメチルエチルケトンおよび4.34gのジラウリン酸ジブチルスズを添加した。この反応は、72度まで発熱した。この反応温度を80度まで上昇させ、そしてその内容物を、イソシアネート当量が923.5になるまで攪拌した。次いで、114.0gのジメチロールプロピオン酸を、この反応フラスコに添加した。その内容物を、イソシアネート当量が1430.2になるまで攪拌した。
【0055】
次いで、1512.2gの上記プレポリマーを、75℃の温度で、16分間の間隔にわたって、2201.9gの脱イオン水、58gのアジピン酸二水和物および76.2gのジメチルエタノールアミンの、25℃の温度で、バッフル、二重ピッチの刃付き攪拌棒、熱電対および凝縮器を備える円筒形ガロン反応フラスコ内で515rpmで攪拌している溶液に添加した。この添加後の分散物の温度は、40℃であった。この反応内容物を、イソシアネートの証拠がFTIRによって観察されなくなるまで攪拌した。この分散物を、攪拌棒、熱電対、凝縮器および受器を備えるフラスコに移した。この分散物を50℃まで加熱し、そしてメチルエチルケトンおよび水を、減圧蒸留によって除去した。
【0056】
最終ポリウレタン分散物は、37.48重量%の固形物含有量(110℃で1時間にわたって測定)、1450センチポアズのブルックフィールド粘度(#3スピンドルを60rpmで使用)、0.240meq酸/gの酸含有量、0.247meq塩基/gの塩基含有量、1.16重量%の残留メチルエチルケトン含有量、およびDMF中77274の重量平均分子量を有した。
【0057】
56.31gのポリウレタン分散物と、14.37gのCARBODILITE V02−L2架橋剤(Nisshinbo Chemicals製)、23.56gのOneSource 9292−R3817赤色染料(PPG Industries,Inc.製)、および5.76gの脱イオン水を、ビーカー内で混合することによって、色調和コーティング組成物を作製した。これらの材料を、空気記録(pneumatic notary)空気攪拌器および低リフトインペラ刃を使用して、攪拌した。混合を、低速から中程度の速度で、5分間実施した。この混合物を、18 TXXポリエステルマルチフィラメントメッシュに通して、きれいな受器内に濾過した。得られたコーティングを、約24時間平衡化させた。
【0058】
次いで、色調和コーティング組成物を、運動靴の種々の基材材料に噴霧塗布した。この運動靴は、成形されたEVA発泡体、熱可塑性ウレタン(TPU)、PVCビニル、および合成皮革を含む。この合成皮革を、予め、ポリウレタンでコーティングした(「PUコーティングした合成皮革」)。各基材材料をイソプロパノールで清浄化し、その後、コーティングを塗布した。色調和コーティング組成物を、Binks Model 7吸引供給銃を40psiで使用して、靴構成要素の基材に噴霧塗布した。このコーティングは、10ミクロン〜50ミクロンの乾燥フィルム厚になるように塗布した。コーティングされた基材を10分間、周囲温度でフラッシュし、次いで、180°Fで5分間硬化させた。表1は、コーティングされた基材、ならびにASTM Standard D2247−99に従って実施された湿度試験の前後に得られたクロスハッチ接着特性、可撓性特性および外観特性を列挙する。
【0059】
【表1】

100%のクロスハッチ接着は、ASTM D3359の(1〜5のスケールの)5の読み取りに対応する。すなわち、接着の損失がない。
** 「OK」とは、コーティングされた基材が約1分間手で曲げられた後に、目視観察可能な亀裂もしわも存在しないことを意味する。
*** 「良好」とは、目に見える気泡を有さない滑らかなコーティングを意味する。
【0060】
図2〜4は、上に記載されたような水性色調和コーティングを有する、EVA発泡体、TPUおよび合成皮革の構成要素から組み立てられた運動靴の写真である。この靴は、「W/B」と記された、各写真の右側に見られる。この靴の中央ソールは、コーティングされたEVA発泡体を含む。赤色の上部構成要素(中央セクション、踵および舌皮)は、コーティングされた合成皮革を含む。中央セクションから靴紐にわたって延びる赤色の帯は、コーティングされたTPUを含む。
【0061】
上記結果および図2から4の「W/B」の写真から示されるように、色調和コーティングは、湿度試験の前後に、異なる基材材料の全てに接着する。このことは、このコーティングが、従来の靴の構成要素の多くをコーティングするために使用され得ることを実証する。さらに、全てのサンプルにおいて、湿度試験前には気泡が存在しなかった。一方で、湿度試験後のPVCビニルサンプルにおいて、小さい気泡のみが存在した(他の全ては良好であった)。このコーティングは、視覚的に決定される場合に、コーティングされた基材の全てに、実質的に同じ色特徴を提供した。
【0062】
(実施例2)
以下のように、溶媒ベースの色調和コーティングを作製し、そして運動靴の基材に塗布した。2成分の色素形成ポリウレタンコーティング組成物を調製した。表2に示されるように、成分Aは、2種のポリエステル樹脂および他の成分からなる。
【0063】
【表2】

成分Aと成分Bとを合わせた総重量(g)に基づく%。
DESMOPHEN 1652A − Bayer Corporationから市販されている官能性ポリエステル。
DESMOPHEN 670A−80 − Bayer Corporationから市販されている官能性ポリエステル。
濃縮された染料中の官能性アクリル粉砕ビヒクル
官能性アクリルポリオール。PPGの自動車用クリアコート。
CAB−531−1およびCAB−551−0.01 − Eastman Corporationから市販されている酪酸酢酸セルロース。
CIBA Specialty Chemicalsから市販されているTINUVIN 328およびTINUVIN 292。
ジラウリン酸ジブチルスズ。化学促進剤。
BENTONE 34、AEROSIL 200 − Elementis SpecialtiesおよびDegussa Corporationから市販されている懸濁剤。
BAYSILONE OL17 − Bayer Corporationから市販されている流動制御添加剤。
10 樹脂由来の溶媒、ならびに主として酢酸n−ブチルからなり、中程度の量のメチルエーテルプロピレングリコールアセテートおよびSOLVESSO 100芳香族溶媒(ExxonMobil Chemicalから市販されている)、ならびに少量のトルエン、キシレンおよびミネラルスピリッツを含有する添加溶媒。
11 酢酸エチル(52.3重量部)、高い初期のVM&Pを除去したナフサ(14.6重量部)、イソプロピルアルコール(13.7重量部)、n−プロポキシプロパノール(10.3重量部)、メチルエーテルプロピレングリコールアセテート(8.4重量部)およびトルエン(0.8重量部)を含有するブレンド溶媒。
12 ジアセトンアルコール(65.3重量部)、酢酸n−ブチル(24.3重量部)およびメチルエチルケトン(10.4重量部)を含有するブレンド溶媒。
13 DESMODUR N−3300 − Bayer Corporationから市販されているヘキサメチレンポリイソシアネート。
14 ExxonMobil Chemicalから市販されているSOLVESSO 100芳香族溶媒(39.8重量部)、キシレン(31.7重量部)、メチルエーテルプロピレングリコールアセテート(20.2重量部)および酢酸n−ブチル(8.3重量部)を含有する溶媒ブレンド。
15 メチルn−アミルケトン。
NCO/OH − (イソシアネートの重量/当量)/(ポリエステルポリオールの重量/当量)。
【0064】
成分Aを、以下の手順によって調製した:表2に示されるように、7.4重量%(33.12g)のポリエステルポリオール(a)および1.0重量%(4.52g)のポリエステルポリオール(b)を、一定の低速で、回転攪拌器を使用して、周囲温度で混合した。引き続いて、23.68gの酢酸n−ブチル、0.076gの10%スズ触媒溶液(90%メチルアミルケトン)および0.101gのポリシロキサン添加剤を、攪拌しながら、上記樹脂溶液に添加した。次に、4.95gのUV吸収剤/安定剤溶液および18.29gの最終溶媒ブレンド(11.4%のメチルエチルケトン、73.84%のグリコールケトンおよび17.2%のトルエンからなる)を添加して、最終クリアコート組成物を生成した。このブレンドを、中程度の速度で20分間攪拌して、手順を続ける前に、これらの構成要素の完全な攪拌を保証した。
【0065】
暗赤色の金属の外観を生じる目的で、36.62gのアルミニウムアクリル染料、3.88gのTiOアクリル染料、34.95gの黄赤色染料および47.15gの青赤色染料溶液を、クリアコートに、混合刃を使用して予備混合した。表2は、アクリル添加剤および他の染料添加剤の重量%を表示する。少量のBentone(粘土材料)および二酸化珪素を、代表的に、硬化防止の目的で、これらの染料に添加する。
【0066】
アルミニウムアクリル染料は、6.93gのToyal Alpate 7601を含有する。Toyal Alpate 7601は、粗いレンズ型のアルミニウムであり、42.44%の結合剤を有するアクリルポリオール樹脂中に分散した19.29%の顔料を有し、酢酸n−ブチル、ミネラルスピリッツおよび酢酸グリコールの溶媒ブレンド(38.27%の溶媒)を含む。TiOアクリル染料(すなわち、フロップアジャスター(flop adjuster))は、1.69gのTitane Ultrafin L 530二酸化チタン顔料を含有し、Titane Ultrafin L 530二酸化チタン顔料は、25.95%の結合剤を有するアクリルポリオール樹脂中に分散した43.59%の顔料を有し、酢酸n−ブチル、ミネラルスピリッツおよび酢酸グリコールの溶媒ブレンド(30.42%の溶媒)を含む。
【0067】
黄赤色色素溶液は、5.51gのNeozapon red 335顔料(2.0%の結合剤を有する酪酸酢酸セルロース中に分散した15.78%顔料)を含有し、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびメチルエチルケトンの溶媒ブレンド(82.22%の溶媒)を含む。青赤色色素溶液は、6.544gのNeozapon red 395顔料を含有し、2.0%の結合剤を有する酪酸酢酸セルロース樹脂中に分散した13.88%の顔料を有し、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびメチルエチルケトンの溶媒ブレンド(84.12%の溶媒)を含む。6.62gの酪酸酢酸セルロースを含有し、15.31%の結合剤を有し、酢酸n−ブチルおよび酢酸グリコールの溶媒ブレンド(84.69%の溶媒)を含む、さらなる40.73gの酪酸酢酸セルロース樹脂溶液を、湿潤剤として添加した。このサンプルを、少なくとも20分間攪拌して、顔料が樹脂系に完全に組み込まれることを確実にした。1.0gのスズ触媒溶液(90%メチルN−アミルケトン)および0.86gのUV吸収剤溶液(80%酢酸n−ブチル/芳香族溶媒)を、攪拌しながら、成分Aに添加した。
【0068】
以下の手順に従うことによって、2成分ポリウレタン組成物を調製し、そして種々の基材に塗布した。385gの成分A(溶媒減少剤(solvent reducer)を含有する)を、62.5gの成分Bのイソシアネートブレンド(表2に示されるよう倍現象剤を含有する)と2分間混合して、完全な組み込みを保証した。このコーティングのブレンドされた粘度を測定すると、#2粘度Zahnカップを使用して、19秒であった。このコーティングを、従来のBinks Model #7銃によって、50psi〜60psiの噴霧圧力および中程度の流体流れで、基材上に塗布した。このコーティングを噴霧して、約0.5ミルのフィルム蓄積厚さまで各基材を覆った。
【0069】
表2に列挙されるクリアコートを、以下のように作製した。14.73重量%(21.95g)のポリエステルポリオール(a)および2.0重量%(2.99g)のポリエステルポリオール(b)を、一定の低速で、回転攪拌器を使用して、周囲温度で混合した。引き続いて、17.68gの酢酸n−ブチル、0.057gの10%スズ触媒溶液(90%メチルアミルケトン)および0.067gのポリシロキサン添加剤を、攪拌しながら、上記樹脂溶液に添加した。次に、3.57gのUV吸収剤/安定剤溶液および13.65gの溶媒ブレンド(11.8%のメチルエチルケトン、71.4%のグリコールケトンおよび17.2%のトルエンからなる)を添加して、最終クリアコート組成物を生成した。このブレンドを、中程度の速度で20分間攪拌し、手順の継続の前に成分の完全な攪拌を保証した。
【0070】
次いで、官能性アクリルポリオールおよび非官能性アクリルポリオールを含有する、第二のクリアコート処方物を、調製した。2.05重量%(3.06g)のアクリルポリオール樹脂を、8.72重量%(13.0g)の非官能性アクリル樹脂と、回転攪拌器を使用して、周囲温度で低速で混合した。6.41gの種々の溶媒(酢酸エチル(13.2%)、メチルN−アミルケトン(23.85%)、酢酸グリコール(29.9%)および100芳香族溶媒(33.07%)からなる)を、この樹脂溶液に添加した。次に、0.43gのUV安定剤/吸収剤、0.01gの10%スズ溶液および0.065gのシリコーン添加剤を、このクリアコートに添加した。このブレンドを、中程度の速度で20分間攪拌して、成分の完全な攪拌を保証した。
【0071】
以下の手順に従うことによって、2成分ポリウレタンクリアコート組成物を調製し、そして塗布した。上記のように調製され、表2に列挙される100gの成分Aを、表2に列挙されるような16gの成分Bのイソシアネートブレンドと2分間混合して、完全な組み込みを保証した。最終コーティングのブレンドされた粘度を測定すると、#2粘度Zahnカップを使用して、24秒であった。このクリアコート組成物を、上記の表2に列挙される未硬化赤色2Kウレタンコーティング上に、従来のBinks Model #7銃によって、50psi〜60psiの噴霧圧力および中程度の流体流れで塗布した。このクリアコートを、約0.6ミルのフィルム蓄積厚さまで噴霧した。周囲温度で10分間のフラッシュを実施した。このコーティングを、180°Fで30分間、熱的に焼成した。コーティングされた基材の全てを、72°Fおよび周囲湿度で7日間条件付け、その後、完全に硬化したコーティングを保証するための試験を行った。
【0072】
コーティング組成物でコーティングされた各基材の物理特性を、表3に示す。これらのサンプルは、初期/採取接着試験、10日間の湿度試験および可撓性試験に、EVA発泡体基材、合成皮革基材および熱可塑性ポリウレタン(TPU)基材の各型にわたって、通った。標準的な試験方法ASTM D3359試験方法Bによれば、これらのコーティングされた基材の各々は、0〜5のスケールで5の分類を示し、このことは、表面上への優れた接着を示す。
【0073】
【表3】

「B」とは、ASTM Standard D3359の試験方法B(コーティングを通して基材まで格子パターンを切り、感圧性テープを貼り、そして急速に除去する)をいう。
数値は、0〜5のスケールで測定された接着を表す。5は、剥離なしを示し、そして0は、100%の接着損失を示す。
初期接着 − 硬化後に試験されたサンプル。
最終接着 − 硬化後の7日後。
【0074】
表3に示されるように、標準ASTM D2247−99の10日間の湿度試験を実施した。同じ接着試験方法を、100%相対湿度への曝露の10日後の最終接着性能について利用した。これらの結果は、両方のサンプルについて、各基材の表面上でのコーティングの損失を示さなかった。また、基材全体の上のコーティングは、5の分類の接着に合格した。
【0075】
表4に示されるように、可撓性屈曲試験を、3つの基材についてのサンプルに実施した。硬化後の7日後に、基材を180°まで1回手で屈曲させた。いずれの基材からも、コーティングの亀裂も剥離も示されなかった。
【0076】
【表4】

硬化後の7日後に180°まで手で屈曲させることによって試験されたサンプル。
コーティングは、屈曲領域に沿った亀裂を確認されなかった。
【0077】
上記のように製造した、コーティングされた基材を、図2〜4の、「S/B」と記される各写真の左側に示されるように、運動靴に組み立てた。この靴の中央ソールは、コーティングされたEVA発泡体を含む。赤色の上部構成要素(中央セクション、踵および舌皮)は、コーティングされた合成皮革を含む。中央セクションから靴紐にわたって延びる赤色帯は、コーティングされたTPUを含む。図2〜4の「S/B」に見られ得るように、コーティングされた靴は、優れた色調和を有する。
【0078】
(実施例3)
以下のように、溶媒ベースの色調和コーティングを作製し、そして運動靴基材に塗布した。2成分の色素形成したポリウレタンコーティング組成物を調製した。表5に示されるように、成分Aは、2種のポリエステル樹脂および他の成分からなる。
【0079】
【表5】

成分Aと成分Bとを合わせた総重量(g)に基づく%。
DESMOPHEN 1652A − Bayer Corporationから市販されている官能性ポリエステル。
DESMOPHEN 670A−80 − Bayer Corporationから市販されている官能性ポリエステル。
濃縮された染料中の官能性アクリル粉砕ビヒクル
官能性アクリルポリオール。PPGの自動車用クリアコート。
CAB−531−1およびCAB−551−0.01 − Eastman Corporationから市販されている酪酸酢酸セルロース。
CIBA Specialty Chemicalsから市販されているTINUVIN 328およびTINUVIN 292。
ジラウリン酸ジブチルスズ。化学促進剤。
BENTONE 34、AEROSIL 200 − Elementis SpecialtiesおよびDegussa Corporationから市販されている懸濁剤。
BAYSILONE OL17 − Bayer Corporationから市販されている流動制御添加剤。
10 樹脂由来の溶媒、ならびに主として酢酸n−ブチルからなり、中程度の量のメチルエーテルプロピレングリコールアセテートおよびSOLVESSO 100芳香族溶媒(ExxonMobil Chemicalから市販されている)、ならびに少量のトルエン、キシレンおよびミネラルスピリッツを含有する添加溶媒。
11 DISPERBYK 167およびANTI−TERRA−U 100 − BYK Chemieから市販されているレオロジー改変剤。
12 酢酸エチル(52.3重量部)、高い初期のVM&Pを除去したナフサ(14.6重量部)、イソプロピルアルコール(13.7重量部)、n−プロポキシプロパノール(10.3重量部)、メチルエーテルプロピレングリコールアセテート(8.4重量部)およびトルエン(0.8重量部)を含有するブレンド溶媒。
13 DESMODUR N−3300 − Bayer Corporationから市販されているヘキサメチレンポリイソシアネート。
14 ExxonMobil Chemicalから市販されているSOLVESSO 100芳香族溶媒(39.8重量部)、キシレン(31.7重量部)、メチルエーテルプロピレングリコールアセテート(20.2重量部)および酢酸n−ブチル(8.3重量部)を含有する溶媒ブレンド。
NCO/OH − (イソシアネートの重量/当量)/(ポリエステルポリオールの重量/当量)。
【0080】
成分Aおよび成分Bを、これらの成分が表5において上に列挙される量で提供されたことを除いて、実施例2および表2に記載される赤色コート処方物と類似の様式で、形成した。このコーティングを、EVA発泡体、合成皮革、TPUおよびナイロンの基材に、従来のBinks Model #7銃によって、60psi〜70psiの噴霧圧力および低い流体流れで塗布した。これらのコーティングを、約0.6ミルのフィルム蓄積厚さまで、各基板上に噴霧した。周囲温度で10分間のフラッシュを実施し、続いて、180℃(可撓性基材の型に依存する焼成温度)で30分間の焼成を実施した。全てのコーティングされた基材を、72°Fおよび周囲湿度で7日間条件付け、その後、完全に硬化したコーティングを保証するための試験を行った。
【0081】
コーティング組成物でコーティングされた種々の基材の物理特性を、コーティングされたEVA発泡体、合成皮革およびTPUの基材について、表6に示す。これらのサンプルは、各型の基材(EVA発泡体、合成皮革および熱可塑性ポリウレタン(TPU))にわたって、初期/最終接着試験、10日間の湿度試験および可撓性試験に通った。標準的な試験方法であるASTM D3359試験方法Bによれば、コーティングされた基材の各々は、0〜5のスケールで5の分類を示し、このことは、表面上への優れた接着を示す。
【0082】
表6に示されるように、標準的な10日間の湿度試験を実施した(ASTM D2247−99)。同じ接着試験方法を、10日間の100%相対湿度への曝露後の最終接着性能のために利用した。これらの結果は、両方のサンプルについて、各基材の表面にコーティングの損失を示さなかった。また、5つ全ての基材の両方のサンプルが、5の分類で接着(試験)に通った。
【0083】
【表6】

「B」とは、ASTM Standard D3359の試験方法B(コーティングを通して基材まで格子パターンを切り、感圧性テープを貼り、そして急速に除去する)をいう。
数値は、0〜5のスケールで測定された接着を表す。5は、剥離なしを示し、そして0は、100%の接着損失を示す。
初期接着 − 硬化後に試験されたサンプル。
最終接着 − 硬化後の7日後。
【0084】
表7に示されるように、可撓性屈曲試験を、3つの基材についてのサンプルに実施した。硬化後7日間の後、基材を180°まで、1回手で屈曲させた。いずれの基材からも、コーティングの亀裂も剥離も示されなかった。
【0085】
【表7】

硬化後の7日後に180°まで手で屈曲させることによって試験されたサンプル。
コーティングは、屈曲領域に沿った亀裂を確認されなかった。
【0086】
上記のように製造した、コーティングされた基材を、図5〜7の写真に示されるような2つの様式の運動靴に組み立てた。各靴の中央ソールは、コーティングされたEVA発泡体を含む。赤色の上部構成要素(つま先、中央セクションおよび踵)は、コーティングされた合成皮革を含む。踵インサート(図6の左の靴において最も明瞭に示される)は、コーティングされたTPUを含む。さらに、図7に示される右の靴は、色調和コーティングでコーティングされたナイロンはと目を備える。図5〜7に示されるように、優れた色調和が達成される。
【0087】
(実施例4)
在庫品で入手される市販の運動靴の一部分を、テープで覆い隠した。EVA発泡体の中央ソール、コーティングされた合成皮革の上部、およびTPUの上部の一部を、イソプロピルアルコールで清浄化し、そして水性コーティングでコーティングした。この水性コーティングは、53.33グラムの水性ポリウレタン分散物(実施例1に記載される)、14.47グラムの市販のCARBODILITE V02−L2架橋剤(Nisshinbo Chemicals製)、26.20グラムのOneSource 9292−T1467白色染料(PPG Industries,Inc.製)および6.00グラムの脱イオン水を、ビーカー中で含有した。これらの材料を、空気駆動式回転攪拌器に取り付けられた低リフトインペラ刃でブレンドした。この混合を、低速から中程度の速度で、5分間実施した。この混合物を、18 TXXポリエステルマルチフィラメントメッシュに通して、きれいな受器内に濾過し、そして平衡化させた。このコーティングを、実施例1の手順に従って噴霧塗布し、そして硬化させて、1ミル〜2ミルの乾燥フィルム厚さにした。これらの靴を3ヶ月間、ほぼ毎日ベースで着用試験した。これらの靴の、色調和コーティングでコーティングされた部分は、コーティングされていない部分よりも見た目がきれいであった。このコーティングは、接着およびコーティングの一体性を維持した。
【0088】
3ヶ月間の着用後、1つの靴を、標準的な住宅用洗浄機に入れ、そして洗濯用洗剤で洗浄した。洗浄した靴もまた、コーティングされた部分のコーティングの一体性および接着を維持した。洗浄した靴のコーティングされた部分は、未着用の靴のコーティングされた部分よりも、見た目がきれいであった。
【0089】
図8および図9は、コーティングされた靴の写真であり、この写真において、タブ付きの領域は、色調和コーティングで塗装された靴の部分を表す。図8および図9から見られ得るように、塗装された領域は、3ヶ月間の着用後、良好な色調和を示す。
【0090】
(実施例5)
2足の市販の運動靴のEVA製の中央ソールおよび皮革製の上部を、染色されたポリウレタン分散物の2つの異なる処方物でコーティングした。第一の処方物を、10gのアルミニウム染料ペーストを、ゆっくりと攪拌しながら、73gの実施例1に記載されるポリウレタン分散物と17gのカルボジイミドとの予備混合物に添加することによって、生成した。
【0091】
第二の処方物を、50gの青色ナノ顔料を分散させたポリウレタンアクリル着色剤を、37.0gの実施例1に記載されるポリウレタン分散物と9.0gのカルボジイミドとの予備混合物に添加することによって、生成した。青色ナノ顔料を分散させたアクリル着色剤を、表8において確認されるようなチャージAを、Cowles刃を用いて、ステンレス鋼製のビーカー内で攪拌することにより予備エマルジョンを作製することによって、生成した。次いで、この予備エマルジョンを、MICROFLUIDIZER M110Tに通して、8,000psiで15分間再循環させ、そしてオーバーヘッドスターラー、凝縮器、電子温度プローブ、および窒素雰囲気を備える四つ口丸底フラスコに移した。表8において確認されるようなチャージBを使用して、このMICROFLUIDIZERをすすぎ、そしてこのフラスコに添加した。このマイクロエマルジョンの温度を、30℃に調整した。表8において確認されるようなチャージCを添加し、続いてこれもまた表8において確認されるチャージDを30分間添加することによって、重合を開始させた。この反応物の温度は、56℃まで上昇した。このラテックスの最終pHは、7.24であり、不揮発性物質の含有量は、35.9%であり、そしてBrookfield粘度は、87cpsであった。
【0092】
【表8】

表8の脚注1に記載される顔料分散物を、45.0gのアクリル2、473.0gの脱イオン水、45.0gのフタロブルー(固形分重量2%)、および1800.0gのガラスビーズ(71ミクロンの平均直径を有し、Potters Glass,Inc.から市販されている)を混合することによって、調製した。この混合物を、5,000rpmで6時間製粉した。この製粉の進行を、サンプルの可視スペクトルを測定し、そして400nmの波長における吸光度の低下を観察することによって、モニターした。この製粉の経過の間、混合物の次第に増加する粘度を埋め合わせるために必要とされる場合に、200gのさらなる水を添加して、この混合物を、1ミクロンのフェルトバッグに通して濾過し、ガラスビーズを除去した。その生成物は、7.58%の不揮発性物質含有量を有した。
【0093】
表8の脚注2に記載されるようなアクリルを、20.0gのマグネゾールおよび120.0gのトルエンと、空気攪拌器、熱電対および共沸蒸留装置を備える2リットルのフラスコ内で混合することによって、生成した。この混合物を加熱還流し、そして水を共沸により除去した。次いで、この混合物を冷却し、そして窒素ブランケット下に置いた。この窒素ブランケットを維持しながら、7.5gの2,2’−ジピリジルおよび6.1gの銅(0)粉末を、この混合物に添加した。この窒素ブランケットを維持しながら、30.4gのパラ−トルエンスルホニルクロリドもまた、この混合物に添加した。169.2gのベンジルメタクリレート(benzylmathacrylate)および20.0gのグリシジルイソプロピルエーテルを、添加漏斗に添加し、そして添加前に、窒素を15分間分散させた。次いで、この169.2gのベンジルメタクリレートおよび20.0gのグリシジルイソプロピルエーテルを、この反応フラスコに添加し、そしてこの混合物を注意深く70度まで加熱した。固形物が60.7%に達したら、888.3gのMPEG(550)MAおよび250.0gのトルエンを添加漏斗にチャージし、そして窒素を15分間分散させた。次いで、70℃の反応温度を維持しながら、この888.3gのMPEG(550)MAおよび250.0gのトルエンを、この反応フラスコに、30分間にわたって添加した。この反応物を6時間加熱し、次いで冷却して、窒素ブランケット下で一晩攪拌した。この反応混合物を500gのトルエンで希釈し、次いでマグネゾールのケーキに通して濾過して、残留触媒を除去した。溶媒を減圧下で除去して、98.4%が固形分である樹脂を得た。
【0094】
表8に脚注3として記載される、ポリウレタン/尿素プレポリマーを、電子温度プローブ、機械攪拌棒、凝縮器、および加熱マントルを備える四つ口丸底フラスコ中で生成した。269.8gのN−メチル−ピロリジノン、91.1gのヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、234.7gのジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2.2gのトリフェニルホスファイト、2.2gのジラウリン酸ジブチルスズおよび2.2gのブチレート化ヒドロキシトルエンを、このフラスコ内で、100℃の温度で、全ての固形物が溶解するまで攪拌した。1000の数平均分子量を有する700.0gのポリ(ブチレンオキシド)を添加し、そしてこの混合物を、70℃まで冷却した。1,100.4gの4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を15分間にわたって添加した。481.8gのメタクリル酸ブチルを使用して、イソシアネートを含む添加漏斗をすすぎ、そしてこの混合物の温度を、90度に、さらに3時間維持した。642.5gのアクリル酸ブチルを、10分間にわたって添加した。得られた組成物を、チャージAと同定した。別のフラスコ内で、4,263.3gの水、124.7gのジメチルエタノールアミン、73.6gのジエタノールアミンおよび42.1gのエチレンジアミンを、60℃まで加熱した。得られた組成物を、チャージBと同定した。チャージAをチャージBに添加し、そして得られた混合物を、室温まで冷却した。最終生成物は、白色エマルジョンであり、15.2の酸価、800センチポアズのBrookfield粘度、7.37のpH、および28.4%の不揮発性物質含有量を有した。
【0095】
処方物の各々を、実施例1に記載されるように、EVA発泡体製中央ソールに噴霧塗布し、そして硬化させ、そして表9に示されるように、接着および気泡形成を決定するために評価した。
【0096】
【表9】

表9に示されるように、次いで、EVA発泡体製の中央ソールおよび皮革性の上部を試験して、ASTM D3359に従って初期接着を決定した。EVA発泡体は、1〜5のスケールにおいて5の初期接着を示し、摘まみ取り(pick−off)を示さず、そして100%の接着を示した。皮革製の上部は、いくらかの気泡形成および剥離を、皮革上部のいくらかの部分において有したが、アルミニウム染料ペーストの皮革製上部についての結果は、産業用の履物クロスハッチ接着試験仕様(1〜5のスケールにおいて、3〜5が合格)内であった。
【0097】
表9にまた示されるように、これらのコーティングをまた、EVA発泡体および皮革の上部に塗布し、そして100%相対湿度に、100°Fで10日間曝露し、そして湿度試験後の接着および湿度試験後の気泡形成を、ASTM D714に従って決定した。EVA発泡体製の中央ソールは、湿度試験後の接着について、1〜5のスケールにおいて5を示し、摘まみ取りを示さず、そして100%の接着を示した。EVA発泡体は、気泡形成を示さなかった。皮革製の上部は、いくらかの気泡形成を伴う、より乏しい湿度試験後の接着を示した。
【0098】
(実施例6)
47.49gの実施例2のポリウレタン分散物を、12.40gのCARBODILITE V02−L2および40.11gのフォトクロミックウレタンアクリレートと、ビーカー内で混合することによって、コーティング組成物を作製した。このフォトクロミックポリウレタンアクリレートを、表10に示される成分を記載される順序で、電子温度プローブ、機械攪拌棒、凝縮器および加熱マントルを備える四つ口丸底フラスコに添加することによって、生成した。
【0099】
【表10】

青色フォトクロミック色素である、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6,11,13−トリメチル−13−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)−3H,13H−インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピラン
2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトニル)−1−ペンチル−シクロヘキサン
2−(ジカプロラクトン)エチルアクリレート。
【0100】
チャージAをフラスコ内で攪拌し、そして90℃の温度まで30分間加熱した。チャージBをこの混合物に添加し、そしてこの混合物を90℃で60分間維持した。チャージCおよびチャージDを添加し、そしてこの混合物を90℃で30分間維持した。フォトクロミックウレタンアクリレートは、暗青色の液体であり、110℃で1時間測定すると、53.4%の不揮発性物質含有量を有する。
【0101】
最終組成物を、空気駆動式回転攪拌器に取り付けられた低リフトインペラ刃を用いてブレンドした。ポリウレタン分散物およびカルボジイミドを、40:60の比としてブレンドした。混合を、低速から中程度の速度で5分間実施した。この混合物を18 TXXポリエステルマルチフィラメントメッシュに通して、きれいな受器内に濾過した。
【0102】
コーティング組成物を、実施例1に記載されるように、EVA発泡体製の基材に噴霧塗布した。コーティングされた基材は、良好な接着、および適用された光源がコーティングから除かれた際に認容可能な退色を示した。
【0103】
同じポリウレタン分散物およびCARBODILITE V02−L2を含有する、別のコーティング組成物を、上に記載された方法と同じ方法によって、赤色フォトクロミックウレタンアクリレートを使用して調製した。表11において確認される成分を、電子温度プローブ、機械攪拌棒、凝縮器、および加熱マントルを備える四つ口丸底フラスコに添加することによって、フォトクロミック色素を生成した。
【0104】
【表11】

赤色フォトクロミック色素である2,2−ジ−(4−メトキシフェニル)−5−メトキシカルボニル−6−(2−(2−ヒドロキシ)エトキシ)エトキシ−2H−ナフトール[1,2−b]ピラン。
【0105】
チャージAをこのフラスコ内で攪拌し、そして90℃の温度まで加熱した。チャージBを添加し、そしてこの混合物を80℃で60分間維持した。チャージCを添加し、そしてこの混合物を80℃で30分間維持した。赤色フォトクロミックウレタンアクリレートは、暗赤色液体であり、43.8%の不揮発性物質含有量を有した。
【0106】
この赤色フォトクロミックウレタンアクリレート組成物を、55:15:30の重量日のポリウレタン分散物:カルボジイミド架橋剤:赤色フォトクロミックウレタンアクリレート着色剤に従って、ブレンドした、得られた赤色フォトクロミック組成物を、アクション(action)皮革基材上にスピンコーティングした。外観および光活性化は、良好であった。
【0107】
この実施例の2つのコーティング組成物の着色剤は異なったが、ベース組成物は、実質的に類似していた。同一の着色剤が、異なる基板上での優れた機械特性および視覚的特性で、同じベースコーティングにおいて代わりに使用され得る。
【0108】
(実施例7)
この実施例は、光源に依存する、異なる系の間での相対的な色の変化(ASTM D2244−93)を実証する。系「A」は、合成皮革(上部)上の実施例3に記載される赤色履物コーティングの組成物、およびEVA発泡体材料(中央ソール)上の同じコーティングである。系Bは、2つの異なる基材上の、2つの異なる色一致処方物の比較(合成皮革上のEnvirobase 5502色一致コーティング;およびEVA発泡体上のGlobal 5502色一致コーティング)である。同じ色を達成するために、2つの異なる5502コーティングの色を一致させた。6つの異なる組み合わせ(2つの系×3つの光源)を、各々5回測定して、相対的な色の変化が、単なる測定の変動の関数ではないことを実証した。この実施例において、全てのコーティングを、噴霧塗布により塗布した。デルタa(Δa)、デルタb(Δb)、デルタE(ΔE)、およびデルタL(ΔL)の特性を、Minolta Spectrophotometer CM−3600dで、CIELAB標準に従って測定した。例えば、Δaは、標本が赤色または緑色に見える程度の尺度である。これらの結果を表12に示し、そして図10にグラフで図示する。系B(2つの異なる「色を一致させた」コーティングを用いる)において、Δaの色の一致は、光源に依存して変化した。より具体的には、分光光度計によって読み取られる各コーティングの色は、日光または白熱光の下においてよりも、蛍光灯の下において、より近い。このことは、色の一致に伴う1つの問題を実証する。しかし、系A(同じコーティングが両方の基材上にある)について、分光光度計によって読み取られる色は、全ての光源の下で実質的に同じである。
【0109】
【表12】

本明細書中で使用される場合、他に明白に言及されない限り、全ての数値(例えば、値、範囲、量または百分率を表す数値)は、単語「約」が明瞭に現れない場合でさえも、単語「約」が先行するかのように読まれ得る。本明細書中に記載されるあらゆる数値範囲は、この範囲に含まれる全ての部分範囲を含むことが意図される。本明細書中で使用される場合、「a」、「an」および「the」との単数形は、複数の言及を含み得る。従って、本発明は、「a」特定の成分、構成要素などの観点(例えば、「a」ポリウレタン分散物、「a」着色剤など)で記載され得るが、1つ以上の成分、構成要素などが使用され得る。また、本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」とは、プレポリマー、オリゴマーおよびホモポリマーとコポリマーとの両方をいうことを意味する。接頭辞「ポリ」とは、2以上をいう。
【0110】
本発明の特定の実施形態が、説明の目的で上に記載されたが、本発明の細部の多数の変更が、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明から逸脱することなくなされ得ることが、当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
本特許出願は、カラーで作成された少なくとも1枚の図面を含む。カラー図面を含む本特許の副本および特許出願公開は、請求および必要料金の支払いにより、特許商標庁により提供される。
【図1】図1は、本発明の非限定的な実施形態に従って、色調和コーティングでコーティングされ得る、異なる型の基材材料から作成された複数の構成要素を備える運動靴の部分概略側面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図9】図9は、本発明の実施形態に従う色調和コーティングを備える、運動靴のカラー写真である。
【図10】図10は、異なる照明条件下および基材での、本発明の色調和コーティングについての実質的に均質な色特徴、ならびに異なる照明条件下および基材での、従来の色を一致させたコーティング組成物についての条件的または構造異性的な色特徴を示す、色可変性図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品であって、該製品は、
第一の可撓性材料を含む第一の基材;
該第一の材料とは異なる第二の材料を含む、第二の基材;ならびに
該第一の基材の少なくとも一部および該第二の基材の少なくとも一部を覆う、色調和コーティング、
を備える、製品。
【請求項2】
前記第二の基材が、可撓性材料を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記第一の基材および第二の基材が、天然皮革、合成皮革、ビニル、ナイロン、熱可塑性ウレタン、布、発泡体および/またはゴムを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記第一の基材が、天然皮革を含み、そして前記第二の基材が、合成皮革を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
前記第一の基材が、発泡体を含み、そして前記第二の基材が、天然皮革および/または合成皮革を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
前記色調和コーティングが、水性コーティングである、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
前記色調和コーティングが、溶媒ベースのコーティングである、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
前記色調和コーティングが、着色剤を含有する、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
前記着色剤が、特殊効果組成物を含有する、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
前記特殊効果組成物が、感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物を含有する、請求項9に記載の製品。
【請求項11】
前記感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物が、重合性成分のポリマーおよび/またはポリマー材料と会合している、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
前記感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物が、重合性成分のポリマーおよび/またはポリマー材料に少なくとも部分的に結合している、請求項10に記載の製品。
【請求項13】
前記着色剤が、金属光沢を生じる、請求項8に記載の製品。
【請求項14】
前記色調和コーティングが、きめ増強剤を含有する、請求項1に記載の製品。
【請求項15】
前記製品が、履物である、請求項1に記載の製品。
【請求項16】
前記履物が、運動靴である、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
履物であって、該履物は、
第一の可撓性材料を含む第一の基材;
該第一の可撓性材料とは異なる第二の可撓性材料を含む、第二の基材;ならびに
該第一の基材の少なくとも一部および該第二の基材の少なくとも一部を覆う、色調和コーティング、
を備える、履物。
【請求項18】
異なる材料の第一の可撓性基材および第二の可撓性基材を備える製品を作製する方法であって、該方法は、
該第一の可撓性基材の少なくとも一部を、色調和コーティング組成物でコーティングする工程;および
該第二の可撓性基材の少なくとも一部を、該色調和コーティング組成物でコーティングする工程、
を包含する、方法。
【請求項19】
前記色調和コーティングが前記第一の可撓性基材および第二の可撓性基材に塗布された後に、該第一の可撓性基材および第二の可撓性基材を一緒に組み立てる工程をさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記色調和コーティングが前記第一の可撓性基材および第二の可撓性基材に塗布される前に、該第一の可撓性基材および第二の可撓性基材を一緒に組み立てる工程をさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第一の基材および第二の基材が、天然皮革、合成皮革、ビニル、ナイロン、熱可塑性ウレタン、布、発泡体および/またはゴムを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第一の基材が、天然皮革を含み、そして前記第二の基材が、合成皮革を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第一の基材が、発泡体を含み、そして前記第二の基材が、天然皮革および/または合成皮革を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記色調和コーティング組成物が、着色剤および水性樹脂分散物を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記水性樹脂分散物の樹脂が、ポリウレタンを含有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記色調和コーティング組成物が、着色剤および溶媒ベースの樹脂分散物を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記溶媒ベースの樹脂分散物の樹脂が、ポリウレタンを含有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記色調和コーティングが、着色剤を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記着色剤が、特殊効果組成物を含有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記特殊効果組成物が、感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物を含有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記着色剤が、金属光沢を生じる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記色調和コーティングが、きめ増強剤を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記製品が、履物である、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記履物が、運動靴である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
異なる材料の第一の可撓性基材および第二の可撓性基材を備える履物を作製する方法であって、該方法は、
該第一の可撓性基材の少なくとも一部を、色調和コーティング組成物でコーティングする工程;および
該第二の可撓性基材の少なくとも一部を、該色調和コーティング組成物でコーティングする工程、
を包含する、方法。
【請求項36】
製品であって、該製品は、
発泡体を含む第一の基材;
第二の基材;ならびに
水性ポリウレタン樹脂および着色剤を含有する色調和コーティングであって、該第一の基材の少なくとも一部および該第二の基材の少なくとも一部が、該色調和コーティングでコーティングされている、色調和コーティング、
を備える、製品。
【請求項37】
前記製品が、履物である、請求項36に記載の製品。
【請求項38】
前記製品が、履物の構成要素である、請求項36に記載の製品。
【請求項39】
前記第一の基材が、オレフィン系発泡体を含む、請求項36に記載の製品。
【請求項40】
前記オレフィン系発泡体が、エチレン酢酸ビニルを含有する、請求項39に記載の製品。
【請求項41】
前記第二の基材が、天然皮革、合成皮革、ビニル、ナイロン、熱可塑性ウレタン、布、発泡体および/またはゴムを含む、請求項36に記載の製品。
【請求項42】
履物であって、該履物は、
発泡体を含む第一の基材;
第二の基材;ならびに
水性ポリウレタン樹脂および着色剤を含有する、色調和コーティングであって、該第一の基材の少なくとも一部および該第二の基材の少なくとも一部が、該色調和コーティングでコーティングされている、色調和コーティング、
を備える、履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−525181(P2008−525181A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548432(P2007−548432)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/046371
【国際公開番号】WO2006/071678
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】