能動的な再活性化システムを備える電池パック除湿機
【課題】電池パックの耐用年数を通じて動作可能な電池パックの湿度制御のメンテナンスフリーの解決策を提供する。
【解決手段】電池パックの筺体内の相対湿度を制御するための電池パックの除湿システム及び使用方法が提供される。所定の時間間隔又はシステム200内の湿度が予め設定されたレベルに達したときには、システム200は電池パック内の乾燥剤を加熱し、再活性化する。これにより、乾燥剤は水蒸気を吸収/吸着するポテンシャルを取り戻すことができる。
【解決手段】電池パックの筺体内の相対湿度を制御するための電池パックの除湿システム及び使用方法が提供される。所定の時間間隔又はシステム200内の湿度が予め設定されたレベルに達したときには、システム200は電池パック内の乾燥剤を加熱し、再活性化する。これにより、乾燥剤は水蒸気を吸収/吸着するポテンシャルを取り戻すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く電池に関し、より具体的には、パック内の湿度を制御することにより、電池パック内の電池の寿命を延ばすためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池は広く、一次及び二次電池に分類することができる。一次電池は、また使い捨て電池と呼ばれ、消耗するまで使用するように意図されており、消耗した後は、単に1つ以上の新しい電池に置き換えられるだけである。二次電池は、通常は充電式電池と呼ばれ、繰り返し充電して再利用することができ、したがって、使い捨て電池に比べて、経済上、環境上及び使いやすさの点で利点を提供している。
【0003】
充電式電池は使い捨て電池よりもはるかに長い耐用年数を提供するが、その耐用年数は無限ではない。以下に示す電池の耐用年数を制限する多くの要因がある。それは、(i)電池が受けた再充電サイクルの数、(ii)充電率(すなわち、低速トリクル充電対急速充電)、(iii)充電レベル(すなわち、フル充電の75%、フル充電、過充電など。)、(iv)前の充電の放電レベル(すなわち、完全に使い果たした、まだ低いレベルで充電されている、など。)、(v)非使用時の電池の保存温度、及び(vi)使用中の電池の温度、を含む。更に、電池内部の機械的及び化学的な不安定な性質は、電池の耐用年数に悪影響を与える。
【0004】
一般的には、二次電池に使用される電池の化学的性質は、一次電池で使用されているものよりも安定しない。その結果、二次電池は、多くの場合、製造中に特別な処理を必要とする。例えば、リチウムイオン電池は、通常、湿度が制御された、乾燥室で製造され、その後の水による汚染を最小限に抑えるために密封される。電池はまた、不活性雰囲気中で製造することができ、これにより、種々の任意の反応ガスによる電池の汚染を防ぐことができる。
【0005】
電池は、漏出及び/又は水、酸素、二酸化炭素、又は他の物質による汚染を防ぐために密封されている。残念ながら、電池の密封は不完全であり、これにより電池は徐々に汚染され、劣化する。この問題を克服する1つのアプローチは、電池のシールを改良することである。例えば、米国特許出願公開第2003/0096162号明細書は、例えばリチウム電池で使用されているリチウムイオン電解質等の腐食性の電解質と適合する気密シールを開示している。改良された電池のシールは、汚染の問題を克服する1つのアプローチを提案するが、このアプローチでは、通常、問題になっている電池の化学的性質と構造に応じた異なる溶液を必要とする。
【0006】
水による電池の汚染を防止するためのもう1つのアプローチは、電池パック自体の相対湿度を制御することであり、例えば不活性な乾燥剤の袋を使用する。このアプローチは、同時係属の米国特許出願第12/386,684号に記載されている。残念なことに、電池パック内の水分産生源がパックの寿命を通じて続くにつれて、これらの不活性な乾燥剤の袋のタイプは最終的に飽和点に達し、その点では、もはや更なる水分を吸収することはできない。結果として、飽和に達すると、乾燥剤の袋を交換する必要があり、そうしなければ、パック内の相対湿度が結露をもたらす可能性があるレベルに上昇することがある。乾燥剤の袋が飽和になると袋を交換するため、乾燥剤の袋の交換は、電池パックの寿命を通じて望ましくないサービス間隔をもたらす。
【0007】
したがって、必要とされているのは、電池パックの耐用年数を通じて動作可能な電池パックの湿度制御のメンテナンスフリーの解決策である。本発明は、このようなシステムを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電池パック格納装置内の相対湿度を制御するための電池パック除湿システムは、乾燥剤格納装置を含む除湿システムと、乾燥剤格納装置内に含まれた乾燥剤と、乾燥剤格納装置を電池パック格納装置に連結し、水蒸気を電池パック格納装置を通過させて、水蒸気を乾燥剤によって吸収及び吸着させる乾燥剤格納装置内に移動させる第1の空気通路と、乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと推定するために構成され、乾燥剤が吸収/吸着の効力を失った時に第1の制御信号を出力するコントローラと、第1の制御信号を受信した時に乾燥剤を加熱し、再活性化するように構成されたヒータアセンブリと、乾燥剤格納装置を電池パック格納装置の外側(例えば、周囲環境)の空間に連通させ、乾燥剤を加熱し、再活性化している間に、水分をシステム外に出すために放出させる第2の空気通路とを備える。
【0009】
乾燥剤格納装置は、電池パック格納装置内に取り付けられても構わない。代わりに、乾燥剤格納装置は、電池パック格納装置の外側に取り付けられても構わない。代わりに、乾燥剤格納装置は、電池パック格納装置に間接的に取り付けられても構わない。除湿システムは、電池パック格納装置と乾燥剤格納装置との間の空気を循環させるファンを備えても構わない。除湿システムは、乾燥剤の加熱と再活性化時に第1の空気通路を閉じて第2の空気通路を開き、乾燥剤の加熱前及び後と再活性化前及び後に第1の空気通路を開いて第2の空気通路を閉じるバルブを備えても構わない。
【0010】
コントローラは、第1の制御時間が出力されてから予め設定された期間が経過した後に第2の制御信号を出力するように設定されていてもよく、それによって、ヒータアセンブリは、第2の制御信号の受信時に加熱と再活性化を終了する。システムは少なくとも1つの湿度センサを更に備えていてもよく、例えば電池パック格納装置又は乾燥剤格納装置内に取り付けられ、湿度レベルをモニタし、これにより、測定した湿度が予め設定された湿度レベルを超えたときに、コントローラは第1の制御信号を出力する。コントローラは、いつ第1の制御信号を出力するかを判定するためのタイマを使用してもよく、具体的には、除湿システムを初期化してから、又はコントローラが最後に第1の制御信号を出力してから予め設定された期間が経過した後に、第1の制御信号を出力する。
【0011】
ヒータアセンブリは、乾燥剤の中に配置される加熱素子を備えていてもよく、又は、ヒータアセンブリは、乾燥剤格納装置から独立した加熱室内に配置された加熱素子を備えていてもよく、加熱室内で加熱された空気は、乾燥剤の加熱と再活性化中に乾燥剤格納装置を通過する。又は、ヒータアセンブリは、乾燥剤格納装置内に配置された加熱室内ではあるが、乾燥剤から独立して配置された加熱素子を備えていてもよい。ヒータアセンブリは、乾燥剤と乾燥剤格納装置を通過する加熱された空気を駆動するためのファンを備えていても構わない。ヒータアセンブリは、複数の熱伝導構造を(例えば、フィン)を備えていてもよく、これは乾燥剤格納装置全体及び乾燥剤内に配置されており、これにより、熱伝導構造は加熱素子によって加熱され、加熱素子の熱を乾燥剤に伝える。
【0012】
本発明の別の態様では、電池パックの湿度を制御する方法を備え、その方法は、(i)電池パック格納装置と大量の乾燥剤を含む乾燥剤格納装置との間に第1の空気通路を提供する工程と、(ii)電池パック格納装置から水蒸気を除去する工程であって、これにより水蒸気は乾燥剤によって吸収、吸着され、(iii)乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程と、(iv)乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと判定されたときに第1のヒータ制御信号を出力する工程と、(v)乾燥剤を再活性化するために、その場で乾燥剤を加熱する工程と、(vi)乾燥剤の加熱の開始から予め設定された期間が経過した後に、第2のヒータ制御信号を出力する工程と、(vii)加熱を終了する工程とを備える。
【0013】
この方法は、電池パック格納装置と乾燥剤格納装置との間に能動的に空気を循環させる工程を備えていてもよく、同時に電池パックからの水蒸気を除去し、乾燥剤中の水蒸気を吸収/吸着する工程を実行している。この方法は、乾燥剤格納装置と、電池パック格納装置の外側と乾燥剤格納装置の外側の空気容量との間に第2の空気通路を提供する工程を備えていてもよく、これにより、第1のヒータ制御信号の受信後に第1の空気通路を閉じ、第2の空気通路を開き、そして、第2のヒータ制御信号の受信後に第1の空気通路を開き、第2の空気通路を閉じる。第2の空気通路を開く工程は、第1のヒータ制御信号の受信後、所定の時間が遅延しても構わない。この方法は、第2の通路を介して、また乾燥剤格納装置と外部の空気容量との間で、能動的に空気を循環させる工程を備えていてもよく、同時に乾燥剤を加熱し、再活性化する工程を実行する。
【0014】
この方法は、システム初期化信号を受信してからの経過時間を判定する工程と、経過時間と予め設定された期間とを比較する工程と、経過時間が予め設定された期間を超えたときに第1のヒータ制御信号を出力する工程とを備えていても構わない。システム初期化信号は更新されてもよく、すなわち、システムが第1のヒータ制御信号を出力した後、あるいはシステムが第2のヒータ制御信号を出力した後に、新しい初期化信号が記録されても構わない。この方法は、湿度(例えば、電池パック格納装置内、又は乾燥剤格納装置内の)をモニタする工程と、湿度と予め設定された湿度レベルとを比較する工程と、湿度が予め設定された湿度レベルを超えた時に第1のヒータ制御信号を出力する工程を備えていても構わない。
【0015】
この方法は、電池パックを含む電気自動車が稼働中であるか又は非稼働中であるかを判定する工程と、電気自動車が非稼働中である場合には、乾燥剤を加熱する工程を実行する工程とを備えていても構わない。電気自動車が稼働している場合には、大量の乾燥剤を加熱する工程を遅延させる工程であって、乾燥剤を加熱する工程は、車両が非稼働中の状態に入る次期まで遅延されても構わない。非稼働中は、車両が駐車中であることに対応することがあり、又は、非稼働中は、電池パックを充電システム及び充電ソースに結合されている状態に対応してもよい。又は、非稼働中は、時刻が予め設定した時刻の範囲内に対応していても構わない。
【0016】
乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤格納装置内の加熱室に配置された加熱素子を活性化する工程と、加熱室と乾燥室との間の空気を循環させる工程とを更に備えていても構わない。又は、乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤内及び乾燥室全体に複数の熱伝導構造を配置する工程と、加熱素子を用いて熱伝導構造を加熱する工程とを備えても構わない。又は、乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤内の加熱素子を活性化する工程を備えても構わない。又は、乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤格納装置から独立し、離れた加熱室内に配置された加熱素子を活性化する工程と、加熱室から乾燥室まで加熱された空気を循環させる工程を備えていても構わない。
【0017】
本発明の性質と利点の更なる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することによって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電池パック格納装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【0019】
【図2】乾燥剤がパック格納装置内に取り付けられている受動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0020】
【図3】乾燥剤がパック格納装置の外側に取り付けられている受動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0021】
【図4】図2に示した構造に基づく能動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0022】
【図5】図3に示した構造に基づく能動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0023】
【図6】電気自動車内に取り付けられている除湿システムのシステムレベル図である。
【0024】
【図7】ヒータが乾燥剤に近接して取り付けられている典型的な除湿システムを示す。
【0025】
【図8】ヒータが乾燥室から独立した加熱室内に取り付けられている典型的な除湿システムを示す。
【0026】
【図9】ヒータが乾燥剤の中に取り付けられている典型的な除湿システムを示す。
【0027】
【図10】図9に示す除湿システムの変形例を示し、ここでは複数の加熱素子が乾燥剤の中に取り付けられている。
【0028】
【図11】典型的な除湿システムを示し、ここでは熱伝導性のフィンが乾燥剤のより均一な加熱を達成するために使用されている。
【0029】
【図12】図11に示すようなシステムで使用するための典型的なフィンを示す。
【0030】
【図13】図11に示すようなシステムで使用するための複数の開口部を含む典型的なフィンを示す。
【0031】
【図14】図11に示すようなシステムで使用するための熱導体の十字模様を示す。
【0032】
【図15】タイミングに基づいて本発明の乾燥剤の再活性化システムをアクティブにするタイミングを判定するプロセスを示す。
【0033】
【図16】図15の手順に基づいて変更されたプロセスを示す。
【0034】
【図17】図15の手順に基づいて変更されたプロセスを示し、ここでは、乾燥剤の再活性化は、車両の非稼働中に実行される。
【0035】
【図18】モニタした湿度に基づいて本発明の乾燥剤の再活性化システムをアクティブにするタイミングを判定するプロセスを示す。
【0036】
【図19】図18の手順に基づいて変更されたプロセスを示す。
【0037】
【図20】図18の手順に基づいて変更されたプロセスを示し、ここでは、乾燥剤の再活性化は、車両の非稼働中に実行される。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の文章において、用語 「バッテリ」、「セル」と「電池」は同じ意味で使われる場合があり、種々のセル型、性質及び形状のいずれも参照することができ、リチウムイオン(例えば、リチウムリン酸鉄、コバルト酸リチウム、他のリチウム金属酸化物等)、リチウムイオンポリマ、ニッケル水素(nickel metal hydride)、ニッケル・カドミウム、ニッケル水素(nickel hydrogen)、ニッケル亜鉛、銀亜鉛、又は他のバッテリの型/形状を含むがこれに限られない。ここで使用される用語「電池パック」は、単一又は複数の部品からなる筺体内に含まれる複数の個々の電池を指し、個々の電池は特定のアプリケーションのための所望の電圧と容量を達成するために電気的に相互接続された。ここで使用される用語「電気自動車」は、全ての電気自動車を参照することがあり、またEV、プラグインハイブリッド車と呼ばれることもあり、またPHEV又はハイブリッド車と呼ばれることもあり、またHEVと呼ばれることもあり、ここではハイブリッド車は、複数の駆動源を利用した車両を指し、その1つは電気駆動システムである。
【0039】
図1は、本発明で使用することができる典型的な電池パック100の斜視図である。図のように、複数の個々の電池101は、下部ハウジング部材103と上部ハウジング部材105で構成される複数の部品からなる筺体内に取り付けられている。本発明は特定の電池の数、具体的な電池の性質や型、又は特定の相互接続される形状、更には電池パックに限定されないので、詳細はここでは本明細書で提供されていない。
【0040】
電池及び相互接続された微粒子及び非微粒子(例えば、蒸気)による汚染を最小限にするために、下部ハウジング部材103と上部ハウジング部材105は、それぞれ水や水蒸気に対して不浸透であり、好ましくは一般的に他の液体や気体に対して不浸透な、単一の又は複数の材料によって作られる。更に、筺体の部材は複数の電池、場合によっては数百又は数千の電池を含むように意図されているため、筐体の部材は、所望のアプリケーションのための電池の重量に対応できる材料によって作られる。例えば、いずれか又は両方のハウジング部材103/105は、金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、スチール等)、又はプラスチック又は、例えば炭素複合材等の高力の軽量複合材料によって作られても構わない。場合によっては、筺体を構成する材料は不透水層によってコーティングする必要がある場合があり、例えば、プラスチック製の筺体構造上に堆積された金属層があげられる。そのような不透水層は、蒸着等の既知の種々のコーティング技術のいずれかを使用して加えることができる。追加の不透水性のコーティングの使用により、筺体の部材に使用される材料の選択は、液体及び気体の不透過性よりも、材料の機械的及び電気的特性(例えば、高強度、軽量、高剛性構造、非導電性等)に基づいてすることができる。
【0041】
所望の筺体の不透水性を達成するために、圧縮性及び不透水性のシール107を、また、ここではシーリングガスケットとして言及されるが、下部ハウジング部材103と上部ハウジング部材105との間の相補的な接着面に入れる。シーリングガスケット107の一部が図1に示される。当業者はシール107を作製することができる無数の材料があることを認識でき、例示的な材料として、ポリウレタン、ポリクロロプレン、ゴム縁複合材料、被覆されたポリマー(例えば、PVCコーティング)、被覆されていないポリマー、合成ゴム(例えば、ブチルゴム)と、アクリルが含浸されたポリウレタンがあげられるが、これらに限定されない。
【0042】
典型的な電池パック100において、シーリングガスケット107は、下部ハウジング部材103のフランジ109と、平らな表面、つまり上部ハウジング部材105との間に配置される。非平坦な上部ハウジング部材を利用する構成では、上部ハウジング部材はフランジ109に相補的なフランジを含む。示すように、ガスケット107は平坦であってもよく、又は代替の形状(例えば、圧縮する前に断面が円形状の)を使用することができることに留意すべきである。電池パック100は、シール107を圧縮し、ハウジング部材をまとめるための手段、例えば複数のボルト111を含む。ボルト111は、また、筺体100を所望のアプリケーションの取付機構、例えば電気自動車の取付ベイに取り付けるために使用することができる。
【0043】
環境誘発による劣化から電池101を保護するために、筺体100の内容積への全ての接続は、密封されていることが好ましい。このように、典型的な電池パック100において、冷却材の配線/接続部115が能動的な冷却系を電池パックに連結するために使用されるように、電気的接続113は下部ハウジング部材103に密封されている。
【0044】
電池パック100は、水蒸気の侵入を防止するために設計され、これにより電池101を保護しているが、それでも、電池パックの寿命の間に、電池は、例えば、ガスケットの漏れ、ハーメチックシールの漏れ、冷却系の漏れと、電池、電池の相互接続、冷却系、及び内部に充填された電子機器に使用される様々な材料のガス放出等に起因する、望ましくない、潜在的に有害な量の水蒸気にさらされる可能性があることが理解されるであろう。従って、電池パック100は、パックの筺体内から水蒸気を除去するための手段を含む。
【0045】
様々な技術が電池パックから水蒸気を収集し、除去するために使用されるかもしれないが、本発明に従えば、乾燥剤は、吸収及び/又は吸着によって筺体100内から水蒸気を除去するために使用されている。電池パック100において、乾燥剤は、筺体内に取り付けられた容器117内に保持されている。電池パックは、筐体の内容積と外部環境との間の圧力差が所定範囲内にとどまることを保証するための圧力管理システムを含んでも構わない。パック100において、1つ以上の圧力放出バルブ119からなり、バルブ119は好ましくは2方弁バルブである圧力管理システムが含まれる。圧力放出バルブ119により、筐体の内容積と外部環境との間の圧力差が、筐体に構造上の損傷を引き起こすのに十分に大きくならないことが保証される。圧力差は、電池パックが異なる高さに移動し、様々な外圧にさらされることによって引き起こされるか、又はガス放出成分、電池のガス放出、温度変化等により発生する可能性がある。リリーフバルブを介して筐体に入る水蒸気のリスクを最小限にするために、バルブにはプリセットのリリーフポイント(すなわち、セットポイント)がある。圧力放出のセットポイントは、放出の方向、すなわち、内側放出対外側放出に応じて異なる場合があり、又は同一のセットポイントを利用することができる。典型的な圧力放出のセットポイントは、いずれの方向にしても1psiである。
【0046】
電池パックひいては電池パック内の電池内の環境が露出し、乾燥するように、システムを構成することができる様々な方法があることが理解されるであろう。例えば、図2及び3は、電池パックからの空気が乾燥剤を通りぬけて流れることができる2つの受動的な構成を示している。システム200において、乾燥剤容器201は電池パックの中に取り付けられ、矢印203によって表される空気の流れは、1つ以上の乾燥剤容器の開口部(例えば、穴、スリット等)を通り抜けて流れるようになっている。図3に示す代替の形態において、乾燥剤容器301は、電池パック300の外側に取り付けられるが、空気の流れ303が電池パックと乾燥剤容器内に含まれる乾燥剤との間で自由に流れるように、電池パックに結合されている。乾燥剤容器301は、1つ以上の空気通路/導管を通って2つの間を流れる空気の流れを有する電池パックから離れて取り付けられても構わないことが理解されるであろう。
【0047】
比較的小量の空気、すなわち、小さな電池パック用の除湿機の設計は容易であるが、大型の電池パック内の湿度を制御することははるかに困難である。受動システムの使用を想定し、好ましくは乾燥剤の複合的な容器が電池パック全体に広がっており、内部に取り付けられるか又は電池パックの複数の領域に結合された場合であっても、外部に取り付けられた場合であっても、乾燥剤のパック内の空気量全体の適切な露出が保証されている。代わりに、又は乾燥剤の複合的な容器の使用に加えて、能動的な湿度制御系を使用することができる。図4及び5は、図2及び3にそれぞれ示す、受動的なシステムに基づいた能動的な制御システムの2つの基本的な構成を示している。図示されているように、1つ以上のファン401が電池パックから空気を引き出し、その空気を乾燥剤の中を通るように押し出す。電池パックを通り抜け及び乾燥剤を通り抜けた空気を循環することにより、除湿システムの性能を向上させる。能動的な空気の循環もまた、導管によって電池パックに接続された遠隔にある乾燥剤容器の利用を容易にする。パックの外形寸法と同様に、電池パック内の空気量に応じて、空気循環の更なる改善は、循環する空気が全ての電池の周りを通過するように促す内部の電池パックの壁を利用することによって達成することができる。例えば、電池パック400は内壁403を含み、電池パック500は内壁501を含む。ある形態では、パック内に配置された補助的な循環ファン、例えばファン405は、更に空気循環を向上させるために使用される。能動的な乾燥剤をベースにした除湿システムと同様に、パック内の空気量、寸法、パックの構成、及び容器毎の乾燥剤の量と種類に応じて、複合的な乾燥剤の容器が必要であっても構わないことが理解されるべきである。
【0048】
上で述べたように、乾燥剤をベースにした除湿システムの目的は、システムが能動的又は受動的システムであるかどうかに拘わらず、電池パック内の空気容量から水分、すなわち、水蒸気を除去することである。この目的を達成するために、1つ以上の通気経路が乾燥剤容量と内部の電池パックの空気との間に設けられる。パック内の空気から除去される水蒸気量は、このプロセスの効率化と同様に、使用される乾燥剤の種類や量、露出した乾燥剤の表面積、パック及び乾燥剤内の空気の温度、そして最後に電池パックの空気の相対湿度を含む様々な要因に依存する。
【0049】
乾燥剤をベースにした除湿機が電池パックの寿命を通して効果が持続することを保証するためには、飽和になり過ぎてパックから水蒸気を効果的に除去することができなくなるたびに、乾燥剤を交換する必要がある。乾燥剤の交換は効果的な除湿を維持するために実行可能なアプローチであるのに対し、車両から大型の電池パックを取り外し、パックの乾燥剤を交換し、同様に所有者の不便を最小限に抑えたいという潜在的な問題のために、このようなアプローチは、例えば電気自動車等の多くのアプリケーションのために望ましくない。従って、本発明は、乾燥剤を再調整するための手段を提供することにより、乾燥剤の交換の必要性を取り除く。
【0050】
乾燥剤の再調整は、ここではまた乾燥剤の再活性化として言及され、加熱によって乾燥剤を乾燥し、システムから集めた水蒸気を除去するための手段を提供することにより達成され、これにより、乾燥剤は水蒸気を吸収/吸着する能力を回復することができる。水蒸気による電池パックの再汚染を防止するためには、加熱乾燥中は、乾燥剤と電池パックとの間の通気経路は、好ましくは閉じられており、このようにして、乾燥剤から追い出された水蒸気で飽和した空気が電池パックの外に排出されることを保証する。
【0051】
電池パックへの水蒸気の再入を防止しながら、加熱と乾燥剤の再調整に使用できる様々な方法がある。これらの方法やシステムは、大まかに以下に記載されるが、特定のアプリケーションに使用される特定の形態は、様々な要因に依存していることが理解されるであろう。例えば、図6に示す車両600において、乾燥剤をベースにした除湿機601は、電池パック603内に統合されるか、又は電池パックの外部であるが、空気の流れがパックの内部の空気容量と乾燥剤容器との間で循環するようにパックに結合される。少なくとも1つの実施形態では、除湿システム601は、内部コントローラ605を利用している一方で、少なくとも1つの代替実施形態では除湿システムは車両コントロールシステム607を利用しており、したがって、製造コストと車両全体の複雑さを低減する。コントローラは、内部コントローラ605か又はシステムコントローラ607は、飽和水準(すなわち、その水の処理能力)に達することにより、いつ乾燥剤をベースにした除湿機が吸収/吸着の効力を失い始めたかを推定し、そこでコントローラは、乾燥剤を再活性化するために加熱システムを作動する。乾燥剤の吸収/吸着の有効性の判定は、内部の湿度水準、タイミング(例えば、乾燥剤を使い始めてからの、又は最後の再活性化プロセスからの時間)に基づいており、又は他の基準に基づいていても構わない。好ましくは、除湿システム601は、再活性化プロセスの間にシステム専用のヒータ609を利用し、少なくとも1つの代替実施形態では除湿システム601は、車両の熱管理システム611を利用するものの、更に別の代替実施形態では、除湿システム601は駆動系613(例えば、モータの熱、トランスミッションの熱など)から回収した熱を利用している。更に、そして以下で詳細に説明するように、少なくとも1つの実施形態では、システムは1つ以上の湿度センサを含み、例えば、乾燥剤の飽和を測定するために、電池パック603(すなわち、センサ615)内に取り付けられるか、及び/又は除湿システム(すなわち、センサ617)内に取り付けられる。
【0052】
図7−11は、例示的なヒータの形態を示しており、これは、本発明の電池パックの除湿機の乾燥剤を加熱し、再生するために使用されることがある。図示した構成は、各ヒータで使用される基本的な構成要素を示しているが、(i)電池パックの容積と形状、(ii)パックに結合された除湿システムの数、(iii)用いられる乾燥剤の型、容積及び形状、及び(iv)パック内の予想される湿度レベル、に応じて使用することができる多数のバリエーションがあることが理解されるであろう。除湿システム700において、乾燥剤703を含む筐体701は、通常動作の間に空気が電池パックの内部空気容量と乾燥剤703との間で自由に動くことができるように、内部の電池パックに接続されている。上で述べたように、除湿システムは電池パック内、又は外部に取り付けることができるので、システムは、このような空気の流れを可能にするための手段を提供するための導管、格子、開口部、スリット等を使用することができる。更に、また上述したように、空気循環を向上させるために、1つ以上のファンを使用することができる。次の図では、電池パック(例えば、パック603)と除湿システムとの間の結合は、導管705で表される。
【0053】
システム700において、加熱素子707は乾燥剤703に近接して取り付けられる。加熱素子707は、ヒータ電源(例えば、バッテリ)709に結合して示され、放射、伝導及び対流の組み合わせにより、乾燥剤を加熱するために、乾燥剤703に十分近くに配置される。少なくとも1つの実施形態では、素子707として(例えば、ニッケル−クロム線ヒータ)電気抵抗の加熱素子を利用している。この構成では、加熱素子707は、熱伝導構造711を使用した乾燥剤703から離れた状態にあることに留意すべきである。熱伝導性であることに加えて、好ましくは、構造711は、乾燥剤703がヒータ容積713に落ちるのを防止している間に、加熱素子707から乾燥剤703に最大限に熱を伝達するために、細孔設計を利用する。
【0054】
乾燥剤703から蒸発した水蒸気は、1つ以上の導管715を通って周囲環境に排出される。好ましくは、システムはまた、ヒータ容積713に新鮮な空気を引き込むための手段、例えば、導管717を含む。少なくとも1つの実施形態では、システムはまた、加熱された空気を乾燥剤703を通り抜けさせるためのファン719に代表される手段を含み、これによって乾燥剤からの水分の除去を増進させ、促進させる。乾燥剤703を通り抜けた空気を引くために、ファン719は、容器への入り口の中、空気入力(例えば、導管717)内、及び/又は排気口(例えば、導管715)内に取り付けることができることに留意すべきである。
【0055】
前述したように、再活性化プロセスの間に乾燥剤から蒸発する水が電池パックに再び入らないようにすることは重要である。従って、少なくとも1つの好ましい実施形態では、再活性化プロセスの間における、電池パックと乾燥剤容器との間の空気の流れが、例えばバルブ721を閉じることにより防止される。さらにまた、上述したように、好ましくは再活性化プロセスの間に少なくとも限られた範囲で、周囲環境と乾燥剤との間で、加熱された乾燥剤から放出された水蒸気を排出する手段を提供するために空気の流れが許可されている。図示された実施形態では、周囲空気の流れは、バルブ723を使用することにより制御される。
【0056】
図8は乾燥加熱システムの変形例を示している。システム800では、乾燥剤容器701内及び乾燥剤703に隣接した容積内に加熱素子を配置されるのではなく、加熱素子707は乾燥剤容器701の外側に取り付けられている。好ましくは、この構成では、加熱素子707は、独立した筐体801内に取り付けられており、導管717を介して乾燥剤容器701に結合され、周囲空気吸入口803に結合されている。周囲空気はヒータ707によって加熱され、1つ以上のファン805によって乾燥剤703内を流れる。主に対流によって、加熱された周囲空気は次に乾燥剤703を乾燥し、それと同時に、水蒸気が1つ以上の導管715を通って周囲環境に排出される。加熱室801は直接乾燥剤容器701に隣接して取り付けることができ、又は図のように容器701から少し離れて取り付けることができることが理解されるであろう。システム700のように、好ましくは1つ以上のバルブ、例えばバルブ721及び723は、乾燥剤の再活性化中に電池パックに再導入される水から乾燥剤703を避けるために、また、乾燥剤容器701に周囲空気の流れを制御するための手段を提供するために用いられる。
【0057】
図9は、乾燥加熱システムの他の変形例を示している。システム900では、加熱素子707は乾燥剤703内に配置され、それによって主に伝導によって乾燥剤703を乾燥させる。システム700及び800のように、電池パックの外側の乾燥剤によって放出された水蒸気を排出するために、外部の周囲空気はシステムを通って引き込まれる。すなわち、1つ以上の導管717を通って乾燥容器内に流入し、1つ以上の導管715を通って乾燥剤容器から流出する。また、システム700及び800のように、乾燥剤容器701が電池パックからの水蒸気を吸収するために使用されているか、それとも水蒸気が乾燥剤の再活性化プロセスの間に乾燥剤から追い出されるかに応じて、好ましくはバルブが乾燥剤容器701と電池パックか又は周囲環境との間で、空気の流れを制御するために使用される。システム900は、好ましくは、加熱と再活性化プロセス中に乾燥剤を通った周囲空気を駆動し、これによって乾燥させるプロセスを強化するための1つ以上のファン901を含むことに留意すべきである。
【0058】
一般に、乾燥剤703は比較的薄い層に広がっている場合に最も機能し、例えば、好ましくは1インチ未満の厚さの層であり、より好ましくは0.5インチ未満の厚さの層である。乾燥剤の厚い層が依然として水蒸気を吸収することが可能であるものの、水蒸気が厚い乾燥剤層の全領域に到達するために必要な、より長い経路により、吸収効率は低下する。幸いなことに、例えば電池パック等の低含水量アプリケーションにより、最外部の乾燥剤層に吸収された/吸着された水は徐々に下層に移動し、したがって、非常に厚い乾燥剤層(例えば、3〜5インチの厚さの層)であっても、適切な吸収/吸着を提供する。
【0059】
乾燥剤の厚い層が、電池パックからの水蒸気を吸収/吸着するために使用されるものの、例えば上記図7−9に示したように、単純なヒータ配置を用いた厚い乾燥剤層の再活性化は困難であることを本発明者らは発見した。直ちに乾燥剤を再活性化する必要があることに起因する問題の一部が発生しているが、主な問題は、容器701内が比較的均一な温度に達することの1つであり、その温度は乾燥剤を再活性化するのに十分な温度である。典型的な乾燥剤の低熱伝導率を考えると、特に多数の層厚では、乾燥剤のある領域に適用される熱は、十分に他の領域を加熱しない。十分な熱が容器701全体に適用されていない場合は、水蒸気は単に乾燥剤のある領域から他の領域に運ばれているだけである。もし、チャンバ701が再活性化プロセスの間に周囲環境に対して開いている場合には、不十分な乾燥剤の加熱は特に問題である。なぜなら、これは更に水蒸気が乾燥剤によって吸収されることを許容するためである。したがって、チャンバ701内に含まれている乾燥剤層の厚さが非常に大きい場合には、好ましくは、乾燥剤を再活性化するのに十分な温度に乾燥剤容量全体を十分に加熱するヒータ構成が使用される。大容量の乾燥剤を有する非常に大規模な乾燥剤容器のために、所望の再活性化温度より低い温度のままであることが許されている小さな領域が容器内にあっても構わないことが理解されるであろう。しかしながら、一般に、乾燥剤の少なくとも75%は再活性化温度以上に上昇し、より好ましくは、乾燥剤の少なくとも80%は再活性化温度以上に上昇し、更に好ましくは少なくとも乾燥剤の90%−95%は再活性化温度以上に上昇する。乾燥剤の全容量を加熱するために代替のヒータ構成が必要な程度は、乾燥剤のタイプ、乾燥剤のビーズ/粒子サイズ、容器701中の乾燥剤の充填密度、容器の容量と形状、乾燥時の乾燥剤を通る空気の流れ、必要とする再活性化温度、周囲温度等を含む多くの要因に依存することを理解すべきである。しかしながら、一般に、乾燥剤の全容量を均一に加熱可能なヒータ構成は、乾燥剤層の厚さが0.25インチよりも大きく、又は0.5インチよりも大きく、又は0.75インチより大きく、又は1.0インチより大きい場合に、乾燥剤の全容量を均一に加熱可能なヒータ構成が必要であることを発明者は発見した。
【0060】
図10は、図9に示されたシステムの変形例を図示しており、乾燥剤701の容量全体においてより高い加熱の均一性を達成するために構成されている。図示するように、システム1001は乾燥剤の容量全体に配置されている多様の加熱素子707を含み、それによって乾燥剤のより均一な加熱を提供する。
【0061】
図11は、乾燥剤を均一に加熱するための代替のアプローチを示しており、システム1100は単独のヒータ707を利用している。しかし、システム1100では、ヒータ707からの熱は熱的にヒータ707に結合されている複数の熱導伝性構造1101によって乾燥剤全体に伝えられる。他の熱伝導性材料(例えば、アルミニウム)が使用されても構わないが、好ましくは、構造1101は銅によって製造される。高い熱伝導性を有することに加え、構造1101は乾燥剤容器を通った空気の流れに与える影響を最小限に抑えるように設計されており、これにより、乾燥剤は更に効率的に電池パックから水蒸気を除去することができる。構造1101の正確な構成は、通常の使用中の空気の流れの方向、通常の使用及び/又は乾燥剤の再活性化の間に乾燥剤に空気を通すために使用されるシステムの構成、加熱される乾燥剤の量、乾燥室の大きさ及び乾燥室が電池パックの内部又は外部に配置されているかどうかを含む様々な要因に依存することが理解されるであろう。図11に示す実施形態では、熱伝達構造1101はフィンで構成される。このように、好ましくは乾燥室と電池パックとの間の空気の流れは図に対して垂直である。構造1101のための例示的な構成は、フィン(図11−12)、複数の開口部1303(図13)を含む多孔板、すなわち平らな要素1301、及び熱伝導性要素1401の十字模様(図14)を含む。
【0062】
本発明のシステムは、開示された加熱システムを使用して、いつ乾燥剤を再活性化するかを判定するために様々な異なる技術を使用することができる。図15に示した技術では、システムが初期化された(例えば、最初の稼働)後(ステップ1501)、 システムタイマが初期化される(ステップ1503)。初期化の時間が予め設定された時間よりも短い間は(ステップ1505)、乾燥剤の水分処理能力が所望の範囲内であると推測する。初期化からの経過時間が予め設定した時間を超えるとすぐに(ステップ1507)、システムコントローラ(例えば、605又は607)は、乾燥剤の再活性化システムを作動する。再活性化システムに関連付けられている手順では、上述したように除湿システムの厳密な構成に依存して変わるかもしれないが、少なくとも1つの実施形態では、乾燥剤の再活性化時において、除湿システムと電池パックとの間に空気の流れは閉じており(ステップ1509)、加熱システムは起動し(ステップ1511)、周囲空気は乾燥剤を通過させられる(ステップ1513)。時間の予め設定した期間が満了した後(ステップ1515)、周囲空気の流れが終了し(ステップ1517)、ヒータをオフし(ステップ1519)、除湿システムと電池パックとの間の空気の流れが開かれる(ステップ1521)。この時点でシステムが再初期化され(ステップ1523)、システムは通常動作に再び入る。
【0063】
図16は、図15に示したプロセスのマイナーな変形例を示す。図のように、加熱システムが起動した後(ステップ1511)、システムは周囲空気の流れに対して乾燥剤容器を開く前のヒータのウォームアップのための予め設定した期間を待つ(ステップ1601)。
【0064】
図17に示すプロセスでは、最後の再起動からの時間が予め設定した期間(すなわち、図17のt1)を超えているとシステム判断すると、システムは車両が非稼働中の次の期間のモニタを開始する(ステップ1701)。システムは、非稼働中の車両を様々な基準によって関連付けて設定することができる。例えば、ある構成では、非稼動中の車両は、車両が駐車している及び/又は「オフ」状態(例えば、ドライバが運転席にいない、キー/キーフォブが車両に近接していない、等)に相当する。別の構成では、非稼動中の車両は、一日の予め設定した時間(例えば、3AM)に相当する。さらに別の構成では、非稼動中の車両は電池パックが充電システム及び外部電源に結合していることに相当する。システムコントローラが車両が非稼動中である判断すると(ステップ1703)、図15かそれとも図16に関連して記載されたように、乾燥剤の再活性化プロセスが開始される。
【0065】
本発明の乾燥剤の再活性化システムの開始は、最後の再活性化からの時間以外の基準に基づくことができることが理解されるであろう。例えば、電池パックの領域及び/又は乾燥剤容器の領域に対応する湿度はモニタされ、いつ乾燥剤が飽和し、乾燥剤の再活性化が必要となるかを判定するために用いられる。このアプローチは図18−20に示され、これらの図は時間をモニタする代わり以外は図15−17に対応しており、これらの実施形態では、湿度をモニタし(ステップ1801)、検出された湿度が予め設定したレベルを超えたとき(ステップ1803)にのみ、乾燥剤の再活性化システムが起動する。
【0066】
複数の図で使用される同一の要素の符号が、同じ要素又は同等の機能を有する要素を参照していることが理解されるべきである。更に、添付の図面は説明するためにのみ意図されており、本発明の範囲を制限するものではなく、拡張するように考えるべきではない。
【0067】
システム及び方法は、本発明の詳細を理解するための補助として一般的な用語で記載されている。いくつかの例では、既知の構造、材料、及び/又は操作は、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、具体的に示されていないか又は詳細に記載されていない。他の例では、具体的な詳細が本発明の完全な理解を提供するために与えられている。関連する当業者であれば、例えば、特定のシステム又は装置又は状況又は材料又は要素に適応するために、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、本発明が他の特定の形態で実施することができることを認識するであろう。したがって、この点において、本開示及び説明は例示であることを意図しているが、次の請求項に明記されている本発明の範囲によって限定されるものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く電池に関し、より具体的には、パック内の湿度を制御することにより、電池パック内の電池の寿命を延ばすためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池は広く、一次及び二次電池に分類することができる。一次電池は、また使い捨て電池と呼ばれ、消耗するまで使用するように意図されており、消耗した後は、単に1つ以上の新しい電池に置き換えられるだけである。二次電池は、通常は充電式電池と呼ばれ、繰り返し充電して再利用することができ、したがって、使い捨て電池に比べて、経済上、環境上及び使いやすさの点で利点を提供している。
【0003】
充電式電池は使い捨て電池よりもはるかに長い耐用年数を提供するが、その耐用年数は無限ではない。以下に示す電池の耐用年数を制限する多くの要因がある。それは、(i)電池が受けた再充電サイクルの数、(ii)充電率(すなわち、低速トリクル充電対急速充電)、(iii)充電レベル(すなわち、フル充電の75%、フル充電、過充電など。)、(iv)前の充電の放電レベル(すなわち、完全に使い果たした、まだ低いレベルで充電されている、など。)、(v)非使用時の電池の保存温度、及び(vi)使用中の電池の温度、を含む。更に、電池内部の機械的及び化学的な不安定な性質は、電池の耐用年数に悪影響を与える。
【0004】
一般的には、二次電池に使用される電池の化学的性質は、一次電池で使用されているものよりも安定しない。その結果、二次電池は、多くの場合、製造中に特別な処理を必要とする。例えば、リチウムイオン電池は、通常、湿度が制御された、乾燥室で製造され、その後の水による汚染を最小限に抑えるために密封される。電池はまた、不活性雰囲気中で製造することができ、これにより、種々の任意の反応ガスによる電池の汚染を防ぐことができる。
【0005】
電池は、漏出及び/又は水、酸素、二酸化炭素、又は他の物質による汚染を防ぐために密封されている。残念ながら、電池の密封は不完全であり、これにより電池は徐々に汚染され、劣化する。この問題を克服する1つのアプローチは、電池のシールを改良することである。例えば、米国特許出願公開第2003/0096162号明細書は、例えばリチウム電池で使用されているリチウムイオン電解質等の腐食性の電解質と適合する気密シールを開示している。改良された電池のシールは、汚染の問題を克服する1つのアプローチを提案するが、このアプローチでは、通常、問題になっている電池の化学的性質と構造に応じた異なる溶液を必要とする。
【0006】
水による電池の汚染を防止するためのもう1つのアプローチは、電池パック自体の相対湿度を制御することであり、例えば不活性な乾燥剤の袋を使用する。このアプローチは、同時係属の米国特許出願第12/386,684号に記載されている。残念なことに、電池パック内の水分産生源がパックの寿命を通じて続くにつれて、これらの不活性な乾燥剤の袋のタイプは最終的に飽和点に達し、その点では、もはや更なる水分を吸収することはできない。結果として、飽和に達すると、乾燥剤の袋を交換する必要があり、そうしなければ、パック内の相対湿度が結露をもたらす可能性があるレベルに上昇することがある。乾燥剤の袋が飽和になると袋を交換するため、乾燥剤の袋の交換は、電池パックの寿命を通じて望ましくないサービス間隔をもたらす。
【0007】
したがって、必要とされているのは、電池パックの耐用年数を通じて動作可能な電池パックの湿度制御のメンテナンスフリーの解決策である。本発明は、このようなシステムを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電池パック格納装置内の相対湿度を制御するための電池パック除湿システムは、乾燥剤格納装置を含む除湿システムと、乾燥剤格納装置内に含まれた乾燥剤と、乾燥剤格納装置を電池パック格納装置に連結し、水蒸気を電池パック格納装置を通過させて、水蒸気を乾燥剤によって吸収及び吸着させる乾燥剤格納装置内に移動させる第1の空気通路と、乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと推定するために構成され、乾燥剤が吸収/吸着の効力を失った時に第1の制御信号を出力するコントローラと、第1の制御信号を受信した時に乾燥剤を加熱し、再活性化するように構成されたヒータアセンブリと、乾燥剤格納装置を電池パック格納装置の外側(例えば、周囲環境)の空間に連通させ、乾燥剤を加熱し、再活性化している間に、水分をシステム外に出すために放出させる第2の空気通路とを備える。
【0009】
乾燥剤格納装置は、電池パック格納装置内に取り付けられても構わない。代わりに、乾燥剤格納装置は、電池パック格納装置の外側に取り付けられても構わない。代わりに、乾燥剤格納装置は、電池パック格納装置に間接的に取り付けられても構わない。除湿システムは、電池パック格納装置と乾燥剤格納装置との間の空気を循環させるファンを備えても構わない。除湿システムは、乾燥剤の加熱と再活性化時に第1の空気通路を閉じて第2の空気通路を開き、乾燥剤の加熱前及び後と再活性化前及び後に第1の空気通路を開いて第2の空気通路を閉じるバルブを備えても構わない。
【0010】
コントローラは、第1の制御時間が出力されてから予め設定された期間が経過した後に第2の制御信号を出力するように設定されていてもよく、それによって、ヒータアセンブリは、第2の制御信号の受信時に加熱と再活性化を終了する。システムは少なくとも1つの湿度センサを更に備えていてもよく、例えば電池パック格納装置又は乾燥剤格納装置内に取り付けられ、湿度レベルをモニタし、これにより、測定した湿度が予め設定された湿度レベルを超えたときに、コントローラは第1の制御信号を出力する。コントローラは、いつ第1の制御信号を出力するかを判定するためのタイマを使用してもよく、具体的には、除湿システムを初期化してから、又はコントローラが最後に第1の制御信号を出力してから予め設定された期間が経過した後に、第1の制御信号を出力する。
【0011】
ヒータアセンブリは、乾燥剤の中に配置される加熱素子を備えていてもよく、又は、ヒータアセンブリは、乾燥剤格納装置から独立した加熱室内に配置された加熱素子を備えていてもよく、加熱室内で加熱された空気は、乾燥剤の加熱と再活性化中に乾燥剤格納装置を通過する。又は、ヒータアセンブリは、乾燥剤格納装置内に配置された加熱室内ではあるが、乾燥剤から独立して配置された加熱素子を備えていてもよい。ヒータアセンブリは、乾燥剤と乾燥剤格納装置を通過する加熱された空気を駆動するためのファンを備えていても構わない。ヒータアセンブリは、複数の熱伝導構造を(例えば、フィン)を備えていてもよく、これは乾燥剤格納装置全体及び乾燥剤内に配置されており、これにより、熱伝導構造は加熱素子によって加熱され、加熱素子の熱を乾燥剤に伝える。
【0012】
本発明の別の態様では、電池パックの湿度を制御する方法を備え、その方法は、(i)電池パック格納装置と大量の乾燥剤を含む乾燥剤格納装置との間に第1の空気通路を提供する工程と、(ii)電池パック格納装置から水蒸気を除去する工程であって、これにより水蒸気は乾燥剤によって吸収、吸着され、(iii)乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程と、(iv)乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと判定されたときに第1のヒータ制御信号を出力する工程と、(v)乾燥剤を再活性化するために、その場で乾燥剤を加熱する工程と、(vi)乾燥剤の加熱の開始から予め設定された期間が経過した後に、第2のヒータ制御信号を出力する工程と、(vii)加熱を終了する工程とを備える。
【0013】
この方法は、電池パック格納装置と乾燥剤格納装置との間に能動的に空気を循環させる工程を備えていてもよく、同時に電池パックからの水蒸気を除去し、乾燥剤中の水蒸気を吸収/吸着する工程を実行している。この方法は、乾燥剤格納装置と、電池パック格納装置の外側と乾燥剤格納装置の外側の空気容量との間に第2の空気通路を提供する工程を備えていてもよく、これにより、第1のヒータ制御信号の受信後に第1の空気通路を閉じ、第2の空気通路を開き、そして、第2のヒータ制御信号の受信後に第1の空気通路を開き、第2の空気通路を閉じる。第2の空気通路を開く工程は、第1のヒータ制御信号の受信後、所定の時間が遅延しても構わない。この方法は、第2の通路を介して、また乾燥剤格納装置と外部の空気容量との間で、能動的に空気を循環させる工程を備えていてもよく、同時に乾燥剤を加熱し、再活性化する工程を実行する。
【0014】
この方法は、システム初期化信号を受信してからの経過時間を判定する工程と、経過時間と予め設定された期間とを比較する工程と、経過時間が予め設定された期間を超えたときに第1のヒータ制御信号を出力する工程とを備えていても構わない。システム初期化信号は更新されてもよく、すなわち、システムが第1のヒータ制御信号を出力した後、あるいはシステムが第2のヒータ制御信号を出力した後に、新しい初期化信号が記録されても構わない。この方法は、湿度(例えば、電池パック格納装置内、又は乾燥剤格納装置内の)をモニタする工程と、湿度と予め設定された湿度レベルとを比較する工程と、湿度が予め設定された湿度レベルを超えた時に第1のヒータ制御信号を出力する工程を備えていても構わない。
【0015】
この方法は、電池パックを含む電気自動車が稼働中であるか又は非稼働中であるかを判定する工程と、電気自動車が非稼働中である場合には、乾燥剤を加熱する工程を実行する工程とを備えていても構わない。電気自動車が稼働している場合には、大量の乾燥剤を加熱する工程を遅延させる工程であって、乾燥剤を加熱する工程は、車両が非稼働中の状態に入る次期まで遅延されても構わない。非稼働中は、車両が駐車中であることに対応することがあり、又は、非稼働中は、電池パックを充電システム及び充電ソースに結合されている状態に対応してもよい。又は、非稼働中は、時刻が予め設定した時刻の範囲内に対応していても構わない。
【0016】
乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤格納装置内の加熱室に配置された加熱素子を活性化する工程と、加熱室と乾燥室との間の空気を循環させる工程とを更に備えていても構わない。又は、乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤内及び乾燥室全体に複数の熱伝導構造を配置する工程と、加熱素子を用いて熱伝導構造を加熱する工程とを備えても構わない。又は、乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤内の加熱素子を活性化する工程を備えても構わない。又は、乾燥剤を加熱する工程は、乾燥剤格納装置から独立し、離れた加熱室内に配置された加熱素子を活性化する工程と、加熱室から乾燥室まで加熱された空気を循環させる工程を備えていても構わない。
【0017】
本発明の性質と利点の更なる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することによって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電池パック格納装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【0019】
【図2】乾燥剤がパック格納装置内に取り付けられている受動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0020】
【図3】乾燥剤がパック格納装置の外側に取り付けられている受動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0021】
【図4】図2に示した構造に基づく能動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0022】
【図5】図3に示した構造に基づく能動的な電池パックの除湿機の概略図である。
【0023】
【図6】電気自動車内に取り付けられている除湿システムのシステムレベル図である。
【0024】
【図7】ヒータが乾燥剤に近接して取り付けられている典型的な除湿システムを示す。
【0025】
【図8】ヒータが乾燥室から独立した加熱室内に取り付けられている典型的な除湿システムを示す。
【0026】
【図9】ヒータが乾燥剤の中に取り付けられている典型的な除湿システムを示す。
【0027】
【図10】図9に示す除湿システムの変形例を示し、ここでは複数の加熱素子が乾燥剤の中に取り付けられている。
【0028】
【図11】典型的な除湿システムを示し、ここでは熱伝導性のフィンが乾燥剤のより均一な加熱を達成するために使用されている。
【0029】
【図12】図11に示すようなシステムで使用するための典型的なフィンを示す。
【0030】
【図13】図11に示すようなシステムで使用するための複数の開口部を含む典型的なフィンを示す。
【0031】
【図14】図11に示すようなシステムで使用するための熱導体の十字模様を示す。
【0032】
【図15】タイミングに基づいて本発明の乾燥剤の再活性化システムをアクティブにするタイミングを判定するプロセスを示す。
【0033】
【図16】図15の手順に基づいて変更されたプロセスを示す。
【0034】
【図17】図15の手順に基づいて変更されたプロセスを示し、ここでは、乾燥剤の再活性化は、車両の非稼働中に実行される。
【0035】
【図18】モニタした湿度に基づいて本発明の乾燥剤の再活性化システムをアクティブにするタイミングを判定するプロセスを示す。
【0036】
【図19】図18の手順に基づいて変更されたプロセスを示す。
【0037】
【図20】図18の手順に基づいて変更されたプロセスを示し、ここでは、乾燥剤の再活性化は、車両の非稼働中に実行される。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の文章において、用語 「バッテリ」、「セル」と「電池」は同じ意味で使われる場合があり、種々のセル型、性質及び形状のいずれも参照することができ、リチウムイオン(例えば、リチウムリン酸鉄、コバルト酸リチウム、他のリチウム金属酸化物等)、リチウムイオンポリマ、ニッケル水素(nickel metal hydride)、ニッケル・カドミウム、ニッケル水素(nickel hydrogen)、ニッケル亜鉛、銀亜鉛、又は他のバッテリの型/形状を含むがこれに限られない。ここで使用される用語「電池パック」は、単一又は複数の部品からなる筺体内に含まれる複数の個々の電池を指し、個々の電池は特定のアプリケーションのための所望の電圧と容量を達成するために電気的に相互接続された。ここで使用される用語「電気自動車」は、全ての電気自動車を参照することがあり、またEV、プラグインハイブリッド車と呼ばれることもあり、またPHEV又はハイブリッド車と呼ばれることもあり、またHEVと呼ばれることもあり、ここではハイブリッド車は、複数の駆動源を利用した車両を指し、その1つは電気駆動システムである。
【0039】
図1は、本発明で使用することができる典型的な電池パック100の斜視図である。図のように、複数の個々の電池101は、下部ハウジング部材103と上部ハウジング部材105で構成される複数の部品からなる筺体内に取り付けられている。本発明は特定の電池の数、具体的な電池の性質や型、又は特定の相互接続される形状、更には電池パックに限定されないので、詳細はここでは本明細書で提供されていない。
【0040】
電池及び相互接続された微粒子及び非微粒子(例えば、蒸気)による汚染を最小限にするために、下部ハウジング部材103と上部ハウジング部材105は、それぞれ水や水蒸気に対して不浸透であり、好ましくは一般的に他の液体や気体に対して不浸透な、単一の又は複数の材料によって作られる。更に、筺体の部材は複数の電池、場合によっては数百又は数千の電池を含むように意図されているため、筐体の部材は、所望のアプリケーションのための電池の重量に対応できる材料によって作られる。例えば、いずれか又は両方のハウジング部材103/105は、金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、スチール等)、又はプラスチック又は、例えば炭素複合材等の高力の軽量複合材料によって作られても構わない。場合によっては、筺体を構成する材料は不透水層によってコーティングする必要がある場合があり、例えば、プラスチック製の筺体構造上に堆積された金属層があげられる。そのような不透水層は、蒸着等の既知の種々のコーティング技術のいずれかを使用して加えることができる。追加の不透水性のコーティングの使用により、筺体の部材に使用される材料の選択は、液体及び気体の不透過性よりも、材料の機械的及び電気的特性(例えば、高強度、軽量、高剛性構造、非導電性等)に基づいてすることができる。
【0041】
所望の筺体の不透水性を達成するために、圧縮性及び不透水性のシール107を、また、ここではシーリングガスケットとして言及されるが、下部ハウジング部材103と上部ハウジング部材105との間の相補的な接着面に入れる。シーリングガスケット107の一部が図1に示される。当業者はシール107を作製することができる無数の材料があることを認識でき、例示的な材料として、ポリウレタン、ポリクロロプレン、ゴム縁複合材料、被覆されたポリマー(例えば、PVCコーティング)、被覆されていないポリマー、合成ゴム(例えば、ブチルゴム)と、アクリルが含浸されたポリウレタンがあげられるが、これらに限定されない。
【0042】
典型的な電池パック100において、シーリングガスケット107は、下部ハウジング部材103のフランジ109と、平らな表面、つまり上部ハウジング部材105との間に配置される。非平坦な上部ハウジング部材を利用する構成では、上部ハウジング部材はフランジ109に相補的なフランジを含む。示すように、ガスケット107は平坦であってもよく、又は代替の形状(例えば、圧縮する前に断面が円形状の)を使用することができることに留意すべきである。電池パック100は、シール107を圧縮し、ハウジング部材をまとめるための手段、例えば複数のボルト111を含む。ボルト111は、また、筺体100を所望のアプリケーションの取付機構、例えば電気自動車の取付ベイに取り付けるために使用することができる。
【0043】
環境誘発による劣化から電池101を保護するために、筺体100の内容積への全ての接続は、密封されていることが好ましい。このように、典型的な電池パック100において、冷却材の配線/接続部115が能動的な冷却系を電池パックに連結するために使用されるように、電気的接続113は下部ハウジング部材103に密封されている。
【0044】
電池パック100は、水蒸気の侵入を防止するために設計され、これにより電池101を保護しているが、それでも、電池パックの寿命の間に、電池は、例えば、ガスケットの漏れ、ハーメチックシールの漏れ、冷却系の漏れと、電池、電池の相互接続、冷却系、及び内部に充填された電子機器に使用される様々な材料のガス放出等に起因する、望ましくない、潜在的に有害な量の水蒸気にさらされる可能性があることが理解されるであろう。従って、電池パック100は、パックの筺体内から水蒸気を除去するための手段を含む。
【0045】
様々な技術が電池パックから水蒸気を収集し、除去するために使用されるかもしれないが、本発明に従えば、乾燥剤は、吸収及び/又は吸着によって筺体100内から水蒸気を除去するために使用されている。電池パック100において、乾燥剤は、筺体内に取り付けられた容器117内に保持されている。電池パックは、筐体の内容積と外部環境との間の圧力差が所定範囲内にとどまることを保証するための圧力管理システムを含んでも構わない。パック100において、1つ以上の圧力放出バルブ119からなり、バルブ119は好ましくは2方弁バルブである圧力管理システムが含まれる。圧力放出バルブ119により、筐体の内容積と外部環境との間の圧力差が、筐体に構造上の損傷を引き起こすのに十分に大きくならないことが保証される。圧力差は、電池パックが異なる高さに移動し、様々な外圧にさらされることによって引き起こされるか、又はガス放出成分、電池のガス放出、温度変化等により発生する可能性がある。リリーフバルブを介して筐体に入る水蒸気のリスクを最小限にするために、バルブにはプリセットのリリーフポイント(すなわち、セットポイント)がある。圧力放出のセットポイントは、放出の方向、すなわち、内側放出対外側放出に応じて異なる場合があり、又は同一のセットポイントを利用することができる。典型的な圧力放出のセットポイントは、いずれの方向にしても1psiである。
【0046】
電池パックひいては電池パック内の電池内の環境が露出し、乾燥するように、システムを構成することができる様々な方法があることが理解されるであろう。例えば、図2及び3は、電池パックからの空気が乾燥剤を通りぬけて流れることができる2つの受動的な構成を示している。システム200において、乾燥剤容器201は電池パックの中に取り付けられ、矢印203によって表される空気の流れは、1つ以上の乾燥剤容器の開口部(例えば、穴、スリット等)を通り抜けて流れるようになっている。図3に示す代替の形態において、乾燥剤容器301は、電池パック300の外側に取り付けられるが、空気の流れ303が電池パックと乾燥剤容器内に含まれる乾燥剤との間で自由に流れるように、電池パックに結合されている。乾燥剤容器301は、1つ以上の空気通路/導管を通って2つの間を流れる空気の流れを有する電池パックから離れて取り付けられても構わないことが理解されるであろう。
【0047】
比較的小量の空気、すなわち、小さな電池パック用の除湿機の設計は容易であるが、大型の電池パック内の湿度を制御することははるかに困難である。受動システムの使用を想定し、好ましくは乾燥剤の複合的な容器が電池パック全体に広がっており、内部に取り付けられるか又は電池パックの複数の領域に結合された場合であっても、外部に取り付けられた場合であっても、乾燥剤のパック内の空気量全体の適切な露出が保証されている。代わりに、又は乾燥剤の複合的な容器の使用に加えて、能動的な湿度制御系を使用することができる。図4及び5は、図2及び3にそれぞれ示す、受動的なシステムに基づいた能動的な制御システムの2つの基本的な構成を示している。図示されているように、1つ以上のファン401が電池パックから空気を引き出し、その空気を乾燥剤の中を通るように押し出す。電池パックを通り抜け及び乾燥剤を通り抜けた空気を循環することにより、除湿システムの性能を向上させる。能動的な空気の循環もまた、導管によって電池パックに接続された遠隔にある乾燥剤容器の利用を容易にする。パックの外形寸法と同様に、電池パック内の空気量に応じて、空気循環の更なる改善は、循環する空気が全ての電池の周りを通過するように促す内部の電池パックの壁を利用することによって達成することができる。例えば、電池パック400は内壁403を含み、電池パック500は内壁501を含む。ある形態では、パック内に配置された補助的な循環ファン、例えばファン405は、更に空気循環を向上させるために使用される。能動的な乾燥剤をベースにした除湿システムと同様に、パック内の空気量、寸法、パックの構成、及び容器毎の乾燥剤の量と種類に応じて、複合的な乾燥剤の容器が必要であっても構わないことが理解されるべきである。
【0048】
上で述べたように、乾燥剤をベースにした除湿システムの目的は、システムが能動的又は受動的システムであるかどうかに拘わらず、電池パック内の空気容量から水分、すなわち、水蒸気を除去することである。この目的を達成するために、1つ以上の通気経路が乾燥剤容量と内部の電池パックの空気との間に設けられる。パック内の空気から除去される水蒸気量は、このプロセスの効率化と同様に、使用される乾燥剤の種類や量、露出した乾燥剤の表面積、パック及び乾燥剤内の空気の温度、そして最後に電池パックの空気の相対湿度を含む様々な要因に依存する。
【0049】
乾燥剤をベースにした除湿機が電池パックの寿命を通して効果が持続することを保証するためには、飽和になり過ぎてパックから水蒸気を効果的に除去することができなくなるたびに、乾燥剤を交換する必要がある。乾燥剤の交換は効果的な除湿を維持するために実行可能なアプローチであるのに対し、車両から大型の電池パックを取り外し、パックの乾燥剤を交換し、同様に所有者の不便を最小限に抑えたいという潜在的な問題のために、このようなアプローチは、例えば電気自動車等の多くのアプリケーションのために望ましくない。従って、本発明は、乾燥剤を再調整するための手段を提供することにより、乾燥剤の交換の必要性を取り除く。
【0050】
乾燥剤の再調整は、ここではまた乾燥剤の再活性化として言及され、加熱によって乾燥剤を乾燥し、システムから集めた水蒸気を除去するための手段を提供することにより達成され、これにより、乾燥剤は水蒸気を吸収/吸着する能力を回復することができる。水蒸気による電池パックの再汚染を防止するためには、加熱乾燥中は、乾燥剤と電池パックとの間の通気経路は、好ましくは閉じられており、このようにして、乾燥剤から追い出された水蒸気で飽和した空気が電池パックの外に排出されることを保証する。
【0051】
電池パックへの水蒸気の再入を防止しながら、加熱と乾燥剤の再調整に使用できる様々な方法がある。これらの方法やシステムは、大まかに以下に記載されるが、特定のアプリケーションに使用される特定の形態は、様々な要因に依存していることが理解されるであろう。例えば、図6に示す車両600において、乾燥剤をベースにした除湿機601は、電池パック603内に統合されるか、又は電池パックの外部であるが、空気の流れがパックの内部の空気容量と乾燥剤容器との間で循環するようにパックに結合される。少なくとも1つの実施形態では、除湿システム601は、内部コントローラ605を利用している一方で、少なくとも1つの代替実施形態では除湿システムは車両コントロールシステム607を利用しており、したがって、製造コストと車両全体の複雑さを低減する。コントローラは、内部コントローラ605か又はシステムコントローラ607は、飽和水準(すなわち、その水の処理能力)に達することにより、いつ乾燥剤をベースにした除湿機が吸収/吸着の効力を失い始めたかを推定し、そこでコントローラは、乾燥剤を再活性化するために加熱システムを作動する。乾燥剤の吸収/吸着の有効性の判定は、内部の湿度水準、タイミング(例えば、乾燥剤を使い始めてからの、又は最後の再活性化プロセスからの時間)に基づいており、又は他の基準に基づいていても構わない。好ましくは、除湿システム601は、再活性化プロセスの間にシステム専用のヒータ609を利用し、少なくとも1つの代替実施形態では除湿システム601は、車両の熱管理システム611を利用するものの、更に別の代替実施形態では、除湿システム601は駆動系613(例えば、モータの熱、トランスミッションの熱など)から回収した熱を利用している。更に、そして以下で詳細に説明するように、少なくとも1つの実施形態では、システムは1つ以上の湿度センサを含み、例えば、乾燥剤の飽和を測定するために、電池パック603(すなわち、センサ615)内に取り付けられるか、及び/又は除湿システム(すなわち、センサ617)内に取り付けられる。
【0052】
図7−11は、例示的なヒータの形態を示しており、これは、本発明の電池パックの除湿機の乾燥剤を加熱し、再生するために使用されることがある。図示した構成は、各ヒータで使用される基本的な構成要素を示しているが、(i)電池パックの容積と形状、(ii)パックに結合された除湿システムの数、(iii)用いられる乾燥剤の型、容積及び形状、及び(iv)パック内の予想される湿度レベル、に応じて使用することができる多数のバリエーションがあることが理解されるであろう。除湿システム700において、乾燥剤703を含む筐体701は、通常動作の間に空気が電池パックの内部空気容量と乾燥剤703との間で自由に動くことができるように、内部の電池パックに接続されている。上で述べたように、除湿システムは電池パック内、又は外部に取り付けることができるので、システムは、このような空気の流れを可能にするための手段を提供するための導管、格子、開口部、スリット等を使用することができる。更に、また上述したように、空気循環を向上させるために、1つ以上のファンを使用することができる。次の図では、電池パック(例えば、パック603)と除湿システムとの間の結合は、導管705で表される。
【0053】
システム700において、加熱素子707は乾燥剤703に近接して取り付けられる。加熱素子707は、ヒータ電源(例えば、バッテリ)709に結合して示され、放射、伝導及び対流の組み合わせにより、乾燥剤を加熱するために、乾燥剤703に十分近くに配置される。少なくとも1つの実施形態では、素子707として(例えば、ニッケル−クロム線ヒータ)電気抵抗の加熱素子を利用している。この構成では、加熱素子707は、熱伝導構造711を使用した乾燥剤703から離れた状態にあることに留意すべきである。熱伝導性であることに加えて、好ましくは、構造711は、乾燥剤703がヒータ容積713に落ちるのを防止している間に、加熱素子707から乾燥剤703に最大限に熱を伝達するために、細孔設計を利用する。
【0054】
乾燥剤703から蒸発した水蒸気は、1つ以上の導管715を通って周囲環境に排出される。好ましくは、システムはまた、ヒータ容積713に新鮮な空気を引き込むための手段、例えば、導管717を含む。少なくとも1つの実施形態では、システムはまた、加熱された空気を乾燥剤703を通り抜けさせるためのファン719に代表される手段を含み、これによって乾燥剤からの水分の除去を増進させ、促進させる。乾燥剤703を通り抜けた空気を引くために、ファン719は、容器への入り口の中、空気入力(例えば、導管717)内、及び/又は排気口(例えば、導管715)内に取り付けることができることに留意すべきである。
【0055】
前述したように、再活性化プロセスの間に乾燥剤から蒸発する水が電池パックに再び入らないようにすることは重要である。従って、少なくとも1つの好ましい実施形態では、再活性化プロセスの間における、電池パックと乾燥剤容器との間の空気の流れが、例えばバルブ721を閉じることにより防止される。さらにまた、上述したように、好ましくは再活性化プロセスの間に少なくとも限られた範囲で、周囲環境と乾燥剤との間で、加熱された乾燥剤から放出された水蒸気を排出する手段を提供するために空気の流れが許可されている。図示された実施形態では、周囲空気の流れは、バルブ723を使用することにより制御される。
【0056】
図8は乾燥加熱システムの変形例を示している。システム800では、乾燥剤容器701内及び乾燥剤703に隣接した容積内に加熱素子を配置されるのではなく、加熱素子707は乾燥剤容器701の外側に取り付けられている。好ましくは、この構成では、加熱素子707は、独立した筐体801内に取り付けられており、導管717を介して乾燥剤容器701に結合され、周囲空気吸入口803に結合されている。周囲空気はヒータ707によって加熱され、1つ以上のファン805によって乾燥剤703内を流れる。主に対流によって、加熱された周囲空気は次に乾燥剤703を乾燥し、それと同時に、水蒸気が1つ以上の導管715を通って周囲環境に排出される。加熱室801は直接乾燥剤容器701に隣接して取り付けることができ、又は図のように容器701から少し離れて取り付けることができることが理解されるであろう。システム700のように、好ましくは1つ以上のバルブ、例えばバルブ721及び723は、乾燥剤の再活性化中に電池パックに再導入される水から乾燥剤703を避けるために、また、乾燥剤容器701に周囲空気の流れを制御するための手段を提供するために用いられる。
【0057】
図9は、乾燥加熱システムの他の変形例を示している。システム900では、加熱素子707は乾燥剤703内に配置され、それによって主に伝導によって乾燥剤703を乾燥させる。システム700及び800のように、電池パックの外側の乾燥剤によって放出された水蒸気を排出するために、外部の周囲空気はシステムを通って引き込まれる。すなわち、1つ以上の導管717を通って乾燥容器内に流入し、1つ以上の導管715を通って乾燥剤容器から流出する。また、システム700及び800のように、乾燥剤容器701が電池パックからの水蒸気を吸収するために使用されているか、それとも水蒸気が乾燥剤の再活性化プロセスの間に乾燥剤から追い出されるかに応じて、好ましくはバルブが乾燥剤容器701と電池パックか又は周囲環境との間で、空気の流れを制御するために使用される。システム900は、好ましくは、加熱と再活性化プロセス中に乾燥剤を通った周囲空気を駆動し、これによって乾燥させるプロセスを強化するための1つ以上のファン901を含むことに留意すべきである。
【0058】
一般に、乾燥剤703は比較的薄い層に広がっている場合に最も機能し、例えば、好ましくは1インチ未満の厚さの層であり、より好ましくは0.5インチ未満の厚さの層である。乾燥剤の厚い層が依然として水蒸気を吸収することが可能であるものの、水蒸気が厚い乾燥剤層の全領域に到達するために必要な、より長い経路により、吸収効率は低下する。幸いなことに、例えば電池パック等の低含水量アプリケーションにより、最外部の乾燥剤層に吸収された/吸着された水は徐々に下層に移動し、したがって、非常に厚い乾燥剤層(例えば、3〜5インチの厚さの層)であっても、適切な吸収/吸着を提供する。
【0059】
乾燥剤の厚い層が、電池パックからの水蒸気を吸収/吸着するために使用されるものの、例えば上記図7−9に示したように、単純なヒータ配置を用いた厚い乾燥剤層の再活性化は困難であることを本発明者らは発見した。直ちに乾燥剤を再活性化する必要があることに起因する問題の一部が発生しているが、主な問題は、容器701内が比較的均一な温度に達することの1つであり、その温度は乾燥剤を再活性化するのに十分な温度である。典型的な乾燥剤の低熱伝導率を考えると、特に多数の層厚では、乾燥剤のある領域に適用される熱は、十分に他の領域を加熱しない。十分な熱が容器701全体に適用されていない場合は、水蒸気は単に乾燥剤のある領域から他の領域に運ばれているだけである。もし、チャンバ701が再活性化プロセスの間に周囲環境に対して開いている場合には、不十分な乾燥剤の加熱は特に問題である。なぜなら、これは更に水蒸気が乾燥剤によって吸収されることを許容するためである。したがって、チャンバ701内に含まれている乾燥剤層の厚さが非常に大きい場合には、好ましくは、乾燥剤を再活性化するのに十分な温度に乾燥剤容量全体を十分に加熱するヒータ構成が使用される。大容量の乾燥剤を有する非常に大規模な乾燥剤容器のために、所望の再活性化温度より低い温度のままであることが許されている小さな領域が容器内にあっても構わないことが理解されるであろう。しかしながら、一般に、乾燥剤の少なくとも75%は再活性化温度以上に上昇し、より好ましくは、乾燥剤の少なくとも80%は再活性化温度以上に上昇し、更に好ましくは少なくとも乾燥剤の90%−95%は再活性化温度以上に上昇する。乾燥剤の全容量を加熱するために代替のヒータ構成が必要な程度は、乾燥剤のタイプ、乾燥剤のビーズ/粒子サイズ、容器701中の乾燥剤の充填密度、容器の容量と形状、乾燥時の乾燥剤を通る空気の流れ、必要とする再活性化温度、周囲温度等を含む多くの要因に依存することを理解すべきである。しかしながら、一般に、乾燥剤の全容量を均一に加熱可能なヒータ構成は、乾燥剤層の厚さが0.25インチよりも大きく、又は0.5インチよりも大きく、又は0.75インチより大きく、又は1.0インチより大きい場合に、乾燥剤の全容量を均一に加熱可能なヒータ構成が必要であることを発明者は発見した。
【0060】
図10は、図9に示されたシステムの変形例を図示しており、乾燥剤701の容量全体においてより高い加熱の均一性を達成するために構成されている。図示するように、システム1001は乾燥剤の容量全体に配置されている多様の加熱素子707を含み、それによって乾燥剤のより均一な加熱を提供する。
【0061】
図11は、乾燥剤を均一に加熱するための代替のアプローチを示しており、システム1100は単独のヒータ707を利用している。しかし、システム1100では、ヒータ707からの熱は熱的にヒータ707に結合されている複数の熱導伝性構造1101によって乾燥剤全体に伝えられる。他の熱伝導性材料(例えば、アルミニウム)が使用されても構わないが、好ましくは、構造1101は銅によって製造される。高い熱伝導性を有することに加え、構造1101は乾燥剤容器を通った空気の流れに与える影響を最小限に抑えるように設計されており、これにより、乾燥剤は更に効率的に電池パックから水蒸気を除去することができる。構造1101の正確な構成は、通常の使用中の空気の流れの方向、通常の使用及び/又は乾燥剤の再活性化の間に乾燥剤に空気を通すために使用されるシステムの構成、加熱される乾燥剤の量、乾燥室の大きさ及び乾燥室が電池パックの内部又は外部に配置されているかどうかを含む様々な要因に依存することが理解されるであろう。図11に示す実施形態では、熱伝達構造1101はフィンで構成される。このように、好ましくは乾燥室と電池パックとの間の空気の流れは図に対して垂直である。構造1101のための例示的な構成は、フィン(図11−12)、複数の開口部1303(図13)を含む多孔板、すなわち平らな要素1301、及び熱伝導性要素1401の十字模様(図14)を含む。
【0062】
本発明のシステムは、開示された加熱システムを使用して、いつ乾燥剤を再活性化するかを判定するために様々な異なる技術を使用することができる。図15に示した技術では、システムが初期化された(例えば、最初の稼働)後(ステップ1501)、 システムタイマが初期化される(ステップ1503)。初期化の時間が予め設定された時間よりも短い間は(ステップ1505)、乾燥剤の水分処理能力が所望の範囲内であると推測する。初期化からの経過時間が予め設定した時間を超えるとすぐに(ステップ1507)、システムコントローラ(例えば、605又は607)は、乾燥剤の再活性化システムを作動する。再活性化システムに関連付けられている手順では、上述したように除湿システムの厳密な構成に依存して変わるかもしれないが、少なくとも1つの実施形態では、乾燥剤の再活性化時において、除湿システムと電池パックとの間に空気の流れは閉じており(ステップ1509)、加熱システムは起動し(ステップ1511)、周囲空気は乾燥剤を通過させられる(ステップ1513)。時間の予め設定した期間が満了した後(ステップ1515)、周囲空気の流れが終了し(ステップ1517)、ヒータをオフし(ステップ1519)、除湿システムと電池パックとの間の空気の流れが開かれる(ステップ1521)。この時点でシステムが再初期化され(ステップ1523)、システムは通常動作に再び入る。
【0063】
図16は、図15に示したプロセスのマイナーな変形例を示す。図のように、加熱システムが起動した後(ステップ1511)、システムは周囲空気の流れに対して乾燥剤容器を開く前のヒータのウォームアップのための予め設定した期間を待つ(ステップ1601)。
【0064】
図17に示すプロセスでは、最後の再起動からの時間が予め設定した期間(すなわち、図17のt1)を超えているとシステム判断すると、システムは車両が非稼働中の次の期間のモニタを開始する(ステップ1701)。システムは、非稼働中の車両を様々な基準によって関連付けて設定することができる。例えば、ある構成では、非稼動中の車両は、車両が駐車している及び/又は「オフ」状態(例えば、ドライバが運転席にいない、キー/キーフォブが車両に近接していない、等)に相当する。別の構成では、非稼動中の車両は、一日の予め設定した時間(例えば、3AM)に相当する。さらに別の構成では、非稼動中の車両は電池パックが充電システム及び外部電源に結合していることに相当する。システムコントローラが車両が非稼動中である判断すると(ステップ1703)、図15かそれとも図16に関連して記載されたように、乾燥剤の再活性化プロセスが開始される。
【0065】
本発明の乾燥剤の再活性化システムの開始は、最後の再活性化からの時間以外の基準に基づくことができることが理解されるであろう。例えば、電池パックの領域及び/又は乾燥剤容器の領域に対応する湿度はモニタされ、いつ乾燥剤が飽和し、乾燥剤の再活性化が必要となるかを判定するために用いられる。このアプローチは図18−20に示され、これらの図は時間をモニタする代わり以外は図15−17に対応しており、これらの実施形態では、湿度をモニタし(ステップ1801)、検出された湿度が予め設定したレベルを超えたとき(ステップ1803)にのみ、乾燥剤の再活性化システムが起動する。
【0066】
複数の図で使用される同一の要素の符号が、同じ要素又は同等の機能を有する要素を参照していることが理解されるべきである。更に、添付の図面は説明するためにのみ意図されており、本発明の範囲を制限するものではなく、拡張するように考えるべきではない。
【0067】
システム及び方法は、本発明の詳細を理解するための補助として一般的な用語で記載されている。いくつかの例では、既知の構造、材料、及び/又は操作は、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、具体的に示されていないか又は詳細に記載されていない。他の例では、具体的な詳細が本発明の完全な理解を提供するために与えられている。関連する当業者であれば、例えば、特定のシステム又は装置又は状況又は材料又は要素に適応するために、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、本発明が他の特定の形態で実施することができることを認識するであろう。したがって、この点において、本開示及び説明は例示であることを意図しているが、次の請求項に明記されている本発明の範囲によって限定されるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池を保持するように構成された電池パック格納装置を備える電池パックと、
乾燥剤格納装置と、
前記乾燥剤格納装置内に含まれた乾燥剤と、
前記乾燥剤格納装置を前記電池パック格納装置に連結し、水蒸気を前記電池パック格納装置内を通過させて、前記水蒸気を前記乾燥剤によって吸収及び吸着させる前記乾燥剤格納装置内に移動させる第1の空気通路と、
前記乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと推定するために構成され、前記乾燥剤が吸収/吸着の効力を失った時に第1の制御信号を出力するコントローラと、
前記第1の制御信号を受信した時に前記乾燥剤格納装置内の前記乾燥剤を加熱し、再活性化するように構成され、前記乾燥剤を加熱し、再活性化している間に、水分を前記乾燥剤から放出させるヒータアセンブリと、
前記乾燥剤格納装置を前記電池パック格納装置の外側の空間に連通させ、前記乾燥剤を加熱し、再活性化している間に放出された前記水分を通過させる第2の空気通路と、
を備える除湿アセンブリと
を備える電池パック除湿システム。
【請求項2】
複数のバルブを更に備え、前記複数のバルブは、前記乾燥剤の加熱と再活性化の間に前記第1の空気通路を閉じて前記第2の空気通路を開き、前記乾燥剤の加熱前及び後と再活性化前及び後に前記第1の空気通路を開いて前記第2の空気通路を閉じる請求項1に記載の電池パック除湿システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1の制御信号が出力されてから予め設定された期間が経過した後に第2の制御信号を出力するように設定され、前記ヒータアセンブリは、前記第2の制御信号の受信時に前記乾燥剤格納装置内の前記乾燥剤の加熱と再活性化を終了するように設定されている請求項1又は請求項2に記載の電池パック除湿システム。
【請求項4】
前記コントローラに結合された少なくとも1つの湿度センサを更に備え、前記少なくとも1つの湿度センサにより検出された湿度レベルが予め設定された湿度レベルを超えたときに、前記コントローラは前記第1の制御信号を出力する請求項1乃至請求項3に記載の電池パック除湿システム。
【請求項5】
タイマを更に備え、前記除湿システムを初期化してから、又は前記コントローラが最後に前記第1の制御信号を出力してから予め設定された期間が経過した後に、前記コントローラは前記第1の制御信号を出力する請求項1乃至請求項3に記載の電池パック除湿システム。
【請求項6】
前記ヒータアセンブリは、前記乾燥剤格納装置内に含まれた前記乾燥剤の中に配置された加熱要素を更に備える請求項1乃至請求項5に記載の電池パック除湿システム。
【請求項7】
前記ヒータアセンブリは、前記乾燥剤内及び前記乾燥剤室中に配置されている加熱要素と複数の熱伝導構造を更に備え、前記複数の熱伝導構造は前記乾燥剤の加熱及び再活性化時に前記加熱要素により加熱され、前記複数の熱伝導構造は、前記加熱要素から前記乾燥剤に熱を伝える請求項1乃至請求項5に記載の電池パック除湿システム。
【請求項8】
前記ヒータアセンブリは加熱要素とファンを更に備え、前記加熱要素は前記乾燥剤格納装置から独立した加熱室内に配置され、前記加熱室内で加熱された空気は、前記乾燥剤の加熱と再活性化中に、前記ファンによって前記乾燥剤格納装置を通過する請求項1乃至請求項5に記載の電池パック除湿システム。
【請求項9】
前記乾燥剤格納装置は前記電池パック格納装置の外部に取り付けられ、前記第1の空気通路によって前記電池パック格納装置に結合される請求項1乃至請求項8に記載の電池パック除湿システム。
【請求項10】
複数の電池を保持するように構成された電池パック格納装置と、大量の乾燥剤を含むように構成された乾燥剤格納装置との間に第1の空気通路を提供する工程と、
水蒸気が前記大量の乾燥剤によって吸収、吸着される、前記電池パック格納装置から前記水蒸気を除去する工程と、
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程と、
前記大量の乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと判断されたときに第1のヒータ制御信号を出力する工程と、
前記第1のヒータ制御信号の受信時に前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤をその場で加熱し、前記大量の乾燥剤を再活性化する工程を更に備える加熱する工程と、
前記大量の乾燥剤を加熱する工程の開始から予め設定された期間が経過した後に、第2のヒータ制御信号を出力する工程と、
前記第2のヒータ制御信号を受信すると前記加熱する工程を終了する工程と
を備える電池パックの湿度を制御する方法。
【請求項11】
前記乾燥剤格納装置と、前記電池パック格納装置の外側及び前記乾燥剤格納装置の外側の空間との間に第2の空気通路を提供する工程と、
前記第1のヒータ制御信号の受信後に前記第1の空気通路を閉じ、前記第2の空気通路を開く工程と、
前記第2のヒータ制御信号の受信後に前記第1の空気通路を開き、前記第2の空気通路を閉じる工程と
を更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程は、
システム初期化信号を受信してからの経過時間を判定する工程と、
前記経過時間と予め設定された期間とを比較する工程と、
前記経過時間が前記予め設定された期間を超えたときに前記第1のヒータ制御信号を出力する工程と
を更に備える請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程は、
前記電池パック格納装置内の湿度をモニタする工程と、
前記湿度と予め設定された湿度レベルとを比較する工程と、
前記湿度が予め設定された湿度レベルを超えた時に前記第1のヒータ制御信号を出力する工程と
を更に備える請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程は、
前記乾燥剤格納装置内の湿度をモニタする工程と、
前記湿度と予め設定された湿度レベルとを比較する工程と、
前記湿度が予め設定された湿度レベルを超えた時に前記第1のヒータ制御信号を出力する工程と
を更に備える請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のヒータ制御信号を出力する工程の後と、前記大量の乾燥剤を加熱する工程の実行の前には、
前記電池パックを含む電気自動車が稼働中であるか又は非稼働中であるかを判定する工程と、
前記電気自動車が稼非稼働中である場合には、前記大量の乾燥剤を加熱する工程を実行する工程と、
前記電気自動車が稼働中である場合には、前記大量の乾燥剤を加熱する工程を遅延させ、前記電気自動車が非稼働中となるまで実行される遅延させる工程と
を更に備える請求項10乃至請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電気自動車は前記電池パックが充電システム及び充電ソースに結合されている場合には非稼働中である、前記電池パックが前記充電システム及び前記充電ソースに結合されているかどうかを判定する工程か、
時刻を判定し、前記時刻が予め設定した時刻の範囲内であるかどうかを判定し、前記時刻が予め設定した時刻の範囲内であれば前記電気自動車は非稼働中であると判定する工程を
更に備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤をその場で加熱する工程は、
前記大量の乾燥剤を含んでいる前記乾燥剤室から独立した空気加熱室に配置された加熱要素を活性化する工程と、
前記空気加熱室から前記乾燥剤室まで加熱された空気を循環する工程と
を更に備える請求項10乃至請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤をその場で加熱する工程は、前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤内に配置された加熱要素を活性化する工程を更に備える請求項10乃至請求項16に記載の方法。
【請求項1】
複数の電池を保持するように構成された電池パック格納装置を備える電池パックと、
乾燥剤格納装置と、
前記乾燥剤格納装置内に含まれた乾燥剤と、
前記乾燥剤格納装置を前記電池パック格納装置に連結し、水蒸気を前記電池パック格納装置内を通過させて、前記水蒸気を前記乾燥剤によって吸収及び吸着させる前記乾燥剤格納装置内に移動させる第1の空気通路と、
前記乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと推定するために構成され、前記乾燥剤が吸収/吸着の効力を失った時に第1の制御信号を出力するコントローラと、
前記第1の制御信号を受信した時に前記乾燥剤格納装置内の前記乾燥剤を加熱し、再活性化するように構成され、前記乾燥剤を加熱し、再活性化している間に、水分を前記乾燥剤から放出させるヒータアセンブリと、
前記乾燥剤格納装置を前記電池パック格納装置の外側の空間に連通させ、前記乾燥剤を加熱し、再活性化している間に放出された前記水分を通過させる第2の空気通路と、
を備える除湿アセンブリと
を備える電池パック除湿システム。
【請求項2】
複数のバルブを更に備え、前記複数のバルブは、前記乾燥剤の加熱と再活性化の間に前記第1の空気通路を閉じて前記第2の空気通路を開き、前記乾燥剤の加熱前及び後と再活性化前及び後に前記第1の空気通路を開いて前記第2の空気通路を閉じる請求項1に記載の電池パック除湿システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1の制御信号が出力されてから予め設定された期間が経過した後に第2の制御信号を出力するように設定され、前記ヒータアセンブリは、前記第2の制御信号の受信時に前記乾燥剤格納装置内の前記乾燥剤の加熱と再活性化を終了するように設定されている請求項1又は請求項2に記載の電池パック除湿システム。
【請求項4】
前記コントローラに結合された少なくとも1つの湿度センサを更に備え、前記少なくとも1つの湿度センサにより検出された湿度レベルが予め設定された湿度レベルを超えたときに、前記コントローラは前記第1の制御信号を出力する請求項1乃至請求項3に記載の電池パック除湿システム。
【請求項5】
タイマを更に備え、前記除湿システムを初期化してから、又は前記コントローラが最後に前記第1の制御信号を出力してから予め設定された期間が経過した後に、前記コントローラは前記第1の制御信号を出力する請求項1乃至請求項3に記載の電池パック除湿システム。
【請求項6】
前記ヒータアセンブリは、前記乾燥剤格納装置内に含まれた前記乾燥剤の中に配置された加熱要素を更に備える請求項1乃至請求項5に記載の電池パック除湿システム。
【請求項7】
前記ヒータアセンブリは、前記乾燥剤内及び前記乾燥剤室中に配置されている加熱要素と複数の熱伝導構造を更に備え、前記複数の熱伝導構造は前記乾燥剤の加熱及び再活性化時に前記加熱要素により加熱され、前記複数の熱伝導構造は、前記加熱要素から前記乾燥剤に熱を伝える請求項1乃至請求項5に記載の電池パック除湿システム。
【請求項8】
前記ヒータアセンブリは加熱要素とファンを更に備え、前記加熱要素は前記乾燥剤格納装置から独立した加熱室内に配置され、前記加熱室内で加熱された空気は、前記乾燥剤の加熱と再活性化中に、前記ファンによって前記乾燥剤格納装置を通過する請求項1乃至請求項5に記載の電池パック除湿システム。
【請求項9】
前記乾燥剤格納装置は前記電池パック格納装置の外部に取り付けられ、前記第1の空気通路によって前記電池パック格納装置に結合される請求項1乃至請求項8に記載の電池パック除湿システム。
【請求項10】
複数の電池を保持するように構成された電池パック格納装置と、大量の乾燥剤を含むように構成された乾燥剤格納装置との間に第1の空気通路を提供する工程と、
水蒸気が前記大量の乾燥剤によって吸収、吸着される、前記電池パック格納装置から前記水蒸気を除去する工程と、
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程と、
前記大量の乾燥剤が吸収/吸着の効力を失ったと判断されたときに第1のヒータ制御信号を出力する工程と、
前記第1のヒータ制御信号の受信時に前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤をその場で加熱し、前記大量の乾燥剤を再活性化する工程を更に備える加熱する工程と、
前記大量の乾燥剤を加熱する工程の開始から予め設定された期間が経過した後に、第2のヒータ制御信号を出力する工程と、
前記第2のヒータ制御信号を受信すると前記加熱する工程を終了する工程と
を備える電池パックの湿度を制御する方法。
【請求項11】
前記乾燥剤格納装置と、前記電池パック格納装置の外側及び前記乾燥剤格納装置の外側の空間との間に第2の空気通路を提供する工程と、
前記第1のヒータ制御信号の受信後に前記第1の空気通路を閉じ、前記第2の空気通路を開く工程と、
前記第2のヒータ制御信号の受信後に前記第1の空気通路を開き、前記第2の空気通路を閉じる工程と
を更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程は、
システム初期化信号を受信してからの経過時間を判定する工程と、
前記経過時間と予め設定された期間とを比較する工程と、
前記経過時間が前記予め設定された期間を超えたときに前記第1のヒータ制御信号を出力する工程と
を更に備える請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程は、
前記電池パック格納装置内の湿度をモニタする工程と、
前記湿度と予め設定された湿度レベルとを比較する工程と、
前記湿度が予め設定された湿度レベルを超えた時に前記第1のヒータ制御信号を出力する工程と
を更に備える請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記大量の乾燥剤が、吸収/吸着の効力を失っているかどうかを判定する工程は、
前記乾燥剤格納装置内の湿度をモニタする工程と、
前記湿度と予め設定された湿度レベルとを比較する工程と、
前記湿度が予め設定された湿度レベルを超えた時に前記第1のヒータ制御信号を出力する工程と
を更に備える請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のヒータ制御信号を出力する工程の後と、前記大量の乾燥剤を加熱する工程の実行の前には、
前記電池パックを含む電気自動車が稼働中であるか又は非稼働中であるかを判定する工程と、
前記電気自動車が稼非稼働中である場合には、前記大量の乾燥剤を加熱する工程を実行する工程と、
前記電気自動車が稼働中である場合には、前記大量の乾燥剤を加熱する工程を遅延させ、前記電気自動車が非稼働中となるまで実行される遅延させる工程と
を更に備える請求項10乃至請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電気自動車は前記電池パックが充電システム及び充電ソースに結合されている場合には非稼働中である、前記電池パックが前記充電システム及び前記充電ソースに結合されているかどうかを判定する工程か、
時刻を判定し、前記時刻が予め設定した時刻の範囲内であるかどうかを判定し、前記時刻が予め設定した時刻の範囲内であれば前記電気自動車は非稼働中であると判定する工程を
更に備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤をその場で加熱する工程は、
前記大量の乾燥剤を含んでいる前記乾燥剤室から独立した空気加熱室に配置された加熱要素を活性化する工程と、
前記空気加熱室から前記乾燥剤室まで加熱された空気を循環する工程と
を更に備える請求項10乃至請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤をその場で加熱する工程は、前記乾燥剤格納装置内の前記大量の乾燥剤内に配置された加熱要素を活性化する工程を更に備える請求項10乃至請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−12475(P2013−12475A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−131265(P2012−131265)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【出願人】(509316442)テスラ・モーターズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−131265(P2012−131265)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【出願人】(509316442)テスラ・モーターズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
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