説明

車輌用灯具

【課題】 灯具ユニットの支持状態の安定化を図る。
【解決手段】 ランプボデイ2と該ランプボデイを覆うカバー3とによって形成された灯室4に、光源28、28、28、34、34、34を有するランプユニット13、13、13と該ランプユニットが支持されたフレーム12とによって構成された灯具ユニット6を光源から出射される光軸を調整する光軸調整機構36によってランプボデイに傾動可能に支持し、光軸調整機構にランプボデイを貫通されフレームに回転可能に連結されたアジャスティングスクリュー38、38を設け、灯具ユニットに固定されると共に一部がランプボデイの内面に弾性によって押し当てられて灯具ユニットをランプボデイに支持する補助支持部材41を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車輌用灯具に関する。詳しくは、灯具ユニットに固定されランプボデイの内面に弾性によって押し当てられる補助支持部材を設けて灯具ユニットの支持状態の安定化を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には、例えば、レンズとランプボデイによって形成された灯室に光源を有するランプユニットが配置され、該ランプユニットがフレームに支持されて灯具ユニットが構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、光源から出射される照明光の光軸の傾きを調整する光軸調整機構、例えば、光軸の初期調整を行うためのエイミング調整機構によって灯具ユニットがランプボデイに傾動自在に支持されている。
【0004】
エイミング調整機構は、一般に、ランプボデイを貫通された二つのアジャスティングスクリューと一つのエイミング支点(ピボット支点)とを有している。エイミング調整は、アジャスティングスクリューを所望の方向へ回転させることによりエイミング支点を基準としてランプボデイに対して灯具ユニットが所定の方向へ傾動されることにより行われる。
【0005】
従って、灯具ユニットはエイミング調整機構によって二つのアジャスティングスクリューと一つのエイミング支点の3カ所においてランプボデイに支持されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−227933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、灯具ユニットがエイミング調整機構によって3カ所のみにおいてランプボデイに支持されているため、例えば、車輌が悪路や段差等を走行したときに灯具ユニットが振動して支持状態が不安定となり、この振動によって光源から出射される照明光の光軸がずれてカットラインが変動してしまうおそれがある。
【0008】
特に、例えば、ランプユニットが水平方向において回動可能に構成された場合等には灯具ユニットに回動用アクチュエーターが必要となり、その分、灯具ユニットの重量が大きくなりエイミング調整機構による支持状態が一層不安定になってしまう。
【0009】
そこで、本発明車輌用灯具は、灯具ユニットの支持状態の安定化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明車輌用灯具は、上記した課題を解決するために、灯具ユニットをランプボデイに傾動可能に支持する光軸調整機構にランプボデイを貫通されフレームに回転可能に連結されたアジャスティングスクリューを設け、灯具ユニットに固定されると共に一部がランプボデイの内面に弾性によって押し当てられて灯具ユニットをランプボデイに支持する補助支持部材を設けたものである。
【0011】
従って、本発明車輌用灯具にあっては、灯具ユニットがエイミング調整機構と補助支持部材によってランプボデイに支持される。
【発明の効果】
【0012】
本発明車輌用灯具は、ランプボデイと該ランプボデイを覆うカバーとによって形成された灯室に、光源を有するランプユニットと該ランプユニットが支持されたフレームとによって構成された灯具ユニットが光源から出射される光軸を調整する光軸調整機構によってランプボデイに傾動可能に支持された車輌用灯具であって、光軸調整機構にランプボデイを貫通されフレームに回転可能に連結されたアジャスティングスクリューを設け、灯具ユニットに固定されると共に一部がランプボデイの内面に弾性によって押し当てられて灯具ユニットをランプボデイに支持する補助支持部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
従って、光軸調整機構と補助支持部材によって灯具ユニットがランプボデイに支持されるため、車輌が悪路や段差等を走行したときにおいても灯具ユニットが振動し難くランプボデイに対する灯具ユニットの支持状態の安定化が図られ、光源から出射される照明光の光軸の変動を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明にあっては、補助支持部材として板バネを用い、補助支持部材の先端部にランプボデイ側に突出し該ランプボデイの内面に押し当てられる押当突部を設けたので、ランプボデイに対する灯具ユニットの支持構造が簡素であり、また、補助支持部材のランプボデイに対する接触面積が小さく光軸調整が行われたときの補助支持部材のランプボデイに対する良好な摺動性を確保することができる。
【0015】
請求項3に記載した発明にあっては、ランプボデイをアウターボデイと該アウターボデイの内面に取り付けられアウターボデイの剛性より高い剛性を有するインナーボデイとによって構成し、補助支持部材をインナーボデイの内面に押し当てたので、ランプボデイの高い剛性を確保して補助支持部材の押当突部のランプボデイに対する摺動時における両者の削れの発生や削れによる粉塵の発生を防止することができる。
【0016】
請求項4に記載した発明にあっては、ランプユニットを複数設けると共に各ランプユニットの光源として発光ダイオードを用い、灯具ユニットに回動用アクチュエーターを設け該回動用アクチュエーターによってランプユニットを水平方向において回動可能としており、支持状態が不安定となるおそれのある大きな重量を有する灯具ユニットの安定した支持状態を効果的に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。以下に示した最良の形態は、本発明車輌用灯具を車輌用前照灯に適用したものである。
【0018】
車輌用灯具(車輌用前照灯)1は、車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0019】
車輌用灯具1は、前方に開口された凹部を有するランプボデイ2と該ランプボデイ2の開口面を閉塞するカバー3とを備え(図1乃至図3参照)、ランプボデイ2とカバー3によって形成された内部空間が灯室4として形成されている。
【0020】
ランプボデイ2は、例えば、図3に示すように、樹脂材料によって形成され前方に開口されたアウターボデイ2aと該アウターボデイ2aの上面部における内面に取り付けられたインナーボデイ2bとによって構成されている。インナーボデイ2bは、例えば、摺動性の高い金属材料によって形成され、アウターボデイ2aより高い剛性を有している。
【0021】
灯室4には左右一方の側に第1の灯具ユニット5が配置され、他方の側に第2の灯具ユニット6が配置されている(図1及び図2参照)。
【0022】
第1の灯具ユニット5は、例えば、遠距離を照射する所謂ハイビーム用の灯具ユニットであり、前方に開口された凹状部を有するリフレクター7と該リフレクター7の後端部に取り付けられた光源8とを備え、光源8として、例えば、放電灯バルブが用いられている。
【0023】
リフレクター7には後方へ突出された被支持突部7a、7a、7aが設けられている。
【0024】
第1の灯具ユニット5はランプボデイ2に光軸調整機構として機能するエイミング調整機構9によって傾動自在に支持されている。エイミング調整機構9は、例えば、ピボット支点10と2つのアジャスティングスクリュー11、11によって構成され、ピボット支点10は両端部がそれぞれランプボデイ2とリフレクター7の被支持突部7aに連結され、2つのアジャスティングスクリュー11、11はそれぞれランプボデイ2を貫通されてリフレクター7の被支持突部7a、7aに連結されている。従って、アジャスティングスクリュー11、11を所望の方向へ回転させることによりピボット支点10を基準として第1の灯具ユニット5がランプボデイ2に対して所定の方向へ傾動され、光源8から出射される照明光の光軸調整が行われる。
【0025】
第2の灯具ユニット6は、例えば、近距離を照射する所謂ロービーム用の灯具ユニットであり、フレーム12に第1のランプユニット13、13、13と第2のランプユニット14が後述するブラケットを介して水平方向へ回動可能に支持されて成る(図3乃至図5参照)。
【0026】
フレーム12は基板15と天板16が結合されて成る。
【0027】
基板15は、上下方向を向く底面部15aと、該底面部15aの左右一方の側縁から上方へ突出された側面部15bと、底面部15aの後縁と側面部15bの後縁に連続した背面部15cとによって構成されている。背面部15cの外周部には後述する光軸調整機構の各部材を保持するための図示しない3つの貫通孔が形成されている。背面部15cは後方から見て略L字状に形成され(図4参照)、下端部に後方へ突出された放熱フィン12a、12a、・・・が一体に形成されている。
【0028】
天板16は基板15の上端面にネジ止め等の適宜の手段によって固定されている。天板16は、図3及び図6に示すように、上下方向を向く板状のベース部16aと該ベース部16aの後端部を除く部分から上方へ突出された固定部16bとを有し、該固定部16bの前面には支持凹部16cが形成されている。
【0029】
天板16の支持凹部16cには上下に貫通された軸受17が支持されている。天板16の固定部16bの前面には軸受押さえ板18がネジ止め等によって固定され、該軸受押さえ板18によって軸受17が天板16に押さえられている。軸受17には回動軸19が回転自在に支持されている。
【0030】
第2の灯具ユニット6は、図2乃至図4に示すように、フレーム12に水平方向へ回動自在に支持されたブラケット20と該ブラケット20に取り付けられた所要の各部とブラケット20に連結された回動用アクチュエーター21とを有している。
【0031】
ブラケット20は、フレーム12の内側に配置され、前後方向を向く基板部22と、該基板部22の上端部から前方へ突出された上側連結突部23と、基板部22の上方側の部分から前方へ突出された取付突部24、24、24、25、25、25と、基板部22の下端部から前方へ突出された下側連結突部26と、該下側連結突部26の前端部に連続して設けられたユニット形成部27とを有している。
【0032】
ブラケット20には左右に離隔して後方へ突出された複数の放熱フィン20a、20a、・・・が一体に設けられている。
【0033】
上側連結突部23には軸受17に支持された回動軸19が連結されて固定されている。
【0034】
取付突部24、24、24は左右に離隔して設けられ、該取付突部24、24、24にはそれぞれ光源28、28、28とリフレクター29、29、29が取り付けられている。光源28としては、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)が用いられている。
【0035】
取付突部25、25、25は左右に離隔して設けられ、取付突部24、24、24の下側に位置されている。取付突部25、25、25にはそれぞれシェード30、30、30が取り付けられている。
【0036】
シェード30の前端部にはレンズ31が取り付けられ、該レンズ31は外周部がレンズホルダー32によって保持されている。
【0037】
光源28、リフレクター29、シェード30、レンズ31及びレンズホルダー32によって第1のランプユニット13が構成され、該第1のランプユニット13の外周部にフード33が取り付けられる。第1のランプユニット13、13、13は、例えば、左右に並ぶようにして配置され、中央に位置する第1のランプユニット13を基準として両隣に位置する第1のランプユニット13、13が前後にずれた状態で配置されている。
【0038】
第1のランプユニット13において、光源28から出射された光はリフレクター29によって反射されシェード30により所定のカットラインが形成された状態でレンズ31を透過されて前方へ照射される。このとき光源28からの光の出射に伴い該光源28及びこれが取り付けられている図示しない回路基板が発熱するが、発生した熱はブラケット20の放熱フィン20a、20a、・・・及びフレーム12の放熱フィン12a、12a、・・・から放出される。
【0039】
回動用アクチュエーター21はブラケット20の下方に配置されている。回動用アクチュエーター21は第2の灯具ユニット6を水平方向において回動させる駆動源として機能し、連結軸21aを有している。回動用アクチュエーター21は連結軸21aがフレーム12の底面部15aを貫通されブラケット20の下側連結突部26に連結されている。
【0040】
ブラケット20のユニット形成部27は下側連結突部26の前端部から上方へ突出されたベース突部27aと該ベース突部27aの上端部から前方へ突出された配置用突部27bと該配置用突部27bの後端部から下斜め前方へ突出されたリフレクター部27cとによって構成されている。
【0041】
ブラケット20の配置用突部27bには光源34、34、34が左右に離隔して取り付けられている。光源34としては、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)が用いられている。
【0042】
光源34、34、34及びリフレクター部27cによって第2のランプユニット14が構成される。
【0043】
第2のランプユニット14において、光源34、34、34から出射された光はリフレクター部27cによって反射されて前方へ照射される。このとき光源34、34、34からの光の出射に伴い該光源34、34、34及びこれが取り付けられている図示しない回路基板が発熱するが、発生した熱はブラケット20の放熱フィン20a、20a、・・・及びフレーム12の放熱フィン12a、12a、・・・から放出される。
【0044】
車輌の走行中において、車輌の左右への進行方向が変更されると、変更された進行方向に応じた回動用アクチュエーター21の駆動により、第1のランプユニット13、13、13及び第2のランプユニット14がブラケット20と一体になって回動軸19及び回動用アクチュエーター21の連結軸21aを支点として車輌の変更された進行方向に応じた方向へ回動され、光源28、28、28、34、34、34から出射される照明光が変更された車輌の進行方向に追従して変更される。
【0045】
上記したように車輌用灯具1にあっては、フレーム12を基板15と天板16の二つの部材によって構成し、基板15の底面部15aに回動用アクチュエーター21の連結軸21aが貫通され、天板16が軸受17を介して回動軸19を支持するようにしているため、天板16の基板15に対する結合位置を調整することにより連結軸21aの回動中心と回動軸19の回動中心との上下方向における良好な位置精度を確保することができ、第2の灯具ユニット6の回動動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0046】
また、フレーム12に底面部15a、側面部15b及び天板16を設け前後方向から見て略コ字状の形状により第1のランプユニット13、13、13、第2のランプユニット14及びブラケット20を支持するようにしているため、後方への突出量が大きなブラケット20の放熱フィン20a、20a、・・・が位置する領域にはフレーム12が存在せず、フレーム12のブラケット20に対する組付性の向上を図ることができると共にフレーム12と放熱フィン20a、20a、・・・との干渉を回避することができる。
【0047】
第2の灯具ユニット6の下方には光源駆動用ユニット35が配置されている。光源駆動用ユニット35の駆動によって、第1のランプユニット13、13、13の各光源28、28、28及び第2のランプユニット14の各光源34、34、34から照明光が出射される。
【0048】
第2の灯具ユニット6はランプボデイ2に光軸調整機構36によって傾動自在に支持されている。光軸調整機構36はエイミング調整機構として機能する他、車載物の重量等によって発生する光軸の変動を調整する所謂レベリング調整機構としても機能する。
【0049】
光軸調整機構36は、図1及び図4に示すように、例えば、ピボット支点37と2つのアジャスティングスクリュー38、38を有し、ピボット支点37と2つのアジャスティングスクリュー38、38がそれぞれランプボデイ2を貫通されてフレーム12に連結されている。ピボット支点37は前後方向へ移動可能とされ、ランプボデイ2に固定されたレベリングアクチュエーター39の駆動軸として設けられている。
【0050】
アジャスティングスクリュー38、38を所望の方向へ回転させることによりピボット支点37を基準として第2の灯具ユニット6がランプボデイ2に対して所定の方向へ傾動されて略前後方向へ移動され、光源28、28、28、34、34、34から出射される光の光軸調整(エイミング調整)が行われる。また、レベリングアクチュエーター39の駆動によりピボット支点37が前後方向へ移動されると、アジャスティングスクリュー38、38を支点として第2の灯具ユニット6がランプボデイ2に対して所定の方向へ傾動されて略前後方向へ移動され、光源28、28、28、34、34、34から出射される光の光軸調整(レベリング調整)が行われる。
【0051】
フレーム12の天板16に設けられた固定部16bには押さえ用板バネ40がネジ止め等の適宜の手段によって固定されている(図3及び図6参照)。押さえ用板バネ40は前後方向を向く被固定部40aと該被固定部40aに対して屈曲され前方へ延びる押さえ部40bとから成る。
【0052】
押さえ用板バネ40の押さえ部40bによって回動軸19が上方から押さえられている。
【0053】
天板16の固定部16bには補助支持部材41がネジ止め等の適宜の手段によって固定されている。補助支持部材41は前後方向を向く被固定部41aと該被固定部41aに対して屈曲され上斜め前方へ延びる押し当て部41bとから成り、該押し当て部41bの前端部に上方へ突出され略半球状に形成された押当突部41cが設けられている。
【0054】
補助支持部材41は被固定部41aが押さえ用板バネ40の被固定部41bに重ねられた状態で固定部16bに固定されている。
【0055】
補助支持部材41は押当突部41cがランプボデイ2のインナーボデイ2bの下面に下方から弾性によって押し当てられている。従って、第2の灯具ユニット6は光軸調整機構36における3カ所(ピボット支点37と2つのアジャスティングスクリュー38、38)の他、補助支持部材41によってもランプボデイ2に傾動可能に支持される。
【0056】
第2の灯具ユニット6のエイミング調整又はレベリング調整が行われるときには、ランプボデイ2に対する第2の灯具ユニット6の傾動に伴ってランプボデイ2のインナーボデイ2bに対して補助支持部材41の押当突部41cが摺動される。
【0057】
インナーボデイ2bは、上記したように、摺動性の高い材料によって形成されているため、押当突部41cのインナーボデイ2bに対する摺動を円滑に行うことができる。
【0058】
車輌用灯具1にはランプボデイ2の下端部に左右に離隔して前後方向に延びる図示しない一対のガイドレール部が設けられ、フレーム12には各ガイドレール部にそれぞれ摺動自在に支持された図示しない一対の被ガイド部が設けられている。従って、エイミング調整又はレベリング調整が行われ第2の灯具ユニット6がランプボデイ2に対して傾動されて略前後方向へ移動されるときには、フレーム12の被ガイド部がランプボデイ2のガイドレール部に対して摺動されるため、第2の灯具ユニット6のランプボデイ2に対する支持状態の安定化を図ることができる。
【0059】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、補助支持部材41を設け、光軸調整機構36における3カ所と補助支持部材41によって第2の灯具ユニット6をランプボデイ2に支持するようにしているため、車輌が悪路や段差等を走行したときにおいても第2の灯具ユニット6が振動し難くランプボデイ2に対する第2の灯具ユニット6の支持状態の安定化が図られ、光源28、28、28、34、34、34から出射される照明光の光軸の変動を防止することができる。
【0060】
また、補助支持部材41として板バネを用いているため、ランプボデイ2に対する第2の灯具ユニット6の支持構造が簡素であり、また、補助支持部材41の先端部に押当突部41cを設けているため、補助支持部材41のランプボデイ2に対する接触面積が小さくエイミング調整やレベリング調整が行われたときの補助支持部材41のランプボデイ2に対する良好な摺動性を確保することができる。
【0061】
さらに、ランプボデイ2をアウターボデイ2aと該アウターボデイ2aより高い剛性を有するインナーボデイ2bとによって構成し、補助支持部材41をインナーボデイ2bの内面に押し当てているため、ランプボデイ2の高い剛性を確保して補助支持部材41の押当突部41cのランプボデイ2に対する摺動時における両者の削れの発生や削れによる粉塵の発生を防止することができる。
【0062】
加えて、車輌用灯具1にあっては、第2の灯具ユニット6に第1のランプユニット13、13、13及び第2のランプユニット14と言う複数のランプユニットを設けると共に回動用アクチュエーター21や発熱量の大きな光源28、28、28、34、34、34の放熱を行うための放熱フィン12a、12a、・・・、20a、20a、・・・を設けているため第2の灯具ユニット6の重量が大きいが、このような大きな重量を有する第2の灯具ユニット6において補助支持部材41を用いて支持することにより、支持状態が不安定となるおそれのある大きな重量を有する第2の灯具ユニット6の安定した支持状態を効果的に確保することができる。
【0063】
上記した最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図2乃至図6と共に本発明車輌用灯具の最良の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略正面図である。
【図2】車輌用灯具の概略水平断面図である。
【図3】車輌用灯具の概略垂直断面図である。
【図4】第2の灯具ユニットの概略背面図である。
【図5】第2の灯具ユニットの概略斜視図である。
【図6】フレームの天板に補助支持部材等が取り付けられた状態を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1…車輌用灯具、2…ランプボデイ、2a…アウターボデイ、2b…インナーボデイ、3…カバー、4…灯室、6…第2の灯具ユニット、12…フレーム、13…第1のランプユニット、14…第2のランプユニット、21…回動用アクチュエーター、28…光源、34…光源、36…光軸調整機構、38…アジャスティングスクリュー、41…補助支持部材、41c…押当突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプボデイと該ランプボデイを覆うカバーとによって形成された灯室に、光源を有するランプユニットと該ランプユニットが支持されたフレームとによって構成された灯具ユニットが光源から出射される光軸を調整する光軸調整機構によってランプボデイに傾動可能に支持された車輌用灯具であって、
光軸調整機構にランプボデイを貫通されフレームに回転可能に連結されたアジャスティングスクリューを設け、
灯具ユニットに固定されると共に一部がランプボデイの内面に弾性によって押し当てられて灯具ユニットをランプボデイに支持する補助支持部材を設けた
ことを特徴とする車輌用灯具。
【請求項2】
補助支持部材として板バネを用い、
補助支持部材の先端部にランプボデイ側に突出し該ランプボデイの内面に押し当てられる押当突部を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
ランプボデイをアウターボデイと該アウターボデイの内面に取り付けられアウターボデイの剛性より高い剛性を有するインナーボデイとによって構成し、
補助支持部材をインナーボデイの内面に押し当てた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
ランプユニットを複数設けると共に各ランプユニットの光源として発光ダイオードを用い、
灯具ユニットに回動用アクチュエーターを設け該回動用アクチュエーターによってランプユニットを水平方向において回動可能とした
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−243605(P2008−243605A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82571(P2007−82571)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】