説明

通信試験結果表示方法および通信試験装置

【課題】
移動通信端末を評価等するため、擬似基地局装置を用いて通信プロトコルの通信シーケンスを観測し、信号の物理量測定を行ない解析を行っていたが、通信シーケンスと物理量の時間的関連や前後の状況の表示ができなかった。
【解決手段】
所定の通信プロトコルのデジタル通信システムにおける通信シーケンスをシーケンス情報取得手段103が取得し、識別可能にシーケンスログ表示10とする通信試験装置において、少なくとも1つの通信チャネルの信号の物理量を検出し検出値として出力する信号物理量測定手段104と、該検出値のパワーレベルとシーケンス情報取得手段からの通信データの有無情報とから通信の有無を判定し、パワーログ情報として出力するレベル判定手段107とを有し、表示手段108は、前記シーケンスログ表示と、前記パワーログ情報から通信の有無を識別可能に示したパワーログ表示9とを時系列に並べて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル通信システムを用いた端末装置等の開発、試験、評価等に使用する通信試験装置において、開発、試験、評価等の対象となる端末装置と、通信試験装置との間の通信の流れ(以下「通信シーケンス」または「シーケンス」とも言う)の解析および通信を行う信号の送受信状況や信号のパワーレベルを含む信号物理量の測定(本発明で言う「検出」に相当。以下同様)や表示等を行う。端末装置と通信試験装置との間の通信の解析(以下「通信プロトコル解析」とも言う)を容易にし、端末装置等の開発、試験、評価等をより一層容易に行うための技術に関する。
特に、デジタル無線通信システムを用いた携帯電話等の移動通信端末を開発、試験、評価等に使用する擬似基地局動作を行う通信試験装置においては、通信が外部要因に左右されるため、特に有効な技術であるので、以降の説明ではデジタル無線通信システムを中心に説明を行う。なお、以降の説明では開発、試験、評価等の対象となる端末装置および移動通信端末を「被試験端末」とも言う。
【背景技術】
【0002】
図16(a)、(b)に従来の携帯電話機等の移動通信端末の開発、試験、評価等のため送信および受信の信号の送受信状況や信号のパワーレベルを含む信号物理量の測定や表示等を行うための構成を示した。
【0003】
携帯電話機等の移動通信端末に対する開発、試験、評価等を行うために、図16(a)では、移動通信端末を擬似基地局装置と接続を行い、GSM(Global System for Mobile Communications)方式、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式、cdma2000方式等のデジタル通信システムにおける通信プロトコル(以下「通信方式」とも言う)の通信シーケンスを観測し、表示等させて通信内容の解析等を行っていた。
【0004】
図14は、図16(a)の擬似基地局装置200における通信シーケンス表示の表示例である。この例では、擬似基地局装置200内部で所定の通信プロトコルに必要なレイヤ間のシーケンスの流れが表示されているが、接続された移動通信端末101との送受信が実際に行われているかは表示されていない。
【0005】
図15は、図16(a)の擬似基地局装置200が物理量の検出機能を有する場合の検出した物理量の表示例である。この例では、所定の通信プロトコルで使用されている各通信チャネルに対して所定のサンプリング周期で検出した物理量が表示されている。しかしながら、この表示された物理量は瞬間値であり、前後の信号の変化を読み取ることはできない。
【0006】
図16(b)の形態では、図16(a)で示した形態に加え、送信機試験装置300を擬似基地局装置200と並列に接続して、前述の通信シーケンスの観測と併せて被測定対象である移動通信端末101内の送信機が出力する信号のパワーレベルを含む物理量を測定していた。
【0007】
しかし、図16(b)の方法においても、擬似基地局装置200が観測し表示された通信シーケンスの示すそれぞれのシーケンスと、送信機試験装置300による信号の物理量の測定値が独立しているため関連性を求めるために大変な労力と時間を必要としていた。
【0008】
これを解決する技術として、次の特許文献1には、デジタル無線機の通信プロトコルを送信/受信する擬似基地局機能を備えて、被試験端末を試験するデジタル無線機器試験装置において、通信プロトコルのシーケンスの各ステップに対応して被試験端末が出力する信号の物理量を通信プロトコル毎に同期して測定する物理量測定部と、擬似基地局のプロトコルアナライザ部からの通信プロトコルの表示データと、当該物理量測定部からの通信プロトコル毎に同期した物理量表示データの両方若しくは一方を表示する表示部と、以上を具備していることを特徴としたデジタル無線器試験装置について開示されている。
【0009】
この技術によれば、通信プロトコル試験と物理量測定とを一体化し、かつ両方を同一画面に表示することで、被試験信号の試験/評価/解析を、より一層容易な装置を実現するとしている。
【0010】
【特許文献1】特許第3433846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、デジタル通信システムを用いた端末装置等の開発、試験、評価等を通信の流れの表示等を行い、通信の解析を容易にするためには、以下に述べる課題を実現しなければならない。
【0012】
(1)第1に、通信プロトコルのシーケンスの各ステップに同期した物理量のみを表示するのではなく、シーケンスの各ステップと並行させて継続的に物理量を測定し、表示することにより、通信プロトコルのシーケンスと実際に送受信された信号との時間的関連を表すことができる。
【0013】
(2)第2に、披試験端末が出力する信号の物理量の測定および、擬似基地局側から出力する信号の物理量を測定することにより、擬似基地局側の通信手順を記述したシナリオの内容や擬似基地局側から送信する信号に係る設定のミス等による擬似基地局側からの出力信号の異常等を見つけることができる。
【0014】
(3)通信プロトコルのシーケンスの各ステップと並行させて継続的に物理量を測定し、通信プロトコルのシーケンスのステップとステップとの間の時間における物理量をも表示し、シーケンスの各ステップによって生じた物理量の変化以外に前後の状況を確認できる。
【0015】
(4)同一の周波数や時間帯に複数の通信チャネルが存在するW−CDMA方式やcdma2000方式等のような符号分割多元接続方式等を用いる通信方式での信号における各通信チャネルの物理量を測定し、どの通信チャネルの通信が行われているか判断することできる。
【0016】
しかし、特許文献1記載の発明では、上記4つ課題のどれも解決していない。本発明は、上記4つの課題を解決し、移動通信端末と通信試験装置間の通信の解析を容易にし、試験、評価等をより一層容易に行うための通信試験結果表示方法および通信試験装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の通信試験結果表示方法は、所定の通信プロトコルで通信を行うデジタル通信システムの通信における情報の受け渡しの内容を検出してシーケンスログ情報を作成するシーケンスログ作成段階と、該シーケンスログ情報を識別可能に示したシーケンスログ表示を表示する段階とを有する通信試験結果表示方法において、
前記通信プロトコルで定められた通信チャネルのうち少なくとも1つの通信チャネルに対応する信号の物理量を検出し、その物理量を検出値として出力する信号物理量測定段階と、
前記検出値に含まれるパワーレベルから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定した結果を含むパワーログ情報を作成するレベル判定段階と、
該パワーログ情報から前記通信の有無を識別可能に示したパワーログ表示を表示する段階と、
前記シーケンスログ表示と前記パワーログ表示とを共に時系列に並べて表示するログ表示を行うログ表示段階とを有することを特徴とする。
これら段階によりシーケンスログ表示と通信の有無を識別可能としたパワーログ表示とが時系列に並んで表示される。
【0018】
本発明の請求項2の通信試験結果表示方法は、請求項1の段階に加えて、前記シーケンスログ作成段階は、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信データの有無を判定し、その結果をシーケンスログ情報の一部とする通信データ有無判定段階を有し、
前記レベル判定段階は、シーケンスログ情報に含まれる通信データの有無の判定結果と、前記信号物理量測定段階で検出した検出値に含まれるパワーレベルとから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定した結果を含むパワーログ情報を作成することを特徴とする。
これら段階により少なくとも1つの通信チャネルの通信の有無がパワーレベルだけでなくデータの有無の条件も合わせて判定される。
【0019】
本発明の請求項3の通信試験結果表示方法は、請求項1または請求項2の段階に加えて、前記シーケンスログ作成段階は、前記通信における情報の受け渡しの内容を取得したときの時刻を示す第1のタイムスタンプを、前記内容と関連付けて前記シーケンスログ情報とする段階を有し、
前記信号物理量測定段階は、前記少なくとも1つの通信チャネルに対応した信号の物理量を検出したときの時刻を示す第2のタイムスタンプを、前記物理量と関連付けて前記検出値とする段階を有し、
前記ログ表示段階は、前記シーケンスログ情報が有する第1のタイムスタンプと、前記レベル判定段階で作成された前記パワーログ情報に対応した前記第1または第2のタイムスタンプとが時系列で並ぶように前記シーケンスログ表示と前記パワーログ表示を前記ログ表示として表示させる段階を有し、
前記ログ表示段階で表示された前記シーケンスログ表示の時系列に並んだ項目または前記パワーログ表示の時系列に並んだ項目から任意の項目を選択することにより前記時系列に並べられた前記シーケンスログ表示および前記パワーログ表示の任意の項目を選択可能とする項目選択段階と、
該項目選択段階で選択した前記項目の有する第1のタイムスタンプまたは第2のタイムスタンプが示す時刻に最も近接する時刻を示す前記第2のタイムスタンプを有する前記検出値を含んだ所定の時間範囲内の前記検出値から前記少なくとも1つの通信チャネルに対するパワーレベルをグラフでレベル表示するレベル表示段階とを有することを特徴とする。
これら段階によりレベル判定段階で少なくとも1つの通信チャネルの通信の有無が判定され、作成されたパワーログ情報には、通信の有無の判定を確定したときの情報が有する第1または第2のタイムスタンプが付され、ログ表示に表示されるシーケンスログ表示とパワーログ表示が時系列に並ぶように表示される。また、これら段階よりログ表示から選択した項目が有するタイムスタンプが示す時刻に最も近接する時刻を含んだ時間範囲内のレベル表示を行う。
【0020】
本発明の請求項4の通信試験装置は、所定の通信プロトコルで通信を行うデジタル通信システムの通信における情報の受け渡しを検出するシーケンス情報取得手段が取得した情報をシーケンスログ情報とし、該シーケンスログ情報を識別可能に示すシーケンスログ表示を表示する通信試験装置において、
前記通信プロトコルで定められた通信チャネルのうち少なくとも1つの通信チャネルに対応した信号の物理量を検出し、検出値として出力する信号物理量測定手段と、
該検出値に含まれるパワーレベルから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定結果からパワーログ情報を作成して出力するレベル判定手段とを有し、
前記シーケンスログ表示と、前記パワーログ情報から前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を識別可能に示したパワーログ表示とを共に時系列に並べてログ表示として表示する表示手段とを有することを特徴とする。
この構成によりシーケンスログ表示と通信の有無を識別可能としたパワーログ表示とが時系列に並んで表示される。
【0021】
本発明の請求項5の通信試験装置は、請求項4の構成に加えて、前記シーケンス情報取得手段は、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信データの有無を判定し、その結果を前記シーケンスログ情報の一部とする通信データ有無判定手段を有し、
前記レベル判定手段は、前記シーケンス情報取得手段で作成された前記シーケンス情報に含まれる通信データの有無の判定結果と前記信号物理量測定手段で検出された検出値に含まれるパワーレベルとから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定結果からパワーログ情報を作成し出力することを特徴とする。
この構成により少なくとも1つの通信チャネルの通信の有無がパワーレベルだけでなく通信データの有無の条件も合わせて判定される。
【0022】
本発明の請求項6の通信試験装置は、請求項4または請求項5の構成に加えて、前記シーケンス情報取得手段は、前記シーケンス情報取得手段が通信における情報の受け渡しが行われたときに該通信における情報の内容を取得して、該取得した情報の内容と、そのときの時刻を表す時刻情報発生手段から出力された第1のタイムスタンプとを関連付けて前記シーケンスログ情報とし、
前記信号物理量測定手段は、該信号物理量測定手段で検出した物理量と、検出したときの時刻を表す前記時刻情報発生手段から出力された第2のタイムスタンプとを関連付けて前記検出値とし、
前記シーケンスログ情報が有する前記第1のタイムスタンプと、前記レベル判定手段で作成され、出力された前記パワーログ情報に対応した前記第1および前記第2のタイムスタンプとが時系列で並ぶように前記シーケンスログ表示と共に前記パワーログ表示を前記ログ表示として表示をさせる前記表示手段を有することを特徴とする。
この構成により、シーケンスログ情報の取得と、検出値の取得およびパワーログ情報の生成が独立して実施され、シーケンスログ表示とパワーログ表示が時系列に並べてログ表示となる。
【0023】
本発明の請求項7の通信試験装置は、請求項4乃至請求項6の構成に加えて、前記シーケンスログ情報と前記検出値とを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記シーケンスログ情報を識別可能に示した前記シーケンスログ表示と、
該記憶手段に記憶された前記検出値から前記レベル判定手段により前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無が判定され作成された前記パワーログ情報から、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を識別可能に示した前記パワーログ表示とを共に時系列に並べて前記ログ表示として表示する前記表示手段を備えたことを特徴とする。
この構成により、シーケンスログ情報と少なくとも1つの通信チャネルに対応した検出値を記憶し、検出値からレベル判定手段でパワーログ情報が作成され、記憶されたシーケンスログ情報と共にパワーログ表示とシーケンスログ表示としてログ表示を行う。
【0024】
本発明の請求項8の通信試験装置は、請求項4乃至請求項7の構成に加えて、前記レベル判定手段は、前記信号物理量測定手段で検出された前記検出値に含まれるパワーレベルと、予め対象となる通信チャネルに応じて設定されたスレッショルド値とを比較して前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定することを特徴とする。
この構成により予め対象となる通信チャネルに応じて設定されたスレッショルド値で対象の通信チャネルにおける通信の有無を判定する。
【0025】
本発明の請求項9の通信試験装置は、請求項4乃至請求項7の構成に加えて、前記レベル判定手段は、前記検出値に含まれるパワーレベルと、予め対象となる通信チャネルに応じて設定されたスレッショルド値とを比較して前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、
前記スレッショルド値は、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信が有りと判定するための第1のスレッショルド値と前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信が無しと判定するための第2のスレッショルド値とからなり、前記レベル判定手段は前記第1のスレッショルド値と前記第2のスレッショルド値の間でヒステリシス特性を持つ判定を行うことを特徴とする。
この構成により、ヒステリシス特性を持ったレベル判定を行う。
【0026】
本発明の請求項10の通信試験装置は、請求項4乃至請求項9の構成に加えて、前記表示手段は、前記レベル判定手段によって判定されされ、作成された前記パワーログ情報から、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無の状態が、通信無しの状態から通信有りの状態に変化したことと、通信有りの状態から通信無しの状態に変化したこととを前記パワーログ表示として識別可能に表示することを特徴とする。
この構成により、少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の開始と終了をパワーログ表示として識別可能に表示する。
【0027】
本発明の請求項11の通信試験装置は、請求項4乃至請求項10の構成に加えて、前記表示手段は、前記パワーログ表示を非表示に設定可能な表示項目設定手段を有することを特徴とする。
この構成により、ログ表示にパワーログ表示の表示または非表示を設定する。
【0028】
本発明の請求項12の通信試験装置は、請求項4乃至請求項11の構成に加えて、前記表示手段は、ログ表示画面に表示される前記ログ表示が前記ログ表示画面の表示範囲を超える場合は、前記ログ表示のスクロールを可能とすることを特徴とする。
この構成により、ログ表示を上下にスクロールさせて表示する。
【0029】
本発明の請求項13の通信試験装置は、請求項4乃至請求項12の構成に加えて、前記表示手段は、前記表示手段に表示された前記ログ表示の前記シーケンスログ表示の時系列に並んだ項目または前記パワーログ表示の時系列に並んだ項目から任意の項目を選択することにより前記時系列に並べられた前記シーケンス表示および前記パワーログ表示の任意の項目を選択可能とする項目選択手段とを有し、
該項目選択手段により選択した前記項目に対応した詳細情報を詳細情報表示として表示することを特徴とする。
この構成により、シーケンスログ表示およびパワーログ表示に関連する詳細情報を表示する。
【0030】
本発明の請求項14の通信試験装置は、請求項4乃至請求項13の構成に加えて、前記表示手段は、前記パワーログ表示から所望の通信チャネルに関する項目を検索し、該検索に該当した項目を識別可能にするパワーログ情報検索手段を有することを特徴とする。
この構成により、所望の通信チャネルのパワーログ表示を検索して識別する。
【0031】
本発明の請求項15の通信試験装置は、請求項6乃至請求項14の構成に加えて、前記表示手段は、前記表示手段に表示された前記ログ表示の前記シーケンスログ表示の時系列に並べられた項目または前記パワーログ表示の時系列に並べられた項目から任意の項目を選択することにより前記時系列に並べられた前記シーケンスログ表示および前記パワーログ表示の任意の項目を選択可能とする前記項目選択手段を有し、
該項目選択手段により選択した前記項目の有する前記第1のタイムスタンプまたは前記第2のタイムスタンプが示す時刻に最も近接する時刻を示す前記第2のタイムスタンプを有する前記検出値を含んだ所定の時間範囲内の前記検出値から少なくとも1つの通信チャネルに対するパワーレベルをグラフで表示したレベル表示を行うことを特徴とする。
この構成により、少なくとも1つの通信チャネルに対するパワーレベルをグラフ表示する。
【0032】
本発明の請求項16の通信試験装置は、請求項15の構成に加えて、前記シーケンスログ情報と前記検出値とを記憶する前記記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記シーケンスログ情報と、
該記憶手段に記憶された前記検出値とから前記レベル表示を行う前記表示手段を備えたことを特徴とする。
この構成により、シーケンスログ情報と少なくとも1つの通信チャネルに対応した検出値を記憶し、記憶されたシーケンスログ情報と検出値からレベル表示を行う。
【0033】
本発明の請求項17の通信試験装置は、請求項15または請求項16の構成に加えて、前記表示手段は、前記項目選択手段で選択した項目が示す内容に対応した通信チャネルを認識し、該通信チャネルに係るパワーレベルを前記レベル表示にグラフ表示させる表示情報抽出手段を有することを特徴とする。
この構成により、選択した項目に対応した通信チャネルに対するレベル表示を行う。
【0034】
本発明の請求項18の通信試験装置は、請求項15または請求項16の構成に加え、前記表示手段は、前記レベル表示に表示する通信チャネルを選択するチャネル選択手段と、該チャネル選択手段で選択された通信チャネルに対応した表示に係る情報を抽出し、前記レベル表示に表示する表示情報抽出手段とを有することを特徴とする。
この構成により、通信チャネルを選択しレベル表示に表示する。
【0035】
本発明の請求項19の通信試験装置は、請求項18の構成に加えて、前記チャネル選択手段は、複数の通信チャネルに係るパワーレベルを前記レベル表示に表示させるために複数の通信チャネルを選択可能であり、
前記表示情報抽出手段は、前記チャネル選択手段で選択された複数の通信チャネルに対応した表示に係る情報を抽出可能であり、
前記表示手段は前記表示情報抽出手段で抽出された前記表示に係る情報に基づいて前記レベル表示を行うことを特徴とする。
この構成により、複数の通信チャネルを設定し、同時にレベル表示を行う。
【0036】
本発明の請求項20の通信試験装置は、請求項15乃至請求項19の構成に加えて、前記表示手段は、前記レベル表示に表示する時間軸のスケールおよびパワーレベル軸の少なくとも1つを変更可能な表示スケール変更手段を有することを特徴とする。
この構成により、レベル表示の時間軸のスケール、パワーレベル軸のスケールを変更する。
【0037】
本発明の請求項21の通信試験装置は、請求項15乃至請求項20の構成に加えて、前記信号物理量測定手段は、前記少なくとも1つの通信チャネルに対応した信号を所定の周期でサンプリングして検出しており、前記表示手段は、前記信号物理量測定手段で検出した前記検出値に含まれるパワーレベルを直線補間して前記レベル表示に表示を行うことを特徴とする。
この構成により、離散的検出値を連続したグラフとしてレベル表示を行う。
【0038】
本発明の請求項22の通信試験装置は、請求項15乃至請求項21の構成に加えて、前記表示手段は、前記予め設定されたスレッショルド値を前記レベル表示上の該当するパワーレベルに識別可能に表示することを特徴とする。
この構成により、少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定したスレッショルド値が視覚的にレベル表示上に表示される。
【0039】
本発明の請求項23の通信試験装置は、請求項15乃至請求項22の構成に加え、前記表示手段は、レベル表示画面に表示される前記レベル表示が前記レベル表示画面の表示範囲を超える場合は、前記レベル表示のスクロールを可能とすることを特徴とする。
この構成により、レベル表示を上下にスクロールさせて表示する。
【0040】
本発明の請求項24の通信試験装置は、請求項12または請求項23の構成に加え、前記表示手段は、前記表示部に表示された前記ログ表示のスクロールと、
前記表示部に表示された前記レベル表示のスクロールとが連動または非連動とすることを選択的に設定可能とするスクロール制御手段を有することを特徴とする。
この構成により、ログ表示とレベル表示が連動してスクロールしたり、独立してスクロールすることを選択する。
【発明の効果】
【0041】
請求項1の発明によれば、所定の通信プロトコルにおける通信のシーケンスログ情報と、全てのまたは測定者により設定された通信チャネル(以下「所定の通信チャネル」とも言う)に対応する信号の物理量を検出した検出値とを別々に管理することができる。そのため、信号物理量測定段階での所定の通信チャネルの信号に対する物理量の検出(以下「測定」とも言う)は、通信プロトコルのシーケンスの進行状況とは独立して実行することができる。さらに、検出値がレベル判定段階で通信の有無を判定され、結果としてパワーログ情報が出力される。シーケンスログ情報およびパワーログ情報を識別可能としたシーケンスログ表示とパワーログ表示は、合わせて時系列に並べて表示されることで、お互いの時間的関係を示すことができる。これにより、所定の通信チャネルにおける通信の有無を判別できるとともに、所定の通信プロトコルのシーケンス(例えば各々の通信レイヤ間のやりとり)との前後関係も見ることができ、前述の第1の課題および第2の課題を解決できる。
【0042】
請求項2の発明によれば、所定の通信チャネルに対応した信号のパワーレベルと所定の通信チャネルの通信データの有無の判定結果とを条件として通信の有無の判定を行うため、W−CDMA方式やcdma2000方式等のような符号分割多元接続方式等を用いる通信方式等の様に通信データの有無に関わらず、所定の通信チャネルに対応する信号が出力および受信される状態においても所定の通信チャネルにおける通信の有無を判定することができ、前述の第4の課題を解決できる。
【0043】
請求項3の発明によれば、シーケンスログ情報は第1のタイムスタンプ、検出値は第2のタイムスタンプを有しており、管理されている。さらに、上記検出値(およびシーケンスログ情報)からレベル判定段階で判定された通信の有無を示すパワーログ情報には、最終的に通信の有無を判定した検出値(またはシーケンスログ情報)が有する第2(または第1)のタイムスタンプがそのまま関連付けられている。そのため、ログ表示の画面上で項目を選択することで、その項目の有するタイムスタンプにより時刻が特定され、その時刻に最も近接する時刻を示す第2のタイムスタンプを有する検出値が選択されて、その検出値を含む所定の時間範囲のタイムスタンプを有する検出値から所定の通信チャネルの信号のパワーレベルをグラフ表示することができ、前述の第1から第4の課題を解決できる。
【0044】
請求項4の発明によれば、所定の通信プロトコルにおける通信のシーケンスログ情報と、所定の通信チャネルに対応する信号の物理量を検出した検出値とを別々に管理することができる。そのため、信号物理量測定手段での所定の通信チャネルの信号に対する物理量の検出は、通信プロトコルのシーケンスの進行状況とは独立して実行することができる。さらに、検出値がレベル判定手段で通信の有無を判定され、判定結果としてパワーログ情報が出力される。シーケンスログ情報およびパワーログ情報を識別可能としたシーケンスログ表示とパワーログ表示は、合わせて時系列に並べて表示されることで、お互いの時間的関係を示すことができる。これにより、所定の通信チャネルにおける通信の有無を判別できるとともに、所定の通信プロトコルのシーケンス(例えば各々の通信レイヤ間のやりとり)との前後関係も見ることができ、前述の第1の課題および第2の課題を解決できる。
【0045】
請求項5の方法の発明によれば、所定の通信チャネルに対応した信号のパワーレベルと所定の通信チャネルの通信データの有無の判定結果とを条件として通信の有無の判定を行うため、W−CDMA方式やcdma2000方式等のような符号分割多元接続方式等を用いる通信方式等の様に通信データの有無に関わらず、所定の通信チャネルに対応する信号が出力および受信されている状態でも所定の通信チャネルにおける通信の有無を判定することができ、前述の第2の課題および第4の課題を解決できる。
【0046】
請求項6の発明によれば、シーケンスログ情報は第1のタイムスタンプ、検出値は第2のタイムスタンプを有しており、管理されている。さらに、上記検出値(およびシーケンスログ情報)からレベル判定段階で判定された通信の有無を示すパワーログ情報には、最終的に通信の有無を判定した検出値(またはシーケンスログ情報)が有する第2(または第1)のタイムスタンプがそのまま関連付けられている。さらに、表示手段によるログ表示にてシーケンスログ表示とパワーログ表示の実時間的関係も見ることができ、前述の第1の課題および第2の課題を解決できる。
【0047】
請求項7の発明によれば、実行中の通信に関するログ表示のみならず、過去に実行した通信に関する情報を記憶し、その記憶したシーケンスログ情報および検出値からログ表示を行うことができる。そのため、通信試験を実施後に状況を分析することもでき、さらには記憶された複数の通信試験の比較も可能となる。
【0048】
請求項8の発明によれば、所定の通信チャネルにおける通信の有無の判断するスレッショルド値を所定の通信チャネル毎に設定できる。そのため、被試験対象である被試験端末の種類等に合わせたパワーレベルで通信の有無を判定することができる。
【0049】
請求項9の発明によれば、所定の通信チャネルにおける通信の有無の判断において、通信が「有り」(「無し」から「有り」へと変化)と判定するための第1のスレッショルド値と、「無し」(「有り」から「無し」へと変化)と判定するための第2のスレッショルド値とを持つために、第1と第2のスレッショルド値近辺でパワーレベルが微妙に変化するような信号においても通信の有無の判定が頻繁に切り替わることなくログ表示ができる。
【0050】
請求項10の発明によれば、パワーログ表示において、通信が「無し」から「有り」へと判定が変化したときと、通信が「有り」から「無し」へと判定が変化したときのみ識別可能に表示を行うため、ログ表示の不要な更新を防止できる。
【0051】
請求項11の発明によれば、ログ表示上のパワーログ表示を非表示にすることができるため、パワーログ表示を使用しない操作者(シーケンスログ情報のみ必要な観測者)に不要な情報を与えることなく、またログ表示の更新も低減することができる。
【0052】
請求項12の発明によれば、ログ表示がログ表示画面の表示範囲を超えた場合に表示が停止することなく連続してログ表示が更新される。さらに、ログ表示をスクロールすることで過去に遡って任意の時刻のシーケンスログ表示またはパワーログ表示を表示させることができる。
【0053】
請求項13の発明によれば、ログ表示に表示されたシーケンスログ表示とパワーログ表示から選択した項目に付随する通信チャネル名、データ内容、物理量等を詳細情報表示として表示することで、操作者(観測者)に対しシーケンスの流れや通信の有無以外の情報を提供することができる。
【0054】
請求項14の発明によれば、パワーログ表示から所望の通信チャネルに対する情報を検索可能なため、移動通信端末との長時間の通信試験においても容易に、かつ短時間で所望の通信チャネルの情報を見つけることができる。
【0055】
請求項15の発明によれば、ログ表示の画面上でシーケンスログ表示またはパワーログ表示に表示された項目を選択することで、その項目が有するタイムスタンプに最も近接する第2のタイムスタンプを有する検出値を含んで、所定の時間範囲の第2のタイムスタンプを有する検出値から所定の通信チャネルの信号のパワーレベルをグラフでレベル表示することができる。これら効果のため符号分割多元接続方式等を用いる通信方式であっても所定の通信チャネルの信号のパワーレベルを見ることができ、前述の第1から第4の課題を解決できる。
【0056】
請求項16の発明によれば、実行中の通信に関するレベル表示のみならず、過去に実行した通信に関する情報を記憶し、その記憶したシーケンスログ情報および検出値からレベル表示を行うことができるため、通信試験を実施後にゆっくりと状況を分析することもでき、さらには記憶された複数の通信試験の比較をすることができる。
【0057】
請求項17の発明によれば、ログ表示の画面上でシーケンスログ表示またはパワーログ表示の項目を選択することで、その選択された項目に関連する通信チャネルを判別(チャネル名称等)してレベル表示することができる。
【0058】
請求項18の発明によれば、レベル表示する通信チャネルを任意に選択できる。
【0059】
請求項19の発明によれば、複数の通信チャネルに関するパワーレベルを並行してレベル表示に表示することができ、各通信チャネルのパワー変化の関係等を見ることができる。
【0060】
請求項20の発明によれば、レベル表示の時間軸のスケールおよびパワーレベル軸のスケールを任意に変更・設定できるため、注目個所を拡大して表示することができる。
【0061】
請求項21の発明によれば、検出値は、所定の通信チャネルの物理量を所定のサンプリング周期で検出した離散的な数値であるため、各検出値間を直線補間してレベル表示に表示することで連続的なパワーレベルの変化として認識することができる。そのため、第3の課題に対してより識別しやすく解決することができる
【0062】
請求項22の発明によれば、所定の通信チャネルに対する通信の有無を判定するための予め設定されたスレッショルド値をレベル表示上の該当するパワーレベルに視覚的に識別可能なように表示することで、レベル表示上でもレベル判定手段におけるパワーレベルの判定基準を直感的に捕らえることができる。
【0063】
請求項23の発明によれば、レベル表示がレベル表示画面の表示範囲を超えた場合に表示が停止することなく連続して更新される。さらにレベル表示をスクロールすることで過去に遡って任意の時刻のレベル表示を表示させることができる。
【0064】
請求項24の発明によれば、ログ表示のスクロールとレベル表示のスクロールとが「連動」と「非連動」とに設定可能なため、「連動」が設定されている場合にはログ表示のスクロールまたはレベル表示のどちらか一方をスクロールすることで、スクロールされて表示されたタイムスタンプに応じて他方の表示をスクロールすることができる。また、「非連動」が設定されている場合には、ログ表示とレベル表示のスクロールが各々独立して動作することができる。
【0065】
さらに、パワーログ表示上に期待される所定の通信チャネルの通信が現れない場合でも、レベル表示を合わせて見ることで、その原因が所定の通信チャネルに対する信号レベルが低いためなのか、通信データが存在していないのか、通信プロトコルに応じた通信の手順を記載したシナリオの記載方法等が悪いのか、またはその他の理由なのかの分析を容易にかつ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。以降の説明では、デジタル通信システムのうちデジタル無線通信システムについて説明を行う。
【0067】
なお、以降の説明では、通信プロトコルにW−CDMA方式を使用した移動通信端末101と、その擬似基地局となる通信試験装置100との間の通信動作(以下「被試験通信」とも言う)を例としている。
【0068】
また通信方向については、個別に説明が無い限り、移動通信端末101から通信試験装置100への方向を「受信」または「上り」とし、通信試験装置100から移動通信端末101への方向を「送信」または「下り」として説明している。
【0069】
図1と図2は、本発明を適用したデジタル無線通信システム用の通信試験装置100の構成を示している。また、代表的な表示例を図3と図4に示している。
【0070】
図1と図2で示した各構成要件(各機能ブロック)を結ぶ実線の矢印は情報の流れを示しており、一点鎖線の矢印は制御線を示している。実線の矢印のうち太線の矢印はパワーログ表示9およびレベル表示52に関する情報の流れを示している。
【0071】
まず図1を用いて本発明の一実施例の構成を説明する。
本発明による通信試験装置100は、移動通信端末101とデジタル無線通信システムとの間で所定の通信プロトコルで通信を行う擬似基地局手段102と、移動通信端末101と擬似基地局手段102との通信プロトコルのシーケンスに関する情報を取得しシーケンスログ情報を作成し出力するシーケンス情報取得手段103と、全てのまたは測定者により設定された通信チャネル(以下「所定の通信チャネル」とも言う)に対する信号の物理量を検出して検出値を作成し出力する信号物理量測定手段104と、シーケンス情報取得手段103で作成されるシーケンスログ情報および信号物理量測定手段104で作成される検出値でタイムスタンプとして使用するための時刻情報を発生する時刻情報発生手段105と、シーケンスログ情報と検出値および通信試験装置100の動作に係る手順等を示した情報とを記憶する記憶手段106と、検出値とシーケンスログ情報から所定のチャネルにおける通信の有無を判定するレベル判定手段107と、レベル判定手段107が検出値に含まれたパワーレベルと比較するための入力手段115より入力されたスレッショルド値が設定されるスレッショルド設定手段114と、シーケンス情報取得手段103と信号物理量測定手段104とから、または記憶手段106からのシーケンスログ情報と検出値よりレベル判定手段107で判定された結果とを表示する表示手段108とから構成されている。
【0072】
シーケンス情報取得手段103は、移動通信端末101と擬似基地局手段102との間の通信のシーケンスに関する情報を取得し、時刻発生手段105の示す第1のタイムスタンプ11aを関連付けてシーケンスログ情報としている。さらに、シーケンス情報取得手段103は、所定の通信チャネルの通信において実際に通信データが存在するかを判定するために、送信に関する通信データの有無を判定する送信データ有無判定手段103aと、受信に関する通信データの有無を判定する受信データ有無判定手段103bとを含んでおり、送信に関する通信データの有無の判定結果および受信に関する通信データの有無の判定結果は第1のタイムスタンプ11aと関連付けられシーケンスログ情報の一部とされる。
【0073】
以下、送信データ有無判定手段103aと受信データ有無判定手段103bとをまとめて「通信データ有無判定手段」と記述することもある。
また、送信に関する通信データの有無の判定および受信に関する通信データの有無の判定をまとめて「通信データの有無の判定」とも言う。
【0074】
信号物理量測定手段104は、移動通信端末101と擬似基地局手段102との間の通信に係る信号のパワー、周波数、周波数スペクトラム等の物理量を所定のサンプリング周期で検出し、時刻発生手段105の示す第2のタイムスタンプ11bを関連付けて検出値としている。さらに、信号物理量測定手段104は、所定の通信チャネルにおける通信の送信に係る信号の物理量を検出する送信信号測定手段104aと、受信に係る信号の物理量を検出する受信信号測定手段104bとを含んでいる。
【0075】
記憶手段106は、シーケンス情報取得手段103で取得したシーケンスログ情報を記憶するシーケンスログ記憶部106aと、信号物理量測定手段104で検出された検出値を記憶する検出値記憶部106bとを含んでいる。
【0076】
レベル判定手段107は、所定の通信チャネルに対する検出値に含まれるパワーレベルとスレッショルド設定手段114に設定されたスレッショルド値と比較した結果と、シーケンスログ情報に含まれる所定のチャネルにおける通信データの有無の判定結果との論理積(AND条件)から所定の通信チャネルの通信の有無を判定し、パワーログ情報として出力する。
ただし、通信方式が符号分割多元接続方式以外(例えばGSM等)であった場合や、符号分割多元接続方式であってもバースト状の信号を使用する通信チャネル(例えばW−CDMA方式の場合は、RACH(Random Access Channel)等のバースト信号)である場合は、パワーレベルとスレッショルド値との比較だけで通信の有無を判定することができる。
【0077】
表示手段108は、表示情報抽出手段109と、レベル表示生成手段110と、表示制御手段111と、表示部112と、設定選択手段113とを含んでいる。
【0078】
表示情報抽出手段109は、設定選択手段113からの表示情報の抽出に係る情報に応じて、シーケンス情報取得手段103からのシーケンスログ情報とレベル判定手段107からの所定の通信チャネルにおける通信の有無の情報を含んだパワーログ情報とから表示に必要な情報等の抽出を行う。
【0079】
レベル表示生成手段110は、表示情報抽出手段109で抽出された表示に必要な情報等から所定の通信チャネルに関する信号のパワーレベルをグラフ表示したレベル表示52の表示に係る情報を生成する。
【0080】
表示制御手段111は、表示情報抽出手段109、レベル表示生成手段110、設定選択手段113からの情報を受けて、シーケンスログ表示10、パワーログ表示9、レベル表示52等の画像データの生成および表示部112に画面表示させる制御を行う。
【0081】
設定選択手段113は、チャネル選択手段113aと、表示位置制御手段113bと、スクロール制御手段113cと、表示項目設定手段113dと、表示スケール変更手段113eと、項目選択手段113fと、パワーログ情報検索手段113gとを含んでいる。
【0082】
チャネル選択手段113aは、レベル表示52に表示される通信チャネルの選択を行う。この通信チャネルの設定は、複数の通信チャネルについて行うことも可能である。また、通信チャネルの設定がされない場合でも、被試験通信を行う通信プロトコルに応じて通話に関する通信チャネル等を自動でデフォルトとして設定し選択することもできる。
【0083】
なお、チャネル選択手段113aによって通信チャネルの選択をすることで、ログ表示15内のパワーログ表示9に表示される通信チャネルを特定の通信チャネルに選択することもできる。
【0084】
表示位置制御手段113bは、ログ表示15またはレベル表示52に表示する対象である情報の全体の項目数やタイムスタンプの時間範囲等から表示すべき項目数や時間範囲を制御する。さらに、表示位置制御手段113bは、ログ表示15またはレベル表示52の表示内容が1画面に収まらない場合に、スクロール制御手段113cを起動する。
【0085】
スクロール制御手段113cは、入力手段115の操作により 各々の画面に対してスクロールの指示を与える。スクロール制御手段113cは、ログ表示15のスクロールとレベル表示52とのスクロールを独立にスクロール可能とする動作や、ログ表示15のスクロールとレベル表示52とのスクロールを連動してスクロール可能とする動作を入力手段115で設定された内容に従い制御することができる。
【0086】
表示項目設定手段113dは、ログ表示15のパワーログ表示9の表示やシーケンスログ表示10のレイヤ表示についての表示または非表示(以下「表示/非表示」とも言う)の設定ができる。
【0087】
表示スケール変更手段113eは、レベル表示52で表示されているグラフの時間軸(縦軸)およびパワーレベルを表す軸(横軸)の表示スケールの変更ができる。
【0088】
項目選択手段113fは、パワーログ表示9およびシーケンスログ表示10が合わせて時系列に表示されたログ表示15の項目から入力手段115を使用して任意の項目の選択を行う。さらにログ表示画面1およびレベル表示画面51に表示された各種ボタンの選択(押下)およびその設定項目等の選択(押下)を行う。
【0089】
パワーログ情報検索手段113gは、表示されたパワーログ表示9から入力手段115より入力された検索条件に合致する項目を検索する。
【0090】
スレッショルド設定手段114は、レベル判定手段107で所定の通信チャネルの通信の有無の判定に用いるスレッショルド値が設定されている。スレッショルド設定手段114は、スレッショルド値が、全て共通の設定の場合、上りと下りの通信チャネルで別々の設定の場合、測定対象の全ての通信チャネル個々に設定の場合、所定の通信チャネルに複数が設定される場合、またはその組合わせのどの状態でも対応することができる。
【0091】
図2は、図1において構成を説明した擬似基地局手段102の詳細の一実施例の構成と、擬似基地局手段102とシーケンス情報取得手段103および信号物理量測定手段104との関係を示している。以下、図2を用いて構成を説明する。
【0092】
擬似基地局手段102は、RF(Radio Frequency)入出力部102a、送信処理部102b、受信処理部102cおよび通信の送受信に関する手順(シーケンス)や送受信データの制御等を行う通信制御部102dで構成されている。
【0093】
RF入出力部102aは、移動通信端末101(図1記載)と通信を行うための無線信号(以下「RF信号」とも言う)を送信および受信を行う部分で、中間周波数の信号とRF信号との相互の変換を行っている。
【0094】
また、W−CDMA方式やcdma2000方式等のような同一の周波数や時間帯に複数の通信チャネルが存在する符号分割多元接続方式等を用いる通信方式においては、単純に送信および受信されているRF信号の物理量を検出しても、個々の通信チャネルに関する物理量は検出できないため、送信処理部102bおよび受信処理部102cで個々の通信チャネルに関する物理量の情報を信号物理量測定手段104およびシーケンスに係る情報(含む通信データ)をシーケンス情報取得手段103に出力している。以下の説明では、物理量を「パワーレベル」に代表して説明を行う。
【0095】
まず、送信に係る動作を説明する。
送信処理部102bは、コーダ部102b3、拡散部102b2、出力IF(Intermediate Frequency)処理部102b1で構成されている。
【0096】
通信制御部102dからの各通信チャネル毎の送信データは、コーダ部102b3に入力され、所定の通信プロトコルの規格に則ったコード化処理を行い拡散部102b2へ出力される。また、コーダ部102b3は、入力された送信データから各々の通信チャネルに対する送信データに関する情報を送信データ有無判定手段103aに出力し、送信データ有無判定手段103aは、コーダ部102b3から入力した各々の通信チャネルに対する送信データに関する情報から送信データの有無を判定し、結果をシーケンスログ情報としている。
【0097】
コード化され拡散部102b2に入力された送信データは、予め通信チャネル毎に定められたチャネル化コードおよびシンボルレートに則って拡散処理が行われ、送信ベースバンド信号として出力IF処理部102b1へ出力される。また、拡散部102b2には、RF信号として送信される全パワーレベルが設定されており、さらに全パワーレベルに対する各通信チャネルのパワーレベルも設定されている。拡散部102b2は、設定された全パワーレベルおよび各通信チャネルのパワーレベルを、送信信号測定手段104aに出力する。送信信号測定手段104aは、各通信チャネルに対するパワーレベルを検出し、検出値としている。
【0098】
拡散処理された送信データは、出力IF処理部102b1に入力され直交変調処理が行われ、中間周波数の信号としてRF入出力部102aへ出力する。RF入出力部102aは入力された中間周波数の信号(送信データ)をRF信号(以下「送信信号」とも言う)に変換して出力する。
【0099】
次に、受信に係る動作を説明する。
受信処理部102cは、入力IF処理部102c1、逆拡散部102c2、デコーダ部102c3で構成されている。
【0100】
移動通信端末101から受信したRF信号(以下「受信信号」とも言う)は、RF入出力部で中間周波数の信号に変換され、入力IF処理部102c1に出力される。
【0101】
入力IF処理部102c1に入力された中間周波数の信号は、復調処理され受信ベースバンド信号として逆拡散部102c2に出力される。
【0102】
逆拡散部102c2に入力された受信ベースバンド信号は、予め通信チャネル毎に定められたチャネル化コードおよびシンボルレートに則って逆拡散処理が行われ、各通信チャネル毎のコード化された受信データとしてデコーダ部102c3に出力される。また、逆拡散部102c2は、逆拡散することにより得られた全パワーレベルおよび各通信チャネルのパワーレベルに関する情報を受信信号測定手段104bに出力する。受信信号測定手段104bは、各通信チャネルに対するパワーレベルを検出し、検出値としている。
【0103】
デコーダ部102c3に入力された各通信チャネル毎のコード化された受信データは、所定の通信プロトコルの規格に則ったデコード化処理を行い各通信チャネル毎の受信データとして通信制御部102dへ出力される。また、デコーダ部102c3は、各通信チャネル毎の受信データに関する情報を、受信データ有無判定手段103bに出力し、受信データ有無判定手段103bは受信データの有無を判定し、判定結果をシーケンスログ情報としている。
ただし、W−CDMA方式における1つの通信チャネルであるRACH(Random Access Channel)のようにプリアンブルを有する信号では、プリアンブル部にデータが含まれる場合であっても、装置内部の処理に使用されるため、受信データ有無判定手段103bに出力する必要はない。
【0104】
信号物理量測定手段104は、前述した構成に加え、送信されたRF信号の物理量を検出して送信信号測定手段104aに出力し、受信されたRF信号の物理量を検出して受信信号測定手段104bに出力するRF信号測定手段104cを有している。
【0105】
RF信号測定手段104cは、RF信号の物理量を検出可能であるため、通信プロトコルがGSM方式のように同一の周波数や時間帯に特定の通信チャネルしか存在しない通信方式の場合には個々の通信チャネルの物理量を検出することができる。
【0106】
また、通信プロトコルがW−CDMA方式等のように同一の周波数や時間帯に複数の通信チャネルが存在するような符号分割多元接続方式等を用いる場合においては、前述のGSM方式の物理量を検出する構成では、送信される送信信号の全パワーレベルしか測定ができないため、前述した通り送信信号に関する物理量の検出は、送信処理部102bの出力を使用して物理量を検出している。しかしRF信号測定手段104cに、前述の受信処理部102cと同様の構成を備えることで、実際に出力される送信信号から、各通信チャネルのパワーレベルを検出し送信信号測定手段104aに出力することもできる。なお、受信された受信信号の各通信チャネルに対する物理量の検出は、RF信号測定手段104cで同じように検出を行っても良いし、同様の構成である受信処理部102cで検出を行っても良い。
【0107】
図3は、本発明を実施した通信試験装置100のログの表示に関する画面の一実施例を示している。図面を基に画面の構成を以下に説明する。
【0108】
ログ表示画面1は、各機能を実行するファンクションボタン2〜7と、後述する表示で構成されたログ表示15と、ログ表示15に表示された各項目の選択状況を示す項目選択表示12と、ログ表示15のスクロールを行うスクロールバー13と、ログ表示15上の項目選択表示12で選択状態とされた項目に関連する詳細の情報を示す詳細情報表示14とで構成され、表示されている。
【0109】
ファンクションボタン2〜7は、試験を起動する開始ボタン(Start)2と、試験を終了する停止ボタン(Stop)3と、各種設定を行うオプション設定ボタン(Option)4と、後述するレベル表示画面51を表示するレベル表示設定ボタン(Power)5と、表示または取得したデータを記憶するためのセーブボタン(Save)6と、記憶されたデータを呼び出すロードボタン(Load)7とから構成されている。
【0110】
ログ表示15は、所定の通信チャネルの信号の検出値に含まれるパワーレベルおよびシーケンスログ情報に含まれる通信データの有無の判定結果からレベル判定手段107により通信の有無が判定されたパワーログ情報から通信の有無を識別可能として時系列に並べて表示したパワーログ表示9と、通信におけるシーケンスログ情報を時系列に並べて表示したシーケンスログ表示10と、パワーログ情報から表示情報抽出手段109で抽出された各項目が有する第1または第2のタイムスタンプ(11a,11b)と、シーケンスログ情報から表示情報抽出手段109で抽出された各項目が有する第1のタイムスタンプ11aとを表示したタイムスタンプ11と、タイムスタンプ11の示す時刻でシーケンスログ表示10とパワーログ表示9を合わせて時系列に並べられた各項目(行)の番号を表した項目番号表示8とで構成されている。
【0111】
図4は、本発明を実施した通信試験装置100の所定の通信チャネルに関する信号のパワーレベルの表示に関する画面の一実施例を示している。図面を基に画面の構成を以下に説明する。
【0112】
レベル表示画面51は、所定の通信プロトコルにおける所定の通信チャネルの信号の検出値に含まれるパワーレベルを時間軸で表示するレベル表示52と、レベル表示52に表示されている時間軸の時刻を表す時間軸タイムスタンプ55と、ログ表示15で選択された項目が有するタイムスタンプ11の示す時刻に最も近接する第2のタイムスタンプ11bの時間軸上の位置を表すカーソル56と、レベル表示52のスクロールを行うスクロールバー57と、レベル表示52に表示する下り方向の通信チャネルを指定可能とする下りチャネル設定ボタン(DLCH)58と、レベル表示52に表示する上り方向の通信チャネルを指定可能とする上りチャネル設定ボタン(ULCH)59とで構成され表示されている。
【0113】
前述のレベル表示52は、下りチャネルのパワーレベルをグラフ表示した下りチャネルレベル表示53と、上りチャネルのパワーレベルをグラフ表示した上りチャネルレベル表示54とから構成され、表示されている。
【0114】
図4の例では、下りチャネルレベル表示53、上りチャネルレベル表示54で共通に使用するために縦軸は時間軸として、横軸はパワーレベルを示す軸としてレベル表示52に表示している。
【0115】
時間軸には、下りチャネルレベル表示53、上りチャネルレベル表示54に表示されたパワーレベルを示すグラフがいつの時刻か識別可能とするために、表示されたパワーレベルに対応する検出値が有する第2のタイムスタンプ11bを元に所定の間隔で時間軸タイムスタンプ55を表示する。
【0116】
下りチャネルレベル表示53は、レベル表示52を行う下りチャネルのチャネル名称を表したチャネル名53bと、そのチャネル名53bで表されたチャネルに対して所定のサンプリング周期で測定された検出値からパワーレベルを所定の時間範囲に対してプロット表示または直線補間等で表示した検出値レベル53cと、パワーログ表示9に表示する下り方向の通信の有無を判定するスレッショルド値を表示した下りチャネルスレッショルド値53dとで構成され、表示される。
【0117】
上りチャネルレベル表示54は、レベル表示52を行う上りチャネルのチャネル名称を表したチャネル名54bと、そのチャネル名54bで表されたチャネルに対して所定のサンプリング周期で測定された検出値からパワーレベルを所定の時間範囲に対してプロット表示または直線補間等で表示した検出値レベル54cと、パワーログ表示9に表示する上り方向の通信の有無を判定するスレッショルド値を表示した上りチャネルスレッショルド値54dとで構成され、表示される。
【0118】
なお、前述の説明では検出値レベル53c、54cの表示はプロット表示または直線補間と説明しているが、他の補間方法を利用して表示しても良い。
【0119】
(実施例1)
図3の表示を実現する動作について、図1および図2の構成の動作を併せて説明を行う。
【0120】
通信試験装置100は、W−CDMA方式の通信プロトコルに従って擬似基地局手段102を介して移動通信端末101と通信を行う。擬似基地局手段102による通信は、通信試験装置100に予め定められた動作手順(以下「登録動作手順」とも言う)に基づいて動作しても良いし、動作手順を定義した不図示のファイル等(以下「シナリオ」とも言う)を通信試験装置100に登録し、それに基づいて動作しても良い。登録動作手順およびシナリオは、記憶手段106に記憶されており、擬似基地局手段102、シーケンス情報取得手段103、信号物理量測定手段104、表示手段108からアクセスが可能である。
【0121】
また、個別の通信チャネルを示す「チャネル名称」は通信試験を行う通信プロトコル(本説明ではW−CDMA)で決定されており、登録動作手順およびシナリオで定義される。また通信で送受信されるメッセージの種類も「メッセージタイプ」として通信プロトコル(本説明ではW−CDMA)で決定されており、登録動作手順およびシナリオで定義される。各通信チャネルの通信内容を拡散(スペクトラム拡散処理)および逆拡散(スペクトラム逆拡散処理)を行うための「チャネル化コード」およびそのコードでの通信速度を決定する「シンボルレート」についても、通信試験に際して登録動作手順およびシナリオで各通信チャネルと関連付けられて定義される。
【0122】
被試験通信によって得られたシーケンスに関する情報は、シーケンス情報取得手段103で監視および判定された被試験通信に係る通信チャネル、通信データの有無の判定結果、通信の行われたレイヤ(図3の例では「PHY(Physical layer:物理層)」、「MAC(Medium Access Control:中間アクセス制御)」、「RLC(Radio Link Control:無線接続制御)」、「RRC(Radio Resource Control:無線資源制御)」で表されているが、通信プロトコルや通信試験装置100の内部構成により表示される内容およびその名称は異なる)、通信の方向、通信の内容等の各情報と、その情報を取得したときの時刻情報発生手段105が示す時刻を第1のタイムスタンプ11aとして関連付けられ、シーケンスログ情報とされ、表示手段108内の表示情報抽出手段109で抽出処理されて表示に必要な情報が表示制御手段111を介して表示器112に表示されたログ表示画面1上のログ表示15にシーケンスログ表示10として表示される。
【0123】
表示情報抽出手段109での抽出処理は、例えばシーケンスログ情報に含まれた各通信レイヤに関するシーケンスログ情報を、それらが有する第1のタイムスタンプ11aとに基づいて、PHYレイヤ−MACレイヤ間の表示10a、MACレイヤ−RLCレイヤ間の表示10b、RLCレイヤ−RRCレイヤ間の表示10cに分類し、各シーケンスの通信の方向を判定し、各通信レイヤに関するシーケンスログ情報の有する第1のタイムスタンプ11aに従って時系列順に並べる等を行う。
このとき、シーケンスログ表示10の表示に必要の無い情報は抽出されない。
【0124】
また、各通信レイヤに関するシーケンスログ情報が有する第1のタイムスタンプ11aは、上記抽出処理にてシーケンスログ表示10に表示された対応する項目と同一の行にタイムスタンプ11として表示される。
【0125】
シーケンスログ情報は、通信の有無を判定するためにレベル判定手段107と表示情報抽出手段109に送付されるとともに、記憶手段106内のシーケンスログ記憶部106aに記憶される。
【0126】
過去の被試験通信に対しては、表示手段108がシーケンスログ記憶部106aを制御し、記憶されたシーケンスログ情報をシーケンスログ記憶部106aから読み出し、シーケンスログ情報はレベル判定手段107と表示情報抽出手段109に送付され、シーケンスログ表示10を表示することもできる。
【0127】
続いて、パワーログ表示9(9a、9b、9c、9d)を実現する動作について説明をう。
パワーログ表示9は、信号物理量測定手段104で検出され第2のタイムスタンプ11bと関連付けられた検出値と、シーケンス情報取得手段103で取得され第1のタイムスタンプ11aと関連付けられた通信データの有無の判定結果とから生成されている。
ただし、前述したように通信方式が符号分割多元接続方式以外であった場合や、符号分割多元接続方式であってもバースト状の信号を使用する通信チャネルである場合は、パワーレベルとスレッショルド値との比較だけで通信の有無を判定することができる。
【0128】
信号物理量測定手段104で検出された検出値に含まれる所定の通信チャネルに関するパワーレベルは、レベル判定手段107で予めスレッショルド設定手段114に設定されたスレッショルド値と比較され、パワーレベルがスレッショルド値より大きい(または以上)場合に通信が「有り」と判定され、その判定結果に判定した検出値が有する第2のタイムスタンプが関連付けられパワーログ情報として表示情報抽出手段109に出力される。
【0129】
例えば、通信方式が符号分割多元接続方式の場合は、信号のパワーレベルだけでは所定の通信チャネルの通信の有無を判定できない。その場合は、レベル判定手段107は、シーケンスログ情報に含まれる所定の通信チャネルに係る通信データの有無の判定結果情報を前述のパワーレベルによる通信の有無の判定条件に加えることによって最終的な通信の有無を判定し、パワーログ情報として表示情報抽出手段109に出力する。
【0130】
この場合、通信の有無の判定結果には、最終的に通信の有無を判定した情報(シーケンスログ情報または検出値)の有するタイムスタンプが関連付けられてパワーログ情報とされる。すなわち、所定の通信チャネルの検出値のパワーレベルがスレッショルド値より大きく(または以上)となってから、シーケンスログ情報の対応する通信チャネルの通信データの有無の判定結果が「有り」となった場合は、パワーログ情報にはシーケンスログ情報の有する第1のタイムスタンプが関連付けられている。
この検出値とシーケンスログ情報の前後関係は、それぞれが有するタイムスタンプによって判断される。
【0131】
レベル判定手段107での判定は次の手順で行われる。
ステップ1:入力された検出値が所定の通信チャネルのものか判定する。
ステップ2:所定の通信チャネルの検出値だった場合、予めスレッショルド設定手段114に設定された対応するスレッショルド値と比較する。
ステップ3:比較した結果、検出値がスレッショルド値より大きい(または以上)場合は通信が「有り」として、以下(または小さい)場合は通信が「無し」として、判定対象の検出値が有する第2のタイムスタンプを関連付けて第1の判定結果とする。
ステップ4:入力されたシーケンスログ情報に含まれる通信データの有無の判定結果が所定の通信チャネルのものか判定する。
ステップ5:所定の通信チャネルに対する通信データの有無の判定結果の場合は、判定結果を確認する。
ステップ6:通信データの有無の判定結果が「通信データ有り」の場合は通信が「有り」として、通信データの有無の判定結果が「通信データ無し」の場合は通信が「無し」として、判定対象のシーケンスログ情報が有する第1のタイムスタンプを関連付けて第2の判定結果とする。
ステップ7:第2の判定結果が「有り」の場合、その時刻を示す第1のタイムスタンプ以前で最も近接する時刻を示すタイムスタンプ探す。
近接したタイムスタンプを有する判定結果が第1の判定結果であり、かつ通信が「有り」の場合は、最終的な判定結果を「有り」として第1の判定結果が有する第2のタイムスタンプを関連付けてパワーログ情報とする。ここで第1の判定結果が「無し」の場合は、最終的な判定結果を「無し」とする。
ステップ8:ステップ1からステップ7を通信試験が終了するまで繰り返す。
【0132】
通信データの有無の判定が不要の場合は、上記ステップ3の第1の判定結果が最終的な判定結果となり、ステップ1からステップ3が繰り返される。
さらにパワーログ情報は、表示情報抽出手段109で表示情報が抽出され、パワーログ表示9として表示される。
【0133】
過去の被試験通信に対しては、表示手段108が記憶部106を制御し、記憶された検出値とシーケンスログ情報をそれぞれの記憶部から読み出し、検出値とシーケンスログ情報(通信データの有無の判定結果)は、レベル判定手段107に送付され、通信の有無が判定されて表示情報抽出手段を介してパワーログ表示9を表示することもできる。
【0134】
パワーログ表示9は、所定の通信チャネルの通信の有無状態の表示に対して「無し」から「有り」へと変化したときは実線の矢印等(9a、9c)で、「有り」から「無し」へと変化したときは点線の矢印等(9b、9d)で識別可能としている。ただし、この表示は識別可能とすることが目的であるため、異なる色等で表示しても良い。
【0135】
パワーログ表示9に表示する所定の通信チャネルの通信の有無の状態は、信号物理量測定手段104のサンプリング周期毎に表示しても良いが、パワーログ表示9に表示する項目数が膨大となるため、通信が「有り」から「無し」へと変化したとき、および「無し」から「有り」へと変化したときのみ表示すれば目的を達成できる。
【0136】
さらに、パワーログ表示9は、複数の通信チャネルの通信の有無を表示するときにおいても線種や色を変えることで識別可能に表示することができる。
【0137】
(実施例2)
図3の表示に関する他の実施例について以下に説明を行う。
【0138】
詳細情報表示14には、前述したログ表示15において項目選択表示12で選択された項目に関する詳細情報が表示される。選択された項目がシーケンスログ表示10に係る項目である場合は、詳細情報表示14には、例えば「基地局番号」(複数基地局の場合)、「チャネル名称」、「メッセージタイプ」、「メッセージデータ」、「送信元レイヤ名」、「受信先レイヤ名」等の詳細表示が表示される。これらの詳細情報は、記憶手段106に記憶されたシーケンスログ情報から抽出され表示されている。
詳細情報表示14に、常に最新の情報を表示する場合は、シーケンス情報取得手段103からのシーケンスログ情報をそのまま使用しても良い。
【0139】
また、詳細情報表示14に表示されるメッセージデータは、実際に通信される通信内容を所定のフォーマットで表示したものである。
送信元レイヤ名、受信先レイヤ名は通信プロトコルや通信試験装置100の内部構成により表示される内容およびその名称が定義される。
【0140】
選択された項目がパワーログ表示9に係る項目である場合は、詳細情報表示14には例えば「チャネル名称」、「パワーレベル値」、「チャネル化コード」、「シンボルレート」等の詳細表示が表示される。これらの詳細情報は、記憶手段106に記憶された検出値と登録動作手順やシナリオで定義された情報とから抽出され表示されている。
詳細情報表示14に、常に最新の情報を表示する場合は、信号物理量測定手段104からの検出値をそのまま使用しても良い。
【0141】
詳細情報表示14に表示される基地局番号は、通信試験で擬似基地局が複数の基地局を擬似する場合に、選択された項目がどの基地局かを識別可能とするために登録動作手順やシナリオにより定義される。
【0142】
前述したように、登録動作手順およびシナリオでチャネル名称、チャネル化コード、シンボルレートの関連が定義されているため、これら定義された情報を元に特定の通信チャネルに関する物理量を検出可能となり、各々の通信チャネルのパワーレベルを抽出し表示することができる。
【0143】
(実施例3)
図4の表示を実現する動作について、図1の構成の動作を併せて説明を行う。
【0144】
レベル表示画面51は、ログ表示画面1に表示されたログ表示15から入力手段115を用いて項目選択表示12で識別された項目を選択し、レベル表示設定ボタン5を選択(押下)することで表示される。
【0145】
ログ表示15に表示された内容は、試験中の被試験通信の内容でも良いし、過去に通信試験を行い記憶手段106に記憶された情報でも良い。当然、レベル表示画面51に表示される内容は、ログ表示画面1に表示されたログ表示15と同一の試験で検出された内容であることは言うまでも無く、過去の通信試験に関する情報は記憶手段106から呼び出されて表示される。
【0146】
レベル表示画面51に表示されたレベル表示52には、前述の項目選択表示12で選択された項目のタイムスタンプ11に最も近接する第2のタイムスタンプ11bの時刻を基に所定の時間範囲の検出値レベル53c,54c(「パワーレベル」とも言う)が表示される。
【0147】
またこの選択された項目のタイムスタンプ11に最も近接した第2のタイムスタンプ11bは、カーソル56と共に識別可能なように時間軸タイムスタンプ55としてレベル表示52の時間軸上の略中央に表示される。ただし、この表示は時間軸上の略中央に限定するものでは無く、用途に応じて表示された時間軸上の最古または最新に表示することもできる。
【0148】
ただし、カーソル56が表示された場所に時間軸タイムスタンプ55が必ず表示される必要は無い。
【0149】
下りチャネルレベル表示53には、予め指定された下りの通信チャネルに対する検出値から所定の時間範囲の間の第2のタイムスタンプ11bを有する検出値を表示情報抽出手段109で抽出し、レベル表示生成手段110でグラフ化処理を行って検出値レベル53cとして表示する。
【0150】
上りチャネルレベル表示54には、予め指定された上りの通信チャネルに対する検出値から所定の時間範囲の間の第2のタイムスタンプ11bを有する検出値を表示情報抽出手段109で抽出し、レベル表示生成手段110でグラフ化処理を行って検出値レベル54cとして表示する。
【0151】
ここでは表示される通信チャネルは予め指定されているとして説明しているが、ログ表示15で選択した項目に対応する通信チャネルを項目選択手段113fで検出し、自動的に選択した項目に関連する通信チャネルのレベルを表示しても良い。
【0152】
また、図5に示すように、下りチャネル設定ボタン58を選択(押下)することで、下りチャネルレベル表示53に表示可能な下り方向の通信チャネルを選択可能に表示し、表示されたボタン58a1〜58a4から表示する通信チャネルに相当するボタンを選択し、表示する通信チャネルを変更することができる。
【0153】
当然、上りチャネルレベル表示54についても同様に上りチャネル設定ボタンを選択(押下)することで表示する上り方向の通信チャネルを変更することもできる。
【0154】
図6に示すように、レベル表示52で複数の通信チャネルに関するパワーレベルを表示させることもできる。図5で説明したように下りチャネル設定ボタン58、上りチャネル設定ボタン59を選択(押下)した後に、複数の通信チャネルを選択58a1、58a2、59a1,59a2することで表示ができる。
【0155】
複数の通信チャネルを選択する方法は、入力手段115がマウス等の場合は、例えば、右クリックで選択し、左クリックで決定する等も可能である。また、キーボードを併用する場合は、例えば、コントロールキーを押しながらマウス等で左クリックして選択し、確定キーで決定する等もできる。
【0156】
また、レベル表示52は、その表示範囲に対応する時間範囲を超えて信号物理量測定手段104で検出された検出値がある場合に、スクロールバー57により画面をスクロールさせて現在表示されている時間範囲外の検出値レベル53c,54cを表示することができる。
【0157】
スクロールバー57には、全体の検出値の時間範囲またはデータ量に対し現在レベル表示52に表示されている時間範囲またはデータ量に相関してその大きさを変化させる表示位置ブロック57aがある。また表示位置ブロック57aは、レベル表示52のスクロールと共にスクロールバー57上の位置を移動することで現在表示中の検出値レベル53c,54cが全体の検出値の時間範囲または検出値の全体量(データ量)に対しての位置と範囲を識別できる。
【0158】
レベル表示52のスクロールは、入力手段115がマウス等の場合は、表示位置ブロック57aをドラッグ等して移動させても良いし、マウス上のホイール等を使用してスクロールさせても良い。また、入力手段115がキーボードの場合はカーソルキー等でカーソル56を移動させることでスクロールをしても良い。
【0159】
下りチャネルレベル表示53、上りチャネルレベル表示54には、表示された各通信チャネルの通信に対してレベル判定手段107でそれぞれ通信の有無を判定するためにスレッショルド設定手段114に設定されたスレッショルド値がそれぞれ下りチャネルスレッショルド値53d、上りチャネルスレッショルド値54dとして表示されている。
【0160】
この表示されたスレッショルド値53d、54dは、スレッショルド設定手段114に設定されたスレッショルド値が、全て共通の設定の場合、上りと下りの通信チャネルで別々の設定の場合、測定対象の全ての通信チャネル個々に設定の場合、所定の通信チャネルに複数の設定の場合、またはその組合わせのどの状態でも対応ができる。
【0161】
(実施例4)
図7は、ログ表示画面1上のログ表示15とレベル表示画面51上のレベル表示52のスクロール動作の設定を変更する動作を示している。以下図7を用いて説明を行う。
【0162】
ログ表示画面1上のオプション設定ボタン4を入力手段115から選択(押下)するとオプション選択表示4aが表示される。オプション選択表示4aからスクロールボタン(Scroll)4a3を選択するとスクロールオプション設定表示4a3aが表示される。スクロールオプション設定表示4a3aには、ログ表示15とレベル表示52のスクロール動作を「連動させる」ONボタン4a3a1と「連動しない(独立して動作)」OFFボタン4a3a2とが表示され、選択可能となっている。
【0163】
ONボタン4a3a1(連動させる)が選択された場合、その内容はスクロール制御手段113cに設定され、表示情報抽出手段109、レベル表示生成手段110、表示制御手段111を制御してログ表示15とレベル表示52のスクロール動作が連動して動作するようになる。
【0164】
スクロール動作が連動するとは、ログ表示画面上のスクロールバー13および表示位置ブロック13aを操作してログ表示15をスクロールさせたとき、ログ表示15に表示された項目のタイムスタンプ11の時間範囲に相当する時間範囲またはログ表示15に表示された項目のタイムスタンプ11の中心(または最新や最古)の時間に対する所定の時間範囲のパワーレベルをレベル表示52に行う動作である。
【0165】
同様に、レベル表示画面51上のスクロールバー57および表示位置ブロック57aを操作した場合も、レベル表示52のスクロール動作に応じてログ表示15がスクロールする。ログ表示15に表示される範囲についても、レベル表示52に表示された時間範囲に相当する時間範囲またはレベル表示52に表示された時間範囲の中心(または最新や最古)の時間に対して所定の項目数をログ表示15に表示することもできる。
【0166】
また、項目選択表示12およびカーソル56の移動に伴う画面のスクロールについても同様に動作することは言うまでも無い。
【0167】
OFFボタン4a3a2(連動しない)が選択された場合、その内容はスクロール制御手段113cに設定され、表示情報抽出手段109、レベル表示生成手段110、表示制御手段111を制御してログ表示15とレベル表示52のスクロール動作が独立して動作するようになる。
【0168】
また、項目選択表示12およびカーソル56の移動に伴う画面のスクロールについても同様に独立して動作することは言うまでも無い。ただし、項目選択表示12によりログ表示15上の項目が選択された場合は、項目選択時の動作(レベル表示画面51を表示する等)に従う。
【0169】
(実施例5)
図8は、レベル表示52の時間軸を変更する動作を示している。以下図8を用いて説明を行う。
【0170】
ログ表示画面1上のオプション設定ボタン4を入力手段115から選択(押下)するとオプション選択表示4aが表示される。オプション選択表示4aからパワーボタン(Power)4a2を選択するとパワーオプション選択表示4a2aが表示される。パワーオプション選択表示4a2aからスケールボタン(Scale)4a2a2を選択するとスケール設定表示4a2a2aが表示される。
【0171】
スケール設定表示4a2a2aには、スケール設定欄4a2a2bがあり、入力手段115から入力可能となっている。本図では、時間軸の設定を行う例であり、レベル表示52に表示されるグラフの時間軸のスケールを基準単位(例えばサンプリング周期に対応)である10ms等に対し拡大倍率の設定をしている。
【0172】
時間軸スケール設定欄4a2a2bに設定され、確定された値は、表示スケール変更手段113eを通して表示情報抽出手段109、レベル表示生成手段110に設定され、レベル表示52の時間軸を変更して表示される。
【0173】
本図では時間軸の変更について説明しているが、スケール設定表示4a2a2aにパワーレベル軸スケールを設定する設定欄を設けることでパワーレベル軸のスケール変更もできる。
【0174】
時間軸を変更したとき、レベル表示52に表示されるポイントは、ログ表示15上で項目選択表示12により選択された項目のタイムスタンプ11に最も近接する第2のタイムスタンプ11bを有する検出値の個所を中心(または最上部、または最下部)に表示しても良いし、レベル表示52上のカーソル56を中心(または最上部、または最下部)に表示しても良い。
【0175】
(実施例6)
図9は、ログ表示15で表示されるパワーログ表示9の表示または非表示、およびシーケンスログ表示10で表示する通信の各レイヤ表示の表示または非表示を設定する方法を示している。
【0176】
ログ表示画面1上のオプション設定ボタン4を入力手段115から選択(押下)するとオプション選択表示4aが表示される。オプション選択表示4aからフィルタボタン(Filter)4a1を選択するとフィルタ設定表示4a1aが表示される。フィルタ設定表示4a1aには、表示または非表示の設定が可能なパワーログ表示9を含む通信の各レイヤに対応した表示/非表示設定ボタン4a1a1〜4a1a8が表示されている。
【0177】
表示/非表示設定ボタンは上り方向(Up Link)用のMS−PHY表示/非表示設定ボタン(MS→PHY)4a1a1、PHY−MAC表示/非表示設定ボタン(PHY→MAC)4a1a2、MAC−RLC表示/非表示設定ボタン(MAC→RLC)4a1a3、RLC−RRC表示/非表示設定ボタン(RLC→RRC)4a1a4と、下り方向(Down Link)用のPHY−MS表示/非表示設定ボタン(PHY→MS)4a1a5、MAC−PHY表示/非表示設定ボタン(MAC→PHY)4a1a6、RLC−MAC表示/非表示設定ボタン(RLC→MAC)4a1a7、RRC−RLC表示/非表示設定ボタン(RRC→RLC)4a1a8で構成されている。
【0178】
表示/非表示設定ボタン4a1a1〜4a1a8がON状態(表示設定、図では太枠表示)となっている場合は、パワーログ表示9およびシーケンスログ表示10にON状態のボタンに対応する通信のレイヤを表示する。また表示/非表示設定ボタン4a1a1〜4a1a8がOFF状態(非表示設定、図では細枠表示)となっている場合は、パワーログ表示9およびシーケンスログ表示10にOFF状態のボタンに対応する通信のレイヤを非表示とする。
【0179】
表示/非表示設定ボタン4a1a1〜4a1a8は、選択(押下)される度にON状態とOFF状態が切り替わるようになっており、簡単に設定を切り替えることができる。入力手段115で入力された表示または非表示の情報は、表示項目設定手段113dに設定され、表示制御手段111に通知される。表示制御手段111は、表示情報抽出手段109で抽出された全レイヤの表示情報のうち、該当する通信のレイヤの表示または非表示を制御する。
【0180】
ここまでは、表示項目設定手段113dの設定情報を基に表示制御手段111が表示または非表示を制御するように説明したが、表示情報抽出手段109で表示するレイヤの表示情報のみ抽出しても良い。
【0181】
(実施例7)
図10は、レベル判定手段107が、所定の通信チャンネルの通信の有無を判定するためのスレッショルド値を入力手段115からスレッショルド設定手段114に設定する方法を示している。
【0182】
また、図10には、スレッショルド設定手段に設定されたスレッショルド値を変更した場合にレベル表示52に表示される下りチャネルスレッショルド値53d、上りチャネルスレッショルド値54d(以下、まとめて「スレッショルド値表示」とも言う)が変化する様子も示している。
【0183】
ログ表示画面1上のオプション設定ボタン4を入力手段115から選択(押下)するとオプション選択表示4aが表示される。オプション選択表示4aからパワーボタン4a2を選択するとパワーオプション選択表示4a2aが表示される。パワーオプション選択表示4a2aからスレッショルド設定ボタン(Threshold)4a2a3を選択するとスレッショルド設定表示4a2a3aが表示される。
【0184】
スレッショルド設定表示4a2a3aには、スレッショルド設定欄4a2a3bがあり、入力手段115からスレッショルド値が入力可能となっている。本図では、スレッショルド設定手段114に設定されるスレッショルド値が1種類の場合を示している。
【0185】
スレッショルド設定欄4a2a3bに設定され、確定された値は、スレッショルド設定手段114に設定され表示情報抽出手段109を通して、レベル表示生成手段110に設定され、レベル表示52に変更後のスレッショルド値表示53d、54dとして表示される。
【0186】
図10のレベル表示52には、スレッショルド値が変更された場合のスレッショルド値表示53d、54dの変る様子を示している。従来設定されていたスレッショルド値に対応するスレッショルド値表示53f、54f(説明上の仮想線)が、前述のスレッショルド値の設定変更操作により変更後のスレッショルド値表示53d、54d(こちらが実際に表示される)に変っている。
【0187】
なお、本説明では、スレッショルド値が共通の場合を示しているが、スレッショルド設定手段114に複数の種類のスレッショルド値が設定可能な場合は、スレッショルド設定欄4a2a3bも種類毎に用意され、レベル表示52に表示されるスレッショルド値表示も設定されたスレッショルド値の種類毎に個別に表示位置(パワーレベル)を変える。
【0188】
(実施例8)
図11は、レベル判定手段107が、所定の通信チャネルの通信の有無を判定するためのスレッショルド値の他に、別の意味(例えば製品の良否判断基準)を持った判定を行うための他のスレッショルド値(以下「製品スレッショルド値」とも言う)がスレッショルド設定手段114に設定された場合の動作を示している。
【0189】
ここまでに説明されたように、レベル判定手段107が所定の通信チャネルの通信の有無を判定するためのスレッショルド値は、レベル表示52上にスレッショルド値表示53d、54dで示されている。
【0190】
以下にスレッショルド設定手段114に測定対象となる移動通信端末101の製品レベルの良否を判定するための製品スレッショルド値が設定されていた場合について説明する。
【0191】
通常、レベル判定手段107で所定の通信チャネルの通信の有無を判定するためのスレッショルド値は、通信方式を定義する規格(本説明のW−CDMAでは3GPP規格等)に掲載された値を参照して決定される。しかし、製品である移動通信端末101は、規格値を保証するために規格で規程された値に対してマージンを持った判定基準を用いて製品の良否を判定するのが通常である。
【0192】
実際の測定において、製品の良否を判定するためのマージンを持ったスレッショルド値により所定の通信チャネルの通信の有無を判定した場合、たとえ動作が異常だったとしても通信自体が正常に行われなかったのか、信号のレベルが製品として不良だったのかが判断できない。
【0193】
そこで、本発明は、規格値を満足して通信が行われたかを判定するためのスレッショルド値と、製品の良否を表す製品スレッショルド値を個別に設定可能とすることで本問題を解決している。
【0194】
製品スレッショルド値は、スレッショルド値同様にスレッショルド設定手段114に設定され、レベル判定手段107で良否が判定される。
【0195】
また、設定された製品スレッショルド値は、レベル表示52上にスレッショルド値表示53d,54dと同様に製品スレッショルド値表示53e,54eとして識別可能に表示される。
【0196】
パワーログ表示9についても、所定の通信チャネルの通信が「有り」から「無し」となる間に、信号のパワーレベルが製品スレッショルド値を超えない場合や一度超えても下回ってしまう場合は、製品不良発生表示9e等を表示して識別可能とする。
【0197】
(実施例9)
図12には、所定の通信チャンネルの通信の有無をレベル判定手段107でヒステリシス特性を持って判定するための2種類のスレッショルド値がスレッショルド設定手段114に設定されたときのレベル表示52に表示される第1のスレッショルド値表示53g、54gと第2のスレッショルド値表示53f、54fとの例が示されている。
【0198】
スレッショルド設定手段114は、前述した複数のスレッショルド値を設定する方法を用いて、レベル判定手段107が所定の通信チャネルにおける通信が有りと判定するための第1のスレッショルド値と、レベル判定手段107が所定の通信チャネルにおける通信が無しと判定するための第2のスレッショルド値とが設定可能である。
【0199】
以下に、第1および第2のスレッショルド値が上りの通信と下りの通信と全ての通信チャネルとに共通の1組の値として説明を行うが、1組の値に限るものではなく、通信の上りと下りに個々に対応して第1および第2のスレッショルド値が設定されても良いし、通信チャネル毎に各々第1および第2のスレッショルド値が設定されても良い。
【0200】
所定の通信チャネルの通信の有無を判定するためのスレッショルド値が単一の値の場合、所定の通信チャネルの通信の信号のパワーレベルが、設定されたスレッショルド値(パワーレベル)の近傍にあるとき、レベル判定手段107で判定された通信の有無の状態が不安定(通信の有りと無しが頻繁に切り替わる状態)となってしまう。
【0201】
それを解決するために、レベル判定手段107は、第1と第2のスレッショルド値を用いて、信号物理量測定手段104で検出した離散的検出値から所定の通信チャネルの通信の信号のパワーレベルが第1のスレッショルド値を上回ったとき通信有りと判定し、通信有りとなった後に、信号物理量測定手段104で検出した離散的検出値から所定の通信チャネルの通信の信号のパワーレベルが第2のスレッショルド値を下回ったとき通信無しと判定する。この動作により、判定された通信の有無の状態が不安定になることがない。
【0202】
上記動作を実現するために、第1のスレッショルド値は第2のスレッショルド値より大きな値(大きなパワーレベル)が設定される必要がある。この第1と第2のスレッショルド値の大小関係は、入力欄に対する入力値制限等で確実に設定されるようにすることもできる。
【0203】
また、設定された第1と第2のスレッショルド値は、レベル表示52において第1のスレッショルド値53g、54gと第2のスレッショルド値53f,54fとして識別可能に表示される。
【0204】
(実施例10)
図13は、パワーログ表示9から所望の通信チャネルに関する項目を検索する動作を示している。以下図13を用いて説明を行う。
【0205】
ログ表示画面1上のオプション設定ボタン4を入力手段115から選択(押下)するとオプション選択表示4aが表示される。オプション選択表示4aから検索ボタン(Find)4a4を選択すると検索条件入力表示4a4aが表示される。
【0206】
検索条件入力表示4a4aには、通信方向入力欄4a4a1、通信チャネル名入力欄4a4a3、通信有無条件入力欄4a4a4等が表示されており、入力手段115から入力可能となっている。本図では、上記入力欄の他にもパワーログ表示9およびシーケンスログ表示10が検索可能な入力欄(通信レイヤ入力欄4a4a2、チャネル化コード入力欄4a4a5、シンボルレート入力欄4a4a6、パワーレベル入力欄4a4a7等)に示されている。
【0207】
また、検索条件を入力する各入力欄相互の関係がAND条件なのかOR条件なのかを設定するための条件設定欄4a4a8が設けられている。本図では、条件設定欄4a4a8は各入力欄間に設けられているが、入力欄に検索条件が入力されていない入力欄およびその入力欄の直上の条件設定欄は無視されるため、入力欄に検索条件が入力された内容でのみ検索が可能となっている。
【0208】
説明をパワーログ表示9に戻す。検索条件入力表示4a4aの通信方向入力欄4a4a1、通信レイヤ入力欄4a4a2(ここではMS−PHYレイヤを入力しパワーログ表示9を指定)、通信チャネル名入力欄4a4a3、通信有無条件入力欄4a4a4等を入力し、各入力欄の直上の条件設定欄4a4a8を全てANDにチェックを入力する。
【0209】
各入力欄に入力した内容および各入力欄相互の関係は、パワーログ情報検索手段113gに設定され、入力された各条件にあった内容をパワーログ表示9から検索し、検索条件に該当する項目が発見された場合には、表示制御手段111を通して識別可能に表示を行う。また、検索条件に該当する項目が発見されなかった場合には、その旨を表示制御手段111を通して表示する。
【0210】
なお、上記例示したシンボルレート入力欄4a4a6、パワーレベル入力欄4a4a7等には、入力された値の検索だけではなく、入力値以上(またはより大きい)や入力値以下(またはより小さい)の入力も可能であり、検索を容易にしている。
【0211】
ここまでは、パワーログ表示9およびシーケンスログ表示10に対して検索を行うように説明したが、必要に応じて各表示の元となる検出値、パワーログ情報、シーケンスログ情報に対して検索を実施可能とすることは容易であり設計の範囲である。この場合は、さらに詳細な情報まで検索が可能となる。
【0212】
以上説明してきた実施例は、個々に提供されるのではなく、様々な組み合わせにより提供可能であり、それら組み合わせによって試験および試験結果の解析が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】本発明の通信試験装置の構成を示す図、
【図2】シーケンス情報取得手段と信号物理量測定手段の詳細例を示す図、
【図3】ログ表示を含む画面例を示す図、
【図4】レベル表示を含む画面例を示す図、
【図5】レベル表示に表示する通信チャネルを選択する設定例を示す図、
【図6】レベル表示に表示する複数の通信チャネルを選択する設定例を示す図、
【図7】スクロールの「連動」、「非連動」の設定例を示す図、
【図8】レベル表示の時間軸の設定例を示す図、
【図9】ログ表示の表示項目を選択する設定例を示す図、
【図10】スレッショルド値の変更設定例を示す図、
【図11】レベル判定のためのスレッショルド値が2種類ある場合の表示例を示す図、
【図12】レベル判定のためのスレッショルド値がヒステリシス特性を有する場合の表示例を示す図、
【図13】パワーログ表示の検索に関する操作例を示す図、
【図14】シーケンス表示の従来例を示す図、
【図15】レベル表示の従来例を示す図、
【図16】(a)移動通信端末と通信試験を行うための従来例を示す図、 (b)移動通信端末と通信試験中に物理量を測定する場合の従来例を示す図。
【符号の説明】
【0214】
1…ログ表示画面、
2…開始ボタン、
3…停止ボタン、
4…オプション設定ボタン、
5…レベル表示設定ボタン、
6…セーブボタン、
7…ロードボタン、
8…項目番号表示、
9…パワーログ表示、
10…シーケンスログ表示、
11…タイムスタンプ、11a…第1のタイムスタンプ、11b…第2のタイムスタンプ、
12…項目選択表示、
13…スクロールバー、13a…表示位置ブロック
14…詳細情報表示、
15…ログ表示、
51…レベル表示画面、
52…レベル表示、
53…下りチャネルレベル表示、53a…、53b…チャネル名、53c…検出値レベル、53d…下りチャネルスレッショルド値
54…上りチャネルレベル表示、54a…、54b…チャネル名、54c…検出値レベル、54d…上りチャネルスレッショルド値
55…時間軸タイムスタンプ、
56…カーソル、
57…スクロールバー、57a…表示位置ブロック
58…下りチャネル設定ボタン、
59…上りチャネル設定ボタン、
100…通信試験装置、
101…移動通信端末
102…擬似基地局手段、
103…シーケンス情報取得手段、103a…送信データ有無判定手段、103b…受信データ有無判定手段、
104…信号物理量測定手段、104a…送信信号測定手段、104b…受信信号測定手段、104c…RF信号測定手段、
105…時刻情報発生手段、
106…記憶手段、106a…シーケンスログ記憶部、106b…検出値記憶部、
107…レベル判定手段、
108…表示手段、
109…表示情報抽出手段、
110…レベル表示生成手段、
111…表示制御手段、
112…表示部、
113…設定選択手段、113a…チャネル選択手段、113b…表示位置制御手段、113c…スクロール制御手段、113d…表示項目設定手段、113e…表示スケール変更手段、113f…項目選択手段、113g…パワーログ情報検索手段、
114…スレッショルド設定手段、
115…入力手段。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信プロトコルで通信を行うデジタル通信システムの通信における情報の受け渡しの内容を検出してシーケンスログ情報を作成するシーケンスログ作成段階と、該シーケンスログ情報を識別可能に示したシーケンスログ表示(10)を表示する段階とを有する通信試験結果表示方法において、
前記通信プロトコルで定められた通信チャネルのうち少なくとも1つの通信チャネルに対応する信号の物理量を検出し、その物理量を検出値として出力する信号物理量測定段階と、
前記検出値に含まれるパワーレベルから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定した結果を含むパワーログ情報を作成するレベル判定段階と、
該パワーログ情報から前記通信の有無を識別可能に示したパワーログ表示(9)を表示する段階と、
前記シーケンスログ表示と前記パワーログ表示とを共に時系列に並べて表示するログ表示(15)を行うログ表示段階とを有することを特徴とする通信試験結果表示方法。
【請求項2】
前記シーケンスログ作成段階は、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信データの有無を判定し、その結果をシーケンスログ情報の一部とする通信データ有無判定段階を有し、
前記レベル判定段階は、シーケンスログ情報に含まれる通信データの有無の判定結果と、前記信号物理量測定段階で検出した検出値に含まれるパワーレベルとから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定した結果を含むパワーログ情報を作成することを特徴とする請求項1記載の通信試験結果表示方法。
【請求項3】
前記シーケンスログ作成段階は、前記通信における情報の受け渡しの内容を取得したときの時刻を示す第1のタイムスタンプ(11a)を、前記内容と関連付けて前記シーケンスログ情報とする段階を有し、
前記信号物理量測定段階は、前記少なくとも1つの通信チャネルに対応した信号の物理量を検出したときの時刻を示す第2のタイムスタンプ(11b)を、前記物理量と関連付けて前記検出値とする段階を有し、
前記ログ表示段階は、前記シーケンスログ情報が有する第1のタイムスタンプと、前記レベル判定段階で作成された前記パワーログ情報に対応した前記第1または第2のタイムスタンプとが時系列で並ぶように前記シーケンスログ表示と前記パワーログ表示を前記ログ表示として表示させる段階を有し、
前記ログ表示段階で表示された前記シーケンスログ表示の時系列に並んだ項目または前記パワーログ表示の時系列に並んだ項目から任意の項目を選択することにより前記時系列に並べられた前記シーケンスログ表示および前記パワーログ表示の任意の項目を選択可能とする項目選択段階と、
該項目選択段階で選択した前記項目の有する第1のタイムスタンプまたは第2のタイムスタンプが示す時刻に最も近接する時刻を示す前記第2のタイムスタンプを有する前記検出値を含んだ所定の時間範囲内の前記検出値から前記少なくとも1つの通信チャネルに対するパワーレベルをグラフでレベル表示(52)するレベル表示段階とを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信試験結果表示方法。
【請求項4】
所定の通信プロトコルで通信を行うデジタル通信システムの通信における情報の受け渡しを検出するシーケンス情報取得手段(103)が取得した情報をシーケンスログ情報とし、該シーケンスログ情報を識別可能に示すシーケンスログ表示(10)を表示する通信試験装置において、
前記通信プロトコルで定められた通信チャネルのうち少なくとも1つの通信チャネルに対応した信号の物理量を検出し、検出値として出力する信号物理量測定手段(104)と、
該検出値に含まれるパワーレベルから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定結果からパワーログ情報を作成して出力するレベル判定手段(107)とを有し、
前記シーケンスログ表示と、前記パワーログ情報から前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を識別可能に示したパワーログ表示(9)とを共に時系列に並べてログ表示(15)として表示する表示手段(108)とを有することを特徴とする通信試験装置。
【請求項5】
前記シーケンス情報取得手段は、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信データの有無を判定し、その結果を前記シーケンスログ情報の一部とする通信データ有無判定手段(103a,103b)を有し、
前記レベル判定手段は、前記シーケンス情報取得手段で作成された前記シーケンス情報に含まれる通信データの有無の判定結果と前記信号物理量測定手段で検出された検出値に含まれるパワーレベルとから前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、その判定結果からパワーログ情報を作成し出力することを特徴とする請求項4記載の通信試験装置。
【請求項6】
前記シーケンス情報取得手段は、前記シーケンス情報取得手段が通信における情報の受け渡しが行われたときに該通信における情報の内容を取得して、該取得した情報の内容と、そのときの時刻を表す時刻情報発生手段(105)から出力された第1のタイムスタンプ(11a)とを関連付けて前記シーケンスログ情報とし、
前記信号物理量測定手段は、該信号物理量測定手段で検出した物理量と、検出したときの時刻を表す前記時刻情報発生手段から出力された第2のタイムスタンプ(11b)とを関連付けて前記検出値とし、
前記シーケンスログ情報が有する前記第1のタイムスタンプと、前記レベル判定手段で作成され、出力された前記パワーログ情報に対応した前記第1および前記第2のタイムスタンプとが時系列で並ぶように前記シーケンスログ表示と共に前記パワーログ表示を前記ログ表示として表示をさせる前記表示手段を有することを特徴とした請求項4または請求項5記載の通信試験装置。
【請求項7】
前記シーケンスログ情報と前記検出値とを記憶する記憶手段(106)と、
該記憶手段に記憶された前記シーケンスログ情報を識別可能に示した前記シーケンスログ表示と、
該記憶手段に記憶された前記検出値から前記レベル判定手段により前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無が判定され作成された前記パワーログ情報から、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を識別可能に示した前記パワーログ表示とを共に時系列に並べて前記ログ表示として表示する前記表示手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項6記載の通信試験装置。
【請求項8】
前記レベル判定手段は、前記信号物理量測定手段で検出された前記検出値に含まれるパワーレベルと、予め対象となる通信チャネルに応じて設定されたスレッショルド値とを比較して前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定することを特徴とする請求項4乃至請求項7記載の通信試験装置。
【請求項9】
前記レベル判定手段は、前記検出値に含まれるパワーレベルと、予め対象となる通信チャネルに応じて設定されたスレッショルド値とを比較して前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無を判定し、
前記スレッショルド値は、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信が有りと判定するための第1のスレッショルド値と前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信が無しと判定するための第2のスレッショルド値とからなり、前記レベル判定手段は前記第1のスレッショルド値と前記第2のスレッショルド値の間でヒステリシス特性を持つ判定を行うことを特徴とする請求項4乃至請求項7記載の通信試験装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記レベル判定手段によって判定され、作成された前記パワーログ情報から、前記少なくとも1つの通信チャネルにおける通信の有無の状態が、通信無しの状態から通信有りの状態に変化したことと、通信有りの状態から通信無しの状態に変化したこととを前記パワーログ表示として識別可能に表示することを特徴とする請求項4乃至請求項9記載の通信試験装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記パワーログ表示を非表示に設定可能な表示項目設定手段(113d)を有することを特徴とする請求項4乃至請求項10記載の通信試験装置。
【請求項12】
前記表示手段は、ログ表示画面(1)に表示される前記ログ表示が前記ログ表示画面の表示範囲を超える場合は、前記ログ表示のスクロールを可能とすることを特徴とする請求項4乃至請求項11記載の通信試験装置。
【請求項13】
前記表示手段は、前記表示手段に表示された前記ログ表示の前記シーケンスログ表示の時系列に並んだ項目または前記パワーログ表示の時系列に並んだ項目から任意の項目を選択することにより前記時系列に並べられた前記シーケンス表示および前記パワーログ表示の任意の項目を選択可能とする項目選択手段(113f)とを有し、
該項目選択手段により選択した前記項目に対応した詳細情報を詳細情報表示(14)として表示することを特徴とする請求項4乃至請求項12記載の通信試験装置。
【請求項14】
前記表示手段は、前記パワーログ表示から所望の通信チャネルに関する項目を検索し、該検索に該当した項目を識別可能にするパワーログ情報検索手段(113g)を有することを特徴とする請求項4乃至請求項13記載の通信試験装置。
【請求項15】
前記表示手段は、前記表示手段に表示された前記ログ表示の前記シーケンスログ表示の時系列に並べられた項目または前記パワーログ表示の時系列に並べられた項目から任意の項目を選択することにより前記時系列に並べられた前記シーケンスログ表示および前記パワーログ表示の任意の項目を選択可能とする前記項目選択手段を有し、
該項目選択手段により選択した前記項目の有する前記第1のタイムスタンプまたは前記第2のタイムスタンプが示す時刻に最も近接する時刻を示す前記第2のタイムスタンプを有する前記検出値を含んだ所定の時間範囲内の前記検出値から少なくとも1つの通信チャネルに対するパワーレベルをグラフで表示したレベル表示(52)を行うことを特徴とする請求項6乃至請求項14記載の通信試験装置。
【請求項16】
前記シーケンスログ情報と前記検出値とを記憶する前記記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記シーケンスログ情報と、
該記憶手段に記憶された前記検出値とから前記レベル表示を行う前記表示手段を備えたことを特徴とする請求項15記載の通信試験装置。
【請求項17】
前記表示手段は、前記項目選択手段で選択した項目が示す内容に対応した通信チャネルを認識し、該通信チャネルに係るパワーレベルを前記レベル表示にグラフ表示させる表示情報抽出手段(109)を有することを特徴とする請求項15または請求項16記載の通信試験装置。
【請求項18】
前記表示手段は、前記レベル表示に表示する通信チャネルを選択するチャネル選択手段(113a)と、該チャネル選択手段で選択された通信チャネルに対応した表示に係る情報を抽出し、前記レベル表示に表示する表示情報抽出手段(109)とを有することを特徴とする請求項15または請求項16記載の通信試験装置。
【請求項19】
前記チャネル選択手段は、複数の通信チャネルに係るパワーレベルを前記レベル表示に表示させるために複数の通信チャネルを選択可能であり、
前記表示情報抽出手段は、前記チャネル選択手段で選択された複数の通信チャネルに対応した表示に係る情報を抽出可能であり、
前記表示手段は前記表示情報抽出手段で抽出された前記表示に係る情報に基づいて前記レベル表示を行うことを特徴とする請求項18記載の通信試験装置。
【請求項20】
前記表示手段は、前記レベル表示に表示する時間軸のスケールおよびパワーレベル軸の少なくとも1つを変更可能な表示スケール変更手段(113e)を有することを特徴とする請求項15乃至請求項19記載の通信試験装置。
【請求項21】
前記信号物理量測定手段は、前記少なくとも1つの通信チャネルに対応した信号を所定の周期でサンプリングして検出しており、前記表示手段は、前記信号物理量測定手段で検出した前記検出値に含まれるパワーレベルを直線補間して前記レベル表示に表示を行うことを特徴とする請求項15乃至請求項20記載の通信試験装置。
【請求項22】
前記表示手段は、前記予め設定されたスレッショルド値を前記レベル表示上の該当するパワーレベルに識別可能に表示することを特徴とする請求項15乃至請求項21記載の通信試験装置。
【請求項23】
前記表示手段は、レベル表示画面(51)に表示される前記レベル表示が前記レベル表示画面の表示範囲を超える場合は、前記レベル表示のスクロールを可能とすることを特徴とする請求項15乃至請求項22記載の通信試験装置。
【請求項24】
前記表示手段は、前記表示部に表示された前記ログ表示のスクロールと、
前記表示部に表示された前記レベル表示のスクロールとが連動または非連動とすることを選択的に設定可能とするスクロール制御手段(113c)を有することを特徴とする請求項12または請求項23記載の通信試験装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−33007(P2006−33007A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204162(P2004−204162)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】