粉粒剤施用装置
【課題】 ホッパーの残留粉粒剤を取出し、又は送風乾燥するために、施用のための施用ダクトや、取出のための取出ダクトの他に、送風機からこのホッパーへ送風するための特別の送風ダクトを構成する形態は、構成が煩雑であり、生産コスト高となる。
【解決手段】 粉粒剤を収容するホッパー1の底部に、この粉粒剤を施用パイプ2へ繰出す繰出装置3と、取出シャッター4を開いて粉粒剤を取出ダクト5へ直接取出す取出口6を設け、送風機によりこれら施用パイプ2へ送風案内する施用ダクト8とこの送風シャッターとを設け、前記取出口6部には、これら取出ダクト5からホッパー1底部内へ通風可能の通風孔10を形成し、前記取出ダクト5の排出口を閉鎖可能の排出シャッターを設ける。
【解決手段】 粉粒剤を収容するホッパー1の底部に、この粉粒剤を施用パイプ2へ繰出す繰出装置3と、取出シャッター4を開いて粉粒剤を取出ダクト5へ直接取出す取出口6を設け、送風機によりこれら施用パイプ2へ送風案内する施用ダクト8とこの送風シャッターとを設け、前記取出口6部には、これら取出ダクト5からホッパー1底部内へ通風可能の通風孔10を形成し、前記取出ダクト5の排出口を閉鎖可能の排出シャッターを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、苗植機や、施肥、播種機、防除機等に装着して、施肥したり、播種したり、薬剤散布する等のために、これら粉粒剤を繰出施用する粉粒剤施用装置に関するもので、粉粒剤の繰出を常時円滑に行わせるものである。
【背景技術】
【0002】
ホッパー内の残留粉粒物を排出するために、送風機によりホッパー内へ送風して、ホッパー内の扮粒剤を乾燥して、繰出を円滑に行わせる技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005ー304326号公報(第3頁、図12)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホッパーの残留粉粒剤を取出し、又は送風乾燥するために、施用のための施用ダクトや、取出のための取出ダクトの他に、送風機からこのホッパーへ送風するための特別の送風ダクトを構成する形態は、構成が煩雑であり、生産コスト高となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、粉粒剤を収容するホッパー1の底部に、この粉粒剤を施用パイプ2へ繰出す繰出装置3と、取出シャッター4を開いて粉粒剤を取出ダクト5へ直接取出す取出口6を設け、送風機7によりこれら施用パイプ2へ送風案内する施用ダクト8とこの送風シャッター9とを設け、前記取出口6部には、これら取出ダクト5からホッパー1底部内へ通風可能の通風孔10を形成し、前記取出ダクト5の排出口11を閉鎖可能の排出シャッター12を設けたことを特徴とする粉粒剤施用装置の構成とする。
【0006】
粉粒剤をホッパー1に供給して施用作業を行うときは、繰出装置3の駆動によって、ホッパー1内の粉粒剤が施用パイプ2へ繰出され、送風機7からの送風が送風シャッター9の開きにより施用ダクト8へ送られて、各施用パイプ2へ噴出される。この施用パイプ2の噴風によって前記繰出された粉粒剤が土壌面等の所定位置へ施用される。このような施用作用時において、取出ダクト5の排出シャッター12を閉鎖状態にしておくと、この取出ダクト5内の送風圧力が上昇して、取出口6部の通風孔10を通してホッパー1の底部へ送風されて、この底部からホッパー1内を上昇しながら、この繰出中の粉粒剤を通風乾燥させる。又、施設用作業が終って、ホッパー1内の残留剤を取出すときは、前記施用ダクト8の送風シャッター9を閉めて、取出ダクト5側へのみ送風して、この排出口11の排出シャッター12を開き、前記取出口6の取出シャッター4を開くことによって、ホッパー1内の残留剤をこの取出口6から直接取出ダクト5へ取出して、この取出ダクト5内の風圧によって排出口から取出回収することができる。
【0007】
又、前記取出シャッター4を通風孔10を形成する網材、乃至目抜きパネル材等から構成することができるが、この形態においても、この取出シャッター4が閉鎖状態にあっても、この取出シャッター4に形成された通風孔10を経て送風が行われる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、ホッパー1内への送風の吹込案内を、残留剤取出用の取出ダクト5から、取出口6部の通風孔10を介して行わせるため、特別の送風ダクト等の大きい構成物と要せず、小形、簡潔化することができ、経済的構成とすることができる。しかも、ホッパー1内への送風は、この底部を取出口6側から上方へ吹上げるものであるから、粉粒剤の乾燥効果を高めることができ、繰出装置3による繰出作用を円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】施肥ホッパー部の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】施肥装置を有した苗植機の側面図。
【図4】その平面図。
【図5】一部別例を示すリヤフレーム部の斜視図と、その側面図。
【図6】一部別例を示すリヤフレーム部の斜視図と、その側面図。
【図7】ラインマーカを有した苗タンク部の平面図。
【図8】そのラインマーカ部の平面図。
【図9】一部別例を示す補助苗枠部の側面図。
【図10】一部別例を示す苗植機の側面図。
【図11】その補助苗枠部の側面図と、平面図。
【図12】変速レバーの斜視図と、レバーガイド部の平面図。
【図13】補助苗枠部の正面図と、この一部の作用図。
【図14】その一部別例を示す補助苗枠部の正面図と、一部の拡大作用図。
【図15】その側面図と、一部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面に基づいて、この粉粒剤施用装置は、苗植機の施肥装置として利用する形態を説明する。運転席16を支持するシートカバー17下に搭載のエンジン18の駆動によって、油圧無段変速装置19や、ミッションケース20の伝動機構等を介して伝動駆動される前輪21、及び後輪22を配置し、ステアリングハンドル23によって操向する四輪走行形態のトラクタ車体24の後部にリフトシリンダ25によって昇降される平行リンク形態のリフトアーム26を介して、センタフロート27、サイドフロート28、四条植用の苗タンク29、及び苗植爪30等からなる苗植装置31を装着する。
【0011】
前記車体24上にはフロア32を有し、この前端外側部には補助苗枠33を配置し、車体24の後端部のリヤフレーム34上に粉粒剤施用装置としての施肥装置35を装着する。前記苗植装置31は、後下り傾斜の苗タンク29を苗植フレーム36に対して左右往復移動可能に支持し、この苗タンク29の後下端の苗取出口37に対してロータリ形態に作動Dする苗植爪30を作用させて、マット苗を分離しながらフロート27、28によって均平する土壌面へ植付ける。この各フロート27、28の前側には、代掻ロータ38、39を配置して、土壌面を代掻する。各フロート27、28の均平位置に、作溝器40を設けて、均平土壌面に適宜深さの施肥溝を形成することができ、この作溝器40上に施肥装置35から繰出される粉粒剤肥料を流下案内する施用ホース41をのぞませる。前記苗植爪30による苗植付は、この作溝器40の後方位置に作動される。
【0012】
ここにおいて、粉粒剤を収容するホッパー1の底部に、この粉粒剤を施用パイプ2へ繰出す繰出装置3と、取出シャッター4を開いて粉粒剤を取出ダクト5へ直接取出す取出口6を設け、送風機7によりこれら施用パイプ2へ送風案内する施用ダクト8とこの送風シャッター9とを設け、前記取出口6部には、これら取出ダクト5からホッパー1底部内へ通風可能の通風孔10を形成し、前記取出ダクト5の排出口11を閉鎖可能の排出シャッター12を設ける。
【0013】
粉粒剤をホッパー1に供給して施用作業を行うとときは、繰出装置3の駆動によって、ホッパー1内の粉粒剤が施用パイプ2へ繰出され、送風機7からの送風が送風シャッター9の開きにより施用ダクト8へ送られて、各施用パイプ2へ噴出される。この施用パイプ2の噴風によって前記繰出された粉粒剤が土壌面等の所定位置へ施用される。このような施用作用時において、取出ダクト5の排出シャッター12を閉鎖状態にしておくと、この取出ダクト5内の送風圧力が上昇して、取出口6部の通風孔10を通してホッパー1の底部へ送風されて、ホッパー1内を上昇しながら、この繰出中の粉粒剤を通風乾燥させる。又、施設用作業が終って、ホッパー1内の残留剤を取出すときは、前記施用ダクト8の送風シャッター9を閉めて、取出ダクト5側へのみ送風して、この排出口11の排出シャッター12を開き、前記取出口6の取出シャッター4を開くことによって、ホッパー1内の残留剤をこの取出口6から直接取出ダクト5へ取出して、この取出ダクト5内の風圧によって排出口から取出回収することができる。
【0014】
又、前記取出シャッター4を通風孔10を形成する網材、乃至目抜きパネル材等から構成することができるが、この形態においても、この取出シャッター4が閉鎖状態にあっても、この取出シャッター4自体に形成された通風孔10を経て送風の吹込みが行われる。
【0015】
前記ホッパー1は、横長く形成して、このホッパー1の底部に沿って、各苗植付条毎に対応する繰出装置3を配置して、PTO軸から連動駆動可能に構成する。繰出装置3の前側には施用ダクト8を設け、後側には取出ダクト5を設け、これら両ダクト8、5の左端部を合流させて、送風ダクト42で送風機7に連通させて、この送風機7の駆動によって送風させる。前記送風シャッター9は、この施用ダクト8の入口部に設けて、開閉により施用ダクト8への送風、又は停止に切替えることができる。又、取出ダクト5は、常時前記送風ダクト42に連通して送風状態にあって、この右端部に排出口11を設け、排出シャッター12を有して、開閉することができる。この排出シャッター12は、ホッパー1の残留剤を取出排出させるときは開いて、取出搬出される残留剤を所定の容器に収容させる。又、前記ホッパー1内へ送風して乾燥作用を行わせるときは、この排出シャッター12よって排出口11を閉鎖して、この排出口11からの排風を停止して、各取出口6部の通風孔10から各ホッパー1底部内への送風作用を有効に行わせるものである。
【0016】
前記繰出装置3は、ホッパー1の底部繰出口3の直下に繰出ロール44を回転駆動可能に軸装45し、この繰出ロール44の回転によって一定量の粉粒剤を下方の漏斗46へ繰出す。この漏斗46は施用パイプ2上にのぞみ、繰出粉粒剤を施用パイプ2内へ流下案内する。各繰出装置3毎の施用パイプ2は後下りの傾斜に設けられて、この前端を前記施設用ダクト8に連通し、後端に施用ホース41を連通する。各施用パイプ2に繰出された粉粒剤を、施用ダクト8から吹込む、送風によって、施用ホース41へ搬入して、フロート27、28の作溝器40による作溝部へ吹出施用する。
【0017】
前記繰出口43の後側部に、後側下方の取出ダクト5にわたる取出口6を傾斜されて形成し、この取出口6に取出シャッター4を設ける。この取出シャッター4は、繰出ロール44を回転して繰出作動させるときは閉鎖し、繰出作業後に残留剤を取出ダクト5側へ取出回収するときに開くものである。従って、この取出シャッター4を通風自在の網材や、目抜プレート等から形成する形態では、この取出口6から粉粒剤の取出を停止させて、取出ダクト5から繰出口43部への通風を行わせることができる。この取出シャッター4を網材等の形態とすることによって、繰出口43部からホッパー1内の粉粒剤を送風乾燥させることができ、構成を簡単にすることができる。又、この取出シャッター4を単なるシャッタプレート形態とする形態では、このシャッタプレートの一部に小さな通風孔10を形成するか、又は、この取出シャッター4部を迂回する通風孔10を形成して、常時取出ダクト5から繰出口43側への送風を行わせるように構成することができる。
【0018】
次に、主として図5、図6に基づいて、前記車体24後端のリヤフレーム34上に、後側へ適宜幅に突出するステー50を設けて、図5のように上側にステッププレート51を支持したり、又、図6のように前記施肥装置35の各施用ホース41を支持させることができる。このステー50は、リヤフレーム34の後側に板材形態として構成することができ、ループ状形態に構成することができる。
【0019】
次に、主として図7、図8に基づいて、前記苗植機には、苗植付土壌面に走行基準とするラインを施すラインマーカ55を装着するが、このラインマーカ55を回転自在のリング形態としたもので、土壌面と接して回転することにより、ラインを施すことができる。このラインマーカ55はリング形態となるため、不使用時に苗タンク29の上面側に収納するときは、回転径が大きく苗タンク29面等に接当して、損傷を起し易くなるため、内外へ起伏回動切替可能Cのマーカアーム56に対して、ラインマーカ55の支持アーム57を回動切替可能Bに設ける。そして、このラインマーカ55を収納Eするとき、回転面方向を苗タンク29面の方向に沿うように切替えて保持させることによって、この苗タンク29への接触や、当接をなくすることができる。外周部にラグ58を有したリング55を回転自在に軸受59した支持アーム57を、マーカアーム56の先端部に対して回動可能に支持し、スプリング60の張力によってフック部61をこのマーカアーム56の二箇所の係合穴62、63部に掛替え係合させて、リング55を走行土壌面に直立状にしたり、収納させて苗タンク29面と平行状に切替えることができる。
【0020】
次に、主として図9に基づいて、前記補助苗枠33底に、空トレイを受けて浮上支持するバネ板65を設けて、空苗トレイの取出や、前側から補助作業者による苗トレイ68の供給等を行い易くする。補助苗枠33は、四辺部にストッパ縁66形成し、底面の前部寄り位置にバネ板65を適宜高さの山形状に突出させて設け、この上側にマット状苗を収容の苗トレイ68を受けたときは、バネ板65の抗して下動して、苗トレイの底下面が苗棚67に支持されるが、苗トレイが空の状態では、このバネ板65の弾発によって浮上されて、後下りの傾斜状に支持される。
【0021】
次に、主として図10、図11に基づいて、前記補助苗枠33の苗棚67を、支持軸73周りに上下回動させて、傾斜角度を変更して、運転席16からの苗トレイ、乃至苗トレイ内の苗取作用を行い易い形態(図10)とする。又、この苗棚67の前後には伸縮可能、乃至折畳可能の折畳棚72を設けて、不使用はこの折畳棚72を縮少、乃至折疊んで収納することができる。
【0022】
又、図11のように、補助苗枠33の苗棚67を前後に配置して、各苗棚67の前側、後側に折畳可能の折畳棚72を設け、苗トレイ68を支持しないときは、この折畳棚72を苗棚67の前、後端部の折畳軸69の周りに回動させて折畳重合させて収納状態とする。これら折畳棚72は、丸棒材等でループ状に形成して把持し易く、軽量化することができる。又、前後の苗棚67間には適宜間隔部70を形成して、各折畳棚72の前、後端に突出形成のストッパー71を嵌合させて、簡潔な折畳収納状態とすることができる。
【0023】
次に、主として図12に基づいて、前記油圧無段変速装置19のトラニオン軸を変速操作する変速レバー75のレバーガイド76に、中立位置Nから前進高速位置Fにわたって、「路上」77位置、「浅田」78位置、「湿田」79位置の各マーカをこの順序で添付表示させる。又、変速レバー75には指針80を設ける。路上、圃場(浅田、湿田)等の条件によるエンジン18の回転数により、低燃費走行状態を維持させるように操作できる。
【0024】
次に、主として図13〜図15に基づいて、前記補助苗枠33の後側運転席16側に、把持可能のハンドル81を設け、フロア32への昇降を行い易くする。この補助苗枠33は、前後中央部の下方に、車体24に取付ける取付ブラケット82を有し、フロア32の左、右いずれの側部にも取付け可能に構成し、ハンドル81をこの補助苗枠33の前、後いずれの側にも取付け可能に構成している。又、前記補助苗枠33は取付ブラケット82に対して一側寄りに偏倚した形態で、この取付ブラケット82をフロア32の外側に位置させて取付け、この補助苗枠33の外側部で、取付ブラケット82上方部側に、苗トレイを支持する苗棚67をブラケット83、及びこれに挿通する支持ピン84等によって取付け、この苗棚67苗トレイを支持しないときは、支持姿勢Lから支持ピン84の周りに上方へ回動させて収納姿勢Kとすることができる。このとき、ブラケット83にはストッパピン85を嵌合する複数のピン穴87が形成されていて、このピン穴87の支持姿勢L位置、又は収納姿勢K位置を選択して、ストッパピン85を嵌合する。このストッパピン85に苗棚67の先端部86を係合させて、この苗棚67の支持角度を支持姿勢L、又は収納姿勢Kに切替え維持することができる。
【0025】
前記ストッパピン85は、図14、図15のように前記ハンドル81を補助苗枠33に対して取付けるための取付ピンと共用することができる。補助苗枠33に、前記ブラケット83と共に、この内側にブラケット88を設け、前記ストッパピン85は、これら前後のブラケット83、88のピン穴87間にわたって挿通嵌合することにより、苗棚67の先端部86を係合する。苗棚67はL字形断面形態として、この先端部86を前記ブラケット83、88間の間隔部89に介入させて、前記ストッパピン85に係合させる。このストッパーピン85はスプリング90を有して、ブラケット83、88の各ピン穴87に渡って嵌合する状態に維持すると共に、ハンドル81を取付状態に維持する。このハンドル81をスプリング90の張力に抗して強く引くことよって、ストッパピン85の先端部をブラケット83のピン穴87から外して、この苗棚67の係止位置を、支持姿勢L、又は収納姿勢Kに切替えることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ホッパー
2 施用パイプ
3 繰出装置
4 取出シャッター
5 取出ダクト
6 取出口
7 送風路
8 施用ダクト
9 送風シャッター
10 通風孔
11 排出口
12 排出シャッター
【技術分野】
【0001】
この発明は、苗植機や、施肥、播種機、防除機等に装着して、施肥したり、播種したり、薬剤散布する等のために、これら粉粒剤を繰出施用する粉粒剤施用装置に関するもので、粉粒剤の繰出を常時円滑に行わせるものである。
【背景技術】
【0002】
ホッパー内の残留粉粒物を排出するために、送風機によりホッパー内へ送風して、ホッパー内の扮粒剤を乾燥して、繰出を円滑に行わせる技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005ー304326号公報(第3頁、図12)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホッパーの残留粉粒剤を取出し、又は送風乾燥するために、施用のための施用ダクトや、取出のための取出ダクトの他に、送風機からこのホッパーへ送風するための特別の送風ダクトを構成する形態は、構成が煩雑であり、生産コスト高となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、粉粒剤を収容するホッパー1の底部に、この粉粒剤を施用パイプ2へ繰出す繰出装置3と、取出シャッター4を開いて粉粒剤を取出ダクト5へ直接取出す取出口6を設け、送風機7によりこれら施用パイプ2へ送風案内する施用ダクト8とこの送風シャッター9とを設け、前記取出口6部には、これら取出ダクト5からホッパー1底部内へ通風可能の通風孔10を形成し、前記取出ダクト5の排出口11を閉鎖可能の排出シャッター12を設けたことを特徴とする粉粒剤施用装置の構成とする。
【0006】
粉粒剤をホッパー1に供給して施用作業を行うときは、繰出装置3の駆動によって、ホッパー1内の粉粒剤が施用パイプ2へ繰出され、送風機7からの送風が送風シャッター9の開きにより施用ダクト8へ送られて、各施用パイプ2へ噴出される。この施用パイプ2の噴風によって前記繰出された粉粒剤が土壌面等の所定位置へ施用される。このような施用作用時において、取出ダクト5の排出シャッター12を閉鎖状態にしておくと、この取出ダクト5内の送風圧力が上昇して、取出口6部の通風孔10を通してホッパー1の底部へ送風されて、この底部からホッパー1内を上昇しながら、この繰出中の粉粒剤を通風乾燥させる。又、施設用作業が終って、ホッパー1内の残留剤を取出すときは、前記施用ダクト8の送風シャッター9を閉めて、取出ダクト5側へのみ送風して、この排出口11の排出シャッター12を開き、前記取出口6の取出シャッター4を開くことによって、ホッパー1内の残留剤をこの取出口6から直接取出ダクト5へ取出して、この取出ダクト5内の風圧によって排出口から取出回収することができる。
【0007】
又、前記取出シャッター4を通風孔10を形成する網材、乃至目抜きパネル材等から構成することができるが、この形態においても、この取出シャッター4が閉鎖状態にあっても、この取出シャッター4に形成された通風孔10を経て送風が行われる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、ホッパー1内への送風の吹込案内を、残留剤取出用の取出ダクト5から、取出口6部の通風孔10を介して行わせるため、特別の送風ダクト等の大きい構成物と要せず、小形、簡潔化することができ、経済的構成とすることができる。しかも、ホッパー1内への送風は、この底部を取出口6側から上方へ吹上げるものであるから、粉粒剤の乾燥効果を高めることができ、繰出装置3による繰出作用を円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】施肥ホッパー部の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】施肥装置を有した苗植機の側面図。
【図4】その平面図。
【図5】一部別例を示すリヤフレーム部の斜視図と、その側面図。
【図6】一部別例を示すリヤフレーム部の斜視図と、その側面図。
【図7】ラインマーカを有した苗タンク部の平面図。
【図8】そのラインマーカ部の平面図。
【図9】一部別例を示す補助苗枠部の側面図。
【図10】一部別例を示す苗植機の側面図。
【図11】その補助苗枠部の側面図と、平面図。
【図12】変速レバーの斜視図と、レバーガイド部の平面図。
【図13】補助苗枠部の正面図と、この一部の作用図。
【図14】その一部別例を示す補助苗枠部の正面図と、一部の拡大作用図。
【図15】その側面図と、一部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面に基づいて、この粉粒剤施用装置は、苗植機の施肥装置として利用する形態を説明する。運転席16を支持するシートカバー17下に搭載のエンジン18の駆動によって、油圧無段変速装置19や、ミッションケース20の伝動機構等を介して伝動駆動される前輪21、及び後輪22を配置し、ステアリングハンドル23によって操向する四輪走行形態のトラクタ車体24の後部にリフトシリンダ25によって昇降される平行リンク形態のリフトアーム26を介して、センタフロート27、サイドフロート28、四条植用の苗タンク29、及び苗植爪30等からなる苗植装置31を装着する。
【0011】
前記車体24上にはフロア32を有し、この前端外側部には補助苗枠33を配置し、車体24の後端部のリヤフレーム34上に粉粒剤施用装置としての施肥装置35を装着する。前記苗植装置31は、後下り傾斜の苗タンク29を苗植フレーム36に対して左右往復移動可能に支持し、この苗タンク29の後下端の苗取出口37に対してロータリ形態に作動Dする苗植爪30を作用させて、マット苗を分離しながらフロート27、28によって均平する土壌面へ植付ける。この各フロート27、28の前側には、代掻ロータ38、39を配置して、土壌面を代掻する。各フロート27、28の均平位置に、作溝器40を設けて、均平土壌面に適宜深さの施肥溝を形成することができ、この作溝器40上に施肥装置35から繰出される粉粒剤肥料を流下案内する施用ホース41をのぞませる。前記苗植爪30による苗植付は、この作溝器40の後方位置に作動される。
【0012】
ここにおいて、粉粒剤を収容するホッパー1の底部に、この粉粒剤を施用パイプ2へ繰出す繰出装置3と、取出シャッター4を開いて粉粒剤を取出ダクト5へ直接取出す取出口6を設け、送風機7によりこれら施用パイプ2へ送風案内する施用ダクト8とこの送風シャッター9とを設け、前記取出口6部には、これら取出ダクト5からホッパー1底部内へ通風可能の通風孔10を形成し、前記取出ダクト5の排出口11を閉鎖可能の排出シャッター12を設ける。
【0013】
粉粒剤をホッパー1に供給して施用作業を行うとときは、繰出装置3の駆動によって、ホッパー1内の粉粒剤が施用パイプ2へ繰出され、送風機7からの送風が送風シャッター9の開きにより施用ダクト8へ送られて、各施用パイプ2へ噴出される。この施用パイプ2の噴風によって前記繰出された粉粒剤が土壌面等の所定位置へ施用される。このような施用作用時において、取出ダクト5の排出シャッター12を閉鎖状態にしておくと、この取出ダクト5内の送風圧力が上昇して、取出口6部の通風孔10を通してホッパー1の底部へ送風されて、ホッパー1内を上昇しながら、この繰出中の粉粒剤を通風乾燥させる。又、施設用作業が終って、ホッパー1内の残留剤を取出すときは、前記施用ダクト8の送風シャッター9を閉めて、取出ダクト5側へのみ送風して、この排出口11の排出シャッター12を開き、前記取出口6の取出シャッター4を開くことによって、ホッパー1内の残留剤をこの取出口6から直接取出ダクト5へ取出して、この取出ダクト5内の風圧によって排出口から取出回収することができる。
【0014】
又、前記取出シャッター4を通風孔10を形成する網材、乃至目抜きパネル材等から構成することができるが、この形態においても、この取出シャッター4が閉鎖状態にあっても、この取出シャッター4自体に形成された通風孔10を経て送風の吹込みが行われる。
【0015】
前記ホッパー1は、横長く形成して、このホッパー1の底部に沿って、各苗植付条毎に対応する繰出装置3を配置して、PTO軸から連動駆動可能に構成する。繰出装置3の前側には施用ダクト8を設け、後側には取出ダクト5を設け、これら両ダクト8、5の左端部を合流させて、送風ダクト42で送風機7に連通させて、この送風機7の駆動によって送風させる。前記送風シャッター9は、この施用ダクト8の入口部に設けて、開閉により施用ダクト8への送風、又は停止に切替えることができる。又、取出ダクト5は、常時前記送風ダクト42に連通して送風状態にあって、この右端部に排出口11を設け、排出シャッター12を有して、開閉することができる。この排出シャッター12は、ホッパー1の残留剤を取出排出させるときは開いて、取出搬出される残留剤を所定の容器に収容させる。又、前記ホッパー1内へ送風して乾燥作用を行わせるときは、この排出シャッター12よって排出口11を閉鎖して、この排出口11からの排風を停止して、各取出口6部の通風孔10から各ホッパー1底部内への送風作用を有効に行わせるものである。
【0016】
前記繰出装置3は、ホッパー1の底部繰出口3の直下に繰出ロール44を回転駆動可能に軸装45し、この繰出ロール44の回転によって一定量の粉粒剤を下方の漏斗46へ繰出す。この漏斗46は施用パイプ2上にのぞみ、繰出粉粒剤を施用パイプ2内へ流下案内する。各繰出装置3毎の施用パイプ2は後下りの傾斜に設けられて、この前端を前記施設用ダクト8に連通し、後端に施用ホース41を連通する。各施用パイプ2に繰出された粉粒剤を、施用ダクト8から吹込む、送風によって、施用ホース41へ搬入して、フロート27、28の作溝器40による作溝部へ吹出施用する。
【0017】
前記繰出口43の後側部に、後側下方の取出ダクト5にわたる取出口6を傾斜されて形成し、この取出口6に取出シャッター4を設ける。この取出シャッター4は、繰出ロール44を回転して繰出作動させるときは閉鎖し、繰出作業後に残留剤を取出ダクト5側へ取出回収するときに開くものである。従って、この取出シャッター4を通風自在の網材や、目抜プレート等から形成する形態では、この取出口6から粉粒剤の取出を停止させて、取出ダクト5から繰出口43部への通風を行わせることができる。この取出シャッター4を網材等の形態とすることによって、繰出口43部からホッパー1内の粉粒剤を送風乾燥させることができ、構成を簡単にすることができる。又、この取出シャッター4を単なるシャッタプレート形態とする形態では、このシャッタプレートの一部に小さな通風孔10を形成するか、又は、この取出シャッター4部を迂回する通風孔10を形成して、常時取出ダクト5から繰出口43側への送風を行わせるように構成することができる。
【0018】
次に、主として図5、図6に基づいて、前記車体24後端のリヤフレーム34上に、後側へ適宜幅に突出するステー50を設けて、図5のように上側にステッププレート51を支持したり、又、図6のように前記施肥装置35の各施用ホース41を支持させることができる。このステー50は、リヤフレーム34の後側に板材形態として構成することができ、ループ状形態に構成することができる。
【0019】
次に、主として図7、図8に基づいて、前記苗植機には、苗植付土壌面に走行基準とするラインを施すラインマーカ55を装着するが、このラインマーカ55を回転自在のリング形態としたもので、土壌面と接して回転することにより、ラインを施すことができる。このラインマーカ55はリング形態となるため、不使用時に苗タンク29の上面側に収納するときは、回転径が大きく苗タンク29面等に接当して、損傷を起し易くなるため、内外へ起伏回動切替可能Cのマーカアーム56に対して、ラインマーカ55の支持アーム57を回動切替可能Bに設ける。そして、このラインマーカ55を収納Eするとき、回転面方向を苗タンク29面の方向に沿うように切替えて保持させることによって、この苗タンク29への接触や、当接をなくすることができる。外周部にラグ58を有したリング55を回転自在に軸受59した支持アーム57を、マーカアーム56の先端部に対して回動可能に支持し、スプリング60の張力によってフック部61をこのマーカアーム56の二箇所の係合穴62、63部に掛替え係合させて、リング55を走行土壌面に直立状にしたり、収納させて苗タンク29面と平行状に切替えることができる。
【0020】
次に、主として図9に基づいて、前記補助苗枠33底に、空トレイを受けて浮上支持するバネ板65を設けて、空苗トレイの取出や、前側から補助作業者による苗トレイ68の供給等を行い易くする。補助苗枠33は、四辺部にストッパ縁66形成し、底面の前部寄り位置にバネ板65を適宜高さの山形状に突出させて設け、この上側にマット状苗を収容の苗トレイ68を受けたときは、バネ板65の抗して下動して、苗トレイの底下面が苗棚67に支持されるが、苗トレイが空の状態では、このバネ板65の弾発によって浮上されて、後下りの傾斜状に支持される。
【0021】
次に、主として図10、図11に基づいて、前記補助苗枠33の苗棚67を、支持軸73周りに上下回動させて、傾斜角度を変更して、運転席16からの苗トレイ、乃至苗トレイ内の苗取作用を行い易い形態(図10)とする。又、この苗棚67の前後には伸縮可能、乃至折畳可能の折畳棚72を設けて、不使用はこの折畳棚72を縮少、乃至折疊んで収納することができる。
【0022】
又、図11のように、補助苗枠33の苗棚67を前後に配置して、各苗棚67の前側、後側に折畳可能の折畳棚72を設け、苗トレイ68を支持しないときは、この折畳棚72を苗棚67の前、後端部の折畳軸69の周りに回動させて折畳重合させて収納状態とする。これら折畳棚72は、丸棒材等でループ状に形成して把持し易く、軽量化することができる。又、前後の苗棚67間には適宜間隔部70を形成して、各折畳棚72の前、後端に突出形成のストッパー71を嵌合させて、簡潔な折畳収納状態とすることができる。
【0023】
次に、主として図12に基づいて、前記油圧無段変速装置19のトラニオン軸を変速操作する変速レバー75のレバーガイド76に、中立位置Nから前進高速位置Fにわたって、「路上」77位置、「浅田」78位置、「湿田」79位置の各マーカをこの順序で添付表示させる。又、変速レバー75には指針80を設ける。路上、圃場(浅田、湿田)等の条件によるエンジン18の回転数により、低燃費走行状態を維持させるように操作できる。
【0024】
次に、主として図13〜図15に基づいて、前記補助苗枠33の後側運転席16側に、把持可能のハンドル81を設け、フロア32への昇降を行い易くする。この補助苗枠33は、前後中央部の下方に、車体24に取付ける取付ブラケット82を有し、フロア32の左、右いずれの側部にも取付け可能に構成し、ハンドル81をこの補助苗枠33の前、後いずれの側にも取付け可能に構成している。又、前記補助苗枠33は取付ブラケット82に対して一側寄りに偏倚した形態で、この取付ブラケット82をフロア32の外側に位置させて取付け、この補助苗枠33の外側部で、取付ブラケット82上方部側に、苗トレイを支持する苗棚67をブラケット83、及びこれに挿通する支持ピン84等によって取付け、この苗棚67苗トレイを支持しないときは、支持姿勢Lから支持ピン84の周りに上方へ回動させて収納姿勢Kとすることができる。このとき、ブラケット83にはストッパピン85を嵌合する複数のピン穴87が形成されていて、このピン穴87の支持姿勢L位置、又は収納姿勢K位置を選択して、ストッパピン85を嵌合する。このストッパピン85に苗棚67の先端部86を係合させて、この苗棚67の支持角度を支持姿勢L、又は収納姿勢Kに切替え維持することができる。
【0025】
前記ストッパピン85は、図14、図15のように前記ハンドル81を補助苗枠33に対して取付けるための取付ピンと共用することができる。補助苗枠33に、前記ブラケット83と共に、この内側にブラケット88を設け、前記ストッパピン85は、これら前後のブラケット83、88のピン穴87間にわたって挿通嵌合することにより、苗棚67の先端部86を係合する。苗棚67はL字形断面形態として、この先端部86を前記ブラケット83、88間の間隔部89に介入させて、前記ストッパピン85に係合させる。このストッパーピン85はスプリング90を有して、ブラケット83、88の各ピン穴87に渡って嵌合する状態に維持すると共に、ハンドル81を取付状態に維持する。このハンドル81をスプリング90の張力に抗して強く引くことよって、ストッパピン85の先端部をブラケット83のピン穴87から外して、この苗棚67の係止位置を、支持姿勢L、又は収納姿勢Kに切替えることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ホッパー
2 施用パイプ
3 繰出装置
4 取出シャッター
5 取出ダクト
6 取出口
7 送風路
8 施用ダクト
9 送風シャッター
10 通風孔
11 排出口
12 排出シャッター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒剤を収容するホッパー(1)の底部に、この粉粒剤を施用パイプ(2)へ繰出す繰出装置(3)と、取出シャッター(4)を開いて粉粒剤を取出ダクト(5)へ直接取出す取出口(6)を設け、送風機(7)によりこれら施用パイプ(2)へ送風案内する施用ダクト(8)とこの送風シャッター(9)とを設け、前記取出口(6)部には、これら取出ダクト(5)からホッパー(1)底部内へ通風可能の通風孔(10)を形成し、前記取出ダクト(5)の排出口(11)を閉鎖可能の排出シャッター(12)を設けたことを特徴とする粉粒剤施用装置。
【請求項1】
粉粒剤を収容するホッパー(1)の底部に、この粉粒剤を施用パイプ(2)へ繰出す繰出装置(3)と、取出シャッター(4)を開いて粉粒剤を取出ダクト(5)へ直接取出す取出口(6)を設け、送風機(7)によりこれら施用パイプ(2)へ送風案内する施用ダクト(8)とこの送風シャッター(9)とを設け、前記取出口(6)部には、これら取出ダクト(5)からホッパー(1)底部内へ通風可能の通風孔(10)を形成し、前記取出ダクト(5)の排出口(11)を閉鎖可能の排出シャッター(12)を設けたことを特徴とする粉粒剤施用装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−193861(P2010−193861A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45966(P2009−45966)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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