薄型義足
薄型義足は、足部とアダプタとを備え、足部は、前部から後部へ傾斜して延び、動作中に撓むように形成され、アダプタは、後方部のみが足部の後部に装着されて、その結果、アダプタの前方部が、足部に対して動いて、動作中に足部に「巻きつけ」られ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概ね下肢の義足に関し、一実施形態では、足部に連結されるアダプタを有する義足に関し、当該アダプタは、足部の撓みを改善し得るように構成されている。
【背景技術】
【0002】
設計が異なる義足は、当該技術において周知である。種々の通常の設計では、義足に関連する種々の制限を解決する必要がある。
【0003】
いくつかの通常の設計では、人の足の自然なストライドの滑らかな動作を感じる範囲を提供しようと試みている。一解決法として、ばねを組み込んで、義足を動かしている間にエネルギーを蓄積し放出することがある。このようなばねは、C字状またはU字状などの異なる形状にし得る。しかしながら、このような足の設計は、嵩高くなりやすく、また外装内に全体を収容することが難しい場合がある。さらに、いくつかの例では、ばねの効率は、長期使用後に低下して、義足を動かしている間のエネルギー蓄積および放出の効率が低下する結果になる恐れがある。
【0004】
他の通常の設計では、人の足の可撓性および安定性を提供しようとしている。一解決法として、その長さの少なくとも一部分に沿って分かれた足部を提供することがある。よって、分かれた足部は、個々の「爪先」からなり、これらの爪先は、相互に、実質的に別々に撓み得る。これによって、義足の安定性が向上し得る。しかしながら、爪先が分かれた足部だけでは、人の足の自然なストライドの所望の滑らかな動作範囲を得られない。
【0005】
さらに他の設計では、頑丈でおよび弾性のある義足を提供しようとしており、この義足は、義足の強度に焦点を合わせることにより、幅広い範囲の、歩行、走行、および跳躍などの活動レベルを吸収し得る。それに応じて、所望の強度および重量を提供するように、義足の製造に種々の材料を使用してきた。しかしながら、多くの義足設計は、ある衝撃レベルに限定され、ある体重の範囲の使用者向けに設計されている。
【0006】
さらに他の設計は、特定の切断患者に向けられている。例えば、サイム義足の設計は、残存下肢が長い切断患者向けである。しかしながら、通常の義足の設計は、一般に、残存下肢が長い切断患者、および膝上切断患者などの残存下肢が短い切断患者が使用するようには設計されていない。
【0007】
多くの義足は、その外観をよくするために外装内に封入する設計である。しかしながら、多くの設計では、前記外装内に封入したときの維持管理が困難である。例えば、いくつかの設計における足関節部またはピラミッド部の配置では、義足を外装から取り外しにくく、あるいは足関節またはピラミッド部を義足に連結するボルトに手が届きにくくなる。
【0008】
よって、所望の強度、安定性、動作の滑らかさ、および使用しやすさを提供するように改良された義足に対する要請がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも一実施形態では、義足は、義足を動かしている間により滑らかな、踵から爪先への動きを提供するように形成される。さらに、義足は、残存下肢の長い切断患者および残存下肢の短い切断患者が使用する薄型義足を提供することが好ましい。少なくともいくつかの実施形態では、本義足では、強度および弾性をさらに高め得る。
【0010】
一実施形態では、パイロンまたは他の義肢に取り付けられるように改良されたアダプタが、提供される。アダプタは、その後方部が足部の後部にまたは他の長い支持部に装着され、足部に対して動くように形成された前部を含むことが好ましい。好ましい一実施形態では、アダプタは、足部のおよそ25%後方に装着され、外装からの義足の取り外しをさらに容易にし、アダプタ、および例えばそれを足部に連結するボルトに手が届きやすくする。足部を、撓むように湾曲させ最適化することが好ましい。
【0011】
アダプタは、支持面に対して足部の後部の角度に概ね対応した角度で傾斜するベースまたは下面を有することが好ましい。例えば、アダプタがピラミッド部を含む場合、この角度は、アダプタを足部に取り付けたときに、ピラミッド部が支持面に対して概ね垂直に位置調整されるようなものである。さらに、一実施形態では、アダプタは、義足を動かしている間に、アダプタの前方部が前方へ動くまたは足部上へ「巻きつけ」られ得るように、足部に固定されることが好ましい。例えば、アダプタは、足部にカンチレバー式に固定され、その後方部においてのみ連結される。一実施形態では、アダプタの下面は、アダプタの前方部に隣接して曲率半径により定まる湾曲した部分または縁を含む。前記曲率半径は、動いている間の「巻きつき」を所望の程度提供するように変化させ得る。さらに、アダプタは、ソケット、ピラミッド部、およびチューブクランプコネクタなどの種々の構造体を含み得ることが好ましい。
【0012】
別の実施形態、義足は、足部の前部と後部との中間において足部に装着され、そこから後方へ延びる踵部材をさらに備える。踵部材と足部とは、それらの間に長手方向の隙間を画定し、この隙間は、弾性楔部を受け入れるように形成されることが好ましい。楔部は、踵部材の剛性を変更し踵から爪先への荷重の滑らかさに作用するように形成される。
【0013】
さらに別の実施形態では、足部と踵部材とは、それぞれ少なくとも2つの別々の部材に分けることができ、これらの部材は、動作中に、相互に実質的に別々に、かつ長さ周りに実質的に完全に撓み得る。これによって、義足の安定性が増し得ることが好ましい。
【0014】
少なくとも一実施形態では、本義足は、強度および弾性を改良した。例えば、好ましい一実施形態では、義足は、全ての衝撃レベルにおいて使用されるものと思われる。さらに、本義足は、体重が幅広い範囲で異なる切断患者が使用し得る。
【0015】
一実施形態では、義足は、薄型義足である。薄型義足は、足部の前端部と後端部との間を延びる長さであり、前部および後部を有する足部を含む。後部は、前部に対してかつ支持面に対してある角度で傾斜している。足部はまた、複数の爪先部を有し、この爪先部は、長さに沿って少なくとも一部分が相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記爪先部は、前記足部を通って前端部から、そしてそこから後方へ延びる1つまたはそれ以上の長手方向スロットにより画定される。
【0016】
薄型義足は、前端部から後端部へ延びる長さの踵部材と、概ね平坦な前部および湾曲した後部をも含む。前部は、足部の前端部と後端部との中間において足部に固定されて、足部と踵部材との間に長手方向の隙間を画定する。踵部材はまた、複数の踵部を有し、この踵部は、長さに沿って少なくとも部分的に相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記踵部は、後端部から、そしてそこから前方へ前記踵部材中を延びる1つまたはそれ以上の長手方向スロットにより画定される。
【0017】
さらに、薄型義足はまた、前方部および後方部ならびにベースを有するアダプタを備え、アダプタは、後部においてのみ足部に連結される。前方部は、足部に対して動くように形成される。さらに、ベースは、支持面に対する足部の後部の角度に概ね等しいある角度で支持面に対して傾斜している。ベースの少なくとも一部分は、足部の後部と接触するように形成される。ベースは、前方部に、曲率半径を有する縁が形成され、前方部は、前記縁に沿って足部に巻きつけられるように形成される。
【0018】
別の実施形態では、義足は、薄型義足であって、この義足は、前端部と後端部との間を延び前部および後部を有する足部と、後部は、前部および支持面に対してある角度で傾斜させる。薄型義足はまた、足部の前端部と後端部との中間の場所において足部に連結され、そこから後方へ延びる踵部材を備える。その上、薄型義足は、前方部および後方部ならびにベースを有するアダプタを備え、アダプタは、後方部が足部の後部に連結されている。前方部は、足部に対して動くように適合されている。踵部材のベースはまた、支持面に対してある角度で傾斜しており、ベースの少なくとも一部分は、足部の後部と接触するように形成される。ベースはまた、前方部に、曲率半径を有する縁が形成され、前方部は、縁に沿って足部に巻きつけられるように形成される。
【0019】
さらに別の実施形態では、義足は、薄型義足であり、この薄型義足は、足支持部を備え、この足支持部は、前端部と後端部との間を延び、前部および後部を有し、後部は、支持面に対してある角度で傾斜させる。薄型義足はまた、足支持部に連結される踵支持部を備える。さらに、義足は、前方部および後方部ならびにベースを有するアダプタを備え、ベースは、支持面に対してある角度で傾斜させる。アダプタは、足支持部の後部に装着される。前方部を、足支持部に対して動くように形成すると同時に、ベースの少なくとも一部分を、足支持部の後部と接触するように形成する。
【0020】
さらに別の実施形態では、ソケット、パイロンまたは同様のものなどの中間義肢に義足を連結する際に使用するアダプタが、提供される。アダプタは、ピラミッド部を備え、このピラミッド部は、アダプタの上部に設けられ、ピラミッド部は、支持面に対して前記ピラミッド部の中を概ね垂直に延びる軸線を定める。アダプタはまた、アダプタの長さに沿って延びるアダプタ下部に設けられたベースを備える。ベースは、傾斜した面を有し、この面は、支持面に対してアダプタの前方部から下方部へ上方に傾斜している。上方部に沿ったベースは、巻きつき面を有し、この巻きつき面は、アダプタを義足に連結したときに、アダプタと義足との間の相対的な動きを可能にするように適合されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1〜図2Aに義足100の一実施形態を示す。義足100は、足部または支持部10を含み、この足部または支持部10は、前端部12と後端部14との間を延びる長さLを有した長い構成にし得ることが好ましい。本明細書において使用するように、長さLは、義足100が載る支持面Sに平行な面に沿った足部10の水平方向の長さをいう。一実施形態では、長さLは、義足100の特定の大きさに対応しておよそ18cmと30cmとの間であり得る。一実施形態では、長さLは、約23cmである。足部10の端部12、14は、半円形または湾曲した縁を有することが好ましい。足部10は、前部12aおよび後部14aも備え、前部12aは、前爪先部12bを含み得ることが好ましい。好ましい一実施形態では、足部10は、一般に、人の足裏のような形状を含み、また長さLは、人の足の自然な長さと概ね等しいものであり得る。あるいは、足部10は、もっと短くてもよい。さらに、足部10は、例えば横断方向にまたは長手方向に相互に分離する複数の部品を含み得る。別の実施形態では、足部10は、一体型の部品であり、実質的に平坦で、長さLに沿って実質的に長方形の横断面を具え得る。
【0022】
図1に示すように、義足100は、さらに踵部材20を含み、この踵部材20は、前端部12と後端部14との中間の足部10の位置から後方に延びる長い構成を具え得る。任意に、踵部材20は、足部10の後端部14を越えて延ばし得る。足部10と同様に、踵部材20は、実質的に平坦であり、その長さに沿って実質的に長方形の横断面を具え得る。踵部材20は、足部10の前端部12と後端部14との間の中間の位置からのみ延びるものとして示しているが、踵部材20が、実質的に踵から爪先へ延びる足部の一部分でもよいことが、理解されるだろう。足部10と同様に、踵部材20は(または踵部材20が一部分となり得るどんな足部も)、1つの一体型の部品である必要はなく、例えば、横断方向または長手方向に相互に分離される複数の部品を含み得る。踵部材20が、長い部材である必要はなく、踵支持部を提供する他の形状でもよいこともまた理解されるだろう。いくつかの実施形態では、別々の踵部材20さえ必要でない場合がある。
【0023】
義足100はまた、足部10の後端部14の近くにおいて足部10に装着されるアダプタ30を備える。アダプタ30の特徴を以下にさらに説明する。
【0024】
図2Aに、図1に示した義足100の側面図を示す。足部10の前部12aは、概ね平坦で、支持面Sに対して概ね平行または水平に延びることが、好ましい。後部14aは、前部12aおよび支持面Sに対して概ね傾斜している。例えば、足部10の後部14aは、支持面Sに対して角度αで延び得る。一実施形態では、角度αは、およそ10度と45度との間であり得る。角度αは、約20度であることがさらに好ましい。前記傾斜した後部14aは、支持面Sから後端部14までの踵の高さHを定める。好ましい一実施形態では、踵高さHは、およそ40mmと70mmとの間であり得る。踵の高さHは、約60mm以下であり得ることがさらに好ましい。
【0025】
好ましい一実施形態では、図2Aの足部10は、足部10の前部12aと後部14aとの間を一定の傾斜で(すなわち直線状に)延び得る。別の好ましい実施形態では、前記足部10は、前部12aと後部14aとの間を、徐々に連続して上向きに湾曲して延び得る。例えば、足部10は、前部12aと後部14aとの間を、徐々に傾斜を増して延び得る。さらに別の好ましい実施形態では、前部12aと後部14aとの間の傾斜は、一定の傾斜と徐々に増していく傾斜との組み合わせを含み得る。例えば、足部10は、まず前部12aから、傾斜が徐々に増していき、一定の傾斜に移行して延び得る。同様に、足部は、まず前部12aから、一定の傾斜になり、徐々に増していく傾斜に移行して延び得る。
【0026】
足部10は、図2Aに示すように、踵接地から爪先離地を通じて動作中に撓むように適合されかつ所望の強度を有する材料からなることが好ましい。好ましい一実施形態では、足部10は、炭素繊維、例えばエポキシ樹脂バインダを使用して製造し得る。しかしながら、ガラス、ケブラー(Kevlar:登録商標)、およびナイロンなどの他の種類の繊維を使用して、切断患者に合った軽量さおよび構造上の特徴、ならびに動特性を保証し得る。足部10は、長手方向の繊維を結合し荷重がかかっても分離しないように少量の横断方向の繊維を散在させた長手方向(長さ方向)の繊維の組み合わせを使用して形成することが好ましい。一実施形態では、長手方向または90度の繊維、および横断方向または0度の繊維を使用してもよい。しかしながら、他の繊維構成を用いてもよい。例えば、長手方向および横断方向の繊維を、相互に45度などの種々の角度に構成してもよい。長手方向の繊維は、相互に直接接して配置された層に構成することが好ましい。例えば、層は、相互に重ね合わせ、封入用ポリマーにより作動関係に維持されて、層の厚さにより決まる曲げ応力を受けやすくなり得る。層の数は、義足100のサイズで変更することが好ましい。例えば、小さめの義足100の足部10では、大きめの義足100の足部10よりも、含まれる層の数を少なくし得る。したがって、足部10の厚さTは、製造される義足100に使用する層の数で変化することになる。さらに、足部10の製造の際に使用に適する材料の詳細が、米国特許第4,547,913号、および4,822,363号明細書に見い出すことができ、これらの両方は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
図2Aの足部10は、例えば、射出成形を用いて、かつ/または熱可塑性材料およびプロセスを用いて、あるいはそれらをある範囲で種々に組み合わせたものを用いて製造し得る。好ましい一実施形態では、チョップドファイバーを熱可塑性または熱硬化性樹脂中に混合し、その結果生じた混合物が、適切な形状に射出成形される。別の好ましい実施形態では、その代わりにまたはさらに、射出成形された芯の周りに熱可塑性層を巻き付け、または熱可塑性樹脂を、熱可塑性または熱硬化性層同士の間に射出成形してもよく、それにより、層が、被射出成形材料に結合される。
【0028】
図2Aに示した好ましい一実施形態では、クレープ部16が、足部10の前部12aの下側に取り付けられ、また前部12aを過ぎて延びないように足部10の前部12aと揃えられる。クレープ部16は、弾性パッドまたはクッションを含むことが好ましい。例えば、クレープ部16は、圧縮可能な材料からなり得る。クレープ部16はまた、多孔性材料からなり得る。一実施形態では、クレープ部16は、硬いウレタンからなり得る。好ましい一実施形態では、クレープ部16は、接着剤で足部10の前部12aに取り付けられる。しかしながら、ボルト、ねじ、およびクレープ部16および足部10に巻き付けるバンドなどの他の取付手段を使用してもよく、またクレープ部16は、足部10の形状に対応する形状を有するように形成されることが好ましい。例えば、クレープ部16は、前端部12の丸い縁に対応する丸い縁を具え得る。ここに示した実施形態では、クレープ部16は、均一の厚さ16aを有する。別の好ましい実施形態では、クレープ部16の厚さを変化させ得る(図6Aを参照)。例えば、クレープ部16の厚さ16a’を足部10の前端部12の方向に薄くし得る。他の好ましい実施形態では、足部10には、クレープ部16が取り付けられず、その結果、足部10の前部12aが、適切に作用するように支持面Sと接触する。
【0029】
図2Aに示した実施形態では、足部10の厚さTは、後端部14から前端部12へ概ね均一である。厚さTは、約2.5mmと15mmとの間であることが好ましい。厚さTは、約7mmであることがさらに好ましい。別の好ましい実施形態(図6を参照)では、足部10の厚さT’は、前端部12と後端部14との間において変化する。例えば、厚さT’は、後部14aから足部10の前部12aへ薄くなり得る。好ましい一実施形態では、厚さT’は、後端部14において約7mmと約10mmとの間を変化し、前端部12において約2.5mmと約5mmとの間を変化し得る。厚さT’は、後端部14における約8mmから前端部12における約3mmへ変化することがさらに好ましい。さらに、好ましい一実施形態では、厚さT’は、同様にクレープ部16の厚さ16a’に変化し得る。例えば、図6に示すように、足部10の厚さT’およびクレープ部16の厚さ16a’は、足部10の前端部12へ向かって薄くし得る。別の実施形態(図示せず)では、厚さT’、16a’は、反対方向に変化し得る。例えば、厚さT’は、足部10の前端部12へ向かって薄くし得、また厚さ16aは、前端部12へ向かって厚くし得る。上述のように、所与の数値が対応の義足のサイズおよびレイアップで変化することを、当業者は理解するだろう。
【0030】
図2Aにおいて最もよく分かるように、一実施形態では、踵部材20は、前端部22と後端部24との間延びる長さL’を有し、足部10の前端部12と後端部14との間の中間の場所において足部10に取り外し可能に連結される。踵部材20は、少なくとも1つのコネクタ18により足部10に連結されることが好ましい。ここに図示した実施形態では、コネクタ18は、足部10を踵部材20の前部22aに連結する2つのボルトを含む。しかしながら、コネクタ18は、リベット、溶接部、ねじ、および接着剤などの他の構造物を含み得る。さらに、コネクタ18はまた、足部10および踵部材20の周りに巻き付けられる弾性バンド含み得る。別の好ましい実施形態では、踵部材20は、足部10と一体成形し得る。踵部材20は、長さL’に沿って実質的に長方形の横断面を有することが好ましい。
【0031】
図2Aに示すように、踵部材20は、連結部から後方へ踵部材20の後部24aに向かって延びている。ここに示した実施形態では、踵部材20は、長さ方向に湾曲した形状を含み、前部22aは、全体に平坦で、後部24aは、全体に湾曲している。例えば、後部24aは、概ねS字状に湾曲し得る。ここに示した実施形態では、踵部材20は、厚さτを有しており、この厚さτは、後部24における最小から前部22aにおける最大へ変化する。厚さτは、後部24aにおいて約2.5mmと約5mmとの間を変化し、前部22aにおいて約5mmと約10mmとの間を変化することが好ましい。厚さτは、後部24aにおける最小約3mmから前部22aにおける最大約7mmへ変化することがさらに好ましい。別の好ましい実施形態(図示せず)では、後部24aと前部22aとの間の厚さτ’を均一にし得る。さらに別の好ましい実施形態(図示せず)、最大厚さτは、踵部材20の前部22aとクレープ部16とが、支持面Sと接触するように適合された概ね均一な接触面Cを提供するように、クレープ部16の最大厚さ16aと概ね等しくすることができる。上述のように、上記の数値は、対応の義足のサイズおよびレイアップで変化することを、当業者は理解するだろう。
【0032】
図1、図3および図5に示すように、踵部材20はまた、幅方向に湾曲した形状であり得る。例えば、踵部材20は、丸くなったまたは湾曲した後端部24を有し、また幅W’を有し、この幅W’は、後端部24における最小の幅から前端部22における最大の幅へ変化する。幅W’は、後部24aが約30mmと約50mmとの間を変化し、前部22aが約55mmと約75mmとの間を変化する。ここに図示した実施形態では、幅W’は、前部22aの約65mmと、後部24aの約50mmとの間を変化する。一実施形態では、幅W’は、後端部24と前端部22との間において徐々にかつ連続して湾曲する縁25により定められる。別の実施形態では、縁25は、幅W’が一定の断面と徐々に広くなっていく断面とを含むように、後端部24の近位に直線部25aを、かつ前端部22の近位に湾曲部25bを具え得る。踵部材20は、足部10から後方に延びて、踵部材20と足部10との間に長手方向の隙間26を画定することが好ましい。踵部材20は、同様に、かつ足部10に関して上述したものと同じ材料から製造し得る。さらに、好ましい一実施形態(図示せず)では、クレープ部は、支持面Sと接触するように、踵部材20の後部24aに取り付け得る。
【0033】
図2Aにおいて最もよく分かるように、アダプタ30には、前方部32および後方部34が形成され、また主軸線Xを有している。さらに、図2Bに示すように、アダプタ30は、下部30aに、後方部34から前方部32へ延びるベース35が形成されることが好ましい。ベース35は、約50mmと約65mmとの間の長さであることが好ましい。ここに示した実施形態では、ベースの長さは、約55mmである。ベース35は、概ね支持面Sに対して角度β傾斜している。角度βは、支持面Sに対する後部14aの角度αと概ね等しいことが好ましい。さらに、一実施形態では、ベース35の傾斜は、概ね足部10の傾斜に対応している。例えば、足部10が、上述のように一定の傾斜である場合、アダプタ30のベース35もまた、前記の一定の傾斜を有することが好ましい。アダプタ30は、少なくとも1つのアダプタコネクタ36を介して足部10の後部14aに取り外し可能に連結されることが好ましい。アダプタコネクタ36は、足部10をアダプタ30の後方部34にのみ連結することが好ましい。ここに示した実施形態では、アダプタコネクタ36は、2つのボルトを含んでいる(図5も参照)。しかしながら、アダプタコネクタ36は、ねじ、リベット、溶接部、接着剤、およびアダプタ30および足部10の周りに巻き付けられるバンドなどの他の構造物を含み得る。さらに、一実施形態では、アダプタ30は、例えば、接着剤、樹脂、または同様のものにより、足部10の後部14に永続的に取り付けてもよい。したがって、好ましい実施形態では、アダプタ30の後方部34は、足部10が撓んだときアダプタ30の前方部32が足部10に対して動き得るようにしたままで、足部10に対して固定状態に維持される。さらに詳細を以下に説明する。
【0034】
図1〜図2Bに示すように、アダプタ30の一実施形態は、その上部30bにピラミッド部37を含み、このピラミッド部37は、パイロンまたは他の義肢(図示せず)に連結するように適合されている。ピラミッド部37は、概ね平坦な上面37aおよび少なくとも1つの側面37bを有している。ここに示す実施形態では、側面37bは、軸線Xに対して傾斜した概ね平坦な4つの面を含んでいる。しかしながら、他の実施形態では、側面37bは、円筒形の面を含み得るか、または軸線Xに対して概ね平行に延び得る。
【0035】
任意に、アダプタ30には、図2A〜図2Bに示すように、アダプタ30の重量を減少させるように形成された凹面38が画定され得る。ここに示す実施形態では、凹面38は、前方部32に形成されアダプタ30の円周周りを部分的に延びる溝である。しかしながら、凹面38は、円周方向に延びるチャネルなどの他の形状にしてもよい。さらに、穿孔、スロットまたは同様のものなどの他の手段を使用して、アダプタ30の重量を減少させ得る。
【0036】
図2Aについて説明を続けると、アダプタ30は、足部10のおよそ20%から33%後方に配置されるように足部10に装着されることが好ましい。一実施形態では、アダプタ30は、足部10のおよそ25%後方に配置されるように装着されることが、さらに好ましい。例えば、足部10の長さLが約12インチである場合、アダプタは、足部10の後方3インチのところに装着されることが好ましい。
【0037】
図2Bに示すように、ベース35は、アダプタ30の前方部32に縁40が形成され、足部10に巻きつけられるように形成されている。例えば、ここに示す実施形態では、縁40は、後述するように、義足100を動かしている間に、アダプタ30が足部10に巻きつけられるように、ベース35に対して半径Rで湾曲している。曲率半径Rは、約0.5cmと4cmとの間であることが好ましい。ここに示す実施形態では、曲率半径Rは、約1cmである。しかしながら、縁40は、アダプタが足部10に巻きつけられるように、湾曲させなくてもよく、または半径Rでなくてもよい。別の実施形態(図示せず)では、アダプタのベース35は、実質的に平坦にし、かつベース35と足部10との間に長手方向の間隙を画定するように後方部34から前方部32へ延ばすようにしてもよい。したがって、義足100を動かしている間、前方部32は、足部10に対して動くか、またはそれに巻きつけられ得る。別の実施形態(図示せず)では、ベース35は、平坦な部分および湾曲した部分を含み得る。例えば、ベース35は、後方部34に概ね平坦な部分と、前方部32に概ね湾曲した部分とを具え得る。別の実施形態(図示せず)では、ベース35は、後方端部34に概ね湾曲した部分と、前方部32に概ね平坦な部分とを具え得る。さらに別の実施形態(図示せず)では、ベース35は、複数の概ね平坦な部分または棚状部を含み得、各部分は、支持面Sに対して異なる角度で傾斜している。
【0038】
図1〜図5に示すアダプタ30は、義足100にかかると予想される荷重に対応する適切な強度および剛性の特性を有する金属または合金からなることが好ましい。低めの荷重または中間の荷重をかけられる義足100の実施形態では、アダプタ30は、アルミニウム、ステンレススチール、または同様のものからなり得る。大きな荷重がかけられる義足100の実施形態では、アダプタ30は、チタンなどの金属からなり得る。
【0039】
図6Aに、少なくとも1つの弾性楔部50を含む義足100の一実施形態を示す。少なくとも1つの楔部50が、足部10と踵部材20との間の隙間26内に取り外し可能に配置されることが好ましい。任意に、複数の楔部50を隙間26内に配置する場合がある。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの楔部50は、例えば接着剤により、隙間26内に固定され得る。種々の他の手段を使用して、楔部50を隙間26内に固定してもよい。例えば、楔部50を踵部材20および/または足部10にボルト留めまたはねじ留めしてもよい。少なくとも1つの楔部50は、義足100への衝撃吸収部を追加するように形成されることが好ましい。一実施形態では、楔部50は、例えば、ポリウレタンまたはポリプロピレンなどの硬質プラスチックからなり得る。楔部50はまた、フォーム、天然または合成ゴム、または同様のものなどの、さらに圧縮し得る材料からなり得る。しかしながら、楔部50は、義足100に対する適切な衝撃吸収を提供するように形成されたどんな材料からもなり得る。各楔部50の剛性が異なる一組のこのような楔部50も設け得る。
【0040】
図6Bに示すように、楔部50は、前端部52と後端部54との間を延びている。好ましい構成では、楔部50は、概ね三角形の長手方向断面を有し、上面56および底面58は、前端部52において共通の縁52aから後端部54へ角度γの広がりをみせている。背面59は、後端部54において上面56と底面58とを連結している。ここに図示した実施形態では、上面56および底面58は、概ね平坦であり得る。別の実施形態(図示せず)では、面56、58は、足部10および踵部材20の対応の形状に概ね従うような形状にし得る。楔部50は、長さが約40mmと約60mmとの間、幅が約30mmと約55mmとの間、高さが約2mmと約10mmとの間にし得ることが好ましい。楔部50はまた、約60Aと約95Aとの間のデュロメーターを有することが好ましい。楔部50は、約85Aのデュロメーターを有することが、さらに好ましい。角度γは、約1度と7度との間を変動することが好ましい。例えば、一実施形態では、楔部50は、約2度の角度γであり得ることがさらに好ましい。別の実施形態では、楔部50は、約4度の角度γであり得る。さらに別の実施形態では、角度γは、約6度であり得る。別の実施形態では、角度γは、約8度であり得る。さらに別の実施形態では、角度γは、約10度であり得る。
【0041】
図3に、図1に示した義足100の平面図を示す。ここに示した実施形態では、足部10の後部14aは、足部10の前部12aに対してテーパーがつけられており、その結果、後部14aの方が、幅が狭い。例えば、足部10の幅Wには、後端部14へ向かってテーパーをつけ得る。好ましい一実施形態では、幅Wは、湾曲部の形態になど、足部10の前端部12から後端部14へ徐々にかつ連続してテーパーをつけ得る。好ましい別の実施形態では、足部10は、長さLの一部分に沿って概ね一定の幅Wを具え、その後、後端部14へ向かってテーパーをつけ得る。さらに別の実施形態では、足部10は、前端部12から後端部14へ概ね一定の幅Wを具え得る。
【0042】
図3に示すように、少なくとも1つの実施形態では、義足100は、足部10を具え得、この足部10は、複数の別々の踵部に分けられ、踵部は、その長さに沿って少なくとも部分的に相互に実質的に別々に撓むように形成される。ここに示す実施形態では、足部10は、2つの別々の爪先部10a、10bに分けられる。例えば、足部10は、少なくとも1つの長手方向スロット60を含み得、このスロット60は、実質的に一定の幅を有し、前部12aから、足部10の後部14aに隣接した後の部分へ延びる。一実施形態では、スロット60は、アダプタ30を足部10に連結するとアダプタ30の場所の下側を延び得る。別の実施形態では、スロット60は、アダプタ30の前方部32の前の場所へ足部10に沿って部分的に延び得る。さらに他の実施形態では、スロット60は、足部10の前部12aに隣接した場所へ延び得る。ここに示した実施形態では、図5に示すように、各コネクタ18が、別々の各爪先部10a、10bを踵部材20に連結する。
【0043】
図4〜図5に、図1に示した義足100の正面図および背面図をそれぞれ示す。足部10に関して、踵部材20は、複数の別々の踵部に分けることができ、これらの踵部は、その長さに沿って少なくとも部分的に、実質的に別々に相互に撓むように形成される。ここに示した実施形態では、踵部材20は、2つの別々の踵部20a、20bに分かれている。例えば、踵部材20は、少なくとも1つの長手方向スロット62を含み得、このスロット62は、前端部22から後端部24へ踵部材20の長さL’に沿って延びる実質的に一定の幅を有する。別の実施形態では、スロット62は、前端部22から踵部材20の後端部24の近くの場所へ、踵部材20に沿って部分的に延び得る。さらに他の実施形態では、スロット62は、後端部24から踵部材20の前端部22に隣接した場所へ延び得る。義足100は、踵部20a、20bと同じ数の別々の爪先部10a、10bを有することが好ましい。よって、各コネクタ18は、爪先部10a、10bの一方を、対応する踵部20a、20bに連結する。分かれた足部および踵部材のさらなる詳細が、米国特許第5,181,933号および第6,071,313号明細書中にあることが分かっており、これらの両方が、参照によって、組み込まれる。
【0044】
図5に示すように、アダプタコネクタ36は、アダプタ30の後方部34を足部10の後部14aに取り外し可能に連結する2つのボルトを含む。ここに示す実施形態では、アダプタ30は、パイロンまたは他の義肢を義足100に連結するためのピラミッド形アダプタを含む。しかしながら、本発明の実施形態とともに他のタイプのアダプタを使用してよいことを、当業者は理解するだろう。例えば、アダプタ30のベース35に類似する、傾斜した下面を有するソケット、チューブクランプまたはパイロンを、義足100に取り外し可能に連結し得る。好ましい実施形態では、軸線Xは、使用するアダプタの長手方向軸線と一致する。例えば、軸線Xは、パイロン、ソケット、またはチューブクランプの長手方向軸線と一致することになる。さらに、軸線Xは、義足100が静止状態のとき、実質的に垂直であることが好ましい。上述のように、アダプタ30はまた、ピラミッド、ソケット、チューブクランプ、パイロン、または同様のものであってもそうでなくても、例えば、接着剤、樹脂または同様のものにより、足部10に永続的に取り付け得る。
【0045】
図7に、足部10の後部14aに取り外し可能に連結されるアダプタ30’を有する義足100の別の実施形態を示す。ここに示した実施形態では、アダプタ30’には、その前方部32’に半径R’の縁40’が形成されている。半径R’は、図1に示した義足の半径Rより小さく、その結果、ベース35’の曲率がさらに強調されることが好ましい。よって、ここに示した実施形態は、義足100を動かしている間に、アダプタ30’の足部10への巻きつき効果を高めるように形成される。半径R’は、所望の巻きつき効果を提供するように選択的に変化させ得る。しかしながら、アダプタ30に関して上に説明したように、ベース35’は、湾曲させる必要はなく、あるいはアダプタ30’が足部10に巻きつけられる半径R’を具える必要はない。上述のように、ベース35’は、概ね平坦にし、概ね湾曲させ、またはそれらを組み合わせ得、足部10に巻きつけられるようになお適合させ得る。
【0046】
図8〜図11に義足200の別の実施形態を示す。義足200は、上述の義足100と概ね同じ構造を有し、同様に作動するように形成されている。したがって、同様の構成要素は、同じ参照番号の後に「’’’」をつけて特定している。
【0047】
図8〜図9に示すように、義足200は、足部10’’’と、足部10’’’の前端部12’’’および後端部14’’’の中間の場所から後方に延びる踵部材20’’’と、足部10’’’の後部14a’’’に装着されるアダプタ30’’’とを備える。足部10’’’は、長さL’’’が約11cmと約22cmとの間、高さH’’’が約3cmと約4cmとの間、幅W’’’が約4.5cmと約6cmとの間、厚さT’’’が約1.5mmと約6mmとの間である。ここに示した実施形態では、足部10’’’は、長さL’’’が約13cm、高さH’’’が約3cm、幅W’’’が約5cm、厚さT’’’が3mmである。同様に、踵部材20’’’は、長さDが約9cmと約12.5cmとの間、幅Eが約30mmと約55mmとの間、厚さτ’’’が約1.5mmと約7mmとの間である。ここに示した実施形態では、踵部材20’’’は、長さDが約10cm、幅Eが約3.5cm、厚さτ’’’が、前端部22’’’における約5mmと、後端部24’’’における3mmとの間を変化する。別の実施形態(図示せず)では、踵部材20’’’は、一定の厚さτ’’’を具え得る。同様に、いくつかの実施形態では、足部10’’’は、前端部12’’’と後端部14’’’との間において可変の厚さτ’’’を具え得る。
【0048】
図8および図10において最もよく分かるように、好ましい一実施形態では、足部10’’’の前部12a’’’は、少なくとも2つの爪先部10a’’’、10b’’’を含む。前記爪先部10a’’’、10b’’’は、足部10’’’を前端部 12’’’から後方へ延びる少なくとも1つの長手方向スロット60’’’により画定されることが好ましい。ここに示した実施形態では、長手方向スロット60’’’は、前端部12’’’から足部10’’’内へ約3cm延びる。しかしながら、足部10’’’は、足部10’’’内へさらに延びるスロット60’’’を具えるように形成し得る。一実施形態では、スロット60’’’は、サンダルまたは同様の履物のひもを受け入れるように適合される。別の実施形態では、スロット60’’’は、外観がさらによく好ましいフットカバーを提供するために、爪先部10a’’’と10b’’’との間に対応のスロットを有するフットカバーを受け取るように適合される。
【0049】
好ましい一実施形態では、図8〜図10に最もよく示されているように、義足200はまた、足部10’’’の前部12a’’’に取り付けられるクレープ部16’’’を含む。図10に示すように、クレープ部16’’’は、前端部16b’’’を有し、この前端部16b’’’は、足部10’’’の前端部12’’’より前へ延びることが好ましい。さらに、クレープ部16’’’はまた、クレープ部16’’’を延びる長手方向スロット16c’’’を有する。スロット16c’’’は、足部10’’’のスロット60’’’と位置が揃うように形成されることが好ましい。ここに示す実施形態では、スロット60’’’、16c’’’は、足部10’’’の中心線に対応する軸線Yからずれている。別の好ましい実施形態では、スロット60’’’、16c’’’は、軸線Yと位置を揃えてもよい。
【0050】
図9に示すように、アダプタ30’’’は、前方部32’’’と後方部34’’’との間を延びる長い本体31’’’を有する。アダプタ30’’’はまた、ベース35’’’を有し、その少なくとも一部分は、アダプタ30’’’を足部10’’’に連結すると足部10’’’に接触する。アダプタ30’’’にはまた、前方部32’’’に、ベース35’’’に沿って縁40’’’が形成される。ここに示す実施形態では、縁40’’’は、アダプタ30’’’が、義足200を動かしている間に足部10’’’に巻きつけられるように形成されるような、ベース35’’’に対する半径R’’’で、湾曲している。曲率半径R’’’は、約5cmと約10cmとの間であることが好ましい。ここに示す実施形態では、曲率半径R’’’は、約7cmである。しかしながら、上述のように、ベース35’’’は、アダプタ30’’’を足部10’’’に巻きつけるために、湾曲させる必要はなく、または半径R’’’を有する必要はない。他の実施形態では、ベース35’’’は、概ね平坦な部分、または平坦な部分と湾曲した部分との組み合わせを含み得、ベース35’’’は、義足200を動かしている間に足部10’’’に対して動くように適合される。例えば、ベース35’’’は、足部10’’’に対して、長手方向の間隙(図示せず)をそれらの間に画定するように延び得る。さらに、図10に示すように、好ましい一実施形態では、アダプタ30’’’の本体31’’’には、後方部34’’’から前方部32’’’へテーパーがつけられている。
【0051】
図9に示す実施形態では、アダプタ30’’’は、アダプタコネクタ36’’’により足部10’’’に取り外し可能に取り付けられる。一実施形態では、コネクタ36’’’は、足部10’’’にアダプタ30’’’を連結する2つのボルトを含み得る。別の実施形態には、コネクタ36’’’は、4つのボルトを含み得る。ここに示す実施形態では、遠位コネクタ36a’’’が、アダプタ30’’’の後方部34’’’に取り付けられ、近位コネクタ36b’’’が、前方部32’’’に取り付けられる。しかしながら、遠位コネクタ36b’’’は、アダプタ30’’’が足部10’’’に巻きつけられるように、アダプタ30’’’の先端44から十分な距離をおいて配置されることが好ましい。一実施形態では、近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約10%またはそれ以上である。近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの少なくとも約20%またはそれ以上であることがさらに好ましい。近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約30%またはそれ以上であることがさらになお好ましい。別の実施形態では、近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約40%またはそれ以上である。ここに示す実施形態では、近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約35%である。別の実施形態では、アダプタ30’’’は、例えば、接着剤、樹脂または同様のものにより、足部10’’’に永続的に取り付けられ得る。
【0052】
実際に、図1〜図11の義足100は、他の義足設計に比較して滑らかな、踵から爪先への動作を提供することが好ましい。使用者が、踵接地から爪先離地へ進むと、アダプタ30は、足部10へ巻きつけられて、足部10の後部14aが、前部12aの方へ撓む。図1〜図6Bにおいて上述した実施形態では、アダプタ30は、その後方部34において足部10に連結されているだけなので、巻きつけられて、前方部32が足部10に対して自由に動く状態である。しかしながら、図8〜図11に示す実施形態において説明するように、アダプタ30’’’は、前方部32’’’が足部10’’に対して自由に動き得る足部10’’’のどんな場所に連結してもよい。例えば、アダプタ30’’’は、アダプタ30’’’の前方部32’’’と後方部34’’’との中間の場所において連結してもよい。
【0053】
図1〜図11に開示した実施形態に関して、巻きつき効果の程度は、少なくとも部分的にアダプタ30の曲率半径Rによる。例えば、曲率半径Rが小さいと、ベース35の湾曲面が著しくなり、巻きつき効果が高まる。巻きつき効果によって、足部10が、通常のアダプタ30を有する義足よりも大きく撓んで、よって、足の動きがさらに滑らかになる。さらに、曲率半径Rによって、アダプタ30が足部10に巻きつけられるにつれて、足部10が漸進的に補強され得ることが好ましい。巻きつき効果によって、踵接地から爪先離地の間にエネルギーを蓄積し放出する効率がさらによくなり得る。しかしながら、上述のように、アダプタ30は、足部10に巻きつけられるように、半径Rまたは湾曲面を有するベース35を具える必要はない。
【0054】
図1に示した実施形態などの義足100の別の利点は、薄型であるという特質によって、残存下肢が長い切断患者も、残存下肢が短い切断患者も義足100を使用し得ることである。義足100が薄型であるという特質によって、義足100を覆う外装70内に完全に収容され得(例えば、図7を参照)、さらに外観がよい設計が得られることが好ましい。
【0055】
図1〜図11の義足100のさらに別の利点は、上述のように、足部10が傾斜しているという特質であって、これによって、義足100を動かしている間に、足部10が撓み得る。さらには、後部14aを傾斜させることによって、アダプタ30を巻きつけている間に足部10を撓ませることが容易になり、その結果、足部10の撓みが増すことが好ましい。これは、後ろの足部の部分が支持面に対して概ね水平で前記足部の撓みが促進されない通常の義足の設計(図示せず)に対する改良である。足部10を傾斜させることによって、例えば、C字形のばねおよび同様のものを使用する義足設計と対比して、義足100の構造高さを薄くすることができる。しかしながら、足部10を傾斜させても、アダプタ30に手を届きやすくするのに十分な構造高さであり得ることが好ましい。
【0056】
図1〜図7における義足100の別の利点は、通常の設計に対して強度が増すことと信頼性が高まることとである。特に、本義足100は、全ての衝撃レベルにおいて使用できることと、幅広い範囲で体重が異なる切断患者が使用できることとにおいて評価されることが好ましい。例えば、好ましい一実施形態では、義足100は、体重が約165kgまでの切断患者が使用し得る。さらには、義足100は、義足100を動かしている間に効率よくエネルギーの蓄積および放出を行うようになお撓みながらも、足部10の強度が通常の義足設計よりも高くなるように製造される。
【0057】
上述のように、図1〜図7に示すアダプタ30は、足部10を外装70内に配置すると、足部10の後ろ25%のところに配置されることが好ましい。アダプタ30の前記配置によって、足部10の前部12aの撓みが増し得ることが好ましい。前記アダプタ30の配置によって、アダプタ30が概ね外装70内の開口部に対して中心に配置され、外装70からの義足100の取り外しが容易になり得ることが好ましい。さらに、アダプタ30を配置することによって、アダプタコネクタ36へ容易に手が届く。
【0058】
先行技術を以上に達成される本発明および利点の概要を述べるために、本発明のいくつかの目的および利点を上に述べてきた。当然ながら、必ずしも全てのこのような目的または利点が、本発明のどんな特定の実施形態により達成され得るわけではないことが理解される。よって、例えば、本明細書に教示または示唆し得る他の目的または利点を必ずしも達成せずに、本明細書に教示した1つの利点または利点群を達成しまたは最適化するように、本発明を実施または実行し得ることを、当業者は理解するだろう。
【0059】
図1〜図11に示す実施形態では、足部10、10’’’の長さL、L’’’は、足部10、10’’’が義足100、200の踵から爪先まで延びるように、義足100、200の長さと実質的に一致する。しかしながら、足部10、10’’’を、義足100、200の全長にわたって延ばす必要はない。いくつかの実施形態では、足部10、10’’’は、義足100、200の前端部の後方の場所へ延び得、かつ/また義足100、200の前端部へ延びる別の部材(図示せず)に連結し得る。図1〜図11における実施形態は、足部10、10’’’の前端部12、12’’’と後端部14、14’’’との中間の場所から後方へ延びる踵部材20、20’’’も示している。しかしながら、踵部材20、20’’’を、足部10、10’’’の長さL、L’’’の中間の場所から延ばす必要はない。いくつかの実施形態では、踵部材20、20’’’を、足部10、10’’’の後端部14、14’’’から延ばし得る。他の実施形態では、踵部材20、20’’’を、足部10、10’’’の前端部12、12’’’から延ばし得る。さらに別の実施形態では、足部10、10’’’の前端部12、12’’’を、踵部材20、20’’’の前端部22、22’’’と後端部24’’’との中間の場所から延ばし得、この場所において、踵部材20、20’’’は、支持面に対して概ね平行である。
【0060】
これらの態様の全ては、本明細書に開示した本発明の範囲内であるものとする。本発明のこれらおよび他の態様は、添付の特許請求の範囲、および添付の図を参照しての前の好ましい実施形態の詳細な説明から、当業者に容易に明らかとなり、本発明は、本明細書に開示した特定のいかなる好ましい実施形態も限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る義足の上部斜視図である。
【図2A】図1に示した義足の実施形態側面図である。
【図2B】図2Aに示したアダプタの拡大図である。
【図3】図1に示した義足の実施形態の上面図である。
【図4】図1に示した義足の実施形態の正面図である。
【図5】図1に示した義足の実施形態の背面図である。
【図6A】弾性楔部を含む別の義足の実施形態の側面図である。
【図6B】図6に示した弾性楔部の外観図である。
【図7】アダプタが異なる別の義足の実施形態の側面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る義足の上部斜視図である。
【図9】図8に示した義足の側面図である。
【図10】図8に示した義足の平面図である。
【図11】図8に示した義足の正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概ね下肢の義足に関し、一実施形態では、足部に連結されるアダプタを有する義足に関し、当該アダプタは、足部の撓みを改善し得るように構成されている。
【背景技術】
【0002】
設計が異なる義足は、当該技術において周知である。種々の通常の設計では、義足に関連する種々の制限を解決する必要がある。
【0003】
いくつかの通常の設計では、人の足の自然なストライドの滑らかな動作を感じる範囲を提供しようと試みている。一解決法として、ばねを組み込んで、義足を動かしている間にエネルギーを蓄積し放出することがある。このようなばねは、C字状またはU字状などの異なる形状にし得る。しかしながら、このような足の設計は、嵩高くなりやすく、また外装内に全体を収容することが難しい場合がある。さらに、いくつかの例では、ばねの効率は、長期使用後に低下して、義足を動かしている間のエネルギー蓄積および放出の効率が低下する結果になる恐れがある。
【0004】
他の通常の設計では、人の足の可撓性および安定性を提供しようとしている。一解決法として、その長さの少なくとも一部分に沿って分かれた足部を提供することがある。よって、分かれた足部は、個々の「爪先」からなり、これらの爪先は、相互に、実質的に別々に撓み得る。これによって、義足の安定性が向上し得る。しかしながら、爪先が分かれた足部だけでは、人の足の自然なストライドの所望の滑らかな動作範囲を得られない。
【0005】
さらに他の設計では、頑丈でおよび弾性のある義足を提供しようとしており、この義足は、義足の強度に焦点を合わせることにより、幅広い範囲の、歩行、走行、および跳躍などの活動レベルを吸収し得る。それに応じて、所望の強度および重量を提供するように、義足の製造に種々の材料を使用してきた。しかしながら、多くの義足設計は、ある衝撃レベルに限定され、ある体重の範囲の使用者向けに設計されている。
【0006】
さらに他の設計は、特定の切断患者に向けられている。例えば、サイム義足の設計は、残存下肢が長い切断患者向けである。しかしながら、通常の義足の設計は、一般に、残存下肢が長い切断患者、および膝上切断患者などの残存下肢が短い切断患者が使用するようには設計されていない。
【0007】
多くの義足は、その外観をよくするために外装内に封入する設計である。しかしながら、多くの設計では、前記外装内に封入したときの維持管理が困難である。例えば、いくつかの設計における足関節部またはピラミッド部の配置では、義足を外装から取り外しにくく、あるいは足関節またはピラミッド部を義足に連結するボルトに手が届きにくくなる。
【0008】
よって、所望の強度、安定性、動作の滑らかさ、および使用しやすさを提供するように改良された義足に対する要請がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも一実施形態では、義足は、義足を動かしている間により滑らかな、踵から爪先への動きを提供するように形成される。さらに、義足は、残存下肢の長い切断患者および残存下肢の短い切断患者が使用する薄型義足を提供することが好ましい。少なくともいくつかの実施形態では、本義足では、強度および弾性をさらに高め得る。
【0010】
一実施形態では、パイロンまたは他の義肢に取り付けられるように改良されたアダプタが、提供される。アダプタは、その後方部が足部の後部にまたは他の長い支持部に装着され、足部に対して動くように形成された前部を含むことが好ましい。好ましい一実施形態では、アダプタは、足部のおよそ25%後方に装着され、外装からの義足の取り外しをさらに容易にし、アダプタ、および例えばそれを足部に連結するボルトに手が届きやすくする。足部を、撓むように湾曲させ最適化することが好ましい。
【0011】
アダプタは、支持面に対して足部の後部の角度に概ね対応した角度で傾斜するベースまたは下面を有することが好ましい。例えば、アダプタがピラミッド部を含む場合、この角度は、アダプタを足部に取り付けたときに、ピラミッド部が支持面に対して概ね垂直に位置調整されるようなものである。さらに、一実施形態では、アダプタは、義足を動かしている間に、アダプタの前方部が前方へ動くまたは足部上へ「巻きつけ」られ得るように、足部に固定されることが好ましい。例えば、アダプタは、足部にカンチレバー式に固定され、その後方部においてのみ連結される。一実施形態では、アダプタの下面は、アダプタの前方部に隣接して曲率半径により定まる湾曲した部分または縁を含む。前記曲率半径は、動いている間の「巻きつき」を所望の程度提供するように変化させ得る。さらに、アダプタは、ソケット、ピラミッド部、およびチューブクランプコネクタなどの種々の構造体を含み得ることが好ましい。
【0012】
別の実施形態、義足は、足部の前部と後部との中間において足部に装着され、そこから後方へ延びる踵部材をさらに備える。踵部材と足部とは、それらの間に長手方向の隙間を画定し、この隙間は、弾性楔部を受け入れるように形成されることが好ましい。楔部は、踵部材の剛性を変更し踵から爪先への荷重の滑らかさに作用するように形成される。
【0013】
さらに別の実施形態では、足部と踵部材とは、それぞれ少なくとも2つの別々の部材に分けることができ、これらの部材は、動作中に、相互に実質的に別々に、かつ長さ周りに実質的に完全に撓み得る。これによって、義足の安定性が増し得ることが好ましい。
【0014】
少なくとも一実施形態では、本義足は、強度および弾性を改良した。例えば、好ましい一実施形態では、義足は、全ての衝撃レベルにおいて使用されるものと思われる。さらに、本義足は、体重が幅広い範囲で異なる切断患者が使用し得る。
【0015】
一実施形態では、義足は、薄型義足である。薄型義足は、足部の前端部と後端部との間を延びる長さであり、前部および後部を有する足部を含む。後部は、前部に対してかつ支持面に対してある角度で傾斜している。足部はまた、複数の爪先部を有し、この爪先部は、長さに沿って少なくとも一部分が相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記爪先部は、前記足部を通って前端部から、そしてそこから後方へ延びる1つまたはそれ以上の長手方向スロットにより画定される。
【0016】
薄型義足は、前端部から後端部へ延びる長さの踵部材と、概ね平坦な前部および湾曲した後部をも含む。前部は、足部の前端部と後端部との中間において足部に固定されて、足部と踵部材との間に長手方向の隙間を画定する。踵部材はまた、複数の踵部を有し、この踵部は、長さに沿って少なくとも部分的に相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記踵部は、後端部から、そしてそこから前方へ前記踵部材中を延びる1つまたはそれ以上の長手方向スロットにより画定される。
【0017】
さらに、薄型義足はまた、前方部および後方部ならびにベースを有するアダプタを備え、アダプタは、後部においてのみ足部に連結される。前方部は、足部に対して動くように形成される。さらに、ベースは、支持面に対する足部の後部の角度に概ね等しいある角度で支持面に対して傾斜している。ベースの少なくとも一部分は、足部の後部と接触するように形成される。ベースは、前方部に、曲率半径を有する縁が形成され、前方部は、前記縁に沿って足部に巻きつけられるように形成される。
【0018】
別の実施形態では、義足は、薄型義足であって、この義足は、前端部と後端部との間を延び前部および後部を有する足部と、後部は、前部および支持面に対してある角度で傾斜させる。薄型義足はまた、足部の前端部と後端部との中間の場所において足部に連結され、そこから後方へ延びる踵部材を備える。その上、薄型義足は、前方部および後方部ならびにベースを有するアダプタを備え、アダプタは、後方部が足部の後部に連結されている。前方部は、足部に対して動くように適合されている。踵部材のベースはまた、支持面に対してある角度で傾斜しており、ベースの少なくとも一部分は、足部の後部と接触するように形成される。ベースはまた、前方部に、曲率半径を有する縁が形成され、前方部は、縁に沿って足部に巻きつけられるように形成される。
【0019】
さらに別の実施形態では、義足は、薄型義足であり、この薄型義足は、足支持部を備え、この足支持部は、前端部と後端部との間を延び、前部および後部を有し、後部は、支持面に対してある角度で傾斜させる。薄型義足はまた、足支持部に連結される踵支持部を備える。さらに、義足は、前方部および後方部ならびにベースを有するアダプタを備え、ベースは、支持面に対してある角度で傾斜させる。アダプタは、足支持部の後部に装着される。前方部を、足支持部に対して動くように形成すると同時に、ベースの少なくとも一部分を、足支持部の後部と接触するように形成する。
【0020】
さらに別の実施形態では、ソケット、パイロンまたは同様のものなどの中間義肢に義足を連結する際に使用するアダプタが、提供される。アダプタは、ピラミッド部を備え、このピラミッド部は、アダプタの上部に設けられ、ピラミッド部は、支持面に対して前記ピラミッド部の中を概ね垂直に延びる軸線を定める。アダプタはまた、アダプタの長さに沿って延びるアダプタ下部に設けられたベースを備える。ベースは、傾斜した面を有し、この面は、支持面に対してアダプタの前方部から下方部へ上方に傾斜している。上方部に沿ったベースは、巻きつき面を有し、この巻きつき面は、アダプタを義足に連結したときに、アダプタと義足との間の相対的な動きを可能にするように適合されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1〜図2Aに義足100の一実施形態を示す。義足100は、足部または支持部10を含み、この足部または支持部10は、前端部12と後端部14との間を延びる長さLを有した長い構成にし得ることが好ましい。本明細書において使用するように、長さLは、義足100が載る支持面Sに平行な面に沿った足部10の水平方向の長さをいう。一実施形態では、長さLは、義足100の特定の大きさに対応しておよそ18cmと30cmとの間であり得る。一実施形態では、長さLは、約23cmである。足部10の端部12、14は、半円形または湾曲した縁を有することが好ましい。足部10は、前部12aおよび後部14aも備え、前部12aは、前爪先部12bを含み得ることが好ましい。好ましい一実施形態では、足部10は、一般に、人の足裏のような形状を含み、また長さLは、人の足の自然な長さと概ね等しいものであり得る。あるいは、足部10は、もっと短くてもよい。さらに、足部10は、例えば横断方向にまたは長手方向に相互に分離する複数の部品を含み得る。別の実施形態では、足部10は、一体型の部品であり、実質的に平坦で、長さLに沿って実質的に長方形の横断面を具え得る。
【0022】
図1に示すように、義足100は、さらに踵部材20を含み、この踵部材20は、前端部12と後端部14との中間の足部10の位置から後方に延びる長い構成を具え得る。任意に、踵部材20は、足部10の後端部14を越えて延ばし得る。足部10と同様に、踵部材20は、実質的に平坦であり、その長さに沿って実質的に長方形の横断面を具え得る。踵部材20は、足部10の前端部12と後端部14との間の中間の位置からのみ延びるものとして示しているが、踵部材20が、実質的に踵から爪先へ延びる足部の一部分でもよいことが、理解されるだろう。足部10と同様に、踵部材20は(または踵部材20が一部分となり得るどんな足部も)、1つの一体型の部品である必要はなく、例えば、横断方向または長手方向に相互に分離される複数の部品を含み得る。踵部材20が、長い部材である必要はなく、踵支持部を提供する他の形状でもよいこともまた理解されるだろう。いくつかの実施形態では、別々の踵部材20さえ必要でない場合がある。
【0023】
義足100はまた、足部10の後端部14の近くにおいて足部10に装着されるアダプタ30を備える。アダプタ30の特徴を以下にさらに説明する。
【0024】
図2Aに、図1に示した義足100の側面図を示す。足部10の前部12aは、概ね平坦で、支持面Sに対して概ね平行または水平に延びることが、好ましい。後部14aは、前部12aおよび支持面Sに対して概ね傾斜している。例えば、足部10の後部14aは、支持面Sに対して角度αで延び得る。一実施形態では、角度αは、およそ10度と45度との間であり得る。角度αは、約20度であることがさらに好ましい。前記傾斜した後部14aは、支持面Sから後端部14までの踵の高さHを定める。好ましい一実施形態では、踵高さHは、およそ40mmと70mmとの間であり得る。踵の高さHは、約60mm以下であり得ることがさらに好ましい。
【0025】
好ましい一実施形態では、図2Aの足部10は、足部10の前部12aと後部14aとの間を一定の傾斜で(すなわち直線状に)延び得る。別の好ましい実施形態では、前記足部10は、前部12aと後部14aとの間を、徐々に連続して上向きに湾曲して延び得る。例えば、足部10は、前部12aと後部14aとの間を、徐々に傾斜を増して延び得る。さらに別の好ましい実施形態では、前部12aと後部14aとの間の傾斜は、一定の傾斜と徐々に増していく傾斜との組み合わせを含み得る。例えば、足部10は、まず前部12aから、傾斜が徐々に増していき、一定の傾斜に移行して延び得る。同様に、足部は、まず前部12aから、一定の傾斜になり、徐々に増していく傾斜に移行して延び得る。
【0026】
足部10は、図2Aに示すように、踵接地から爪先離地を通じて動作中に撓むように適合されかつ所望の強度を有する材料からなることが好ましい。好ましい一実施形態では、足部10は、炭素繊維、例えばエポキシ樹脂バインダを使用して製造し得る。しかしながら、ガラス、ケブラー(Kevlar:登録商標)、およびナイロンなどの他の種類の繊維を使用して、切断患者に合った軽量さおよび構造上の特徴、ならびに動特性を保証し得る。足部10は、長手方向の繊維を結合し荷重がかかっても分離しないように少量の横断方向の繊維を散在させた長手方向(長さ方向)の繊維の組み合わせを使用して形成することが好ましい。一実施形態では、長手方向または90度の繊維、および横断方向または0度の繊維を使用してもよい。しかしながら、他の繊維構成を用いてもよい。例えば、長手方向および横断方向の繊維を、相互に45度などの種々の角度に構成してもよい。長手方向の繊維は、相互に直接接して配置された層に構成することが好ましい。例えば、層は、相互に重ね合わせ、封入用ポリマーにより作動関係に維持されて、層の厚さにより決まる曲げ応力を受けやすくなり得る。層の数は、義足100のサイズで変更することが好ましい。例えば、小さめの義足100の足部10では、大きめの義足100の足部10よりも、含まれる層の数を少なくし得る。したがって、足部10の厚さTは、製造される義足100に使用する層の数で変化することになる。さらに、足部10の製造の際に使用に適する材料の詳細が、米国特許第4,547,913号、および4,822,363号明細書に見い出すことができ、これらの両方は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
図2Aの足部10は、例えば、射出成形を用いて、かつ/または熱可塑性材料およびプロセスを用いて、あるいはそれらをある範囲で種々に組み合わせたものを用いて製造し得る。好ましい一実施形態では、チョップドファイバーを熱可塑性または熱硬化性樹脂中に混合し、その結果生じた混合物が、適切な形状に射出成形される。別の好ましい実施形態では、その代わりにまたはさらに、射出成形された芯の周りに熱可塑性層を巻き付け、または熱可塑性樹脂を、熱可塑性または熱硬化性層同士の間に射出成形してもよく、それにより、層が、被射出成形材料に結合される。
【0028】
図2Aに示した好ましい一実施形態では、クレープ部16が、足部10の前部12aの下側に取り付けられ、また前部12aを過ぎて延びないように足部10の前部12aと揃えられる。クレープ部16は、弾性パッドまたはクッションを含むことが好ましい。例えば、クレープ部16は、圧縮可能な材料からなり得る。クレープ部16はまた、多孔性材料からなり得る。一実施形態では、クレープ部16は、硬いウレタンからなり得る。好ましい一実施形態では、クレープ部16は、接着剤で足部10の前部12aに取り付けられる。しかしながら、ボルト、ねじ、およびクレープ部16および足部10に巻き付けるバンドなどの他の取付手段を使用してもよく、またクレープ部16は、足部10の形状に対応する形状を有するように形成されることが好ましい。例えば、クレープ部16は、前端部12の丸い縁に対応する丸い縁を具え得る。ここに示した実施形態では、クレープ部16は、均一の厚さ16aを有する。別の好ましい実施形態では、クレープ部16の厚さを変化させ得る(図6Aを参照)。例えば、クレープ部16の厚さ16a’を足部10の前端部12の方向に薄くし得る。他の好ましい実施形態では、足部10には、クレープ部16が取り付けられず、その結果、足部10の前部12aが、適切に作用するように支持面Sと接触する。
【0029】
図2Aに示した実施形態では、足部10の厚さTは、後端部14から前端部12へ概ね均一である。厚さTは、約2.5mmと15mmとの間であることが好ましい。厚さTは、約7mmであることがさらに好ましい。別の好ましい実施形態(図6を参照)では、足部10の厚さT’は、前端部12と後端部14との間において変化する。例えば、厚さT’は、後部14aから足部10の前部12aへ薄くなり得る。好ましい一実施形態では、厚さT’は、後端部14において約7mmと約10mmとの間を変化し、前端部12において約2.5mmと約5mmとの間を変化し得る。厚さT’は、後端部14における約8mmから前端部12における約3mmへ変化することがさらに好ましい。さらに、好ましい一実施形態では、厚さT’は、同様にクレープ部16の厚さ16a’に変化し得る。例えば、図6に示すように、足部10の厚さT’およびクレープ部16の厚さ16a’は、足部10の前端部12へ向かって薄くし得る。別の実施形態(図示せず)では、厚さT’、16a’は、反対方向に変化し得る。例えば、厚さT’は、足部10の前端部12へ向かって薄くし得、また厚さ16aは、前端部12へ向かって厚くし得る。上述のように、所与の数値が対応の義足のサイズおよびレイアップで変化することを、当業者は理解するだろう。
【0030】
図2Aにおいて最もよく分かるように、一実施形態では、踵部材20は、前端部22と後端部24との間延びる長さL’を有し、足部10の前端部12と後端部14との間の中間の場所において足部10に取り外し可能に連結される。踵部材20は、少なくとも1つのコネクタ18により足部10に連結されることが好ましい。ここに図示した実施形態では、コネクタ18は、足部10を踵部材20の前部22aに連結する2つのボルトを含む。しかしながら、コネクタ18は、リベット、溶接部、ねじ、および接着剤などの他の構造物を含み得る。さらに、コネクタ18はまた、足部10および踵部材20の周りに巻き付けられる弾性バンド含み得る。別の好ましい実施形態では、踵部材20は、足部10と一体成形し得る。踵部材20は、長さL’に沿って実質的に長方形の横断面を有することが好ましい。
【0031】
図2Aに示すように、踵部材20は、連結部から後方へ踵部材20の後部24aに向かって延びている。ここに示した実施形態では、踵部材20は、長さ方向に湾曲した形状を含み、前部22aは、全体に平坦で、後部24aは、全体に湾曲している。例えば、後部24aは、概ねS字状に湾曲し得る。ここに示した実施形態では、踵部材20は、厚さτを有しており、この厚さτは、後部24における最小から前部22aにおける最大へ変化する。厚さτは、後部24aにおいて約2.5mmと約5mmとの間を変化し、前部22aにおいて約5mmと約10mmとの間を変化することが好ましい。厚さτは、後部24aにおける最小約3mmから前部22aにおける最大約7mmへ変化することがさらに好ましい。別の好ましい実施形態(図示せず)では、後部24aと前部22aとの間の厚さτ’を均一にし得る。さらに別の好ましい実施形態(図示せず)、最大厚さτは、踵部材20の前部22aとクレープ部16とが、支持面Sと接触するように適合された概ね均一な接触面Cを提供するように、クレープ部16の最大厚さ16aと概ね等しくすることができる。上述のように、上記の数値は、対応の義足のサイズおよびレイアップで変化することを、当業者は理解するだろう。
【0032】
図1、図3および図5に示すように、踵部材20はまた、幅方向に湾曲した形状であり得る。例えば、踵部材20は、丸くなったまたは湾曲した後端部24を有し、また幅W’を有し、この幅W’は、後端部24における最小の幅から前端部22における最大の幅へ変化する。幅W’は、後部24aが約30mmと約50mmとの間を変化し、前部22aが約55mmと約75mmとの間を変化する。ここに図示した実施形態では、幅W’は、前部22aの約65mmと、後部24aの約50mmとの間を変化する。一実施形態では、幅W’は、後端部24と前端部22との間において徐々にかつ連続して湾曲する縁25により定められる。別の実施形態では、縁25は、幅W’が一定の断面と徐々に広くなっていく断面とを含むように、後端部24の近位に直線部25aを、かつ前端部22の近位に湾曲部25bを具え得る。踵部材20は、足部10から後方に延びて、踵部材20と足部10との間に長手方向の隙間26を画定することが好ましい。踵部材20は、同様に、かつ足部10に関して上述したものと同じ材料から製造し得る。さらに、好ましい一実施形態(図示せず)では、クレープ部は、支持面Sと接触するように、踵部材20の後部24aに取り付け得る。
【0033】
図2Aにおいて最もよく分かるように、アダプタ30には、前方部32および後方部34が形成され、また主軸線Xを有している。さらに、図2Bに示すように、アダプタ30は、下部30aに、後方部34から前方部32へ延びるベース35が形成されることが好ましい。ベース35は、約50mmと約65mmとの間の長さであることが好ましい。ここに示した実施形態では、ベースの長さは、約55mmである。ベース35は、概ね支持面Sに対して角度β傾斜している。角度βは、支持面Sに対する後部14aの角度αと概ね等しいことが好ましい。さらに、一実施形態では、ベース35の傾斜は、概ね足部10の傾斜に対応している。例えば、足部10が、上述のように一定の傾斜である場合、アダプタ30のベース35もまた、前記の一定の傾斜を有することが好ましい。アダプタ30は、少なくとも1つのアダプタコネクタ36を介して足部10の後部14aに取り外し可能に連結されることが好ましい。アダプタコネクタ36は、足部10をアダプタ30の後方部34にのみ連結することが好ましい。ここに示した実施形態では、アダプタコネクタ36は、2つのボルトを含んでいる(図5も参照)。しかしながら、アダプタコネクタ36は、ねじ、リベット、溶接部、接着剤、およびアダプタ30および足部10の周りに巻き付けられるバンドなどの他の構造物を含み得る。さらに、一実施形態では、アダプタ30は、例えば、接着剤、樹脂、または同様のものにより、足部10の後部14に永続的に取り付けてもよい。したがって、好ましい実施形態では、アダプタ30の後方部34は、足部10が撓んだときアダプタ30の前方部32が足部10に対して動き得るようにしたままで、足部10に対して固定状態に維持される。さらに詳細を以下に説明する。
【0034】
図1〜図2Bに示すように、アダプタ30の一実施形態は、その上部30bにピラミッド部37を含み、このピラミッド部37は、パイロンまたは他の義肢(図示せず)に連結するように適合されている。ピラミッド部37は、概ね平坦な上面37aおよび少なくとも1つの側面37bを有している。ここに示す実施形態では、側面37bは、軸線Xに対して傾斜した概ね平坦な4つの面を含んでいる。しかしながら、他の実施形態では、側面37bは、円筒形の面を含み得るか、または軸線Xに対して概ね平行に延び得る。
【0035】
任意に、アダプタ30には、図2A〜図2Bに示すように、アダプタ30の重量を減少させるように形成された凹面38が画定され得る。ここに示す実施形態では、凹面38は、前方部32に形成されアダプタ30の円周周りを部分的に延びる溝である。しかしながら、凹面38は、円周方向に延びるチャネルなどの他の形状にしてもよい。さらに、穿孔、スロットまたは同様のものなどの他の手段を使用して、アダプタ30の重量を減少させ得る。
【0036】
図2Aについて説明を続けると、アダプタ30は、足部10のおよそ20%から33%後方に配置されるように足部10に装着されることが好ましい。一実施形態では、アダプタ30は、足部10のおよそ25%後方に配置されるように装着されることが、さらに好ましい。例えば、足部10の長さLが約12インチである場合、アダプタは、足部10の後方3インチのところに装着されることが好ましい。
【0037】
図2Bに示すように、ベース35は、アダプタ30の前方部32に縁40が形成され、足部10に巻きつけられるように形成されている。例えば、ここに示す実施形態では、縁40は、後述するように、義足100を動かしている間に、アダプタ30が足部10に巻きつけられるように、ベース35に対して半径Rで湾曲している。曲率半径Rは、約0.5cmと4cmとの間であることが好ましい。ここに示す実施形態では、曲率半径Rは、約1cmである。しかしながら、縁40は、アダプタが足部10に巻きつけられるように、湾曲させなくてもよく、または半径Rでなくてもよい。別の実施形態(図示せず)では、アダプタのベース35は、実質的に平坦にし、かつベース35と足部10との間に長手方向の間隙を画定するように後方部34から前方部32へ延ばすようにしてもよい。したがって、義足100を動かしている間、前方部32は、足部10に対して動くか、またはそれに巻きつけられ得る。別の実施形態(図示せず)では、ベース35は、平坦な部分および湾曲した部分を含み得る。例えば、ベース35は、後方部34に概ね平坦な部分と、前方部32に概ね湾曲した部分とを具え得る。別の実施形態(図示せず)では、ベース35は、後方端部34に概ね湾曲した部分と、前方部32に概ね平坦な部分とを具え得る。さらに別の実施形態(図示せず)では、ベース35は、複数の概ね平坦な部分または棚状部を含み得、各部分は、支持面Sに対して異なる角度で傾斜している。
【0038】
図1〜図5に示すアダプタ30は、義足100にかかると予想される荷重に対応する適切な強度および剛性の特性を有する金属または合金からなることが好ましい。低めの荷重または中間の荷重をかけられる義足100の実施形態では、アダプタ30は、アルミニウム、ステンレススチール、または同様のものからなり得る。大きな荷重がかけられる義足100の実施形態では、アダプタ30は、チタンなどの金属からなり得る。
【0039】
図6Aに、少なくとも1つの弾性楔部50を含む義足100の一実施形態を示す。少なくとも1つの楔部50が、足部10と踵部材20との間の隙間26内に取り外し可能に配置されることが好ましい。任意に、複数の楔部50を隙間26内に配置する場合がある。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの楔部50は、例えば接着剤により、隙間26内に固定され得る。種々の他の手段を使用して、楔部50を隙間26内に固定してもよい。例えば、楔部50を踵部材20および/または足部10にボルト留めまたはねじ留めしてもよい。少なくとも1つの楔部50は、義足100への衝撃吸収部を追加するように形成されることが好ましい。一実施形態では、楔部50は、例えば、ポリウレタンまたはポリプロピレンなどの硬質プラスチックからなり得る。楔部50はまた、フォーム、天然または合成ゴム、または同様のものなどの、さらに圧縮し得る材料からなり得る。しかしながら、楔部50は、義足100に対する適切な衝撃吸収を提供するように形成されたどんな材料からもなり得る。各楔部50の剛性が異なる一組のこのような楔部50も設け得る。
【0040】
図6Bに示すように、楔部50は、前端部52と後端部54との間を延びている。好ましい構成では、楔部50は、概ね三角形の長手方向断面を有し、上面56および底面58は、前端部52において共通の縁52aから後端部54へ角度γの広がりをみせている。背面59は、後端部54において上面56と底面58とを連結している。ここに図示した実施形態では、上面56および底面58は、概ね平坦であり得る。別の実施形態(図示せず)では、面56、58は、足部10および踵部材20の対応の形状に概ね従うような形状にし得る。楔部50は、長さが約40mmと約60mmとの間、幅が約30mmと約55mmとの間、高さが約2mmと約10mmとの間にし得ることが好ましい。楔部50はまた、約60Aと約95Aとの間のデュロメーターを有することが好ましい。楔部50は、約85Aのデュロメーターを有することが、さらに好ましい。角度γは、約1度と7度との間を変動することが好ましい。例えば、一実施形態では、楔部50は、約2度の角度γであり得ることがさらに好ましい。別の実施形態では、楔部50は、約4度の角度γであり得る。さらに別の実施形態では、角度γは、約6度であり得る。別の実施形態では、角度γは、約8度であり得る。さらに別の実施形態では、角度γは、約10度であり得る。
【0041】
図3に、図1に示した義足100の平面図を示す。ここに示した実施形態では、足部10の後部14aは、足部10の前部12aに対してテーパーがつけられており、その結果、後部14aの方が、幅が狭い。例えば、足部10の幅Wには、後端部14へ向かってテーパーをつけ得る。好ましい一実施形態では、幅Wは、湾曲部の形態になど、足部10の前端部12から後端部14へ徐々にかつ連続してテーパーをつけ得る。好ましい別の実施形態では、足部10は、長さLの一部分に沿って概ね一定の幅Wを具え、その後、後端部14へ向かってテーパーをつけ得る。さらに別の実施形態では、足部10は、前端部12から後端部14へ概ね一定の幅Wを具え得る。
【0042】
図3に示すように、少なくとも1つの実施形態では、義足100は、足部10を具え得、この足部10は、複数の別々の踵部に分けられ、踵部は、その長さに沿って少なくとも部分的に相互に実質的に別々に撓むように形成される。ここに示す実施形態では、足部10は、2つの別々の爪先部10a、10bに分けられる。例えば、足部10は、少なくとも1つの長手方向スロット60を含み得、このスロット60は、実質的に一定の幅を有し、前部12aから、足部10の後部14aに隣接した後の部分へ延びる。一実施形態では、スロット60は、アダプタ30を足部10に連結するとアダプタ30の場所の下側を延び得る。別の実施形態では、スロット60は、アダプタ30の前方部32の前の場所へ足部10に沿って部分的に延び得る。さらに他の実施形態では、スロット60は、足部10の前部12aに隣接した場所へ延び得る。ここに示した実施形態では、図5に示すように、各コネクタ18が、別々の各爪先部10a、10bを踵部材20に連結する。
【0043】
図4〜図5に、図1に示した義足100の正面図および背面図をそれぞれ示す。足部10に関して、踵部材20は、複数の別々の踵部に分けることができ、これらの踵部は、その長さに沿って少なくとも部分的に、実質的に別々に相互に撓むように形成される。ここに示した実施形態では、踵部材20は、2つの別々の踵部20a、20bに分かれている。例えば、踵部材20は、少なくとも1つの長手方向スロット62を含み得、このスロット62は、前端部22から後端部24へ踵部材20の長さL’に沿って延びる実質的に一定の幅を有する。別の実施形態では、スロット62は、前端部22から踵部材20の後端部24の近くの場所へ、踵部材20に沿って部分的に延び得る。さらに他の実施形態では、スロット62は、後端部24から踵部材20の前端部22に隣接した場所へ延び得る。義足100は、踵部20a、20bと同じ数の別々の爪先部10a、10bを有することが好ましい。よって、各コネクタ18は、爪先部10a、10bの一方を、対応する踵部20a、20bに連結する。分かれた足部および踵部材のさらなる詳細が、米国特許第5,181,933号および第6,071,313号明細書中にあることが分かっており、これらの両方が、参照によって、組み込まれる。
【0044】
図5に示すように、アダプタコネクタ36は、アダプタ30の後方部34を足部10の後部14aに取り外し可能に連結する2つのボルトを含む。ここに示す実施形態では、アダプタ30は、パイロンまたは他の義肢を義足100に連結するためのピラミッド形アダプタを含む。しかしながら、本発明の実施形態とともに他のタイプのアダプタを使用してよいことを、当業者は理解するだろう。例えば、アダプタ30のベース35に類似する、傾斜した下面を有するソケット、チューブクランプまたはパイロンを、義足100に取り外し可能に連結し得る。好ましい実施形態では、軸線Xは、使用するアダプタの長手方向軸線と一致する。例えば、軸線Xは、パイロン、ソケット、またはチューブクランプの長手方向軸線と一致することになる。さらに、軸線Xは、義足100が静止状態のとき、実質的に垂直であることが好ましい。上述のように、アダプタ30はまた、ピラミッド、ソケット、チューブクランプ、パイロン、または同様のものであってもそうでなくても、例えば、接着剤、樹脂または同様のものにより、足部10に永続的に取り付け得る。
【0045】
図7に、足部10の後部14aに取り外し可能に連結されるアダプタ30’を有する義足100の別の実施形態を示す。ここに示した実施形態では、アダプタ30’には、その前方部32’に半径R’の縁40’が形成されている。半径R’は、図1に示した義足の半径Rより小さく、その結果、ベース35’の曲率がさらに強調されることが好ましい。よって、ここに示した実施形態は、義足100を動かしている間に、アダプタ30’の足部10への巻きつき効果を高めるように形成される。半径R’は、所望の巻きつき効果を提供するように選択的に変化させ得る。しかしながら、アダプタ30に関して上に説明したように、ベース35’は、湾曲させる必要はなく、あるいはアダプタ30’が足部10に巻きつけられる半径R’を具える必要はない。上述のように、ベース35’は、概ね平坦にし、概ね湾曲させ、またはそれらを組み合わせ得、足部10に巻きつけられるようになお適合させ得る。
【0046】
図8〜図11に義足200の別の実施形態を示す。義足200は、上述の義足100と概ね同じ構造を有し、同様に作動するように形成されている。したがって、同様の構成要素は、同じ参照番号の後に「’’’」をつけて特定している。
【0047】
図8〜図9に示すように、義足200は、足部10’’’と、足部10’’’の前端部12’’’および後端部14’’’の中間の場所から後方に延びる踵部材20’’’と、足部10’’’の後部14a’’’に装着されるアダプタ30’’’とを備える。足部10’’’は、長さL’’’が約11cmと約22cmとの間、高さH’’’が約3cmと約4cmとの間、幅W’’’が約4.5cmと約6cmとの間、厚さT’’’が約1.5mmと約6mmとの間である。ここに示した実施形態では、足部10’’’は、長さL’’’が約13cm、高さH’’’が約3cm、幅W’’’が約5cm、厚さT’’’が3mmである。同様に、踵部材20’’’は、長さDが約9cmと約12.5cmとの間、幅Eが約30mmと約55mmとの間、厚さτ’’’が約1.5mmと約7mmとの間である。ここに示した実施形態では、踵部材20’’’は、長さDが約10cm、幅Eが約3.5cm、厚さτ’’’が、前端部22’’’における約5mmと、後端部24’’’における3mmとの間を変化する。別の実施形態(図示せず)では、踵部材20’’’は、一定の厚さτ’’’を具え得る。同様に、いくつかの実施形態では、足部10’’’は、前端部12’’’と後端部14’’’との間において可変の厚さτ’’’を具え得る。
【0048】
図8および図10において最もよく分かるように、好ましい一実施形態では、足部10’’’の前部12a’’’は、少なくとも2つの爪先部10a’’’、10b’’’を含む。前記爪先部10a’’’、10b’’’は、足部10’’’を前端部 12’’’から後方へ延びる少なくとも1つの長手方向スロット60’’’により画定されることが好ましい。ここに示した実施形態では、長手方向スロット60’’’は、前端部12’’’から足部10’’’内へ約3cm延びる。しかしながら、足部10’’’は、足部10’’’内へさらに延びるスロット60’’’を具えるように形成し得る。一実施形態では、スロット60’’’は、サンダルまたは同様の履物のひもを受け入れるように適合される。別の実施形態では、スロット60’’’は、外観がさらによく好ましいフットカバーを提供するために、爪先部10a’’’と10b’’’との間に対応のスロットを有するフットカバーを受け取るように適合される。
【0049】
好ましい一実施形態では、図8〜図10に最もよく示されているように、義足200はまた、足部10’’’の前部12a’’’に取り付けられるクレープ部16’’’を含む。図10に示すように、クレープ部16’’’は、前端部16b’’’を有し、この前端部16b’’’は、足部10’’’の前端部12’’’より前へ延びることが好ましい。さらに、クレープ部16’’’はまた、クレープ部16’’’を延びる長手方向スロット16c’’’を有する。スロット16c’’’は、足部10’’’のスロット60’’’と位置が揃うように形成されることが好ましい。ここに示す実施形態では、スロット60’’’、16c’’’は、足部10’’’の中心線に対応する軸線Yからずれている。別の好ましい実施形態では、スロット60’’’、16c’’’は、軸線Yと位置を揃えてもよい。
【0050】
図9に示すように、アダプタ30’’’は、前方部32’’’と後方部34’’’との間を延びる長い本体31’’’を有する。アダプタ30’’’はまた、ベース35’’’を有し、その少なくとも一部分は、アダプタ30’’’を足部10’’’に連結すると足部10’’’に接触する。アダプタ30’’’にはまた、前方部32’’’に、ベース35’’’に沿って縁40’’’が形成される。ここに示す実施形態では、縁40’’’は、アダプタ30’’’が、義足200を動かしている間に足部10’’’に巻きつけられるように形成されるような、ベース35’’’に対する半径R’’’で、湾曲している。曲率半径R’’’は、約5cmと約10cmとの間であることが好ましい。ここに示す実施形態では、曲率半径R’’’は、約7cmである。しかしながら、上述のように、ベース35’’’は、アダプタ30’’’を足部10’’’に巻きつけるために、湾曲させる必要はなく、または半径R’’’を有する必要はない。他の実施形態では、ベース35’’’は、概ね平坦な部分、または平坦な部分と湾曲した部分との組み合わせを含み得、ベース35’’’は、義足200を動かしている間に足部10’’’に対して動くように適合される。例えば、ベース35’’’は、足部10’’’に対して、長手方向の間隙(図示せず)をそれらの間に画定するように延び得る。さらに、図10に示すように、好ましい一実施形態では、アダプタ30’’’の本体31’’’には、後方部34’’’から前方部32’’’へテーパーがつけられている。
【0051】
図9に示す実施形態では、アダプタ30’’’は、アダプタコネクタ36’’’により足部10’’’に取り外し可能に取り付けられる。一実施形態では、コネクタ36’’’は、足部10’’’にアダプタ30’’’を連結する2つのボルトを含み得る。別の実施形態には、コネクタ36’’’は、4つのボルトを含み得る。ここに示す実施形態では、遠位コネクタ36a’’’が、アダプタ30’’’の後方部34’’’に取り付けられ、近位コネクタ36b’’’が、前方部32’’’に取り付けられる。しかしながら、遠位コネクタ36b’’’は、アダプタ30’’’が足部10’’’に巻きつけられるように、アダプタ30’’’の先端44から十分な距離をおいて配置されることが好ましい。一実施形態では、近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約10%またはそれ以上である。近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの少なくとも約20%またはそれ以上であることがさらに好ましい。近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約30%またはそれ以上であることがさらになお好ましい。別の実施形態では、近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約40%またはそれ以上である。ここに示す実施形態では、近位コネクタ36b’’’と先端44との間の距離は、アダプタ30’’’の長さの約35%である。別の実施形態では、アダプタ30’’’は、例えば、接着剤、樹脂または同様のものにより、足部10’’’に永続的に取り付けられ得る。
【0052】
実際に、図1〜図11の義足100は、他の義足設計に比較して滑らかな、踵から爪先への動作を提供することが好ましい。使用者が、踵接地から爪先離地へ進むと、アダプタ30は、足部10へ巻きつけられて、足部10の後部14aが、前部12aの方へ撓む。図1〜図6Bにおいて上述した実施形態では、アダプタ30は、その後方部34において足部10に連結されているだけなので、巻きつけられて、前方部32が足部10に対して自由に動く状態である。しかしながら、図8〜図11に示す実施形態において説明するように、アダプタ30’’’は、前方部32’’’が足部10’’に対して自由に動き得る足部10’’’のどんな場所に連結してもよい。例えば、アダプタ30’’’は、アダプタ30’’’の前方部32’’’と後方部34’’’との中間の場所において連結してもよい。
【0053】
図1〜図11に開示した実施形態に関して、巻きつき効果の程度は、少なくとも部分的にアダプタ30の曲率半径Rによる。例えば、曲率半径Rが小さいと、ベース35の湾曲面が著しくなり、巻きつき効果が高まる。巻きつき効果によって、足部10が、通常のアダプタ30を有する義足よりも大きく撓んで、よって、足の動きがさらに滑らかになる。さらに、曲率半径Rによって、アダプタ30が足部10に巻きつけられるにつれて、足部10が漸進的に補強され得ることが好ましい。巻きつき効果によって、踵接地から爪先離地の間にエネルギーを蓄積し放出する効率がさらによくなり得る。しかしながら、上述のように、アダプタ30は、足部10に巻きつけられるように、半径Rまたは湾曲面を有するベース35を具える必要はない。
【0054】
図1に示した実施形態などの義足100の別の利点は、薄型であるという特質によって、残存下肢が長い切断患者も、残存下肢が短い切断患者も義足100を使用し得ることである。義足100が薄型であるという特質によって、義足100を覆う外装70内に完全に収容され得(例えば、図7を参照)、さらに外観がよい設計が得られることが好ましい。
【0055】
図1〜図11の義足100のさらに別の利点は、上述のように、足部10が傾斜しているという特質であって、これによって、義足100を動かしている間に、足部10が撓み得る。さらには、後部14aを傾斜させることによって、アダプタ30を巻きつけている間に足部10を撓ませることが容易になり、その結果、足部10の撓みが増すことが好ましい。これは、後ろの足部の部分が支持面に対して概ね水平で前記足部の撓みが促進されない通常の義足の設計(図示せず)に対する改良である。足部10を傾斜させることによって、例えば、C字形のばねおよび同様のものを使用する義足設計と対比して、義足100の構造高さを薄くすることができる。しかしながら、足部10を傾斜させても、アダプタ30に手を届きやすくするのに十分な構造高さであり得ることが好ましい。
【0056】
図1〜図7における義足100の別の利点は、通常の設計に対して強度が増すことと信頼性が高まることとである。特に、本義足100は、全ての衝撃レベルにおいて使用できることと、幅広い範囲で体重が異なる切断患者が使用できることとにおいて評価されることが好ましい。例えば、好ましい一実施形態では、義足100は、体重が約165kgまでの切断患者が使用し得る。さらには、義足100は、義足100を動かしている間に効率よくエネルギーの蓄積および放出を行うようになお撓みながらも、足部10の強度が通常の義足設計よりも高くなるように製造される。
【0057】
上述のように、図1〜図7に示すアダプタ30は、足部10を外装70内に配置すると、足部10の後ろ25%のところに配置されることが好ましい。アダプタ30の前記配置によって、足部10の前部12aの撓みが増し得ることが好ましい。前記アダプタ30の配置によって、アダプタ30が概ね外装70内の開口部に対して中心に配置され、外装70からの義足100の取り外しが容易になり得ることが好ましい。さらに、アダプタ30を配置することによって、アダプタコネクタ36へ容易に手が届く。
【0058】
先行技術を以上に達成される本発明および利点の概要を述べるために、本発明のいくつかの目的および利点を上に述べてきた。当然ながら、必ずしも全てのこのような目的または利点が、本発明のどんな特定の実施形態により達成され得るわけではないことが理解される。よって、例えば、本明細書に教示または示唆し得る他の目的または利点を必ずしも達成せずに、本明細書に教示した1つの利点または利点群を達成しまたは最適化するように、本発明を実施または実行し得ることを、当業者は理解するだろう。
【0059】
図1〜図11に示す実施形態では、足部10、10’’’の長さL、L’’’は、足部10、10’’’が義足100、200の踵から爪先まで延びるように、義足100、200の長さと実質的に一致する。しかしながら、足部10、10’’’を、義足100、200の全長にわたって延ばす必要はない。いくつかの実施形態では、足部10、10’’’は、義足100、200の前端部の後方の場所へ延び得、かつ/また義足100、200の前端部へ延びる別の部材(図示せず)に連結し得る。図1〜図11における実施形態は、足部10、10’’’の前端部12、12’’’と後端部14、14’’’との中間の場所から後方へ延びる踵部材20、20’’’も示している。しかしながら、踵部材20、20’’’を、足部10、10’’’の長さL、L’’’の中間の場所から延ばす必要はない。いくつかの実施形態では、踵部材20、20’’’を、足部10、10’’’の後端部14、14’’’から延ばし得る。他の実施形態では、踵部材20、20’’’を、足部10、10’’’の前端部12、12’’’から延ばし得る。さらに別の実施形態では、足部10、10’’’の前端部12、12’’’を、踵部材20、20’’’の前端部22、22’’’と後端部24’’’との中間の場所から延ばし得、この場所において、踵部材20、20’’’は、支持面に対して概ね平行である。
【0060】
これらの態様の全ては、本明細書に開示した本発明の範囲内であるものとする。本発明のこれらおよび他の態様は、添付の特許請求の範囲、および添付の図を参照しての前の好ましい実施形態の詳細な説明から、当業者に容易に明らかとなり、本発明は、本明細書に開示した特定のいかなる好ましい実施形態も限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る義足の上部斜視図である。
【図2A】図1に示した義足の実施形態側面図である。
【図2B】図2Aに示したアダプタの拡大図である。
【図3】図1に示した義足の実施形態の上面図である。
【図4】図1に示した義足の実施形態の正面図である。
【図5】図1に示した義足の実施形態の背面図である。
【図6A】弾性楔部を含む別の義足の実施形態の側面図である。
【図6B】図6に示した弾性楔部の外観図である。
【図7】アダプタが異なる別の義足の実施形態の側面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る義足の上部斜視図である。
【図9】図8に示した義足の側面図である。
【図10】図8に示した義足の平面図である。
【図11】図8に示した義足の正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型の義足であって、
前端部と後端部との間を延びる長さを有し前部および後部も有する足部であって、前記後部は、前記前部および支持面に対してある角度で傾斜し、前記足部は、複数の爪先部を有し、当該爪先部は、長さに沿って少なくとも一部分が相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記爪先部は、前記足部を通って前端部から後方へ延びる1つまたはそれ以上の長手方向スロットにより画定される足部と、
前端部から後端部へ延びる長さを有し概ね平坦な前部および湾曲した後部を有する踵部材であって、前記踵部材の前部は、前記足部と踵部材との間に長手方向の隙間を画定するように、前記足部の前端部と後端部との中間において前記足部に固定され、前記踵部材は、複数の踵部を有し、当該踵部は、それらの長さに沿って少なくとも一部分が相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記踵部材を通って後端部およびそこから前方へ延びる1つまたはそれ以上の長手方向のスロットにより画定される、踵部材と、
前方部および後方部、ならびにベースを有するアダプタであって、前記足部の後部においてのみ連結され、前記前方部は、足部に対して動くように形成され、前記ベースは、前記支持面に対する前記足部の後部の角度と概ね等しい角度で前記支持面に対して傾斜しており、前記ベースの少なくとも一部分は、前記足部の後部と接触するように形成され、また前記ベースは、前記前方部に縁が形成され、当該縁は、曲率半径を有し、前記前方部は、前記足部に前記縁に沿って巻きつけられるように形成されたアダプタと、
を備える薄型義足。
【請求項2】
前記前端部および後端部は、湾曲した縁を有する請求項1に記載の薄型義足。
【請求項3】
前記足部は、およそその長さの実質的に長方形の横断面と、前記足部の前記前部から後部へ徐々に減少していく厚さとを有する。請求項1に記載の薄型義足。
【請求項4】
前記踵部材は、少なくとも1つのボルトにより前記足部に固定される請求項1に記載の薄型義足。
【請求項5】
前記踵部材は、接着剤により前記足部に固定される請求項1に記載の薄型義足。
【請求項6】
前記踵部材は、およそその長さの実質的に長方形の横断面と、前記踵部材の前部から後部へ徐々に減少する厚さとを有する請求項1に記載の薄型義足。
【請求項7】
前記足部の前部および前記踵部材の前記後部の少なくとも1つに装着されたクレープ部をさらに備え、前記クレープ部は、圧縮可能な材料を含み、前記支持面に接するように形成されている請求項1に記載の薄型義足。
【請求項8】
前記踵部材と足部との間の長手方向の隙間内に配置される少なくとも1つの弾性楔部をさらに備え、前記弾性楔部は、圧縮可能な材料を含む請求項1に記載の薄型義足。
【請求項9】
薄型義足であって、
前端部と後端部との間を延び、前部および後部を有し、前記前部および支持面に対してある角度で傾斜している足部と、
前記足部に連結され、前記足部の前端部と後端部との中間の場所から後方へ延びる踵部材と、
前方部および後方部、ならびにベースを有しその後方部において前記足部の後部に連結されるアダプタであって、前記前方部は、前記足部に対して動くように適合され、前記ベースは、前記支持面に対してある角度で傾斜しているアダプタと、
を備え、
前記ベースの少なくとも一部分は、前記足部の後部と接するように形成され、また前記ベースは、前記前部に縁が形成され、当該縁は、曲率半径を有し、前記前部は、前記足部に前記縁に沿って巻きつけられるように形成された薄型義足。
【請求項10】
前記前部は、前記支持面と作動可能に接するように適合された爪先部を含む請求項9に記載の薄型義足。
【請求項11】
前記踵部材は、前記踵部材と前記足部との間に長手方向の隙間を画定するように、前記足部に対して延びる請求項9に記載の薄型義足。
【請求項12】
前記踵部材と前記足部との間の長手方向の隙間内に装着され、圧縮可能な材料を含む少なくとも1つの楔部をさらに備える請求項11に記載の薄型義足。
【請求項13】
前記踵部材は、前記足部に取り外し可能に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項14】
前記踵部材は、前記足部に永続的に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項15】
前記アダプタは、前記足部の後部に取り外し可能に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項16】
前記アダプタは、前記足部に永続的に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項17】
前記足部は、概ね平坦である請求項9に記載の薄型義足。
【請求項18】
前記足部は、前記義足の長さに沿って踵から爪先へ延びる請求項9に記載の薄型義足。
【請求項19】
薄型義足であって、
前端部と後端部との間を延び、前部および後部を有し、当該後部が支持面に対してある角度で傾斜した足支持部と、
前記足支持部に連結された踵支持部と、
前方部および後方部、ならびにベースを有し、当該ベースが前記支持面に対してある角度で傾斜したアダプタと、
を備え、
前記ベースの少なくとも一部分は、前記足支持部の後部と接触するように形成され、前記アダプタは、前記足支持部の後部に装着され、前記前方部は、前記足支持部に対して動くように形成される薄型義足。
【請求項20】
前記ベースは、前記前方部に縁が形成され、当該縁は、曲率半径を有し、前記前方部は、前記縁に沿って前記足部に巻きつけられるように形成される請求項19に記載の薄型義足。
【請求項21】
前記前部は、支持面に作動可能に接触するように適合された爪先部を含む請求項19に記載の薄型義足。
【請求項22】
クレープ部が、前記足支持部の前部に取り付けられる請求項19に記載の薄型義足。
【請求項23】
前記足支持部は、複数の複合材料層を含む請求項19に記載の薄型義足。
【請求項24】
前記アダプタの傾斜角度は、前記足支持部の後部の傾斜角度と概ね等しい請求項19に記載の薄型義足。
【請求項25】
義足をソケット、パイロンまたは同様のものなどの中間義肢に連結する際に使用するアダプタであって、
前記アダプタの上部に設けられたピラミッド部であって、当該ピラミッド部の中を、支持面に対して概ね垂直に延びる軸線を定めるピラミッド部と、
前記アダプタの下部に設けられて、前記アダプタの長さに沿って延びるベースであって、当該ベースは、傾斜した面を有し、この面は、前記支持面に対して前記アダプタの前方部から前記アダプタの後方部へ上向きに傾斜するベースと、
を備え、
前記ベースは、前記前方部に沿って巻きつき面を有し、当該面は、前記アダプタを前記義足に連結すると、前記アダプタと前記義足とが相対的に動き得るように適合されているアダプタ。
【請求項26】
前記巻きつき面は、曲率半径を有する請求項25に記載のアダプタ。
【請求項27】
前記アダプタの後方部において前記ベースに形成された少なくとも1つの孔をさらに備え、当該孔は、コネクタを受け入れるように形成されている請求項25に記載のアダプタ。
【請求項28】
前記コネクタは、ボルトである請求項25に記載のアダプタ。
【請求項29】
前記コネクタは、接着剤である請求項25に記載のアダプタ。
【請求項30】
前記コネクタは、樹脂である請求項25に記載のアダプタ。
【請求項31】
前記アダプタの前方部において前記ベースに形成された少なくとも1つの孔をさらに備え、当該孔は、前記コネクタを受け入れるように形成されている請求項27に記載のアダプタ。
【請求項32】
前記前方部の前記孔と前記アダプタの先端との間の距離は、前記アダプタの長さの約30%またはそれ以上である請求項31に記載のアダプタ。
【請求項1】
薄型の義足であって、
前端部と後端部との間を延びる長さを有し前部および後部も有する足部であって、前記後部は、前記前部および支持面に対してある角度で傾斜し、前記足部は、複数の爪先部を有し、当該爪先部は、長さに沿って少なくとも一部分が相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記爪先部は、前記足部を通って前端部から後方へ延びる1つまたはそれ以上の長手方向スロットにより画定される足部と、
前端部から後端部へ延びる長さを有し概ね平坦な前部および湾曲した後部を有する踵部材であって、前記踵部材の前部は、前記足部と踵部材との間に長手方向の隙間を画定するように、前記足部の前端部と後端部との中間において前記足部に固定され、前記踵部材は、複数の踵部を有し、当該踵部は、それらの長さに沿って少なくとも一部分が相互に実質的に別々に撓むように形成され、前記踵部材を通って後端部およびそこから前方へ延びる1つまたはそれ以上の長手方向のスロットにより画定される、踵部材と、
前方部および後方部、ならびにベースを有するアダプタであって、前記足部の後部においてのみ連結され、前記前方部は、足部に対して動くように形成され、前記ベースは、前記支持面に対する前記足部の後部の角度と概ね等しい角度で前記支持面に対して傾斜しており、前記ベースの少なくとも一部分は、前記足部の後部と接触するように形成され、また前記ベースは、前記前方部に縁が形成され、当該縁は、曲率半径を有し、前記前方部は、前記足部に前記縁に沿って巻きつけられるように形成されたアダプタと、
を備える薄型義足。
【請求項2】
前記前端部および後端部は、湾曲した縁を有する請求項1に記載の薄型義足。
【請求項3】
前記足部は、およそその長さの実質的に長方形の横断面と、前記足部の前記前部から後部へ徐々に減少していく厚さとを有する。請求項1に記載の薄型義足。
【請求項4】
前記踵部材は、少なくとも1つのボルトにより前記足部に固定される請求項1に記載の薄型義足。
【請求項5】
前記踵部材は、接着剤により前記足部に固定される請求項1に記載の薄型義足。
【請求項6】
前記踵部材は、およそその長さの実質的に長方形の横断面と、前記踵部材の前部から後部へ徐々に減少する厚さとを有する請求項1に記載の薄型義足。
【請求項7】
前記足部の前部および前記踵部材の前記後部の少なくとも1つに装着されたクレープ部をさらに備え、前記クレープ部は、圧縮可能な材料を含み、前記支持面に接するように形成されている請求項1に記載の薄型義足。
【請求項8】
前記踵部材と足部との間の長手方向の隙間内に配置される少なくとも1つの弾性楔部をさらに備え、前記弾性楔部は、圧縮可能な材料を含む請求項1に記載の薄型義足。
【請求項9】
薄型義足であって、
前端部と後端部との間を延び、前部および後部を有し、前記前部および支持面に対してある角度で傾斜している足部と、
前記足部に連結され、前記足部の前端部と後端部との中間の場所から後方へ延びる踵部材と、
前方部および後方部、ならびにベースを有しその後方部において前記足部の後部に連結されるアダプタであって、前記前方部は、前記足部に対して動くように適合され、前記ベースは、前記支持面に対してある角度で傾斜しているアダプタと、
を備え、
前記ベースの少なくとも一部分は、前記足部の後部と接するように形成され、また前記ベースは、前記前部に縁が形成され、当該縁は、曲率半径を有し、前記前部は、前記足部に前記縁に沿って巻きつけられるように形成された薄型義足。
【請求項10】
前記前部は、前記支持面と作動可能に接するように適合された爪先部を含む請求項9に記載の薄型義足。
【請求項11】
前記踵部材は、前記踵部材と前記足部との間に長手方向の隙間を画定するように、前記足部に対して延びる請求項9に記載の薄型義足。
【請求項12】
前記踵部材と前記足部との間の長手方向の隙間内に装着され、圧縮可能な材料を含む少なくとも1つの楔部をさらに備える請求項11に記載の薄型義足。
【請求項13】
前記踵部材は、前記足部に取り外し可能に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項14】
前記踵部材は、前記足部に永続的に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項15】
前記アダプタは、前記足部の後部に取り外し可能に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項16】
前記アダプタは、前記足部に永続的に取り付けられる請求項11に記載の薄型義足。
【請求項17】
前記足部は、概ね平坦である請求項9に記載の薄型義足。
【請求項18】
前記足部は、前記義足の長さに沿って踵から爪先へ延びる請求項9に記載の薄型義足。
【請求項19】
薄型義足であって、
前端部と後端部との間を延び、前部および後部を有し、当該後部が支持面に対してある角度で傾斜した足支持部と、
前記足支持部に連結された踵支持部と、
前方部および後方部、ならびにベースを有し、当該ベースが前記支持面に対してある角度で傾斜したアダプタと、
を備え、
前記ベースの少なくとも一部分は、前記足支持部の後部と接触するように形成され、前記アダプタは、前記足支持部の後部に装着され、前記前方部は、前記足支持部に対して動くように形成される薄型義足。
【請求項20】
前記ベースは、前記前方部に縁が形成され、当該縁は、曲率半径を有し、前記前方部は、前記縁に沿って前記足部に巻きつけられるように形成される請求項19に記載の薄型義足。
【請求項21】
前記前部は、支持面に作動可能に接触するように適合された爪先部を含む請求項19に記載の薄型義足。
【請求項22】
クレープ部が、前記足支持部の前部に取り付けられる請求項19に記載の薄型義足。
【請求項23】
前記足支持部は、複数の複合材料層を含む請求項19に記載の薄型義足。
【請求項24】
前記アダプタの傾斜角度は、前記足支持部の後部の傾斜角度と概ね等しい請求項19に記載の薄型義足。
【請求項25】
義足をソケット、パイロンまたは同様のものなどの中間義肢に連結する際に使用するアダプタであって、
前記アダプタの上部に設けられたピラミッド部であって、当該ピラミッド部の中を、支持面に対して概ね垂直に延びる軸線を定めるピラミッド部と、
前記アダプタの下部に設けられて、前記アダプタの長さに沿って延びるベースであって、当該ベースは、傾斜した面を有し、この面は、前記支持面に対して前記アダプタの前方部から前記アダプタの後方部へ上向きに傾斜するベースと、
を備え、
前記ベースは、前記前方部に沿って巻きつき面を有し、当該面は、前記アダプタを前記義足に連結すると、前記アダプタと前記義足とが相対的に動き得るように適合されているアダプタ。
【請求項26】
前記巻きつき面は、曲率半径を有する請求項25に記載のアダプタ。
【請求項27】
前記アダプタの後方部において前記ベースに形成された少なくとも1つの孔をさらに備え、当該孔は、コネクタを受け入れるように形成されている請求項25に記載のアダプタ。
【請求項28】
前記コネクタは、ボルトである請求項25に記載のアダプタ。
【請求項29】
前記コネクタは、接着剤である請求項25に記載のアダプタ。
【請求項30】
前記コネクタは、樹脂である請求項25に記載のアダプタ。
【請求項31】
前記アダプタの前方部において前記ベースに形成された少なくとも1つの孔をさらに備え、当該孔は、前記コネクタを受け入れるように形成されている請求項27に記載のアダプタ。
【請求項32】
前記前方部の前記孔と前記アダプタの先端との間の距離は、前記アダプタの長さの約30%またはそれ以上である請求項31に記載のアダプタ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−502629(P2007−502629A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523253(P2006−523253)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/025554
【国際公開番号】WO2005/018495
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505009759)オサール エンジニアリング インコーポレイティッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/025554
【国際公開番号】WO2005/018495
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505009759)オサール エンジニアリング インコーポレイティッド (2)
【Fターム(参考)】
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