説明

締結装置

【課題】 本発明は、各種イベント会場に設立されて、商品の案内やディスプレイに利用する展示ブースにおける柱又は梁などの骨組を構成するフレーム構造物などを組み立てる際に使用する締結装置に関するものである。
【解決手段】 略コ字状の一対のロッド1、2と、これらのロッド1、2を連結するジョイント3とからなる締結装置において、上記各ロッド1、2はロッド本体4と連結棒5とL字状の保持棒6とからなり、上記ジョイント3は筒状又はリング状のジョイント本体9と、このジョイント本体9の内周に相対向して平行に突設した保止片7、8と上記二つの保止片7、8間に形成した長孔10とで構成され、上記長孔10内に上記各ロッド1、2の連結棒5、5を背中合わせに直列に並べて挿入し、次いで、上記ジョイント本体9を任意の角度まで回転して当該連結棒5、5同士を上記保止片7、8で締め付けて結合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種イベント会場に設立されて、商品の案内やディスプレイに利用する展示ブースにおける柱又は梁などの骨組を構成するフレーム構造物などを組み立てる際に使用する締結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種イベントに参加する場合に、イベント環境や雰囲気を整え、商品やサービスの案内を良好にかつ効率よく行うために、商品を陳列したり、サービスの案内板などを設置したりする展示ブースが広く利用されている。
【0003】
この展示ブースは、フレーム構造物を組み立てて柱又は梁として骨組が形成され、例えばこの骨組に、壁面や天井などが取り付けられて、他のブースや通路と区画したり、照明器具、棚板、看板、バンガー吊りなどが取り付けられたりする場合がある。
【0004】
しかしながら、かかる従来の展示ブースに利用されるフレーム構造物は、多種多様の木製または金属(主に鋼材)製の柱および梁に釘を打ち付けて結合したり、ボルト、ナットを用いて結合したりしたものであるため、その組み立て作業が煩雑で、作業効率が悪く、全体としてコスト高になるという不具合があった。
【0005】
この不具合を解決するため、本出願人は、例えば特許文献1に開示されたような締結装置を開発し、この締結装置を使用してフレーム構造物を組み立てることにより作業効率の向上を図っている。
【0006】
上記フレーム構造物は、図8に示すように、四隅に起立する断面L字状のアングル材15と、前後、左右に対向する上記アングル材15間に架設した断面コ字状の化粧板19と、上記アングル材15と化粧板19を締結するための締結装置とからなる。
【0007】
まず、上記アングル材15は、第一の長尺フレーム16と、この第一の長尺フレーム16から直角方向に向けて一体に連設した第二の長尺フレーム17と、上記第一、第二の長尺フレーム16、17の長手方向に沿って等間隔で穿設された複数の係止孔18とからなる。
【0008】
次に、上記化粧板19は断面コ字状に形成されて、その左右端には、上記アングル材15の上記各長尺フレーム16、17に設けた係止孔18と対向する位置に挿通孔12が設けられている。
【0009】
次に、上記締結装置は、ボルト13とナット14とからなり、上記ボルト13は、その一端に設けたナット14を螺合するためのボルト部13aと、このボルト部13aに一体的に垂設されて化粧板19の外面に当接する係止部13bと、この係止部13bに一体的に垂設されると共に他端に位置するL字部13cとからなる。
【0010】
これにより、上記ボルト13のL字部13cを化粧板19の挿通孔12及びこれに対向するアングル材15の係止孔18に挿通し、このL字部13cをアングル材15の内側面に引掛け、上記ボルト13のボルト部13aを他の挿通孔12及びこれに対向する他の係止孔18に挿通し、このボルト部13aにアングル材15の内側からナット14を螺合することによってアングル材15と化粧板19とを結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−113697号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記従来の締結装置においては、機能上特に欠陥があるわけではないが、次のような不具合の改善が求められている。
【0013】
即ち、上記従来の締結装置においては、上述したとおり、ナットを螺合する締結作業をする際に、相対向する挿通孔15と係止孔18を一対の孔とすると、二対の孔にボルト部とL字部をそれぞれ挿通する。これにより、上記各孔にボルト部又はL字部が挿通した当該箇所が、アングル材と化粧板とを結合する結合部となる。
【0014】
例えば、結合したいアングル材又は板体の形状や使用環境により、アングル材と化粧板との結合強度を増す必要がある場合には、上記結合部を増やすことが好ましい。
【0015】
このため、アングル材と化粧板との結合強度を増したい場合においては、結合部が増えることから、ナットを螺合する締結作業の回数も増し、作業が煩雑になるという不具合があった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、ナットを螺合する作用に代えてより簡易的な締結作業とし、一回の締結作業によって発生するアングル材又は板体を結合する結合部を増やして作業効率を向上させ、作業性、組付性、経済性に優れた締結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための第一の手段は、略コ字状の一対のロッドと、これらのロッドを連結するジョイントとからなる締結装置において、上記各ロッドは、ロッド本体と、このロッド本体の一端から直角方向に一体に折り曲げた連結棒と、同じくロッド本体の他端から上記連結棒と同じ方向に直角に折り曲げたL字状の保持棒とからなり、上記ジョイントは筒状又はリング状のジョイント本体と、このジョイント本体の内周に相対向して平行に突設した保止片と上記二つの保止片間に形成した長孔とで構成され、上記長孔内に上記各ロッドの連結棒を背中合わせに直列に並べて挿入し、次いで、上記ジョイント本体を任意の角度まで回転して当該連結棒同士を上記保止片で締め付けて結合させることである。
【0018】
上記の場合において、各連結棒の外周で保持棒と対向する部位に保持溝を形成し、ジョイント本体を任意の角度まで回転させたとき、上記保持溝内に上記保止片を喰い込ませて上記連結棒同士を背中合わせに締めて結合させることが好ましい。
【0019】
また、対となるロッドの各保持溝は、それぞれが対向する保持棒側に突出する点対称の円弧状に形成されることが好ましい。
【0020】
同じく、ジョイント本体が楕円状の筒体又はリングであることが好ましい。
【0021】
また、上記課題を解決するための第ニの手段は、略コ字状の一対のロッドと、これらのロッドを連結するジョイントとからなり、二つのアングル材又は板体の孔に上記ロッドを挿入した後に当該ロッドを上記ジョイントで締め付けて上記二つのアングル材又は板体を結合させる締結装置において、上記各ロッドは、ロッド本体と、このロッド本体の一端から直角方向に一体に折り曲げた連結棒と、同じくロッド本体の他端から上記連結棒と同じ方向に直角に折り曲げたL字状の保持棒とからなり、上記ジョイントは筒状又はリング状のジョイント本体と、このジョイント本体の内周に相対向して平行に突設した保止片と上記二つの保止片間に形成した長孔とで構成され、上記各ロッドの各保持棒を上記アングル材又は板体の二つの孔にそれぞれ差し込んで引掛け、次いで上記各ロッドの連結棒双方を上記アングル材又は板体の他の孔に差し込み、次いで上記長孔内に上記各ロッドの連結棒を背中合わせに並べて直列に挿入し、この状態で上記ジョイント本体を任意の角度まで回転して上記保止片で上記連結棒同士を締め付けて上記アングル材又は板体を重ねて結合することである。
【0022】
上記の場合において、各連結棒の外周で保持棒と対向する部位に保持溝を形成し、ジョイント本体を任意の角度まで回転させたとき、上記保持溝内に上記保止片を喰い込ませて上記連結棒同士を背中合わせに締めて結合させることが好ましい。
【0023】
また、対となるロッドの各保持溝は、それぞれが対向する保持棒側に突出する点対称の円弧状に形成されることが好ましい。
【0024】
同じく、ジョイント本体が楕円状の筒体又はリングであることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、締結作業はジョイントを任意の角度まで回転させることのみで足り、ナットを螺合する必要がなく作業が簡単である。更に、対となるロッドを締結するジョイントが一つで良く、部品点数が少なく構造が簡単で、加工性、経済性に優れている。
【0026】
つまり、締結部材が略コ字状の一対のロッドと、これらのロッドを連結するジョイントとからなり、上記各ロッドは、ロッド本体と、このロッド本体の一端から直角方向に一体に折り曲げた連結棒と、同じくロッド本体の他端から上記連結棒と同じ方向に直角に折り曲げたL字状の保持棒とからなり、上記ジョイントは筒状又はリング状のジョイント本体と、このジョイント本体の内周に相対向して平行に突設した保止片と上記二つの保止片間に形成した長孔とで構成されているため、上記ジョイント本体を任意の角度まで回転することにより、当該連結棒同士を上記保止片で締め付けて結合することができる。
【0027】
更に、請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、各連結棒の外周で保持棒と対向する部位に保持溝を設けることにより、ジョイントの位置ずれを防ぐ効果がある。
【0028】
更に、請求項3の発明によれば、請求項1及び請求項2の効果に加えて、ジョイント3の回転を円滑にする効果がある。
【0029】
更に、請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2、または請求項3の効果に加えて、ジョイント本体が楕円状の筒体又はリングであるため、ジョイントの構造が簡単であり生産性に優れている。
【0030】
更に、請求項5の発明によれば、各ロッドの各保持棒をアングル材又は板体に設けた二つの孔にそれぞれ差し込んで引掛け、次いで上記各ロッドの連結棒双方をアングル材又は板体に設けた他の孔に差し込み、次いでジョイントの長孔内に上記各ロッドの連結棒を背中合わせに並べて直列に挿入し、この状態で上記ジョイント本体を任意の角度まで回転して上記保止片で上記連結棒同士を締め付けて上記アングル材又は板体を重ねて結合するため、一回の締結作業によって発生する結合部が三箇所となるため、締結作業の回数を減らすことができ作業効率が良い。
【0031】
つまり、二本の保持棒と、ジョイントによって結合されて一体となった連結棒とが、結合する部材に設けられた三つの孔に挿通していることから、アングル材又は板体を結合する結合部は三箇所であり、各ロッドの連結棒を一つのジョイントによって結合するため、締結作業は一回である。
【0032】
また、請求項5の発明におけるロッド及びジョイントの構成は請求項1の発明と同様であるため、請求項5の発明は請求項1の発明による効果も得ることができ、締結作業が簡単で、更には、上述の通り締結作業の効率が良いことから、締結作業の作業性、締結装置の組付性、経済性において優れている。
【0033】
更に、請求項6、7、8によって付加される効果は、請求項2、3、4によって付加される効果と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態を示す締結装置の部分斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転前の部分拡大横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転前のA−A部分縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転後の部分拡大横断面図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転後のB−B部分縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態を示す締結装置を使用したフレーム構造物の部分斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態を示す締結装置を使用したフレーム構造物の斜視図である。
【図8】従来の締結装置を使用したフレーム構造物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態の締結装置について、図面を参照して詳細に説明する。いくつかの図面を通して付された同じ数字は、同じ部品か又はそれに対応する部品を示す。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態を示す締結装置の部分斜視図である。図2は、本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転前の部分拡大横断面図である。図3は、本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転前のA−A部分縦断面図である。図4は、本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転後の部分拡大横断面図である。図5は、本発明の実施の形態を示す締結装置のジョイント回転後のB−B部分縦断面図である。
【0037】
本発明の締結装置は図1に示すように、略コ字状の一対のロッド1、2と、これらのロッド1、2を連結するジョイント3とからなる締結装置である。
【0038】
上記各ロッド1、2は、ロッド本体4と、このロッド本体4の一端から直角方向に一体に折り曲げた連結棒5と、同じくロッド本体4の他端から上記連結棒5と同じ方向に直角に折り曲げたL字状の保持棒6とからなる。
【0039】
更に、上記ジョイント3は楕円状の筒体に形成されたジョイント本体9と、このジョイント本体9の内周に相対向して平行に突設した保止片7、8(図2、3、4、5参照)と上記二つの保止片7、8間に形成した長孔10とで構成される。
【0040】
更に、上記ロッド1、2に設けた各連結棒5、5は、その外周で保持棒6、6と対向する部位に保持溝11、11を形成し、ジョイント本体9を90度回転させたとき、上記保持溝11、11内に上記保止片7、8を喰い込ませて上記連結棒5、5同士を背中合わせに締めて結合させる(図4、5参照)。
【0041】
更に、上記各保持溝11、11は、それぞれが対向する保持棒6側に突出する点対称の円弧状に形成されている。
【0042】
詳しくは、上記保持溝11は各連結棒5の保持棒6側の半周に渡り、同じ位置に円弧状に形成されており、各保持溝11、11の曲率半径が等しく、且つ対となるロッド1、2の各連結棒5、5を背中合わせに当接させたとき、各保持溝11、11の曲率半径の中心が一致する。つまり、上記各保持溝11、11の曲率半径の中心が、各保持溝11、11の対称点となる。
【0043】
更には、各保持溝11、11の曲率半径を合わせた長さと、保止片7、8によって規制される長孔10の短手方向の長さとを略同じ長さに設定することにより、ジョイント3を回転させたとき、各保持溝11、11の各曲率半径の中心と、各保持溝11、11の対称点と、ジョイント3の回転に伴って回転する長孔10の回転中心とが略一致する。
【0044】
また、上記長孔10の短手方向の長さは、各保持溝11、11の曲率半径を合わせた長さよりもやや短めに設定されている。
【0045】
これにより、ジョイント3を回転させる際に、ジョイント3が回転しなくなったり、保止片7、8が保持溝11、11からずれたりすることを防ぎ、ジョイント3を円滑に回転させることができる。
【0046】
上記構成を備えることにより、締結装置を締結する作業は、ジョイント3を90度回転させることのみで足り、ナットを螺合する必要がなく作業が簡単で、対となるロッド1、2を結合するジョイント3が一つで良く、部品点数が少なく構造が簡単で、加工性、経済性に優れている。
【0047】
上述の締結作業においては、ジョイント3を90度回転させたときに、各保持棒5、5の距離が最短となるが、必ずしも90度回転させる必要はなく、ジョイント3の回転角度がわずかであっても上記保止片7、8が保持溝11に食い込んだ状態であればよい。
【0048】
また、上記保持溝11を備えない構造であったとしても、例えば、係止片7、8を弾性素材で形成することにより、ジョイント3を回転させたときに上記係止片7、8に反力を持たせて各連結棒5、5に当接させるとしても良い。この場合の必要とするジョイント3の回転角度も、上記保持溝11を備える場合と同様である。
【0049】
また、上記保持溝11は、当該保持溝11にジョイント3の保止片7、8を食い込ませて、ジョイント3が連結棒5から脱落することを防いでいる。
【0050】
更に、上記保持溝11が、連結棒5の保持棒6側の半周に渡り、円弧状に形成されていることから、わずかにジョイントを回転させた場合においてもジョイント3の保止片7、8が上記保持溝11に食い込み、保持溝11がジョイント3の回転方向を水平に誘導し、ジョイント3を滑らかに回転させることが可能となる。
【0051】
また、上記各保持溝11、11は、それぞれが対向する保持棒6側に突出する点対称の円弧状に形成されているため、ジョイント3を円滑に回転することが可能となる。
【0052】
また、ジョイント本体9が楕円状の筒体であるため、ジョイント3の構造が簡単であり生産性に優れている。
【0053】
次に、上記本発明に係わる締結装置は、二つのアングル材又は板体を結合する際に使用され、例えば、図7に示すフレーム構造物においては、アングル材15と化粧板19との結合に使用されている。
【0054】
このアングル材15と化粧板19とを本発明に係わる締結装置を用いて締結する作業を図2、3、4、5を参照して説明する。
【0055】
詳しくは、相対向するアングル材15に設けた挿通孔18と、化粧板19に設けた係止孔12とを一対の孔Tとしたとき、ひとつの締結装置を取り付ける際に三対の孔T1(図示せず)、T2(図2、3、4、5)、T3(図2、3、4、5)を用いる。
【0056】
まず、図2、3に示すように、アングル材15と化粧板19とを重ねて、相対向する挿通孔18と係止孔12とを連通状態とした三対の孔T1(図示せず)、T2、T3を設け、上記各ロッド1、2の各保持棒6、6を孔T1(図示せず)、T3にそれぞれ差し込んで引掛け、上記各ロッド1、2の連結棒5、5双方を他の孔T2に差し込む。
【0057】
次いで、上記長孔10内に上記各ロッド1、2の連結棒5、5を背中合わせに並べて直列に挿入する。
【0058】
この状態で、図4、5に示すように、上記ジョイント本体9を任意の角度まで回転して上記保止片7、8で上記連結棒5、5同士を締め付けて上記アングル材15と化粧板18とを重ねて結合する。図4、5には、ジョイント3を90度回転させた状態を示したが、上述したとおりジョイント3の回転角度は90度でなくともよい。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解するべきである。
【0060】
例えば、ジョイント3のジョイント本体9を筒状又はリング状としているが、この限りではなくジョイント本体9の上部に蓋を設けてキャップ状としてもよい。これによれば、連結棒5、5がジョイント3から突出しないことから、ジョイント3を回転させるときに連結棒5、5に作業者の手などが引っ掛かることを防ぐことができる。
【0061】
また、上記保持溝11を円弧状に設けるとしているが、必ずしもこの限りではなく、例えば保持溝11を部分的に平らにして平坦部を設けるとしてもよい。これにより、ジョイント3を回転させたときに保止片7、8が上記平坦部で引っ掛かるため、ジョイント3をどこまで回転させたのかを触感的に知ることができる。
【0062】
また、上記保持溝11の形状は適宜選択すれば良く、上記保持溝11の形状を変更することにより、ジョイント3の回転を許容する角度や、連結棒11を締め付ける強度を調整することができる。
【0063】
また、上述したように必ずしも保持溝11を設ける必要性はなく、係止片7、8を弾性素材で形成し、ジョイント3を回転することにより、上記係止片7、8で各保持棒5、5を締め付けることが可能である。
【0064】
また、孔T1、T2、T3は、保持棒6が挿通する孔T1、T3を丸孔、連結棒5、5が挿通する孔T2を長孔として図中に記載しているが、必ずしもこの限りではなく、孔T1、2、3の大きさ及び形状は適宜選択すればよく、これに伴い、係止孔18、連通孔12の大きさも適宜選択すればよい。
【0065】
また、本発明に係わる締結装置をアングル材15と化粧板19との結合以外の結合に用いても良いことは勿論であり、例えば、図7に示すフレーム構造物にあっては、隣り合うアングル材15、15の上端及び下端に架設したフレームに三つの孔を穿設して、図6に示すように上下にフレーム構造物を重ね、上記三つの孔を利用して上記締結装置によりフレーム構造物同士を結合するとしてもよい。
【0066】
また、本発明の実施の形態においては、三つの孔T1、T2、T3を直線状に設け、対となるロッド1、2を直線状に配在させて結合しているが、必ずしもこの限りではなく、対となるロッドをV字状に配在させて結合するとしてもよい。
【0067】
また、対となるロッド1、2の各連結棒5、5を同じ孔に挿入する必要はなく、隣り合わせて別々の孔に挿入するとしてもよい。
【0068】
また、ロッド本体4から起立させる保持棒4は必ずしも一本でなくとも良く、二又に分かれた形状にするとしてもよい。この場合においては、保持棒4の数にあわせて孔の数を調整するとすればよい。
【符号の説明】
【0069】
1、2 ロッド
3 ジョイント
4 ロッド本体
5 連結棒
6 保持棒
7、8 保止片
9 ジョイント本体
10 長孔
11 保持溝
12 連通孔
13 ボルト
14 ナット
15 アングル材
16、17 長尺フレーム
18 係止孔
19 化粧板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略コ字状の一対のロッド(1)(2)と、これらのロッド(1)(2)を連結するジョイント(3)とからなる締結装置において、上記各ロッド(1)(2)は、ロッド本体(4)と、このロッド本体(4)の一端から直角方向に一体に折り曲げた連結棒(5)と、同じくロッド本体(4)の他端から上記連結棒(5)と同じ方向に直角に折り曲げたL字状の保持棒(6)とからなり、上記ジョイント(3)は筒状又はリング状のジョイント本体(9)と、このジョイント本体(9)の内周に相対向して平行に突設した保止片(7)(8)と上記二つの保止片(7)(8)間に形成した長孔(10)とで構成され、上記長孔(10)内に上記各ロッド(1)(2)の連結棒(5)(5)を背中合わせに直列に並べて挿入し、次いで、上記ジョイント本体(9)を任意の角度まで回転して当該連結棒(5)(5)同士を上記保止片(7)(8)で締め付けて結合させることを特徴とする締結装置。
【請求項2】
各連結棒(5)(5)の外周で保持棒(6)(6)と対向する部位に保持溝(11)(11)を形成し、ジョイント本体(9)を任意の角度まで回転させたとき、上記保持溝(11)(11)内に上記保止片(7)(8)を喰い込ませて上記連結棒(5)(5)同士を背中合わせに締めて結合させることを特徴とする請求項1に記載の締結装置。
【請求項3】
対となるロッド(1)(2)の各保持溝(11)(11)は、それぞれが対向する保持棒(6)側に突出する点対称の円弧状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の締結装置。
【請求項4】
ジョイント本体(9)が楕円状の筒体又はリングである請求項1、2または3に記載の締結装置。
【請求項5】
略コ字状の一対のロッド(1)(2)と、これらのロッド(1)(2)を連結するジョイント(3)とからなり、二つのアングル材又は板体の孔に上記ロッド(1)(2)を挿入した後に当該ロッド(1)(2)を上記ジョイント(3)で締め付けて上記二つのアングル材又は板体を結合させる締結装置において、上記各ロッド(1)(2)は、ロッド本体(4)と、このロッド本体(4)の一端から直角方向に一体に折り曲げた連結棒(5)と、同じくロッド本体(4)の他端から上記連結棒(5)と同じ方向に直角に折り曲げたL字状の保持棒(6)とからなり、上記ジョイント(3)は筒状又はリング状のジョイント本体(9)と、このジョイント本体(9)の内周に相対向して平行に突設した保止片(7)(8)と上記二つの保止片(7)(8)間に形成した長孔(10)とで構成され、上記各ロッド(1)(2)の各保持棒(6)(6)を上記アングル材又は板体の二つの孔にそれぞれ差し込んで引掛け、次いで上記各ロッド(1)(2)の連結棒(5)(5)双方を上記アングル材又は板体の他の孔に差し込み、次いで上記長孔(10)内に上記各ロッド(1)(2)の連結棒(5)(5)を背中合わせに並べて直列に挿入し、この状態で上記ジョイント本体(9)を任意の角度まで回転して上記保止片(7)(8)で上記連結棒(5)(5)同士を締め付けて上記アングル材又は板体を重ねて結合する締結装置。
【請求項6】
各連結棒(5)(5)の外周で保持棒と対向する部位に保持溝(11)(11)を形成し、ジョイント本体(9)を任意の角度まで回転させたとき上記保持溝(11)(11)内に上記保止片(7)(8)を強制的に喰い込ませて上記連結棒(5)(5)同士を背中合わせに締めて結合させることを特徴とする請求項5に記載の締結装置。
【請求項7】
対となるロッド(1)(2)の各保持溝(11)(11)は、それぞれが対向する保持棒(6)側に突出する点対称の円弧状に形成されることを特徴とする請求項6に記載の締結装置。
【請求項8】
ジョイント本体(9)が楕円状の筒体又はリングである請求項5、6または7に記載の締結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−180949(P2010−180949A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25010(P2009−25010)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(398036494)株式会社ワイケイワイ (20)
【出願人】(502187209)
【Fターム(参考)】