籾摺機
【課題】籾摺選別機において籾摺ロール、籾タンクの残留穀粒や藁屑類を能率的に除去する。
【解決手段】籾摺ケース2内に設けた一対の主副籾摺ロール3,4をロール間隙調節手段13により開閉調節自在に構成し、主副籾摺ロール3,4の内周側凹部に向けて圧縮空気を噴出するエアーノズルを設け、制御部により、穀粒減少センサ43が穀粒減少を検出すると、籾摺シャッタ44を開いた状態で、穀粒・塵埃類除去用のエアーノズルから所定時間にわたり圧縮空気を噴出し籾タンク41の穀粒・塵埃類を除去し、次いで、籾摺シャッタ44を閉鎖した後に、穀粒除去用のエアーノズルから籾摺ロール3,4の内周部に圧縮空気を所定時間にわたり噴出し、残留穀粒を除去する。
【解決手段】籾摺ケース2内に設けた一対の主副籾摺ロール3,4をロール間隙調節手段13により開閉調節自在に構成し、主副籾摺ロール3,4の内周側凹部に向けて圧縮空気を噴出するエアーノズルを設け、制御部により、穀粒減少センサ43が穀粒減少を検出すると、籾摺シャッタ44を開いた状態で、穀粒・塵埃類除去用のエアーノズルから所定時間にわたり圧縮空気を噴出し籾タンク41の穀粒・塵埃類を除去し、次いで、籾摺シャッタ44を閉鎖した後に、穀粒除去用のエアーノズルから籾摺ロール3,4の内周部に圧縮空気を所定時間にわたり噴出し、残留穀粒を除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール式の籾摺機に関する。
【背景技術】
【0002】
籾摺部と、籾摺部からの混合米を混合米タンクに揚穀する混合米揚穀機と、混合米タンクからの混合米を揚穀選別する揺動選別部と、揺動選別部からの玄米を機外に取り出す玄米揚穀機とを具備し、混合米コンベヤ近傍から混合米揚穀機及び揺動選別部の玄米排出樋から玄米揚穀機にかけて複数個のエアーノズルを装着し、混合米タンク内の穀粒量の減少に連動して籾供給シャッタを開閉操作する揺動選別式籾摺機であって、エアーノズルからエアーを自動的に噴風させる残米処理装置は、公知である(特許文献1)。
【0003】
また、籾摺作業終了後に籾摺ロールにエアーを噴風させる技術も公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−55279号公報(3〜4頁、図10)
【特許文献2】特開2007−330936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術のものは、籾摺機において、籾摺作業の終了に際して、複数のエアーノズルから同時に噴風したり、あるいは、籾摺作業上手側のエアーノズルから下手側のエアーノズルを順次噴風させて、機体各部の残留穀粒を除去するものである。
【0006】
籾摺選別機で長時間にわたり籾摺作業した場合には、籾摺作業の終了近くになると、藁屑類や夾雑物が籾タンクに送り込まれて残留し、穀粒減少センサによる籾摺作業の終了を誤検出し、作業終了時におけるエアーノズルによる籾摺ロール等の残留穀粒の除去作業が適正に実行できなかったり、また、藁屑類を除去できないという不具合が発生することがある。
【0007】
そこで、本発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、籾摺ケース(2)内に設けた一対の籾摺ロール(3,4)をロール間隙調節手段(13)により開閉調節自在に構成し、籾摺ロール(3,4)の内周部(3f,4f)に向けて圧縮空気を噴出する籾摺ロール用エアーノズル(22)を設けた籾摺機において、籾摺ロール(3,4)の籾摺作業終了前に籾摺ロール用エアーノズル(22)から圧縮空気を噴出するにあたり、籾摺ロール(3,4)を回転させながらロール間隙の開閉作動を複数回繰り返しながら圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする籾摺機とする。
【0009】
請求項2の発明は、籾摺ケース(2)上に設けた籾摺用穀粒貯溜用の籾タンク(41)には塵埃類除去用のエアーノズル(22)、籾タンク開閉用の籾摺シャッタ(44)及び穀粒減少センサ(43)を設け、前記穀粒減少センサ(43)が穀粒減少を検出すると、前記籾摺シャッタ(44)を開いた状態で、前記塵埃類除去用のエアーノズル(80)から圧縮空気を噴出し、次いで、前記籾摺シャッタ(44)を閉鎖し、その後に籾摺ロール用のエアーノズル(22)から圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載の籾摺機とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、籾摺作業を終了するにあたり、籾摺ロール(3,4)の開閉作動を複数回繰り返しながらエアーノズル(22)からエアーを噴出するので、籾摺ロール(3,4)の内周部(3f,4f)に残留する穀粒を迅速に且つ確実に除去することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、籾タンク(41)内の籾が設定量以下になったことを穀粒減少センサ(43)が検出すると、籾摺ロール(3,4)の籾摺作業を終了するにあたり、籾タンク(31)の残留する藁屑類や穀粒を塵埃類除去用のエアーノズル(22)で除去した後に、籾摺ロール(3,4)の開閉作動をしながらエアーノズル(22,…)からエアーを噴出するので、籾タンク(41)及び籾摺ロール(3,4)の残留穀粒や藁屑類を確実に除去することができ、また、穀粒減少センサ(43)の藁屑類による誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】籾摺装置の正面図。
【図2】平面から見た籾摺装置の内部を説明する図。
【図3】側面から見た籾摺装置の内部を説明する図。
【図4】背面から見た籾摺装置の内部を説明する図。
【図5】籾摺選別機の正面図。
【図6】籾摺選別機の平面図。
【図7】籾摺選別機の側面図
【図8】別実施例の籾タンクの内部を説明する図。
【図9】籾摺装置の伝動構成及び内部を説明する図。
【図10】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図11】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図12】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図13】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図14】穀粒乾燥施設、籾摺部のブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいてこの発明の実施例について説明する。
この揺動選別板式籾摺選別機は、図5に示すように、籾摺部31と、籾摺部31の籾タンク41へ穀粒を揚穀する籾摺エレベータ32と、籾摺部31からの摺落米を風選する摺落米風選部33と、摺落米風選部33からの混合米を籾と玄米に分離選別する揺動選別板式混合米選別部34と、混合米選別部34で選別された玄米を揚穀する粒選別エレベータ35と、玄米を粒選別する粒選別部36と、籾摺選別機を操作する操作盤Sと、操作盤Sに内蔵された制御部Cを備えている。
【0014】
籾摺部31の籾摺ケース2には、左右一対の主籾摺ロ−ル3と副籾摺ロ−ル4からなる籾摺ロール1を配設している。主籾摺ロール3の籾摺ロール軸3a、及び副籾摺ロール4の籾摺ロール軸4aを前後方向に沿わせて所定位置に支持している。籾摺ケース2の側には、図9に示すように、横軸心回りに左右方向に回動する揺動アーム24を設け、揺動アーム24は副籾摺ロール4と籾摺間隙調節シリンダ13とそれぞれ連結する構成とし、籾摺間隙調節シリンダ13の伸縮動作により、揺動アーム24が横軸心回りに回動するに伴って副籾摺ロール4も前後方向に調節自在に移動することで、主籾摺ロール3と副籾摺ロール4との間隙を開閉調節するようにしている。5は籾タンク内の籾を籾摺ロール1の間隙に繰出す繰出しロールである。6は籾摺ロール間隙を視認するための点検窓である。
【0015】
また、エアーコンプレッサ51からエア調節装置10に圧縮空気を供給し、更にエア調節装置10から籾摺間隙用エアホース13aを介して籾摺間隙調節シリンダ13に供給する構成としている。
【0016】
また、籾摺ケース2の上部には籾摺モータ16を配設し、図4に示すように、籾摺モータ16のプーリ17a、テンションプーリ17b、主籾摺ロール3のプーリ17c、副籾摺ロール4のプーリ17e、繰出しロール5のプーリ17fに、伝動ベルト18を巻き掛け、主籾摺ロール3と副籾摺ロール4とを互いに逆方向に回転駆動するように構成している。
【0017】
次に、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の内周部の残留物排除構成について説明する。
エア調節装置10の圧縮空気を表側及び裏側の籾摺ロール用エアホース21を経由して籾摺ロール用エアーノズル22に供給し、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の表側及び裏側の内周部3f,4fに向けて圧縮空気を噴出し、穀粒や塵埃類等の残留物を排除し、籾摺ケース2の下部から下方の摺落米風選部33に落下排出するようにしている。
【0018】
また、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4を、籾摺ロール軸3a,4aに取り付けているロールボス部3b,4bと、ロールボス部3b,4bの外周部に取り付けられている籾摺ロールのドラム部3d,4dと、ドラム部3d,4dの外周を覆うゴムロール部3e,4eとにより構成されていて、外周側の籾摺ロール部3e,4e及びドラム部3d,4dが前後両側に突出し、内周側のロールボス部3b,4bが内側に凹んだ形状となり、ドラム部3d,4dの内側に空間部である内周部3f,4fを形成している。ドラム部3d,4dとロールボス部3b,4bとをボルト7で着脱する構成である。
【0019】
そして、主籾摺ロール3の内周部3f及び副籾摺ロール4の正面側の内周部4fにエアーを噴出するにあたり、図1に示すように、籾摺ロール用エアーノズル22a,22bの空気噴出位置を正面視で籾摺ロール軸3a,4aの位置から外周側に偏位した部位に配置している。
【0020】
籾摺ロール用エアーノズル22から籾摺ロール1の中心部である籾摺ロール軸3a,4aに沿うようにエアーを噴出する構成であると、籾摺ロール軸3a,4aの端部に衝突したエアーが全周方向に均等に流れて弱まり、残留穀粒の除去作用が不十分となって内周部4fに穀粒が残留し、除去するのが手間がかかるという不具合が発生する。またいわゆるコンタミを考慮しても望ましくない。
【0021】
しかし、前記構成によると、籾摺ロール用エアーノズル22から主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4における内周部3f,4fの中心から偏位した一側部位に向けて圧縮空気を噴出するので、ロールボス部3b,4b、円板部3c,4cに噴出した空気が衝突すると、内周部3f,4fの他側に流れ内周部3f,4fから穀粒を効率的に除去することができる。
【0022】
また、主籾摺ロール3と副籾摺ロール4の裏面側に籾摺ロール用エアーノズル22c,22dを設けるにあたり、表面と同様に籾摺ロール軸3a,4aの位置から外周側に偏位した部位に配置している。
【0023】
前記構成によると、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4を取り外さずに、籾摺ロールの前後両側の内周部3f,4fに堆積する残留穀粒類を除去することができる。
次に、籾摺ケース2の開閉扉30の構成について図1、図2に基づいて説明する。
【0024】
籾摺ケース2の正面側には開閉扉30を縦軸心に開閉自在に設け、この開閉扉30を表板30a及び裏板30bにより二重構造として内部に空洞部30cを構成し、この空洞部30c内に籾摺ロール用エアホース21を配設している。また、裏板30bから籾摺ロール用エアーノズル22を主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4側に向けて突出するように設けている。そして、図9に示すように正面視において、エアーノズル22の先端を主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の正面側端面に対して間隙を設けるか、あるいは、わずかに籾摺ロールの内周部3f,4f側に突出するように構成している。
【0025】
前記構成によると、籾摺ロール用ホース21を開閉扉30の表板30a及び裏板30b内の空洞部30cに内装しているので、美観を向上させることができ、また、籾摺ロール用エアホース21の主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4との干渉を防止することができる。
【0026】
次に、籾摺部31の残留穀粒除去工程について説明する。
籾摺部31の籾タンク41には塵埃類除去用のエアーノズル80を配設し、籾タンク41内の残留穀粒及び残留夾雑物を除去するように構成し、塵埃類除去用のエアーノズル80より下位位置に穀粒減少センサ43を配設して籾タンク41内の籾の減少を検出し、籾摺作業の終了間近を検出できるように構成している。また、籾タンク41の底部には空気シリンダ45で開閉する籾摺シャッタ44を設けている。
【0027】
籾摺作業の終了間近の工程について詳述すると、穀粒減少センサ43が籾タンク41の穀粒減少を検出すると、制御部Cの指令により、籾タンク41の塵埃類除去用のエアーノズル22から所定時間にわたり圧縮空気を噴出して籾タンク41内の藁屑類や残留穀粒等を籾摺ケース2内に吹き飛ばして除去する。次いで、籾タンク41の籾摺シャッタ44を閉鎖し、籾摺ロール1への穀粒の供給を停止する。次いで、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4を回転させながら副籾摺ロール4を移動させてロール間隙の開閉作動を複数回繰り返し穀粒を振り落しながら籾摺ロール用エアーノズル22からエアーを噴出し、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の内周部3f,4fに残留している穀粒を除去する。
【0028】
この構成によると、籾摺ロール1の籾摺作業を終了するにあたり、籾タンク41の藁屑類の除去した後に、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の開閉作動を複数回繰り返しながら籾摺ロール用エアーノズル22からエアーを噴出し残留穀粒を除去するので、迅速に主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の内周部3f,4fの残留穀粒を確実に除去することができる。
【0029】
また、籾タンク41の穀粒や底部に残留している塵埃類の夾雑物を確実に除去し、穀粒減少センサ43の誤検出を防止することができる。
次に、図10に示す実施例について説明する。
【0030】
また、籾摺選別機の近傍には穀粒色彩選別機37や、穀粒計量器38や、エアーガン39を配設し、これらの穀粒残留個所にも籾摺ロール用エアノズル22と同様に残留穀粒除去用のエアーノズル82,83,84を配設し、残留穀粒を除去するように構成している。
【0031】
残留穀粒除去用のエアーノズル82,83,84にはコンプレッサ51からメインホース120,サブホース121を経由して圧縮空気を送る構成としている。また、サブホース21には圧力センサ52、切替弁53及びエアーコック54をそれぞれ設けている。
【0032】
しかして、各サブホース121の空気圧力を圧力センサ52により検出し、空気圧力の基準値以下の低下を検出すると、制御部Cのエアー供給停止指令により、切替弁53を切り側に作動し、圧縮空気の噴出を停止する。また、圧力センサ52の検出値が基準値以上に回復すると、制御部Cの圧縮空気供給再開指令により、切替弁53を開調節し、圧縮空気の噴出を再開するようにしている。
【0033】
なお、所定時間が経過し、穀粒の除去作業が終了すると、エアーコック54を閉調節する。
前記構成によると、籾摺ロール用エアーノズル22や穀粒除去用のエアーノズル82,83,84からの圧縮空気を基準圧力に維持しながら噴出させることができ、残留穀粒の除去を確実に行なうことができる。
【0034】
次に、図11に示す実施例について説明する。
操作盤56には清掃ON/OFFスイッチ57を設け、籾摺エレベータ32のサブホース121の切替弁53の上手側には第1圧力センサ52aを、下手側に第2圧力センサ52bを設けている。
【0035】
しかして、コントローラの指令に基づき第1圧力センサ52a及び第2圧力センサ52bの検出圧力値が基準値以上か否かを判定し、基準値以上であると、所定の清掃時間の減算処理を開始し、エアーノズル82から圧縮空気を噴出し、清掃作業を実行する。
【0036】
また、検出圧力値が基準値以下であると、所定の清掃時間の減算処理を開始せず、切替弁53を閉調節し、清掃作業を中止する。次いで、所定時間後に第1圧力センサ52a及び第2圧力センサ52bで空気圧力を再度検出し、基準値以上であると、所定の清掃時間の減算処理を開始し、清掃作業を実行する。清掃作業が終了すると、清掃ON/OFFスイッチ57をOFFとし、清掃作業を終了する。
【0037】
前記構成によると、穀粒除去用エアーノズル22から所定圧力の圧縮空気を噴出しながら、穀粒の除去を確実に行なうことができる。
次に、図12により籾摺部31の主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙制御構成について説明する。
【0038】
主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4をエアーシリンダ13により開閉調節する籾摺装置において、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙をエアーシリンダ13により開閉調節可能に構成し、操作盤56に籾摺作業あるいは麦選別作業を選択する籾麦選択スイッチ61を設け、この籾麦選択スイッチ61の籾麦選択に応じて主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を籾作業状態あるいは麦作業状態に設定調節しようとするものである。
【0039】
コンプレッサ51から圧縮空気の供給されるメインホース120には、始端側から終端側に向けて籾用空気圧力設定器62、切替弁63を設けている。切替弁63の第1ポートとエアーシリンダ13の一側とを第1メインホース12cで接続し、切替弁63の第2ポートとエアーシリンダ13の他側とを第2メインホース12dで接続している。
【0040】
第1メインホース12cの始端側から終端側にかけて、麦用空気圧力設定器64、第2切替弁65、スピード制御部(ロール閉側)66aを設け、また、第2メインホース12dにスピード制御部(ロール開側)66bを設けている。
【0041】
しかして、籾麦選択スイッチ61により籾作業を選択すると、コントローラ(図示省略)の制御指令により、籾用空気圧力設定器62が高圧(例えば0.4MPa)の籾作業状態に設定され、切替弁63が第1切替部63aに切り替えられ、第1メインホース120cが空気送り状態に切り替えられる。従って、エアーシリンダ13の一側に高圧空気が送り込まれ、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4が閉調節状態で圧接されて籾摺作業が行われる。
【0042】
また、籾麦選択スイッチ61により麦作業を選択すると、麦用空気圧力設定器64が低圧(例えば0.2PMa)の麦作業状態に設定され、切替弁63が第2切替部63bに切り替えられ、第2メインホース120dとメインホース120とが連通しエアー送り状態になり、第2切替弁65により第1メインホース120cが空気戻り側に切り替えられる。従って、エアーシリンダ13の他側に低圧エアーが送り込まれ、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4が開調節状態となり、麦を圧接しない麦選別作業が行われる。
【0043】
前記構成によると、籾麦選択スイッチ61により籾作業あるいは麦作業を選択することにより、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を籾作業状態あるいは麦作業状態に確実に切り替えることができ、作業を円滑に実行することができる。
【0044】
なお、籾摺部31の籾タンク41に穀粒種別検出用の穀粒センサ(図示省略)を設けて籾、麦の別を検出し、穀粒センサが籾を検出したときには、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を閉調節し、また、麦を検出したときには、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を開調節するように構成してもよい。
【0045】
次に、図13について説明する。
穀粒乾燥機72、籾摺選別機73等を備えた穀粒乾燥調製施設において、これらの総ての穀粒タンク71に残留穀粒や塵埃類除去用の籾摺ロール用エアーノズル22、穀粒満杯センサ42及び穀粒減少センサ43を配設し、籾摺ロール用エアーノズル22から圧縮空気を噴出し、穀粒タンク71から残留穀粒や塵埃類を除去可能に構成している。また、これら穀粒タンク71の底部にエアーノッカー72を設け、エアーノッカー72に圧縮空気を間欠的に送ってタンク底部を殴打し、残留穀粒や塵埃類を排出可能に構成している。
【0046】
しかして、乾燥籾摺作業中に穀粒減少センサ43が穀粒タンク71の穀粒減少を検出し、所定時間経過して穀粒が排出されると、コントローラ(図示省略)の指令により、エアーノッカー72に圧縮空気が所定時間にわたり間欠的に送られ、エアーノッカー72により穀粒タンク71の底部を殴打し、残留穀粒や塵埃類を落下排出する。次いで、籾摺ロール用エアーノズル22から所定時間にわたり圧縮空気を噴出し、残留穀粒や塵埃類を除去することができる。
【0047】
前記構成によると、乾燥籾摺作業の終了時には、エアーノッカー72及び籾摺ロール用エアーノズル22を作動し、穀粒タンク71の残留穀粒や塵埃類を確実に除去することができる。
【0048】
次に、図8に基づき籾摺部31の籾タンク41の他の実施例について説明する。
籾タンク41の上部には、砂等の小さな異物除去用の一次選別網体41aを斜設し、その下方には比較的大きな夾雑物除去用の二次選別網体41bを斜設し、その下部取出口に開閉自在の排出弁41cを設けている。そして、この排出弁41cをコントローラ(図示省略)の指令により所定時間毎に開調節し、比較的大きな夾雑物を機外へ排出するようにしている。そして、二次選別された穀粒をタンク下部の穀粒取出口41dから下方の籾摺ロールに供給するようにしている。なお、二次選別網体41bが目詰りすると、二次選別網体41bの上部から穀粒はオーバーフローし、穀粒取出口41dから籾摺ロールに供給される。
【0049】
前記構成によると、籾タンク41に簡単に穀粒選別機能を組み込むことができる。
次に、図14について説明する。穀粒乾燥機(図示省略)で乾燥調製した穀粒を放冷タンク76,…に貯溜し、放冷タンク76の穀粒を穀粒搬送コンベヤ77、籾摺エレベータ32を経由して籾摺選別機の籾タンク41に供給可能に構成している。また、籾タンク41には、前記一次選別網体41a、二次選別網体41b、排出弁41c及び穀粒取出口41dを設けている。
【0050】
そして、穀粒搬送コンベヤ77の放冷タンク76の下手側部位には、それぞれ穀粒有無検出センサ79、…を設け、穀粒有無検出センサ79,…が穀粒なしを検出すると、コントローラ(図示省略)の指令により、所定時間経過後に籾タンク41の前記排出弁41cを開調節し、放冷タンク76,…から送られた最終の穀粒を機外へ排出するようにしている。
【0051】
前記構成によると、放冷タンク76,…の最終の穀粒には夾雑物が多く混じっているが、このような穀粒を機外に排出することができ、籾摺選別機での籾摺選別作業を円滑に行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本実施の形態では揺動式の籾摺選別機について説明したが、籾を籾摺りして精米する籾摺精米設備にも利用できる。特に不特定多数の利用者が持参した籾を籾摺りする料金式の籾摺精米設備の籾摺ロールに利用することで、異なる利用者の籾が混ざらないという効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0053】
2 籾摺ケース
3 主籾摺ロール
3a 主籾摺ロールのロール軸
4 副籾摺ロール
4a 副籾摺ロールのロール軸
13 ロール間隙調節手段
21 籾摺ロール用エアーホース
22 籾摺ロール用エアーノズル
41 籾タンク
44 籾摺シャッタ
43 穀粒減少センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール式の籾摺機に関する。
【背景技術】
【0002】
籾摺部と、籾摺部からの混合米を混合米タンクに揚穀する混合米揚穀機と、混合米タンクからの混合米を揚穀選別する揺動選別部と、揺動選別部からの玄米を機外に取り出す玄米揚穀機とを具備し、混合米コンベヤ近傍から混合米揚穀機及び揺動選別部の玄米排出樋から玄米揚穀機にかけて複数個のエアーノズルを装着し、混合米タンク内の穀粒量の減少に連動して籾供給シャッタを開閉操作する揺動選別式籾摺機であって、エアーノズルからエアーを自動的に噴風させる残米処理装置は、公知である(特許文献1)。
【0003】
また、籾摺作業終了後に籾摺ロールにエアーを噴風させる技術も公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−55279号公報(3〜4頁、図10)
【特許文献2】特開2007−330936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術のものは、籾摺機において、籾摺作業の終了に際して、複数のエアーノズルから同時に噴風したり、あるいは、籾摺作業上手側のエアーノズルから下手側のエアーノズルを順次噴風させて、機体各部の残留穀粒を除去するものである。
【0006】
籾摺選別機で長時間にわたり籾摺作業した場合には、籾摺作業の終了近くになると、藁屑類や夾雑物が籾タンクに送り込まれて残留し、穀粒減少センサによる籾摺作業の終了を誤検出し、作業終了時におけるエアーノズルによる籾摺ロール等の残留穀粒の除去作業が適正に実行できなかったり、また、藁屑類を除去できないという不具合が発生することがある。
【0007】
そこで、本発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、籾摺ケース(2)内に設けた一対の籾摺ロール(3,4)をロール間隙調節手段(13)により開閉調節自在に構成し、籾摺ロール(3,4)の内周部(3f,4f)に向けて圧縮空気を噴出する籾摺ロール用エアーノズル(22)を設けた籾摺機において、籾摺ロール(3,4)の籾摺作業終了前に籾摺ロール用エアーノズル(22)から圧縮空気を噴出するにあたり、籾摺ロール(3,4)を回転させながらロール間隙の開閉作動を複数回繰り返しながら圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする籾摺機とする。
【0009】
請求項2の発明は、籾摺ケース(2)上に設けた籾摺用穀粒貯溜用の籾タンク(41)には塵埃類除去用のエアーノズル(22)、籾タンク開閉用の籾摺シャッタ(44)及び穀粒減少センサ(43)を設け、前記穀粒減少センサ(43)が穀粒減少を検出すると、前記籾摺シャッタ(44)を開いた状態で、前記塵埃類除去用のエアーノズル(80)から圧縮空気を噴出し、次いで、前記籾摺シャッタ(44)を閉鎖し、その後に籾摺ロール用のエアーノズル(22)から圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載の籾摺機とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、籾摺作業を終了するにあたり、籾摺ロール(3,4)の開閉作動を複数回繰り返しながらエアーノズル(22)からエアーを噴出するので、籾摺ロール(3,4)の内周部(3f,4f)に残留する穀粒を迅速に且つ確実に除去することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、籾タンク(41)内の籾が設定量以下になったことを穀粒減少センサ(43)が検出すると、籾摺ロール(3,4)の籾摺作業を終了するにあたり、籾タンク(31)の残留する藁屑類や穀粒を塵埃類除去用のエアーノズル(22)で除去した後に、籾摺ロール(3,4)の開閉作動をしながらエアーノズル(22,…)からエアーを噴出するので、籾タンク(41)及び籾摺ロール(3,4)の残留穀粒や藁屑類を確実に除去することができ、また、穀粒減少センサ(43)の藁屑類による誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】籾摺装置の正面図。
【図2】平面から見た籾摺装置の内部を説明する図。
【図3】側面から見た籾摺装置の内部を説明する図。
【図4】背面から見た籾摺装置の内部を説明する図。
【図5】籾摺選別機の正面図。
【図6】籾摺選別機の平面図。
【図7】籾摺選別機の側面図
【図8】別実施例の籾タンクの内部を説明する図。
【図9】籾摺装置の伝動構成及び内部を説明する図。
【図10】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図11】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図12】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図13】籾摺選別機のエアの回路を説明する図。
【図14】穀粒乾燥施設、籾摺部のブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいてこの発明の実施例について説明する。
この揺動選別板式籾摺選別機は、図5に示すように、籾摺部31と、籾摺部31の籾タンク41へ穀粒を揚穀する籾摺エレベータ32と、籾摺部31からの摺落米を風選する摺落米風選部33と、摺落米風選部33からの混合米を籾と玄米に分離選別する揺動選別板式混合米選別部34と、混合米選別部34で選別された玄米を揚穀する粒選別エレベータ35と、玄米を粒選別する粒選別部36と、籾摺選別機を操作する操作盤Sと、操作盤Sに内蔵された制御部Cを備えている。
【0014】
籾摺部31の籾摺ケース2には、左右一対の主籾摺ロ−ル3と副籾摺ロ−ル4からなる籾摺ロール1を配設している。主籾摺ロール3の籾摺ロール軸3a、及び副籾摺ロール4の籾摺ロール軸4aを前後方向に沿わせて所定位置に支持している。籾摺ケース2の側には、図9に示すように、横軸心回りに左右方向に回動する揺動アーム24を設け、揺動アーム24は副籾摺ロール4と籾摺間隙調節シリンダ13とそれぞれ連結する構成とし、籾摺間隙調節シリンダ13の伸縮動作により、揺動アーム24が横軸心回りに回動するに伴って副籾摺ロール4も前後方向に調節自在に移動することで、主籾摺ロール3と副籾摺ロール4との間隙を開閉調節するようにしている。5は籾タンク内の籾を籾摺ロール1の間隙に繰出す繰出しロールである。6は籾摺ロール間隙を視認するための点検窓である。
【0015】
また、エアーコンプレッサ51からエア調節装置10に圧縮空気を供給し、更にエア調節装置10から籾摺間隙用エアホース13aを介して籾摺間隙調節シリンダ13に供給する構成としている。
【0016】
また、籾摺ケース2の上部には籾摺モータ16を配設し、図4に示すように、籾摺モータ16のプーリ17a、テンションプーリ17b、主籾摺ロール3のプーリ17c、副籾摺ロール4のプーリ17e、繰出しロール5のプーリ17fに、伝動ベルト18を巻き掛け、主籾摺ロール3と副籾摺ロール4とを互いに逆方向に回転駆動するように構成している。
【0017】
次に、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の内周部の残留物排除構成について説明する。
エア調節装置10の圧縮空気を表側及び裏側の籾摺ロール用エアホース21を経由して籾摺ロール用エアーノズル22に供給し、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の表側及び裏側の内周部3f,4fに向けて圧縮空気を噴出し、穀粒や塵埃類等の残留物を排除し、籾摺ケース2の下部から下方の摺落米風選部33に落下排出するようにしている。
【0018】
また、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4を、籾摺ロール軸3a,4aに取り付けているロールボス部3b,4bと、ロールボス部3b,4bの外周部に取り付けられている籾摺ロールのドラム部3d,4dと、ドラム部3d,4dの外周を覆うゴムロール部3e,4eとにより構成されていて、外周側の籾摺ロール部3e,4e及びドラム部3d,4dが前後両側に突出し、内周側のロールボス部3b,4bが内側に凹んだ形状となり、ドラム部3d,4dの内側に空間部である内周部3f,4fを形成している。ドラム部3d,4dとロールボス部3b,4bとをボルト7で着脱する構成である。
【0019】
そして、主籾摺ロール3の内周部3f及び副籾摺ロール4の正面側の内周部4fにエアーを噴出するにあたり、図1に示すように、籾摺ロール用エアーノズル22a,22bの空気噴出位置を正面視で籾摺ロール軸3a,4aの位置から外周側に偏位した部位に配置している。
【0020】
籾摺ロール用エアーノズル22から籾摺ロール1の中心部である籾摺ロール軸3a,4aに沿うようにエアーを噴出する構成であると、籾摺ロール軸3a,4aの端部に衝突したエアーが全周方向に均等に流れて弱まり、残留穀粒の除去作用が不十分となって内周部4fに穀粒が残留し、除去するのが手間がかかるという不具合が発生する。またいわゆるコンタミを考慮しても望ましくない。
【0021】
しかし、前記構成によると、籾摺ロール用エアーノズル22から主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4における内周部3f,4fの中心から偏位した一側部位に向けて圧縮空気を噴出するので、ロールボス部3b,4b、円板部3c,4cに噴出した空気が衝突すると、内周部3f,4fの他側に流れ内周部3f,4fから穀粒を効率的に除去することができる。
【0022】
また、主籾摺ロール3と副籾摺ロール4の裏面側に籾摺ロール用エアーノズル22c,22dを設けるにあたり、表面と同様に籾摺ロール軸3a,4aの位置から外周側に偏位した部位に配置している。
【0023】
前記構成によると、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4を取り外さずに、籾摺ロールの前後両側の内周部3f,4fに堆積する残留穀粒類を除去することができる。
次に、籾摺ケース2の開閉扉30の構成について図1、図2に基づいて説明する。
【0024】
籾摺ケース2の正面側には開閉扉30を縦軸心に開閉自在に設け、この開閉扉30を表板30a及び裏板30bにより二重構造として内部に空洞部30cを構成し、この空洞部30c内に籾摺ロール用エアホース21を配設している。また、裏板30bから籾摺ロール用エアーノズル22を主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4側に向けて突出するように設けている。そして、図9に示すように正面視において、エアーノズル22の先端を主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の正面側端面に対して間隙を設けるか、あるいは、わずかに籾摺ロールの内周部3f,4f側に突出するように構成している。
【0025】
前記構成によると、籾摺ロール用ホース21を開閉扉30の表板30a及び裏板30b内の空洞部30cに内装しているので、美観を向上させることができ、また、籾摺ロール用エアホース21の主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4との干渉を防止することができる。
【0026】
次に、籾摺部31の残留穀粒除去工程について説明する。
籾摺部31の籾タンク41には塵埃類除去用のエアーノズル80を配設し、籾タンク41内の残留穀粒及び残留夾雑物を除去するように構成し、塵埃類除去用のエアーノズル80より下位位置に穀粒減少センサ43を配設して籾タンク41内の籾の減少を検出し、籾摺作業の終了間近を検出できるように構成している。また、籾タンク41の底部には空気シリンダ45で開閉する籾摺シャッタ44を設けている。
【0027】
籾摺作業の終了間近の工程について詳述すると、穀粒減少センサ43が籾タンク41の穀粒減少を検出すると、制御部Cの指令により、籾タンク41の塵埃類除去用のエアーノズル22から所定時間にわたり圧縮空気を噴出して籾タンク41内の藁屑類や残留穀粒等を籾摺ケース2内に吹き飛ばして除去する。次いで、籾タンク41の籾摺シャッタ44を閉鎖し、籾摺ロール1への穀粒の供給を停止する。次いで、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4を回転させながら副籾摺ロール4を移動させてロール間隙の開閉作動を複数回繰り返し穀粒を振り落しながら籾摺ロール用エアーノズル22からエアーを噴出し、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の内周部3f,4fに残留している穀粒を除去する。
【0028】
この構成によると、籾摺ロール1の籾摺作業を終了するにあたり、籾タンク41の藁屑類の除去した後に、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の開閉作動を複数回繰り返しながら籾摺ロール用エアーノズル22からエアーを噴出し残留穀粒を除去するので、迅速に主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4の内周部3f,4fの残留穀粒を確実に除去することができる。
【0029】
また、籾タンク41の穀粒や底部に残留している塵埃類の夾雑物を確実に除去し、穀粒減少センサ43の誤検出を防止することができる。
次に、図10に示す実施例について説明する。
【0030】
また、籾摺選別機の近傍には穀粒色彩選別機37や、穀粒計量器38や、エアーガン39を配設し、これらの穀粒残留個所にも籾摺ロール用エアノズル22と同様に残留穀粒除去用のエアーノズル82,83,84を配設し、残留穀粒を除去するように構成している。
【0031】
残留穀粒除去用のエアーノズル82,83,84にはコンプレッサ51からメインホース120,サブホース121を経由して圧縮空気を送る構成としている。また、サブホース21には圧力センサ52、切替弁53及びエアーコック54をそれぞれ設けている。
【0032】
しかして、各サブホース121の空気圧力を圧力センサ52により検出し、空気圧力の基準値以下の低下を検出すると、制御部Cのエアー供給停止指令により、切替弁53を切り側に作動し、圧縮空気の噴出を停止する。また、圧力センサ52の検出値が基準値以上に回復すると、制御部Cの圧縮空気供給再開指令により、切替弁53を開調節し、圧縮空気の噴出を再開するようにしている。
【0033】
なお、所定時間が経過し、穀粒の除去作業が終了すると、エアーコック54を閉調節する。
前記構成によると、籾摺ロール用エアーノズル22や穀粒除去用のエアーノズル82,83,84からの圧縮空気を基準圧力に維持しながら噴出させることができ、残留穀粒の除去を確実に行なうことができる。
【0034】
次に、図11に示す実施例について説明する。
操作盤56には清掃ON/OFFスイッチ57を設け、籾摺エレベータ32のサブホース121の切替弁53の上手側には第1圧力センサ52aを、下手側に第2圧力センサ52bを設けている。
【0035】
しかして、コントローラの指令に基づき第1圧力センサ52a及び第2圧力センサ52bの検出圧力値が基準値以上か否かを判定し、基準値以上であると、所定の清掃時間の減算処理を開始し、エアーノズル82から圧縮空気を噴出し、清掃作業を実行する。
【0036】
また、検出圧力値が基準値以下であると、所定の清掃時間の減算処理を開始せず、切替弁53を閉調節し、清掃作業を中止する。次いで、所定時間後に第1圧力センサ52a及び第2圧力センサ52bで空気圧力を再度検出し、基準値以上であると、所定の清掃時間の減算処理を開始し、清掃作業を実行する。清掃作業が終了すると、清掃ON/OFFスイッチ57をOFFとし、清掃作業を終了する。
【0037】
前記構成によると、穀粒除去用エアーノズル22から所定圧力の圧縮空気を噴出しながら、穀粒の除去を確実に行なうことができる。
次に、図12により籾摺部31の主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙制御構成について説明する。
【0038】
主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4をエアーシリンダ13により開閉調節する籾摺装置において、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙をエアーシリンダ13により開閉調節可能に構成し、操作盤56に籾摺作業あるいは麦選別作業を選択する籾麦選択スイッチ61を設け、この籾麦選択スイッチ61の籾麦選択に応じて主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を籾作業状態あるいは麦作業状態に設定調節しようとするものである。
【0039】
コンプレッサ51から圧縮空気の供給されるメインホース120には、始端側から終端側に向けて籾用空気圧力設定器62、切替弁63を設けている。切替弁63の第1ポートとエアーシリンダ13の一側とを第1メインホース12cで接続し、切替弁63の第2ポートとエアーシリンダ13の他側とを第2メインホース12dで接続している。
【0040】
第1メインホース12cの始端側から終端側にかけて、麦用空気圧力設定器64、第2切替弁65、スピード制御部(ロール閉側)66aを設け、また、第2メインホース12dにスピード制御部(ロール開側)66bを設けている。
【0041】
しかして、籾麦選択スイッチ61により籾作業を選択すると、コントローラ(図示省略)の制御指令により、籾用空気圧力設定器62が高圧(例えば0.4MPa)の籾作業状態に設定され、切替弁63が第1切替部63aに切り替えられ、第1メインホース120cが空気送り状態に切り替えられる。従って、エアーシリンダ13の一側に高圧空気が送り込まれ、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4が閉調節状態で圧接されて籾摺作業が行われる。
【0042】
また、籾麦選択スイッチ61により麦作業を選択すると、麦用空気圧力設定器64が低圧(例えば0.2PMa)の麦作業状態に設定され、切替弁63が第2切替部63bに切り替えられ、第2メインホース120dとメインホース120とが連通しエアー送り状態になり、第2切替弁65により第1メインホース120cが空気戻り側に切り替えられる。従って、エアーシリンダ13の他側に低圧エアーが送り込まれ、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4が開調節状態となり、麦を圧接しない麦選別作業が行われる。
【0043】
前記構成によると、籾麦選択スイッチ61により籾作業あるいは麦作業を選択することにより、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を籾作業状態あるいは麦作業状態に確実に切り替えることができ、作業を円滑に実行することができる。
【0044】
なお、籾摺部31の籾タンク41に穀粒種別検出用の穀粒センサ(図示省略)を設けて籾、麦の別を検出し、穀粒センサが籾を検出したときには、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を閉調節し、また、麦を検出したときには、主籾摺ロール3及び副籾摺ロール4のロール間隙を開調節するように構成してもよい。
【0045】
次に、図13について説明する。
穀粒乾燥機72、籾摺選別機73等を備えた穀粒乾燥調製施設において、これらの総ての穀粒タンク71に残留穀粒や塵埃類除去用の籾摺ロール用エアーノズル22、穀粒満杯センサ42及び穀粒減少センサ43を配設し、籾摺ロール用エアーノズル22から圧縮空気を噴出し、穀粒タンク71から残留穀粒や塵埃類を除去可能に構成している。また、これら穀粒タンク71の底部にエアーノッカー72を設け、エアーノッカー72に圧縮空気を間欠的に送ってタンク底部を殴打し、残留穀粒や塵埃類を排出可能に構成している。
【0046】
しかして、乾燥籾摺作業中に穀粒減少センサ43が穀粒タンク71の穀粒減少を検出し、所定時間経過して穀粒が排出されると、コントローラ(図示省略)の指令により、エアーノッカー72に圧縮空気が所定時間にわたり間欠的に送られ、エアーノッカー72により穀粒タンク71の底部を殴打し、残留穀粒や塵埃類を落下排出する。次いで、籾摺ロール用エアーノズル22から所定時間にわたり圧縮空気を噴出し、残留穀粒や塵埃類を除去することができる。
【0047】
前記構成によると、乾燥籾摺作業の終了時には、エアーノッカー72及び籾摺ロール用エアーノズル22を作動し、穀粒タンク71の残留穀粒や塵埃類を確実に除去することができる。
【0048】
次に、図8に基づき籾摺部31の籾タンク41の他の実施例について説明する。
籾タンク41の上部には、砂等の小さな異物除去用の一次選別網体41aを斜設し、その下方には比較的大きな夾雑物除去用の二次選別網体41bを斜設し、その下部取出口に開閉自在の排出弁41cを設けている。そして、この排出弁41cをコントローラ(図示省略)の指令により所定時間毎に開調節し、比較的大きな夾雑物を機外へ排出するようにしている。そして、二次選別された穀粒をタンク下部の穀粒取出口41dから下方の籾摺ロールに供給するようにしている。なお、二次選別網体41bが目詰りすると、二次選別網体41bの上部から穀粒はオーバーフローし、穀粒取出口41dから籾摺ロールに供給される。
【0049】
前記構成によると、籾タンク41に簡単に穀粒選別機能を組み込むことができる。
次に、図14について説明する。穀粒乾燥機(図示省略)で乾燥調製した穀粒を放冷タンク76,…に貯溜し、放冷タンク76の穀粒を穀粒搬送コンベヤ77、籾摺エレベータ32を経由して籾摺選別機の籾タンク41に供給可能に構成している。また、籾タンク41には、前記一次選別網体41a、二次選別網体41b、排出弁41c及び穀粒取出口41dを設けている。
【0050】
そして、穀粒搬送コンベヤ77の放冷タンク76の下手側部位には、それぞれ穀粒有無検出センサ79、…を設け、穀粒有無検出センサ79,…が穀粒なしを検出すると、コントローラ(図示省略)の指令により、所定時間経過後に籾タンク41の前記排出弁41cを開調節し、放冷タンク76,…から送られた最終の穀粒を機外へ排出するようにしている。
【0051】
前記構成によると、放冷タンク76,…の最終の穀粒には夾雑物が多く混じっているが、このような穀粒を機外に排出することができ、籾摺選別機での籾摺選別作業を円滑に行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本実施の形態では揺動式の籾摺選別機について説明したが、籾を籾摺りして精米する籾摺精米設備にも利用できる。特に不特定多数の利用者が持参した籾を籾摺りする料金式の籾摺精米設備の籾摺ロールに利用することで、異なる利用者の籾が混ざらないという効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0053】
2 籾摺ケース
3 主籾摺ロール
3a 主籾摺ロールのロール軸
4 副籾摺ロール
4a 副籾摺ロールのロール軸
13 ロール間隙調節手段
21 籾摺ロール用エアーホース
22 籾摺ロール用エアーノズル
41 籾タンク
44 籾摺シャッタ
43 穀粒減少センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
籾摺ケース(2)内に設けた一対の籾摺ロール(3,4)をロール間隙調節手段(13)により開閉調節自在に構成し、籾摺ロール(3,4)の内周部(3f,4f)に向けて圧縮空気を噴出する籾摺ロール用エアーノズル(22)を設けた籾摺機において、籾摺ロール(3,4)の籾摺作業終了前に籾摺ロール用エアーノズル(22)から圧縮空気を噴出するにあたり、籾摺ロール(3,4)を回転させながらロール間隙の開閉作動を複数回繰り返しながら圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする籾摺機。
【請求項2】
籾摺ケース(2)上に設けた籾摺用穀粒貯溜用の籾タンク(41)には塵埃類除去用のエアーノズル(22)、籾タンク開閉用の籾摺シャッタ(44)及び穀粒減少センサ(43)を設け、前記穀粒減少センサ(43)が穀粒減少を検出すると、前記籾摺シャッタ(44)を開いた状態で、前記塵埃類除去用のエアーノズル(80)から圧縮空気を噴出し、次いで、前記籾摺シャッタ(44)を閉鎖し、その後に籾摺ロール用のエアーノズル(22)から圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載の籾摺機。
【請求項1】
籾摺ケース(2)内に設けた一対の籾摺ロール(3,4)をロール間隙調節手段(13)により開閉調節自在に構成し、籾摺ロール(3,4)の内周部(3f,4f)に向けて圧縮空気を噴出する籾摺ロール用エアーノズル(22)を設けた籾摺機において、籾摺ロール(3,4)の籾摺作業終了前に籾摺ロール用エアーノズル(22)から圧縮空気を噴出するにあたり、籾摺ロール(3,4)を回転させながらロール間隙の開閉作動を複数回繰り返しながら圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする籾摺機。
【請求項2】
籾摺ケース(2)上に設けた籾摺用穀粒貯溜用の籾タンク(41)には塵埃類除去用のエアーノズル(22)、籾タンク開閉用の籾摺シャッタ(44)及び穀粒減少センサ(43)を設け、前記穀粒減少センサ(43)が穀粒減少を検出すると、前記籾摺シャッタ(44)を開いた状態で、前記塵埃類除去用のエアーノズル(80)から圧縮空気を噴出し、次いで、前記籾摺シャッタ(44)を閉鎖し、その後に籾摺ロール用のエアーノズル(22)から圧縮空気を噴出する制御部(C)を設けたことを特徴とする請求項1記載の籾摺機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−234172(P2010−234172A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81704(P2009−81704)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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