説明

車両用発電機

【課題】バッテリを逆接続した場合の故障を確実に防止することができるとともに信頼性を確保することができる車両用発電機を提供すること。
【解決手段】車両用発電機1は、界磁巻線4、固定子巻線2、3を有する固定子、複数の整流器モジュール5X、5Y、5Z、6U、6V、6W、発電制御装置7を備える。複数の整流器モジュール5X等のそれぞれは、ハイサイド側のMOSトランジスタ50と、ローサイド側のMOSトランジスタ51と、保護用のMOSトランジスタ52と、これらの各MOSトランジスタをオンオフする制御回路54とを備える。MOSトランジスタ50、51、52と制御回路54とが一体の構造体として、各整流器モジュール5X等が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用発電機にバッテリを逆接続すると、整流器を構成するダイオードに順方向の大電流が流れ、故障する心配があった。一方、モータやECUにおいては、同様の問題に鑑みて、逆接続時に接続を遮断してモータやECUへの通電を抑止するためにMOSトランジスタ等を用いる従来技術が知られている(例えば、特許文献1−5参照。)。また、最近では、整流器にMOSトランジスタを用いて整流損失を低減するようにした車両用発電機が知られている(例えば、特許文献6参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−274817号公報
【特許文献2】特開2001−224135号公報
【特許文献3】特開2002−95159号公報
【特許文献4】特開2007−82374号公報
【特許文献5】特開2009−194791号公報
【特許文献6】特開平8−336259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用発電機は、エンジンに搭載されて温度環境も厳しく、短期定格動作のモータや、ECUに採用されている特許文献1−5等の技術を適用するには信頼性の点で問題がある。特に、車両用発電機の整流器は、少なくとも三相交流を全波整流する回路構成をとっているため、整流器に含まれる各整流素子の通電は間欠的に行われ、通電しない期間があるが、特許文献1−6等に開示されたMOSトランジスタを整流器に接続して逆方向の電流を阻止しようとすると、発電中は常にこのMOSトランジスタに電流が流れることになり、このMOSトランジスタの発熱量が整流器に含まれる整流素子の発熱量に対して大きくなって、冷却設計で特別な対応が必要になり、実現が難しい。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、バッテリを逆接続した場合の故障を確実に防止することができるとともに信頼性を確保することができる車両用発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用発電機は、回転子の界磁極を磁化させる界磁巻線と、界磁極によって発生する回転磁界によって交流電圧を発生する多相巻線としての固定子巻線を有する固定子と、固定子巻線の複数の出力端子のそれぞれに対応して設けられる複数の整流器モジュールと、界磁巻線に流れる励磁電流を制御することにより、複数の整流器モジュールの出力電圧としての発電電圧を制御する発電制御装置とを備えている。複数の整流器モジュールのそれぞれは、バッテリの正極端子側に配置されるハイサイド側の第1のMOSトランジスタと、バッテリの負極端子側に配置されるローサイド側の第2のMOSトランジスタと、バッテリの正極端子と負極端子が逆接続された際に、第1および第2のMOSトランジスタに流れる電流を阻止するように、第1および第2のMOSトランジスタの少なくとも一方のソース・ドレイン間に直列に接続された第3のMOSトランジスタと、第1および第2のMOSトランジスタをオンオフすることにより固定子巻線に流れる電流を制御するとともに、バッテリの逆接続時に第3のMOSトランジスタをオフし、それ以外の通常接続時にオンする制御回路とを備え、第1、第2および第3のMOSトランジスタと制御回路とが一体の構造体として、複数の整流器モジュールのそれぞれを形成している。
【0007】
固定子巻線の複数の出力端子のそれぞれに対応させて、ハイサイド側およびローサイド側のMOSトランジスタとそれを制御する制御回路とともにモジュール化するとともに、バッテリ逆接続時の保護用のMOSトランジスタを各整流器モジュールに分散配置することにより、バッテリ逆接続時にハイサイド側およびローサイド側のMOSトランジスタに流れる電流を阻止して故障の発生を確実に防止することができる。また、この保護用のMOSトランジスタの熱的な負荷やオンオフのタイミングをハイサイド側やローサイド側のMOSトランジスタと同じにすることができるので、信頼性を向上させることができる。さらに、保護用のMOSトランジスタを各整流器モジュールに分散配置しているため、その一つに故障が発生した場合であっても、他の整流器モジュールによる動作を継続して、発電状態を維持することができる。
【0008】
また、上述した複数の整流器モジュールのそれぞれは、整流器モジュール自身に流れる電流を検出する電流検出手段と、整流器モジュール自身の温度を検出する温度検出手段と、第1のMOSトランジスタの動作状態を検出する第1の動作検出手段と、第2のMOSトランジスタの動作状態を検出する第2の動作検出手段と、第3のMOSトランジスタの動作状態を検出する第3の動作検出手段の少なくとも一つと、外部制御装置との間で通信を行う通信手段とを備え、バッテリ電圧検出手段、電流検出手段、温度検出手段、第1、第2および第3の動作検出手段のいずれかによる検出結果を通信手段によって外部制御装置に向けて送信するとともに、複数の整流器モジュールのそれぞれに備わった通信手段と外部制御装置との間の通信を共通の通信線を用いて行うことが望ましい。各整流器モジュールに通信機能を持たせることにより、外部制御装置側で各整流器モジュールや固定子巻線の各相の動作状態や故障などが検知できるようになるため、信頼性をさらに向上させることができる。
【0009】
また、上述した発電制御装置は、外部制御装置との間で通信を行う通信機能を有しており、整流器モジュールと外部制御装置との間で通信を行う通信線は、発電制御装置と外部制御装置との間で通信を行うために用いられる通信線と共通であることが望ましい。従来から発電制御装置と外部制御装置との間で通信を行う手法は採用されているため、実績のある通信手法(通信手段、通信プロトコル、通信線など)を用いることにより、通信機能を追加することによる信頼性の低下を防止することができる。また、通信線を共用化して用いることにより、配線や通信手順の簡略化が可能となる。
【0010】
また、上述した複数の整流器モジュールのそれぞれは、バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、制御回路は、バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて、車両に搭載される電気負荷が遮断された際に発生するロードダンプサージを検出したときに、第3のMOSトランジスタをオフすることが望ましい。これにより、車両用発電機において発生したロードダンプサージが車両搭載の電子機器に印加されることを確実に防止することができるため、電子機器の安全性を高めることが可能となる。
【0011】
また、上述した第3のMOSトランジスタと第1あるいは第2のMOSトランジスタとはドレイン側が共通になるように接続されており、第1および第2のMOSトランジスタと第3のMOSトランジスタは、同一の製造方法および同一のサイズに形成され、第1、第2および第3のMOSトランジスタがリードフレームの複数のアイランド部に分散して配置されている場合に、ドレイン側が共通になるように接続されたMOSトランジスタは同一のアイランド部に搭載され、他のMOSトランジスタは別のアイランド部に搭載され、これら複数のアイランド部の面積は搭載されたMOSトランジスタの数に比例した大きさを有し、複数のアイランド部に対応する断面方向に同一の放熱構造を備えるとともに、複数の整流器モジュールのそれぞれを構成する部品をモールド樹脂で封止することが望ましい。第1、第2および第3のMOSトランジスタとして同一のものを用いることにより、量産効果によるコスト低下が可能となる。また、放熱設計を同一とすることにより、保護用のMOSトランジスタ(第3のMOSトランジスタ)を搭載することによって信頼性が低下することを防止することができる。
【0012】
また、上述した第3のMOSトランジスタは、第1のMOSトランジスタとバッテリの正極端子との間に配置され、整流器モジュールは、第3のMOSトランジスタのゲート・ソース間にゲート側をアノードとする第1のダイオードと、第3のMOSトランジスタのゲート・ドレイン間にゲート側をアノードとする第2のダイオードと、第3のMOSトランジスタのソースにエミッタを接続してバッテリの逆接続時に第3のMOSトランジスタのゲート電荷放電を行うトランジスタとをさらに備えることが望ましい。バッテリの逆接続時のみにゲート電荷を放電するように動作する回路を追加することにより、逆接続時に確実に保護用のMOSトランジスタをオフし、通常接続時には悪影響を与えないようにすることができる。
【0013】
また、上述した制御回路は、第3の動作検出手段によって検出される第3のMOSトランジスタの動作状態に異常がある場合に、通信手段から外部制御装置に向けて異常発生を示す通信メッセージを送信することが望ましい。これにより、バッテリ逆接続時の保護用に追加したMOSトランジスタに異常が発生したときに外部制御装置に通知する仕組みを備えることにより、機能追加による不具合発生に対して速やかに対処することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態の車両用発電機の構成を示す図である。
【図2】整流器モジュールの構成を示す図である。
【図3】制御回路の詳細構成を示す図である。
【図4】保護用のMOSトランジスタを駆動するドライバの詳細構成を示す図である。
【図5】ロードダンプサージが発生した場合の動作タイミングを示す図である。
【図6】保護用のMOSトランジスタのオフ故障が発生した場合の動作タイミングを示す図である。
【図7】保護用のMOSトランジスタのショート故障が発生した場合の動作タイミングである。
【図8】整流器モジュールとECUとの間で送受信される通信メッセージの具体例を示す図である。
【図9】整流器モジュールの実装状態を示す平面図である。
【図10】整流器モジュールの実装状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用発電機について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の車両用発電機の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の車両用発電機1は、2つの固定子巻線2、3、界磁巻線4、2つの整流器モジュール群5、6、発電制御装置7を含んで構成されている。
【0016】
一方の固定子巻線2は、多相巻線(例えばX相巻線、Y相巻線、Z相巻線からなる三相巻線)であって、固定子鉄心(図示せず)に巻装されている。同様に、他方の固定子巻線3は、多相巻線(例えばU相巻線、V相巻線、W相巻線からなる三相巻線)であって、上述した固定子鉄心に、固定子巻線2に対して電気角で30度ずらした位置に巻装されている。本実施形態では、これら2つの固定子巻線2、3と固定子鉄心によって固定子が構成されている。
【0017】
界磁巻線4は、固定子鉄心の内周側に対向配置された界磁極(図示せず)に巻装されて回転子を構成している。励磁電流を流すことにより、界磁極が磁化される。界磁極が磁化されたときに発生する回転磁界によって固定子巻線2、3が交流電圧を発生する。
【0018】
一方の整流器モジュール群5は、一方の固定子巻線2に接続されており、全体で三相全波整流回路が構成されている。この整流器モジュール群5は、固定子巻線2の相数に対応する数(三相巻線の場合には3個)の整流器モジュール5X、5Y、5Zを備えている。整流器モジュール5Xは、固定子巻線2に含まれるX相巻線に接続されている。整流器モジュール5Yは、固定子巻線2に含まれるY相巻線に接続されている。整流器モジュール5Zは、固定子巻線2に含まれるZ相巻線に接続されている。
【0019】
他方の整流器モジュール群6は、一方の固定子巻線3に接続されており、全体で三相全波整流回路が構成されている。この整流器モジュール群6は、固定子巻線3の相数に対応する数(三相巻線の場合には3個)の整流器モジュール6U、6V、6Wを備えている。整流器モジュール6Uは、固定子巻線3に含まれるU相巻線に接続されている。整流器モジュール6Vは、固定子巻線3に含まれるV相巻線に接続されている。整流器モジュール6Wは、固定子巻線3に含まれるW相巻線に接続されている。
【0020】
発電制御装置7は、界磁巻線4に流す励磁電流を制御することにより、車両用発電機1の発電電圧(各整流器モジュールの出力電圧)を制御する。また、発電制御装置7は、通信端子および通信線を介してECU8(外部制御装置)と接続されており、ECU8との間で双方向のシリアル通信(例えば、LIN(Local Interconnect Network)プロトコルを用いたLIN通信)を行い、通信メッセージを送信あるいは受信する。
【0021】
本実施形態の車両用発電機1はこのような構成を有しており、次に、整流器モジュール5X等の詳細について説明する。
【0022】
図2は、整流器モジュール5Xの構成を示す図である。なお、他の整流器モジュール5Y、5Z、6U、6V、6Wも同じ構成を有している。図2に示すように、整流器モジュール5Xは、3つのMOSトランジスタ50、51、52、電流検出素子53、制御回路54を備えている。MOSトランジスタ50は、ソースが固定子巻線2のX相巻線に接続され、ドレインがMOSトランジスタ52を介してバッテリ9の正極端子に接続されたハイサイド側のスイッチ素子(第1のMOSトランジスタ)である。MOSトランジスタ51は、ドレインがX相巻線に接続され、ソースが電流検出素子53を介してバッテリ9の負極端子(アース)に接続されたローサイド側のスイッチ素子(第2のMOSトランジスタ)である。
【0023】
MOSトランジスタ52は、ハイサイド側のMOSトランジスタ50とバッテリ9の正極端子との間に挿入され、ドレインがMOSトランジスタ50のドレイン側に接続されたスイッチ素子(第3のMOSトランジスタ)であり、バッテリ逆接続時およびロードダンプサージ抑止のための保護用に用いられる。MOSトランジスタ50、51のみが備わった従来構成では、バッテリ9が逆接続されたときに、MOSトランジスタ50、51のボディーダイオードを介して大電流が流れるが、逆接続時にこの保護用のMOSトランジスタ52をオフすることにより、MOSトランジスタ50、51のボディダイオードを介して流れる電流を阻止することができる。また、車両用発電機1に接続されたバッテリ9が外れた場合に固定子巻線2のX相巻線に大きなロードダンプサージが発生するが、このときにMOSトランジスタ52をオフすることにより、車両用発電機1から電気負荷10、12等に大きなサージ電圧が印加されることを阻止することができる。
【0024】
図3は、制御回路54の詳細構成を示す図である。図3に示すように、制御回路54は、制御部100、電源102、バッテリ電圧検出部110、動作検出部120、130、140、温度検出部150、電流検出部160、ドライバ170、172、174、通信回路180を備えている。
【0025】
電源102は、エンジン始動に伴って固定子巻線2のX相巻線に所定の相電圧が発生したときに動作を開始し、制御回路54に含まれる各素子に動作電圧を供給する。この動作自体は、発電制御装置7において従来から行われている動作と同じであり、同じ技術を用いて実現することができる。
【0026】
ドライバ170は、出力端子(G1)がハイサイド側のMOSトランジスタ50のゲートに接続されており、MOSトランジスタ50をオンオフする駆動信号を生成する。同様に、ドライバ172は、出力端子(G2)がローサイド側のMOSトランジスタ51のゲートに接続されており、MOSトランジスタ51をオンオフする駆動信号を生成する。ドライバ174は、出力端子(G3)が保護用のMOSトランジスタ52のゲートに接続されており、MOSトランジスタ52をオンオフする駆動信号を生成する。
【0027】
バッテリ電圧検出部110(バッテリ電圧検出手段)は、差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(AD)によって構成されており、バッテリ9の正極端子の電圧に対応するデータを出力する。制御部100は、このデータに基づいてロードダンプなどの高電圧サージの発生を検出する。
【0028】
動作検出部120(第1の動作検出手段)は、差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(AD)によって構成されており、ハイサイド側のMOSトランジスタ50のソース・ドレイン間電圧(図2、図3のB−C端子間電圧)に対応するデータを出力する。制御部100は、このデータに基づいて、ドライバ170の駆動状態に対応するMOSトランジスタ50の動作状態を監視し、適宜MOSトランジスタ50の制御や故障検知を行う。
【0029】
動作検出部130(第2の動作検出手段)は、差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(AD)によって構成されており、ローサイド側のMOSトランジスタ51のソース・ドレイン間電圧(図2、図3のC−D端子間電圧)に対応するデータを出力する。制御部100は、このデータに基づいて、ドライバ172の駆動状態に対応するMOSトランジスタ51の動作状態を監視し、適宜MOSトランジスタ51の制御や故障検知を行う。
【0030】
動作検出部140(第3の動作検出手段)は、差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(AD)によって構成されており、保護用に用いられるMOSトランジスタ52のソース・ドレイン間電圧(図2、図3のA−B端子間電圧)に対応するデータを出力する。制御部100は、このデータに基づいて、ドライバ174の駆動状態に対応するMOSトランジスタ52の動作状態を監視し、適宜MOSトランジスタ52の制御や故障検知を行う。
【0031】
温度検出部150(温度検出手段)は、定電流源、ダイオード、差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(AD)によって構成されており、温度によって変化するダイオードの順方向電圧降下に対応するデータを出力する。制御部100は、このデータに基づいて整流器モジュール5Xの温度を検出する。
【0032】
電流検出部160(電流検出手段)は、差動増幅器とその出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器(AD)によって構成されており、電流検出素子53(例えば抵抗)の両端電圧(図2、図3のD−GND端子間電圧)に対応するデータを出力する。制御部100は、このデータに基づいてローサイド側のMOSトランジスタ51のソース・ドレイン間に流れる電流を検出する。
【0033】
通信回路180(通信手段)は、発電制御装置7と同様の通信手段であって、発電制御装置7とECU8の間を接続する通信端子および通信線に共通に接続されており、ECU8との間で双方向のシリアル通信(例えば、LINプロトコルを用いたLIN通信)を行い、通信メッセージを送信あるいは受信する。
【0034】
例えば、通信頻度として、1通信あたり20ms程度でECU8との間で通信メッセージを送受信しているような場合を考えると、1秒間に50回の通信を行うことができる。したがって、本実施形態において6個の通信モジュール5X等を追加してそのための通信メッセージの送受信が増加しても、発電制御装置7とECU8との間で発電状態を含む通信メッセージやダイアグ情報等の通信メッセージの送受信を行う発電制御に支障はないといえる。
【0035】
図4は、保護用のMOSトランジスタ52を駆動するドライバ174の詳細構成を示す図である。なお、図4に示すドライバ174は、ハイサイド側のMOSトランジスタ50を駆動するドライバ170を兼ねており、個別のドライバ170が不要になる分だけ回路構成を簡略化することができる。
【0036】
図4に示すように、ドライバ174は、昇圧回路200、ゲート放電回路202、トランジスタ204、ツェナーダイオード206、ダイオード208、210、212、214を含んで構成されている。昇圧回路200およびゲート放電回路202は、ハイサイド側のMOSトランジスタ50等を駆動するために従来から用いられているものである。制御部100から入力される制御信号に対応した駆動信号が昇圧回路200によって生成されてMOSトランジスタ52、50のゲートに入力される。また、MOSトランジスタ52、50がオフ状態のときにゲート放電回路202を介してゲート電荷の放電が行われる。
【0037】
保護用のMOSトランジスタ52のゲート(G3)からみて、バッテリ9の逆接続時に、MOSトランジスタ52のゲート・ソース間に電流が流れないように、電流阻止用のダイオード210(第2のダイオード)がゲート・ソース間と直列に、ゲート側がアノードとなるように配置されている。また、逆接続時にバッテリ9の負極端子に接続されるMOSトランジスタ52のゲート・ソース間には、MOSトランジスタ52のゲート電荷を放電する向きに(ゲート側がアノードとなるように)ダイオード208(第1のダイオード)が配置されている。これにより、逆接続時にはMOSトランジスタ52のゲート電荷を放電する側のみでゲート電位をコントロールすることが可能となる。さらに、逆接続時においてMOSトランジスタ52のゲート電荷を放電するために、NPN型のトランジスタ204がダイオード208とMOSトランジスタ52のソースとの間に配置されている。このため、逆接続時のみ、GND端子に接続されたダイオード214を介してトランジスタ204にベース電流が流れるようになり、このときMOSトランジスタ52のゲート電荷が放電され、逆接続時にMOSトランジスタ52を確実にオフすることができる。
【0038】
なお、上述したダイオード208等は、一方向にのみ電流を流すことができるデバイスであればどのようなものであってもよいが、ダイオードが比較的入手しやすく安価である。また、トランジスタ204は、ゲート電荷を放電することができればNPN型以外のスイッチ素子でもよく、MOSトランジスタ52等と同様のNチャネル型のMOSFETで構成することも可能である。しかしながら、バッテリ9の逆接続時には初期的には低電圧にクランプされる可能性を考慮すると、MOSトランジスタ52等よりもオンオフの閾値の低いNPN型のトランジスタ204を用いることが望ましい。
【0039】
また、図4に示す構成では、バッテリ9の逆接続時に、昇圧回路200やゲート放電回路202を介した回り込み電流でMOSトランジスタ52のゲートに電流が流れ込むことを防止するためにダイオード212がGND端子側に設けられている。このようにして回り込み電流を阻止することにより、トランジスタ204の要求駆動能力を低くすることができ、ゲート電荷の放電能力を高めることによって、MOSトランジスタ52を用いた保護効果をさらに高めることができる。
【0040】
このように、本実施形態の車両用発電機1では、固定子巻線2、3の各相巻線に対応する複数の出力端子のそれぞれに対応させて、ハイサイド側およびローサイド側のMOSトランジスタ50、51とそれを制御する制御回路54とともにモジュール化するとともに、バッテリ逆接続時の保護用のMOSトランジスタ52を各整流器モジュールに分散配置することにより、バッテリ逆接続時にハイサイド側およびローサイド側のMOSトランジスタ50、51に流れる電流を阻止して故障の発生を確実に防止することができる。また、この保護用のMOSトランジスタ52の熱的な負荷やオンオフのタイミングをハイサイド側やローサイド側のMOSトランジスタ50、51と同じにすることができるので、信頼性を向上させることができる。さらに、保護用のMOSトランジスタ52を各整流器モジュールに分散配置しているため、その一つに故障が発生した場合であっても、他の整流器モジュールによる動作を継続して、発電状態を維持することができる。
【0041】
また、各整流器モジュールに通信機能を持たせることにより、ECU8側で各整流器モジュールや固定子巻線2、3の各相の動作状態や故障などが検知できるようになるため、信頼性をさらに向上させることができる。
【0042】
また、発電制御装置7とECU8との間で従来から行われてきた実績のある通信手法(通信手段、通信プロトコル、通信線など)を用いて各整流器モジュールとECU8との間の通信を行うことにより、通信機能を追加することによる信頼性の低下を防止することができる。また、通信線を共用化して用いることにより、配線や通信手順の簡略化が可能となる。
【0043】
また、各整流器モジュールにバッテリ電圧検出部110を備えて、ロードダンプサージ検出時にMOSトランジスタ52をオフすることにより、車両用発電機1において発生したロードダンプサージが車両搭載の電子機器に印加されることを確実に防止することができるため、電子機器の安全性を高めることが可能となる。
【0044】
また、バッテリ9の逆接続時のみにゲート電荷を放電するように動作する回路を追加することにより、逆接続時に確実に保護用のMOSトランジスタ52をオフし、通常接続時には悪影響を与えないようにすることができる。
【0045】
図5は、ロードダンプサージが発生した場合の動作タイミングを示す図である。車両側の電気負荷12として例えば装着が進む大電流モータの作動が遮断された場合の各部の動作状態が示されている。電気負荷12が遮断された負荷電流が急に減少しても(図5(A))、車両用発電機1の出力は急激には減衰しないため(図5(B))、車両用発電機1によって高いサージ電圧が発生し、このサージ電圧が他の電気負荷10に印加されるおそれがある。このような場合には界磁巻線4の励磁電流が減衰するまでサージ電圧が発生するが、本実施形態では、制御部100は、バッテリ電圧検出部110から出力されるデータ(図5(D))に基づいてバッテリ電圧(図5(C))を監視し、バッテリ電圧が所定値(例えば16V)を超えるとドライバ174に指示を送ってMOSトランジスタ52のゲートにローレベルの駆動信号を入力して(図5(F))、MOSトランジスタ52をオフする。
【0046】
また、このとき動作検出部140から出力されるデータ(MOSトランジスタ52のソース・ドレイン間電圧に対応するデータ、図5(E))は、MOSトランジスタ52のトレイン電圧がサージ電圧となるため、高い値を示す。制御部100は、このような動作検出部140の出力データを監視し、サージ電圧が危険のない電圧レベルまで低下したとき(例えば、MOSトランジスタ52のソース・ドレイン間電圧が2V以下)、再度MOSトランジスタ52をオンしてバッテリ9に給電するように動作する。これにより、バッテリ9が必要以上に放電してしまうことを防止することができる。
【0047】
図6は、保護用のMOSトランジスタ52のオフ故障が発生した場合の動作タイミングを示す図である。電源102が動作を開始して各部に動作電源の供給が開始された後(図6(A))、MOSトランジスタ52がオンされる(図6(B))。この状態では、MOSトランジスタ52のソース・ドレイン間電圧に対応する動作検出部140の出力データは小さな値となる(図6(C))。ところが、何らかの故障によりMOSトランジスタ52がオフすると、動作検出部140の出力データは大きな値に変化する(図6(C))。制御部100は、動作検出部140の出力データを所定の閾値(例えば、MOSトランジスタ52のソース・ドレイン間電圧で1Vに相当する値)よりも大きくなったことを検出したときに、MOSトランジスタ52にオフ故障が生じた旨の異常判定を行う。その後、通信回路180から異常を知らせる通信メッセージをECU8に向けて送信する(図6(D))。
【0048】
なお、保護用のMOSトランジスタ52は、6個の整流器モジュール5X等のそれぞれに分散して配置されているため、1つのMOSトランジスタ52がオフ故障しても、残りの5個の整流器モジュールを用いた電力供給は継続される。しがたって、直ちにバッテリ9が過放電になることはなく、ECU8は、このような異常状態を把握した上で、運転者に対して何らかの警報を出すことができ、早めに部品交換等の対策を促すことが可能となる。
【0049】
図7は、保護用のMOSトランジスタ52のショート故障が発生した場合の動作タイミングである。例えば、整流器モジュール5X等が起動される前からMOSトランジスタ52のソース・ゲート間がショートしている場合には、起動直後にMOSトランジスタ52をオンするまでの遅れ時間T(図7(B))を適切な値(例えば50ms)に設定すれば、その間のMOSトランジスタ52のソース・ゲート間電圧(動作検出部140の出力データ)を観察することにより(図7(C))、このショート故障を検出することが可能となる。すなわち、MOSトランジスタ52をオンしていない状態においてMOSトランジスタ52のソース・ゲート間電圧が小さい場合には、制御部100は、MOSトランジスタ52にショート故障が生じている旨の異常判定を行う。
【0050】
一方、MOSトランジスタ52のショート故障が起動前でなく起動後に発生した場合には、動作検出部140の出力データが不安定な値であることを判定することで(図7(D))、制御部100は、MOSトランジスタ52のショート故障を検出することができる。例えば、動作検出部140の出力データの値は、MOSトランジスタ52やMOSトランジスタ51のオンオフ状態に連動して変化するものであるが、MOSトランジスタ52にショート故障が発生すると連動しなくなる。このような状態を判定することでショート故障を検出することができる。異常判定後に、通信回路180から異常を知らせる通信メッセージをECU8に向けて送信するようにすれば、ECU8は、このような異常状態を把握した上で、運転者に対して何らかの警報を出すことができ、早めに部品交換等の対策を促すことが可能となる。
【0051】
図8は、各整流器モジュールとECU8との間で送受信される通信メッセージの具体例を示す図である。図8(A)には整流器モジュール5X等からECU8に向けて送信される通信メッセージの送信フレーム構成が、図8(B)にはECU8から整流器モジュール5X等に送られてくる通信メッセージの受信フレーム構成がそれぞれ示されている。
【0052】
図8(A)に示すように、送信フレームには、シンクブレーク、同期フィールド、ID(識別)フィールド、動作異常、温度、電流、電圧が含まれている。「動作異常」は、MOSトランジスタ52やその他のMOSトランジスタ50、51の異常の有無および発生した異常の種類を示す情報である。「温度、電流、電圧」は、温度検出部150、電流検出部160、バッテリ電圧検出部110の各出力データに基づいて検出した情報である。
【0053】
また、図8(B)に示すように、受信フレームには、シンクブレーク、同期フィールド、IDフィールド、運転モード、位相角が含まれている。MOSトランジスタ50、51、52の制御用の位相角(オンオフするタイミング)や運転モードの種類をECU8から受信することで、発電効率重視の同期整流モードや、出力電流重視で固定子巻線2の相電圧に対して進み電流を流してパワー最大で発電する位相制御モードや、車両用発電機1の効率を反対に下げてトルク負荷を増加させることでエンジン回転数を落とすブレーキとして活用する回生発電モードなどの各種の発電動作が可能となる。
【0054】
次に、整流器モジュール5Xの構造について説明する。図9は、整流器モジュール5Xの実装状態を示す平面図である。図10は、整流器モジュール5Xの実装状態を示す断面図である。なお、他の整流器モジュール5Y等も同じ平面構造および断面構造を有している。
【0055】
図9および図10において、ハイサイド側のMOSトランジスタ50、ローサイド側のMOSトランジスタ51、保護用のMOSトランジスタ52のそれぞれは、同一の製造方法で同一のサイズに形成されている。また、ドレインを共通にするMOSトランジスタ50とMOSトランジスタ52はリードフレームの同一のアイランドaに搭載され、MOSトランジスタ51はアイランドbに搭載されている。これら2つのアイランドa、bの面積は、搭載するMOSトランジスタの数に比例する面積比となるように、すなわち、アイランドaの面積がアイランドbの面積の2倍になるように設定されている。さらに、MOSトランジスタ50、51、52が搭載されたアイランドa、bは、全て断面方向に同一の放熱構造(ヒートシンクの配置等)を備えており、整流器モジュール5Xを構成する部品全体をモールド樹脂で封止することでパッケージ化されている。
【0056】
MOSトランジスタ50、51、52として同一のものを用いることにより、量産効果によるコスト低下が可能となる。また、放熱設計を同一とすることにより、保護用のMOSトランジスタ52を搭載することによって信頼性が低下することを防止することができる。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、2つの固定子巻線2、3と2つの整流器モジュール群5、6を備えるようにしたが、一方の固定子巻線2と一方の整流器モジュール群5を備える車両用発電機についても本発明を適用することができる。また、上述した実施形態では、Y結線された2つの固定子巻線2、3を備えた車両用発電機1について説明したが、Δ結線された固定子巻線を備える車両用発電機についても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
上述したように、本発明によれば、固定子巻線の複数の出力端子のそれぞれに対応させて、ハイサイド側およびローサイド側のMOSトランジスタとそれを制御する制御回路とともにモジュール化するとともに、バッテリ逆接続時の保護用のMOSトランジスタを各整流器モジュールに分散配置することにより、バッテリ逆接続時にハイサイド側およびローサイド側のMOSトランジスタに流れる電流を阻止して故障の発生を確実に防止することができる。また、この保護用のMOSトランジスタの熱的な負荷やオンオフのタイミングをハイサイド側やローサイド側のMOSトランジスタと同じにすることができるので、信頼性を向上させることができる。さらに、保護用のMOSトランジスタを各整流器モジュールに分散配置しているため、その一つに故障が発生した場合であっても、他の整流器モジュールによる動作を継続して、発電状態を維持することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 車両用発電機
2、3 固定子巻線
4 界磁巻線
5、6 整流器モジュール群
5X、5Y、5Z、6U、6V、6W 整流器モジュール
7 発電制御装置
8 ECU
9 バッテリ
10、12 電気負荷
50、51、52 MOSトランジスタ
53 電流検出素子
54 制御回路
100 制御部
102 電源
110 バッテリ電圧検出部
120、130、140 動作検出部
150 温度検出部
160 電流検出部
170、172、174 ドライバ
180 通信回路
200 昇圧回路
202 ゲート放電回路
204 トランジスタ
206 ツェナーダイオード
208、210、212、214 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子の界磁極を磁化させる界磁巻線と、
前記界磁極によって発生する回転磁界によって交流電圧を発生する多相巻線としての固定子巻線を有する固定子と、
前記固定子巻線の複数の出力端子のそれぞれに対応して設けられる複数の整流器モジュールと、
前記界磁巻線に流れる励磁電流を制御することにより、前記複数の整流器モジュールの出力電圧としての発電電圧を制御する発電制御装置と、を備え、
前記複数の整流器モジュールのそれぞれは、
バッテリの正極端子側に配置されるハイサイド側の第1のMOSトランジスタと、
前記バッテリの負極端子側に配置されるローサイド側の第2のMOSトランジスタと、
前記バッテリの正極端子と負極端子が逆接続された際に、前記第1および第2のMOSトランジスタに流れる電流を阻止するように、前記第1および第2のMOSトランジスタの少なくとも一方のソース・ドレイン間に直列に接続された第3のMOSトランジスタと、
前記第1および第2のMOSトランジスタをオンオフすることにより前記固定子巻線に流れる電流を制御するとともに、前記バッテリの逆接続時に前記第3のMOSトランジスタをオフし、それ以外の通常接続時にオンする制御回路と、
を備え、前記第1、第2および第3のMOSトランジスタと前記制御回路とが一体の構造体として、前記複数の整流器モジュールのそれぞれを形成することを特徴とする車両用発電機。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の整流器モジュールのそれぞれは、
前記整流器モジュール自身に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記整流器モジュール自身の温度を検出する温度検出手段と、前記第1のMOSトランジスタの動作状態を検出する第1の動作検出手段と、前記第2のMOSトランジスタの動作状態を検出する第2の動作検出手段と、前記第3のMOSトランジスタの動作状態を検出する第3の動作検出手段の少なくとも一つと、
外部制御装置との間で通信を行う通信手段と、
を備え、前記バッテリ電圧検出手段、前記電流検出手段、前記温度検出手段、前記第1、第2および第3の動作検出手段のいずれかによる検出結果を前記通信手段によって前記外部制御装置に向けて送信するとともに、前記複数の整流器モジュールのそれぞれに備わった前記通信手段と前記外部制御装置との間の通信を共通の通信線を用いて行うことを特徴とする車両用発電機。
【請求項3】
請求項2において、
前記発電制御装置は、前記外部制御装置との間で通信を行う通信機能を有しており、
前記整流器モジュールと前記外部制御装置との間で通信を行う通信線は、前記発電制御装置と前記外部制御装置との間で通信を行うために用いられる通信線と共通であることを特徴とする車両用発電機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記複数の整流器モジュールのそれぞれは、前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、
前記制御回路は、前記バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて、車両に搭載される電気負荷が遮断された際に発生するロードダンプサージを検出したときに、前記第3のMOSトランジスタをオフすることを特徴とする車両用発電機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第3のMOSトランジスタと前記第1あるいは第2のMOSトランジスタとはドレイン側が共通になるように接続されており、
前記第1および第2のMOSトランジスタと前記第3のMOSトランジスタは、同一の製造方法および同一のサイズに形成され、
前記第1、第2および第3のMOSトランジスタがリードフレームの複数のアイランド部に分散して配置されている場合に、ドレイン側が共通になるように接続されたMOSトランジスタは同一のアイランド部に搭載され、他のMOSトランジスタは別のアイランド部に搭載され、これら複数のアイランド部の面積は搭載されたMOSトランジスタの数に比例した大きさを有し、
前記複数のアイランド部に対応する断面方向に同一の放熱構造を備えるとともに、前記複数の整流器モジュールのそれぞれを構成する部品をモールド樹脂で封止することを特徴とする車両用発電機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記第3のMOSトランジスタは、前記第1のMOSトランジスタと前記バッテリの正極端子との間に配置され、
前記整流器モジュールは、前記第3のMOSトランジスタのゲート・ソース間にゲート側をアノードとする第1のダイオードと、前記第3のMOSトランジスタのゲート・ドレイン間にゲート側をアノードとする第2のダイオードと、前記第3のMOSトランジスタのソースにエミッタを接続して前記バッテリの逆接続時に前記第3のMOSトランジスタのゲート電荷放電を行うトランジスタとをさらに備えることを特徴とする車両用発電機。
【請求項7】
請求項2において、
前記制御回路は、前記第3の動作検出手段によって検出される前記第3のMOSトランジスタの動作状態に異常がある場合に、前記通信手段から前記外部制御装置に向けて異常発生を示す通信メッセージを送信することを特徴とする車両用発電機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−120326(P2011−120326A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273025(P2009−273025)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】