説明

車両用ドアミラー

【課題】上方に臨む支持座ならびに該支持座から立ち上がる支軸が車両のサイドドア側に固設され、ブラケットに設けられて支軸に回動自在に支承される軸受部および支持座の対向面間にブラケットの回動にクリック感を持たせるクリック機構が設けられ、支軸に固定されるばね受け部材と、軸受部に形成される平坦なばね受け面との間にコイルばねが縮設され、ばね受け面には、潤滑剤を充填し得る潤滑剤溜まりが形成される車両用ドアミラーにおいて、ばね受け面へのコイルばねの摺接範囲に潤滑剤を常時安定して供給して、異音の発生を防止する。
【解決手段】潤滑剤溜まり31は、一端を他端よりも支軸11の中心に近い方に配置するようにして連続する第1溝32を少なくとも有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上方に臨む支持座ならびに該支持座から立ち上がる支軸が車両のサイドドア側に固設され、ミラーを支持するブラケットに設けられて前記支軸に回動自在に支承される軸受部および前記支持座の対向面間に前記ブラケットの回動にクリック感を持たせるクリック機構が設けられ、前記支軸に固定されるばね受け部材と、前記軸受部の前記支持座とは反対側の面に形成される平坦なばね受け面との間に、前記軸受部を前記支持座側に押しつけるコイルばねが縮設され、前記ばね受け面には、潤滑剤を充填し得る潤滑剤溜まりが形成される車両用ドアミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
ミラーを支持するブラケットを車両のサイドドア側に固設される支軸の軸線まわりに回動させる際に、ブラケットのばね受け面およびコイルばね間の摩擦による異音が発生するのを抑えるために、ばね受け面およびコイルばね間に潤滑剤を塗布することが、特許文献1に開示されている。またブラケットに設けられる回転座面と、回転座面に対向して支軸の基部に連設される座面との間にクリック機構が設けられ、回転座面に、潤滑剤を充填するための潤滑剤溜まりが形成されるようにしたものが、特許文献2で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62ー148444号公報
【特許文献2】実開昭61−12847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが上記特許文献1で開示されたものでは、潤滑剤をばね受け面およびコイルばね間に塗布するだけであり、ブラケットの回動数が多くなったり、雨等で潤滑剤が流出してしまい、潤滑性能が低下する可能性がある。そこで、特許文献2で開示される技術を適用して、ばね受け座面に潤滑剤溜まりを形成することが考えられる。しかるに特許文献2で開示された潤滑剤溜まりは、直径1.2〜1.8mm程度の半円状の凹部であり、ブラケットおよびコイルばね間のガタによるコイルばねの位置ずれによって、コイルばねのばね受け面への摺接範囲に潤滑剤を常に供給することができず、ばね受け面およびコイルばね間の摩擦が増大し、ばね受け面およびコイルばねが擦れて異音が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ばね受け面へのコイルばねの摺接範囲に潤滑剤を常時安定して供給して、異音の発生を防止するようにした車両用ドアミラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、上方に臨む支持座ならびに該支持座から立ち上がる支軸が車両のサイドドア側に固設され、ミラーを支持するブラケットに設けられて前記支軸の基部に回動自在に支承される軸受部および前記支持座の対向面間に前記ブラケットの回動にクリック感を持たせるクリック機構が設けられ、前記支軸に固定されるばね受け部材と、前記軸受部の前記支持座とは反対側の面に形成される平坦なばね受け面との間に、前記軸受部を前記支持座側に押しつけるコイルばねが縮設され、前記ばね受け面には、潤滑剤を充填し得る潤滑剤溜まりが形成される車両用ドアミラーにおいて、前記潤滑剤溜まりが、一端を他端よりも前記支軸の中心に近い方に配置するようにして連続する第1溝を少なくとも有することを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、第1溝は、前記支軸の中心から放射状に延びて第1溝の中間部を通る仮想線と斜めに交差するように形成されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、第1溝が曲線形状に形成されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記潤滑剤溜まりが、前記ばね受け面の周方向に間隔をあけて配置される複数の複数の第1溝と、それらの第1溝の他端を共通に連通させるようにした環状の第2溝とから成り、第2溝は、前記コイルばねの外周よりも外方に位置するようにして前記ばね受け面の外周部に形成されることを第4の特徴とする。
【0010】
さらに本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ブラケットに、前記ばね受け面の外周縁に直角に連なって前記コイルばねを収容する筒状のばね収容部が設けられ、前記支軸にブラケットが支承された状態で前記ばね収容部のうち地面に最も近い箇所に、前記ばね収容部内の水を排水するための水抜き孔が設けられることを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴によれば、ばね受け面に形成される潤滑剤溜まりは第1溝を少なくとも有し、その第1溝は、一端が他端よりも支軸の中心に近い方に配置されるようにして連続するものであるので、ブラケットおよびコイルばね間のガタによるコイルばねの位置ずれに関係なく、コイルばねのばね受け面への摺接範囲に潤滑剤を常に供給することができ、ばね受け面およびコイルばね間の摩擦が低減し、ばね受け面およびコイルばねが擦れることで生じる異音の発生を防止することができる。
【0012】
また本発明の第2の特徴によれば、第1溝は、その中間部を通って支軸の中心から放射状に延びる仮想線と斜めに交差するので、万が一コイルばねの端末が第1溝に引っかかったとしても、ばね反力によるコイルばねの戻り時に異音が発生することを防止することができる。すなわち第1溝が支軸の中心から放射状に延びる仮想線に沿うものであった場合には、ブラケットの回動時にコイルばねの端末が第1溝に引っかかった場合には、ばね反力によってコイルばねの戻り時に異音が発生する可能性があるが、第1溝が支軸の中心から放射状に延びる仮想線と斜めに交差するものであることにより、コイルばねの端末が第1溝に引っかかったとしても、その抵抗力が分散されて引っかかりが外れ易くなるので、引っかかりによるコイルばねのねじれを抑え、ばね反力を低減して、コイルばねの戻り時の異音の発生を防止することができる。
【0013】
本発明の第3の特徴によれば、第1溝が曲線形状であるので、第1溝を直線形状とした場合に比べて第1溝の長さを長くし、より多くの潤滑剤を充填することを可能とし、潤滑剤の流出をより効果的に抑えることができる。
【0014】
本発明の第4の特徴によれば、潤滑剤溜まりが、複数の第1溝と、それらの第1溝の他端を共通に連通させるようにしてばね受け面の外周部に形成される環状の第2溝とから成り、第2溝はコイルばねの外周よりも外方に位置するので、ばね受け面へのコイルばねの摺接によってばね受け面の外周側に逃げようとした潤滑剤を第2溝に保持することができ、第2溝によってばね受け面の周方向に満遍なく潤滑剤を流通させるようにして、コイルばねのばね受け面への摺接範囲に潤滑剤を確実に供給することができる。
【0015】
さらに本発明の第5の特徴によれば、ばね受け面の外周縁に直角に連なってコイルばねを収容するようにしてブラケットに設けられるばね収容部のうち地面に最も近い箇所に、水抜き孔が設けられるので、ばね収容部内に浸入してばね収容部の内周面を伝わる水の大部分を、ばね受け面に達する前に水抜き孔から排出することが可能であり、水とととも潤滑剤が排出されてしまうことを抑制することができるので、潤滑剤がコイルばねの摺接範囲から流出することを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ドアミラーの縦断面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】支軸およびばね受け部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図1〜図4を参照しながら説明する。
【0018】
先ず図1において、上方に臨む支持座10ならびに該支持座10から立ち上がる支軸11が乗用車両Vのサイドドア5側に固設されており、図示しないミラーを支持するブラケット8に設けられて前記支軸11に回動自在に支承される軸受部12および前記支持座10の対向面間に前記ブラケット8の回動にクリック感を持たせるクリック機構13が設けられ、前記支軸11に固定されるばね受け部材14と、前記軸受部12の前記支持座10とは反対側の面に形成される平坦なばね受け面15との間に、前記軸受部12を前記支持座10側に押しつけるコイルばね16が縮設される。
【0019】
前記サイドドア5にはベース6が取付けられており、このベース6に支持部材7が複数のねじ部材9…で取付けられる。この支持部材7には、上方に臨む支持座10と、該支持座10から上方に立ち上がる支軸11とが設けられており、支持座10および支軸11を有する支持部材7が前記ベース6を介してサイドドア5に固設されることになる。
【0020】
前記ブラケット8はハウジング17で覆われており、このハウジング17は、前記ミラーを臨ませる窓を形成するとともに複数のねじ部材20…で前記ブラケット8に取付けられる合成樹脂製のハウジング主部18と、該ハウジング主部18に係合、連結される合成樹脂製のカバー19とから成る。前記ブラケット8には、前記ハウジング17内に収容される電動アクチュエータ21が複数のねじ部材22…で締結されており、前記ミラーは、前記電動アクチュエータ21で前後、左右に傾動駆動される。
【0021】
図2および図3を併せて参照して、前記ブラケット8に設けられる軸受部12は、前記支軸11を囲繞する筒部分12aと、該筒部分12aの基端から半径方向外方に張り出して前記支持座10に対向する鍔部分12bとを一体に有しており、鍔部分12bの上面に平坦なばね受け面15が形成される。また前記ブラケット8には、前記ばね受け面15の外周縁に直角に連なって上方に延びる筒状のばね収容部23が一体に設けられており、このばね収容部23内にコイルばね16が収容される。
【0022】
図4を併せて参照して、前記コイルばね16は、前記ばね受け面15と、前記支軸11の先端部に固定されるばね受け部材14との間に縮設される。前記ばね受け部材14は、内周部の周方向に等間隔をあけた2箇所に半径方向内方に突出する係合突部14a,14aを有して、金属によってリング板状に形成される。一方、前記支軸11の先端部外周には、一対の前記係合突部14a…を嵌合させることで前記ばね受け部材14を軸方向に移動させるようにして軸方向に延びるとともに外端部を支軸11の先端に開放する一対の嵌合溝25,25と、それらの嵌合溝25…の内端に周方向一端を連ならせるととも前記係合突部14a…を嵌合溝25…の内端から周方向他方側に導く一対のガイド溝26…と、前記係合突部14a…を係合させるようにして前記ガイド溝26…の他端から支軸11の先端側に凹む一対の係合凹部27…とが設けられる。而してばね受け面15との間にコイルばね16を介在させた状態の前記ばね受け部材14の係合突部14a…を、両嵌合溝25…に嵌合してその内端部まで移動させた後に、係合凹部27…側まで周方向に変位させることでばね受け部材14は支軸11に係合されることになり、コイルばね16が発揮するばね力で両係合突部14a…が両係合凹部27…に係合することで、ばね受け部材14が支軸11に実質的に固定される。
【0023】
前記クリック機構13は、ブラケット8すなわちミラーがサイドドア5から側方に突出した起立位置と、該起立位置から乗用車両Vの前方側に回動してサイドドア5に近接した前方側格納位置と、前記起立位置から乗用車両Vの後方側に回動してサイドドア5に近接した後方側格納位置との間で回動する際にクリック感を持たせるためのものであり、前記支持座10と、前記軸受部12の鍔部分12bとの間に設けられる。
【0024】
図4を併せて参照して、前記クリック機構13は、前記支軸11の周囲に間隔をあけて配置されるとともに相互間に谷部28…をそれぞれ形成するようにして支持座10に設けられる複数の台形状の山部29…と、前記各谷部28…に嵌合し得る形状を有して軸受部12の鍔部分12bに一体に設けられる3つの嵌合突部30…とで構成されるものであり、コイルばね16が発揮するばね力によって前記鍔部分12bは前記支持座10に近接する側に付勢されている。
【0025】
このようなクリック機構13において、前記各嵌合突部30…が前記各谷部28…に嵌合している状態では、ブラケット8およびミラーの起立位置、前方側格納位置または後方側格納位置が保持される。またコイルばね16のばね力に抗して各嵌合突部30…が各山部29…を乗り越えるようにすることでブラケット8およびミラーの起立位置から前方側格納位置または後方側格納位置への回動が可能となるので、起立位置および前方側格納位置間でのブラケット8およびミラーの回動、ならびに起立位置および後方側格納位置間でのブラケット8およびミラーの回動にクリック感を持たせることができる。
【0026】
前記軸受部12の鍔部分12bに規制されるばね受け面15には、グリス等の潤滑剤を充填し得る潤滑剤溜まり31が形成されるものであり、この潤滑剤溜まり31は、一端が他端よりも前記支軸11の中心に近い方に配置されるようにして連続する第1溝32を少なくとも有し、この実施の形態ではばね受け面15の周方向に等間隔をあけた複数箇所に第1溝32,32…が配置される。
【0027】
しかも第1溝32…は、前記支軸11の中心から放射状に延びて第1溝32の中間部を通る仮想線Lと斜めに交差するように形成されるものであり、この実施の形態ではばね受け面15の半径方向外方に膨らんだ曲線形状に形成される。
【0028】
また前記潤滑剤溜まり31は、複数の第1溝32…と、それらの第1溝32…の他端を共通に連通させるようにした環状の第2溝33とから成っており、第2溝33は、前記コイルばね16の外周よりも外方に位置するようにして前記ばね受け面15の外周部に形成される。
【0029】
ところで前記ばね受け面15に複数の第1溝32…が形成されることによって第1溝32…に対応する部分でコイルばね16の一部はばね受け面15に当接しないことになるが、支軸11の軸線方向での前記ばね受け面15へのコイルばね16の投影面積の75%以上でコイルばね16がばね受け面15に直接当接するように、コイルばね16の線径および第1溝32…の溝幅が設定される。そうすると、ばね受け面15に作用するコイルばね16からの荷重が局部的に大きくなることを回避し、鍔部分12bで変形が生じることがないようにすることができ、ばね受け面15の変形によって第1溝32…の部分に段差が生じることを防止し、その段差にコイルばね16の端末が引っかかってしまうことを防止することができる。
【0030】
また前記支軸11にブラケット8が支承された状態で前記ばね収容部23のうち地面に最も近い箇所には、ばね収容部23内に浸入した水を排水するための水抜き孔34が設けられる。
【0031】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、ばね受け面15に形成される潤滑剤溜まり31が、一端を他端よりも支軸11の中心に近い方に配置するようにして連続する第1溝32を少なくとも有するものであるので、ブラケット8およびコイルばね16間のガタによるコイルばね16の位置ずれに関係なく、コイルばね16のばね受け面15への摺接範囲に潤滑剤を常に供給することができ、ばね受け面15およびコイルばね16間の摩擦が低減し、ばね受け面15およびコイルばね16が擦れることで生じる異音の発生を防止することができる。
【0032】
また第1溝32の中間部を通って支軸11の中心から放射状に延びる仮想線Lと斜めに交差するように第1溝32が形成されるので、万が一、コイルばね16の端末が第1溝32に引っかかったとしても、ばね反力によるコイルばね16の戻り時に異音が発生することを防止することができる。すなわち第1溝32が支軸11の中心から放射状に延びる仮想線Lに沿うものであった場合には、ブラケット8の回動時にコイルばね16の端末が第1溝32に引っかかったときには、ばね反力によってコイルばね16の戻り時に異音が発生する可能性があるが、第1溝32が支軸11の中心から放射状に延びる仮想線Lと斜めに交差するものであることにより、コイルばね16の端末が第1溝32に引っかかったとしても、その抵抗力が分散されて引っかかりが外れ易くなるので、引っかかりによるコイルばね16のねじれを抑え、ばね反力を低減して、コイルばね16の戻り時の異音の発生を防止することができる。
【0033】
しかも第1溝32が曲線形状であるので、第1溝32を直線形状とした場合に比べて第1溝32の長さを大きくし、より多くの潤滑剤を充填することを可能とし、潤滑剤の流出をより効果的に抑えることができる。
【0034】
また潤滑剤溜まり31が、ばね受け面15の周方向に間隔をあけた複数箇所に配置される複数の第1溝32…と、それらの第1溝32…の他端を共通に連通させるようにした環状の第2溝33とから成り、第2溝33が、コイルばね16の外周よりも外方に位置するようにしてばね受け面15の外周部に形成されるので、ばね受け面15へのコイルばね16の摺接によってばね受け面15の外周側に逃げようとした潤滑剤を第2溝33に保持することができ、第2溝33によってばね受け面15の周方向に満遍なく潤滑剤を流通させるようにして、コイルばね16のばね受け面15への摺接範囲に潤滑剤を確実に供給することができる。
【0035】
さらにブラケット8に、ばね受け面15の外周縁に直角に連なってコイルばね16を収容する筒状のばね収容部23が設けられており、支軸11にブラケット8が支承された状態でばね収容部23のうち地面に最も近い箇所に、前記ばね収容部23内の水を排水するための水抜き孔34が設けられるので、ばね収容部23内に浸入してばね収容部23の内周面を伝わる水の大部分を、ばね受け面15に達する前に水抜き孔34から排出することが可能であり、水とととも潤滑剤が排出されてしまうことを抑制することができるので、潤滑剤がコイルばね16の摺接範囲から流出することを極力防止することができる。
【0036】
なお支軸11の先端から支軸11の外面、軸受部12の外面およびばね受け面15を経て水抜き孔34に至る水の浸入、排出ルートも考えられるが、この部分での水量は比較的少量であり、潤滑剤を一緒に排出してしまうまでには至らない量であるため、特に考慮する必要はない。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0038】
5・・・サイドドア
8・・・ブラケット
10・・・支持座
11・・・支軸
12・・・軸受部
13・・・クリック機構
14・・・ばね受け部材
15・・・ばね受け面
16・・・コイルばね
23・・・ばね収容部
31・・・潤滑剤溜まり
32・・・第1溝
33・・・第2溝
34・・・水抜き孔
V・・・車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に臨む支持座(10)ならびに該支持座(10)から立ち上がる支軸(11)が車両(V)のサイドドア(5)側に固設され、ミラーを支持するブラケット(8)に設けられて前記支軸(11)の基部に回動自在に支承される軸受部(12)および前記支持座(10)の対向面間に前記ブラケット(8)の回動にクリック感を持たせるクリック機構(13)が設けられ、前記支軸(11)に固定されるばね受け部材(14)と、前記軸受部(12)の前記支持座(10)とは反対側の面に形成される平坦なばね受け面(15)との間に、前記軸受部(12)を前記支持座(10)側に押しつけるコイルばね(16)が縮設され、前記ばね受け面(15)には、潤滑剤を充填し得る潤滑剤溜まり(31)が形成される車両用ドアミラーにおいて、前記潤滑剤溜まり(31)が、一端を他端よりも前記支軸(11)の中心に近い方に配置するようにして連続する第1溝(32)を少なくとも有することを特徴とする車両用ドアミラー。
【請求項2】
第1溝(32)の中間部を前記支軸(11)の中心から放射状に延びる仮想線が斜めに交差するように第1溝(32)が形成されることを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項3】
第1溝(32)が曲線形状に形成されることを特徴とする請求項2記載の車両用ドアミラー。
【請求項4】
前記潤滑剤溜まり(31)が、前記ばね受け面(15)の周方向に間隔をあけて配置される複数の複数の第1溝(32)と、それらの第1溝(32)の他端を共通に連通させるようにした環状の第2溝(33)とから成り、第2溝(33)は、前記コイルばね(16)の外周よりも外方に位置するようにして前記ばね受け面(15)の外周部に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ドアミラー。
【請求項5】
前記ブラケット(8)に、前記ばね受け面(15)の外周縁に直角に連なって前記コイルばね(16)を収容する筒状のばね収容部(23)が設けられ、前記支軸(11)にブラケット(8)が支承された状態で前記ばね収容部(23)のうち地面に最も近い箇所に、前記ばね収容部(23)内の水を排水するための水抜き孔(34)が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ドアミアラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−20609(P2012−20609A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158414(P2010−158414)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000155067)株式会社ホンダロック (164)
【Fターム(参考)】