説明

組電池の製造方法および組電池

本発明の課題は、大容量で高出力密度かつ厚さ寸法の小さい環状型電池は体積が大きく、エネルギー密度が低いという問題を解決すると共に、電池の熱放散性も一層改善する、組電池の製造方法を提供することにある。本発明はまた、かかる製造方法に従って製造された組電池も提供する。
かかる課題を解決するために、本発明の製造方法は、(a)複数の単セルを製造する工程と、(b)前記複数の単セルを、一の単セルが他の単セルの内側に配設される入れ子状態に配列する工程と、(c)前記複数の単セルを互いに電気的に並列又は直列に接続する工程と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組電池の製造方法に係り、特に、電気自動車やインテリジェント電力網等に適用され得る大容量で高電力の組電池(動力電池)の製造方法に関するものである。本発明はまた、かかる製造方法によって製造される組電池にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
1990年代初頭以来、リチウムイオン電池は明らか且つ確実な技術革新を遂げており、携帯機器の急速な発展をもたらすに至っている。ここ10年では、安全性や効率面が急速に改良され、動力電池は高出力トルクモータとして、大型電気工具、ハイブリッド自動車および電気自動車等の様々な分野に適応されている。動力電池は、完全に内燃エンジンに依存する電力システムにおける少なくとも部分的な代替手段として機能しており、環境エネルギーにおける新たな発展を誘発している。
【0003】
現在のところ、高出力の中実型動力電池における熱放散の悪さを懸念して、リチウムイオン動力電池は小型分野で実用化されており、通常8−100Ahのユニット容量を有している。典型的なリチウムイオン動力電池としては、SPIM24300260の100Ahの角型リチウムイオン動力電池(中信国安盟固利新能源科技有限公司製)、IMP20/66/148−08PS 8Ahの高性能電池(星恒電源有限公司(蘇州)製)が知られている。当業者は、これらの電池セルを直列或いは並列に接続して電池パックの電圧および容量を増大させることにより、異なる分野での要求に対応している。例えば、北京中威信通科技有限公司では、10Ahのユニット容量のパワー単セルから成る電池パックを用い、電気通信分野用の48V−300Ah電池パックを使用するUPSサンプル製品ZWDY−48/300を開発した。
【0004】
EP1705743A1は、複数の単セルを有する電池モジュールに関する。この電池モジュールでは、単セルは互いに所定距離を隔てて配置されており、直列又は並列接続されている。
【0005】
US2005/0174092A1は車両で使用される電池システムに関し、電気的に接続された複数のリチウム電池を含んでいる。一実施形態によれば、電池システムは、直列接続された複数(例えば10)のリチウム電池を含むモジュールを備えている。別の実施形態によれば、モジュールは、コネクターを介してワイヤーまたはケーブルに連結されて、別のモジュールや車両電気系統に連結されるようになっている。
【0006】
しかしながら、既存の中実動力電池の電力出力特性は、ハイ・レベルな分野での必要条件を満たすに至っておらず、技術者は、セル容量を減少させてクリアランスを提供し押込換気を用いることによってしか、希望の高い電力出力特性を得ることが出来ない。代表例として、2008年3月に量産化された、USテスラ・モータ製の電気自動車「テスラ・ロードスター」がある。ここでは、休息状態から4秒以内での100km/hへの加速を実現するために、電池パックでは、現在最も成熟した18650のタイプのリチウムイオン電池セルが採用されている。各自動車においては、6831個もの18650のタイプ・リチウムイオン電池セルが使用されている。ここでは、全体の電力システムの信頼度を確保するために、パワーマネジメント・システムの複雑さや、アセンブリーの複雑さ、電池パックのメンテナンス要求等が大幅に増加することとなる。
【0007】
今後の動力電池製品の製品コスト削減に伴い、動力電池製品の適用分野は、発電所のエネルギー貯蔵およびピーク制御、電力網フィルタリング、電車用予備電力等の分野にまで広がる。その際、これらの分野で要求されるMWレベルを満たすべく、どのようにセルを組み合わせれば100Ah未満の容量とすることができるのか、想像することはほとんど不可能である。
【0008】
改良として、US5501916Aには、電池コア内に貫通孔を設けた電池セルが開示されており、貫通孔の側壁の少なくとも一部に対して、電池シェル(shell)を形成する蓋が、直接に又は蓋に熱により接続されたアルミプレートを介して閉塞状態で取り付けられている。これにより、セル内の熱放散性が改善されている。
【0009】
しかしながら、ここで言及されているように貫通孔を設けることは、熱放散の問題を解決するうえで重要な手掛かりとはならない。熱放散問題を解決する為に重要なことは、電池コアの最大厚さ寸法を制限することである。貫通孔を設けることによって電池コアの最大厚さ寸法を小さくすることはできる。しかしながら、電池セルの容量が300Ahを超えるまでに増大したり、中実型電池コアの最大厚さ寸法が100mm以上となる場合は、安全性や効率性の面から電池コアの最大厚さ寸法が制限される。そのため、単に貫通孔の径寸法を大きくしたり、数を増やしたりするだけでは、熱放散の問題が解決されても、他の問題を招来することとなる。例えば、貫通孔の径寸法を大きくすると貫通孔内に中空の(無駄な)容積が増え、電池セルひいては電池パック全体のエネルギー密度や出力密度の低下を招く一方、貫通孔の数を増やすと製造性やコスト性の低下を招くことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の従来の動力電池における不具合を解消するために為されたものであって、その解決課題は、熱放散の問題を効果的に解決するだけでなく、高容量、高安全性、高エネルギー密度および高出力密度を有する電池製品を提供すること、およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、組電池又は電池パックを簡便迅速に低コストで製造する方法に関する。すなわち、本発明の組電池の製造方法は、(a)複数の単セルを製造する工程と、(b)前記複数の単セルを、一の単セルが他の単セルの内側に配設される入れ子状態に配列する工程と、(c)前記複数の単セルを互いに電気的に並列又は直列に接続する工程と、を含むものである。従って、本発明に従う製造方法により製造された電池製品は、組電池や、複数の単セルを備えた電池パックである。
【0012】
好ましい態様によれば、前記(a)工程が、複数の環状型単セルを製造する工程を含み、各前記環状型単セルは貫通孔を有し、貫通孔によって規定される内側壁と、該環状型単セルの外周部によって規定される外側壁と、該内側壁と外側壁の間のコアを有しており、前記(b)工程が、前記複数の環状型単セルを、一の単セルが他の単セルの該貫通孔内に配設される入れ子状態に配列する工程を含んでいる。
【0013】
好ましい態様によれば、前記(a)工程が、中実型単セルと、1以上の環状型単セルを製造する工程を含み、前記中実型単セルはコアと該中実型単セルの外周部によって規定される外側壁を有する一方、前記環状型単セルは、貫通孔によって規定される内側壁と、該環状型単セルの外周部によって規定される外側壁と、該内側壁と外側壁の間のコアを有しており、前記(b)工程が、前記中実型単セルと前記1以上の環状型単セルを、一の単セルが他の単セルの該貫通孔内に配設される入れ子状態に配列する工程を含んでいる。
【0014】
本発明によれば、高容量、高出力密度で厚さが小さな環状体電池における、大型化や低エネルギー密度の問題が、複数の単セルを互いに入れ子状に配列して並列接続して製造することにより解消される。また、組電池や電池パックにおける熱放散性もさらに改善される。特に、複数の単セルが異なるサイズで製造されていることから、より小さな断面積を有する単セルをより大きな断面積を有する単セルの貫通孔内に配設することができ、すべての単セルを入れ子状態に配列することができる。従って、単セルの貫通孔による空所を有効に利用しつつ、高容量で熱放散性が良好な電池製品を得ることができ、電池製品のエネルギー密度も増大させることができる。
【0015】
好ましい態様によれば、前記(a)工程が、各前記複数の環状型単セルを製造する工程において、(a1)スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、前記環状型単セルのコアを形成し、該中空円筒巻線軸体により前記環状型単セルの前記内側壁を形成する工程と、(a2)前記内側壁を備えた前記コアをシェルに配置して、該シェルにより前記環状型単セルの前記外側壁を形成する工程と、(a3)上カバー板および下カバー板と、前記環状型単セルの前記内側壁と前記外側壁を一体に組み合わせて、前記環状型単セルのコアを封入する工程とを含んでいる。
【0016】
組電池が中実型単セルを含む場合は、前記(a)工程が、前記中実型単セルを製造する工程において、(a1’)前記中実型単セルの前記コアを製造する工程と、(a2’)前記中実型単セルの前記コアをシェルに配置して、該シェルにより前記中実型単セルの前記外側壁を形成する工程と、(a3’)上カバー板および下カバー板と、前記中実型単セルの前記外側壁を一体に組み合わせて、前記中実型単セルの前記コアを封入する工程とを含んでいる。
【0017】
前記(a3)工程においては、上カバー板および下カバー板と、内側壁および外側壁を一体に溶接しても良い。これにより、各カバー板と各側壁が確実にシール及び固定されて、カバー板と側壁間の伝熱も容易となる。
【0018】
好ましい態様によれば、スラリーで覆われていない内端集電部は、前記中空円筒巻線軸体の表面に直接接触する前記正極シート或いは前記負極シートの最も内側の端部に確保されており、前記内端集電部の少なくとも一部が、前記中空円筒巻線軸体の表面に溶接されている。また、確保された内端集電部は、前記中空円筒巻線軸体の表面に1回以上巻きつけられていても良い。これらの手段により、電池コアの内部から外部への、中空円筒巻線軸体を介しての熱放散が容易となる。
【0019】
同様に、電池コアの内部から外部へのセルのシェルを介しての熱放散を容易とするためには、スラリーで覆われていない外端集電部は、前記中空円筒巻線軸体周りの最も外側に巻きつけられた前記正極シート或いは前記負極シートの最も外側の端部に確保されており、前記外端集電部が前記シェルに直接接触していても良い。
【0020】
ある特定の態様によれば、入れ子状態で相互に隣接する二つの前記単セルのうち、外側の単セルの前記内側壁が内側の単セルの前記外側壁としても用いられ、これら隣接する二つの単セルが共通の側壁を共有している。これにより、内側に入れ子状態とされる内側の単セルを製造する工程で隣接する二つの単セルを入れ子状態に組み合わせることができる。その結果、製造工程が簡略化されて、生産性が高まると共に、電池の熱放散性能やエネルギー密度も向上する。更に、隣接する二つの単セルが共通の側壁を共有することから、組電池の機械的構造もよりコンパクトで安定したものとすることができる。
【0021】
上述した特定の態様の変形として、前記(a)工程と前記(b)工程が共に実行されて、前記複数の単セルを製造しそれらが入れ子状態の位置関係となるように順次内側から外側に組み合わせるに際して、スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、最も内側の単セルのコアを形成すると共に、該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の単セルを形成する(または、前記最も内側の中実型単セルの前記コアを形成すると共に、該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の中実型単セルを形成する)。次に、スラリーで覆われた他の正極シートと、他のセパレーターと、他のスラリーで覆われた負極シートを、該シェルの周囲に巻線して、他の単セルのコアを形成すると共に、該コアを他のシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の単セルの外側に入れ子状態で配設される他の単セルを形成し、上述の手順を最も外側の単セルのコアが形成され該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて該最も外側の単セルを形成されるまで繰り返して、これにより、前記複数の単セルが入れ子状態に組み合わされる。このような製造工程によれば、連続生産が促進されて、生産性が向上する。
【0022】
好ましい態様によれば、前記隣接する二つの単セルが共有する前記共通の側壁が、熱放散フィンによって一体的に連結された二枚のシェルからなる二重壁とされている。これにより、組電池の機械的強度が増すことに加えて、入れ子状態で相互に隣接する二つの単セル間における熱放散性能がさらに向上する。あるいは、共通の側壁に熱放散孔を設けることによっても、入れ子状態で相互に隣接する二つの単セル間における熱放散性能を向上させることができる。
【0023】
好ましい態様によれば、前記工程(a)において、各前記環状型単セルの前記コアの最大厚さ寸法が35mm以下とされている。これにより、セルのコアの内部電極シートからセル側壁の熱伝導面までの最大距離を制限することができ、セルのシェルの一部を形成する側壁の熱伝導面を介しての熱放散が一層容易になる。ここにおいて、環状型セルのコアの厚さ寸法とは、セルのコアの内側壁から外側壁に至るサイズをいう。例えば、セルのコアが中空円筒である場合は、厚さ寸法は内外半径の差に相当する。しかしながら、単セルのコアの最大厚さ寸法は35mm以下に限定されない。例えば、比較的低効率の電池のみを必要とする用途においては、最大厚さ寸法は、目的に合わせて、例えば50mmまで増大させることができる。
【0024】
好ましい態様によれば、前記工程(b)において、入れ子状態で相互に隣接する二つの前記単セルの隙間寸法が5mm以上とされている。これにより、電池パックの熱放散効果を向上させることができる。ここにおいて、隣接する二つの単セルの隙間寸法とは、隣接する二つの単セルのうち断面積の小さい方の単セルの外側壁と断面積の大きい方の単セルの内側壁の間の最小距離をいう。例えば、内側壁と外側壁が共に環状である場合は、隙間寸法は断面積の小さい方の単セルの外側壁の外半径と断面積の大きい方の単セルの内側壁の内半径の差に等しい。しかしながら、最小距離は5mm以上に限定されず、比較的低効率の電池のみを必要とする用途においては、0mmであっても良い。即ち、隣接する二つの単セルのうち断面積の小さい方の単セルの外側壁と断面積の大きい方の単セルの内側壁が密接していても良いし、上述のように、隣接する二つの単セルが共通の側壁を共有していても良い。
【0025】
好ましい態様によれば、前記工程(a)において、熱放散フィンを前記複数の単セルの少なくとも一つの内側壁および/又は外側壁に取り付ける工程を含んでいる。これにより、単セル側壁の表面を介しての熱放散が容易となる。
【0026】
好ましい態様によれば、前記環状型単セルが中空円筒とされている。これにより、電池パックを簡単な構造で得ることができ、製造や組み立ても容易となる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、単セルは任意の適当な形とすることができる。例えば、単セルは中空直方体等の中空角柱、即ち、多角形断面を有する中空角柱とされていても良い。これに対応して、中実型単セルが中実型円筒または中実型角柱とされていても良い。
【0027】
好ましい態様によれば、前記環状型単セルの前記貫通孔の中心線が該環状型単セルの幾何中心線と一致している。そこにおいて、貫通孔は円形状とされていても良いし、多角形や、他の任意の適当な形とされていても良い。例えば、環状型単セルが中空円筒である場合は、貫通孔は円筒の中心軸と共軸の円形孔とされていても良い。こうすることによって、一般的に、内部電極シートから隣接する単セル側壁の熱伝導面までの最大距離をより小さくすることができ、単セル側壁の熱伝導面を介してのより優れた熱放散が実現される。また、シェルおよびコアの組み立ても容易とされる。さらに、セルのコアが電解質を吸収して膨張した際に、セルのコアをより一定の応力分布をもってシェルにぴったりと当接させて、シェルに及ぼされるねじり方向の力を軽減し、セルをより一層保護することができる。
【0028】
好ましい態様によれば、前記単セルがリチウムイオンセルとされている。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、ニッケル水素セルやニッカドセル等の他タイプの単セルを採用することも可能である。
【0029】
本発明の別の態様は、上述の方法に従って製造される組電池に関するものであって、前記組電池が、互いに電気的に並列又は直列接続されると共に、一方が他方の内側に配設される入れ子状態に配列された複数の単セルを含んで構成されていることを、特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の製造方法に従って製造された組電池に含まれる環状型単セルの一例を概略的に示す斜視図。
【図2】図2aは、同環状型単セルのコアの巻線を概略的に示す図、図2bは、同環状型単セルの製造および組み立てを示す展開図。
【図3】図3aは、本発明の製造方法に従って製造された第一の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図、図3bは、同組電池の図3aにおけるX−X断面図。
【図4】本発明の製造方法に従って製造された第二の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図5】本発明の製造方法に従って製造された第三の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図6】本発明の製造方法に従って製造された第四の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図7】本発明の製造方法に従って製造された第五の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図8】本発明の製造方法に従って製造された第六の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図9】本発明の製造方法に従って製造された第七の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図10】本発明の製造方法に従って製造された第八の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図11】本発明の製造方法に従って製造された第九の形態としての組電池(動力電池)を概略的に示す斜視図。
【図12】図11に示した組電池の製造および組み立てを示す展開図。
【図13】図6に示した組電池の製造および組み立てを示す展開図。
【図14】比較例としての環状型セルの形態を概略的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のその他の特徴および利点を明らかにするために、好ましい実施形態について、以下に詳細に説明する。それらは限定的でない例として図面に示されている。
図面はあくまでも例示を目的としたものであって、必ずしも実寸法を示すものではない。図面をより明瞭にする目的またはある部分を目立たせる目的で、他の部分とは相対的に誇張された部分もあり得る。また、実施形態と図面においてそれぞれ対応する部材には同一の符号を付してある。
【0032】
以下に、本発明のいくつかの実施形態について、図面を参照しつつ、説明する。本発明に従う組電池の製造方法においては、先ず、複数の単セルを製造し、一の単セルが他の単セルの内側に配設される入れ子状態に配列したのち、複数の単セルを互いに電気的に並列又は直列に接続する。
【0033】
本発明の一実施形態に従えば、先ず、図1に示されるような、貫通孔2をそれぞれ有する複数の環状型単セル1を製造する。そこにおいて、各環状型単セル1は、貫通孔2によって規定される内側壁5と、環状型単セル1の外周部によって規定される外側壁4と、内側壁5と外側壁4の間のコア6を有している。図1では、コア6は、上カバー板7と図示しない下カバー板によって、上部と下部をそれぞれ封印されている。
【0034】
好ましい実施形態においては、各環状型単セル1は、図2aおよび2bに示されているように、以下の工程によって製造される。先ず、筒状の中空円筒巻線軸体5(例:外径寸法62mm、内径寸法60mm、高さ寸法180mmの金属製、特にアルミニウム製)と、正極タブを有し、正極スラリーで覆われた正極シート61(例:幅寸法166mm、長さ寸法16.3m)と、負極タブを有し、負極スラリーで覆われた負極シート62(例:幅寸法166mm、長さ寸法15.7m)と、セパレーター63(例:幅寸法170mm)を準備する。そこにおいて、正極シート、正極スラリー、負極シート、負極スラリーおよびセパレーターは、従来技術で公知の材料によって形成されている。例えば、正極シートはアルミニウム箔、正極スラリーはマンガン酸リチウム、負極シートは銅箔、負極スラリーは天然黒鉛、セパレーターはポリプロピレン(PP)フィルムで形成されている。この方法で製造されたセルはリチウムイオンセルであり、以下の例示説明における単セルの実施例でもある。次に、図2aに示されているように、セパレーター63、負極シート62およびもう一枚のセパレーター63を正極シート61と同じ側に順次配設し、巻線機で中空円筒巻線軸体5の周囲に巻線して、図2bに示されるような、中空円筒巻線軸体5を備えたセルのコア6を得る。
【0035】
本実施形態によれば、中空円筒巻線軸体5はアルミニウムで形成されている。この場合、当業者にはよく知られているように、正極シートのみが巻線軸体5に直接接触することができる。ここにおいて、正極スラリーで覆われていない内端集電部9が正極シート61の最も内側の端部に確保されていても良く、巻線は内端集電部9から始められる。即ち、内端集電部9は中空円筒巻線軸体5の表面に密接して巻きつけられることとなり、その確保された長さ寸法(例:本実施形態では200mm)により、内端集電部9は巻線軸体5の表面に少なくとも1回巻きつけられる。内端集電部9の巻線時には、内端集電部9の少なくとも一部が、例えば超音波溶接等によって巻線軸体5の表面に溶接されていても良い。この方法により、電池コア6と巻線軸体5間の伝熱性を高めることができる。内端集電部9の巻線完了後、正極シート61の残りの部分と、負極シート62、およびセパレーター63が巻線軸体5の表面に巻きつけられ、セルのコア6が形成される。
【0036】
巻線完了後、中空円筒巻線軸体5はセルのコア6から取り外されることなく、環状型単セル1の内側壁を形成することとなる。続いて、図2bに矢印A1で示されているように、巻線軸体5を備えたセルのコア6を、同じくアルミニウムで形成されたセルのシェル4に嵌め入れる。これにより、シェル4が環状型単セル1の外側壁を形成することとなる。当業者にはよく知られているように、アルミニウム製のシェル4に直接接触できるのもまた、正極シートのみであるため、巻線軸体5周りの最も外側に位置できるのは正極シートのみである。ここにおいて、好ましい実施形態に従えば、図2bに示されているように、スラリーで覆われていない外端集電部10が正極シート61の最も外側の端部に確保されていても良い。かかる外端集電部10は、最後に巻線軸体5周りに巻きつけられ、その確保された長さ寸法は、例えば本実施形態では、400mmとされている。外端集電部10がシェル4に直接接触することにより、セルのコア6とシェル4間での伝熱が改善される。但し、巻線軸体5とシェル4が共にステンレス鋼で形成されている場合は、負極シートのみが巻線軸体およびシェルに直接接触することができる。この場合、スラリーで覆われていない内端集電部と外端集電部をそれぞれ負極シートの両端に、上述と同様の方法で確保することが可能である。これにより、セルのコアからその内側と外側を介しての外部への熱放散が容易となる。
【0037】
内側壁5を備えたコア6をシェル4の内部に配設したのち、図2bに矢印A2およびA3で示されているように、上カバー板7および下カバー板8と、環状型単セル1の内側壁5および外側壁4を一体に組み合わせてセルのコア6を封入し、シールされたセルのシェルを得る。ここにおいて、好適には、上下カバー板と内側壁および外側壁は一体に溶接され、これにより各カバー板・各側壁間のシールや固定、および伝熱が容易となる。ここまでの工程で、図1に示される環状型単セル1全体の構造が完成する。
【0038】
上述の実施形態では、環状型単セルのコアは各々一枚の正極シートと負極シートおよびセパレーターの巻線によって形成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、環状型単セルのコアは各々複数枚の正極シートと負極シートおよびセパレーターの積層によって形成しても良い。この場合、各々複数枚の正極シートと負極シートおよびセパレーターは積層後、中空円筒巻線軸体に1回だけ巻きつけられる。また、環状型単セルのコアは、並列接続された複数の低容量電気コア(electrical cores)によって形成しても良い。即ち、本発明の製造方法に従えば、単セルのコアは従来技術における様々な方法によって形成することができ、優れた順応性および幅広い適用性が発揮される。
【0039】
上述の環状型単セルの製造工程において、中空円筒巻線軸体は中空円筒とされており、それに対応して、図1に示されているように、貫通孔2は円形孔とされ、環状型単セル1の形状は中空円筒とされている。さらに、貫通孔2の中心線が環状型単セル1の幾何中心線と一致している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。中空円筒巻線軸体は任意の適当な断面形状(例えば、矩形)を有していても良く、貫通孔2および環状型単セル1がそれに対応する適当な形状とされていても良い。また、貫通孔2の中心線は環状型単セル1の幾何中心線と一致していなくても良い。
【0040】
同様にして、上述の製造工程に従って異なる寸法の貫通孔や断面積を有する多数の環状型単セルを製造する。そして、これらの環状型単セルを一の単セルが他の単セルの内側に配設される入れ子状態に配列する。最後に、これらの環状型単セルを電気的に並列又は直列に接続する。
【0041】
例えば、順々に貫通孔および断面積の寸法が大きくなる三つの環状型単セル1A、1B、1Cを製造し、これらの単セルを入れ子状態に配列して電気的に並列接続することで、図3aおよび図3bに示されるような組電池や電池パックを得るようにしても良い。
【0042】
図3aには、本発明の製造方法に従って製造された第一の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。図3bには同組電池の図3aにおけるX−X断面図が示されている。図3aおよび図3bに示されているように、この組電池は、中空円筒形とされた三つの環状型単セルを含んで構成されており、それらの単セルは、端子伝導接続部3によって並列接続されている。この三つの単セルは、以下の順序で(内側から外側へ)互いに入れ子状態にて配列されている。具体的には、容量100Ah、外径寸法125mm、内径寸法60mm、高さ寸法180mmとされた環状型リチウムイオンパワー単セル1Aが最も内側に配置されており、続いて容量200Ah、外径寸法215mm、内径寸法150mm、高さ寸法180mmとされた環状型リチウムイオンパワー単セル1B、そして最も外側に配置されているのが容量300Ah、外径寸法305mm、内径寸法240mm、高さ寸法180mmとされた環状型リチウムイオンパワー単セル1Cである。よって、この組電池の合計容量は600Ahとなる。三つの環状型リチウムイオンパワー単セル1A、1Bおよび1Cのコアはそれぞれ32.5mmの最大厚さ寸法を有しており、それらの隙間寸法(二つの隣接するセルにおいて対向する内側壁と外側壁の間の最小距離)は12.5mmとされている。このように、各環状型単セルの最大厚さ寸法および/又は二つの隣接する環状型単セル間の隙間寸法を管理することによって、組電池の熱放散効果がより一層改善される。しかしながら、上記の設定はあくまでも例示であって、組電池はその用途や実際の要求に応じて設計可能であることが当業者には理解されるべきである。この形態の組電池のエネルギー密度は168.95Wh/Lとされており、例えば、充電/放電率が15C以下の条件での使用に適している。
【0043】
これに対して、図14には、本発明の発明者が設計した、比較例としてのリチウムイオン電池が概略的に示されている。比較例のリチウムイオン電池は貫通孔を有する600Ah環状型パワー単セルである。この環状型パワー単セルは中空円筒とされており、外径寸法は590mm、内径寸法(貫通孔の径寸法)は525mm、高さ寸法は180mmとされている。外側壁4と、電池の貫通孔によって規定される内側壁5の間の距離、即ち電池コアの厚さ寸法は32.5mmとされており、熱放散フィンは外側壁4と内側壁5の両方に設けられている。比較例の電池の最大径寸法(熱放散フィンを含む)は615mmであり、エネルギー密度は41.54Wh/Lとされている。
【0044】
以上からも分かるように、比較例のリチウムイオン環状型単セルに比して、本発明の製造方法に従って製造された上述の第一の形態の組電池は、同一の容量でありながら、全体の外形サイズはより小さく、一方でエネルギー密度は比較例の電池の4.07倍とされている。さらに、組電池の各単セルが側壁を介して有効に熱放散を実現できることから、組電池全体の熱放散性能は依然として確保されている。
【0045】
上述の第一の形態の組電池では、各環状型単セルの内側壁と外側壁は共に滑らかな表面を有している。しかしながら、本発明の製造方法に従って組電池の各単セルを製造する際に、側壁の熱放散性能の向上を目的として、比較例の環状型単セルと同様に、少なくとも一つの単セルの内側壁および/又は外側壁に熱放散フィンを設けることも可能である。図4〜図7に、このタイプの組電池の様々な形態を示す。
【0046】
図4には、本発明の製造方法に従って製造された第二の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。この組電池の構造は図3に示された第一の形態と実質的に同一とされているが、以下の点が異ならされている。即ち、環状型リチウムイオンパワー単セル1Aの内側壁5Aの表面および環状型リチウムイオンパワー単セル1Cの外側壁4Cの表面に熱放散フィンが設けられている。本形態の組電池の最大径寸法(熱放散フィンを含む)は330mmである。熱放散フィンを考慮に入れた場合のエネルギー密度は144.25Wh/Lとされており、これは比較例の電池が持つエネルギー密度の3.47倍にあたる。通気性を強化したことで、本形態の組電池は、例えば充電/放電率が20C以下の条件での使用に適している。
【0047】
図5には、本発明の製造方法に従って製造された第三の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。この組電池の構造もまた、図3に示された第一の形態と実質的に同一とされているが、以下の点が異ならされている。即ち、環状型リチウムイオンパワー単セル1Aの外側壁4Aと内側壁5Aの表面、環状型リチウムイオンパワー単セル1Bの外側壁4Bの表面、および環状型リチウムイオンパワー単セル1Cの外側壁4Cの表面に熱放散フィンが設けられている。本形態の組電池では、熱放散フィンを考慮に入れた場合のエネルギー密度は144.25Wh/Lとされており、これは比較例の電池が持つエネルギー密度の3.47倍にあたる。通気性を強化したことで、本形態の組電池は、例えば充電/放電率が30C以下の条件での使用に適している。
【0048】
図6には、本発明の製造方法に従って製造された第四の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。この組電池の構造は図5に示された第三の形態と実質的に同一とされているが、以下の点が異ならされている。即ち、環状型リチウムイオンパワー単セル1Aの外側壁4Aと環状型リチウムイオンパワー単セル1Bの内側壁5Bが熱放散フィンを介して固定的かつ一体的に連結されている一方、環状型リチウムイオンパワー単セル1Bの外側壁4Bと環状型リチウムイオンパワー単セル1Cの内側壁5Cが熱放散フィンを介して固定的かつ一体的に連結されている。本形態の組電池では、熱放散フィンを考慮に入れた場合のエネルギー密度は144.25Wh/Lとされており、これは比較例の電池が持つエネルギー密度の3.47倍にあたる。通気性を強化したことで、本形態の組電池は、例えば充電/放電率が30C以下の条件での使用に適している。
【0049】
図7には、本発明の製造方法に従って製造された第五の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。この組電池の構造は図6に示された第四の形態と実質的に同一とされているが、以下の点が異ならされている。即ち、環状型リチウムイオンパワー単セル1Cの外側壁4Cに設けられた全熱放散フィンによって形成される、全体の外形形状が正方形とされている。これにより、複数の組電池の配列が容易となり、熱放散性を高めるために熱放散フィンを配置する組電池間のスペースを最大限に利用することができる。言うまでもなく、熱放散フィンの全体外形形状は、具体的に要求されるスペース配置に応じて、他の任意の適当な形状、例えば、三角形、台形あるいは不規則な幾何学的図形とされていても良い。本形態の組電池では、外側の熱放散フィンを考慮に入れた場合のサイズは320mm×320mm、エネルギー密度は120.4Wh/Lとされている。通気性を強化したことで、本形態の組電池は、例えば充電/放電率が30C以下の条件での使用に適している。
【0050】
本発明の別の実施形態としての製造方法に従えば、上述の実施形態とは異なり、複数の環状型単セルのうち、最も内側に入れ子状態で配列される環状型単セルが中実型単セルに置き換えられる。即ち、先ず、1つの中実型単セルと、それぞれ貫通孔を有する1以上の環状型単セルを製造し、一の単セルが他の単セルの該貫通孔内に配設される入れ子状態に配列する。その後、これらの単セルを電気的に並列又は直列に接続する。環状型単セルの構造および製造工程は上述の実施形態のそれと同様であり、中実型単セルもまた、コアと、中実型単セルの外周部によって規定される外側壁を有している。
【0051】
中実型単セルを製造するに際しては、先ず、中実型コアを巻線又は積層によって製造する。次に、この中実型コアを中実型単セルの外側壁を形成するシェルの内部に配設する。最後に、上カバー板および下カバー板と中実型単セルの外側壁を一体に組み合わせて、中実型単セルのコアを封入する。中実型単セルの形状は、中実型単セルの外側に入れ子状態で配列される環状型単セルの貫通孔の形状と合致するものであっても良く、例えば、中実型円筒又は中実型角柱等とされていても良い。加えて、熱放散性の改善を目的として、中実型単セルの外側壁に熱放散フィンを設けることも可能である。図8〜図10に、本実施形態の製造方法に従って製造された組電池の様々な形態を示す。
【0052】
図8には、本発明の製造方法に従って製造された第六の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。本形態の組電池も三つの単セルを含んで構成されており、この三つの単セルは、以下の順序で(内側から外側へ)互いに入れ子状態にて配列されている。具体的には、径寸法100mm、高さ寸法180mm、容量100Ah、最大熱伝導距離25mmとされた中実型単セル1Aが最も内側に配置されており、続いて内径寸法102mm、外径寸法172mm、容量200Ah、最大熱伝導距離17.5mmとされた環状型単セル1B、そして最も外側に配置されているのが内径寸法174mm、外径寸法240mm、容量300Ah、最大熱伝導距離16.5mmとされた環状型単セル1Cである。この組電池の合計容量も600Ahである。熱放散フィンは三つの単セルの内側壁、外側壁のどちらにも設けられておらず、各単セル間の隙間寸法は比較的小さい僅か2mmとされている。この組電池のエネルギー密度は272.8Wh/Lとされており、例えば最大放電率が2C以下の条件での使用に適している。
【0053】
図9には、本発明の製造方法に従って製造された第七の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。本形態の組電池も三つの単セルを含んで構成されており、この三つの単セルは、以下の順序で(内側から外側へ)互いに入れ子状態にて配列されている。具体的には、径寸法100mm、高さ寸法180mm、容量100Ah、最大熱伝導距離25mmとされた中実型単セル1Aが最も内側に配置されており、続いて内径寸法110mm、外径寸法180mm、容量200Ah、最大熱伝導距離17.5mmとされた環状型単セル1B、そして最も外側に配置されているのが内径寸法190mm、外径寸法255mm、容量300Ah、最大熱伝導距離16.25mmとされた環状型単セル1Cである。図9に示されているように、最も内側の単セル1Aが中実型単セルである点を除いては、この組電池は第三の形態の組電池と同様の構造を有しており、熱放散フィンの配置も同様である。この組電池は、外側の熱放散フィンを考慮に入れた場合の最大径寸法は265mm、エネルギー密度は223.7Wh/Lとされており、例えば最大放電率が4C以下の条件での使用に適している。
【0054】
図10には、本発明の製造方法に従って製造された第八の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。この組電池の構造は図9に示された第七の形態と実質的に同一とされているが、以下の点が異ならされている。即ち、中実型リチウムイオンパワー単セル1Aの外側壁4Aと環状型リチウムイオンパワー単セル1Bの内側壁5Bが熱放散フィンを介して固定的かつ一体的に連結されている一方、環状型リチウムイオンパワー単セル1Bの外側壁4Bと環状型リチウムイオンパワー単セル1Cの内側壁5Cが熱放散フィンを介して固定的かつ一体的に連結されている。この組電池では、外側の熱放散フィンを考慮に入れた場合の最大径寸法は265mm、エネルギー密度は223.7Wh/Lとされており、例えば最大放電率が4C以下の条件での使用に適している。
【0055】
一方、図11には、本発明の製造方法に従って製造された第九の形態としてのリチウムイオン組電池(動力電池)が概略的に示されている。本形態の組電池も三つの単セルを含んで構成されており、この三つの単セルは、以下の順序で(内側から外側へ)互いに入れ子状態にて配列されている。具体的には、径寸法100mm、高さ寸法180mm、容量100Ah、最大熱伝導距離25mmとされた中実型単セル1Aが最も内側に配置されており、続いて内径寸法100mm、外径寸法170mm、容量200Ah、最大熱伝導距離17.5mmとされた環状型単セル1B、そして最も外側に配置されているのが内径寸法170mm、外径寸法236mm、容量300Ah、最大熱伝導距離16.5mmとされた環状型単セル1Cである。図11に示されているように、中実型単セル1Aの外側壁は環状型単セル1Bの内側壁と共用されており、これら二つの単セルが共通の側壁を共有している。また、環状型単セル1Bの外側壁は環状型単セル1Cの内側壁と共用されており、これら二つの単セルもまた共通の側壁を共有している。環状型単セル1Cの外側壁に熱放散フィンは設けられていない。この組電池のエネルギー密度は282.1Wh/Lとされており、例えば最大放電率が1C以下の条件での使用に適している。当業者には良く理解されるように、この特別な形態の組電池を製造するに際して、入れ子状態で最も内側に配列される中実型単セル1Aは、対応する寸法の環状型単セルに置き換えても良い。さらに、最も外側のおよび/又は最も内側の環状型単セルの側壁に熱放散フィンを設けることも可能である。
【0056】
組電池のこの特別な形態に関して、各単セルの製造工程自体は前述の工程と略同じであるが、単セルの製造工程と単セルを入れ子状態に組み合わせる工程とを共に実行することができる。図12に、かかる特別な形態の組電池の製造および組み立てを展開図で示す。この組電池も、内側から外側へ互いに入れ子状態にて配列される三つの単セルを含んで構成されており、最も内側の単セル1Aは中実型単セルとされている。中実型単セル1Aの製造に際しては、先ず中実型コア6Aを形成するが、この中実型コアはシェル4A内には配設せず、上下カバー板にも取り付けない。同様に、環状型単セル1B又は1Cの製造に際して、正極シート、負極シートおよびセパレーターを中空円筒巻線軸体5B又は5Cに巻きつけて内側壁を備えたコア6B又は6Cを形成するが、それらのコアは対応するシェル4B又は4C内には配設せず、上下カバー板にも取り付けない。ここで、当業者には良く理解されるように、入れ子状態で最も内側に配列される中実型単セル1Aを環状型単セルに置き換える場合は、環状型単セル1B又は1Cと同様の方法で製造可能である。また、上記単セルの製造順序は限定されるものではなく、任意の順序で製造しても良い。その後、中実型コア6Aと、内側壁5Bを備えたコア6Bおよび内側壁5Cを備えたコア6Cを任意の順序で(但し入れ子状態にて)環状型単セル1Cのシェル4C内に配設し、各単セルの上下カバー7A〜7Cおよび8A〜8Cに任意の順序でそれぞれ取り付ける。これにより、図11に示されたような(但しシェル4Cに熱放散フィンが追加で設けられた)組電池を得る。換言すれば、本組電池の製造工程においては、入れ子状態で相互に隣接する二つの単セルのうち、内側の単セルを製造する工程で、入れ子状態で隣接する二つの単セルのうち、外側の単セルの内側壁が内側の単セルの外側壁/シェルとしても用いられる。そして、この工程と同時に、隣接する二つの単セルを入れ子状態に組み合わせることができ、これらの隣接する二つの単セルは共通の側壁を共有することとなる。
【0057】
上述した製造方法の変形として、単セルの製造工程と単セルを入れ子状態に組み合わせる工程とを共に実行するのは同じだが、複数の単セルを、それらが入れ子状態の位置関係となるように順次内側から外側に製造し組み合わせる方法がある。同じく図12に示された組電池を例として説明するが、先ず、最も内側の単セルのコア6Aを形成し、シェル4Aと上下カバー板7A、8Aに取り付けて最も内側の中実型単セル1Aを製造する(もしくは、スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して最も内側の単セルのコアを形成すると共に、シェルと上下カバー板に取り付けて最も内側の環状型単セルを製造する)。次に、スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートをシェル4Aの周囲に巻線して他の単セルのコア6Bを形成すると共に、他のシェル4Bと上下カバー板7B、8Bに取り付けて、最も内側の単セル1Aの外側に入れ子状態で配設される他の単セル1Bを製造する。上述の手順を最も外側の単セルのコア6Cが形成されてシェル4Cと上下カバー板7C、8Cに取り付けて最も外側の単セル1Cが製造されるまで繰り返す。この工程と同時に、複数の単セルを入れ子状態に組み合わせる工程も完了する。このような工程によれば、先に製造した単セルのシェルを、次の単セルのコアを製造する際の巻線軸体として使用することにより、連続生産および生産性の向上が達成される。但し、全ての単セルのコアの形成および各シェルへの取り付けが完了してから、全ての単セルをまとめて上下カバーに取り付けても良い。
【0058】
上述の特別な形態の組電池の製造方法およびその変形は、入れ子状態で隣接する二つの単セルが共有する共通の側壁を、熱放散フィンによって一体的に連結された二枚のシェルからなる二重壁とする場合にも適用できる。その場合、各単セル間の熱放散が一層改善される一方、製造の簡略化という利点は維持される。図13に、このような製造および組み立て工程を図12と同様に示す。図13と図12の違いは以下の2点のみである。即ち、入れ子状態で隣接する二つの単セルが共有する共通の側壁が二重壁に置き換えられている点と、最も内側に入れ子状態で配列される中実型セル1Aが環状型セル1Aに置き換えられている点である。図13に示された製造および組み立て工程に従えば、図6に示された第四の形態の組電池を迅速に製造することができる。
【0059】
上述の第一〜第三、第六および第七の形態の組電池を製造する際には、組電池内の三つの単セルは互いに分離可能に入れ子状態に組み合わされる。これにより、組電池が極めて柔軟な構造で提供される。即ち、組電池内の入れ子状態に組み合わされた単セルの数を必要に応じて増減することができ、様々な容量の組電池を提供することが可能となる。例えば、容量400Ahの組電池を得るには、単セル1Aと単セル1Cを端子伝導接続部3で接続するだけで良い。また、三つの単セルは端子伝導接続部3で電気的に接続するだけでなく、更に、従来技術で公知の他の適当な手段によって機械的に接続し、組電池の機械的な安定性を向上させることもできる。例えば、組電池の外側に更にケーシングを配設して組電池を収容しても良い。こうすることにより、組電池全体の運搬や設置も容易となる。
【0060】
上述の第四、第五、第八および第九の形態の組電池を製造するに際しては、入れ子状態で隣接する二つの単セルが一重または二重の側壁を共有することとなる。これにより、製造工程が簡略化されるだけでなく、組電池の機械的強度も高まって、組電池全体の構造がより安定する。特に、入れ子状態で隣接する二つの単セルの内側壁と外側壁を熱放散フィンを介して固定的かつ一体的に連結する二重壁においては、隣接する二つの単セル間の伝熱がより一層改善される。また、隣接する二つの単セルが一重の側壁を共有する場合は、かかる側壁に熱放散孔を設けることによって、単セル間における熱放散が改善される。
【0061】
本発明の製造方法に従って製造された上述の様々な形態においては、比較例の環状型単セルに比して、組電池のエネルギー密度が大幅に増加している。加えて、組電池全体の熱放散性能は組電池内の個々の単セルの熱放散性能によって決まることから、単セルの最大厚さ寸法および/又は各単セル間の隙間寸法を適当に設定することによって、および/又は熱放散フィンを設けることによって組電池の熱放散性能を確保することが可能となる。
【0062】
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。また、本発明の開示内容から当業者が容易に想定できる種々なる修正、代用、変更は、何れも、本発明の保護範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。例えば、本発明の製造方法によれば、複数の環状型単セルは異なる高さ寸法、異なる最大厚さ寸法、異なる形状等を有するようにされていても良い。また、環状型単セルの最大厚さ寸法、および隣接する単セル間の隙間寸法は、エネルギー密度と熱放散性能の好適なバランスを取る目的で適当な値に設定可能である。更にまた、組電池において入れ子状態に配列された単セルの数は、上述の三つに限定されるものではなく、二つ、四つ、あるいは必要に応じてそれ以上の数であっても良い。また、組電池における個々の単セルの容量は前記実施形態における具体的な数値に限定されるものではなく、必要に応じて種々の容量の単セルが採用可能である。加えて、本発明の製造方法に従って製造された上述の様々な形態の組電池が使用可能な放電率は前記実施形態における具体的な数値に限定されるものではなく、本組電池は、実際の要求に応じて様々な放電率が必要とされるあらゆる条件において使用可能である。また、前記実施形態においては、組電池の容量を増大させるために組電池内の単セルを電気的に並列接続していたが、組電池の電圧を増大させるために各単セルを電気的に直列接続させることも可能である。更にまた、本発明の製造方法に従って組電池を製造する際には、熱放散フィンの配置は前記実施形態の記載に限定されるものではなく、実際の要求や具体的用途に応じて、一つ以上の単セルにおいて任意に選択された内側壁および/又は外側壁表面の全体に、あるいは部分的に配設されていても良い。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数の単セルを製造する工程と、
(b)前記複数の単セルを、一の単セルが他の単セルの内側に配設される入れ子状態に配列する工程と、
(c)前記複数の単セルを互いに電気的に並列又は直列に接続する工程と、
を含む組電池の製造方法。
【請求項2】
前記(a)工程が、複数の環状型単セルを製造する工程を含み、各前記環状型単セルは貫通孔を有し、貫通孔によって規定される内側壁と、該環状型単セルの外周部によって規定される外側壁と、該内側壁と外側壁の間のコアを有しており、前記(b)工程が、前記複数の環状型単セルを、一の単セルが他の単セルの該貫通孔内に配設される入れ子状態に配列する工程を含んでいる請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記(a)工程が、中実型単セルと、1以上の環状型単セルを製造する工程を含み、前記中実型単セルはコアと該中実型単セルの外周部によって規定される外側壁を有する一方、前記環状型単セルは、貫通孔によって規定される内側壁と、該環状型単セルの外周部によって規定される外側壁と、該内側壁と外側壁の間のコアを有しており、前記(b)工程が、前記中実型単セルと前記1以上の環状型単セルを、一の単セルが他の単セルの該貫通孔内に配設される入れ子状態に配列する工程を含んでいる請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記(a)工程が、各前記複数の環状型単セルを製造する工程において、
(a1)スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、前記環状型単セルのコアを形成し、該中空円筒巻線軸体により前記環状型単セルの前記内側壁を形成する工程と、
(a2)前記内側壁を備えた前記コアをシェルに配置して、該シェルにより前記環状型単セルの前記外側壁を形成する工程と、
(a3)上カバー板および下カバー板と、前記環状型単セルの前記内側壁と前記外側壁を一体に組み合わせて、前記環状型単セルの前記コアを封入する工程とを含んでいる請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記(a)工程が、各前記複数の環状型単セルを製造する工程において、
(a1)スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、前記環状型単セルのコアを形成し、該中空円筒巻線軸体により前記環状型単セルの前記内側壁を形成する工程と、
(a2)前記内側壁を備えた前記コアをシェルに配置して、該シェルにより前記環状型単セルの前記外側壁を形成する工程と、
(a3)上カバー板および下カバー板と、前記環状型単セルの前記内側壁と前記外側壁を一体に組み合わせて、前記環状型単セルのコアを封入する工程とを含んでおり、
さらに前記(a)工程が、前記中実型単セルを製造する工程において、
(a1’)前記中実型単セルの前記コアを製造する工程と、
(a2’)前記中実型単セルの前記コアをシェルに配置して、該シェルにより該中実型単セルの前記外側壁を形成する工程と、
(a3’)上カバー板および下カバー板と、前記中実型単セルの前記外側壁を一体に組み合わせて、前記中実型単セルの前記コアを封入する工程とを含んでいる請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
スラリーで覆われていない内端集電部は、前記中空円筒巻線軸体の表面に直接接触する前記正極シート或いは前記負極シートの最も内側の端部に確保されており、前記内端集電部の少なくとも一部が、前記中空円筒巻線軸体の表面に溶接されている請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】
確保された内端集電部は、前記中空円筒巻線軸体の表面に1回以上巻きつけられている請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
スラリーで覆われていない外端集電部は、前記中空円筒巻線軸体周りの最も外側に巻きつけられた前記正極シート或いは前記負極シートの最も外側の端部に確保されており、前記外端集電部が前記シェルに直接接触している請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
入れ子状態で相互に隣接する二つの前記単セルのうち、外側の単セルの前記内側壁が内側の単セルの前記外側壁としても用いられ、これら隣接する二つの単セルが共通の側壁を共有している請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項10】
前記隣接する二つの単セルが共有する前記共通の側壁が、熱放散フィンによって一体的に連結された二枚のシェルからなる二重壁とされている請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記(a)工程と前記(b)工程が共に実行されるに際して、
スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、最も内側の単セルのコアを形成する一方、
スラリーで覆われた他の正極シートと、他のセパレーターと、スラリーで覆われた他の負極シートを、前記最も内側の単セルのコアのシェルを構成する他の中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、前記最も内側の単セルのコアの外側に入れ子状態で配設される他の単セルのコアを形成すると共に、
上述の手順を最も外側の単セルのコアが形成されるまで繰り返して、
全ての前記単セルのコアをそれぞれの中空円筒巻線軸体および前記最も外側の単セルのシェルに対して入れ子状態に組み合わせて、前記単セルのコアを上カバー板および下カバー板に取り付ける
請求項2に記載の製造方法。
【請求項12】
前記(a)工程と前記(b)工程が共に実行されるに際して、
最も内側の中実型単セルのコアを形成する一方、
スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、前記最も内側の中実型単セルのコアのシェルを構成する中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、前記最も内側の中実型単セルのコアの外側に入れ子状態で配設される他の単セルのコアを形成すると共に、
上述の手順を最も外側の単セルのコアが形成されるまで繰り返して、
全ての前記単セルのコアをそれぞれの中空円筒巻線軸体および前記最も外側の単セルのシェルに対して入れ子状態に組み合わせて、前記単セルのコアを上カバー板および下カバー板に取り付ける
請求項3に記載の製造方法。
【請求項13】
前記(a)工程と前記(b)工程が共に実行されて、前記複数の単セルを製造しそれらが入れ子状態の位置関係となるように順次内側から外側に組み合わせるに際して、
スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、中空円筒巻線軸体の周囲に巻線して、最も内側の単セルのコアを形成すると共に、該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の単セルを形成し、
スラリーで覆われた他の正極シートと、他のセパレーターと、他のスラリーで覆われた負極シートを、該シェルの周囲に巻線して、他の単セルのコアを形成すると共に、該コアを他のシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の単セルの外側に入れ子状態で配設される他の単セルを形成し、
上述の手順を最も外側の単セルのコアが形成され該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて該最も外側の単セルを形成されるまで繰り返して、これにより、前記複数の単セルが入れ子状態に組み合わされる
請求項2に記載の製造方法。
【請求項14】
前記(a)工程と前記(b)工程が共に実行されて、前記複数の単セルを製造しそれらが入れ子状態の位置関係となるように順次内側から外側に組み合わせるに際して、
前記最も内側の中実型単セルの前記コアを形成すると共に、該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の中実型単セルを形成し、
スラリーで覆われた正極シートと、セパレーターと、スラリーで覆われた負極シートを、巻線軸体としての該シェルの周囲に巻線して、他の単セルのコアを形成すると共に、該コアを他のシェルと上下カバー板に取り付けて前記最も内側の単セルの外側に入れ子状態で配設される他の単セルを形成し、
上述の手順を最も外側の単セルのコアが形成され該コアをシェルと上下カバー板に取り付けて該最も外側の単セルを形成されるまで繰り返して、これにより、前記複数の単セルが入れ子状態に組み合わされる
請求項3に記載の製造方法。
【請求項15】
前記シェルが、熱放散フィンによって一体的に連結された二枚のシェル壁からなる二重壁とされている請求項11〜14の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項16】
前記工程(a)において、各前記環状型単セルの前記コアの最大厚さ寸法が35mm以下とされている請求項2又は3に記載の製造方法。
【請求項17】
前記工程(b)において、隣接する二つの前記単セルの隙間寸法が5mm以上とされている請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項18】
前記工程(a)において、熱放散フィンを前記複数の単セルの少なくとも一つの内側壁および/又は外側壁に取り付ける工程を含んでいる請求項2又は3に記載の製造方法。
【請求項19】
前記環状型単セルが中空円筒又は中空角柱とされており、前記環状型単セルの前記貫通孔の中心線が該環状型単セルの幾何中心線と一致している請求項2に記載の製造方法。
【請求項20】
前記環状型単セルが中空円筒又は中空角柱とされている一方、前記中実型単セルが対応する中実円筒又は中実角柱とされており、前記環状型単セルの前記貫通孔の中心線が該環状型単セルの幾何中心線と一致している請求項3に記載の組電池。
【請求項21】
前記単セルがリチウムイオンセルである請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項22】
請求項1〜21の何れか1項に記載の製造方法により製造される組電池であって、前記組電池が、互いに電気的に並列又は直列接続されると共に、一方が他方の内側に配設される入れ子状態に配列された複数の単セルを含んで構成されている組電池。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−530157(P2011−530157A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532488(P2011−532488)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070469
【国際公開番号】WO2011/035565
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(511031733)チンファ ユニバーシティ (2)
【氏名又は名称原語表記】Tsinghua University
【住所又は居所原語表記】No. 1, Qinghua Yuan, Haidian District, Beijing 100084, China
【出願人】(511031744)ベイジン ファ チュアン ホン リ エナジー テクノロジーズ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Beijing Hua Chuang Hong Li Energy Technologies Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 1, Shun Qiang Street, Shun Yi District, Beijing 101300, China
【Fターム(参考)】