説明

給湯装置

【課題】お湯張り時の水栓の開栓忘れによるお湯はり未完了を防止する使い勝手のよい、利便性に優れた給湯装置を提供する。
【解決手段】通水路を流れる水量を検出する水量検出装置9と、水を加熱する熱交換器4と、前記通水路を開閉する水量制御弁11と、前記水量検出装置の信号により通水路を流れた積算水量を求める制御部12と、目標積算水量を設定するとともに出湯指示を操作する外部入力装置13を備え、前記制御部12には外部入力装置13から出湯指示があったとき所定時間をカウントするタイマーを設け、前記タイマーがカウントアップするまでに前記水量検出装置からの信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として家庭用又は業務用の給水装置において、お湯はり時の報知、止水を行う給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の風呂へのお湯張り時の報知、止水を行う給湯装置にでは、リモコン等の外部入力装置に設けたお湯張りスッチを押して、人為的に給湯栓をあけてお湯はりを開始している。
【0003】
図4において、1はバーナー、2はバーナー1に燃料ガスを供給するガス管、3はバーナー1に燃焼用空気供給するファン、4はバーナー1の燃焼によって発生する燃焼ガスの下流に位置する給湯熱交換器、10は給湯栓である。
【0004】
外部入力装置13に設けたお湯張りスッチが押され出湯指示が操作されると、人為的に給湯栓10をあけて給水管5から給水が開始されると、ファン3が回転し、バーナー1が燃焼を開始する。バーナー1の燃焼により給湯熱交換器4内の水8が熱せられ、給湯用熱交換器出湯管6から浴槽14に出湯される。
【0005】
このとき、水量センサ9から制御器12に信号が入力され、毎分の流量が積算されている。水量センサ9からの信号により積算流量が外部入力装置13であらかじめ設定された積算流量に達すると制御器12から水量制御弁11に信号が出力されモーターにより自動的に通水路は閉止され、給水管5からの給水が停止して、バーナー1への燃料ガスの供給が停止され、バーナー1の燃焼が停止し浴槽17へのお湯張りが完了する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3152022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の構成では,お湯はりスイッチを押しても実際に給湯栓を開け忘れた場合は実際のお湯はりが完了しない。または混合水栓を間違えて水側にして開けた場合はお湯はりを行わないで浴槽に水が溜まってしまうという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、お湯はり運転を人為的ミスなしに行う利便性に優れた給湯装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の給湯装置は、通水路を流れる水量を検出する水量検出装置と、水を加熱する熱交換器と、前記通水路を開閉する水量制御弁と、前記水量検出装置の信号により通水路を流れた積算水量を求める制御部と、目標積算水量を設定するとともに出湯指示を操作する外部入力装置を備え、前記制御部には外部入力装置から出湯指示があったとき所定時間をカウントするタイマーを設け、前記タイマーがカウントアップするまでに前記水量検出装置からの信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにしたものである。
【0009】
上記発明によれば、外部入力装置で出湯指示を行った後に水栓が開かれていない場合は、水量検出装置の信号を利用して所定時間経過後に水栓が開かれていないことを報知するようにしているため、お湯張り操作ミスを未然に防ぐことができ、より利便性に優れた給湯装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の給湯装置は、お湯張り操作ミスを未然に防止することができ、より利便性の優れた給湯装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、通水路を流れる水量を検出する水量検出装置と、水を加熱する熱交換器と、前記通水路を開閉する水量制御弁と、前記水量検出装置の信号により通水路を流れた積算水量を求める制御部と、目標積算水量を設定するとともに出湯指示を操作する外部入力装置を備え、前記制御部には外部入力装置から出湯指示があったとき所定時間をカウントするタイマーを設け、前記タイマーがカウントアップするまでに前記水量検出装置からの信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにしたものである。
【0012】
そして、外部入力装置で出湯指示を行った後に水栓が開かれていない場合は、水量検出装置の信号を利用して所定時間経過後に水栓が開かれていないことを報知するようにしているため、お湯張り操作ミスを未然に防ぐことができ、より利便性に優れた給湯装置を提供することができる。
【0013】
第2の発明は、熱交換後の通水路の湯温を検出する出湯サーミスタを設け、制御部はタイマーがカウントアップするまでに前記出湯サーミスタからの所定の信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにしたものである。
【0014】
そして、外部入力装置で出湯指示を行った後に出湯サーミスタから湯水の昇温信号がない場合は通水路に水が流れていない状態であると判断し、所定時間経過後に水栓が開かれていないことを報知するようにしているため、お湯張り操作ミスを未然に防ぐことができ、より利便性に優れた給湯装置を提供することができる。
【0015】
第3の発明は、水栓に湯温を検出する温度センサを設け、制御部はタイマーがカウントアップするまでに前記温度センサからの所定の信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにしたものである。
【0016】
そして、外部入力装置で出湯指示を行った後に温度センサから湯水の昇温信号がない場合は給湯側の水栓が開かれていない状態であると判断し、所定時間経過後に水栓が開かれていないことを報知するようにしているため、お湯張り操作ミスを未然に防ぐことができ、より利便性に優れた給湯装置を提供することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態によって本願発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における給湯装置の「お湯張り動作」のシーケンスフローを示している。
【0019】
なお、給湯装置の構成及び動作は従来例で示した図4と同一であり、異なる部分について説明する。
【0020】
まず、S1で外部入力装置13に設けたお湯張りスイッチが押されると、S2で制御器12に内蔵されたタイマーが起動する。
【0021】
次に、S3でタイマーのカウントがT時間経過したか否かを判定し、S4でT時間経過する前に水栓10が開栓され水量検出装置である水量センサー9から制御器12に信号が入力されたか否かを確認し水栓10が開栓されと判定した場合は、S5でバーナ1の燃焼を開始し所定温度に制御された湯水を浴槽14に供給し「お湯張り」運転を開始する。そして、S6で設定湯量に達すると、S7で水量制御弁11を閉止し、S8で「お湯張り」運転を完了する。
【0022】
また、S3、S4でT時間経過しタイマーがカウントアップしても水栓10が開かれず水量センサー9から制御器12に信号が入力されない場合は、S9で外部入力装置13により水栓10が開かれていないことを報知する。
【0023】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における給湯装置の「お湯張り動作」のシーケンスフローを示している。
【0024】
なお、給湯装置の構成及び動作は従来例で示した図4と同一であり、異なる部分について説明する。
【0025】
まず、S101で外部入力装置13に設けたお湯張りスイッチが押されると、S102で制御器12に内蔵されたタイマーが起動する。
【0026】
次に、S103でタイマーのカウントがT時間経過したか否かを判定し、S104でT時間経過する前に出湯サーミスタ7から制御器12に昇温信号が入力されたか否かを確認し、昇温信号がある場合は水栓10が開かれバーナ1の燃焼開始により正常に熱交換が行われていると判断して、S105で「お湯張り」運転を開始し湯張り量の積算を開始する。そして、S106で積算湯張り量が設定湯量に達したか否かを確認し設定湯量に達すると、S107で水量制御弁11を閉止し、S108で「お湯張り」運転を完了する。
【0027】
また、S103、S104でT時間経過しタイマーがカウントアップしても出湯サーミスタ7から昇温信号が入力されない場合は、水栓10が開かれずバーナ1の加熱動作がかいしされていない状態であると判断し、S109で外部入力装置13により水栓10が開かれていないことを報知する。
【0028】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態における給湯装置の「お湯張り動作」のシーケンスフローを示している。
【0029】
なお、給湯装置の構成及び動作は従来例で示した図4と同一であり、異なる部分について説明する。本実施の形態では水栓10に湯水混合弁を用いた場合の動作であり、水栓10に温度センサー8を設けている。
【0030】
まず、S201で外部入力装置13に設けたお湯張りスイッチが押されると、S202で制御器12に内蔵されたタイマーが起動する。
【0031】
次に、S203でタイマーのカウントがT時間経過したか否かを判定し、S204でT時間経過する前に温度センサー8から制御器12に昇温信号が入力されたか否かを確認し、昇温信号がある場合は湯水混合装置を用いた水栓10の湯側と水側が適正に調整されバーナ1の燃焼開始により正常に熱交換が行われていると判断して、S205で「お湯張り」運転を開始し湯張り量の積算を開始する。そして、S206で積算湯張り量が設定湯量に達したか否かを確認し設定湯量に達すると、S207で水量制御弁11を閉止し、S208で「お湯張り」運転を完了する。
【0032】
また、S203、S204でT時間経過しタイマーがカウントアップしても温度センサー8から昇温信号が入力されない場合は、水栓10が開かれずバーナ1の加熱動作が開始されていないか、または、湯水混合装置を用いた水栓10の湯側と水側が適正に調整されておらず水側のみ開放状態であると判断し、S209で外部入力装置13により水栓10が開かれていない、または、湯水混合装置の湯側が開かれていないことを報知する。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明による給湯装置は、お湯張り時の誤動作を防止して使い勝手のよい、利便性に優れた給湯装置を提供することができ、電気温水器等の貯湯式給湯装置にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図2】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図3】本発明の実施の形態3におけるフローチャート
【図4】給湯装置の全体構成図
【符号の説明】
【0035】
4 熱交換器
9 水量センサー(水量検出装置)
11 水量制御弁
12 制御器(タイマー)
13 外部入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水路を流れる水量を検出する水量検出装置と、水を加熱する熱交換器と、前記通水路を開閉する水量制御弁と、前記水量検出装置の信号により通水路を流れた積算水量を求める制御部と、目標積算水量を設定するとともに出湯指示を操作する外部入力装置を備え、前記制御部には外部入力装置から出湯指示があったとき所定時間をカウントするタイマーを設け、前記タイマーがカウントアップするまでに前記水量検出装置からの信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにした給湯装置。
【請求項2】
熱交換後の通水路の湯温を検出する出湯サーミスタを設け、制御部はタイマーがカウントアップするまでに前記出湯サーミスタからの所定の信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにした請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
水栓に湯温を検出する温度センサを設け、制御部はタイマーがカウントアップするまでに前記温度センサからの所定の信号が入力されない場合、水栓の未開放を報知するようにした請求項1記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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