説明

粉粒体繰出し装置

【課題】田植機などの走行車両に使用する際に、後輪と肥料搬送ホースの干渉を防ぎ、搬送ホースの支持位置が安定する粉粒体繰出し装置及び簡易な構成で製造コストのかからない粒体繰出し装置の提供である。
【解決手段】貯留タンク60内の粉粒体を繰り出す繰出部61を並列して複数設け、該繰出部61の並び方向に向けてエア搬送管68及び繰出部61から繰り出した粉粒体を吐出口59へ移送するための移送管62と、繰出部61から見てエア搬送管68とは反対側に粉粒体を回収する回収管85と、該回収管85と貯留タンク60の間に開閉手段を有する通路83と、複数の繰出部61の一端側に配置した、エア搬送管68と回収管85へエアを送風するブロア67と、更にエア搬送管68と回収管85へのエアの供給が切替え可能な切替手段86と、回収管85から見て繰出部61とは反対側に吸気管69と、該吸気管69に移送管62を保持する保持具65とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施肥機(田植機)や薬剤散布装置等の粉粒体繰出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の農作業において、肥料の施肥機や薬剤などの薬剤散布装置を設けた乗用型田植機が汎用されている。これら施肥機や薬剤散布装置等の粉粒体繰出し装置は、通常、操縦席と苗植付部の間に粉粒体を貯留するタンクを設け、タンクの下には粉粒体繰り出し部を設けている。そして、粉粒体繰り出し部から粉粒体を搬送する搬送ホースは、苗植付部のフロートに取り付けられた作溝体に設けた吐出口に繋がっており、該吐出口から粉粒体を外部に排出する構成である。
【0003】
上記搬送ホースは、搬送する粉粒体の重みや重力により撓みやすい。そして搬送ホースは通常、上記乗用型田植機の走行車両の後輪に沿って配置されており、後輪が大きくローリングした場合には後輪と搬送ホースが干渉することがあった。このように後輪と搬送ホースが干渉すると、搬送ホースがねじれたり、搬送ホース内の粉粒体の流れがスムーズにならないなどの不都合が生じた。
【0004】
そして上記後輪と搬送ホースの干渉を防ぐために、走行車両の後輪支持体に基部を固定したホルダ取付体に、搬送ホースの中間部を支持するホルダを取り付けた構成が下記特許文献に提案されている。
なお、本明細書では施肥機や薬剤散布装置の前進方向を向いて左右方向をそれぞれ左、右と言い、前進方向を前、後退方向を後と言うことにする。
【特許文献1】特開平5−260835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の発明によれば、搬送ホースの中間部を支持するホルダにより、走行車両の後輪と搬送ホースの位置関係が一定に保たれ、ある程度両者の干渉を防ぐことは可能である。しかし、搬送ホースが長い場合や搬送量が多い場合などは、ホルダにより支持するだけでは、搬送ホースの支持位置が安定しないこともある。また上記特許文献1記載の構成では、後輪支持体に基部を固定したホルダ取付体に、ホルダを取り付けていることから、ホルダだけではなくホルダ取付体も必要であり、簡易な構成とは言えず、製造コストもかかる。
【0006】
本発明の課題は、後輪と搬送ホースの干渉を防ぎ、搬送ホースの支持位置が安定する粉粒体繰出し装置の提供である。
更に本発明の課題は、簡易な構成で、製造コストのかからない粒体繰出し装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記課題は以下の構成を採用することにより解決できる。
請求項1記載の発明は、貯留タンク(60)内の粉粒体を繰り出す繰出部(61)を並列して複数設け、該複数の繰出部(61)の並び方向に向けて、粉粒体をエア搬送するためのエアの通路であるエア搬送管(68)と、更に繰出部(61)から繰り出した粉粒体をエア搬送管(68)からのエアにより粉粒体の吐出口(59)へ移送するための移送管(62)と、更に繰出部(61)から見てエア搬送管(68)とは反対側で、複数の繰出部(61)の並び方向に向けて、貯留タンク(60)内及び繰出部(61)に残留する粉粒体を回収するための回収管(85)と、該回収管(85)と貯留タンク(60)の間に、貯留タンク(60)内の粉粒体をタンク(60)下部へ供給する開閉手段(84)を有する通路(83)と、更に並列した複数の繰出部(61)の一端側に配置して、エア搬送管(68)と回収管(85)へエアを送風するブロア(67)と、ブロア(67)とエア搬送管(68)及び回収管(85)の間に、ブロア(67)からのエアの供給がエア搬送管(68)もしくは回収管(85)に切替え可能な切替手段(86)と、回収管(85)から見て繰出部(61)とは反対側に、複数の繰出部(61)の並び方向に向けて、ブロア(67)の吸気を案内する吸気管(69)と、該吸気管(69)に移送管(62)を保持する保持具(65)とをそれぞれ設けたことを特徴とする粉粒体繰出し装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸気管(69)よりも回収管(85)の方が繰出部(61)寄りに配置しているので、粉粒体の回収作業が円滑にできる。また車体(2)の最も後寄りで左右に長い吸気管(69)に、移送管(62)を保持する保持具(65)を取り付けたので、移送管(62)の保持位置が安定し、後輪(11)と移送管(62)の干渉を防ぐことができる。更に保持具(65)の構成も簡単で、製造コストもかからない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1及び図2は本発明を用いた一実施例である粉粒体繰出し装置として施肥装置を装着した施肥装置付き乗用型田植機を表している。図1には、本発明の一実施例の施肥装置付き乗用型田植機の側面図を示し、図2には、図1の施肥装置付き乗用型田植機の平面図を示す。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0010】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10、10及び左右一対の後輪11、11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13、13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13、13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10、10が各々取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18、18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18、18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11、11が取り付けられている。
【0011】
エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13、13に伝達されて前輪10、10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18、18に伝達されて後輪11、11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構27によって施肥装置5へ伝動される。
【0012】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10、10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35は一部格子状になっており(図2参照)、該ステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するように成っている。フロアステップ35上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。
また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38、38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
【0013】
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これらリンク40、41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0014】
苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口51a、…に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51a、…に供給すると苗送りベルト51b、…により苗を下方に移送する苗載台51、苗取出口51a、…に供給された苗を苗植付具52aで圃場に植付ける苗植付装置52、…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53、53等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56、56がそれぞれ設けられている。これらフロート55、56、56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55、56、56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52、…により苗が植付けられる。各フロート55、56、56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0015】
施肥装置5は、肥料タンク60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61、…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62、…でフロート55、56、56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63、…まで導き、施肥ガイド63、…の前側に設けた作溝体64、…内の吐出口59、…から苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。電動モータ66で駆動のブロア67で発生させたエアが、左右方向に長いエア搬送管68を経由して施肥ホース62、…に吹き込まれ、施肥ホース62、…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
【0016】
以下、図3〜図12に示す施肥装置5の各部の構成について説明する。
図3には図1の施肥装置5の背面図を示し、図4(a)には、図1の施肥装置5の平面図を示し、図4(b)には吸気管69とフレーム100の関係を示した斜視図を示し、図5には図1の施肥装置5の側面図を示している。更に、図6には図1の施肥装置5の粉粒体繰出部61の側面断面図を示し、図7には、図6の施肥装置5の粉粒体繰出部61のSーS断面図を示し、図8には図1の施肥装置5の肥料回収レバー90及びその関連部材の側面図を示す。
【0017】
肥料タンク60は各条共用で、上部に開閉可能な蓋60aが取り付けられている。肥料タンク60の下部は施肥条数分に分岐して漏斗状になっており、その下部が繰出部61、…の上端に接続されている。肥料タンク60は、左右方向に長い施肥装置側フレーム49に支持された左右2箇所の回動アーム71に取り付けられていて、この回動アーム71の下端部を支点に後方に回動させて繰出部61、…から分離させられるようになっている。回動アーム71は外側から1条目の繰出部61と2条目の繰出部61との間に配置されている(左右対称位置に2つ設けられている)。肥料タンク60の下部を肥料繰出部61、…の上端に接続した通常位置では、係止具72により肥料タンク60を固定しておく。
【0018】
図6、図7に示すように繰出部61は、肥料タンク60内の肥料を下方に繰り出す2個の繰出ロール73(73A、73B)を内蔵している。これらの繰出ロール73A、73Bは、外周部に溝状の凹部74、…が形成された回転体で、左右方向に設けた共通の繰出軸75の角軸部75a(図示例は四角軸)にそれぞれ一体回転するように嵌合している。繰出ロール73A、73Bが図6の矢印方向に回転することにより、肥料タンク60から落下供給される肥料が凹部74に収容されて下方に繰り出される。両繰出ロール73A、73Bにより繰り出された肥料は、下端の吐出口61aから吐出される。
【0019】
図示例の繰出ロール73A、73Bの凹部74の数は6個であり、両者の凹部74の位相が異ならせてある。このため、両繰出ロール73A、73Bの凹部74が交互に肥料を繰り出すこととなり、吐出口61aから吐出される肥料の量が時間的に均等化されている。いずれかの繰出ロール73A又は73Bを繰出軸75から外して位相を適当に変更して付け直すことにより、両繰出ロール73A、73Bの凹部74の位相を等しくすることもできる。これで、圃場に点状に肥料を散布する場合に適用可能となる。
【0020】
また、繰出部61の内部には、凹部74が下方に移動する側(前側)の繰出ロール73の外周面に摺接するブラシ76が着脱自在に設けられている。このブラシ76によって繰出ロール73A、73Bの凹部74に肥料が摺り切り状態で収容され、繰出ロール73A、73Bによる肥料繰出量が一定に保たれる。
【0021】
さらに、ブラシ76の上側には、繰出ロール73A、73Bの上方に突出して肥料タンク60から繰出部61に肥料が落下供給されないようにする繰出停止シャッタ77A、77B(図7)が設けられている。繰出停止シャッタ77A、77Bは、繰出部ケース78のスライド支持部79(図6)にスライド自在に支持されていて、ケース外の前端部に形成された把手77aをつかんでスライドさせるようになっている。
【0022】
繰出部61の吐出口61aには、前後方向に連通する接続管80(図3)が接続されている。そして、この接続管80の後端部に施肥ホース62(図5)が接続されている。施肥ホース62の外周螺旋溝に施肥装置側フレーム49の下端部が係合しているので、施肥ホース62が接続管80から抜けにくい。一方、各条の接続管80の前端部はエア搬送管68(図4(a)、図5)の背面部に挿入連結されている。エア搬送管68の左端部はエア切替管81を介してブロア67(図3、図4(a))に接続されており、該ブロア67からのエアがエア搬送管68を経由し接続管80から施肥ホース62に吹き込まれるようになっている。
【0023】
エア搬送管68は、接続管80が取り付けられたゴム管68aと、中間部分の樹脂管68bとを交互に繋ぎ合わせて構成されている。この構成とすると、エア搬送管68を簡単に分解、組み立てできるので、繰出部61を一体的に取り外してのメンテナンスが容易である。ゴム管68aの長さを一対の繰出部61の間隔よりも長くしておくと、樹脂管68bからゴム管68aを抜きやすい。
【0024】
また、繰出部ケース78の背面部には、肥料タンク60内の肥料を取り出すための肥料排出口83(図6)が形成されている。この肥料排出口83には、上端側を支点にして開閉自在な排出シャッタ84が取り付けられている。各繰出部61の肥料排出口83は、繰出部61の後方に設けた左右方向に長い肥料回収管85に接続されている。肥料回収管85の左端部は、前記エア切替管81を介してブロア67に接続されている。エア切替管81は二股状の管であって、一方にエア搬送管68が接続され、他方に肥料回収管85が接続されている。エア切替管81にはエア切替部としてのエア切替シャッタ86が設けられ、ブロア67から吹き出されるエアをエア搬送管68側に供給する状態と肥料回収管85側に供給する状態とに切り替えられようになっている。エア切替シャッタ86はエア搬送管68と肥料回収管85の間の前後中央部にあるので、両者へのエア供給が安定している。肥料回収管85の右端部は肥料回収口87になっている。
【0025】
図8は上記各シャッタ84、…、86の開閉機構を示す図である。肥料回収口87の近傍に肥料回収レバー90が回動自在に設けられている。この肥料回収レバー90の回動支点軸90aと同軸上に、繰出部61の前側に配置された左右方向に長いシャッタ開閉伝達軸91(図3、図4(a))が設けられている。シャッタ開閉伝達軸91には扇形プレート92が取り付けられており、この扇形プレート92に形成された円弧状の長穴92aに、肥料回収レバー90に固着されたピン90bが遊嵌している。シャッタ開閉伝達軸91には各繰出部61ごとに開閉ギヤ93が取り付けられ、該ギヤ93が排出シャッタ84の回動軸84aに取り付けた半円形ギヤ94と噛み合っている。なお、半円形ギヤ94の端部には当該ギヤ94の歯よりも径の大きいストッパ部94aが形成されているので、両ギヤ93、94の噛み合いが外れることはない。また、肥料回収レバー90には、エア切替ワイヤ95の一端が繋がれている。エア切替ワイヤ95の他端は、エア切替シャッタ86の回動軸86aに取り付けたアーム96に付勢手段である引張りスプリング97を介して繋がれている。
【0026】
肥料回収レバー90を回動操作すると、エア切替ワイヤ95が引かれてエア切替シャッタ86を切り替え、ブロア67から引き出されるエアが肥料回収管85に供給されるようになる。肥料回収レバー90の回動操作量が少ないうちは、ピン90bが長穴92aの中を移動するだけにすぎないので、シャッタ開閉伝達軸91は回動しない。しかしながら、肥料回収レバー90を一定量以上回動操作すると、ピン90bが扇形プレート92に係合し、シャッタ開閉伝達軸91が回動する。これにより、排出シャッタ84、…が開き、肥料タンク60内の肥料が肥料回収管85に排出される。つまり、1本のレバー90の操作だけでエア切替シャッタ86及び排出シャッタ84、…を操作することができる。しかも、必然的に、始めにエアが肥料回収管85に供給され、その後で肥料が肥料回収管85に排出されるのである。このため、肥料回収管85での肥料の搬送が円滑に行われ、肥料回収管85での肥料詰まりが生じない。また、肥料回収レバー90が肥料回収口87の近傍に設けられているので、肥料回収容器等を肥料回収口87の下側に容易に確保でき、さらに肥料回収の状況を確認しながら作業を行え好都合である。
【0027】
肥料回収レバー90はレバーガイド98に沿って回動操作するようになっている。このレバーガイド98にはガイド穴98a、98bが形成されており、肥料回収レバー90の撓みを利用して肥料回収レバー90の係合部(図示せず)をガイド穴98a、98bに係合させることにより、肥料回収レバー90をエア切替シャッタ86だけが切り替えられる位置P1(図8)と、エア切替シャッタ86及び排出シャッタ84、…の両方が切り替えられる位置P2とに固定することができるようになっている。肥料回収レバー90を上記以外の位置にも停止させられるようにし、排出シャッタ84の開度を無段階又は段階的に調節できるようにしてもよい。
従って、肥料回収時にはブロア67より気流搬送される肥料は肥料回収管85を流れ、回収口87からスムーズに肥料が排出される。
【0028】
なお、エア切替シャッタ86は上下方向を向く回動軸86aを中心に回動するので、エア切替シャッタ86の開閉操作時の抵抗が変動しない。また、肥料回収時には引張りスプリング97の張力に抗して強制的にエア切替シャッタ86を切り替えるようにしているので、肥料回収時におけるエア切替シャッタ86の気密性が良好である。
【0029】
図4(a)に示す開閉ギヤ93と半円形ギヤ94との噛み合いに予め融通性を持たせておくと、各条のギヤの組み付けに多少の誤差があっても、各条の排出シャッタ84の動作タイミングに狂いが出ず、確実に排出シャッタ84が閉じるようにすることができる。
【0030】
一方、肥料回収レバー90を図8に示す施肥作業位置にすると「ON」になるスイッチを設けると共に、各畦クラッチレバー110(1・2)、110(3・4)、110(5・6)(図4(a))をクラッチ入り位置にすると「ON」になるスイッチを各々設けて、これらスイッチの検出により、肥料回収レバー90が肥料排出位置(肥料回収レバー90が施肥作業位置でない時)で全ての畦クラッチレバー110(1・2)〜110(5・6)がクラッチ入りの時(施肥作業時)に、肥料回収レバー90が施肥作業位置でないことを警報するハンドル34下方のモニター部130に設けたランプを点灯するか若しくはブザーを鳴らすように制御装置で制御している。これは、肥料回収レバー90を図8のP2位置にして肥料回収作業をした後、肥料回収レバー90をP2位置にしたまま、メインスイッチを切って作業を中断し、後に(後日)、施肥・植付け作業を行なう時に肥料回収レバー90をP2位置にしたまま施肥・植付け作業をすると施肥作業が行なえないまま植付け作業をしてしまう不具合を防止するためで、肥料回収レバー90をP2位置にしたままでメインスイッチを入れるとランプが点灯するか若しくはブザーが鳴って作業者に肥料回収レバー90が施肥作業位置になっていないことを知らせ、即座に作業者は肥料回収レバー90を施肥作業位置に操作して前記のような不具合を未然に防止でき作業性が良い。
【0031】
繰出部ケース78は、側面視で前下がりに傾斜した分割面FーF(図5)で、下側の固定部分78aと上側の離脱部分78bとに分割されている。繰出ロール73A、73B及び排出シャッタ84(肥料排出口83)は固定部分78aに設けられている。一方、ブラシ76及び繰出停止シャッタ77A、77Bは離脱部分78bに設けられている。肥料タンク60が接続される上部開口部及び吐出口61aは分割されていないので、両者の気密性が良好に保たれる。
【0032】
肥料タンク60を最も後方に回動させると、側面視で前記離脱部分78bを離脱させる方向に投影した区域外に肥料タンク60が位置するようになっている。このため、離脱部分78bを無理なく離脱させられる。また、分割面FーF(図5)の延長先はエア搬送管68の上端よりも下側に位置するとともに、側面視で離脱部分78bを離脱させる方向に投影した区域外にエア搬送管68が位置している。このため、離脱部分78bを取り外した状態で、走行車体2上から繰出ロール73A、73Bのメンテナンスを行いやすい。
【0033】
図5に示すように、繰出部61はエア搬送管68と一体的にリンクベースフレーム42に回動軸82aを中心にして回動可能に取り付けられている。リンクベースフレーム42には固定プレート47が接続され、該固定プレート47に繰出量調節ロッド支持プレート58が接続されており、該該繰出量調節ロッド支持プレート58は機体側フレーム48に固着している。機体側フレーム48とエア搬送管68を支持する施肥装置側フレーム49はパッチン錠49aで係脱自在に係止されている。繰出量調節ロッド支持プレート58は繰出部61の内部を通って繰出量調節ロッド157の先端部を支持する構成であり、該繰出量調節ロッド157の他方の先端部には手動ハンドル159が設けられ、後述するように、手動ハンドル159を回すことで粉粒体の繰出量を調整できる。
【0034】
また、施肥装置側フレーム49と繰出部61の側面とは一体化したホッパ60と繰出部61を傾動位置ロック用プレート54で接続している。傾動位置ロック用プレート54の一端は施肥装置側フレーム49に固定され、他端は繰出部61の側面に固定されている。
【0035】
次に、施肥伝動機構27(図1)について主に図9〜図11により説明する。図9には、図1の施肥装置5の施肥伝動機構27を示した側面図を示し、図10には、図1の施肥装置5の施肥伝動機構27を示した平面図を示し、図11には図1の施肥装置5の逆転伝達機構及び繰出量調節機構156の一部を示した平面断面図を示す。なお、施肥伝動機構27は、左から数えて第4条と第5条の肥料繰出部61の間に配置されている。
【0036】
前記植付クラッチケース25(図1)の後面から突出するクランクアーム131(図9)が出力回転し、該クランクアーム131に連結した上下方向に延びる駆動側揺動ロッド132の上下方向の往復動作が上側のカウンタアーム133に伝動される。なお、カウンタアーム133は、側面視でくの字形状になっており、前記駆動側揺動ロッド132と後記する従動側揺動ロッド134とが連結されている。そして、カウンタアーム133の往復揺動による従動側揺動ロッド134の前後方向の往復動作がカウンタアーム133の後側の繰出入力アーム135ヘ伝動され、この繰出入力アーム135の前後方向の往復作動が左側の一方向クラッチ136Lへ伝動される。
【0037】
なお、一方向クラッチ136L、136Rは、左右に2個設けられており、左右方向の同一の一方向クラッチ軸137回りに回動する構成となっており、外環部138L、138Rと前記一方向クラッチ軸137との間に複数の伝動用ローラ139を備えたローラクラッチであり、外環部138L、138Rの回動を一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。従って、左側の一方向クラッチ136Lは、外環部138Lが繰出入力アーム135と一体に設けられ、繰出入力アーム135の前後方向の往復作動における一方向となる外環部138Lの回動を一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。なお、左右の一方向クラッチ136L、136Rは、それぞれの外環部138L、138Rの同じ方向の回動で一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。
【0038】
左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの上側には該外環部138Lと一体の第一アーム140を設け、この第一アーム140と前側にある第二アーム141とを第一リンク142により連結している。第二アーム141は、左右方向の中継軸143と一体回転する構成となっており、該中継軸143の下側で前記第一リンク142を連結するべく中継軸143から下側に延びている。第二アーム141の右側には前記中継軸143と一体回転する第三アーム144を中継軸143から上側に延設しており、この第三アーム144は第二アーム141と一体回転する。第三アーム144の中継軸143より上側の位置には第二リンク145を連結しており、この第二リンク145の他端側には第四アーム146を連結している。この第四アーム146は、右側の一方向クラッチ136Rの外環部138Rの上側に該外環部138Rと一体に設けられている。従って、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの往復回動により第一アーム140が前後方向に往復回動し、第一リンク142を介して第二アーム141へ伝達され、該第二アーム141が第一アーム140と同期して同じ側に前後方向に往復回動する。
【0039】
第三アーム144は、中継軸143に対して第二アーム141とは上下反対側(上側)に延びているので、その第二リンク145との連結位置では第二アーム141の往復回動と同期して第二アーム141の第一リンク142の連結位置における前後方向の往復動とは前後反対側に往復揺動することになる。そして、第三アーム144の往復動が第二リンク145を介して第四アーム146へ伝達され、第四アーム146が第三アーム144と同期して同じ側に前後方向に往復回動するので、右側の一方向クラッチ136Rの外環部138Rは、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの往復回動と同期して反対側に回動する。 従って、前記第一アーム140乃至第四アーム146、第一リンク142及び第二リンク145により、逆転伝達機構を構成している。
【0040】
従って、前記逆転伝達機構により左右の一方向クラッチ136L、136Rの外環部138L、138Rが互いに反対側に回動するため、繰出入力アーム135の往復作動において左右の一方向クラッチ136L、136Rの何れか一方が一方向クラッチ軸137を同じ一方向(正転方向)に回転させることとなり、常時、連続的に一方向クラッチ軸137を駆動することができる。
【0041】
左右の一方向クラッチ136L、136Rの間には一方向クラッチ軸137とキー147aにより一体回転する駆動ギヤ147を設け、この駆動ギヤ147が後述する繰出駆動軸105と一体回転する従動ギヤ148に噛み合う。従って、一方向クラッチ軸137の連続回転が繰出駆動軸105へ伝動される。なお、駆動ギヤ147の歯数は、従動ギヤ148の歯数より多く、従動ギヤ148の歯数の約2倍となっている。
【0042】
従って、駆動ギヤ147及び従動ギヤ148により、回転速度を増速して伝動する増速伝動部を構成している。なお、左右の一方向クラッチ136L、136Rのそれぞれの外環部138L、138Rの外周には、一方向クラッチ136L、136Rの伝動用ローラ139部分へ肥料や塵等の異物が混入しないように駆動ギヤ147の基部内径部との隙間を塞ぐシール材149を設けている。なお、左右の一方向クラッチ136L、136Rの伝動用ローラ139の駆動ギヤ147とは反対側にも、外環部138L、138Rの内面と一方向クラッチ軸137の外面とに接触するように外側シール材149aを設けている。
【0043】
以上のように、左右の一方向クラッチ136L、136Rの間に駆動ギヤ147を設けているので、左右何れの一方向クラッチ136L、136Rが伝動状態であっても伝動する一方向クラッチ136L、136Rと駆動ギヤ147並びにキー147aとが近いため、左右一対の一方向クラッチ136L、136Rの左右一方側に駆動ギヤ147を配置した場合と比較して、一方向クラッチ136L、136Rにより伝動される動力を駆動ギヤ147へ適正な速度で精度良く伝動することができ、肥料繰出部61の肥料の繰出量を適正に安定させることができる。
【0044】
また、一方向クラッチ136L、136Rの外環部138L、138Rと駆動ギヤ147の基部内径部との隙間を塞ぐシール材149が一方向クラッチ軸137の方向において前記外環部138L、138Rと重複する構成となるので、一方向クラッチ136L、136Rの伝動用ローラ139と駆動ギヤ147との左右方向(一方向クラッチ軸137方向)の位置を近づけることができ、一方向クラッチ136L、136Rにより伝動される動力を駆動ギヤ147へ適正な速度でより精度良く伝動することができる。
【0045】
従来の一般的な一方向クラッチを使用すると、この一方向クラッチは、図11に示す外側シール材149aのように、伝動用ローラ139の外側(一方向クラッチ軸137方向の外側)にシール材149を設けているので、そのシール材149の一方向クラッチ軸137方向の厚み分駆動ギヤ147並びにキー147aと伝動用ローラ139との間隔を設けなければならず、駆動ギヤ147の回転作動速度が一方向クラッチ軸137の支持部における緩みのがたの影響を受けやすくなって不適正になったり不安定になったりすることが考えられる。
【0046】
逆転伝達機構の左右には、該逆転伝達機構を支持する逆転用支持部材150L、150Rをそれぞれ設けている。この逆転用支持部材150L、150Rは、鋳物により構成され、施肥装置5の基部フレーム151に締付ボルト152にて固定されており、一方向クラッチ軸137、繰出駆動軸105及び逆転伝達機構の中継軸143を軸受するボールベアリング153、154、155をそれぞれ備えている。
【0047】
なお、繰出駆動軸105は、逆転用支持部材150L、150Rを貫通して左右に長く設けられている。従って、前記一方向クラッチ軸137、繰出駆動軸105及び中継軸143は、左右の逆転用支持部材150L、150Rにより左右で軸受され、一方向クラッチ137、逆転伝達機構及び駆動ギヤ147並びに従動ギヤ148等の施肥伝動機構27の伝動部の左右で両持支持されているので、支持剛性が向上し、繰出伝動が適正に精度良く行われる。
【0048】
特に、図10及び図11に示すように、第二アーム141は左側の逆転用支持部材150Lに近づけて配置され、第三アーム144は右側の逆転用支持部材150Rに近づけて配置されているので、中継軸143におけるこれらのアーム141、144から受ける作動荷重を左右それぞれのボールベアリング155がしっかりと受け、前記アーム141、144の伝達精度の向上を図ることができる。
【0049】
左側の逆転用支持部材150Lの左側には、繰出量調節機構156を設けている。この繰出量調節機構156は、前部に繰出量調節ねじ部分157を備える繰出量調節軸158と該軸158の後部に取り付けた繰出量調節ハンドル159とを備えている。繰出量調節軸158の中途部には該軸158が回動できるように外嵌された軸支持部材160を設けており、この軸支持部材160に固着した左右方向の軸支持支点軸160aを左側の逆転用支持部材150Lに挿入した構成となっている。
【0050】
従って、繰出量調節機構156は、前記軸支持支点軸160a回りに回動可能に設けられている。なお、軸支持支点軸160aは、繰出量調節軸158の右側で左側の逆転用支持部材150Lに支持されると共に、左側で格別に設けた調節軸支持フレーム161に支持されている。従って、繰出量調節機構156は、軸支持支点軸160a部分において繰出量調節軸158の左右で両持支持された構成となっている。
【0051】
カウンタアーム133の回動軸162を支持するカウンタ支持部材163の上部には、雌ねじ部分164aを備える主要部が側面視六角形の位置調節体164を左右方向の軸回りに回動可能に設けている。なお、カウンタ支持部材163の後端部には左右方向の同一直線上に軸心が位置するカウンタ支点軸165を左右それぞれ設け、カウンタ支持部材163は、このカウンタ支点軸165回りに基部フレーム151に対して回動可能に設けられている。
【0052】
なお、基部フレーム151にはカウンタ支点軸165を装着する孔166を複数個(4個)前後に配列しており、型式、仕様等により施肥装置5のスペースが制限されるようなときにはカウンタ支点軸165の前後位置を変更して対応し、カウンタ支持部材163及び基部フレーム151等の部品の共用化を図っている。カウンタ支点軸165部分は基部フレーム151とは別の補強部材167により機体に支持されており、カウンタ支点軸165の位置が変わってもカウンタ支点軸165部分に補強部材167を取り付けて剛性を保ち、カウンタ支点軸165の位置が変化しにくいようにしている。前記位置調節体164の雌ねじ部分164aに繰出量調節軸158の前部の繰出量調節ねじ部分157が螺合しており、繰出量調節軸158の回動により位置調節体164が前後に移動してカウンタ支持部材163がカウンタ支点軸165回りに回動し、カウンタアーム133の回動軸162を前上方あるいは後下方に移動させる構成となっている。
【0053】
従って、カウンタアーム133の回動軸162を移動させることにより、カウンタアーム133の姿勢が変化し、例えば前記回動軸162を前上方へ移動させると、駆動側揺動ロッド132及び従動側揺動ロッド134が共にカウンタアーム133と直角に近い状態で交差するように姿勢が変更されるので、駆動側揺動ロッド132で作動するカウンタアーム133及び従動側揺動ロッド134で作動する繰出入力アーム135の揺動ストローク(揺動角)がそれぞれ大きくなり、一方向クラッチ軸137ひいては繰出駆動軸105の回転速度が大きくなって、肥料繰出部61による繰出量が多くなる。
【0054】
一方、前記回動軸162を後下方へ移動させると、駆動側揺動ロッド132及び従動側揺動ロッド134が共にカウンタアーム133と直角からかけ離れた状態で交差するように姿勢が変更されるので、駆動側揺動ロッド132で作動するカウンタアーム133及び従動側揺動ロッド134で作動する繰出入力アーム135の揺動ストローク(揺動角)がそれぞれ小さくなり、一方向クラッチ軸137ひいては繰出駆動軸105の回転速度が小さくなって、肥料繰出部61による繰出量が多くなる。従って、繰出量調節ハンドル159を操作して繰出量調節軸158を回動させることにより、施肥装置5の肥料の繰出量を連続的に変更して調節できるようになっている。
【0055】
カウンタ支持部材163は、左右のプレート部163aと該左右のプレート部163aを繋ぐ前部プレート部163bとにより平面視コの字状に構成され、前記左右のプレート部163aに位置調節体164、カウンタアーム133の回動軸162及びカウンタ支点軸165を軸受するボールベアリング168、169、170をそれぞれ設けている。従って、位置調節体164及びカウンタアーム133の回動軸162は左右のボールベアリング168、169により両持支持され、左右のカウンタ支点軸165は左右に配置したそれぞれのボールベアリング170により左右別個に支持されている。よって、繰出量調節軸158の繰出量調節ねじ部分157と位置調節体164の雌ねじ部分164aとの螺合部は螺合しているためにがたが生じやすく、カウンタ支持部材163の回動位置が不安定になる要因となりやすいが、この螺合部の左右にボールベアリング168を設けて位置調節体164を両持支持しているので、カウンタ支持部材163の回動位置の安定を図ることができ、繰出量調節の適正化及び施肥装置5の肥料の繰出量の安定化を図ることができる。
【0056】
図11に示すように、繰出量調節軸158の軸支持部材160より前側の部分には繰出量表示用ねじ部分173を設けると共に、該ねじ部分173に螺合する雌ねじ部分174aを備える繰出量表示具174を設けている。なお、繰出量表示具174は、繰出量表示用ねじ部分173を覆うカバー175の右側部に設けた長孔部176に係合し、この長孔部176から一部がカバー175の右側に突出するように設けられ、前記カバー175に対して回動しないように支持されると共に前記長孔部176に案内されて繰出量調節軸158方向に移動可能に支持され、繰出量調節軸158の回動に伴って該軸158方向に移動する構成となっている。前記カバー175の長孔部176の縁にはこの長孔方向に目盛177をつけていると共に、繰出量表示具174にはマーク178をつけており、該マーク178が指し示す目盛177を読みながら作業者が肥料の繰出量を認識したり調節したりするようになっている。
【0057】
繰出量調節軸158は側面視で前上がり姿勢に傾斜して設けられ、繰出量調節軸158の前端部に設けた繰出量調節ハンドル159を肥料繰出部61より前側に配置している。従って、作業者は、肥料繰出部61が邪魔にならずに座席31に座ったまま、走行車体2側から繰出量調節ハンドル159を容易に操作することができる。
【0058】
また、図12に示すように、繰出駆動軸105に伝達された施肥動力は、2条ごとに1組設けられた施肥畦クラッチ106,…を介して、繰出駆動軸105に回転自在に外嵌する筒軸107,…に伝達される。そして、一対の繰出伝動ギヤ108a、108bを介して、各筒軸107から各条の繰出軸75へ伝動される。駆動側の繰出伝動ギヤ108aは筒軸107に摺動自在に嵌合しており、該ギヤ108aをずらして一対の繰出伝動ギヤ108a、108bの噛み合いを解除することができる。つまり、各条ごとに施肥作動を入り・切りする単条クラッチ108として構成されているのである。
【0059】
図4(a)を参照すると、左から数えて第1条と第2条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(1・2)及び第3条と第4条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(3・4)は、第2条の肥料繰出部61と第3条の肥料繰出部61との間隔部にそれぞれ設けられている。第5条と第6条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(5・6)は、第6条の肥料繰出部61の右側すなわち施肥装置5の右端に設けられている。これらの施肥畦クラッチ106を操作する畦クラッチレバー110(1・2)、110(3・4)、110(5・6)は、図4(a)に示すように先端を前方に突出させて上下に回動操作するように設けられている。左右の後輪11、11は平面視で第1条の肥料繰出部61と第2条の肥料繰出部61との間隔部及び第5条の肥料繰出部61と第6条の肥料繰出部61との間隔部にそれぞれ位置しており、後輪11、11と畦クラッチレバー110,…とが同じ肥料繰出部61間にないように配置されている。
【0060】
また、図4(a)に示すように、左から1条目の施肥作動を入・切する単条クラッチ108(1)及び左から2条目の施肥作動を入・切する単条クラッチ108(2)は、1条目と2条目の間隔部にそれぞれ設けられている。同様に、単条クラッチ108(3)及び単条クラッチ108(4)は3条目と4条目の間隔部に設けられ、単条クラッチ108(5)及び単条クラッチ108(6)は5条目と6条目の間隔部に設けられている。これらの単条クラッチ108,…は切替つまみ(図示せず)で操作する。
【0061】
施肥作業時には、繰出ロール73A、73Bを正転(図6の矢印方向)させ、肥料貯留タンク60の肥料を繰出口61aから下方に繰り出す。繰出口61aから繰り出された肥料は、管状部61b及び肥料移送ホース62内をブロア67から吹き出される圧力風によって運ばれ、肥料移送ホース62の先端吐出口59から施肥ガイド63に吐出され圃場に供給される。なお、繰出量調節機構156により、繰出駆動軸105の回転速度を変更して肥料吐出量を無段階に調節できる。
【0062】
肥料回収時には、肥料貯留タンク60の肥料を肥料排出口83から排出する。排出された肥料は、肥料回収管85及び回収シュート87内をブロア67から吹き出される圧力風によって運ばれ、回収シュート先端の回収口から吐出されて回収容器等に回収される。
【0063】
また、各畦クラッチレバー110,…には、施肥畦クラッチ106,…の入・切に連係して前記植付畦クラッチ,…を入・切するためのケーブル120,…が繋がれている。畦クラッチレバー110,…は後輪のない粉粒体繰出部61間に設けられているので、ケーブル120,…を肥料移送ホース62,…及び後輪11、11と干渉することなく配索することが可能になっている。
【0064】
そして、本発明の一実施例による粉粒体繰り出し装置(施肥装置)は、図4〜図6に示すように、走行車体2の左右方向に並ぶ各条の粉粒体繰出部61から繰り出す粉粒体を、粉粒体繰出部61の前側位置で左右に長いエアーチャンバ68からの圧力風により、走行車体2の後方に位置する吐出口59へ搬送する各条の移送管として施肥ホース62を設けている。
【0065】
更に、粉粒体繰出部61の後側には、左右方向に長い、粉粒体を回収するための回収管85を設け、肥料タンク60内の粉粒体を直接肥料タンク60下部に落下させて供給できる開閉シャッタ84付の回収通路として肥料排出口83(図6)を設けている。
【0066】
そしてブロア67が粉粒体繰出部61の左右どちらか一側に設けられている。ブロア67からの圧力風はエアーチャンバ68に流れるが、その圧力風の供給をエアーチャンバ68から回収管85へ切替える切替弁としてエア切替シャッタ86を設けている。
【0067】
また回収管85の後側にブロア67の吸気を案内する吸気管69及び吸気管69に支持するフレーム100を左右方向に設け、該吸気管69及びフレーム100に施肥ホース62を保持する保持具として施肥ホース受け65を取り付ける構成である。施肥ホース受け65は、図5に示すように、ボルト65cにて固定されている2本のバー65a、65bからなり、そのうちの一方のバー65bの先端は施肥ホース62を支持できるようにかぎ状になっている。しっかり固定させたい場合は、施肥ホース62の周囲を上下もしくは左右から挟んで支持できるような構成にしても良い。また、両バー65a、65bに複数の穴を設けて、施肥ホース62を支持するバー65bを上下方向にスライドさせて、施肥ホース受け65の長さが調節可能な構成としても良い。
【0068】
図4(b)には、図4(a)の点線Mの部分の斜視図を示すが、図4(b)に示すように、吸気管69は、回収管85の中央付近で下方へ折れ曲がっており、ちょうどその折れ曲がり部分にフレーム100が接続している。そして吸気管69は、吸気ダクト70と連結しており、吸気ダクト70は図4(a)に示すように、ブロア67に連結している。吸気管69の他の一方の先端部は、図5に示すように、中途部から下方に延びてマフラー22の近傍に位置している。吸気管69には、マフラー22からの熱風(熱気)が矢印R方向に流れ、エア搬送管68を介して搬送ホース62内の肥料を乾燥させて、肥料を湿りにくくしている。
【0069】
本構成を採用することにより、吸気管69よりも回収管85が粉粒体繰出部61寄りに配置されていることから、粉粒体の回収作業が円滑にできる。これは吸気管69が回収管85よりも粉粒体繰出部61寄りにある場合に比べて回収管85と粉粒体繰出部61の間の距離が短いのでその分余計な通路が無く、回収範囲が狭くなるからであり、併せて、通路83の傾斜が急になり、肥料排出がスムーズのなるためである。また、車体2の最も後寄りで、左右に長い吸気管69及びフレーム100に保持具65を取り付けたので、施肥ホース62の保持位置が安定し、後輪11と施肥ホース62の干渉を防ぐことができる。更に保持具65の構成も簡単で、製造コストもかからない。
【0070】
また、上記のようにエンジン20近くからの温風を吸うための吸気ダクト70を設けている場合に、該吸気ダクト70をなるべく高い位置に設定し、高い位置に設けた吸入管69及びフレーム100に施肥ホース受け65を設け、施肥ホース62と後輪11の干渉を防ぐような構成としても良い。
【0071】
本構成を採用することにより、施肥ホース62と車輪11の干渉を防止できる。また、従来は施肥ホース受けの部品としてホルダ取付体やホルダなどが必要であったが、本構成によれば、施肥ホース受けの部品が施肥ホース受け65のみであり、従来と比べて施肥ホース受けの部品数が減るのでコストダウンが図れる。
【0072】
図13には、本発明の他の実施例による粉粒体繰出し装置の作溝体64部分の側断面図を示す。図13に示すように、作溝体64の吐出口59付近にカバー130を設け、該カバー130を上下調節式にしても良い。カバー130に、一つ又は複数の長穴131を設けて、矢印A方向に上下スライド可能な構成とし、ネジ132で固定する。ネジ132の代わりに、例えばピンやフック等を用いて固定しても良い。図13に示すように、カバー130が上に開いている場合は、肥料123は矢印B方向に落下する。
【0073】
従来は、作溝体64のカバー130は、固定式であり、泥の状況によってカバー130の状態を変えることはできなかった。しかし、本来はカバー130が開いたままの方が、エアの抜けが良く、施肥ホース62内で肥料がスムーズに搬送される。
【0074】
本構成を採用することにより、泥の状況によってカバー130の開度を変えることができる。例えば地面が乾いていて泥がつまりにくい状況であれば、カバー130を開いてエアの抜けを良くすることができ、反対に地面が湿っていて泥がつまりやすい状況であればカバー130を閉じて、車体1が後進する際の泥詰まりを抑えることができる。
【0075】
図14(a)には本発明の他の実施例による粉粒体繰出し装置の油圧植付昇降レバー113と施肥レバー112の側面図を示し、図14(b)は、植付昇降レバー113と施肥レバー112を一体化した場合の平面図を示す。
【0076】
従来は油圧植付昇降レバー113(図2)と連動させていた施肥クラッチ111(図12)の「入」「切」を、本実施例では単独の施肥レバー112で施肥クラッチ111を作動される構成である。
【0077】
また、図15には植付クラッチケース25内の簡略図を示すが、植付クラッチケース25内で、植付伝動系と施肥伝動系とに動力が分岐されて出力される。そして、図15のように、分岐した各々の伝動経路に施肥クラッチ111と植付クラッチ114を設けている。なお、施肥クラッチ111は全条分の繰出部61の駆動を入切させ、施肥畦クラッチ106は一部の繰出部61のみの駆動を入切させる。
【0078】
図14(a)に示すように、座席31の車体右側面からみて手前に油圧植付昇降レバー113があり、奥に施肥レバー112がある。油圧植付昇降レバー113は、(a)の位置で植付クラッチケース25(図1参照)内の植付クラッチ114が「入」となり、(b)の位置で植付クラッチ114が「切」となって苗植付部4が下に移動し、(c)の位置で苗植付部4が固定され苗植付部4を任意の高さで固定でき、(d)の位置で苗植付部4が上に移動するような構成である。一方、施肥レバー112は、(a)の位置では施肥クラッチ111が「入」となり、矢印S方向に回して(b)の位置で、施肥クラッチ111が「切」となる。
【0079】
このように施肥クラッチレバー112を単独にすることにより、圃場内の無肥料などを解消する。また、図14(b)に示すように、施肥クラッチレバー112と油圧植付昇降レバー113の2本のレバーが連結可能な配置とし、施肥クラッチレバー112と油圧植付昇降レバー113を止め具114により連結し、同時に作動させるようにしても良い。
【0080】
従来は、油圧植付昇降レバー113の「入」「切」に連動して、施肥作業の「入」「切」を行っていたが、肥料は移送路を通るため、実際にレバー113を「入」にしてから外部に排出されるまで、時間が掛かる。したがって、苗の植え始めには肥料がまかれなかったり、植え終わりに多くまかれたりすることがあり、その肥料量の調整は、作業者が行っていた。しかし、上記した本実施例の構成によれば、施肥クラッチレバー112を油圧植付昇降レバー113とは別体として独立させている。
したがって施肥クラッチレバー112を単独にすることにより、圃場内での無肥料などや、車体2の枕地回転時に肥料がだぶって排出されることを防止することができる。そして、施肥作業の開始時の施肥の遅れや、施肥作業の終了時の施肥中止の遅れなどが解消される。また、両レバー112、113を互いに近く配置して連結可能にすることにより、従来と同様な使用も可能となる。
【0081】
また、図16には本発明の一実施例による施肥装置付き乗用型田植機1のブザー停止スイッチ115の接続状態を示した制御ブロック図を示す。図16に示すように、ブロア67のスイッチ125の「入」と「切」をブザー停止スイッチ115(図1)の長押しで行うようにしても良い。なお、ブザー停止スイッチ115は肥料タンク60内の肥料切れ時のブザーであり、ブザー停止スイッチ115は、中央処理装置(CPU)180を介してブロアスイッチ125と接続しており、ブザー停止スイッチ115を押すと、ブザー停止スイッチ115が押されたという情報がCPU180に伝達され、更に長押ししていると、CPU180内のタイマーでブザー停止スイッチ115が押されている時間を測定し、タイマーの設定時間よりも長く押されている場合には、ブロアスイッチ125に電気信号が伝達されて、ブロアスイッチ125を「切」にする構成である。
従来は、施肥作業中に、ブロアスイッチ125を「切」にすると、施肥ホース62内などに肥料が詰まりやすかったので、安易にブロアスイッチ125が「切」になると問題であった。
【0082】
そしてブロア67にスイッチ125があった場合は、スイッチ125を「切」にしたあと、スイッチ125の入れ忘れが生じることが多く、スイッチ125はできればない方が良い。しかし、施肥作業をしないときや施肥作業車体2の整備時等でメインキーをオンにしたままエンジン20を切った際にブロア67が回り続けることは、バッテリが上がって心配な場合もあり、そのような場合にはスイッチ125があった方が好ましい。
【0083】
また、エンジン始動時に、ブロアスイッチ125が「切」になっていることが分からないと、そのままの状態(ブロアスイッチ125が「切」の状態)で施肥作業を行い、施肥ホース62内などに肥料を詰らせてしまうこともある。
したがって本構成を採用することにより、エンジン始動時にはブロアスイッチ125が「入」になっているのでブロアスイッチ125の入れ忘れがなくなり、施肥ホース62内などの肥料の詰まりを防止できる。
【0084】
図17(a)には本発明の他の実施例による施肥装置付き乗用型田植機1の施肥装置5の平面図を示し、図17(b)には図17(a)のS1−S1の断面図を示す。また図18には図17の施肥装置付き乗用型田植機1のハンドル部分の平面図を示す。この実施例は手動ハンドル159により施肥量を調節する先の実施例に代えてコントローラ180でモータ回転数を制御して施肥量を調節するものである。
【0085】
図17に示すように、施肥量が調整可能な上記施肥機において、繰出ロール73(73A、73B)が回転する回転中心にある繰出ロール軸123と一体回転する繰出ロールギア116を繰出ロール軸123の端部に設けている。そして繰出ロールギヤ116の筒軸107にある入力ギアとの噛合部(繰出ロールギヤ116の基部側)とは繰出ロール73(73A,73B)を挟んで反対側に、センサーギア118がボルト126により繰出ロール軸123と連結しており、繰出ロールギヤ116が作動すると、繰出ロールギヤ116に連結しているセンサーギア118も同様に作動する。また、繰出部ケース119の前側にセンサーギア118の回転を感知する回転センサ117を配置している。そして回転センサ117が、繰出ロール73の回転数を読み取って、コントローラ180により施肥量を図18に示すようにモニター部130上に表示できる構成である。
【0086】
また、繰出ロールギヤ116の内部にセンサーシャフト121を固定ピン124にて固定して、繰出ロールギヤ116とセンサーシャフト121を一体可能な構成とし、繰出ロールギヤ116の基部側とは反対側にセンサーギヤ118を取付可能な構成としても良い。固定方法は、上記固定ピン124に限らず、例えばネジ、接着剤など、固定できる手段であれば、限定しない。
【0087】
また、繰出ロール73と繰出ロールギヤ116とセンサーギヤ118とセンサーシャフト121を一体化した繰出ロール73の組み立て体をセンサーギア118が単条クラッチ108の繰出ロール73に対して反対側に位置するよう配置し、回転センサ117を施肥機装置の空間部分に設けている。
【0088】
本構成を採用することにより、繰出ロール73の最終ロール回転数(繰出ロール73へ伝動する最終の軸の回転数ということ)を回転センサ117によって直接読み取る事が可能となり、また、田植機1や施肥装置5などの種類により回転センサ117の位置が異なっても、繰出ロール73の組み立て体の向きを変更することにより対応が可能となる。また、そして施肥機装置の空間部分に回転センサ117の取付が可能となり、開いているスペースを有効利用したことで、コンパクトな構成となる。更に、市販の繰出ロールギヤ116でも簡単に、施肥量を変えることが可能な施肥機対応のセンサーギヤ118の取り付けが可能となる。
【0089】
また、図17(b)に示すように、回転センサ117は繰出ロール73の中心位置より下部に配置している。そして繰出部ケース119は、点線Cで上下に分割可能で、上側部分119aはワンタッチ式止め具122で固定されており、該ワンタッチ式止め具122を解除すれば上側部分119aが外れて、メンテナンスができるような構成としても良い。そして固定側である下側部分119bに回転センサ117を設ければ良い。
【0090】
本構成を採用することにより、繰出ロール73の組み立て体の取り付け、取り外しが可能となり、繰出ロール73の組み立て体はワンタッチ式止め具122で位置固定ができ、センサーギヤ118と回転センサ117の隙間が一定となり、精度の誤差が生じることを防止できる。また、繰出部ケース119は、上側部分119aを外して、メンテナンスができ、更に固定側である下側部分119bに回転センサ117を設けているので、回転センサ117は外れにくく、位置が安定し、検出精度も向上する。そして取り外す部分が繰出部ケース119の上側部分119aだけなので、小型であり、コンパクトな構成となる。また取り外しも容易にできる。
【0091】
図19には本発明の他の実施例による施肥装置付き乗用型田植機1の施肥装置5の平面図を示す。本実施例では8条植えの構成である。繰出ロール73とセンサーギヤ118を一体化した繰出ロール73の組み立て体を機体の中心位置に配置して、回転センサ117を設ける構成とし、回転センサ117によって繰出ロール73の回転数を読み取り、実際の施肥量をモニター部130上に表示できる構成とする。また、繰出ロール73の組み立て体を、機体の中央部分ではなく、施肥装置5全体の左右両側にある畦クラッチ106の部分に設けても良い。
【0092】
本構成を採用することにより、多条田植機1の中央部分は畦クラッチ106の使用頻度が少ないことから、左右一端部の畦クラッチ106を切にしていても、モニター部130上への施肥量の表示が可能となる。また、左右両最外側の畦クラッチ106(1、2)、106(7、8)で伝動される部分の回転を検出する回転センサ117を各々設けると、左右いずれの側の畦クラッチ106を切っていても、他方の畦クラッチ部分の回転センサ117で回転数を検出できる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば肥料や薬剤等の粉粒体を貯留した肥料タンクを農業機械だけでなく、建設機械、物流機械などにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施例の施肥装置付き乗用型田植機の側面図である。
【図2】図1の施肥装置付き乗用型田植機の平面図である。
【図3】図1の施肥装置の背面図である。
【図4】図4(a)は、図1の施肥装置の平面図であり、図4(b)は図4(a)の点線Mの部分を示した斜視図である。
【図5】図1の施肥装置の側面図である。
【図6】図1の施肥装置の粉粒体繰出部の側面断面図である。
【図7】図6のSーS断面図である。
【図8】図1の施肥装置の肥料回収レバー及びその関連部材の側面図である。
【図9】図1の施肥装置の施肥伝動機構を示す側面図である。
【図10】図1の施肥装置の施肥伝動機構を示す平面図である。
【図11】図1の施肥装置の逆転伝達機構及び繰出量調節機構の一部を示す平面断面図である。
【図12】図1の施肥装置の肥料繰出部への伝動機構を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施例による粉粒体繰出し装置の作溝体部分の側断面図である。
【図14】図14(a)は本発明の他の実施例による粉粒体繰出し装置の油圧植付昇降レバーと施肥レバーの側面図であり、図14(b)は植付昇降レバーと施肥レバーを一体化した場合の平面図である。
【図15】図14の植付クラッチケース内の伝動経路の簡略図である。
【図16】本発明の一実施例による施肥装置付き乗用型田植機のブザー停止スイッチの接続状態を示したブロック図である。
【図17】図17(a)は本発明の他の実施例による施肥装置付き乗用型田植機の施肥装置の平面図であり、図17(b)は図17(a)のS1−S1の断面図である。
【図18】図17の施肥装置付き乗用型田植機のハンドル部分の平面図である。
【図19】本発明の他の実施例による施肥装置付き乗用型田植機の施肥装置の平面図である。
【符号の説明】
【0095】
1 施肥装置付き乗用型田植機 2 走行車体
3 昇降リンク装置 4 苗植付部
5 施肥装置 10 前輪
11 後輪 12 ミッションケース
13 前輪ファイナルケース 15 メインフレーム
18 後輪ギヤケース 20 エンジン
21 第一ベルト伝動装置 22 マフラー
23 HST 25 植付クラッチケース
26 植付伝動軸 27 施肥伝動機構
30 エンジンカバー 31 座席
32 フロントカバー 34 ハンドル
35 フロアステップ 36 リヤステップ(フェンダ)
38 予備苗載台 40 上リンク
41 下リンク 42 リンクベースフレーム
43 縦リンク 44 連結軸
45 スイングアーム 46 昇降油圧シリンダ
47 固定プレート 48 機体側フレーム
49 施肥装置側フレーム 49a パッチン錠
49b、49b 傾動位置ストッパ
50 伝動ケース 51 苗載台
51a 苗取出口 51b 苗送りベルト
52 苗植付装置 52a 苗植付具
53 線引きマーカ 54 傾動位置ロック用プレート
55 センターフロート 56 サイドフロート
57 上下動検出機構 58 繰出量調節ロッド支持プレート
59 吐出口 60 肥料タンク
60a 蓋 61 繰出部
61a 吐出口 61b 管状部
62 施肥ホース 63 施肥ガイド
64 作溝体 65 施肥ホース受け
65a、65b バー 65c ボルト
66 電動モータ 67 ブロア
68 エア搬送管 68a ゴム管
68b 樹脂管 69 吸気管
70 吸気ダクト 71 回動アーム
72 係止具 73、73A、73B 繰出ロール
74 凹部 75 繰出軸
75a 角軸部 76 ブラシ
77A、77B 繰出停止シャッタ
77a 把手 78 繰出部ケース
78a 固定部分 78b 離脱部分
79 スライド支持部 80 接続管
81 エア切替管 82 カプセル摩耗防止板
82a 回動軸 83 肥料排出口
84 排出シャッタ 84a 回動軸
85 肥料回収管 86 エア切替シャッタ
86a 回動軸 87 肥料回収口
90 肥料回収レバー 90a 回動支点軸
90b ピン 91 シャッタ開閉伝達軸
92 扇形プレート 92a 長穴
93 開閉ギヤ 94 半円形ギヤ
94a ストッパ部 95 エア切替ワイヤ
96 アーム 97 スプリング
98 レバーガイド 98a、98b ガイド穴
100 フレーム 105 繰出駆動軸
106 施肥畦クラッチ 107 筒軸
108a、108b 繰出伝動ギヤ
108 単条クラッチ 110 畦クラッチレバー
111 施肥クラッチ 112 施肥クラッチレバー
113 植付昇降レバー 114 止め具
115 ブザー停止スイッチ 116 繰出ロールギヤ
117 回転センサ 118 センサーギア
119 繰出部ケース 119a 繰出部ケース上側部分
119b 繰出部ケース下側部分 120 ケーブル
121 センサーシャフト 122 ワンタッチ式止め具
123 繰出ロール軸 124 ピン
125 ブロアスイッチ 126 ボルト
130 モニター部 131 長穴
132 駆動側揺動ロッド 133 カウンタアーム
134 従動側揺動ロッド 135 繰出入力アーム
136L、136R 一方向クラッチ
137 一方向クラッチ軸 138L、138R 外環部
139 伝動用ローラ 140 第一アーム
141 第二アーム 142 第一リンク
143 中継軸 144 第三アーム
145 第二リンク 146 第四アーム
147 駆動ギヤ 147a キー
148 従動ギヤ 149 シール材
149a 外側シール材 150L、150R 逆転用支持部材
151 基部フレーム 152 締付ボルト
153、154、155 ボールベアリング
156 繰出量調節機構 157 繰出量調節ロッド
158 繰出量調節軸 159 手動ハンドル
160 軸支持部材 160a 軸支持支点軸
162 回動軸 163 カウンタ支持部材
163a プレート部 163b 前部プレート部
164 位置調節体 164a 雌ねじ部分
165 カウンタ支点軸 166 孔
167 補強部材 168、169、170 ボールベアリング
173 繰出量表示用ねじ部分 174 繰出量表示具
174a 雌ねじ部分 175 カバー
176 長孔部 177 目盛
178 マーク 180 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留タンク(60)内の粉粒体を繰り出す繰出部(61)を並列して複数設け、
該複数の繰出部(61)の並び方向に向けて、粉粒体をエア搬送するためのエアの通路であるエア搬送管(68)と、
更に繰出部(61)から繰り出した粉粒体をエア搬送管(68)からのエアにより粉粒体の吐出口(59)へ移送するための移送管(62)と、
更に繰出部(61)から見てエア搬送管(68)とは反対側で、複数の繰出部(61)の並び方向に向けて、貯留タンク(60)内及び繰出部(61)に残留する粉粒体を回収するための回収管(85)と、
該回収管(85)と貯留タンク(60)の間に、貯留タンク(60)内の粉粒体をタンク(60)下部へ供給する開閉手段(84)を有する通路(83)と、
更に並列した複数の繰出部(61)の一端側に配置して、エア搬送管(68)と回収管(85)へエアを送風するブロア(67)と、
ブロア(67)とエア搬送管(68)及び回収管(85)の間に、ブロア(67)からのエアの供給がエア搬送管(68)もしくは回収管(85)に切替え可能な切替手段(86)と、
回収管(85)から見て繰出部(61)とは反対側に、複数の繰出部(61)の並び方向に向けて、ブロア(67)の吸気を案内する吸気管(69)と、
該吸気管(69)に移送管(62)を保持する保持具(65)とをそれぞれ設けたことを特徴とする粉粒体繰出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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