説明

草地更新機および草地更新方法

【課題】 作業を簡略化し短期間に効率よく、しかも種子・肥料・土壌改良材の無駄を無くし経済的に草地の整備ができる草地更新機および草地更新方法の提供。
【解決手段】
複数条の溝G,…,…を作溝し、その溝G,…,…内に土壌改良材と肥料と牧草種子とを吐出供給し、上記溝Gに覆土する草地更新方法。また、土壌改良材・肥料供給ユニットBにおいて土壌改良材および肥料を吐出供給するとともに、播種ユニットCにおいて牧草種子を吐出供給して条播する土壌改良材・肥料・種子供給手段を備えてなる草地更新機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産力の衰えた牧草地を更新するために用いられる草地更新機および草地更新方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
草地は採草、放牧いずれの利用においても、年次の経過と共に衰退を免れない。したがって、荒廃したあるいは生産性が低下してきた草地は、再び生産力の高い草地に作り替える、いわゆる更新が必要になる。この更新は、人為的に草地を完全に反転耕耘して播種床を作り、土壌改良材や肥料の散布および牧草種子類の播種をすることによって行われる。
【0003】
従来より、草地の更新のための技術として、下記の特許文献1及び特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献1のものは、まず、更新する草地をトラクタで牽引したプラウで耕起する。次に、ライムソワで炭酸カルシウム等の土壌改良材を散布し、その後ディスクハロ−で砕土、整地を行い圃場を均平に仕上げる。
さらに、カルチパッカーの前部ロ−ラの上部前方に施肥装置を、また、前後部のロ−ラの中間部上方に播種装置を横設したグラス・シ−ダを、クロ−ラトラクタでけん引し、順次に施肥、鎮圧、播種、覆土および鎮圧を1工程で行う。
【0004】
具体的には、上記グラス・シ−ダの施肥装置は、前部ロ−ラの前方に肥料を散布するとともに、その前部ロ−ラにより土壌の表面を鎮圧して砕土し、表層に前進方向にならい複数のV字状の溝を有する播種床を形成する。
上記グラス・シーダの播種装置は、マメ科およびイネ科の牧草種子を適当に組み合わせて混播できるように、前室と後室に仕切られたホッパを備えており、上記の播種床にそれらの種子を落とすとともに、後部ロ−ラが種子に浅く覆土し、鎮圧する。
【0005】
なお、従来のグラス・シ−ダの仕様は、たとえば、作業幅約3m、重量約4000kg、施肥ホッパの容量1000l、播種ホッパの容量200l、施肥量35〜140kg/10a、播種量マメ科0〜3kg/10a、イネ科0〜5kg/10a、作業速度が4〜6km/hrである。
【特許文献1】特公平6−24447号公報
【特許文献2】実公昭57−19929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のグラス・シ−ダでは播種とともに肥料を散布することしかできないので、上記のとおり、土壌改良材の散布は別工程で行っており、その別工程で必要なライムソワの機械費や人件費等の経費が掛かることとなっていた。
また、別工程である分だけ時間を要するから天候上の播種適期を逃し、生産力の高い草地に更新することができなくなる場合も起こってくる。特に道北・根釧地域では播種適期の期間が短く、播種作業が行える時に一気に作業を終わらせなければならない。
【0007】
また、上記ライムソワで行う土壌改良材の散布、グラス・シ−ダの施肥装置での肥料散布は共に散播であり、グラス・シ−ダの播種装置での播種もマクロ的には条播であるが、ミクロ的にはカルチパッカ−のロ−ラ鎮圧により成形された溝内のみならずその溝外へも播種する散播である。
散播された種子のうち、溝底部に播かれたものは発芽定着するが、その他の種子の大部分は発芽定着せず無駄になってしまうし、土壌改良材・肥料も、発芽定着しない種子の周りに散布したものは無駄となる。
したがって、種子・土壌改良材・肥料の無駄な経費が発生することとなる。
【0008】
そこで、本発明は、種子および肥料とともに土壌改良材をも一挙に播くとともに、それら全てを溝内にのみ条播することにより、作業を簡略化し短期間に効率よく、しかも種子・肥料・土壌改良材の無駄を無くし経済的に草地の整備ができる草地更新機および草地更新方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明は、複数条の溝G,…,…を作溝し、その溝G,…,…内に土壌改良材と肥料と牧草種子とを吐出供給し、上記溝Gに覆土する草地更新方法である。
【0010】
請求項2記載の本発明は、上記土壌改良材と肥料と牧草種子の吐出供給量を、作業速度に応じて決定する請求項1記載の草地更新方法である。
【0011】
請求項3記載の本発明は、土壌改良材・肥料供給ユニットBにおいて土壌改良材および肥料を吐出供給するとともに、播種ユニットCにおいて牧草種子を吐出供給して条播する土壌改良材・肥料・種子供給手段を備えてなる草地更新機である。
【0012】
請求項4記載の本発明は、複数条の溝Gを形成する作溝手段と、その各溝G内に土壌改良材と肥料と牧草種子とを吐出供給する土壌改良材・肥料・種子供給手段Dと、上記各溝Gに覆土する覆土手段15とを備えた請求項3記載の草地更新機である。
【0013】
請求項5記載の本発明は、上記土壌改良材・肥料・種子供給手段Dが、土壌改良材を収容する土壌改良材用ホッパ1a,肥料を収容する肥料用ホッパ1b,牧草種子を収容するホッパ1c,1dと、上記各ホッパ1a〜1d内の土壌改良材,肥料,牧草種子をそれぞれ設定量ずつ繰り出す繰出し手段と、繰り出された土壌改良材,肥料,牧草種子を、上記溝Gへ案内して吐出供給する吐出案内手段12,12’とからなる請求項3または4記載の草地更新機である。
【0014】
請求項6記載の本発明は、上記繰出し手段による繰出し量が、当該草地更新機の走行速度に基づいて決定されるようにしてなる請求項5記載の草地更新機である。
【0015】
請求項7記載の本発明は、上記繰出し手段が、土壌改良材用ホッパ1a,肥料を収容する肥料用ホッパ1bおよび牧草種子を収容するホッパ1c,1d内の土壌改良材・肥料および牧草種子をそれぞれ繰り出す繰出しローラ9a〜9dであり、その繰出しローラ9a〜9dによる土壌改良材・肥料および牧草種子の繰出し量の決定が、当該草地更新機の走行速度を検出し、その検出される速度に基づいて上記繰出しローラ9a〜9dの回転速度を制御することにより行われるようにしてなる請求項6記載の草地更新機である。
【0016】
請求項8記載の本発明は、上記覆土手段15が、該草地更新機Aの機体3に対して脱着可能に取り付けられている請求項4,5,6または7記載の草地更新機である。
【発明の効果】
【0017】
牧草種子および肥料とともに土壌改良材をも一挙に播くとともに、それら全てを溝内にのみ条播することにより、作業を簡略化し短期間に効率よく、しかも種子・肥料・土壌改良材の無駄を無くし経済的に草地の整備ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
複数条の溝を作溝し、その溝内に土壌改良材と肥料と牧草種子とを吐出供給し、上記溝に覆土することを特徴とする草地更新方法。
【0019】
土壌改良材・肥料供給ユニットにおいて土壌改良材および肥料を吐出供給するとともに、播種ユニットにおいて牧草種子を吐出供給して条播する土壌改良材・肥料・種子供給手段を備えてなることを特徴とする草地更新機。
【実施例】
【0020】
本実施例の草地更新機Aは、土壌改良材を収容する土壌改良材用ホッパ1a,肥料を収容する肥料用ホッパ1b,イネ科種子を収容するイネ科種子用ホッパ1c,マメ科種子を収容するマメ科種子用ホッパ1dを各10基ずつ、左右方向に並設したタンク1と、土壌改良材・肥料・イネ科種子およびマメ科種子(以下、これらを「牧草種子」という。)の吐出量等を制御する制御盤2とを機体3に乗載している。
上記機体3の下部中央には、駆動輪4を設け、また、下部前方には揺動軸を支点にして、上下揺動自在にして取付けられかつガスショック5,…,…により下方に付勢された5つのローラーフレーム6a〜6eを左右方向に並設し、各ローラーフレーム6a〜6eに、外周をV字状の凸形突起とした複数の作溝輪7,…,…を回転自在に軸支している。
本実施例では、中央ローラーフレ−ム6aに14個、内側左右ローラーフレ−ム6b,6cに各10個、外側左右ローラーフレ−ム6d,6eに各3個、計40個の作溝輪(作溝手段)7,…,…が軸支されている。
作溝輪7,…,…の凸形V字突起部の左右方向のピッチは7.5cmである。
【0021】
上記作溝輪7,…,…は各ローラーフレ−ム6a〜6e毎に上記揺動軸を中心として上下揺動するので、圃場面の凹凸やトラクタ車輪跡に的確に追従して施肥・播種深さが一定になるしっかりしたV字状溝Gを成形するようになっている。
【0022】
なお、ローラーフレームの前部を揺動の支点として、後部にガスショクを設けることとしてもよい。
【0023】
また、作溝手段としては作溝輪7,…,…に代えて、舟形(舳先形)のオプナ−を並設してもよい。
【0024】
上記タンク1の、並設された10基の上記土壌改良材用ホッパ1a,…,…の下部には、それらを貫通する状態にして回転軸8aが横架されるとともに、各土壌改良材用ホッパ1a,…,…内の各々の吐出口直上の位置に、上記回転軸8aに対して間隔をおいて固定した、各土壌改良材用ホッパ1a,…,…内の土壌改良材を繰り出すための繰出しローラ(繰出し手段)9a,…,…が配設されている。
【0025】
10基の上記肥料用ホッパ1b,…,…の下部には、それらを貫通する状態にして回転軸8bが横架されるとともに、各肥料用ホッパ1b,…,…内の各々の吐出口直上の位置に、上記回転軸8bに対して間隔をおいて固定した、各肥料用ホッパ1b,…,…内の肥料を繰り出すための繰出しローラ(繰出し手段)9bが配設されている。
【0026】
10基の上記イネ科種子用ホッパ1c,…,…の下部には、それらを貫通する状態にして回転軸8cが横架されるとともに、各イネ科種子用ホッパ1c,…,…内の各々の吐出口直上の位置に、上記回転軸8cに対して間隔をおいて固定した、各肥料用ホッパ1b,…,…内のイネ科種子を繰り出すための繰出しローラ(繰出し手段)9cが配設されいる。
【0027】
また、10基のマメ科種子用ホッパ1d,…,…の下部には、それらを貫通する状態にして回転軸8dが横架され、各マメ科種子用ホッパ1d,…,…内には各々の吐出口直上の位置に、上記回転軸8dに対して間隔をおいて固定した、マメ科種子用ホッパ1d,…,…内のマメ科種子を繰り出すための繰出しローラ(繰出し手段)9dが配設されている。
【0028】
上記ローラ9a〜9dは上記制御盤2により個別に制御されるDCモータ10a〜10dによりそれぞれ上記回転軸8a〜8dを介して適宜の回転速度で回転され、所要量の土壌改良材・肥料・種子の繰出しを行う。
【0029】
10基の上記各マメ科種子用ホッパ1dから繰出しロ−ラ9dにより繰り出されるマメ科種子は、分岐シュート11dにおいて分配され、それぞれ4本の、すなわち計40本の種子分配管12,…,…へ導かれ、さらにその下方に連通する40本の、下端を上記各作溝輪7,…,…のちょうど後方に位置するよう、上記上記機体3に対して固定した種子分配管(吐出案内手段)12’,…,…へ導かれる。
10基の上記各イネ科種子用ホッパ1cから繰出しローラ9cにより繰り出されるイネ科種子は、分岐シュート11cにおいて上記4本の種子分配管12’に分配され導かれ、上記マメ科種子と混合される。
【0030】
10基の上記各土壌改良材用ホッパ1aから繰出しローラ9aにより繰り出される土壌改良材は、それぞれ、10基の土壌改良材・肥料混合ホッパ13に投入される。
また、10基の上記各肥料用ホッパ1bから繰出しローラ9bにより繰り出される肥料も、それぞれ、10基の上記土壌改良材・肥料混合ホッパ13に投入され、上記土壌改良材と混合される。
混合された土壌改良材と肥料とは、上記土壌改良材・肥料混合ホッパ13の分岐シュート11a,…,…において分配され、その分岐シュート11a,…,…に各4本ずつ上端が接続されかつ下端が上記種子分配管12,…,…の後方に位置するよう機体3に固定された、計40本の土壌改良材・肥料分配管(吐出案内手段)14,…,…へ導かれるようになっている。
【0031】
本草地更新機Aは、上記各土壌改良材用ホッパ1a,肥料用ホッパ1b,土壌改良材・肥料混合ホッパ13,土壌改良材・肥料分配管14,…,…等から構成され、土壌改良材と肥料とを吐出供給する土壌改良材・肥料供給ユニットBと、マメ科種子用ホッパ1d,イネ科種子用ホッパ1c,種子分配管12,…,…、12’,…,…から構成され、マメ科種子およびイネ科種子を吐出供給する播種ユニットCからなる土壌改良材・肥料・種子供給手段Dを備えてなることを特徴とするものである。
【0032】
15,…,…は、上記機体3の下部後方に左右に7.5cm間隔で並べて軸支された、外周がV字状の凸形突起をなす41個のカルチパッカーローラ(覆土手段)である。
機体3の前部の上記作溝輪7,…,…の芯(回転面)と、このカルチパッカ−ロ−ラ15,…,…の芯(回転面)は、3.75cmオフセットされている。
上記カルチパッカ−ロ−ラ15,…,…には、土が付着して鎮圧不良になるのを防止するために、図示したような土の付着が少ないゴムリング15’を外周に弾着した物を用いることが望ましい。
また、このカルチパッカーローラ15,…,…は機体3に対して脱着可能に取り付けてあり、該草地更新機Aの輸送の際には、該カルチパッカーローラ15,…,…を取り外し2分してトラックの荷台に積載することが可能である。
【0033】
上記駆動輪4の回転は、エンコ−ダで検出され、これにより該草地更新機Aの走行速度(作業速度)を検出することができるようになっている。
したがって、その走行速度に基づいて、上記DCモ−タ10a〜10dの回転数を制御盤2において決定・制御して、土壌改良材・肥料の散布量、牧草種子の吐出量を調整する。
それぞれの吐出量は制御盤2の調整スイッチにより任意に設定することができる。それぞれの地域の圃場によって土壌改良材・肥料の散布量・種類、イネ科・マメ科の牧草種子の播種量・種類が異なるが、制御盤2に希望数値を入力することにより簡単に散布量・播種量を設定できる。
また、上記駆動輪4は、チェーン等を介して土壌改良材・肥料のタンク内でのブリッジ防止のアジテ−タ16,…,…を駆動している。
【0034】
上記のようにしてなる本草地更新機Aは、トラクタの油圧3点支持装置に対して連結部17において直装牽引されて走行するもので、圃場をディスクハロ−で砕土・整地を行い均平に仕上げた後、牽引走行させることで以下のように草地更新を行う。
【0035】
まず、上記作溝輪7,…,…が、40条のV字状溝Gを成形するとともに(図7(a))、その作溝輪7,…,…の後方に位置する上記播種ユニットCの種子分配管12’,…,…より制御盤2において設定した量のマメ科およびイネ科の種子が吐出供給され、これも上記V字状溝G内底部に条播(混播)される(図7(b))。
また、同時に、上記土壌改良材・肥料供給ユニットBの各土壌改良材・肥料分配管14,…,…より制御盤2において設定した比率で混合された土壌改良材と肥料とが設定した量吐出され、これが上記V字状溝G内底部に条播される。
上記土壌改良材,肥料,種子は、V字状溝G内にのみ吐出供給され、溝G外には播かれないようにしている。
続いて、上記各V字状溝Gの畦間を通過するカルチパッカ−ロ−ラ15,…,…の凸形突起によって、V字状溝Gの畦間を二分して(図8(a))上記V字状溝Gに覆土を振り分けて鎮圧する(図8(b))。
本草地更新機Aは、上記作溝輪7,…,…の作溝・鎮圧作用によりV字状溝Gの表層下の空間を押しつぶし水分の保持を良好にするとともに、後部カルチパッカ−ロ−ラの覆土・鎮圧作用により種子と覆土を良く接着させて発芽定着を良好にして、牧草種子に必要な覆土厚を可能にしている。
【0036】
なお、本実施例の草地更新機Aの仕様は、作業幅約3m(7.5cm×40)、重量約2200kg、施肥ホッパの容量500l、土壌改良材ホッパの容量500l、マメ科播種ホッパの容量30l、イネ科播種ホッパの容量60l、肥料及び土壌改良材散布量20〜200kg/10a、播種量マメ科0〜4kg/10a、イネ科0〜4kg/10a、作業速度が2〜7km/hrである。
【0037】
上記のとおり、本草地更新機Aは、第1に、土壌改良材・肥料供給ユニットにおいて肥料とともに土壌改良材をも吐出供給できるので、従来必要であったライムソワでの土壌改良材散布工程を省くことができる。
【0038】
第2に、作溝輪により成形された複数のV字状溝G内にのみ土壌改良材・肥料・イネ科、マメ科の牧草種子を吐出供給しているので、すなわち、溝G外に散播しないようにしているので、無駄な種子・土壌改良材・肥料を削減することができる。
たとえば、牧草種子の量について見ると、従来、散播によりV字状溝外へも吐出供給していた際には、通常1haあたり25〜30kg程度の牧草種子が必要であったが、これに対し、本草地更新機Aは、種子分配管12’,…,…を通じて各V字状溝へそれぞれ牧草種子を案内しているので必要最小限の牧草種子により的確な条播ができ、その必要量を1haあたり15〜18kg程度にまで減らすことも可能である。
【0039】
第3に、作業速度をセンサ−により検出して、土壌改良材・肥料供給ユニットにおいて土壌改良材と肥料をそれぞれ繰り出すロ−ラ9a,9b、および、播種部においてイネ科およびマメ科の牧草種子をそれぞれ繰り出すロ−ラ9c,9dを別個に駆動する繰出しモ−タ10a〜10dの回転数を制御盤2において制御して、土壌改良材,肥料の,種子の吐出供給量を決定し制御することができるので、草地更新計画どおりの吐出供給量を実現できて、種子・土壌改良材・肥料を削減することができる。
【0040】
以上のことから従来の技術に比べて、人員の節約・工程工期の短縮・種子・土壌改良材・肥料の削減により草地更新の経費を削減でき、適期の播種により生産力の高い草地に更新することができる。
【0041】
なお、本草地更新機Aは、脱着可能な上記カルチパッカーローラ15,…,…を取り外して、播種を行わずに、土壌改良材および肥料のいずれかあるいはその双方の散布だけを行うことも可能であり、多様な作業を行えるようになっているものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例に係る草地更新機の側面図である。
【図2】上記草地更新機のタンクの側面図およびその要部の拡大正面図である。
【図3】上記草地更新機の正面図である。
【図4】上記草地更新機の分岐シュ−トの正面図およびその要部拡大図である。
【図5】(a)は上記草地更新機のカルチパッカ−ロ−ラの側面図、(b)はそのa−a線断面図である。
【図6】(a)は上記草地更新機の駆動輪,アジテータ,肥料繰出しローラ,土壌改良材繰出しローラ等の駆動系統図、(b)は種子繰出しローラの駆動系統図である。
【図7】(a)は上記草地更新機の作溝輪によるV字状溝形成の説明図、(b)はカルチパッカーローラによる覆土の説明図である。
【図8】上記草地更新機のカルチパッカ−ロ−ラの覆土・鎮圧作用の説明図である。
【符号の説明】
【0043】
A 草地更新機
B 土壌改良材・肥料供給ユニット
C 播種ユニット
D 土壌改良材・肥料・種子供給手段
G 溝
1 タンク
1a 土壌改良材用ホッパ
1b 肥料用ホッパ
1c イネ科種子用ホッパ
1d マメ科種子用ホッパ
2 制御盤
3 機体
4 駆動輪(作溝手段)
5 ガスショック
9a〜9d 繰出しローラ
12,12’ 種子分配管(吐出案内手段)
7 作溝輪
15 カルチパッカーローラ(覆土手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数条の溝を作溝し、その溝内に土壌改良材と肥料と牧草種子とを吐出供給し、上記溝に覆土することを特徴とする草地更新方法。
【請求項2】
上記土壌改良材と肥料と牧草種子の吐出供給量を、作業速度に応じて決定することを特徴とする請求項1記載の草地更新方法。
【請求項3】
土壌改良材・肥料供給ユニットにおいて土壌改良材および肥料を吐出供給するとともに、播種ユニットにおいて牧草種子を吐出供給して条播する土壌改良材・肥料・種子供給手段を備えてなることを特徴とする草地更新機。
【請求項4】
複数条の溝を形成する作溝手段と、その各溝内に土壌改良材と肥料と牧草種子とを吐出供給する土壌改良材・肥料・種子供給手段と、上記各溝に覆土する覆土手段とを備えてなることを特徴とする請求項3記載の草地更新機。
【請求項5】
上記土壌改良材・肥料・種子供給手段が、土壌改良材を収容する土壌改良材用ホッパ,肥料を収容する肥料用ホッパ,牧草種子を収容するホッパと、上記各ホッパ内の土壌改良材,肥料,牧草種子をそれぞれ設定量ずつ繰り出す繰出し手段と、繰り出された土壌改良材,肥料,牧草種子を、上記溝へ案内して吐出供給する吐出案内手段とからなることを特徴とする請求項3または4記載の草地更新機。
【請求項6】
上記繰出し手段による繰出し量が、当該草地更新機の走行速度に基づいて決定されるようにしてなることを特徴とする請求項5記載の草地更新機。
【請求項7】
上記繰出し手段が、土壌改良材用ホッパ,肥料を収容する肥料用ホッパおよび牧草種子を収容するホッパ内の土壌改良材・肥料および牧草種子をそれぞれ繰り出す繰出しローラであり、その繰出しローラによる土壌改良材・肥料および牧草種子の繰出し量の決定が、当該草地更新機の走行速度を検出し、その検出される速度に基づいて上記繰出しローラの回転速度を制御することにより行われるようにしてなることを特徴とする請求項6記載の草地更新機。
【請求項8】
上記覆土手段が、該草地更新機の機体に対して脱着可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4,5,6または7記載の草地更新機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−220210(P2008−220210A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60144(P2007−60144)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(595053490)財団法人北海道農業開発公社 (6)
【Fターム(参考)】