説明

苗移植機

【課題】 本発明の課題は、苗植付装置の脈動を防止でき、苗植付装置の円滑な作動を促し、植付精度の向上を図ることができる苗移植機を具現することにある。
【解決手段】 本発明は、原動機からの動力を株間変速装置(K)の不等速伝動機構(90)を介して苗植付装置に伝達する手段と、不等速伝動機構(90)を介さずに等速で走行装置へ伝達する手段を設け、不等速伝動機構(90)により不等速回転する伝動軸(101)で発電機(102)を駆動する構成とし、前記発電機の発電量に急激な変動があるとき、苗植付装置への伝動に脈動が発生していると判断する制御手段を設けてあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、苗の植付間隔を変更可能な苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、切替機構により苗植付装置を異なる不等速伝動比で作動させることができるようにし、比較的広い株間に設定されているときは、大きい不等速伝動比で苗植付装置へ伝動し、比較的狭い株間に設定されているときには、小さい不等速伝動比で苗植付装置へ伝動するようにし、設定株間に拘らず、適正な不等速伝動比で苗植付装置を不等速作動させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−312339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来技術によると、比較的広い株間で苗を植え付ける場合、大きい不等速伝動比で苗植付装置を駆動するものであるため、変速レバーの操作等により車速を高速側に変速すると苗植付装置の作動速度が高速になって苗植付具が脈動して植付姿勢に乱れが生じる問題があった。
【0004】
本発明の課題は、苗植付装置の脈動を防止でき、苗植付装置の円滑な作動を促し、植付精度の向上を図ることができる苗移植機を具現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、原動機(20)からの動力を不等速伝動機構(90)を介して苗植付装置(52)に伝達する手段と、不等速伝動機構(90)を介さずに等速で走行装置(10,11)へ伝達する手段を設け、不等速伝動機構(90)により不等速回転する伝動軸(101)で発電機(102)を駆動する構成とし、前記発電機の発電量に急激な変動があるとき、苗植付装置(52)への伝動に脈動が発生していると判断する制御手段(113)を設けてあることを特徴とする。
【0006】
苗植付装置(52)へは、原動機(20)からの動力を不等速伝動機構(90)を介して伝動し、走行装置へは、原動機からの動力を不等速伝動機構を介さずに等速で伝動する。
【0007】
発電機(102)は、不等速伝動機構(90)により不等速回転する伝動軸(101)によって駆動する。発電機の発電量に急激な変動があると、苗植付装置への伝動に脈動が発生していると判断し、制御手段によって警告を発し、走行速を適宜減速することにより苗植付装置の脈動を防止する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の本発明によれば、発電機の発電量に急激な変動があるとき、苗植付装置への伝動に脈動が発生していると判断することができるので、この判断可能な制御手段によって警告を発し、車速を減速するなどによって苗植付装置の脈動を防止でき、苗植付装置の円滑な作動を促し、植付精度の向上を図ることができる。また、発電機を脈動検出用に兼用でき、コストダウンが図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、苗移植機の一例として8条植えの苗植付部を装備した乗用型田植機1を示すものであり、この走行車体2の略中央に駆動源であるエンジン20を搭載し、このエンジン20の回転動力をミッションケ−ス12内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪10及び後輪11とに伝えるようにしている。
【0010】
エンジン20は、メインフレーム15上に搭載されており、該エンジンの回転動力がベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。そして、走行動力は一部が前輪ファイナルケース13に伝達されて前輪10を駆動し、残りが後輪ギヤケース18に伝達されて後輪11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され,これより植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動される。
【0011】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上方に運転席31が設置され、運転席31の前方には、フロントカバー32や操作ボックス33、前輪4,4を操舵するステアリングハンドル34が装備されている。HST23の駆動によって前後進速度を変速制御する変速レバー16や畦クラッチレバー19が運転席31の右側に配置されている。
【0012】
操作ボックス33の頂部には作業モニタ装置37が設けられ、エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側はフロアステップ35になっている。フロアステップ35上の後部は後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36になっている。なお、図中、38は予備苗載台である。
【0013】
更に、走行車体2の後部には苗植付部4が昇降リンク機構3を介して装着され、この苗植付部4と車体2との間には苗植付部4を上下に昇降する油圧昇降シリンダ46が装備されている。前記昇降リンク機構3は、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備え、これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設したリンクベースフレーム42に回動自在に連結され、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。
【0014】
苗植付部4は、本例では8条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、植付条数分に仕切られた苗載せ面に土付きのマット状苗が載置される苗載タンク51、苗載タンク上の苗を一株分づつ各条の苗取出口51a,…に供給する苗送りベルト51b、苗取出口に供給された苗を圃場に植え付ける植付条数分の植付装置52、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ、圃場面上を滑走して整地するセンタフロート55、中間フロート57、サイドフロート56等からなり、前記油圧昇降シリンダ46の伸縮によって昇降させ、非作業位置に上昇したり、対地作業位置(対地植付位置)下降したりすることができる。
【0015】
図6に示すように、センタフロート55には、植付深さ調節レバー63の回動操作に連動して回動する平行リンク64a,64bが設けられ、縦リンク64cの上端部にはフロート向い角センサ66が取り付けられ、その検出アーム66aが連結ロッド66bを介して天秤アーム64dの前部に連結されている。これにより、センタフロート55の向い角がフロート向い角センサ66によって検出される。前記天秤アーム64dの前端部には、フロートを圃場の表面に接地させた状態においてセンタフロート55の前部を下向きに付勢する感知スプリング67が設けられている。この感知スプリング67の張力は、接地圧調節ワイヤ68によって調節するが、このワイヤ68と前記植付深さ調節レバー63を連動させ、植付深さ調節レバーを深植え方向に操作すると、感知スプリング67の感知荷重がダウンし、浅植え方向に操作すると感知荷重がアップ(鈍感)するように構成している。これによると、特に、植付深さ調節レバー63の浅植え方向への操作では、感知スプリングの感知荷重がアップするので、苗植付部がバウンドした際の浮き苗を防止することができる。
【0016】
施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62を介して施肥ガイド47まで導き、先端の作溝体48によって苗植付条近傍に形成される施肥溝内に落し込むようになっている。電動モータ(図示せず)で駆動するブロア58で発生させたエアがエアチャンバー59を経由して施肥ホース62に吹き込まれ、ホース内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
【0017】
苗植付部4には整地装置の一例である整地ロータ27が設けられている。また、苗載タンク51は苗植付部4の全体を支持する左右方向と上下方向に幅一杯の矩形の支持枠体65の支持ローラ65aをレールとして左右方向にスライドする構成である。
【0018】
前記整地ロータ27は、図7に示すように、リンク部材76,77によりスプリング78を介して吊り下げられている。また、ロータ27はロータ支持フレーム69、ロータ支持アーム70等を介して昇降モータ81で上下位置が調節できるように昇降駆動可能に構成している。更に、支持アーム70の矢印T方向への回動でロータ支持フレーム69が上方に移動し、ロータ27を収納位置、即ち苗載タンク51の裏面側に収納状態となるよう上昇移動させることができる。
【0019】
図8に示す実施例では、制御部113には、この入力側に設けられた植付操作ボタン82をオン操作し、植付クラッチモータ93により植付クラッチ91を入りにして植付作業を開始したときに、整地ロータ27が収納状態のままであると、ロータ高さセンサ83がロータ収納状態であることを検出し、出力側に設けられたブザー84にて警告を発するように制御可能に構成している。これによると、ロータで整地したいとき、これを収納したままで植付を開始することを防止することができる。なお、ブザー音はブザー切ボタン85で停止することもできる。
【0020】
サイドフロート56の外側方には、防波板71を設けている。この防波板71は、フロート56の直前位置に配置した整地ロータ27および後輪11による泥流波の拡散方向を勘案した一定の位置関係に定める。その詳細な構成は、図5に示すように、防波板71は、幅広の橇形状に構成したサイドフロート56の前端位置を越えて前後に長く延びる板材によって構成し、苗植付部4の支持枠体65に設けた支持軸72回りに回動可能に軸支している。その支持位置は防波板71の重心点位置より後方に設けた連結アーム73を介して支持軸72回りに回動可能に連結する。
【0021】
また、防波板71は、図5に示すように、ボルト等の調節具74を介して仮想線71aで示す前下がり状態に角度変更調節することができる。このような前下がり状態にしておくと、水、泥の抵抗で前が持ち上がり水平となるので,防波効果をより高めることができる。更に、防波板を上方に持ち上げ反転させて収納状態(仮想線71b参照)におくこともできる。
【0022】
図3に示すように、植付クラッチケース25内には不等速伝動機構90を備えた株間変速装置Kが設けられている。
すなわち、植付クラッチ91には、ミッションケース12から伝動軸を介して入力軸92に動力が伝達される。植付クラッチケース25に両端が回動自在に支持される入力軸92に設けられ並列位置に一体的に配置される大径の第1ギヤ95と中間径の第2ギヤ96が摺動自在に入力軸92にスプライン係合しており、また、入力軸92には小径の第3ギヤ97が遊嵌されている。前記第2ギヤ96と第3ギヤ97との相対向する側面には互いに係合するクラッチ爪96a,97aがそれぞれ設けられている。また、入力軸92の入力部側には第4ギヤ99と偏心ギヤ100が固着されている。
【0023】
また、入力軸92に平行する位置に出力伝動軸101が配置されてあり、その一端が後述する植付クラッチ支持軸91aに係止可能に連結し、該クラッチ支持軸91aがクラッチケース25を貫通して外部に設けられた自在継手103を介して苗植付部4に接続している。
【0024】
出力伝動軸101には前記入力軸92の第4ギヤ99に常時噛合している第1ギヤ104と小径の第2ギヤ105と一体的な中間径の第3ギヤ108と大径の第4ギヤ109が設けられ、これらのギヤ105〜109は出力伝動軸101に遊嵌している。
また、出力伝動軸101の入力端側には不等速切替クラッチ110がスプライン係合されてあり、更にクラッチケース25側には入力軸92の偏心ギヤ100と常時噛合している偏心ギヤ112が遊嵌されている。
【0025】
また、不等速切替クラッチ110の両側面にはクラッチ爪110a,110bが設けられており、一方のクラッチ爪110aが出力伝動軸101上にある第1ギヤ104のクラッチ爪104aと係止すると、出力伝動軸101の第1ギヤ104と一体のギヤ105,108,109のいづれかを介して入力軸92から入力された駆動力が不等速切替クラッチ110を経由して苗植付部へ出力される。また不等速切替クラッチ110の他方のクラッチ爪110bが出力伝動軸101にスプライン係合している偏心ギヤ112のクラッチ爪(図示せず)と係止可能に設けられている。不等速切替クラッチ110のクラッチ爪110bと偏心ギヤ112のクラッチ爪が係止すると、入力軸92から不等速で出力伝動軸101と植付クラッチ支持軸91aを介して植付部4の苗植付具52aに動力伝達が行われる。
【0026】
また、株間変速シフタ115が入力軸92と平行位置に設けられ、該入力軸92と平行する方向に移動できる円筒状の空隙25aがケース25内に設けられている。そして、該シフタ115にはシフタ操作端部側から順に低速側から高速側に対応した4つの凹溝115a〜115dが隣接配置されており、シフタ115の凹溝115aに球116が半分嵌まり込むとシフタ115は移動できなくなり、またこの球116とスプリング117の付勢力に打ち勝つ力でシフタ115を押し引きすると、シフタ115の別の凹溝115b〜115dのいづれかに球116が半分嵌まり込み、その位置にシフタ115が保持される構成になっている。
【0027】
また、入力軸92の第1ギヤ95と中間径第2ギヤ96の間にシフタ115に固着した板115eが係止しているので、株間変速シフタ115を機体進行方向を基準にして前後に動かすことで、板115bにより入力軸92の第1ギヤ95と第2ギヤ96が一体で左右方向に移動可能になっている。
【0028】
不等速切替クラッチ110はクラッチケース25の外側に設けられる不等速切替操作具119で矢印(イ)又は矢印(ロ)方向に摺動自在である。
上記構成からなる株間変速装置Kの伝動構成により次のような株間変速が可能となる。まず、植付クラッチピン91dによる植付クラッチ91の押圧を解除してスプリング91bの付勢力で植付クラッチ91を出力伝動軸101に係止させておく。
【0029】
次に、不等速切替クラッチ110のクラッチ爪110aと出力伝動軸101上の第1ギヤ104のクラッチ爪104aを係止させておき、株間変速シフタ115を図示の最高速側の凹溝115aに球116が入り込んだ状態にしたときに不等速切替操作具119がシフタ118を矢印(ロ)側に移動させていると、入力軸92上の第1ギヤ95と出力伝動軸101上の第2ギヤ105を噛合させると、第2ギヤ105と不等速切替クラッチ110を介して出力伝動軸101を経由して植付クラッチ91に最高速の動力伝達が行われる。
【0030】
また、不等速切替操作具119によりシフタ118を矢印(ロ)側に寄せているときに、株間変速シフタ115が図示の最高速凹溝115aの隣の凹溝115bに球116が入り込んだ状態にあると、板115eの右方向へのスライドで入力軸92上の第2ギヤ96と出力軸101の第3ギヤ108が噛合し、不等速切替クラッチ110から出力軸101を経由して植付クラッチ91に2番目に高い速度で動力伝達が行われる。
【0031】
また、不等速切替操作具119がシフタ118を矢印(イ)側に移動させ、株間変速シフタ115が図示の最低速凹溝115dに球116が入り込んだ状態に移動させると、入力軸92上の第3ギヤ97と出力軸101上の第4ギヤ99が噛合して、常時噛合している入力軸92上の偏心ギヤ100と出力軸101上の偏心ギヤ112と該ギヤ112と不等速切替クラッチ110から、該不等速クラッチ110と一体回転する出力伝動軸101を経由して植付クラッチ91の最低速の動力伝達が行われる。
【0032】
また、前記不等速伝動機構90の不等速回転可能な出力伝動軸101には、この出力伝動軸によって回転駆動される発電機102が設けられている。この発電機102は、マイクロコンピュータを備えた制御装置113に入力させて、警報装置114を出力させる構成としている。警報装置114としては、モニタ表示、ブザー、音声又はランプ等によって警報信号を発する構成とする。要するに、作業中、発電機102の発電量に急激な変動が発生すると、制御装置113の脈動判定手段(A)によって苗植付装置への伝動に脈動が発生していると判定し、警報装置114の作動によりオペレータに告知する構成としている。
【0033】
なお、発電機102は、この電力を施肥ブロア、ロータ昇降モータ等の各種モータやモニタ表示等に使用しており、また、上記のように脈動検出用としても利用することができる。
【0034】
一般に、例えば、比較的広目に株間を設定すると、不等速状態で苗を植え付けることになるため、植付クラッチ91が脈動し、特に高速で前進するほど脈動が増加し易くなる。
そこで、本例では、発電機が急激な発電量の変化を検出し、この検出信号を制御装置に入力することによって苗植付装置への伝動に脈動が発生していると判断し、警報装置114が作動してオペレータに告知するので、オペレータは、例えば、車速減速手段(変速レバー16を減速側に操作)115を作動させることによって速やかに対処することができる。
【0035】
次に田植機の直進制御装置について説明する。操作ボックス上の操作パネル120に直進性モニタ121aを設ける(図9参照)。機体の左前方に画像カメラ121bと赤外線レーザ121cを設ける(図10参照)。直進性モニタ121aには、画像(苗植付列)+レーザ軌跡121dを表示し、直進性判定ランプ(青ランプ及び赤ランプ)121eを設ける(図11参照)。植付作業時に圃場の状況によりセンターポールでの直進性維持が難しい場合、後方を目視しながら不安定な操作になる場合に本装置を用いることで、どのような圃場状態でも機体の直進性を保持することができる。例えば、図12の例1に示すように、画像とレーザ軌跡が整列状態では、青ランプが点灯し直進性が良いことを示す。また、図13の例2に示すように、画像とレーザ軌跡が不整列状態では赤ランプが点灯し、直進性が失われることからハンドル操作の補正を行い整列状態(青ランプ点灯状態)にする。
【0036】
図14に示す実施例は、苗取り板の改良案を示し、特開平6―217617号公報に示された苗取り板は,平坦な板体によって構成されているが、本例では、苗取り板123の左右両端側における側縁部を折り返して起立片123a,123bを設け、先端はカットして平坦面とすることで、苗を掬い取り易くすると共に、掬い取り後は左右の起立片によって形状の安定していないマット苗の寸法修正が行えるように構成している。
【0037】
無人走行田植機で圃場に田植えをする場合(図15参照)について説明すると、複数台(No.1〜No.4)の無人田植機で複数の圃場(R1,R2,R3,R4)で同時に田植えする方式において、予備苗を消費した苗補給時期に達すると苗運搬車にいるオペレータのモニタに通信し、又その無人田植機の現在位置を表示するようにする。更に、無人田植機は畦畔位置で畦畔側に後ろ向きで停止するように構成する。要するに、図16のフローチャートで示すような行程でもって作業を行う。
【0038】
大規模農家や請負業では多くの圃場を短時間で田植えしなければならない。無人田植機を複数台使い同時に田植えすれば少人数で短時間に多くの圃場を田植えすることができる。
【0039】
田植えは無人田植機で行い、苗運搬や苗補給はオペレータが行うので複数台同時に田植えすることができる。
いづれの無人田植機も苗補給時期(予備苗を使ってしまった時期からは自動補給)に達したらオペレータ(苗運搬車にいる)のモニタに通信し、又無人田植機の現在位置を表示するので分かり易く、オペレータは通信のあった無人田植機のいる圃場に作業状態を監視していなくても直ぐその場に直行することができる。
【0040】
無人田植機は畦畔側で後ろをオペレータに向けた状態で停止するので苗の状態が見易い。又特にロングマット苗の場合はロングマット支持具と交換するので交換し易い。
また、複数の無人田植機で別々の圃場を同時に田植えし予備苗も消費し苗補給時期に停止する際には、無人田植機が回行経路(回行地点)で無く畦畔に向かって進んだ状態で前向きに停止するように構成する。つまり、図17のフローチャートで示すような行程でもって作業を行うように構成することもできる。なお、苗補給後は通常の回行経路を走行する。
【0041】
無人走行田植機の走行経路途中で単に停止したのでは苗補給の際にとどかなく、人が圃場の中に入ったり歩かなければならず、苗補給がしにくい。
予備苗も無くなった苗補給時期に無人田植機は停止するが、畦畔に向かった状態で停止するので、マット苗(ロングマットでない通常の苗)を苗載タンクや予備苗載台に補給し易い。
【0042】
更に、複数の無人田植機で別々の圃場を同時に田植えする方式において、予備苗がなくなった苗補給時期に達したらその場で計算したデータや自己位置データを一旦保存してからエンジンを停止するようにする(図18のフローチャート参照)。苗運搬人が来るまでの間、エンジンを停止させれば、燃料の無駄使いはなくなるが、無人田植機の計算した重要データが消える恐れがある。
【0043】
予備苗もなくなった苗補給時期に無人田植機は停止するが、その際にエンジンを停止させるので、苗運搬人が来るまでの燃料の無駄な消費がなくなる。また苗補給時期に達し、エンジン停止する前に圃場地図データ、走行経路データ、自己位置データ、苗消費率データなど田植機がその場で計算したデータなどを一旦保存するので、再開後はそのデータを使用しスムースに再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】田植機の側面図
【図2】同上平面図
【図3】植付クラッチケースの展開断面図
【図4】制御ブロック回路図
【図5】防波板の拡大側面図
【図6】苗植付部の要部の側面図
【図7】苗植付部の要部側面図
【図8】制御ブロック回路図
【図9】表示パネルの平面図
【図10】操作ボックスの要部平面図
【図11】画像とレーザ軌跡の関係説明図
【図12】画像とレーザの整列状態を示す関係説明図
【図13】画像とレーザの不整列状態を示す関係説明図
【図14】苗取り板の斜視図
【図15】田植え圃場での作業状態を示す図
【図16】フローチャート
【図17】フローチャート
【図18】フローチャート
【符号の説明】
【0045】
4 苗植付部
20 原動機(エンジン)
52 苗植付装置
90 不等速伝動機構
101 伝動軸
102 発電機
113 制御装置
(A) 脈動判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機(20)からの動力を不等速伝動機構(90)を介して苗植付装置(52)に伝達する手段と、不等速伝動機構(90)を介さずに等速で走行装置(10,11)へ伝達する手段を設け、不等速伝動機構(90)により不等速回転する伝動軸(101)で発電機(102)を駆動する構成とし、前記発電機の発電量に急激な変動があるとき、苗植付装置(52)への伝動に脈動が発生していると判断する制御手段(113)を設けてあることを特徴とする苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−153404(P2009−153404A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332438(P2007−332438)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】