説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】部品点数が少なくて済み、製造コストを安価にすることができ、構造が簡単である、半導体型光源ユニットを提供する。
【解決手段】放熱部材8と、放熱部材8に絶縁部材の基板3を介して実装されている光源部材と、を備えるものである。放熱部材8には光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けるための取付部70が設けられている。光源部材は、半導体型光源の発光チップ40と、発光チップ40の発光を制御する制御素子と、制御素子を介して発光チップ40に給電する配線素子と、取付部70により光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けた際に車両用灯具100の給電部材92と電気的に接続する給電電極52とを備え、部品点数を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。特許文献1の光源ユニットは、基板(リードフレーム)にLEDベアチップを搭載すると共に抵抗器を接続して発光部を構成し、この発光部をホルダと口金とに組み込んでなるものである。また、特許文献2の光源ユニットは、基板(ベース部)の主面に複数の絶縁性ヒートシンクを介して複数のLEDチップを設け、複数のLEDチップを樹脂モールドで封止し、基板の裏面に支持体および複数の放熱フィンを設け、支持体に口金を設けてなるものである。
【0003】
ところが、特許文献1の光源ユニットは、基板と、LEDベアチップと、抵抗器と、ホルダと、口金と、からなるものであって、部品点数が多く、構造が複雑である。また、特許文献2の光源ユニットは、基板と、絶縁性ヒートシンクと、LEDチップと、樹脂モールドと、支持体と、放熱フィンと、口金と、からなるものであって、部品点数が多く、構造が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−205080号公報
【特許文献2】特開2009−21264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の光源ユニットでは、部品点数が多く、構造が複雑であるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、 放熱部材と、放熱部材に絶縁部材を介して実装されている光源部材と、を備え、放熱部材には光源ユニットを車両用灯具に取り付けるための取付部が設けられていて、光源部材が、半導体型光源の発光チップと、発光チップの発光を制御する制御素子と、制御素子を介して発光チップに給電する配線素子と、取付部により光源ユニットを車両用灯具に取り付けた際に車両用灯具の給電部材と電気的に接続する給電電極と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、絶縁部材が放熱部材に取り付けられた基板から構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、絶縁部材が放熱部材に形成された層から構成されている、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、給電電極が放熱部材の実装面の周辺部に配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、少なくとも発光チップが灯室内に配置されている前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの給電電極に電気的に接続している給電部材と、給電部材と電源とを電気的に接続する電源接続部材と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、給電部材が樹脂製の固定部材に固定されていて、固定部材には発光チップからの光を制御するレンズが設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、灯室内には樹脂製のリフレクタが配置されていて、給電部材がリフレクタに固定されている、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)は、灯室内には樹脂製のリフレクタが配置されていて、給電部材がリフレクタに固定されていて、リフレクタには発光チップからの光を制御するレンズが設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、放熱部材と、絶縁部材と、光源部材と、を備えるものであるから、部品点数が少なくて済み、製造コストを安価にすることができ、構造が簡単である。
【0015】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板に光源部材を実装するものであるから、光源部材をパッケージ化した基板を多数個(たとえば、20個)取りすることができるので、製造工程を簡便化することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0016】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、放熱部材に絶縁部材の層を介して光源部材を実装することができるので、絶縁部材の基板と比較して、多数個取りをすることができないが、光源部材の半導体型光源の発光チップの位置精度を向上させることができ、しかも、発光チップにおいて発生する熱を放熱部材に効率良く伝達することができるので、すなわち、絶縁部材の層における熱抵抗を低減させることができるので、放熱効果が向上される。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、車両用灯具の給電部材と放熱部材の実装面の周辺部に配置されている光源部材の給電電極とを電気的に接続するものであるから、車両用灯具の給電部材を光源部材の半導体型光源の発光チップおよび制御素子および配線素子を跨いで放熱部材の実装面の中央部に配置されている給電電極に電気的に接続する構造と比較して、車両用灯具の給電部材と給電電極とを簡単な構造で電気的に接続することができる。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、給電部材が固定されている樹脂製の固定部材に設けられているレンズにより、発光チップから放射される光を制御することができるので、発光チップから放射される光を有効利用することができる。しかも、樹脂製の固定部材とレンズとを一体に構成することにより、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具は、給電部材をリフレクタに固定するものであるから、給電部材を固定する樹脂部材とリフレクタとを兼用することができ、その分、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)の車両用灯具は、給電部材が固定されているリフレクタに設けられているレンズにより、発光チップから放射される光を制御することができるので、発光チップから放射される光を有効利用することができる。しかも、リフレクタとレンズとを一体に構成することにより、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例1を示し、要部の一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)であって、図13におけるI−I線断面図である。
【図2】図2は、同じく、光源ユニットを示す平面図である。
【図3】図3は、同じく、図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は、同じく、図2におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、同じく、光源ユニットを示す底面図である。
【図6】図6は、同じく、車両用灯具の給電部材および樹脂部材およびレンズを示す平面図である。
【図7】図7は、同じく、図6におけるVII−VII線断面図である。
【図8】図8は、同じく、車両用灯具のランプハウジングの一部を示す平面図である。
【図9】図9は、同じく、車両用灯具のランプハウジングの透孔中に光源ユニットを挿入した状態を示す平面図である。
【図10】図10は、同じく、車両用灯具のランプハウジングに光源ユニットを取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】図11は、同じく、図9におけるXI−XI線断面図である。
【図12】図12は、同じく、図10におけるXII−XII線断面図である。
【図13】図13は、同じく、車両用灯具のランプハウジングに光源ユニットを取り付けて車両用灯具の給電部材と光源ユニットの給電電極とが電気的に接続されている状態を示す平面図である。
【図14】図14は、同じく、光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態を示す縦断面図(垂直断面図)、すなわち、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図15】図15は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【図16】図16は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す要部の一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図17】図17は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例3およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例3を示す要部の一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図18】図18は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例4およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例4を示す要部の一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図19】図19は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例5およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例5を示す要部の一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図20】図20は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例6およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例6を示す光源ユニットの平面図である。
【図21】図21は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例7およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例7を示す光源ユニットの平面図である。
【図22】図22は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例8およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例8を示す固定部材の一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図23】図23は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例9およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例9を示す光源ユニットの一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図24】図24は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例10およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例10を示す光源ユニットの一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図25】図25は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例11およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例11を示す光源ユニットの一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図26】図26は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例12およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例12を示す光源ユニットの一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図27】図27は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例13を示す光源ユニットの平面図である。
【図28】図28は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例のうちの12例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの12例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。なお、図1〜図4、図9〜図13、図16〜図27中においては、制御素子および配線素子の図示を省略してある。また、図9、図10中においては、土手部材の図示を省略してある。
【実施例1】
【0024】
(構成の説明)
図1〜図15は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例1における車両用灯具の構成について説明する。図14において、符号100は、この実施例1における車両用灯具である。
【0025】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0026】
前記車両用灯具100は、図14に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路(図示せず)と、前記光源ユニット1に電源を供給する給電部材91、92、93と、前記給電部材91、92、93と電源たとえば直流電源のバッテリー153と電気的に接続する電源接続部材12と、を備えるものである。
【0027】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔(取付孔)104が設けられている。
【0028】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0029】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔(挿入孔)106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0030】
図8〜図12に示すように、前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個この例では4個の凹部109がほぼ等間隔に設けられている。前記透孔104の縁の内面(前記灯室105側の面)には、複数個この例では2個のストッパ部(凸部)110がほぼ等間隔に一体に設けられている。前記透孔104の縁の外面(前記灯室105と反対側の面)には、前記中心Oを中心とする円筒形の壁部111が一体に設けられている。円形形状の前記透孔104の中心Oと、円筒形の前記壁部111の中心(中心軸)Oとは、一致もしくはほぼ一致する。
【0031】
(給電部材91、92、93の説明)
前記給電部材91、92、93は、3ピン構造をなし、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91、92、93は、図1、図6、図7、図13に示すように、一端部の半球形形状の接触部910、920、930と、他端部の長方形の板形状(オスターミナル形状)の端子部911、921、931と、から構成されている。前記給電部材91、92、93の中間部は、樹脂製の固定部材13に固定されている。なお、前記接触部910、920、930の形状は、前記の半球形形状以外に、たとえば、V字形状、あるいは、U字形状であっても良い。
【0032】
前記固定部材13は、たとえば、絶縁性でかつ光不透過性の樹脂部材からなる。前記固定部材13は、図1、図6、図7、図13に示すように、一方が円形に開口し、他方が円形に閉塞されている中空状の円筒形状をなす。一方の開口部の縁部には、固定フランジ部130が一体に設けられている。他方の閉塞部の中央部には、円形の透孔131が設けられている。前記透孔131には、レンズ(凸レンズ)132がたとえば2色成形により一体に設けられている。円筒形状の前記固定部材13の中心(中心軸)Oと、前記レンズ132の中心Oとは、一致もしくはほぼ一致する。なお、前記レンズ132は、前記の2色成形以外に、たとえば、前記固定部材13とそれぞれ別個に成形してから接着して一体としても良い。
【0033】
前記固定部材13の閉塞部には、前記給電部材91、92、93の中間部がたとえばインサート成形により固定されている。すなわち、3本の前記給電部材91、92、93は、前記固定部材13に前記固定部材13の中心(中心軸)Oを中心として放射状にかつ約90°の中心角の間隔をおいて固定されている。前記給電部材91、92、93の前記接触部910、920、930は、前記固定部材13の閉塞部の内面から突出して前記固定部材13の開口部側に対向している。前記給電部材91、92、93の端子部911、921、931は、前記固定部材13の閉塞部の外面から径方向に突出している。
【0034】
前記固定部材13の前記固定フランジ部130は、前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部の内面に固定されている。この結果、前記固定部材13および前記レンズ132は、前記ランプハウジング101の前記透孔104を前記灯室105側から覆う。前記給電部材91、92、93の前記接触部910、920、930は、前記ランプハウジング101の前記透孔104側に対向している。前記給電部材91、92、93の端子部911、921、931は、前記灯室105内に突出している。円筒形状の前記固定部材13の中心(中心軸)Oおよび前記レンズ132の中心Oと、円形形状の前記透孔104の中心Oおよび円筒形の前記壁部111の中心(中心軸)Oとは、一致もしくはほぼ一致する。
【0035】
(電源接続部材12の説明)
前記電源接続部材12は、図1、図14に示すように、3本のハーネス121、122、123と、前記ハーネス121、122、123の一端に電気的に接続しかつ機械的に取り付けたメスターミナル構造の光源側の端子部120と、から構成されている。前記ハーネス121、122、123は、前記ランプハウジング101に水密に取り付けられているゴム製のグロメット124を介して前記灯室105内外に水密に配線されている。すなわち、前記ハーネス121、122、123の一端の光源側の端子部120は、前記灯室105内に配線され、前記ハーネス121、122、123の他端は、前記灯室105外に配線されている。
【0036】
前記ハーネス121、122、123の光源側の端子部120は、前記給電部材91、92、93の端子部911、921、931に、断続可能に電気的に接続されていてかつ着脱可能に機械的に取り付けられている。前記ハーネス121、122、123の光源側の端子部120と前記給電部材91、92、93の端子部911、921、931とは、たとえば、ファストン構造をなすものである。なお、ファストン構造以外にコネクタ構造であっても良い。
【0037】
前記ハーネス121、122、123の他端は、スイッチSWを介して、2本121、122が電源153に接続されていて、1本123がアースされている(グランドされている)。この結果、前記電源接続部材12を介して前記給電部材91、92、93と電源153とが電気的に接続されることとなる。
【0038】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図1〜図5、図9〜図14に示すように、放熱部材8と、絶縁部材としての基板3と、光源部材10と、を備えるものである。前記光源部材10は、前記基板3を介して前記放熱部材8の実装面80に実装されている。
【0039】
前記光源ユニット1は、図14に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記放熱部材8が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能にあるいは固定的に取り付けられている。前記光源部材10および前記基板3および前記放熱部材8の前記実装面80側の一部が、前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0040】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部材10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、図1〜図5、図9〜図14に示すように、径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の径よりも小さい円柱形状をなしていて、一端部(上端部)が平らな円板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけての部分82がフィン形状をなす。
【0041】
前記放熱部材8の一端部(上端部)には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の4個の前記凹部109と対応させて、一体に設けられている。前記放熱部材8の中間部には、円環状の鍔部81が一体に設けられている。前記取付部70および前記鍔部81は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に、着脱可能にあるいは固定的に取り付けるためのものである。
【0042】
すなわち、前記光源ユニット1の前記光源部材10側の一部(前記光源部材10および前記基板3および前記放熱部材8の前記実装面80側の一部)および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部109中に挿入する(図9、図11参照)。その状態で、前記光源ユニット1を中心(中心軸)O回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部110に当てる(図10、図12参照)。この時点において、前記取付部70と前記鍔部81とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む。
【0043】
この結果、前記光源ユニット1は、図14に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能にあるいは固定的に取り付けられる。この時点において、図14に示すように、前記放熱部材8のうち前記ランプハウジング101から外側に突出している部分(図14中の前記ランプハウジング101よりも下側の部分)が前記放熱部材8のうち前記灯室105内に収納されている部分(図14中の前記ランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。また、図5に示すように、前記放熱部材8の前記部分82のフィン形状が垂直方向(上下方向)となる。この結果、前記放熱部材8の放熱効果が向上される。
【0044】
前記光源ユニット1の中心(中心軸)Oすなわち円柱形状の前記放熱部材8の中心(中心軸)Oと、円筒形状の前記固定部材13の中心(中心軸)Oおよび前記レンズ132の中心Oおよび円形形状の前記透孔104の中心Oおよび円筒形の前記壁部111の中心(中心軸)Oとは、一致もしくはほぼ一致する。
【0045】
(基板3の説明)
絶縁部材としての前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図1〜図4、図9〜図14に示すように、平面(上)から見て円形の板形状をなす。前記基板3の一面(上面)には、平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。なお、高反射部材のセラミック製の前記基板3の取付面34に、さらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。前記基板3の前記取付面34には、前記光源部材10が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、焼成、蒸着などにより、設けられている)。
【0046】
前記基板3の前記当接面35は、前記放熱部材8の前記実装面80に取付部材を介して機械的に取り付けられている(固定されている)。この結果、前記光源部材10は、前記基板3を介して前記放熱部材8の前記実装面80に実装されている。円形の前記基板3の中心Oと、前記光源ユニット1の中心(中心軸)Oすなわち円柱形状の前記放熱部材8の中心(中心軸)Oおよび円筒形状の前記固定部材13の中心(中心軸)Oおよび前記レンズ132の中心Oおよび円形形状の前記透孔104の中心Oおよび円筒形の前記壁部111の中心(中心軸)Oとは、一致もしくはほぼ一致する。なお、前記基板3は、前記の円形以外に、たとえば、多角形をなすものであっても良い。
【0047】
図2、図4に示すように、前記放熱部材8の前記実装面80には、複数本この例では2本の小円柱形状のピン部83が一体に突設されている。前記基板3には、複数個この例では2個の小円形の挿通孔31が、前記ピン部83に対応して設けられている。前記ピン部83が前記挿通孔31中に挿通されている。前記ピン部83および前記挿通孔31には、樹脂製のワッシャ14が装着されている。前記ピン部83には、金属製のプレート15が加締め付けられている。この結果、前記基板3は、前記ワッシャ14を介して前記プレート15により、前記放熱部材8に機械的に取り付けられている(固定されている)こととなる。前記ピン部83および前記挿入孔31の縁および前記ワッシャ14および前記プレート15は、前記基板3の前記当接面35を前記放熱部材8の前記実装面80に機械的に取り付ける(固定する)前記取付部材を構成し、かつ、前記基板3と前記放熱部材8との取付位置を決める位置決め部材をも構成するものである。
【0048】
前記ワッシャ14は、前記プレート15を加締め付ける際に、その加締め付け力から前記基板3を保護するものである。なお、前記基板3の耐性が前記加締め付け力よりも大であれば、前記ワッシャ14を省略しても良い。
【0049】
前記基板3の前記当接面35と前記放熱部材8の前記実装面80との間には、熱伝導性媒体(図示せず)が設けられている。前記熱伝導性媒体は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0050】
前記熱伝導性媒体は、前記の加締め付け工程中において、前記基板3を前記放熱部材8側に加圧する加圧下において、前記基板3の前記当接面35と前記放熱部材8の前記実装面80との間に均一に設けられることとなる。すなわち、前記熱伝導性媒体の膜厚が均一にかつ薄膜化することができる。この結果、前記基板3と前記放熱部材8とを前記熱伝導性媒体(熱伝導性接着剤の場合)を介して確実に接着することができ、かつ、熱を前記基板3から前記放熱部材8に効率良く伝達することができる。
【0051】
(光源部材10の説明)
前記光源部材10は、図1〜図3、図9〜図14に示すように、半導体型光源の複数個この例では5個の発光チップ40、41、42、43、44と、制御素子としての抵抗RS、RT、RPおよびダイオードDS、DTと、配線素子としての導体6(パターン、導体パターン)およびワイヤ配線(金ワイヤ)およびボンディング部と、複数個この例では3個の給電電極51、52、53と、を備えるものである。
【0052】
前記光源部材10の前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTおよび前記導体6および前記給電電極51、52、53は、前記基板3の前記取付面34に取り付けられている(すなわち、実装、印刷、焼成、蒸着などにより、設けられている)。この結果、前記光源部材10は、絶縁部材としての前記基板3を介して前記放熱部材8の前記実装面80に実装されることとなる。
【0053】
(発光チップ40〜44の説明)
前記5個の発光チップ40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記発光チップ40〜44は、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の発光チップ40〜44は、前記基板3の中心Oの近傍の中央部に配置されている。これにより、前記5個の発光チップ40〜44は、図2、図13に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されることとなる。また、前記5個の発光チップ40〜44は、図1に示すように、前記レンズ132に対向する。
【0054】
前記5個の発光チップ40〜44は、小電流が供給される発光チップであって、テールランプの光源である1個の発光チップ40すなわち第1グループの発光チップ40と、大電流が供給される発光チップであって、ストップランプの光源である4個の発光チップ41〜44すなわち第2グループの発光チップ41〜44と、に区分されている。前記テールランプ機能(テールランプの光源)の1個の発光チップ40は、右側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ41、42と左側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ43、44との間に挟まれた状態で配置されている。前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。前記5個の発光チップ40〜44のうち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記基板3の中心Oおよび前記放熱部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。なお、前記5個の発光チップ40〜44は、フリップチップタイプのベアチップ、あるいは、ワイヤボンディングタイプのベアチップ、あるいは、反射タイプのベアチップなどのベアチップを使用する。
【0055】
(抵抗RS、RT、RPの説明)
前記抵抗RS、RT、RPは、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗もしくはSMDタイプの抵抗などからなる。前記抵抗RS、RTは、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ40〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗RS、RTの値を調整して(トリミングして)前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。あるいは、直接、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)をモニターしながら前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)が一定になるように前記抵抗RS、RTの値をトリミング調整することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗RS、RTの一部を切り欠いてあるいは全部を切り欠いて(オープン)抵抗値を調整するものである。なお、オープンおよびトリミングにより抵抗値は増加する。
【0056】
前記抵抗RPは、ストップランプの光源である前記第2機能の4個の前記発光チップ41〜44の断線を検出するためのプルダウン抵抗である。前記抵抗RPは、ストップランプ機能の前記ダイオードDSの後段(カソード側)と、グランド側の前記給電部材93との間に直列に接続されている。
【0057】
前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40に直列に接続されている前記抵抗RTと、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗RSと、前記ストップランプ機能のダイオードDSの後段に直列に接続されている前記抵抗RPとは、それぞれ1個、3個、2個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、配置する個数を変える場合がある。すなわち、前記抵抗RS、RT、RPの個数は、限定しない。
【0058】
前記大電流供給のストップランプ機能の発熱容量が大きい前記抵抗RSは、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付けたとき(図14参照)に、5個の前記発光チップ40〜44よりも上位の位置に位置するように配置されている。これは、熱が上昇する性質を利用することにより、前記抵抗RSにおいて発生した熱を、5個の前記発光チップ40〜44に影響を与えずに、上方に逃がすことができる。
【0059】
(ダイオードDS、DTの説明)
前記ダイオードDS、DTは、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40と前記抵抗RTとに直列に接続されているダイオードDTと、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗RSとに直列に接続されているダイオードDSとは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0060】
(導体6の説明)
前記導体6は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。配線素子としての前記導体6は、制御素子としての前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTを介して前記発光チップ40〜44に給電するものである。
【0061】
(発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体6のレイアウトの説明および駆動回路の説明)
前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTおよび前記導体6は、図15の電気回路図に示すように、配置されていてかつ接続されている。
【0062】
(給電電極51、52、53の説明)
3個の前記給電電極51、52、53は、図1〜図3、図9〜図13に示すように、前記基板3の周辺部に、前記給電部材91、92、93の前記接触部910、920、930と対応して、配置されている。3個の前記給電電極51、52、53は、前記電源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付けた際に、前記給電部材91、92、93の3個の前記接触部910、920、930と電気的に接続する。
【0063】
3個の前記給電電極51、52、53は、前記導体に電気的に接続されている。前記給電部材91は、前記制御素子および前記配線素子を介して前記テールランプ機能の1個の発光チップ40のアノード側に接続されている。前記給電部材92は、前記制御素子および前記配線素子を介して前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のアノード側に接続されている。前記給電部材93は、前記配線素子を介して5個の発光チップ40〜44のカソード側に接続されている。この結果、3個の前記給電電極51、52、53と前記給電部材91、92、93の3個の前記接触部910、920、930とが電気的に接続することにより、前記5個の発光チップ40〜44は、電源153と電気的に接続されることとなる。
【0064】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチSWは、図15に示すように、可動接点154と、第1固定接点155と、第2固定接点156と、第3固定接点157と、共通固定接点158と、からなる3位置切替スイッチである。
【0065】
前記可動接点154が第1固定接点155の位置に切り替わっているとき(図15中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオードDTと抵抗RTとを経て前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記テールランプ機能のダイオードDTと抵抗RTを経て駆動電流が供給されている。
【0066】
前記可動接点154が第2固定接点156の位置に切り替わっているとき(図15中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオードDSと抵抗RSとを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオードDSと抵抗RSとを経て駆動電流が供給されている。
【0067】
前記可動接点154が第3固定接点157の位置に切り替わっているとき(図15中の実線に示す状態のとき)には、前記5個の発光チップ40〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0068】
(土手部材、封止部材、光学部材の説明)
図1〜図3、図11〜図14に示すように、前記基板3の前記取付面34には、土手部材18が絶縁性接着剤(図示せず)により接着固定(実装)されている。前記土手部材18は、絶縁性部材たとえば樹脂から構成されている。前記土手部材18は、平面からみてロ形状をなし、かつ、前記発光チップ40〜44、前記制御素子としての前記抵抗、前記ダイオードおよび前記配線素子としての前記導体、前記ワイヤ配線、前記ボンディング部の高さよりも十分な高を有する。前記土手部材18は、封止部材180を注入(モールド、モールディング)する容量(範囲)を少容量に規制する部材(土手、ダム)である。前記土手部材18は、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記導体の一部および前記ワイヤ配線全部および前記ボンディング部全部を包囲するものである。前記土手部材18中には、前記封止部材180が注入されていて、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記導体の一部および前記ワイヤ配線全部および前記ボンディング部全部は、前記封止部材180中に封止されている。なお、図9、図10においては、前記土手部材18および前記封止部材180の図示が省略されている。
【0069】
(作用の説明)
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例1における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0070】
まず、スイッチSWの可動接点154を第1固定接点155に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオードDTと抵抗RTとを経て、テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給される。この結果、テールランプ機能の1個の発光チップ40が発光する。
【0071】
このテールランプ機能の1個の発光チップ40から放射された光は、封止部材180、空気層、レンズ132を透過して配光制御される。なお、発光チップ40から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でレンズ132側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0072】
つぎに、スイッチSWの可動接点154を第2固定接点156に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオードDSと抵抗RSとを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。
【0073】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、封止部材180、空気層、レンズ132を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でレンズ132側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、光度、輝度、照度が大である)。
【0074】
それから、スイッチSWの可動接点154を第3固定接点157に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、1個の発光チップ40もしくは4個の発光チップ41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0075】
ここで、発光チップ40〜44(屈折率が約2〜3)から放射された光は、封止部材180(屈折率がたとえば約1.5〜1.6)中に入射し、かつ、この封止部材180から空気層(屈折率が1)中に出射し、かつ、この空気層からレンズ132(屈折率がたとえば約1.49)に入射してこのレンズ132で収束(集光)され、かつ、レンズ132から外部に放射される。
【0076】
そして、光源部材10の発光チップ40〜44および抵抗およびダイオード2および導体において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。また、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個が断線すると、車両側のシステムがプルダウン抵抗の状態変化によりストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個の断線を検出することができる。
【0077】
(効果の説明)
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0078】
この実施例1における光源ユニット1は、放熱部材8と、絶縁部材としての基板3と、光源部材10と、を備えるものであるから、部品点数が少なくて済み、製造コストを安価にすることができ、構造が簡単である。
【0079】
また、この実施例1における光源ユニット1は、基板3に光源部材10を実装するものであるから、光源部材10をパッケージ化した基板3を多数個(たとえば、20個)取りすることができるので、製造工程を簡便化することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0080】
さらに、この実施例1における光源ユニット1は、車両用灯具100の給電部材91、92、93と放熱部材8の実装面80すなわち基板3の取付面34の周辺部に配置されている光源部材10の給電電極51、52、53とを電気的に接続するものであるから、車両用灯具の給電部材を光源部材の半導体型光源の発光チップおよび制御素子および配線素子を跨いで放熱部材の実装面の中央部に配置されている給電電極に電気的に接続する構造と比較して、車両用灯具100の給電部材91、92、93と光源部材10の給電電極51、52、53とを簡単な構造で電気的に接続することができる。
【0081】
さらにまた、この実施例1における車両用灯具100は、この実施例1における光源ユニット1を使用するので、この実施例1における光源ユニット1と同様の効果を達成することができる。
【0082】
さらにまた、この実施例1における車両用灯具100は、給電部材91、92、93が固定されている樹脂製の固定部材13に設けられているレンズ132により、発光チップ40〜44から放射される光を制御することができるので、発光チップ40〜44から放射される光を有効利用することができる。
【実施例2】
【0083】
図16は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。図中、図1〜図15中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0084】
この実施例2における車両用灯具は、実施例1における車両用灯具100の樹脂製の固定部材13とレンズ132とを一体に構成するものである。この結果、この実施例2における車両用灯具は、樹脂製の固定部材13とレンズ132とを一体に構成することにより、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。なお、この実施例2においては、固定部材13が光透過性(透明)となるので、レンズ132以外の固定部材13であって、ランプレンズ102から見える固定部材13をリフレクタ103やその他の光不透過部材(不透明部材)で見えないように隠すように構成しても良い。
【実施例3】
【0085】
図17は、この発明にかかる車両用灯具の実施例3を示す。図中、図1〜図16中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0086】
この実施例3における車両用灯具は、実施例1における車両用灯具100の樹脂製のリフレクタ103と樹脂製の固定部材13とを一体に構成するものである。この結果、この実施例3における車両用灯具は、樹脂製のリフレクタ103と樹脂製の固定部材13とを一体に構成することにより、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【実施例4】
【0087】
図18は、この発明にかかる車両用灯具の実施例4を示す。図中、図1〜図17中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0088】
この実施例4における車両用灯具は、実施例1における車両用灯具100のレンズ132を省略したものである。この結果、この実施例4における車両用灯具は、レンズ132を省略することにより、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【実施例5】
【0089】
図19は、この発明にかかる光源ユニットの実施例5を示す。図中、図1〜図18中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0090】
この実施例5における光源ユニットは、実施例1における光源ユニット1の絶縁部材の基板3の代わりに、放熱部材8の実装面80に形成した絶縁部材の層300を使用したものである。この結果、この実施例5における光源ユニットは、放熱部材8に絶縁部材の層300を介して光源部材10を実装することができるので、絶縁部材の基板3と比較して、多数個取りをすることができないが、光源部材10の半導体型光源の発光チップ40〜44の位置精度を向上させることができ、しかも、発光チップ40〜44において発生する熱を放熱部材8に効率良く伝達することができるので、すなわち、絶縁部材の層300における熱抵抗を低減させることができるので、放熱効果が向上される。
【実施例6】
【0091】
図20は、この発明にかかる光源ユニットの実施例6を示す。図中、図1〜図19中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0092】
この実施例6における光源ユニットは、実施例1における光源ユニット1の給電電極51、52、53を基板3の周辺部であって基板3の一方(この例では左側)に放射状に集中して設けたものである。実施例3における光源ユニットは、実施例1における光源ユニット1の効果とほぼ同様の効果を達成することができる。
【実施例7】
【0093】
図21は、この発明にかかる光源ユニットの実施例7を示す。図中、図1〜図20中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0094】
この実施例7における光源ユニットは、実施例1における光源ユニット1の給電電極51、52、53を基板3の周辺部であって基板3の一方(この例では左側)に平行に集中して設けたものである。実施例4における光源ユニットは、実施例1における光源ユニット1の効果とほぼ同様の効果を達成することができる。
【実施例8】
【0095】
図22は、この発明にかかる光源ユニットの基板3を放熱部材8に機械的に取り付ける(固定する)取付部材の変形例を示す説明図であって、この発明にかかる光源ユニットの実施例8を示す。図中、図1〜図21中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0096】
(A)に示す取付部材は、ボルト150であって、ボルト150を放熱部材8にねじ込むことにより、基板3が放熱部材8に取り付けられるものである。
【0097】
(B)に示す取付部材は、放熱部材8に設けたネジ部84にナット151をねじ込むことにより、基板3が放熱部材8に取り付けられるものである。
【0098】
(C)に示す取付部材は、放熱部材8のピン部83に樹脂製の接着剤152を接着することにより、基板3が放熱部材8に取り付けられるものである。
【0099】
(D)に示す取付部材は、放熱部材8のピン部83の一端部を加締め付けることにより、基板3が放熱部材8に取り付けられるものである。なお、この場合における基板3は、加締め付け力に耐えうる強度を有するものである。
【0100】
なお、その他の取付部材としては、放熱部材8のピン部83に半田付けすることにより、基板3が放熱部材8に取り付けられるものであっても良い。この場合においては、ピン部83にスズメッキなどを、また、基板3に半田付け可能な金属を、それぞれ設ける必要がある。
【実施例9】
【0101】
図23は、この発明にかかる光源ユニットの実施例9を示す。図中、図1〜図22中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0102】
この実施例9における光源ユニットは、実施例1における光源ユニット1の発光チップ40〜44の正面に対向する土手部材18の開口部181に、光学部材としてのレンズ19を、開口部181を覆うように設けたものである。前記レンズ19は、前記土手部材18の前記開口部181の縁に固定されている。前記レンズ19は、前記発光チップ40〜44の正面から放射される光を所定の方向に出射させるものである。前記レンズ19の前記発光チップ40〜44の正面に対向する内面には、凸レンズ部190が形成されている。前記レンズ19の縁部すなわち前記凸レンズ部190の周辺縁部には、前記封止部材180を前記土手部材18中に注入するための注入孔191が設けられている。前記注入孔191は、前記ワイヤ配線が配線されている箇所を避けて設けられている。なお、前記注入孔191は、前記土手部材18に前記ワイヤ配線を避けて設けられていても良い。前記注入孔191は、前記ワイヤ配線が配線されている箇所を避けて設けられているので、前記封止部材180を前記注入孔191から前記土手部材18中に注入する際に、前記封止部材180の注入応力が前記ワイヤ配線に作用することはほとんど無い。
【0103】
前記封止部材180は、光透過性部材、たとえば、エポキシ樹脂から構成されている。前記封止部材180は、前記ワイヤ配線がボンディング配線された後に、前記注入孔191から前記土手部材18中に適量注入される。前記封止部材180が硬化することにより、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記導体の一部および前記ワイヤ配線全部および前記ボンディング部全部が前記封止部材180により封止されることとなる。このとき、図22に示すように、前記土手部材18および前記封止部材180および前記レンズ19との間には、空気層192が形成されている。前記封止部材180は、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記導体の一部および前記ワイヤ配線全部および前記ボンディング部全部を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記封止部材180は、前記5個の発光チップ40〜44などを外乱から保護するものである。
【0104】
前記土手部材18の一端面(下端面)には、位置決め部としての位置決め凸部184が少なくとも2個一体に設けられている。一方、前記基板3の前記取付面34には、位置決め部としての位置決め凹部36が少なくとも2個、前記位置決め凸部184と対応して設けられている。前記位置決め凸部184と前記位置決め凹部36とを相互に嵌合することにより、前記土手部材18と前記基板3とは、相互に位置決めされる。なお、前記位置決め凹部36は、前記位置決め凸部184が嵌合する位置決め貫通孔であっても良い。
【0105】
この実施例9における光源ユニットは、発光チップ40〜44の正面に対向する土手部材18の開口部181に光学部材としてのレンズ19を設けたものであるから、発光チップ40〜44から放射される光を有効に取り出して利用することができる。
【実施例10】
【0106】
図24は、この発明にかかる光源ユニットの実施例10を示す。図中、図1〜図23中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0107】
この実施例10における光源ユニットは、光学部材としてのレンズ19の発光チップ40〜44の正面に対向する内面に凹レンズ部193を形成するものである。前記レンズ19の前記凹レンズ部193の頂点または頂点近傍には、前記封止部材180を注入孔191から注入する際に、基板3および土手部材18および前記レンズ19により囲まれた空間内の空気(図示せず)を抜くための空気抜き小孔196が設けられている。この実施例10における光源ユニットは、前記基板3および前記土手部材18および前記レンズ19により囲まれた空間内に前記封止部材180が充填されていて、前記レンズ19と前記封止部材180とが密着されているものである。
【0108】
この実施例10における光源ユニットは、前記の実施例9のものと同様の作用効果を達成することができる。特に、この実施例10における光源ユニットは、土手部材18および封止部材180およびレンズ19との間に空気層が形成されないので、その分、封止部材180の容量が前記の実施例1のものと比較して多少多くなるものの、光の損失が減って、光をさらに有効利用することができる。すなわち、この実施例における光源ユニットは、発光チップ40〜44から外部(大気)までの間に存在する物体が封止部材180とレンズ19とであるから、物体と物体との間の境面における反射ロスの回数を減らすことができるので、その分、光の損失が減って、発光チップ40〜44から放出される光をさらに有効に利用することができる。
【0109】
なお、この実施例10においては、前記レンズ19の前記凹レンズ部193の頂点または頂点近傍が微小の小平面をなすので、前記レンズ19の前記凹レンズ部193の頂点または頂点近傍に前記空気抜き小孔196を設けても、前記レンズ19の光制御の影響は極めて小さく問題がない。
【0110】
ここで、発光チップ40〜44(屈折率が約2〜3)から放射された光は、封止部材180(屈折率がたとえば約1.5〜1.6)中に入射し、かつ、この封止部材180からレンズ19(屈折率がたとえば約1.49)の凹レンズ部193に入射してこの凹レンズ部193で収束(集光)され、かつ、レンズ19から外部に放射される。なお、封止部材の屈折率がレンズの屈折率よりも低い場合には、レンズを凸レンズ部、すなわち、レンズの封止部材と密着する面を凸形状とする。これにより、発光チップ40〜44からの光を前記と同様に集光させることができる。
【実施例11】
【0111】
図25は、この発明にかかる光源ユニットの実施例11を示す。図中、図1〜図24中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0112】
この実施例11における光源ユニットは、土手部材182に反射面194を設けたものである。すなわち、前記土手部材182を光透過性部材(透明部材)から構成する。前記土手部材182の外周面と一端面(基板3の取付面34と対向する下端面)とのなす角部に前記反射面194を設ける。前記反射面194の断面形状は、直線、曲線、放物線などからなる。
【0113】
前記反射面194は、発光チップ40〜44の側面から放射される光L1を所定の方向に内面反射させることができる。この結果、前記反射面194は、発光チップ40〜44の側面から放射される光L1を所定の方向に効率良く取り出すことができ、発光チップ40〜44の側面から放射される光L1を有効利用することができる。
【実施例12】
【0114】
図26は、この発明にかかる光源ユニットの実施例12を示す。図中、図1〜図25中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0115】
この実施例12における光源ユニットは、土手部材183に反射面195を設けたものである。すなわち、前記土手部材183を光不透過性部材(不透明部材)から構成する。前記土手部材183の内周面と一端面(基板3の取付面34と対向する下端面)とのなす角部に前記反射面195を設ける。前記反射面195の断面形状は、直線、曲線、放物線などからなる。
【0116】
前記反射面195は、発光チップ40〜44の側面から放射される光L1を所定の方向に内面反射させることができる。この結果、前記反射面195は、発光チップ40〜44の側面から放射される光L1を所定の方向に効率良く取り出すことができ、発光チップ40〜44の側面から放射される光L1を有効利用することができる。
【0117】
前記反射面194あるいは前記反射面195は、前記凸レンズ部190のレンズ19あるいは前記凹レンズ部193のレンズ19と組み合わせても良い。この場合、発光チップ40〜44の正面から放射される光および側面から放射される光L1を有効利用することができる。
【実施例13】
【0118】
図27、図28は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例13およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例13を示す。図中、図1〜図26と同符号は、同一のものを示す。
【0119】
前記の実施例1〜12の光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記の実施例1〜12の光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)で第1ランプ機能としてのテールランプ機能と第2ランプ機能としてのストップランプ機能とを併用するものである。すなわち、複機能(多機能)ランプである。これに対して、この実施例13の光源ユニット1および車両用灯具100は、単機能(一機能)ランプである。すなわち、この実施例13の光源ユニット1および車両用灯具100は、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどである。
【0120】
図27の光源ユニット1の平面図および図28の電気回路図に示すように、前記の図2の光源ユニット1の平面図および図15の電気回路図中における第1ランプ機能の1個の発光チップ40、導体6、抵抗RT、ダイオードDT、第1給電電極51、第1給電部材91を省略してなるものである。
【0121】
なお、図27の光源ユニット1の平面図および図28の電気回路図において、グランドとして使用している第3給電電極53、第3給電部材93の代わりに、前記の図2の光源ユニット1の平面図および図15の電気回路図中における第1給電電極51、第1給電部材91をグランドとして使用しても良い。
【0122】
また、前記の図2の光源ユニット1の平面図および図15の電気回路図中における第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、導体6、抵抗RS、ダイオードDS、第2給電電極52、第2給電部材92を省略しても良い。この場合において、グランドとして使用している第3給電電極53、第3給電部材93の代わりに第2給電電極52、第2給電部材92をグランドして使用しても良い。
【0123】
さらに、第1ランプ機能の1個の発光チップ40、導体6、抵抗RT、ダイオードDT、あるいは、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、導体6、抵抗RS、ダイオードDSを省略して、第1ランプ機能の第1給電電極51、第1給電部材91あるいは第2ランプ機能の第2給電電極52、第2給電部材92をそのまま残しておいても良い。または、第1ランプ機能の第1給電電極51、第1給電部材91のみあるいは第2ランプ機能の第2給電電極52、第2給電部材92のみを省略して、第1ランプ機能の1個の発光チップ40、導体6、抵抗RT、ダイオードDT、あるいは、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、導体6、抵抗RS、ダイオードDSをそのまま残しておいても良い。
【0124】
(実施例1〜13以外の例の説明)
なお、前記の実施例1〜13においては、5個の発光チップ40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、1個〜4個、6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。しかも、単機能ランプに使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0125】
また、前記の実施例1〜13においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプまたは単機能のランプにも使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい発光チップと大電流が供給され発光量が大きい発光チップとからなる光源ユニットが、恰も、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとからなるダブルフィラメントの光源ユニットと同様の作用をなすものである。
【0126】
さらに、前記の実施例1〜13においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0127】
さらにまた、前記の実施例1〜13においては、5個の発光チップ40〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。たとえば、四角形の4つの角に、または、三角形の3つの角に、配置しても良い。
【0128】
さらにまた、前記の実施例1〜13においては、封止部材180、レンズ132、レンズ19、反射面194、195、ランプレンズ102により配光制御するものである。ところが、この発明においては、封止部材180、レンズ132、レンズ19、反射面194、195、ランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により配光制御するようにしても良い。
【0129】
さらにまた、前記の実施例1〜13においては、土手部材18、182、183は、平面から見てロ形状をなすものである。ところが、この発明においては、土手部材の形状、封止部材の容量を規制する範囲などは、特に限定しない。
【符号の説明】
【0130】
1 光源ユニット
10 光源部材
12 電源接続部材
120 端子部
121、122、123 ハーネス
124 グロメット
13 固定部材
130 固定フランジ部
131 透孔
132 レンズ
14 ワッシャ
15 プレート
150 ボルト
151 ナット
152 接着剤
153 電源
154 可動接点
155 第1固定接点
156 第2固定接点
157 第3固定接点
158 共通固定接点
18、182、183 土手部材
180 封止部材
181 開口部
184 位置決め凸部
19 レンズ(光学部材)
190 凸レンズ部
191 注入孔
192 空気層
193 凹レンズ部
194 反射面(光学部材)
195 反射面(光学部材)
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
109 凹部
110 ストッパ部
111 壁部
3 基板(絶縁部材)
30 高反射面
31 挿通孔
34 取付面(実装面)
35 当接面
36 位置決め凹部
40、41、42、43、44 発光チップ
51、52、53 給電電極
6 導体(配線素子)
70 取付部
8 放熱部材
80 当接面
81 鍔部
82 フィン形状の部分
83 ピン部
84 ネジ部
85 加締め付け部
91、92、93 給電部材
910、920、930 接触部
911、921、931 端子部
F 焦点
O 中心
L1 発光チップの側面から放射される光
RS、RT、RP 抵抗(制御素子)
DS、DT ダイオード(制御素子)
SW スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電部材を備える車両用灯具に使用される車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
放熱部材と、
前記放熱部材に絶縁部材を介して実装されている光源部材と、
を備え、
前記放熱部材には、前記光源ユニットを前記車両用灯具に取り付けるための取付部が設けられていて、
前記光源部材は、半導体型光源の発光チップと、前記発光チップの発光を制御する制御素子と、前記制御素子を介して前記発光チップに給電する配線素子と、前記取付部により前記光源ユニットを前記車両用灯具に取り付けた際に前記給電部材と電気的に接続する給電電極と、を備える、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記放熱部材に取り付けられた基板から構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記放熱部材に形成された層から構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
前記給電電極は、前記絶縁部材を介して、前記放熱部材の実装面の周辺部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
少なくとも前記発光チップが前記灯室内に配置されている前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの前記給電電極に電気的に接続している給電部材と、
前記給電部材と電源とを電気的に接続する電源接続部材と、を備える、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
前記給電部材は、樹脂製の固定部材に固定されていて、
前記固定部材には、前記発光チップからの光を制御するレンズが設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記灯室内には、樹脂製のリフレクタが配置されていて、
前記給電部材は、前記リフレクタに固定されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記灯室内には、樹脂製のリフレクタが配置されていて、
前記給電部材は、前記リフレクタに固定されていて、
前記リフレクタには、前記発光チップからの光を制御するレンズが設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−38698(P2012−38698A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227907(P2010−227907)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】