説明

自転車

【課題】小型であり、軽量である支持装置を備えた自転車の提供。
【解決手段】この自転車2は、主フレーム4と、前輪8と、後輪10と、主フレーム4の左右に位置する一対の補助車輪16と、補助車輪16を支持する一対の支持装置18とを備えている。それぞれの支持装置18は、アーム46及び伸縮器48を備えている。このアーム46の一端に、補助車輪16が軸着されている。このアーム46の他端は、主フレーム4に回動可能に軸着されている。この伸縮器48の一端は、主フレーム4に軸着されている。伸縮器48の他端は、アーム46に軸着されている。この伸縮器48は、アーム46の回動により伸縮するように構成されている。この伸縮器48は、伸縮を阻止するロック機構を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主フレームの左右に補助車輪を備えた自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
前輪及び後輪の他に、左右一対の補助車輪を備えた自転車がある。それぞれの補助車輪を左右独立に回動可能に支持する自転車が、特開2007−145318号公報に記載されている。この自転車は、一対のアームを備えている。このアームの一端は、主フレームに回動可能に軸着されている。このアームの他端には、補助車輪が回動可能に支持されている。この補助車輪は、コイルばねによりアームを介して下方に付勢されている。
【0003】
この自転車は、アームロック手段を備えている。アームロック手段は、ディスクロータ及びキャリパーを備えている。このディスクロータは、アームと一体で回転可能である。このキャリパーは、一対の摩擦材を備えている。一対の摩擦材によりディスクロータが挟み込まれる。ディスクロータの回転がロックされる。これにより、アームの回動がロックされる。
【0004】
自転車の走行時には、コイルばねの付勢力により補助車輪が下方に付勢されている。このコイルばねにより、補助車輪は路面の凹凸に追随する。この自転車は、安定して走行しうる。自転車の停止時には、補助車輪が接地した状態でアームの回動がロックされる。これにより、自転車は、停止時にも安定した姿勢で自立しうる。この自転車は、走行時及び停止時の自転車の姿勢が安定している。
【特許文献1】特開2007−145318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このアームロック手段は、ディスクロータ及びキャリパの配置スペースを必要とする。アームロック手段の取付位置によっては、運転者の運転の障害になりうる。また、このアームロック手段を備えた自転車の重量は大きい。
【0006】
本発明の目的は、小型であり、軽量である支持装置を備えた自転車の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自転車は、主フレームと、前輪と、後輪と、主フレームの左右に位置する一対の補助車輪と、補助車輪を支持する一対の支持装置とを備えている。それぞれの支持装置は、アーム及び伸縮器を備えている。このアームの一端に、補助車輪が軸着されている。このアームの他端は、主フレームに回動可能に軸着されている。この伸縮器の一端は、主フレームに軸着されている。伸縮器の他端は、アームに軸着されている。この伸縮器は、アームの回動により伸縮するように構成されている。この伸縮器は、伸縮を阻止するロック機構を備えている。
【0008】
好ましくは、この自転車の支持装置は、コイルばねを備えている。このコイルばねに、伸縮器が通されている。このコイルばねは、伸縮器の一端と他端との間に位置している。このコイルばねは、伸縮器の一端と他端とを遠ざける向きに付勢している。
【0009】
好ましくは、上記伸縮器は、シリンダー及びピストンを備えている。このピストンは、シリンダーに摺動可能にされている。この伸縮器は、ピストンの摺動により伸縮されるように構成されている。上記ロック機構は、ピストンとシリンダーとの摺動を阻止する。
【0010】
好ましくは、上記伸縮器は、弁を備えている。上記シリンダーは、ピストンにより第一室と第二室に仕切られている。上記シリンダーに、流体が封入されている。このピストンに、第一室と第二室とを連通させる流路が形成されている。この流体は、ピストンの摺動により第一室と第二室との間を流動するようにされている。この弁は、流路を開閉可能にされている。好ましくは、この流体は液体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る自転車では、伸縮器が軽量であり、小型であり、省スペースである。これにより、この伸縮器を備えた支持装置は、小型軽量である。この自転車は、補助車輪を備えた従来の自転車に比べ軽量である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る自転車2が示された正面図である。図1の右向きが、この自転車2の前方向きである。図1の左向きが、自転車2の後方向きである。図1の紙面に垂直な方向が左右方向である。この自転車2は、主フレーム4、操舵装置6、前輪8、後輪10、駆動装置12、制動装置14、主フレーム4の左右に位置する一対の補助車輪16及び補助車輪16を支持する一対の支持装置18を備えている。
【0014】
主フレーム4は、サドル20及び後部シート22を備えている。サドル20は、主フレーム4の中央上方に位置している。後部シート22は、サドル20の後方に位置している。
【0015】
操舵装置6は、ハンドル24及び操舵軸26を備えている。操舵軸26の上方端にハンドル24が固定されている。ハンドル24の中央が、操舵軸26の上方端に固定されている。この操舵軸26は主フレーム4の前方に位置している。この操舵軸26は、その軸線を回転軸に回転可能に主フレーム4に支持されている。操舵軸26は、その下方に一対のホーク28が延びている。
【0016】
前輪8は、主フレーム4の前方に位置している。前輪8は、この一対のホーク28の間に位置している。前輪8は、一対のホーク28に回転可能に取り付けられている。前輪8は、左右方向を回転軸に回転しうる。後輪10は、主フレーム4の後方に位置している。後輪10は、主フレーム4に回転可能に取り付けられている。後輪10は、左右方向を回転軸に回転しうる。
【0017】
駆動装置12は、左右一対のクランク30、駆動ギア32、チェーン34及び従動ギア36を備えている。クランク30は、それぞれ主フレーム4の左右側面に位置している。クランク30は、サドル20の下方に位置している。クランク30は、前輪8と後輪10との間に位置している。クランク30は、主フレーム4に回転可能に取り付けられている。クランク30は、左右方向を回転軸に回転しうる。
【0018】
駆動ギア32は、回転可能に主フレーム4に取り付けられている。クランク30の回転軸と駆動ギア32の回転軸とは、同軸である。クランク30と駆動ギア32とは、一体で回転可能しうる。従動ギア36は、主フレーム4の後方に回転可能に取り付けられている。この従動ギア36と後輪10との回転軸とは、同軸である。従動ギア36と後輪10とは一体で回転しうる。チェーン34は、駆動ギア32と従動ギア36とに架け渡されている。
【0019】
制動装置14は、図示されない前輪ブレーキ及び後輪ブレーキを備えている。前輪ブレーキは、ディスク及びキャリパーを備えている。前輪ブレーキは、第一ワイヤー38及び前ブレーキレバー40を備えている。ディスクは、前輪8と一体されている。ディスクは、前輪8と同軸に回転しうる。キャリパーは、操舵軸26の下方に取り付けられている。
【0020】
前ブレーキレバー40は、ハンドル24の右端に取り付けられている。前ブレーキレバー40の一端は、ハンドル24に軸着されている。前ブレーキレバー40は、軸着された一端を支点に回動しうる。前ブレーキレバー40は、ハンドル24に近づき及び離れる方向に回動しうる。第一ワイヤー38の一端は、前ブレーキレバー40に連結されている。第一ワイヤー38の他端は、キャリパーに連結されている。キャリパーは、摩擦材でディスクを挟み込める位置に配置されている。
【0021】
後輪ブレーキは、図示されないが、ドラムブレーキ、第二ワイヤー及び後ブレーキレバーを備えている。ドラムブレーキは、後輪10と一体に回転するドラム及びそのドラムに押し付けられる摩擦材を備えている。後ブレーキレバーは、ハンドル24の左端に取り付けられている。後ブレーキレバーの一端は、ハンドル24に軸着されている。後ブレーキレバーは、軸着された一端を支点に回動しうる。後ブレーキレバーは、ハンドル24に近づき及び離れる方向に回動しうる。第二ワイヤーの一端は、後ブレーキレバーに連結されている。第二ワイヤーの他端は、ドラムブレーキに連結されている。
【0022】
左側の補助車輪16及び支持装置18は、主フレーム4の左側に位置している。右側の補助車輪16及び支持装置18は、主フレーム4の右側に位置している。
【0023】
支持装置18は、アーム46、伸縮器48、弾性体としてのコイルばね49、補助レバー50及び第三ワイヤー52を備えている。アーム46の一端には、補助車輪16が回転可能に取り付けられている。主フレーム4は、下方に延びるステー54を備えている。アーム46の他端は、このステー54に軸着されている。アーム46は、主フレーム4に対して回動しうる。アーム46は、左右方向を回動軸として回動しうる。伸縮器48の一端は、主フレーム4に軸着されている。伸縮器48の他端は、アーム46の回転軸よりアーム46の一端に近い位置に軸着されている。
【0024】
補助レバー50は、ハンドル24の右端に取り付けられている。補助レバー50の一端が、ハンドル24に軸着されている。補助レバー50は、この軸着された一端を支点に回動可能に取り付けられている。補助レバー50は、ハンドル24に近づき及び離れる方向に回動しうる。第三ワイヤー52の一端が補助レバー50に連結されている。この自転車2では、前ブレーキレバー40と補助レバー50が同時に操作されるように配置されている。前ブレーキレバー40又は補助レバー50とが、そのどちらか一方のみを操作することも可能に配置されている。
【0025】
図2は、図1の自転車2の伸縮器48が示された拡大断面図である。伸縮器48は、シリンダー56、第一ピストン58、第二ピストン60、ピストンロッド62、弁64、プッシュロッド66、ロッド端68、調整ナット70、ステー74、レバー76、軸78及びコイルばね80を備えている。
【0026】
シリンダー56は、内部に有底の円柱状の空間を形成されている。この空間の下方は、開口82を形成されている。このシリンダー56の外周面には雄ねじ84が形成されている。このシリンダー56の上端には、軸孔86が形成されている。この軸孔86は、シリンダー56の円柱状の空間に垂直に形成されている。軸孔86には主フレーム4から延びる軸87が通されている。このシリンダー56は、軸87により、左右方向を回転軸に回動可能に支持されている。
【0027】
第一ピストン58は、シリンダー56の内部の空間に摺動可能に挿入されている。シリンダー56の内部の空間は、この第一ピストン58により第一流体室88と第二流体室90とに仕切られている。第一流体室88と第二流体室90とは、シールされて仕切られている。
【0028】
第二ピストン60は、この第二流体室90に摺動可能に挿入されている。第二ピストン60は、第二流体室90を第一室92と第二室94との2つの空間に仕切っている。第二ピストン60の外周面と第二流体室90の内壁とは、シールした状態摺動可能とされている。
【0029】
ピストンロッド62は、第二ピストン60の下方に固定されている。ピストンロッド62の一端96は、第二ピストン60に挿入されて固定されている。ピストンロッド62の他端98は、シリンダー56の下方の開口82からシリンダー56の外側に突き出されている。
【0030】
このシリンダー56の開口82には、ガイド100及びシール102が取り付けられている。ガイド100は、ピストンロッド62を摺動可能に支持している。シール102は、ピストンロッド62とシリンダー56とをシールしている。
【0031】
一体とされた、第二ピストン60とピストンロッド62とは、ピストンロッド62の軸線に沿って貫通孔104が形成されている。この貫通孔104は、第一室92に連通している。この貫通孔104の第二ピストン60の部分には、第二室94に連通するオリフィス106が形成されている。このピストン60には、この貫通孔104とオリフィス106とにより、流路105が形成されている。
【0032】
弁64は、貫通孔104に挿入されている。弁64は、第一室92に面して摺動可能に支持されている。プッシュロッド66は、貫通孔104に挿入されている。この弁64の下方に位置している。プッシュロッド66は、貫通孔104に摺動可能に支持されている。
【0033】
ロッド端68は、ピストンロッド62の他端98に固定されている。ロッド端68は、ワッシャ107を備えている。ワッシャ107は、ロッド端68の上方に位置している。ロッド端68の下方には、軸孔108が形成されている。この軸孔108は、貫通孔104の軸線に垂直に形成されている。軸孔108には、軸110が通されている。この軸110は、ステー112に支持されている。このステー112は、アーム46に固定されている。このロッド端68は、軸110により、左右方向を回転軸に回動可能に支持されている。このロッド端68は、アーム46に対して左右方向を回転軸に回動しうる。
【0034】
調整ナット70はシリンダー56の雄ねじ84にねじ込まれている。調整ナット70は、2個のナットからなる。調整ナット70は、シリンダー56の軸方向に位置変更可能とされている。調整ナット70は、2個のナットにより、シリンダー56の軸方向に位置決め固定しうる。
【0035】
ステー74は、ロッド端68に固定されている。軸78は、ステー74に固定されている。レバー76は、この軸78に回動可能支持されている。レバー76の一端は、プッシュロッド66に当接している。レバー76の他端には、第三ワイヤー52の他端が連結されている。コイルばね80は、第三ワイヤー52の他端近傍に通されている。コイルばね80は、レバー76とステー74との間に位置している。コイルばね80は、プッシュロット66を押し上げる向きにレバー76を付勢している。
【0036】
コイルばね49は、伸縮器48を通されている。このコイルばね49は、ワッシャ107と調整ナット70との間に位置している。コイルばね49は、ワッシャ107と調整ナット70とが離れる向きに付勢している。このコイルばね49は、調整ナット70の位置を変えることにより付勢力の強さが変えられるように構成されている。
【0037】
図3は、図2の伸縮器48の使用状態が示された部分拡大図である。この伸縮器48では、図2に示された第一流体室88に窒素ガスが封入されている。第二流体室90には、油が封入されている。コイルばね80の付勢により、レバー76がプッシュロッド66を押し上げている。図3(a)は、弁64が上方に押し上げられて、流路105により第一室92と第二室94とが連通している状態が示されている。この状態では、流路105を通って第一室92と第二室94との間で油が移動する。第二ピストン60は、油の流動によりシリンダー56に対して摺動可能とされている。これにより、伸縮器48の伸縮が可能とされている。アーム46は、主フレーム4に対して回動可能とされている。
【0038】
運転者が、右手でハンドル24、前ブレーキレバー40及び補助レバー50を握る。前ブレーキレバー40が握られているため、前輪8にブレーキがかけられている。補助レバー50が握られ回動して、第三ワイヤー52が引かれる。コイルばね80の付勢力に抗して、レバー76が回動させられる。これにより、プッシュロッド66の押し上げが解除される。補助車輪16が接地している自転車2では、窒素ガス及び油が圧縮力を受けている。窒素ガスが、第一ピストン58を押し戻す。第一ピストン58により第一室92の油が弁64を押し下げる。
【0039】
図3(b)は、弁64が下方に押し下げられて、第一室92と第二室94とが連通が遮断されている状態が示されている。押し下げられた弁64により、流路105が閉じられる。第一室92と第二室94との間で油の移動が遮断される。油の移動が遮断されることにより、第二ピストン60の摺動がロックされる。これにより、伸縮器48の伸縮がロックされる。この伸縮器48では、シリンダー56、第二ピストン60及び弁64が伸縮のロック機構114を形成している。アーム46の回動がロックされる。補助車輪16の上下方向の回動が固定される。運転者がこの自転車2のサドル20に腰掛ける。運転者が乗る際に、この自転車2は安定している。
【0040】
前ブレーキレバー40だけが放される。これにより、前輪8のブレーキが解除される。自転車2のクランク30が運転者により漕がれる。クランク30が回転する。クランク30の回転により、駆動ギア32が回転する。駆動ギア32の回転は、チェーン34に伝えられる。このチェーン34により、従動ギア36に回転が伝えられる。従動ギア36の回転により、後輪10が回転する。後輪10の回転により、自転車2は走行させられる。
【0041】
この自転車2は、運転者が補助レバー50を握った状態で走行することができる。この自転車2は、補助車輪16の上下方向の回動を固定した状態で走行することができる。これにより、後部シート22に同乗者を乗せた低速走行中でも、この自転車2が左右に傾くことが抑制される。この補助レバー50が放されると、補助車輪16の上下方向の回動の固定が解除される。
【0042】
図4は、図1の自転車2の使用状態が示された部分側面図である。図4は、この自転車2を後方から見た図である。図4は、平面での接地状態が示されている。この自転車2では、コイルばね49の付勢力により、補助車輪16が路面に接地している。コイルばね49のばね定数は小さいので、路面の凹凸に対応してアーム46が上下方向に回動し易い。これにより、自転車2が左右に揺すられることが抑制されている。左右に傾斜した斜面では、この自転車2は車体を傾けずに左右の補助車輪16を接地させて走行することができる。この自転車2は、凹凸の大きい路面及び左右に傾斜した路面の走行時の安定性に優れている。
【0043】
運転者により、図1のハンドル24が回動させられる。ハンドル24の回動により、操舵軸26が回転する。この操舵軸26の回転により、前輪8の進行方向が変えられる。これにより、自転車2は走行向きが変えられる。
【0044】
図5は、図1の自転車2の他の使用状態が示された部分側面図である。図5は、コーナーリング走行状態の自転車2を後方から見た図である。図5では、自転車2は右側に傾けられている。左の補助車輪16は、図4の状態から下方に回動して接地させられている。右の補助車輪16は、図4の状態から上方に回動して接地させられている。自転車2を傾けた状態で、左右の補助車輪16はコイルばね49により下方に付勢され接地させられている。この自転車2は、コーナリング走行の安定性に優れている。
【0045】
図6は、図1の自転車2の使用状態における後輪10、補助車輪16及び支持装置18が示された部分正面図である。図6(a)は、補助車輪16が後輪10と同一の平面上で接地している状態が示されている。図6(b)は、補助車輪16が後輪10より上方で接地している状態が示されている。図6(c)は、補助車輪16が後輪10より下方で接地している状態が示されている。
【0046】
図6(b)に示されるように、補助車輪16が上方に回動されると、アーム46が回動させられる。伸縮器48は、アーム46の回動により押し縮められる。補助車輪16は、コイルばね49により補助車輪16が下方に付勢される。図6(c)に示されるように、補助車輪16が下方に回動されと、コイルばね49の付勢力により伸縮器48が伸ばされる。
【0047】
この自転車2では、コイルばね49が、補助車輪16を下方に付勢している。この伸縮器48は、コイルばね49の内側に伸縮及び伸縮のロックの機構を備えている。この自転車2は、アーム46の回動をロックするためのキャリパー及びディスクロータは不要である。この自転車2の支持装置18は小型化されている。
【0048】
この自転車2の補助車輪16の支持装置18は、補助車輪16を下方に付勢する機構と、補助車輪16を回動する機構と、この回動をロックする機構とを一体として備えている。この自転車2は、これらの機能が一体のユニットとして形成されている。この支持装置18の自転車への取り付けでは、支持装置18の一端が主フレーム4に取り付けられ、他端がアーム46に取り付けられる。この自転車2は、組立工数が低減されている。
【0049】
この伸縮器48のプッシュロッド66は、レバー76と係合されても良い。プッシュロッド66は、レバー76の回動に合わせて摺動するようになる。これにより、機械的に弁64がオリフィス106を開閉することができる。
【0050】
この伸縮器48では、流体として窒素ガス及び油を用いたが、他の気体及び液体が用いられても良い。油のような液体は、低圧縮性である。このため、伸縮器48がロック状態で、シリンダー内部で大きく圧縮されることが抑制される。補助車輪16の上下動が小さく抑えられる。
【0051】
伸縮器48は、メカニカルのロック機構を備えてもよい。例えば、プッシュロッドにテーパ面が設けられる。このプッシュロッドが第二ピストンの貫通孔を摺動させられる。このテーパ面によりピストンの外径が拡張される。ピストンとシリンダーとの間に、摩擦力が発生する。これにより、摺動がロックされても良い。また、ピストンに係合爪が形成される。この係合爪がシリンダーと係合する。これにより、摺動がロックされても良い。
【0052】
本発明に係る自転車2は、補助車輪16の支持装置18の小型である。この自転車2は、この支持装置18を小型化されている。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る自転車2は、補助車輪を備えた自転車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る自転車が示された正面図である。
【図2】図2は、図1の自転車の伸縮器が示された拡大断面図である。
【図3】図3は、図2の伸縮器の使用状態が示された部分拡大図である。
【図4】図4は、図1の自転車の使用状態が示された部分側面図である。
【図5】図5は、図1の自転車の他の使用状態が示された部分側面図である。
【図6】図6は、図1の自転車の使用状態における後輪、補助車輪及び支持装置が示された部分正面図である。
【符号の説明】
【0055】
2・・・自転車
4・・・主フレーム
6・・・操舵装置
8・・・前輪
10・・・後輪
12・・・駆動装置
14・・・制動装置
16・・・補助車輪
18・・・支持装置
20・・・サドル
22・・・後部シート
24・・・ハンドル
26・・・操舵軸
28・・・ホーク
30・・・クランク
32・・・駆動ギア
34・・・チェーン
36・・・従動ギア
38・・・第一ワイヤー
40・・・前ブレーキレバー
46・・・アーム
48・・・伸縮器
49・・・コイルばね
50・・・補助レバー
52・・・第三ワイヤー
54・・・ステー
56・・・シリンダー
58・・・第一ピストン
60・・・第二ピストン
62・・・ピストンロッド
64・・・弁
66・・・プッシュロッド
68・・・ロッド端
70・・・調整ナット
74・・・ステー
76・・・レバー
78・・・軸
80・・・コイルばね
82・・・開口
84・・・雄ねじ
86・・・軸孔
88・・・第一流体室
90・・・第二流体室
92・・・第一室
94・・・第二室
96・・・一端
98・・・他端
100・・・ガイド
102・・・シール
104・・・貫通孔
105・・・流路
106・・・オリフィス
107・・・ワッシャ
108・・・軸孔
110・・・軸
112・・・ステー
114・・・ロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主フレームと、前輪と、後輪と、主フレームの左右に位置する一対の補助車輪と、補助車輪を支持する一対の支持装置とを備えており、
それぞれの支持装置がアーム及び伸縮器を備えており、
このアームの一端に補助車輪が軸着されており、
このアームの他端が主フレームに回動可能に軸着されており、
この伸縮器の一端が主フレームに軸着され、他端がアームに軸着されており、
この伸縮器がアームの回動により伸縮するように構成されており、
この伸縮器が伸縮を阻止するロック機構を備えている自転車。
【請求項2】
上記支持装置がコイルばねを備えており、
このコイルばねに伸縮器が通されており、
このコイルばねが伸縮器の一端と他端との間に位置しており、
このコイルばねが伸縮器の一端と他端とを遠ざける向きに付勢している請求項1に記載の自転車。
【請求項3】
上記伸縮器がシリンダー及びピストンを備えており、
このピストンがシリンダーに摺動可能にされており、
この伸縮器がピストンの摺動により伸縮されるように構成されており、
上記ロック機構がピストンとシリンダーとの摺動を阻止する請求項1又は2に記載の自転車。
【請求項4】
上記伸縮器が弁を備えており、
上記シリンダーがピストンにより第一室と第二室に仕切られており、
上記シリンダーに流体が封入されており、
このピストンに第一室と第二室とを連通させる流路が形成されており、
この流体がピストンの摺動により第一室と第二室との間を流動するようにされており、
この弁が流路を開閉可能にされている請求項3に記載の自転車。
【請求項5】
上記流体が液体である請求項4に記載の自転車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−89708(P2010−89708A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263525(P2008−263525)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(598026851)株式会社カワムラサイクル (42)
【Fターム(参考)】