説明

超音波ホーン及びそれを用いたアルミニウム合金の製造方法

【課題】アルミニウム溶湯との濡れ性が良くして超音波処理を好適に行うことができるとともに、破壊靱性を高めて耐久性を向上させた窒化珪素基焼結体製の超音波ホーン用いてアルミニウム鋳造組織を効率的に微細化する。
【解決手段】通常の焼結助剤を含むSi原料複合粉中のSi粉末100質量部に対して4A族元素を金属換算で1.0〜10質量部を含む複合粉の焼結体を焼結した窒化珪素基焼結体製の超音波ホーンによりアルミニウム溶湯に超音波を照射する。
窒化珪素基焼結体製造の際に、AlやY等の焼結助剤の他に4A族元素或いはその化合物を添加した焼結体を用いることにより、アルミニウム溶湯との濡れ性が良くして超音波処理を好適に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミ溶湯中にキャビテーションを発生させるための超音波ホーン及びそれを用いてアルミニウム合金を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムを鋳造する際、溶湯へ超音波を照射することにより溶湯中で音響キャビテーションを発生させ、これにより溶湯脱ガス、凝固組織制御等の効果が得られることが知られている。そして、溶湯への超音波照射は、移湯樋を流れる溶湯中(樋処理)或るいは鋳型内溶湯中(鋳型内・サンプ内処理)に超音波ホーンの先端部を挿入して振動を溶湯中に伝達することで行われている。
しかし、アルミニウム溶湯の超音波処理において、特に鉄合金、チタン合金などから構成される金属製ホーンを用いた場合は、アルミニウム溶湯への超音波照射時間とともにホーン先端がエロージョンされてしまう。そのため、アルミニウム溶湯中に超音波ホーンを用いて超音波照射させる際、ホーン材料の選択は重要な問題となる。
【0003】
そこで、アルミニウム溶湯と反応せず、高温耐エロージョン性に優れる素材としてセラミックで形成された超音波ホーンや、表面をセラミックで被覆した超音波ホーンが用いられてきている。
例えば特許文献1,2には、セラミックの中でも特に、窒化珪素基セラミック(以下「窒化珪素基焼結体」と記す。)、を用いた超音波ホーンが報告されてきている。これらの窒化珪素基焼結体からなる超音波ホーンは、アルミニウム溶湯のように高温で腐食性の高い溶湯に超音波処理する際においても、化学反応を生じ難く腐食し難いためアルミニウム溶湯の照射に適応できることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−209487号公報
【特許文献2】特表2006−522562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、窒化珪素基焼結体を用いた場合、アルミニウム溶湯と化学反応を生じ難い一方、アルミニウム溶湯との濡れ性が良くないため、音響キャビテーションが溶湯と超音波ホーン先端の間の界面で発生する。このため、溶湯中への超音波振動エネルギー伝達効率が不十分であり、その結果溶湯中のキャビテーション強度が減少し、組織微細化効果が低くなってしまっていた。
また、一般的な窒化珪素基焼結体は破壊靱性が低いために耐久性に難点がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、アルミニウム溶湯との濡れ性を良くして超音波処理を好適に行うことができるとともに、破壊靱性を高めて耐久性を向上させた窒化珪素焼結体製の超音波ホーン及びそれを用いてアルミニウム鋳造組織を効率的に微細化する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の超音波ホーンは、その目的を達成するため、アルミニウム溶湯に超音波を照射する際に用いる超音波ホーンであって、Si粉末100質量部に対して4A族元素を金属換算で1.0〜10質量部を含む原料複合粉を焼結した窒化珪素基焼結体からなることを特徴とする。
前記4A族元素としては、Tiを用いたものが好ましい。
また、上記4A族元素の含有量は金属換算で1.0〜6質量部であることがさらに好ましい。
【0008】
なお、上記原料複合粉とは、Si粉末と上記4A族元素、およびSi粉末を焼結する際に通常用いるAl、MgO、SiOや、Y、La、CeO等の希土類酸化物から選ばれた焼結助剤の混合粉末を意味している。
焼結助剤としては、Al、MgO、SiOから選ばれた少なくとも一種の化合物を主原料であるSi粉末100質量部に対して0.5〜10質量部、Y、La、CeO等の希土類酸化物から選ばれた少なくとも一種の化合物を0.5〜10質量部が好ましい。
【0009】
本発明の超音波ホーンは、上記の窒化珪素基の焼結体からなり、ホーンの長さLを、λ/2の超音波半波長を基本単位として、L=n×λ/及びn=2,3,4の整数に設計されていることを特徴とする。
また、ホーンはインサートネジを介して振動子に接続されていることが好ましい。
そして、上記のような超音波ホーンを用いてアルミニウム溶湯に超音波を照射することによりアルミニウム合金の組織を微細化することができる。
超音波を照射する際の振動振幅は、16〜60μm(p−p)の範囲とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、超音波ホーンが、アルミニウム溶湯と化学反応を生じ難く、かつ強度や破壊靱性が高められた窒化珪素基の焼結体から構成されているため、アルミニウム溶湯中に超音波を照射する際にあっても、溶湯と超音波ホーン先端の間の界面での音響キャビテーションを発生することなく溶湯中のキャビテーション強度を高めて金属組織の微細化作用を効率的に高めることができる。さらに高寿命であるために、結果的にコスト削減にも寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】超音波ホーンを用いた超音波処理装置の概要を説明する図
【図2】アルミニウム溶湯を超音波処理する態様を説明する図
【図3】Si‐(TiN)‐純Al溶湯系で進行する化学反応を示すグラフ
【図4】TiN‐純Al溶湯系で進行する化学反応を示すグラフ
【図5】TiN‐(Al‐Si)溶湯系で進行する化学反応を示すグラフ
【図6】耐エロージョン性試験装置の概略を説明する図
【図7】窒化珪素基焼結体からなる超音波ホーンの形状を説明する断面図
【図8】振動子にホーンを接続する形態を図
【図9】振動子とホーンの接続部を説明する断面図
【図10】本発明の実施例及び比較例で用いた窒化珪素基焼結体のミクロ組織の説明図
【符号の説明】
【0012】
1:超音波ジェネレータ 2:振動子
3:ホーン 4:ネジ方式接続
5:制御ユニット 6:鋳型
7:ヘッダー 8:樋
9:溶湯 10:インサート接続
11:坩堝 12:アルミニウム溶湯
13:ホーン 14:耐火物製チューブ
15:エロージョン試験片 16:試料ホルダ
17:切り込み
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明者等は、アルミニウム溶湯の組織微細化に用いる超音波ホーンの対濡れ性向上策と耐久性向上策にて鋭意検討を重ねてきた。
その過程で、窒化珪素基の焼結体を製造する際に、通常焼結助剤として用いられるAl、MgO、SiOなる化合物や、Y、La、CeO等の希土類酸化物の他に、4A族元素の金属或いはその酸化物、窒化物、炭化物等を用いることが有効であることを見出した。
以下にその詳細を説明する。
【0014】
まず、アルミニウム溶湯の組織微細化に一般的に用いられる超音波処理用装置の一例について説明する。
図1に示すように超音波処理用装置は、超音波ジェネレータ1、振動子2、ホーン3と制御ユニット5から構成されている。但し、振動子2は磁歪または圧電素子から選択することができる。一例として、磁歪振動子を構成した超音波発生装置の操作原理を説明する。超音波ジェネレータ1により発生した交流強力電流を超音波振動子2に印加し、超音波振動子2によって発生した超音波振動はネジ方式接続4を介してホーン3によってホーン先端に伝達し,先端から図示していないアルミニウム溶湯中に導入する。共振条件を保つため、共振周波数自動制御ユニット5を備えている。
このユニットは、振動子に流れる電流値を周波数の関数として測定し、電流値が最大値を保持するように、周波数を自動調整する機能を有するものである。
【0015】
超音波の照射位置として、DC鋳造装置の樋に流れる溶湯中において照射した例を図2に示す。
なお、超音波照射位置はこれに限られることはなく、図示はしないが保持炉や鋳型内などでも超音波振動を付与することができる。また、DC鋳造法に限らず、重力鋳造法、ダイカスト法やその他の鋳造法においても、所定の位置で超音波照射することによって、アルミニウム溶湯の微細化効果を得ることができる。
【0016】
次に、本発明に係る超音波ホーンの材質について説明する。
従来、アルミニウム溶湯用の超音波ホーンとしては、高耐熱性を有するためアルミニウム溶湯中で超音波照射させてもエロージョンされにくいセラミック材料、特に窒化珪素基焼結体が用いられてきた。本発明に係る超音波ホーンは、アルミニウム溶湯と濡れ性を高くし、金属組織の微細化効果を向上させ、さらに高寿命化をはかるため、窒化珪素基の原料複合粉を焼結する際に、Si粉末100質量部に対して、さらに4A族元素を金属換算で1.0〜10質量部添加した焼結体を用いることを特徴とする。
【0017】
通常、窒化珪素基の焼結体を製造する際には、所要の材料強度と焼結度を発現させるために、焼結助剤としてAl、MgO、SiOやY、La、CeO等の希土類酸化物を添加しているが、本発明品である超音波ホーン用の焼結体を製造する際にも同様に前記焼結助剤を用いる。
本発明では、通常の焼結助剤の他にさらに4A族元素又はその化合物を用いている。
【0018】
次に、超音波ホーン用として好ましい窒化珪素基焼結体の製造方法について説明する。
α‐Si含有率90質量%以上、粒度2μm以下のSi粉末100質量部に対して焼結助剤としてAl、MgO、SiOから選ばれた少なくとも一種の化合物を0.5〜10質量部、好ましくは2〜5質量部、Y、La、CeO等の希土類酸化物から選ばれた少なくとも一種の化合物を0.5〜10質量部、好ましくは2〜5質量部を添加して窒化珪素基原料粉末を調製する。
この窒化珪素基原料粉末中のSi粉末100質量部に対して4A族元素を1.0〜10質量部、好ましくは2〜5質量部(化合物の場合は金属換算)を添加して原料複合粉を調製する。
この複合粉に対し必要に応じて有機バインダーを加えてCIP成形等によりホーンを成形し、乾燥脱脂後焼結する。
【0019】
焼結方法としては、本発明者らが提案している「窒化珪素焼結体の製造法」(特公平5−39903号公報参照)を採用することが好ましいが、焼結方法はこれに限定されるものではない。
以下、前記窒化珪素焼結体の製造法に従った方法を説明する。
CIPなど通常の成形法により得られた成形体を、窒化珪素、酸窒化珪素及び炭素からなる埋粉に埋設した後焼結する。埋粉は粒度100μm〜10mmのものを用い、組成配合としては下記式に規定されるものを用いることが好ましい。
SiON/(SiON+Si)=0.05〜0.5
C/(C+SiON)=0.1〜0.3
【0020】
これらの埋粉の効果は、焼結助剤の液相化温度の低下と靭性向上に有効である。
焼結の第一工程として、先ずCO濃度が1〜50vol%の常圧ないしそれ以上のNガス雰囲気中、1100〜1300℃で加熱処理する。これによって焼結助剤の液相化温度が下がり、より低温からの焼結が可能となる。
第二工程として、第一工程の最高温度〜1500℃の温度範囲で、1×10−3〜500Torrの減圧と5〜30kg/cmの加圧とを一回ないしそれ以上交互に繰り返しながら加熱処理する。これによってSiの分解・揮散の抑制及び結晶成長促進の効果が発現する。
【0021】
第三工程として、5〜30kg/cmの加圧N雰囲気中、1500〜1850℃の範囲で加熱処理し、最高温度で60〜180min保持後冷却する。本焼結工程により、埋粉から発生するSi、SiO、N等のガスが、成形体内の細孔に拡散して液相に溶解し、β―Si結晶の一方向成長が促進され、長い柱状結晶が三次元的に絡み合って破壊靭性が向上する。併せて、粒界に分布する4A族元素がAl溶湯との接触角を低下させ、濡れ性向上に寄与する。
【0022】
4A族元素添加により、アルミニウム溶湯との濡れ性向上による微細化効果と破壊靭性向上による高寿命化効果が発揮されるが、その添加量がSi粉末100質量部に対して1質量部未満、10質量部より多いと、破壊靭性発現の効果は少なくなってしまう。また特に1.0〜6質量部であれば、強度の低下やアルミニウム溶湯における耐エロージョン性が最小限に抑えられるため、高寿命化の観点からはより好ましい。Al溶湯への濡れ性はこの範囲内においては添加量の多いほど向上する。なお、4A族元素は、Ti、Zr、Hf、Thなどの4A族元素の金属、およびその酸化物、窒化物、炭化物等で添加する。
【0023】
4A族元素添加による濡れ性向上のメカニズムは下記の通りであると推定される。
セラミックスと溶融金属間の界面現象に関する従来研究より、溶融金属によるセラミックスの濡れ性はセラミックスと溶融金属の間の反応性が高いほうが良いことが明らかとなっている。セラミックスと溶融金属との反応性は、熱力学的には、それらの間の界面において予想可能な化学反応に関する自由エネルギーの変化量を比較することによって評価することが可能である。以下に、それぞれ4A族元素非含有セラミックス(セラミックスA:Si-Al3-Y)又は4A族(TiN)含有セラミックス(セラミックスB:Si-Al-Y-TiN)と溶湯としての純アルミニウム又はAl-Si合金を用いた場合の進行可能な反応に関する自由エネルギーを温度の関数としてFACT-Sageというソフトウェアを用いて計算した。
【0024】
図3にみられるように、純AlとセラミックスAの場合は(1)式の化学反応しか起こらず、その反応の生成物であるAlNのAl溶湯に対する濡れ性が極めて悪い。一方、TiNを含有したセラミックスBの場合は反応(2)と(3)のとおりTiSiまたはTiSiの金属間化合物が生成することによってセラミックスの濡れ性は著しく改良すると考えられる。さらに、反応(2)と(3)はギブス自由エネルギーが反応(1)と比べてかなり低いため熱力学的に進行しやすいものである。
さらに、図4に示すようにセラミックスBの場合は反応(4)と(5)のとおりTiNが直接にAl溶湯と反応して、特にAl溶湯に濡れやすいAl-Ti系金属間化合物が生成するため、濡れ性が高くなる。
【0025】
また、図5に示すようにAl-Si溶湯を用いたときは溶湯中のSiがセラミックス中のTiNと反応するために反応式(6)〜(11)のようにTiSiまたはTiSiの金属間化合物が生成することによってセラミックスの濡れ性が改良する。
以上の結果より、4A族(TiN)含有セラミックスで作られたホーンのアルミニウム溶湯に対する濡れ性の改善の理由は、TiN、Al溶融とSi又はAl溶融中の溶解Siの間で起こる反応によりホーン先端表面上でTi-Si系金属間化合物やAl-Ti系金属間化合物の層が生成されるためである。
【0026】
従来の窒化珪素基焼結体製のホーンは、ホーン中を伝播する超音波により応力分布を生じ、窒化珪素基焼結体の破壊靭性値を超えた場合は、応力集中部にクラックが急激に成長するためにホーン寿命が短くなるという問題があった。
しかし、例えば4A族元素であるTiの酸化物であるTiOを金属換算で1.0〜10質量部添加することにより、従来の窒化珪素基焼結体製ホーンがKIC=6.9MN/m3/2程度であったのに対し、本発明の超音波ホーンは、破壊靭性KIC=9.0MN/m3/2程度を達成しているため、振幅の大きい条件でも耐折損性を高めることができ、寿命の増大という効果が期待できる。
これは、4A族元素の添加により、Si結晶のC軸方向の成長が促進され、長柱状の単結晶が3次元的に絡み合った微構造を形成するため、亀裂の進展エネルギーがこの構造によって低下される結果、破壊靭性が向上したためと考えられる。
【0027】
さらに、本発明の超音波ホーンに用いる窒化珪素基焼結体の4A族元素の添加量の相違による曲げ強度の変化を下記に示す。
Si粉末100質量部に対してTiOを金属換算でそれぞれ0、1.5、3、4.5、6、7.2質量部加えた原料複合粉を幅60×長さ95×厚さ7mmの石膏型を使用して、スリップキャスト法により角板を成型し、該試料をMax1770℃の窒素雰囲気で焼成した。
【0028】
得られた焼成体から、幅4×厚さ3×長さ40mmの試験片を各々3ヶ試料採取した。曲げ強度試験測定は、JIS R 1601に準じ3点曲げ強度で実施し、数値は3試料の平均値で示した。
各TiO添加量における曲げ強度の測定結果を表1に示す。
これらのデータよりTiO添加量が6%を超えると曲げ強度は低下し始める。その結果、ホーンの使用にあたって、ホーン内部でひび割れが発生しやすくなり、超音波により繰返応力と熱衝撃に対する耐久性が低くなるため、高寿命化の観点からは4A族元素の添加量金属換算で6質量部以下がより好ましいことがわかった。
【0029】

【0030】
続いて、本発明の超音波ホーンに用いる窒化珪素基焼結体の4A族元素の添加量の相違によるアルミニウム溶湯中での耐エロージョン性の変化についての試験を行った。
エロージョン試験に用いた装置は図6に示す。
高純度アルミナ製の坩堝11中に、けい酸カルシウム製のサンドイッチタイプの試料ホルダ16を設け、これに試料片15を固定した。さらに、試料ホルダ16の上には試料ホルダ16を固定するために耐火物製のチューブ14を設け、坩堝11中にアルミニウム溶湯12を入れて窒化珪素基焼結体からなる超音波ホーン13により超音波振動付与し、試験片のエロージョンを確認した。
なお、耐火物製のチューブ14には、図6(b)に示すように、溶湯を循環し易くために切り込み17を設けている。
【0031】
試料片は曲げ強度試験に用いたもののうちTiOの添加量が0、3、6質量部のものと同一の焼結体をそれぞれ用いた。各試験片をアルミニウム溶湯に浸漬させ超音波ホーンをそれぞれ3時間付与し、試験終了後の試験片の表面を観察した。エロージョン程度の基準として超音波キャビテーションによって形成された窪みの平均直径Dの大きさを測定した。
各試験片のエロージョン試験結果は下記の表2に示す通りである。
【0032】

【0033】
上記に示すようにTiOの添加量が増えるにつれて、エロージョンが高くなることがわかる。なお、同じ材質の窒化珪素焼結体を超音波ホーンに適用した時、ホーン先端で起こるキャビテーションは試験片でのキャビテーションと比べて激しいので、耐エロージョン性の絶対値は変わる可能性が大きいが、アルミニウム溶湯中における各試験片の耐エロージョン性と同様の傾向で再現されると考える。
試験結果より6質量部以上添加するとさらにエロージョンが進むと予測されることから、これ以上のTiO添加を避け、耐エロージョン性による高寿命化の観点からは、4A族元素添加量は金属換算で6質量部以下がより好ましい。
【0034】
なお、超音波ホーンは、アルミニウム溶湯で超音波照射をする際に、微細化の観点からは一般的に直径が大きい方が効果的である。4A族元素の添加のない従来の窒化珪素基焼結体製ホーンにおいては、破壊靭性値が充分高くなく、直径の大きなホーンを製造して用いようとすると折損しやすくなる。そのため、ホーンとして用いた際にも直径の大きなホーンを用いて超音波照射した際には、寿命が短くなってしまうと予想される。
しかし、本発明の窒化珪素基焼結体製ホーンでは、アルミニウム溶湯の微細化効果が高いとされる直径40mm以上のホーンを容易に製造でき、また従来の窒化珪素基焼結体製ホーンと比べて安定した組織と高い靭性値のために使用中に折損する可能性も少ない。すなわち、本発明により、アルミニウム溶湯組織の微細化と自身の高寿命化の双方を満足する超音波ホーンを得ることができる。
【0035】
ところで、超音波ホーンの直径が40mm以上になれば、特にDC鋳造などの溶湯流量の大きいプロセスでも、キャビテーション領域が広くなるため組織微細化効果を発揮することができるようになる。キャビテーション領域の長さは超音波ホーンの振動振幅、ホーンの材質、溶湯の化学組成、温度等諸条件によって変化するが、おおよそ、幅約1.5d(dはホーン先端の直径)の範囲で発生する。
また、焼結体材料は熱伝導率が比較的低いため、加熱・冷却を繰り返すとホーン内部熱勾配によりホーン内亀裂が進展しホーンが折損する熱衝撃破壊が生じる。熱衝撃温度勾配はホーン直径が大きいほうが激しくなるため、ホーン直径が上限値を超えたら折損可能性が急激に増え、ホーン寿命が短くなる。この上限値は焼結体の性質、予熱・超音波処理・冷却の条件によって変化するがこの直径を超えない程度で製造することが好ましい。さらに、ホーン直径はλ/4以下にすることが好ましい。ここでλはホーン材質内波長のことである。
【0036】
超音波ホーンは正常作動状態においてピストン式の縦振動を行い、ホーン先端の全面が同振幅、同位相で振動するが、ホーン直径がλ/4を超えるとホーン先端の中心と外の点の間の位相差が生じるために超音波処理効率が悪くなる。
つまり、ホーンは様々の振動があるが直径がλ/4以内場合、縦方向の振動モードは他のモードと比べて支配的であるため効率よく超音波を照射することができる。しかし、λ/4を超えると他の振動モードの影響が大きくなり、その結果、キャビテーションを引き起こす縦方向振動振幅は小さくなるため効率的ではなく、ホーンの性能が劣化しやすくなるため、好ましくない。なお、超音波周波数20kHzにおいて本発明の材質の波長は0.46m程度である。
したがって、ホーン直径の上限値は熱衝撃破壊と音響的制限(λ/4)のいずれか小さい方までにすることが好ましい。
【0037】
さらに、本発明の超音波ホーンにおいて、ホーンの形状は振動増幅率が1.6以上になるように設計することが好ましい。このように設計することによって、振動子からの振動を増幅させた振動をホーン先端部において得ることができる。
振動増幅率を求める手順は次の通りである。ホーンに通常使われる、可変断面積を有する回転体(円筒、円錐など)の細長い物体内で誘導される固有振動は次の式により算出される。
【0038】

【0039】
この式は、縦方向振動以外の振動モードは無視する、物体内の超音波の減衰は無視するという仮定のもとに導かれている。(1)式を境界条件Z=0でe=e;Z=Lでe=eを用いて解くことにより、M=e/e比である振動増幅率を求めることができる。しかしながら、上記のように求められた振動増幅率は超音波ホーンのみの固有振動条件に相当するため近似値である。実際の振動増幅率は実験的に測定される。
【0040】
振動増幅率が1.6以上の超音波ホーンの形状は、図7に示すように、例えば(a)円錐型、(b)ダンベル型、(c)ステップ型などがある。これらの実測振動増幅率は、(a)が1.7、(b)が2.7、(c)が1.8である。このように振動増幅率を1.6以上にすることで、振動子とホーンとの接続部への負荷を低減することができる。
さらに、本発明の超音波ホーンの長さLは、λ/2の超音波半波長を基本単位とするものである。例えば、丸棒の場合、Lを(2)式によって計算できる。
【0041】

【0042】
nが整数でない場合には共振条件を満足できないため、nは整数であることが必要である。より複雑な形状をもつホーンにおいてもLを(2)式で概算できる。
また、ホーン寿命は超音波発生装置の共振条件を満足する長さの許容差DLによって支配される。DLを求める一例を以下に示す。
【0043】

【0044】
(5)式から分かるように、DL(=ホーン寿命)はnによって決まる。ホーンの初期長さとホーン材中音速が大きいほうが長くなるが、n=2、3、4が好ましい。n=1では、共振条件を満足する長さの許容差ΔLが小さいため、ホーンの寿命が短くなり易い。n>4となるとホーン重量が増大して、振動子あるいはその接続部に負荷がかかるため、寿命が短くなってしまったり、ホーン長さを長くするにつれて、ホーン中の超音波振動の減衰率が大きくなって超音波照射の効率が低減してしまうためである。
【0045】
なお、振動子とホーンの接続部は、例えば工具鋼などのような高強度合金製のインサートを介して振動子に接続されていることが好ましい。これにより、接続部の衝撃を和らげることができ、ホーンの耐久性が強化され、磨耗、振動などによる破損を防止することができる。
本発明の窒化珪素基焼結体製のホーンなどのように、窒化珪素基焼結体製等の硬い素材に、振動子に使用されるFe−Ni−Co合金、Ti合金等の比較的柔らかい素材を直接接続させると、ネジが早く劣化し寿命が短くなってしまう。そこで、硬さが振動子と焼結体の間にある工具鋼製インサートを入れることで、接続部の衝撃を和らげ、雌ネジを強化し耐久性のあるネジ結合にすることができる。また、磨耗、振動などによるネジ山の破損防止にもなるため、安定したネジ結合を保ちながらホーンの高寿命化を図ることができる。
【0046】
ところで、ホーンは振動子と接続したままにしておくと、焼結体のネジに圧力がかかったままになってしまい、クラック発生の確率が高くなってしまうため、超音波照射が終了したらホーンと振動子を取り外す必要がある。
インサートなしの直接接続の場合、焼結体が脆いため取り外したり接続したりを繰り返していると、ネジが崩れていくという問題もある。そこで、インサートを加えることによって、接続部分が金属同士になるためホーンと振動子の取り外しが容易になり、このような問題がなくなるという効果もある。
【0047】
インサートと振動子との接続態様としては、例えば、図8(a)〜(c)に示すような形態が挙げられる。
(a)はワッシャ付きタイプの交換容易なインサートである。特徴としては振動子とホーンの接続面が直接接触しない点が挙げられる。(b)は振動子とホーンの間の直接接触を提供する交換不可能なインサート、(c)は振動子とホーンの間の直接接触を提供するインサートの一種であるヘリサートである。
【0048】
(a)のように振動子とホーンの直接接触面がなく、ホーンとインサートの接触面が多い場合、不可避的な隙間ができてしまったり、不純物が付着しやすくなってしまったりするため、振動エネルギーの一部が消滅し、超音波伝達効率が悪くなってしまう。そのため、一般的には(b)、(c)などのようにインサートを配置させて振動子とホーンを直接接触させた方が好ましい。
しかしながら、振動子がFe合金などの比較的柔らかい金属の場合のように、振動子とホーンの直接接触面があると、両者間で熱膨張率、弾性率、硬度などの特性が大きく異なるため、振動子の接触部分が塑性変形してしまうことがあるため、(a)のように振動子とホーンを直接接触させない方がよい場合もある。
【0049】
図7(a)の円錐ホーンにおいて、ホーンをインサート接続せずに、振動子と直接ねじ接続した場合の寿命が1.5時間となった。これに対し、ヘリサート図8(c)で接続した場合、73時間まで確認できた。図7(b)のダンベルホーンにおいて、インサート接続せずに直接ねじ接続した場合の寿命は数分間程度となった。これに対し、インサート図8(a)で接続した場合、105時間まで確認できた。
【0050】
また、インサート内のネジはピッチ数を10個以上にすることが好ましい。これにより、超音波振動の付加によるネジ戻しを防止することができる。また、インサートのホーン側の雌ネジは谷角部標準的な三角ネジであればよく、ホーン接続のネジの形に合わせた曲率半径の丸みをつけることが好ましい。これによりネジ戻しを防止し、超音波伝播によって谷角部に応力集中することによる亀裂の発生、破損を防止することができ、微細化効率の向上、ホーン寿命の向上を図ることができる。図9に一例を示す。この場合の曲率半径は1.0である。なお、振動子とインサート側の接続についてもホーンとインサート側の接続と同様にネジで接続している。
【0051】
なお、本発明の超音波ホーンを用いて超音波照射する際は、16〜60μm(p−p)で超音波を照射し組織微細化されたアルミニウム合金を製造することが好ましい。ここで、p−pはピーク‐to‐ピークであり、例えばサイン波の場合は最大値と最低値との差のことをさす。16μm〜60μmが微細化効果が進み、かつ接続部への負担が低減しホーン破損につながりにくい好適な値である。
【実施例】
【0052】
実施例1:
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si-0.01%Pなる成分組成を有するアルミニウム溶湯を用意した。
次に、直径40mm、振動増幅率1.7、長さ425mm(n=2)であって、Si粉末100質量部に対してYとAlを化合物換算でそれぞれ5質量部、TiOを金属換算で5質量部加えた原料複合粉の成形体を焼結した窒化珪素基焼結体製の超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉からDC鋳造鋳型へ溶湯移送樋に供給されるアルミニウム溶湯中に浸漬させたホーンにより、超音波を照射し、鋳造速度275mm/minでφ97のビレットを鋳造した。
【0053】
なお、この際に使用した超音波発生装置は、SONOVITA社(ロシア)製の超音波発生装置であり、周波数21.7kHz、音響出力0.6kWに設定した。ホーン中の超音波の波長λは430mmで、ホーンの振動振幅は32μm(p−p)であった。
接続部は工具鋼製のインサートを介して振動子に接続した。インサートのピッチ数は14個で、曲率半径は0.5mmであった。
この実施例1で製造された鋳塊の表層部の組織を顕微鏡で観察した。その結果を図10(a)に示す。
【0054】
実施例2:
溶解炉内に配置した坩堝内にAl-17%Si-0.01%Pなる成分組成を有するアルミニウム溶湯を用意した。
次に、直径42mm、振動増幅率2.7、長さ460mm(n=2)であって、Si100質量部に対してYとAlを化合物換算でそれぞれ5質量部、TiOを金属換算で5質量部加えた原料複合粉の成形体を焼結した窒化珪素基焼結体製の超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉からDC鋳造鋳型へ溶湯移送樋に供給されるアルミニウム溶湯中に浸漬させたホーンにより、超音波を照射し、鋳造速度300mm/minでφ97のビレットを鋳造した。
【0055】
なお、この時使用した超音波発生装置は、TELSONIC社(スイス)製の超音波発生装置であり、周波数20kHz、音響出力0.5kWに設定した。ホーン中の超音波の波長λは460mmで、ホーンの振動振幅は48μm(p−p)であった。
接続部は工具鋼製のインサートを介して振動子に接続した。インサートのピッチ数は14個で、曲率半径は0.5mmであった。
この実施例2で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表1に示す。
【0056】
実施例3:
ホーンの先端直径を24mm、振動増幅率1.7、長さ460mm、音響出力0.15kWとした以外は実施例2と同一の装置を用いて同一の方法で超音波を照射し、鋳造を行った。
この実施例3で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0057】
実施例4:
溶解炉内に配置した坩堝内にAl-17%Si-0.01%Pなる成分組成を有するアルミニウム溶湯を用意した。
次に、直径48mm、振動増幅率2.7、長さ450mmであって、Si粉末100質量部に対してYとAlを化合物換算でそれぞれ5質量部、TiOを金属換算で5質量部加えた原料複合粉の成形体を焼結した窒化珪素基焼結体製の超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉からDC鋳造鋳型へ溶湯移送樋に供給されるアルミニウム溶湯中に浸漬させたホーンにより、超音波を照射し、鋳造速度200mm/minでφ97のビレットを鋳造した。
【0058】
なお、この時使用した超音波発生装置は、TELSONIC社(スイス)製の超音波発生装置であり、周波数20kHz、音響出力0.7kWに設定した。ホーン中の超音波の波長λは0.46mで、ホーンの振動振幅は32μm(p−p)であった。
接続部は工具鋼製のインサートを介して振動子に接続した。インサートのピッチ数は14個で、曲率半径は0.5mmであった。
実施例4で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0059】
実施例5:
振動振幅24μm(p−p)とした以外は、実施例1と同一の装置を用いて同一の方法で超音波を照射し、鋳造を行った。
実施例5で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0060】
実施例6:
振動振幅14μm(p−p)とした以外は、実施例1と同一の装置を用いて同一の方法で超音波を照射し、鋳造を行った。
実施例6で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0061】
実施例7:
Si粉末100質量部に対して加えたTiOの添加量を金属換算で2.5質量部とした以外は、実施例1と同じ条件、同一の装置で超音波を照射し、鋳造を行った。
実施例7で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0062】
実施例8:
Si粉末100質量部に対して加えたTiOの添加量を金属換算で7.5質量部とした以外は、実施例1と同じ条件、同一の装置で超音波を照射し、鋳造を行った。
実施例8で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0063】
実施例9:
Si粉末100質量部に対して加えたTiOの添加量を金属換算で10.0質量部とした以外は、実施例1と同じ条件、同一の装置で超音波を照射し、鋳造を行った。
実施例9で製造された鋳塊のR/2部の初晶珪素の平均粒径を表3に示す。
【0064】

【0065】
表3からもわかるように、ホーンの先端が40mm以上であるとより初晶Siが微細化している。また、振幅は大きい方が微細化しやすい。
なお表3中、dとdUSはそれぞれの無処理した場合の初晶珪素平均粒径と超音波処理した場合の初晶珪素平均粒径を示している。
【0066】
比較例1:
TiOを添加していない窒化珪素基焼結体製の超音波ホーンを用いた以外は、実施例1と同一の装置を用いて同一の方法で超音波を照射し、鋳造を行った。
比較例1で製造された鋳塊の表層部の組織を顕微鏡で観察した。その結果を図10(b)に示す。
【0067】
比較例2:
さらに比較のため実施例1と同一の装置を用いて超音波照射を行っていない以外は同じ条件で鋳造を行った。
比較例2で製造された鋳塊の表層部の組織を顕微鏡で観察した。その結果を図10(c)に示す。
【0068】
図10(a),(b)、(c)は、それぞれ実施例1、比較例1、比較例2で製造されたアルミニウム合金の金属組織を示す顕微鏡写真である。
黒色部分は初晶Siの結晶であるが、実施例1では比較例1、および比較例2と比べ初晶Siが微細化していることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム溶湯に超音波を照射する際に用いる超音波ホーンであって、Si粉末100質量部に対して4A族元素を金属換算で1.0〜10質量部を含む原料複合粉を焼結した窒化珪素基焼結体からなることを特徴とする超音波ホーン。
【請求項2】
前記4A族元素としてTiを用いたものである請求項1に記載の超音波ホーン。
【請求項3】
Si粉末100質量部に対して4A族元素を金属換算で1.0〜6質量部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波ホーン。
【請求項4】
前記Si原料複合粉は、Si粉末および前記4A族元素の他に、焼結助剤としてSi粉末100質量部に対してAl、MgO、SiOから選ばれた少なくとも一種の化合物を0.5〜10質量部、Y、La、CeO等の希土類酸化物から選ばれた少なくとも一種の化合物を0.5〜10質量部含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波ホーン。
【請求項5】
上記の窒化珪素基の焼結体からなり、ホーンの長さLを、λ/2の超音波半波長を基本単位として、L=n×λ/及びn=2,3,4の整数に設計されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波ホーン。
【請求項6】
ホーンがインサートネジを介して振動子に接続されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波ホーン。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波ホーンを用いてアルミニウム溶湯に超音波を照射することを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
【請求項8】
超音波を照射する際の振動振幅を、16〜60μm(p−p)の範囲とする請求項7に記載のアルミニウム合金の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−177787(P2011−177787A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20406(P2011−20406)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】