茎葉収穫機
【課題】
圃場に植生する茎葉を寄せて刈り取り、茎葉を傷つけることなく選別搬送して収穫できる茎葉収穫機を提供することを課題とする。
【解決手段】
搬送装置Ｆ前部の左右外側に、該搬送装置Ｆの左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置３３を設け、該左右リンク装置３３の前部左右内側には搬送装置Ｆの左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置４２を設け、該左右引起し装置４２の下部に左右掻き上げ装置４９を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置Ｆの搬送始端部上方且つ左右引起し装置４２の間に、掻き込み装置７４を設け構成する。
圃場に植生する茎葉を寄せて刈り取り、茎葉を傷つけることなく選別搬送して収穫できる茎葉収穫機を提供することを課題とする。
【解決手段】
搬送装置Ｆ前部の左右外側に、該搬送装置Ｆの左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置３３を設け、該左右リンク装置３３の前部左右内側には搬送装置Ｆの左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置４２を設け、該左右引起し装置４２の下部に左右掻き上げ装置４９を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置Ｆの搬送始端部上方且つ左右引起し装置４２の間に、掻き込み装置７４を設け構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地表に露出している甘藷や馬鈴薯等の作物の蔓や茎や葉（以下、茎葉という）を切断して収穫する茎葉収穫機に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来茎葉処理機として、特許文献１に示されるように、甘藷や馬鈴薯を収穫する前工程として、圃場に植生する茎葉を挟持して引きちぎりながら機体後部へ搬送して排出し、甘藷や馬鈴薯を収穫しやすくするものがある。
【０００３】
また、特許文献２に示されるように、切断刃で引きちぎれにくい茎葉を切断して機体後部へ搬送して排出するものがある。
【特許文献１】特開２００２−２５３０１９号公報
【特許文献２】特開平１１−２６６６４０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に記載される茎葉処理機は、甘藷や馬鈴薯を収穫する前工程として茎葉を引き抜き処理することが目的であるため、挟持して引きちぎられた茎葉は損傷が激しく、商品として扱うことができないというものであった。
【０００５】
また、特許文献２に記載される茎葉処理機は、引きちぎりにくい茎葉を機体前部の切断刃で切断して後方に搬送するように構成されているが、この切断刃が茎葉を挟持する前に切断してしまうことがあり、切断された茎葉は圃場に残されてしまうので、収穫作業後に残された茎葉の回収作業を行う必要があり、作業者の負担を増大させてしまうという欠点がある。
【０００６】
さらに、茎葉を挟持した後であっても、切断されるのが遅いと地中に埋まっている甘藷や馬鈴薯等を引き抜いてしまうことがあり、茎葉の商品価値だけでなく甘藷や馬鈴薯等の商品価値までも低下させてしまうという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記の課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
請求項１記載の発明は、搬送装置（Ｆ）前部の左右外側に、該搬送装置（Ｆ）の左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置（３３）を設け、該左右リンク装置（３３）の前部左右内側には搬送装置（Ｆ）の左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置（４２）を設け、該左右引起し装置（４２）の下部に左右掻き上げ装置（４９）を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置（Ｆ）の搬送始端部上方且つ左右引起し装置（４２）の間に、掻き込み装置（７４）を設けることを特徴とする茎葉収穫機とした。
【０００８】
従って、搬送装置（Ｆ）の左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置（３３）を設けると共に、該左右リンク装置（３３）の前部左右内側には搬送装置（Ｆ）の左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置（４２）を設けることによって、左右リンク装置（３３）が左右引起し装置（４２）よりも機体外側に位置するので、左右引起し装置（４２）に引き起こされた茎葉が左右リンク装置（３３）に絡みつくのを防止することができる。
【０００９】
また、左右引起し装置（４２）の下部に左右掻き上げ装置（４９）を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置（Ｆ）の搬送始端部上方且つ左右引起し装置（４２）の間に掻き込み装置（７４）を設けることによって、左右引起し装置（４２）に引き起こされた茎葉を後上り傾斜姿勢に設けられた左右掻き上げ装置（４９）が搬送装置（Ｆ）に向かって掻き上げると共に、掻き上げられた茎葉を掻き込み装置（７４）が搬送装置（Ｆ）上へと掻き込むため、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載りやすくなるので、圃場に落ちる茎葉を減らすことができる。
【００１０】
請求項２記載の発明は、左右引起し装置（４２）の左右間隔を変更自在に設けることを特徴とする請求項１記載の茎葉収穫機とした。
従って、請求項１の作用に加え、左右引起し装置（４２）の左右間隔が変更自在であるので、茎葉が植生する畝の幅が畝ごとに異なる場合でも、左右引起し装置（４２）の間隔を適正に調節して作業位置を決めることができる。
【００１１】
請求項３記載の発明は、左右リンク装置（３３）を支持する左右機枠（２５）と、該リンク装置（３３）との間に左右リンク装置（３３）を作動させる左右アクチュエータ（２９）を設け、該左右アクチュエータ（２９）と左右下部リンク部材（２７）との間に左右遊動リンク（２８）を上下動自在に設けることを特徴とする請求項１又は２記載の茎葉収穫機とした。
【００１２】
従って、左右機枠（２５）と左右リンク装置（３３）との間に左右アクチュエータ（２９）を設けると共に、該左右アクチュエータ（２９）と左右下部リンク部材（３２）との間に左右遊動リンク（２８）を上下動自在に取り付けたことによって、左右リンク装置（３３）は該左右遊動リンク（２８）により自由に上下動できるので、左右リンク装置（３３）に取り付けられた左右引起し装置（４２）は圃場の起伏に沿って上下動するようになり、適正な作業姿勢で引起し作業を行うことができる。
【００１３】
請求項４記載の発明は、左右引起し装置（４２）の下部に、機体外側方向に延出させた左右橇体（３６）を設けることを特徴とする請求項１乃至３記載の茎葉収穫機とした。
従って、請求項１乃至３の作用に加え、左右引起し装置（４２）の下部に、機体外側方向に延出させた左右橇体（３６）を設けることによって、左右引起し装置（４２）の接地面積が大きくなり、圃場の起伏等に適正に対応することができるようになると共に、左右橇体（３６）を機体外側方向にのみ延出させていることにより、畝に敷設したマルチを左右橇体（３６）で破るのを防止できる。
【００１４】
請求項５記載の発明は、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を、前部下端の左右間隔と略同一または前部下端の左右間隔よりも広く構成したことを特徴とする請求項１乃至４記載の茎葉収穫機とした。
【００１５】
従って、請求項１乃至４の作用に加え、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を前部下端の左右間隔と同程度に、あるいは前部下端の左右間隔よりも広くすることによって、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端に茎葉が詰まるのを防止することができる。
【００１６】
請求項６記載の発明は、後端部が機体外側方向に向けて開放された左右案内部材（３２）を、左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けることを特徴とする請求項１乃至５記載の茎葉収穫機とした。
【００１７】
従って、請求項１乃至５の作用に加え、左右案内部材（３２）を左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けることによって、該左右掻き上げ装置（４９）によって掻き上げられた茎葉は、左右案内部材（３２）に載せられて掻き込み装置（７４）へと送られるので、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載るように誘導できる。
【００１８】
また、後端部が機体外側方向に向けて開放されているので、茎葉が左右案内部材（３２）の終端部に詰まることを防止できる。
【発明の効果】
【００１９】
請求項１記載の発明によれば、左右リンク装置（３３）に左右引起し装置（４２）を取り付けたことによって、左右引起し装置（４２）に引き起こされた茎葉が左右リンク装置（３３）に絡みつくのを防止できるので、絡みついた茎葉に左右リンク装置（３３）の上下動が妨げられにくくなり作業能率が向上すると共に、絡みついた茎葉を除去する作業が省略されるため、メンテナンス性が向上する。
【００２０】
また、左右掻き上げ装置（４９）が搬送装置（Ｆ）に向かって茎葉を掻き上げると共に、掻き上げられた茎葉を掻き込み装置（７４）が搬送装置（Ｆ）上に掻き込むため、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載りやすくなり、圃場に落ちる茎葉を減らすことができるので、圃場に落ちた茎葉を回収する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【００２１】
請求項２記載の発明によれば、請求項１記載の発明の効果に加えて、茎葉が植生する畝の幅が畝ごとに異なる場合でも、左右引起し装置（４２）の間隔を適正に調節することによって、茎葉を適正に引き上げることができるので作業能率が向上する。
【００２２】
請求項３記載の発明によれば、請求項１及び２記載の発明の効果に加えて、左右引起し装置（４２）を圃場の起伏等に合わせて上下動するように構成したことによって、左右引起し装置（４２）は適正な作業姿勢で茎葉の引き起こし作業をすることができるので、茎葉が適正に引き起こされ、作業能率が向上する。
【００２３】
請求項４記載の発明によれば、請求項１乃至３記載の発明の効果に加えて、左右橇体（３６）を左右引起し装置（４２）の底部に設けることによって、該左右引起し装置（４２）の接地面積が大きくなり、圃場の起伏等に適正に対応できるようになるので、左右引起し装置（４２）の作業姿勢が適正に保たれ、茎葉が引き起こされやすくなり、作業能率が向上する。
【００２４】
また、前記左右橇体（３６）は機体外側方向にのみ延出されているので、左右引起し装置（４２）を畝に近付けても、左右橇体（３６）がマルチに接触してマルチを破るような事態を防止することができ、マルチを敷設し直す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、マルチの使用量を減らすことができるので経済的である。
【００２５】
請求項５記載の発明によれば、請求項１乃至４記載の発明の効果に加えて、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を、前部下端の左右間隔と略同一もしくは前部下端の左右間隔よりも広く構成したことによって、茎葉がまとまって該左右掻き上げ装置（４９）によって掻き上げられても、左右掻き上げ装置（４２）の後部上端に詰まりにくいため、作業能率が向上する。
【００２６】
請求項６記載の発明によれば、請求項１乃至５記載の発明の効果に加えて、左右案内部材（３２）が左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けられていることによって、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載るように誘導することができるので、圃場に落ちた茎葉を回収する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【００２７】
また、該左右案内部材料（３２）の後端部が機体外側方向に向けて開放されていることによって、左右案内部材（３２）の終端部に茎葉が詰まることが防止できるので、作業能率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２８】
本発明の実施の形態について、一実施例として甘藷の茎葉収穫機を説明する。
図１〜図４に示すように、甘藷の茎葉収穫機は、機体を走行させる走行装置Ａと、操縦者が機体を操作するために搭乗する操縦部Ｂと、茎葉を収容する収容体２３を載置する載置部Ｃと、茎葉を機体内側へ寄せる茎葉寄せ装置Ｄと、該茎葉寄せ装置Ｄで寄せられた茎葉を刈り取る刈取装置Ｅと、該刈取装置Ｅで刈り取られた茎葉を後方に搬送する搬送装置Ｆと、該搬送装置Ｆにて搬送されてきた茎葉を収容する収容袋２３を取り付ける収容部Ｇとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【００２９】
まず、走行装置Ａの構成について説明する。
機体前部側の左右転輪２，２と機体後部側の左右駆動スプロケット３，３と、該左右転輪２，２と左右駆動スプロケット３，３との間に取り付けた転輪４・・・の周りに左右ベルト５，５を巻き掛けて左右一対のクローラ１Ｌ，１Ｒを構成する。また、機体フレーム６の後部下部にギアボックス７を取り付け、該機体フレーム６の上面の左側部にエンジン９と油圧ポンプ１０を取り付ける。そして、該エンジン９の駆動軸１１ａと油圧ポンプ１０の駆動軸１１ｂの各々の左端部にプーリ１２ａ，１２ｂを取り付けると共に、該プーリ１２ａ，１２ｂ間にベルト１３を巻き掛ける。さらに、該エンジン９の駆動軸１１ａの右端部にプーリ１５ａ取り付け、該プーリ１５ａとギアボックス７の入力軸７ａに取り付けるプーリ１５ｂとの間にベルト１６を巻き掛ける。そして、前記ギアボックス７から左右方向にドライブシャフト８を延出させ、該ドライブシャフト８の両端にクローラ１Ｌ，１Ｒの駆動スプロケット３，３を軸着させて機体フレーム６の下部に一定の左右間隔を設けて取り付けた左右クローラ１Ｌ，１Ｒを駆動する構成としている。
【００３０】
次に、操縦部Ｂの構成について説明する。
前記機体フレーム６の上面の左側部に操縦台１７を取り付け、該操縦台１７には左右クローラ１Ｌ，１Ｒの回転方向や回転速度を調節して、機体の前後進や速度を切り換える左右走行操作レバー１８ａ，１８ｂと、後述する茎葉寄せ装置Ｄを昇降動作させる昇降レバー１９ａ，１９ｂと、搬送装置Ｆを昇降動作させる昇降レバー１９ｃを取り付ける。そして、該操縦台１７の後部に操縦者が搭乗する座席２０を取り付けている。
【００３１】
上記のように、機体の前後進や走行速度を切り換える左右走行操作レバー１８ａ，１８ｂや茎葉寄せ装置Ｄを昇降動作させる昇降レバー１９ａ，１９ｂや、搬送装置Ｆを昇降動作させる昇降レバー１９ｃが操縦台１７に設けられていることによって、操縦者は座席２０に着座したまま機体の操作を行うことができるため、操縦者の労力を軽減することができる。
【００３２】
次に、載置部Ｃの構成について説明する。
前記機体フレーム６の右側部に回動軸２１を取り付け、該回動軸２１に載置板２２を折りたたみ可能に取り付けている。
【００３３】
上記のように、載置板２２を折りたたみ可能に設けていることにより、刈り取られた茎葉を収容する収容袋２３が満杯になったとき、載置板２２を展開することによって満杯になった収容袋２３を機体フレーム６と載置板２２の上に載置することができ、収容袋２３を圃場に下ろす作業が省略されるため、作業能率を向上させることができると共に、圃場に下ろした収容袋２３を回収する作業が省略されるため、作業者の労力が軽減される。
【００３４】
次に、茎葉寄せ装置Ｄの構成について説明する。
後述する搬送装置Ｆの左右フレーム４１に左右ジョイントアーム２４を取り付け、該左右ジョイントアーム２４の機体外側端に左右フレーム２５を取り付ける。そして、該左右フレーム２５の上端部に左右上部リンクアーム２６を取り付けると共に、左右フレーム２５の下端部に左右下部リンクアーム２７を取り付ける。さらに、該左右フレーム２５と左右下部リンクアーム２７との間に左右シリンダ２９を取り付け、該左右シリンダ２９の機体外側上部に左右シリンダ２９を伸縮させる左右油圧モーター７５を各々取り付ける。また、該左右シリンダ２９と左右下部リンクアーム２７との間に左右遊動リンク２８を上下動自在に取り付ける。そして、左右上部リンクアーム２６の後端部と左右下部リンクアーム２７の前端部との間に左右スプリング３０を、左右下部リンクアーム２７を引っ張り上げるように取り付けて、左右リンク装置３３が構成される。
【００３５】
そして、左右方向に等間隔に複数の穴を開けた固定フレーム６５，６５，６５，６５の基部を、左右上部リンクアーム２６及び左右下部リンクアーム２７の前端部の回動軸に枢支して左右上部リンクアーム２６及び左右下部リンクアーム２７の機体内側に取り付ける。そして、該固定フレーム６５，６５，６５，６５と、固定フレーム６５，６５，６５，６５の穴と同一間隔に複数の穴を開けた調節フレーム６６，６６，６６，６６とを、ボルト９０とナット９１で各々固定する。また、前記調節フレーム６６，６６，６６，６６の前端部を左右カバーフレーム３４の機体内側に取り付け、該左右カバーフレーム３４の下部に左右分草体３５を取り付ける。さらに、該左右分草体３５の下部に、左右橇体３６を機体外側に延出させて取り付けると共に、左右分草体３５の機体外側に左右茎葉案内ガイド３７を後上り傾斜姿勢に取り付ける。
【００３６】
そして、前記左右カバーフレーム３４の内部上端に左右スプロケット３８ａを取り付け、左右カバーフレーム３４の内部下端に左右スプロケット３８ｂを取り付けると共に、該左右スプロケット３８ａと左右スプロケット３８ｂとの間に左右チェーン３９を巻き掛ける。そして、該左右チェーン３９に引起しラグ４０を取り付け、左右カバーフレーム３４，３４の機体内側上部に左右スプロケット３８ａを各々回転させる左右油圧モーター４１を取り付けて、左右引起し装置４２が構成される。
【００３７】
また、前記左右カバーフレーム３４の機体内側下部に左右フレーム４３を取り付けると共に、該左右フレーム４３に左右プレート４４を後上り傾斜姿勢に設ける。そして、該左右プレート４４の上端部の左右間隔を下端部の左右間隔と略同一または下端部の左右間隔よりも広くなるように取り付ける。また、前記左右プレート４４の前端部に左右従動プーリ４５を回動軸に軸着して取り付け、左右プレート４４の後端部に左右駆動プーリ４６を回動軸に軸着して取り付けると共に、該左右従動プーリ４５と左右駆動プーリ４６との間に左右ラグ付ベルト４７を取り付ける。さらに、左右プレート４４の下面から、後端部が機体外側方向に向けて開放された左右案内ガイド３２を、後述の搬送装置Ｆの上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けると共に、前記左右駆動プーリ４６の回動軸に、左右駆動プーリ４６を回転させる左右油圧モーター４８を各々取り付けることによって、左右掻き上げ装置４９が構成される。
【００３８】
さらに、掻き込みローラ５０にナイロンパイプ等の軟質材からなる掻き込み爪６７を取り付けると共に、該掻き込みローラ５０の中心部に回動軸６８を設ける。そして、前記搬送装置Ｆの左右フレーム４１に左右支柱６９を取り付け、該左右支柱６９の左右上端部間にフレーム７０を取り付けると共に、左右支柱６９の上端部に左右フレーム７１を取り付ける。また、該左右フレーム７１の前端部に左右ジョイントアーム７２を取り付け、該左右ジョイントアーム７２間に掻き込みローラ５０の回動軸６８を回動自在に取り付けると共に、該左右ジョイントアーム７２の左右一側に、掻き込みローラ５０を回転させる油圧モーター７３を取り付けて、掻き込み装置７４を構成する。
【００３９】
上記のように、左右引起し装置４２が左右リンク装置３３の左右上部リンクアーム２６と左右下部リンクアーム２７とに取り付けられていることによって、昇降レバー１９ａ，１９ｂを操作して左右油圧モーター７５を駆動し、左右シリンダ２９を伸縮させて左右リンク装置３３を上下動させることによって、左右引起し装置４２の高さを調節する。この時、左右引起し装置４２の作業姿勢は左右上部リンクアーム２６と左右下部リンクアーム２７によって保持されるので、茎葉の引き起こし性能が変化しにくく、作業能率が向上する。
【００４０】
また、左右リンク装置３３と左右引起し装置４２とを、固定フレーム６５，６５，６５，６５に開けられた穴に、調節フレーム６６，６６，６６，６６に開けられた穴を合わせ、ボルト９０とナット９１とで各々固定して連結する構成とすることによって、左右引起し装置４２の左右間隔を畝の幅等の作業条件に合わせて調節することができるので、作業能率が向上する。
【００４１】
そして、左右フレーム２５に基部が枢支された左右シリンダ２９と左右下部リンクアーム２７との間に左右遊動リンク２８を上下動自在に取り付けることによって、左右引起し装置４２が圃場の起伏等に合わせて自由に上下動するため、左右引起し装置４２は圃場の起伏等に適正に作業位置を対応させながら作業をすることができる。
【００４２】
さらに、左右引起し装置４２の底部に、機体外側方に延出させた左右橇体３６を取り付けることによって、左右引起し装置４２の接地面積が大きくなるので、左右引起こし装置４２の作業位置を圃場の起伏等に適正に対応させられると共に、機体内側方に左右橇体３６が延出されていないことにより、敷設したマルチを傷つけることなく左右引起し装置４２を畝に近づけることができるので、茎葉の引起しが効率よく行われ、作業能率が向上する。
【００４３】
また、左右掻き上げ装置４９が左右引起し装置４２に連結されていることによって、左右引起し装置４２の作業位置が変わると、左右掻き上げ装置４９の作業位置も連動して変わり、掻き込み装置７４への茎葉の掻き上げ効率が変化しにくいので、作業能率を安定させることができる。
【００４４】
そして、左右掻き上げ装置４９の上端部の左右間隔が、下端部の左右間隔と略同一または下端部の左右間隔よりも上端部の左右間隔の方が広くなるように設けられていることによって、左右掻き上げ装置４９の後部上端で茎葉が詰まって搬送装置Ｆに落下しなくなることが防止されるので、作業能率が向上する。
【００４５】
さらに、左右案内ガイド３２は、その後端部が機体外側方向に向けて開放されていると共に、搬送装置Ｆの上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けていることによって、茎葉を搬送装置Ｆ上に載るように誘導することができるので、圃場に落下する茎葉が少なくなり、圃場に落ちた茎葉を回収する作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、左右案内部材３２の終端部に茎葉が詰まることが防止でき、作業能率が向上する。
【００４６】
また、搬送装置Ｆの搬送始端部上方且つ左右引起し装置４２の間に掻き込み装置７４が設けられていることによって、刈取装置Ｅで刈り取られた茎葉が搬送装置Ｆに掻き込まれるため、刈り取られた茎葉が搬送装置Ｆに載り易くなり、圃場に落下する茎葉が少なくなるため作業能率が向上すると共に、茎葉の回収作業が省略されるため作業者の労力を軽減することができる。
【００４７】
次に、刈取装置Ｅの構成について説明する。
前記左右フレーム４１の前端下部にレシプロカッター５１を取り付け、左右フレーム４１の左右一側部にモーター５２を取り付け、該モーター５２の駆動軸５３に偏心カム５４を取り付けると共に、該偏心カム５４をレシプロカッター５１に取り付けている。
【００４８】
次に、搬送装置Ｆの構成について説明する。
前記左右フレーム４１の前後端にローラ５５ａ，５５ｂを取り付け、該ローラ５５ａ，５５ｂ間に弾性材より構成する平ベルト５６を巻き掛けると共に、ローラ５５ｂの回動軸にモーター５７を取り付ける。そして、前記左右フレーム４１の略中央部下部に左右フレーム４１を連結する第１繋ぎフレーム５８を取り付け、該第１繋ぎフレーム５８と機体フレーム６との間にシリンダ５９を取り付ける。また、前記左右フレーム４１の前部下部に左右フレーム４１を連結する第２繋ぎフレーム６０と第３繋ぎフレーム６１を取り付ける。そして、左右転輪６３を各々左右ステー６３ａにて上下動自在に取り付け、該左右アーム６３ａを第３繋ぎフレーム６１に回動自在に取り付けると共に、第２繋ぎフレーム６０に左右シリンダ６２，６２の基部を枢着する。また、各左右ステー６３ａの上端より後部に延出した左右延出部材６３ｂの後部に左右シリンダ６２の前端を枢着している。
【００４９】
上記のように、刈り取られた茎葉が弾性材より構成される平ベルト５６の上面に載せられて搬送されることによって、茎葉が潰されたり引き摺られたりして傷付きにくくなると共に、搬送途中に選別作業を行えるので作物の商品価値を高めることができる。
【００５０】
また、操作レバー１９ｃを操作してシリンダ５９及び左右シリンダ６２を伸縮させることによって、搬送装置Ｆの平ベルト５６と左右転輪６３との傾斜角度を作業条件に適した角度に調節することができ、刈取装置Ｅで茎葉が刈り取られやすくなると共に、刈り取られた茎葉が搬送装置Ｆに載り易くなり作業能率が向上する。
【００５１】
次に、収容部Ｇの構成について説明する。
前記機体フレーム６の後部に回動軸９４を取り付け、該回動軸９４に茎葉を収容する収容袋２３を載置する載置台６４を折りたたみ可能に取り付けると共に、左右フレーム４１に収容袋２３を吊り下げる吊り下げ枠９３を取り付けている。
【００５２】
上記のように、茎葉を収穫する収容袋２３を吊り下げ枠９３のフックに吊り下げて取り付けていることにより、該収容袋２３が茎葉で満杯になったときは吊り下げ枠９３のフックから満杯になった収容袋２３を外して載置部Ｃの載置板２２等に載置し、新しい収容袋２３を吊り下げ体９３のフックに引っ掛けるだけで収容を再開できるので、交換作業が簡単になる。
【００５３】
また、載置部Ｃの載置板２２と収容部Ｇの載置台６４が折りたたみ可能であることによって、該載置板２２と載置台６４とを折りたたむことによって機体サイズをコンパクトにすることができ、軽トラック等にも積み込みやすくなる。
【００５４】
なお、本実施例では茎葉を収容する手段として収容袋２３を例示しているが、載置台６４上にコンテナ等を載置して茎葉を収容してもよい。
以下、本件甘藷の茎葉収穫機の別実施例を説明する。
【００５５】
図５、図６で示すように、ナイロンパイプ等の軟質材からなる巻付き防止ガイド７６の一端側を基部としてフレーム７０に取り付け、該巻付き防止ガイド７６の他端側を自由端として、掻き込みローラ５０の下方を通過させて設ける。
【００５６】
上記のように構成することによって、掻き込み爪６７によって掻き上げられる茎葉は、巻付き防止ガイド７６まで掻き上げられると搬送装置Ｆへと落とされるので、掻き込み爪６７や掻き込みローラ５０の回動軸６８に茎葉が絡み付きにくくなり、茎葉の収穫作業が妨げられることが少なくなるので、作業能率が向上する。
【００５７】
なお、掻き込みローラ５０の周速を搬送装置Ｆの周速よりも遅くすることによって、巻付き防止ガイド７６に落とされる茎葉が搬送装置Ｆの搬送始端部に滞留しにくくなるので、掻き込み装置７４と搬送装置Ｆとの間で茎葉が詰まることを防止でき、作業能率が向上する。
【００５８】
図７、図８で示すように、左右転輪６３を取り付ける左右ステー６３ａに左右アーム７７を取り付け、該左右アーム７７に左右分草杆７８を、左右転輪６３及び左右クローラ１Ｌ，１Ｒの前方に配置されるように取り付けると共に、該左右分草杆７８に、左右案内ガイド７９を後上り傾斜姿勢に取り付ける。
【００５９】
上記のように構成することによって、茎葉の収穫作業を行いながら隣接する畝に植生する茎葉を掻き分けることができ、この掻き分けられた茎葉は左右案内ガイド７９によって隣接する畝上に案内されて落下するため、隣接する畝の茎葉を左右転輪６３やクローラ１Ｌ，１Ｒで踏みつけ、茎葉を傷めてしまうことを防止できるので、作物の商品価値を高めることができる。
【００６０】
図９で示すように、左右リンク装置３３の左右上部リンクアーム２６の前端部に左右フレーム８０を取り付け、該左右フレーム８０から各々前方に向けて延出させた左右回動軸８１に左右ボス８２を回動自在に支持させる。そして、該左右ボス８２を左右カバーフレーム３４の機体内側上部に取り付けると共に、該左右カバーフレーム３４の機体外側上部に左右フレーム８３を取り付ける。また、前記左右回動軸８１と左右フレーム８３との間に、左右圧縮スプリング８４を設けて、左右引き起こし装置４２が互いに機体内側に寄るように付勢すると共に、該左右引起し装置４２の機体内側下部に左右ガイドローラ８５を取り付ける。
【００６１】
上記のように構成することによって、左右引起し装置４２は左右回動軸８１を回動支点として左右方向に自在に移動可能であり、左右圧縮スプリング８４によって機体内側へ寄るように付勢されていると共に、左右引起し装置４２の機体内側下部に左右ガイドローラ８５を設けることによって、茎葉収穫作業のために機体を畝に沿って進行させている際、畝の幅が途中で変化しても左右ガイドローラ８５が左右引起し装置４２と畝との距離を一定に保つので、左右引起こし装置４２は常に最適な作業位置を保つことができ、作業能率が向上する。
【００６２】
また、左右引起こし装置４２が畝に近付き過ぎないことにより、左右分草体３５などが圃場に敷設したマルチに引っ掛かり、マルチを破るような事態を防止することができるので、マルチを敷設し直す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、マルチの使用量が減り経済的である。
【００６３】
図１０、図１１で示すように、後部に開口部９６を設けたバケット８７を収容部Ｇの載置板６４上に通常状態（茎葉収容状態）で前傾姿勢になるように設けている。そして、該バケット８７の底面後部に左右ボス８８を固定し、該左右ボス８８を収容部Ｇの載置板６４の後端部に設けた左右ボス８６，８６の間に左右回動軸９５を介して回動自在に取り付ける。また載置板６４の機体左右外側に基部を枢着した左右シリンダ８９の先端部をバケット８７の左右両側部に連結して、左右シリンダ８９の伸縮にてバケット８７が通常状態と茎葉排出状態とに変更されるように構成する。そして、該左右シリンダ８９の伸縮を操作する昇降レバー１９ｄを操縦部Ｂに取り付ける。
【００６４】
上記のように構成することによって、昇降レバー１９ｄを操作して左右シリンダ８９を伸縮させ、左右回動軸９５を回動支点として後部を開放したバケット８７を後方傾斜させることにより、収穫した茎葉を圃場やコンテナ等の回収手段へと排出することができるので、収容袋２３等の茎葉の収容部材を交換する手間が省略され、作業者の負担が軽減される。
【００６５】
また、バケット８７を前傾姿勢に取り付けていることによって、収穫した茎葉が開放されている後部から圃場に落下することを防止できるので、収穫作業後に茎葉を回収する作業が省略されると共に、作業者の労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００６６】
【図１】茎葉収穫機の側面図である。
【図２】茎葉収穫機の平面図である。
【図３】茎葉収穫機の要部の側面図である。
【図４】茎葉収穫機の要部の平面図である。
【図５】茎葉収穫機の別実施例の側面図である。
【図６】茎葉収穫機の別実施例の平面図である。
【図７】茎葉収穫機の別実施例の側面図である。
【図８】茎葉収穫機の別実施例の平面図である。
【図９】茎葉収穫機の別実施例の要部の平面図である。
【図１０】茎葉収穫機の別実施例の側面図である。
【図１１】茎葉収穫機の別実施例の平面図である。
【符号の説明】
【００６７】
２５ 機枠（左右フレーム）
２７ 下部リンク部材（左右下部リンクアーム）
２８ 遊動リンク
２９ アクチュエータ（左右シリンダ）
３２ 案内部材
３３ リンク装置
３６ 橇体
４２ 引起し装置
４４ 板体（左右プレート）
４９ 掻き上げ装置
７４ 掻き込み装置
Ｆ 搬送装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地表に露出している甘藷や馬鈴薯等の作物の蔓や茎や葉（以下、茎葉という）を切断して収穫する茎葉収穫機に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来茎葉処理機として、特許文献１に示されるように、甘藷や馬鈴薯を収穫する前工程として、圃場に植生する茎葉を挟持して引きちぎりながら機体後部へ搬送して排出し、甘藷や馬鈴薯を収穫しやすくするものがある。
【０００３】
また、特許文献２に示されるように、切断刃で引きちぎれにくい茎葉を切断して機体後部へ搬送して排出するものがある。
【特許文献１】特開２００２−２５３０１９号公報
【特許文献２】特開平１１−２６６６４０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に記載される茎葉処理機は、甘藷や馬鈴薯を収穫する前工程として茎葉を引き抜き処理することが目的であるため、挟持して引きちぎられた茎葉は損傷が激しく、商品として扱うことができないというものであった。
【０００５】
また、特許文献２に記載される茎葉処理機は、引きちぎりにくい茎葉を機体前部の切断刃で切断して後方に搬送するように構成されているが、この切断刃が茎葉を挟持する前に切断してしまうことがあり、切断された茎葉は圃場に残されてしまうので、収穫作業後に残された茎葉の回収作業を行う必要があり、作業者の負担を増大させてしまうという欠点がある。
【０００６】
さらに、茎葉を挟持した後であっても、切断されるのが遅いと地中に埋まっている甘藷や馬鈴薯等を引き抜いてしまうことがあり、茎葉の商品価値だけでなく甘藷や馬鈴薯等の商品価値までも低下させてしまうという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記の課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
請求項１記載の発明は、搬送装置（Ｆ）前部の左右外側に、該搬送装置（Ｆ）の左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置（３３）を設け、該左右リンク装置（３３）の前部左右内側には搬送装置（Ｆ）の左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置（４２）を設け、該左右引起し装置（４２）の下部に左右掻き上げ装置（４９）を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置（Ｆ）の搬送始端部上方且つ左右引起し装置（４２）の間に、掻き込み装置（７４）を設けることを特徴とする茎葉収穫機とした。
【０００８】
従って、搬送装置（Ｆ）の左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置（３３）を設けると共に、該左右リンク装置（３３）の前部左右内側には搬送装置（Ｆ）の左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置（４２）を設けることによって、左右リンク装置（３３）が左右引起し装置（４２）よりも機体外側に位置するので、左右引起し装置（４２）に引き起こされた茎葉が左右リンク装置（３３）に絡みつくのを防止することができる。
【０００９】
また、左右引起し装置（４２）の下部に左右掻き上げ装置（４９）を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置（Ｆ）の搬送始端部上方且つ左右引起し装置（４２）の間に掻き込み装置（７４）を設けることによって、左右引起し装置（４２）に引き起こされた茎葉を後上り傾斜姿勢に設けられた左右掻き上げ装置（４９）が搬送装置（Ｆ）に向かって掻き上げると共に、掻き上げられた茎葉を掻き込み装置（７４）が搬送装置（Ｆ）上へと掻き込むため、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載りやすくなるので、圃場に落ちる茎葉を減らすことができる。
【００１０】
請求項２記載の発明は、左右引起し装置（４２）の左右間隔を変更自在に設けることを特徴とする請求項１記載の茎葉収穫機とした。
従って、請求項１の作用に加え、左右引起し装置（４２）の左右間隔が変更自在であるので、茎葉が植生する畝の幅が畝ごとに異なる場合でも、左右引起し装置（４２）の間隔を適正に調節して作業位置を決めることができる。
【００１１】
請求項３記載の発明は、左右リンク装置（３３）を支持する左右機枠（２５）と、該リンク装置（３３）との間に左右リンク装置（３３）を作動させる左右アクチュエータ（２９）を設け、該左右アクチュエータ（２９）と左右下部リンク部材（２７）との間に左右遊動リンク（２８）を上下動自在に設けることを特徴とする請求項１又は２記載の茎葉収穫機とした。
【００１２】
従って、左右機枠（２５）と左右リンク装置（３３）との間に左右アクチュエータ（２９）を設けると共に、該左右アクチュエータ（２９）と左右下部リンク部材（３２）との間に左右遊動リンク（２８）を上下動自在に取り付けたことによって、左右リンク装置（３３）は該左右遊動リンク（２８）により自由に上下動できるので、左右リンク装置（３３）に取り付けられた左右引起し装置（４２）は圃場の起伏に沿って上下動するようになり、適正な作業姿勢で引起し作業を行うことができる。
【００１３】
請求項４記載の発明は、左右引起し装置（４２）の下部に、機体外側方向に延出させた左右橇体（３６）を設けることを特徴とする請求項１乃至３記載の茎葉収穫機とした。
従って、請求項１乃至３の作用に加え、左右引起し装置（４２）の下部に、機体外側方向に延出させた左右橇体（３６）を設けることによって、左右引起し装置（４２）の接地面積が大きくなり、圃場の起伏等に適正に対応することができるようになると共に、左右橇体（３６）を機体外側方向にのみ延出させていることにより、畝に敷設したマルチを左右橇体（３６）で破るのを防止できる。
【００１４】
請求項５記載の発明は、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を、前部下端の左右間隔と略同一または前部下端の左右間隔よりも広く構成したことを特徴とする請求項１乃至４記載の茎葉収穫機とした。
【００１５】
従って、請求項１乃至４の作用に加え、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を前部下端の左右間隔と同程度に、あるいは前部下端の左右間隔よりも広くすることによって、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端に茎葉が詰まるのを防止することができる。
【００１６】
請求項６記載の発明は、後端部が機体外側方向に向けて開放された左右案内部材（３２）を、左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けることを特徴とする請求項１乃至５記載の茎葉収穫機とした。
【００１７】
従って、請求項１乃至５の作用に加え、左右案内部材（３２）を左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けることによって、該左右掻き上げ装置（４９）によって掻き上げられた茎葉は、左右案内部材（３２）に載せられて掻き込み装置（７４）へと送られるので、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載るように誘導できる。
【００１８】
また、後端部が機体外側方向に向けて開放されているので、茎葉が左右案内部材（３２）の終端部に詰まることを防止できる。
【発明の効果】
【００１９】
請求項１記載の発明によれば、左右リンク装置（３３）に左右引起し装置（４２）を取り付けたことによって、左右引起し装置（４２）に引き起こされた茎葉が左右リンク装置（３３）に絡みつくのを防止できるので、絡みついた茎葉に左右リンク装置（３３）の上下動が妨げられにくくなり作業能率が向上すると共に、絡みついた茎葉を除去する作業が省略されるため、メンテナンス性が向上する。
【００２０】
また、左右掻き上げ装置（４９）が搬送装置（Ｆ）に向かって茎葉を掻き上げると共に、掻き上げられた茎葉を掻き込み装置（７４）が搬送装置（Ｆ）上に掻き込むため、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載りやすくなり、圃場に落ちる茎葉を減らすことができるので、圃場に落ちた茎葉を回収する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【００２１】
請求項２記載の発明によれば、請求項１記載の発明の効果に加えて、茎葉が植生する畝の幅が畝ごとに異なる場合でも、左右引起し装置（４２）の間隔を適正に調節することによって、茎葉を適正に引き上げることができるので作業能率が向上する。
【００２２】
請求項３記載の発明によれば、請求項１及び２記載の発明の効果に加えて、左右引起し装置（４２）を圃場の起伏等に合わせて上下動するように構成したことによって、左右引起し装置（４２）は適正な作業姿勢で茎葉の引き起こし作業をすることができるので、茎葉が適正に引き起こされ、作業能率が向上する。
【００２３】
請求項４記載の発明によれば、請求項１乃至３記載の発明の効果に加えて、左右橇体（３６）を左右引起し装置（４２）の底部に設けることによって、該左右引起し装置（４２）の接地面積が大きくなり、圃場の起伏等に適正に対応できるようになるので、左右引起し装置（４２）の作業姿勢が適正に保たれ、茎葉が引き起こされやすくなり、作業能率が向上する。
【００２４】
また、前記左右橇体（３６）は機体外側方向にのみ延出されているので、左右引起し装置（４２）を畝に近付けても、左右橇体（３６）がマルチに接触してマルチを破るような事態を防止することができ、マルチを敷設し直す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、マルチの使用量を減らすことができるので経済的である。
【００２５】
請求項５記載の発明によれば、請求項１乃至４記載の発明の効果に加えて、左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を、前部下端の左右間隔と略同一もしくは前部下端の左右間隔よりも広く構成したことによって、茎葉がまとまって該左右掻き上げ装置（４９）によって掻き上げられても、左右掻き上げ装置（４２）の後部上端に詰まりにくいため、作業能率が向上する。
【００２６】
請求項６記載の発明によれば、請求項１乃至５記載の発明の効果に加えて、左右案内部材（３２）が左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けられていることによって、茎葉が搬送装置（Ｆ）上に載るように誘導することができるので、圃場に落ちた茎葉を回収する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【００２７】
また、該左右案内部材料（３２）の後端部が機体外側方向に向けて開放されていることによって、左右案内部材（３２）の終端部に茎葉が詰まることが防止できるので、作業能率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２８】
本発明の実施の形態について、一実施例として甘藷の茎葉収穫機を説明する。
図１〜図４に示すように、甘藷の茎葉収穫機は、機体を走行させる走行装置Ａと、操縦者が機体を操作するために搭乗する操縦部Ｂと、茎葉を収容する収容体２３を載置する載置部Ｃと、茎葉を機体内側へ寄せる茎葉寄せ装置Ｄと、該茎葉寄せ装置Ｄで寄せられた茎葉を刈り取る刈取装置Ｅと、該刈取装置Ｅで刈り取られた茎葉を後方に搬送する搬送装置Ｆと、該搬送装置Ｆにて搬送されてきた茎葉を収容する収容袋２３を取り付ける収容部Ｇとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【００２９】
まず、走行装置Ａの構成について説明する。
機体前部側の左右転輪２，２と機体後部側の左右駆動スプロケット３，３と、該左右転輪２，２と左右駆動スプロケット３，３との間に取り付けた転輪４・・・の周りに左右ベルト５，５を巻き掛けて左右一対のクローラ１Ｌ，１Ｒを構成する。また、機体フレーム６の後部下部にギアボックス７を取り付け、該機体フレーム６の上面の左側部にエンジン９と油圧ポンプ１０を取り付ける。そして、該エンジン９の駆動軸１１ａと油圧ポンプ１０の駆動軸１１ｂの各々の左端部にプーリ１２ａ，１２ｂを取り付けると共に、該プーリ１２ａ，１２ｂ間にベルト１３を巻き掛ける。さらに、該エンジン９の駆動軸１１ａの右端部にプーリ１５ａ取り付け、該プーリ１５ａとギアボックス７の入力軸７ａに取り付けるプーリ１５ｂとの間にベルト１６を巻き掛ける。そして、前記ギアボックス７から左右方向にドライブシャフト８を延出させ、該ドライブシャフト８の両端にクローラ１Ｌ，１Ｒの駆動スプロケット３，３を軸着させて機体フレーム６の下部に一定の左右間隔を設けて取り付けた左右クローラ１Ｌ，１Ｒを駆動する構成としている。
【００３０】
次に、操縦部Ｂの構成について説明する。
前記機体フレーム６の上面の左側部に操縦台１７を取り付け、該操縦台１７には左右クローラ１Ｌ，１Ｒの回転方向や回転速度を調節して、機体の前後進や速度を切り換える左右走行操作レバー１８ａ，１８ｂと、後述する茎葉寄せ装置Ｄを昇降動作させる昇降レバー１９ａ，１９ｂと、搬送装置Ｆを昇降動作させる昇降レバー１９ｃを取り付ける。そして、該操縦台１７の後部に操縦者が搭乗する座席２０を取り付けている。
【００３１】
上記のように、機体の前後進や走行速度を切り換える左右走行操作レバー１８ａ，１８ｂや茎葉寄せ装置Ｄを昇降動作させる昇降レバー１９ａ，１９ｂや、搬送装置Ｆを昇降動作させる昇降レバー１９ｃが操縦台１７に設けられていることによって、操縦者は座席２０に着座したまま機体の操作を行うことができるため、操縦者の労力を軽減することができる。
【００３２】
次に、載置部Ｃの構成について説明する。
前記機体フレーム６の右側部に回動軸２１を取り付け、該回動軸２１に載置板２２を折りたたみ可能に取り付けている。
【００３３】
上記のように、載置板２２を折りたたみ可能に設けていることにより、刈り取られた茎葉を収容する収容袋２３が満杯になったとき、載置板２２を展開することによって満杯になった収容袋２３を機体フレーム６と載置板２２の上に載置することができ、収容袋２３を圃場に下ろす作業が省略されるため、作業能率を向上させることができると共に、圃場に下ろした収容袋２３を回収する作業が省略されるため、作業者の労力が軽減される。
【００３４】
次に、茎葉寄せ装置Ｄの構成について説明する。
後述する搬送装置Ｆの左右フレーム４１に左右ジョイントアーム２４を取り付け、該左右ジョイントアーム２４の機体外側端に左右フレーム２５を取り付ける。そして、該左右フレーム２５の上端部に左右上部リンクアーム２６を取り付けると共に、左右フレーム２５の下端部に左右下部リンクアーム２７を取り付ける。さらに、該左右フレーム２５と左右下部リンクアーム２７との間に左右シリンダ２９を取り付け、該左右シリンダ２９の機体外側上部に左右シリンダ２９を伸縮させる左右油圧モーター７５を各々取り付ける。また、該左右シリンダ２９と左右下部リンクアーム２７との間に左右遊動リンク２８を上下動自在に取り付ける。そして、左右上部リンクアーム２６の後端部と左右下部リンクアーム２７の前端部との間に左右スプリング３０を、左右下部リンクアーム２７を引っ張り上げるように取り付けて、左右リンク装置３３が構成される。
【００３５】
そして、左右方向に等間隔に複数の穴を開けた固定フレーム６５，６５，６５，６５の基部を、左右上部リンクアーム２６及び左右下部リンクアーム２７の前端部の回動軸に枢支して左右上部リンクアーム２６及び左右下部リンクアーム２７の機体内側に取り付ける。そして、該固定フレーム６５，６５，６５，６５と、固定フレーム６５，６５，６５，６５の穴と同一間隔に複数の穴を開けた調節フレーム６６，６６，６６，６６とを、ボルト９０とナット９１で各々固定する。また、前記調節フレーム６６，６６，６６，６６の前端部を左右カバーフレーム３４の機体内側に取り付け、該左右カバーフレーム３４の下部に左右分草体３５を取り付ける。さらに、該左右分草体３５の下部に、左右橇体３６を機体外側に延出させて取り付けると共に、左右分草体３５の機体外側に左右茎葉案内ガイド３７を後上り傾斜姿勢に取り付ける。
【００３６】
そして、前記左右カバーフレーム３４の内部上端に左右スプロケット３８ａを取り付け、左右カバーフレーム３４の内部下端に左右スプロケット３８ｂを取り付けると共に、該左右スプロケット３８ａと左右スプロケット３８ｂとの間に左右チェーン３９を巻き掛ける。そして、該左右チェーン３９に引起しラグ４０を取り付け、左右カバーフレーム３４，３４の機体内側上部に左右スプロケット３８ａを各々回転させる左右油圧モーター４１を取り付けて、左右引起し装置４２が構成される。
【００３７】
また、前記左右カバーフレーム３４の機体内側下部に左右フレーム４３を取り付けると共に、該左右フレーム４３に左右プレート４４を後上り傾斜姿勢に設ける。そして、該左右プレート４４の上端部の左右間隔を下端部の左右間隔と略同一または下端部の左右間隔よりも広くなるように取り付ける。また、前記左右プレート４４の前端部に左右従動プーリ４５を回動軸に軸着して取り付け、左右プレート４４の後端部に左右駆動プーリ４６を回動軸に軸着して取り付けると共に、該左右従動プーリ４５と左右駆動プーリ４６との間に左右ラグ付ベルト４７を取り付ける。さらに、左右プレート４４の下面から、後端部が機体外側方向に向けて開放された左右案内ガイド３２を、後述の搬送装置Ｆの上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けると共に、前記左右駆動プーリ４６の回動軸に、左右駆動プーリ４６を回転させる左右油圧モーター４８を各々取り付けることによって、左右掻き上げ装置４９が構成される。
【００３８】
さらに、掻き込みローラ５０にナイロンパイプ等の軟質材からなる掻き込み爪６７を取り付けると共に、該掻き込みローラ５０の中心部に回動軸６８を設ける。そして、前記搬送装置Ｆの左右フレーム４１に左右支柱６９を取り付け、該左右支柱６９の左右上端部間にフレーム７０を取り付けると共に、左右支柱６９の上端部に左右フレーム７１を取り付ける。また、該左右フレーム７１の前端部に左右ジョイントアーム７２を取り付け、該左右ジョイントアーム７２間に掻き込みローラ５０の回動軸６８を回動自在に取り付けると共に、該左右ジョイントアーム７２の左右一側に、掻き込みローラ５０を回転させる油圧モーター７３を取り付けて、掻き込み装置７４を構成する。
【００３９】
上記のように、左右引起し装置４２が左右リンク装置３３の左右上部リンクアーム２６と左右下部リンクアーム２７とに取り付けられていることによって、昇降レバー１９ａ，１９ｂを操作して左右油圧モーター７５を駆動し、左右シリンダ２９を伸縮させて左右リンク装置３３を上下動させることによって、左右引起し装置４２の高さを調節する。この時、左右引起し装置４２の作業姿勢は左右上部リンクアーム２６と左右下部リンクアーム２７によって保持されるので、茎葉の引き起こし性能が変化しにくく、作業能率が向上する。
【００４０】
また、左右リンク装置３３と左右引起し装置４２とを、固定フレーム６５，６５，６５，６５に開けられた穴に、調節フレーム６６，６６，６６，６６に開けられた穴を合わせ、ボルト９０とナット９１とで各々固定して連結する構成とすることによって、左右引起し装置４２の左右間隔を畝の幅等の作業条件に合わせて調節することができるので、作業能率が向上する。
【００４１】
そして、左右フレーム２５に基部が枢支された左右シリンダ２９と左右下部リンクアーム２７との間に左右遊動リンク２８を上下動自在に取り付けることによって、左右引起し装置４２が圃場の起伏等に合わせて自由に上下動するため、左右引起し装置４２は圃場の起伏等に適正に作業位置を対応させながら作業をすることができる。
【００４２】
さらに、左右引起し装置４２の底部に、機体外側方に延出させた左右橇体３６を取り付けることによって、左右引起し装置４２の接地面積が大きくなるので、左右引起こし装置４２の作業位置を圃場の起伏等に適正に対応させられると共に、機体内側方に左右橇体３６が延出されていないことにより、敷設したマルチを傷つけることなく左右引起し装置４２を畝に近づけることができるので、茎葉の引起しが効率よく行われ、作業能率が向上する。
【００４３】
また、左右掻き上げ装置４９が左右引起し装置４２に連結されていることによって、左右引起し装置４２の作業位置が変わると、左右掻き上げ装置４９の作業位置も連動して変わり、掻き込み装置７４への茎葉の掻き上げ効率が変化しにくいので、作業能率を安定させることができる。
【００４４】
そして、左右掻き上げ装置４９の上端部の左右間隔が、下端部の左右間隔と略同一または下端部の左右間隔よりも上端部の左右間隔の方が広くなるように設けられていることによって、左右掻き上げ装置４９の後部上端で茎葉が詰まって搬送装置Ｆに落下しなくなることが防止されるので、作業能率が向上する。
【００４５】
さらに、左右案内ガイド３２は、その後端部が機体外側方向に向けて開放されていると共に、搬送装置Ｆの上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けていることによって、茎葉を搬送装置Ｆ上に載るように誘導することができるので、圃場に落下する茎葉が少なくなり、圃場に落ちた茎葉を回収する作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、左右案内部材３２の終端部に茎葉が詰まることが防止でき、作業能率が向上する。
【００４６】
また、搬送装置Ｆの搬送始端部上方且つ左右引起し装置４２の間に掻き込み装置７４が設けられていることによって、刈取装置Ｅで刈り取られた茎葉が搬送装置Ｆに掻き込まれるため、刈り取られた茎葉が搬送装置Ｆに載り易くなり、圃場に落下する茎葉が少なくなるため作業能率が向上すると共に、茎葉の回収作業が省略されるため作業者の労力を軽減することができる。
【００４７】
次に、刈取装置Ｅの構成について説明する。
前記左右フレーム４１の前端下部にレシプロカッター５１を取り付け、左右フレーム４１の左右一側部にモーター５２を取り付け、該モーター５２の駆動軸５３に偏心カム５４を取り付けると共に、該偏心カム５４をレシプロカッター５１に取り付けている。
【００４８】
次に、搬送装置Ｆの構成について説明する。
前記左右フレーム４１の前後端にローラ５５ａ，５５ｂを取り付け、該ローラ５５ａ，５５ｂ間に弾性材より構成する平ベルト５６を巻き掛けると共に、ローラ５５ｂの回動軸にモーター５７を取り付ける。そして、前記左右フレーム４１の略中央部下部に左右フレーム４１を連結する第１繋ぎフレーム５８を取り付け、該第１繋ぎフレーム５８と機体フレーム６との間にシリンダ５９を取り付ける。また、前記左右フレーム４１の前部下部に左右フレーム４１を連結する第２繋ぎフレーム６０と第３繋ぎフレーム６１を取り付ける。そして、左右転輪６３を各々左右ステー６３ａにて上下動自在に取り付け、該左右アーム６３ａを第３繋ぎフレーム６１に回動自在に取り付けると共に、第２繋ぎフレーム６０に左右シリンダ６２，６２の基部を枢着する。また、各左右ステー６３ａの上端より後部に延出した左右延出部材６３ｂの後部に左右シリンダ６２の前端を枢着している。
【００４９】
上記のように、刈り取られた茎葉が弾性材より構成される平ベルト５６の上面に載せられて搬送されることによって、茎葉が潰されたり引き摺られたりして傷付きにくくなると共に、搬送途中に選別作業を行えるので作物の商品価値を高めることができる。
【００５０】
また、操作レバー１９ｃを操作してシリンダ５９及び左右シリンダ６２を伸縮させることによって、搬送装置Ｆの平ベルト５６と左右転輪６３との傾斜角度を作業条件に適した角度に調節することができ、刈取装置Ｅで茎葉が刈り取られやすくなると共に、刈り取られた茎葉が搬送装置Ｆに載り易くなり作業能率が向上する。
【００５１】
次に、収容部Ｇの構成について説明する。
前記機体フレーム６の後部に回動軸９４を取り付け、該回動軸９４に茎葉を収容する収容袋２３を載置する載置台６４を折りたたみ可能に取り付けると共に、左右フレーム４１に収容袋２３を吊り下げる吊り下げ枠９３を取り付けている。
【００５２】
上記のように、茎葉を収穫する収容袋２３を吊り下げ枠９３のフックに吊り下げて取り付けていることにより、該収容袋２３が茎葉で満杯になったときは吊り下げ枠９３のフックから満杯になった収容袋２３を外して載置部Ｃの載置板２２等に載置し、新しい収容袋２３を吊り下げ体９３のフックに引っ掛けるだけで収容を再開できるので、交換作業が簡単になる。
【００５３】
また、載置部Ｃの載置板２２と収容部Ｇの載置台６４が折りたたみ可能であることによって、該載置板２２と載置台６４とを折りたたむことによって機体サイズをコンパクトにすることができ、軽トラック等にも積み込みやすくなる。
【００５４】
なお、本実施例では茎葉を収容する手段として収容袋２３を例示しているが、載置台６４上にコンテナ等を載置して茎葉を収容してもよい。
以下、本件甘藷の茎葉収穫機の別実施例を説明する。
【００５５】
図５、図６で示すように、ナイロンパイプ等の軟質材からなる巻付き防止ガイド７６の一端側を基部としてフレーム７０に取り付け、該巻付き防止ガイド７６の他端側を自由端として、掻き込みローラ５０の下方を通過させて設ける。
【００５６】
上記のように構成することによって、掻き込み爪６７によって掻き上げられる茎葉は、巻付き防止ガイド７６まで掻き上げられると搬送装置Ｆへと落とされるので、掻き込み爪６７や掻き込みローラ５０の回動軸６８に茎葉が絡み付きにくくなり、茎葉の収穫作業が妨げられることが少なくなるので、作業能率が向上する。
【００５７】
なお、掻き込みローラ５０の周速を搬送装置Ｆの周速よりも遅くすることによって、巻付き防止ガイド７６に落とされる茎葉が搬送装置Ｆの搬送始端部に滞留しにくくなるので、掻き込み装置７４と搬送装置Ｆとの間で茎葉が詰まることを防止でき、作業能率が向上する。
【００５８】
図７、図８で示すように、左右転輪６３を取り付ける左右ステー６３ａに左右アーム７７を取り付け、該左右アーム７７に左右分草杆７８を、左右転輪６３及び左右クローラ１Ｌ，１Ｒの前方に配置されるように取り付けると共に、該左右分草杆７８に、左右案内ガイド７９を後上り傾斜姿勢に取り付ける。
【００５９】
上記のように構成することによって、茎葉の収穫作業を行いながら隣接する畝に植生する茎葉を掻き分けることができ、この掻き分けられた茎葉は左右案内ガイド７９によって隣接する畝上に案内されて落下するため、隣接する畝の茎葉を左右転輪６３やクローラ１Ｌ，１Ｒで踏みつけ、茎葉を傷めてしまうことを防止できるので、作物の商品価値を高めることができる。
【００６０】
図９で示すように、左右リンク装置３３の左右上部リンクアーム２６の前端部に左右フレーム８０を取り付け、該左右フレーム８０から各々前方に向けて延出させた左右回動軸８１に左右ボス８２を回動自在に支持させる。そして、該左右ボス８２を左右カバーフレーム３４の機体内側上部に取り付けると共に、該左右カバーフレーム３４の機体外側上部に左右フレーム８３を取り付ける。また、前記左右回動軸８１と左右フレーム８３との間に、左右圧縮スプリング８４を設けて、左右引き起こし装置４２が互いに機体内側に寄るように付勢すると共に、該左右引起し装置４２の機体内側下部に左右ガイドローラ８５を取り付ける。
【００６１】
上記のように構成することによって、左右引起し装置４２は左右回動軸８１を回動支点として左右方向に自在に移動可能であり、左右圧縮スプリング８４によって機体内側へ寄るように付勢されていると共に、左右引起し装置４２の機体内側下部に左右ガイドローラ８５を設けることによって、茎葉収穫作業のために機体を畝に沿って進行させている際、畝の幅が途中で変化しても左右ガイドローラ８５が左右引起し装置４２と畝との距離を一定に保つので、左右引起こし装置４２は常に最適な作業位置を保つことができ、作業能率が向上する。
【００６２】
また、左右引起こし装置４２が畝に近付き過ぎないことにより、左右分草体３５などが圃場に敷設したマルチに引っ掛かり、マルチを破るような事態を防止することができるので、マルチを敷設し直す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、マルチの使用量が減り経済的である。
【００６３】
図１０、図１１で示すように、後部に開口部９６を設けたバケット８７を収容部Ｇの載置板６４上に通常状態（茎葉収容状態）で前傾姿勢になるように設けている。そして、該バケット８７の底面後部に左右ボス８８を固定し、該左右ボス８８を収容部Ｇの載置板６４の後端部に設けた左右ボス８６，８６の間に左右回動軸９５を介して回動自在に取り付ける。また載置板６４の機体左右外側に基部を枢着した左右シリンダ８９の先端部をバケット８７の左右両側部に連結して、左右シリンダ８９の伸縮にてバケット８７が通常状態と茎葉排出状態とに変更されるように構成する。そして、該左右シリンダ８９の伸縮を操作する昇降レバー１９ｄを操縦部Ｂに取り付ける。
【００６４】
上記のように構成することによって、昇降レバー１９ｄを操作して左右シリンダ８９を伸縮させ、左右回動軸９５を回動支点として後部を開放したバケット８７を後方傾斜させることにより、収穫した茎葉を圃場やコンテナ等の回収手段へと排出することができるので、収容袋２３等の茎葉の収容部材を交換する手間が省略され、作業者の負担が軽減される。
【００６５】
また、バケット８７を前傾姿勢に取り付けていることによって、収穫した茎葉が開放されている後部から圃場に落下することを防止できるので、収穫作業後に茎葉を回収する作業が省略されると共に、作業者の労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００６６】
【図１】茎葉収穫機の側面図である。
【図２】茎葉収穫機の平面図である。
【図３】茎葉収穫機の要部の側面図である。
【図４】茎葉収穫機の要部の平面図である。
【図５】茎葉収穫機の別実施例の側面図である。
【図６】茎葉収穫機の別実施例の平面図である。
【図７】茎葉収穫機の別実施例の側面図である。
【図８】茎葉収穫機の別実施例の平面図である。
【図９】茎葉収穫機の別実施例の要部の平面図である。
【図１０】茎葉収穫機の別実施例の側面図である。
【図１１】茎葉収穫機の別実施例の平面図である。
【符号の説明】
【００６７】
２５ 機枠（左右フレーム）
２７ 下部リンク部材（左右下部リンクアーム）
２８ 遊動リンク
２９ アクチュエータ（左右シリンダ）
３２ 案内部材
３３ リンク装置
３６ 橇体
４２ 引起し装置
４４ 板体（左右プレート）
４９ 掻き上げ装置
７４ 掻き込み装置
Ｆ 搬送装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
搬送装置（Ｆ）前部の左右外側に、該搬送装置（Ｆ）の左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置（３３）を設け、該左右リンク装置（３３）の前部左右内側には搬送装置（Ｆ）の左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置（４２）を設け、該左右引起し装置（４２）の下部に左右掻き上げ装置（４９）を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置（Ｆ）の搬送始端部上方且つ左右引起し装置（４２）の間に、掻き込み装置（７４）を設けることを特徴とする茎葉収穫機。
【請求項２】
左右引起し装置（４２）の左右間隔を変更自在に設けることを特徴とする請求項１記載の茎葉収穫機。
【請求項３】
左右リンク装置（３３）を支持する左右機枠（２５）と、該リンク装置（３３）との間に左右リンク装置（３３）を作動させる左右アクチュエータ（２９）を設け、該左右アクチュエータ（２９）と左右下部リンク部材（２７）との間に左右遊動リンク（２８）を上下動自在に設けることを特徴とする請求項１又は２記載の茎葉収穫機。
【請求項４】
左右引起し装置（４２）の下部に、機体外側方向に延出させた左右橇体（３６）を設けることを特徴とする請求項１乃至３記載の茎葉収穫機。
【請求項５】
左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を、前部下端の左右間隔と略同一または前部下端の左右間隔よりも広く構成したことを特徴とする請求項１乃至４記載の茎葉収穫機。
【請求項６】
後端部が機体外側方向に向けて開放された左右案内部材（３２）を、左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けることを特徴とする請求項１乃至５記載の茎葉収穫機。
【請求項１】
搬送装置（Ｆ）前部の左右外側に、該搬送装置（Ｆ）の左右幅よりも広い左右間隔を有する左右リンク装置（３３）を設け、該左右リンク装置（３３）の前部左右内側には搬送装置（Ｆ）の左右幅と略同一の左右間隔を有する左右引起し装置（４２）を設け、該左右引起し装置（４２）の下部に左右掻き上げ装置（４９）を後上り傾斜姿勢に設けると共に、搬送装置（Ｆ）の搬送始端部上方且つ左右引起し装置（４２）の間に、掻き込み装置（７４）を設けることを特徴とする茎葉収穫機。
【請求項２】
左右引起し装置（４２）の左右間隔を変更自在に設けることを特徴とする請求項１記載の茎葉収穫機。
【請求項３】
左右リンク装置（３３）を支持する左右機枠（２５）と、該リンク装置（３３）との間に左右リンク装置（３３）を作動させる左右アクチュエータ（２９）を設け、該左右アクチュエータ（２９）と左右下部リンク部材（２７）との間に左右遊動リンク（２８）を上下動自在に設けることを特徴とする請求項１又は２記載の茎葉収穫機。
【請求項４】
左右引起し装置（４２）の下部に、機体外側方向に延出させた左右橇体（３６）を設けることを特徴とする請求項１乃至３記載の茎葉収穫機。
【請求項５】
左右掻き上げ装置（４９）の後部上端の左右間隔を、前部下端の左右間隔と略同一または前部下端の左右間隔よりも広く構成したことを特徴とする請求項１乃至４記載の茎葉収穫機。
【請求項６】
後端部が機体外側方向に向けて開放された左右案内部材（３２）を、左右掻き上げ装置（４９）の板体（４４）の下面から搬送装置（Ｆ）の上方且つ機体後方に向けて後上り傾斜姿勢に設けることを特徴とする請求項１乃至５記載の茎葉収穫機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００８−４３２９８（Ｐ２００８−４３２９８Ａ）
【公開日】平成２０年２月２８日（２００８．２．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２２４３４２（Ｐ２００６−２２４３４２）
【出願日】平成１８年８月２１日（２００６．８．２１）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年２月２８日（２００８．２．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年８月２１日（２００６．８．２１）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]