説明

遠隔視聴システム及び遠隔視聴方法

【課題】メモリの負担もなく、必要な時に必要なシーンのみを再生することができる遠隔視聴システム及び遠隔視聴方法を提供すること。
【解決手段】データ変換部15は、テレビ番組に対応するメタデータに基づいて、テレビ番組の録画データを分割して遠隔視聴用データに変換する。このメタデータは、テレビ番組の内容の区切りの情報が含まれているので、その内容の区切り部分でデータを分割する。録画データ21は、複数の内容のデータを含んでおり、Xは、内容の区切り部分を示す。この区切り部は、メタデータ配信サーバ2から配信されたメタデータに基づくものである。したがって、データ変換部15においては、メタデータ配信サーバ2から取得したメタデータを参照して、メタデータに含まれる内容の区切りで録画データ21を分割する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置でテレビ番組やラジオ番組を遠隔視聴するための遠隔視聴システム及び遠隔視聴方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタルテレビ放送では、BS(Broadcasting Satellite)を用いたBSデジタルテレビ放送や、CS(Communication Satellite)を用いたCSデジタルテレビ放送が普及している。このようなデジタルテレビ放送のテレビ番組を録画再生機で録画する場合において、映像データ及び音声データとともに、放送経過時間とシーン内容を表すメタデータとを対応付けた内容データを1つの録画番組データとしてHDDに記憶(記録)することが開発されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−244404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近、携帯端末向けのデジタルテレビ放送、いわゆるワンセグ放送が開始され、放送型メディアから映像やデータが送信されるようになってきている。そして、このワンセグ放送対応の携帯端末が開発されてきている。このような携帯端末に上記特許文献1の技術を適用したとすると、携帯端末で録画した大容量の録画ファイルをメタデータに基づいて再生することになる。この場合、ユーザが視聴したいシーン以外は、早送りして、ユーザが視聴したいシーンを視聴するような態様となる。
【0004】
しかしながら、携帯端末でデジタルテレビ放送を視聴する環境は、せいぜい5分程度の乗り物の待ち時間などが多いため、上記のようにテレビ番組の最初から早送りして視聴したいシーンを探すのでは時間がかかりすぎるという問題がある。また、携帯端末においては、メモリ容量に限りがあるので、テレビ番組のデータすべてを保存して携帯端末上で視聴したいシーンを迅速に探すということも難しい。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、メモリの負担もなく、必要な時に必要なシーンのみを再生することができる遠隔視聴システム及び遠隔視聴方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遠隔視聴システムは、番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換するデータ変換手段、及び前記遠隔視聴用データを送信する送信手段を有するデータ変換装置と、前記遠隔視聴用データを受信する受信手段、及び前記遠隔視聴用データを再生する再生手段を有する携帯端末装置と、を具備することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、メタデータに基づいて番組の内容の区切りで録画・録音データを分割しており、しかも必要に応じて携帯端末に適したデータフォーマットに変換しているので、携帯端末において、メタデータに基づくインデックスで、目的とするシーン、すなわち視聴しようとするシーンをすぐに再生することができる。これにより、必要な時に必要なシーンのみを再生することができる。また、携帯端末においては、視聴するデータの容量が必要最小限になるから、メモリの負担も極めて少ない。
【0008】
本発明の遠隔視聴システムにおいては、前記データ変換装置に対してメタデータを配信するメタデータ配信サーバを具備することが好ましい。
【0009】
本発明の遠隔視聴システムにおいては、前記データ変換手段は、前記メタデータに基づいて分割した分割データの長さが前記携帯端末装置の最大再生時間を超えた場合に、前記分割データを前記最大再生時間でさらに分割することが好ましい。
【0010】
本発明の遠隔視聴システムにおいては、前記データ変換手段は、前記メタデータに基づいて分割した分割データの容量が前記携帯端末装置の最大再生容量を超えた場合に、前記分割データを前記最大再生容量でさらに分割することが好ましい。
【0011】
本発明の遠隔視聴システムにおいては、前記データ変換手段は、携帯端末装置の機種毎に異なる前記最大再生時間又は前記最大再生容量に基づいて前記分割データを予め分割する手段であり、前記送信手段は、前記携帯端末装置の機種に対応する遠隔視聴用データを当該携帯端末装置に送信する手段であることが好ましい。
【0012】
本発明のデータ変換装置は、番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換するデータ変換手段と、前記遠隔視聴用データを携帯端末装置へ送信する送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
本発明の遠隔視聴方法は、データ変換装置において、録画・録音された番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換する工程と、前記遠隔視聴用データを携帯端末装置に送信する工程と、前記携帯端末装置が前記遠隔視聴用データを受信しながら再生する工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
この方法によれば、メタデータに基づいて番組の内容の区切りで録画・録音データを分割しており、しかも必要に応じて携帯端末に適したデータフォーマットに変換しているので、携帯端末において、メタデータに基づくインデックスで、目的とするシーン、すなわち視聴しようとするシーンをすぐに再生することができる。これにより、必要な時に必要なシーンのみを再生することができる。また、携帯端末においては、視聴するデータの容量が必要最小限になることから、メモリの負担も極めて少ない。
【0015】
本発明の遠隔視聴方法においては、メタデータ配信サーバから前記番組に対応するメタデータを前記データ変換装置に配信する工程を具備することが好ましい。
【0016】
本発明の遠隔視聴方法においては、前記メタデータに基づいて分割した分割データの長さが前記携帯端末装置の最大再生時間を超えた場合に、前記分割データを前記最大再生時間でさらに分割する工程を具備することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遠隔視聴システムによれば、データ変換装置において、録画・録音された番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換し、前記遠隔視聴用データを携帯端末装置に送信し、前記携帯端末装置が前記遠隔視聴用データを受信して再生するので、メモリの負担も極めて少なく、必要な時に必要なシーンのみを再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、番組がテレビ番組である場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る遠隔視聴システムを説明するための概略構成を示す図である。図1に示すシステムは、テレビ放送のテレビ番組を録画する録画装置である自宅PC(パーソナルコンピュータ)1と、テレビ放送のテレビ番組のメタデータを配信するメタデータ配信サーバ2と、自宅PC1とインターネット3のようなネットワークを介して接続された携帯端末4とから主に構成されている。
【0019】
自宅PC1は、テレビ放送のテレビ番組を録画する録画装置であると共に、通常のパーソナルコンピュータの機能を備えている。なお、本実施の形態においては、録画装置が自宅PC1である場合について説明しているが、本発明においては、録画装置が、ハードディスクレコーダのように、テレビ放送のテレビ番組を録画する機能を有する装置であっても良い。
【0020】
メタデータ配信サーバ2は、テレビ番組のメタデータを録画装置などに配信するサーバである。ここで、メタデータとは、テレビ番組のデータを効率的に管理したり検索したりするために重要な情報であり、番組名、放送日、放送時間、番組の内容の区切りの情報を含む。なお、メタデータに含まれる情報はこれに限られず、放送局名(チャンネル名)や番組開始・終了日時、内容タイトル名、内容キーワード、内容概要などの情報を含むものとしてもよい。
【0021】
携帯端末4は、オペレーティングシステム(移動機OS)を有しており、移動機OS上でブラウザ機能、ビューワ機能、JAM(Java(登録商標) Application Manager)その他の機能が動作する。また、携帯端末4は、テレビ放送のテレビ番組を再生する再生手段を備えている。なお、この再生手段は、テレビ番組などの動画コンテンツを再生できれば特に制限されない。また、携帯端末4は、通常の電話機能及びメール機能を備えていてもよい。
【0022】
図2は、図1に示すシステムにおける録画装置であるPCの概略構成を示すブロック図である。なお、図2に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常のPCに搭載される構成要素は備えているものとする。
【0023】
PC1は、装置全体を制御する制御部11と、インターネット3を介してメタデータ配信サーバ2や携帯端末4との間で通信を行う通信制御部12と、テレビ放送のテレビ番組を録画する録画部13と、種々のデータや映像を表示する表示部14と、テレビ番組に対応するメタデータに基づいて、テレビ番組の録画データを分割して遠隔視聴用データに変換するデータ変換部15と、携帯端末4からの要求に応じて、各種の表示画面や遠隔視聴用データなどを携帯端末4へ送信するWebサーバ部16と、メタデータを格納するメタデータファイル17と、録画データを格納する録画ファイル18と、データ変換部15で得られた遠隔視聴用データを格納する遠隔視聴用ファイル19とから主に構成されている。
【0024】
通信制御部12は、インターネット3を介してメタデータ配信サーバ2からのメタデータを受信する。また、通信制御部12は、インターネット3を介して遠隔視聴用データを携帯端末4に対して送信する。
【0025】
録画部13は、図示しないテレビチューナを内蔵し、このテレビチューナで受信したテレビ放送のテレビ番組データを録画する。録画された録画データは、録画ファイル18に格納される。また、メタデータ配信サーバ2からのメタデータは、メタデータファイル17に格納される。
【0026】
データ変換部15は、テレビ番組に対応するメタデータに基づいて、テレビ番組の録画データを分割して遠隔視聴用データに変換する。このメタデータは、テレビ番組の内容の区切りの情報が含まれているので、その内容の区切り部分でデータ(録画部13で録画した録画データ、すなわちコンテンツデータ)を分割する。
【0027】
ここで、図3を用いて、具体的に録画データを分割する場合について説明する。録画データ21は、複数の内容のデータを含んでおり、図3におけるXは、内容の区切り部分を示す。この区切り部は、メタデータ配信サーバ2から配信されたメタデータに基づくものである。したがって、データ変換部15においては、メタデータ配信サーバ2から取得したメタデータを参照して、メタデータに含まれる内容の区切りで録画データ21を分割する。すなわち、録画データ21は、図3に示すように、テレビ番組の内容の長さに応じて、必ずしも同じでない長さのデータに分割される。
【0028】
データ変換部15においては、録画データ21を分割した分割データに対してインデックスを付与する。このインデックスは、メタデータの情報に基づいて作成することができる。このため、例えば、図3に示すように、各分割データ21a〜21f…には、それぞれインデックス22が付与される。図3の例においては、分割データ21aには「オープニング」のインデックスが付与され、分割データ21bには「車のCM」のインデックスが付与され、分割データ21cには「本日のトピックス」のインデックスが付与され、分割データ21dには「本日のニュース」のインデックスが付与され、分割データ21eには「天気予報」のインデックスが付与され、分割データ21fには「パソコンのCM」のインデックスが付与される。
【0029】
上記のように、メタデータに基づいて内容単位で録画データを分割しても、その分割データの長さが携帯端末4の最大再生時間を超える場合あるいはその分割データの容量が携帯端末4の最大再生容量を超える場合もある。このような場合には、分割データの長さを最大再生時間あるいは分割データの容量を最大再生容量でさらに分割することが好ましい。例えば、図3において、分割データ23が携帯端末4の最大再生時間あるいは最大再生容量を超える長さを有するときには、分割データ23を最大再生時間で再分割する。この場合においては、再分割されたデータには、時系列で通し番号を付与することが好ましい。図3においては、分割データ23を再分割して、時系列に再分割データ23−1,23−2,23−3と付与する。なお、図3におけるYは、最大再生時間で再分割する際の分割区切りを示し、内容の区切り部分Xではない。
【0030】
また、データ変換部15は、データ形式の変換、例えばMPEG(Moving Picture Expert Group)2からMPEG4への符号化規格のフェーズ変換なども行う。このように、テレビ放送などのアプリケーションで使用されるMEPG2データを移動体通信などのアプリケーションで使用されるMPEG4データに変換することにより圧縮率を高くすると共にデータ容量を小さくし、携帯端末4への送信に適したデータ形式とすることができる。このように、必要に応じてデータ形式の変換がなされ、メタデータに基づいて分割あるいは再分割されたデータが遠隔視聴用データとして、遠隔視聴用ファイル19に格納される。
【0031】
Webサーバ部16は、携帯端末4からの要求に応じて、各種の表示画面や遠隔視聴用ファイル19に格納された遠隔視聴用データなどをインターネット3を経由して携帯端末4へ送信する。
【0032】
なお、携帯端末4毎に最大再生時間又は前記最大再生容量が異なるので、本発明の遠隔視聴システムにおいては、データ変換部15が、携帯端末4の機種毎に異なる最大再生時間又は最大再生容量に基づいて分割データを予め分割し、携帯端末4の機種に対応する遠隔視聴用データを携帯端末4に送信するように構成しても良い。
【0033】
図4は、図1に示すシステムにおける携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。図4に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常の携帯端末に搭載される構成要素は備えているものとする。
【0034】
携帯端末4は、装置全体を制御する制御部41と、インターネット3を介してPC1との間で通信を行う通信制御部42と、種々のデータや映像を表示する表示部43と、PC1からの遠隔視聴用データを再生する再生部44と、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた種々のアプリケーションを起動するアプリ制御部45とから主に構成されている。
【0035】
通信制御部42は、インターネット3を介してPC1からの遠隔視聴用データを受信する。また、通信制御部42は、移動通信網を介して他の携帯端末との間で通話やメール送受信を行う。
【0036】
アプリ制御部45は、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた遠隔視聴アプリケーションを起動させる。遠隔視聴アプリケーションは、録画装置からの遠隔視聴用データを、通信制御部42を介して受信して、表示部43及び再生部44を用いて再生を行うアプリケーションである。なお、こうした遠隔視聴アプリケーションの機能は、通常のブラウザ機能とビューワ機能とを用いて実現することもできる。
【0037】
上記構成を有する遠隔視聴システムでは、メタデータに基づいてテレビ番組の内容の区切りで録画データを分割しており、しかも必要に応じて携帯端末に適したデータフォーマットに変換しているので、携帯端末において、メタデータに基づくインデックスで、目的とするシーン、すなわち視聴しようとするシーンをすぐに再生することができる。これにより、必要な時に必要なシーンのみを再生することができる。また、携帯端末においては、ストリーミングで視聴することができるので、視聴するデータを格納する必要がなく、メモリの負担もない。
【0038】
次に、本発明の実施の形態に係る遠隔視聴方法について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る遠隔視聴方法を説明するためのフロー図である。
【0039】
本発明の遠隔視聴方法においては、録画装置において、録画されたテレビ番組の録画データを、前記テレビ番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換し、前記遠隔視聴用データを携帯端末装置に送信し、前記携帯端末装置が前記遠隔視聴用データを受信しながら再生する。
【0040】
ここで、図6に示すメタデータを用いて録画データを分割する場合について説明する。PC1でテレビ番組を録画部13で録画すると、録画データが録画ファイル18に格納される。この録画データの番組にメタデータがあるかどうかを判断する(ST11)。録画されたテレビ番組のデータの識別情報(例えば、ファイル名やヘッダ情報)を参照することにより、メタデータの有無を判断する。そして、録画したテレビ番組にメタデータがあれば、PC1はメタデータ配信サーバ2に録画した番組のメタデータを取得する旨の要求を行い、メタデータ配信サーバ2からメタデータを取得する(ST12)。このメタデータは、図6に示すように、番組名、放送日、放送時間、及び内容の区切りを含む。このメタデータファイル17に格納される。
【0041】
次いで、データ変換部15は、録画ファイル18に格納された録画データをメタデータの内容の区切りに基づいて分割する(ST13)。なお、ここでは、携帯端末4の最大再生時間を12分とする。図6に示すように、メタデータでの内容は、「オープニング」(10分)、「ニュース」(30分)、「天気予報」(10分)、「エンディング」(最後まで)となっている。
【0042】
まず、上記メタデータに基づくと、最初の区切り(1,0)はオープニング7:00となる。そして、2番目の区切り(2,0)はニュース7:10となる。この両区切り(1,0)、(2,0)間の長さが分割データの長さとなる。すなわち、この分割データ(オープニング)の長さは7:10−7:00で10分である。この長さについて、再分割が必要かどうか、すなわち予め設定した最大再生時間(12分)を超えたかどうかを判断する(ST14)。この場合は、分割データの長さが最大再生時間を超えていないので、分割が終了したかどうか、すなわちメタデータに基づいて分割が必要かどうかを判断する(ST16)。ここでは、メタデータに他の内容があるので、分割が必要であると判断して、上記と同様の分割処理を行う(ST13)。
【0043】
次いで、上記メタデータに基づくと、3番目の区切り(3,0)は天気予報7:40となる。2番目の区切り(2,0)と3番目の区切り(3,0)間の長さが分割データの長さとなる。すなわち、この分割データ(ニュース)の長さは7:40−7:10で30分である。この長さについて、再分割が必要かどうか、すなわち予め設定した最大再生時間(12分)を超えたかどうかを判断する(ST14)。この場合は、分割データの長さが最大再生時間を超えているので、分割データを再分割して再分割データとする(ST15)。この再分割は最大再生時間(12分)で行う。したがって、7:10+0:12=7:22が2番目の区切りの後の区切り(2,1)となる。そして、メタデータに基づいて分割が必要かどうかを判断し(ST16)、メタデータに他の内容があるので、分割が必要であると判断して、上記と同様の分割処理を行う(ST13)。
【0044】
次いで、前記区切り(2,1)と3番目の区切り(3,0)間の長さが分割データの長さは7:40−7:22で18分である。この長さについて、さらに再分割が必要かどうか、すなわち予め設定した最大再生時間(12分)を超えたかどうかを判断する(ST14)。この場合は、分割データの長さが最大再生時間を超えているので、分割データを再分割して再分割データとする(ST15)。この再分割は最大再生時間(12分)で行う。したがって、7:22+0:12=7:34が次の区切り(2,2)となる。そして、メタデータに基づいて分割が必要かどうかを判断し(ST16)、メタデータに他の内容があるので、分割が必要であると判断して、上記と同様の分割処理を行う(ST13)。
【0045】
次いで、上記メタデータに基づくと、3番目の区切り(3,0)は天気予報7:40となる。そして、その前の区切り(2,2)はニュース2 7:34となる。この両区切り(2,2)、(3,0)間の長さが分割データの長さとなる。すなわち、この分割データ(ニュース2)の長さは7:40−7:34で6分である。この長さについて、再分割が必要かどうか、すなわち予め設定した最大再生時間(12分)を超えたかどうかを判断する(ST14)。この場合は、分割データの長さが最大再生時間を超えていないので、分割が終了したかどうか、すなわちメタデータに基づいて分割が必要かどうかを判断する(ST16)。ここでは、メタデータに他の内容があるので、分割が必要であると判断して、上記と同様の分割処理を行う(ST13)。
【0046】
次いで、上記メタデータに基づくと、4番目の区切り(4,0)はエンディング7:50となる。そして、その前の区切り(3,0)は天気予報7:40となる。この両区切り(3,0)、(4,0)間の長さが分割データの長さとなる。すなわち、この分割データ(天気予報)の長さは7:50−7:40で10分である。この長さについて、再分割が必要かどうか、すなわち予め設定した最大再生時間(12分)を超えたかどうかを判断する(ST14)。この場合は、分割データの長さが最大再生時間を超えていないので、分割が終了したかどうか、すなわちメタデータに基づいて分割が必要かどうかを判断する(ST16)。ここでは、メタデータに他の内容がないので、分割を終了する。
【0047】
なお、実際には、録画データの録画開始時刻とメタデータの番組開始時刻とは異なるので、両者の差分をオフセット時間として、区切り時間を求めることが好ましい。
【0048】
このようにして分割された分割データ、再分割データは、遠隔視聴用データとして遠隔視聴用ファイル19に格納される。携帯端末4において、アプリ制御部45で遠隔視聴アプリケーションを起動させると、PC1のWebサーバ部16によりPC1で録画したテレビ番組のリストが携帯端末4へ送信され、携帯端末4の表示部43に表示される。そして、特定のテレビ番組を選択すると、同様に、図7(a)に示すように、最大再生時間内の遠隔視聴用データのインデックスが表示される。図7(a)に示す画面では、シーン検索を行うことができ、シーン検索をクリックすると、図7(b)に示すような画面が表示され、シーン検索を行うことができる。なお、この遠隔視聴用データは、上述したようにしてメタデータに基づいて内容毎に分割されたデータである。
【0049】
そして、ユーザが視聴したいインデックスを選択すると、図7(c)に示すように、選択されたインデックスに対応するシーンリストが表示される。ここで、シーンリストをクリックすると、図7(d)に示すように、メタデータによる内容のテキスト表示がなされる。そして、ダウンロードあるいはストリーミングのマークをクリックすると、図7(e)に示すように、PC1のWebサーバ部16により遠隔視聴用データが送信される(ST17)。携帯端末4では、通信制御部42で遠隔視聴用データを受信し、表示部43及び再生部44で遠隔視聴用データを視聴する(ST18)。
【0050】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態においては、番組がテレビ番組であり、テレビ番組を録画装置で録画し、録画データを遠隔視聴用データに分割して、携帯端末で遠隔視聴データをストリーミングする場合について説明しているが、本発明においては、番組がラジオ番組であり、ラジオ番組を録音装置で録音し、録音データを遠隔視聴用データに分割して、携帯端末で遠隔視聴データをストリーミングするようにしても良く、録画・録音データとしては各種の動画コンテンツが含まれる。また、上記実施の形態における数値や番組内容、画面イメージについては、特に限定されず、適宜変更することができる。また、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、処理部や処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る遠隔視聴システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すシステムにおける録画装置であるPCの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る遠隔視聴システムにおけるデータ分割を説明するための図である。
【図4】図1に示すシステムにおける携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る遠隔視聴方法を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る遠隔視聴システムにおけるデータ分割の例を説明するための図である。
【図7】(a)〜(e)は、本発明の実施の形態に係る遠隔視聴システムにおける携帯端末での画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 自宅PC
2 メタデータ配信サーバ
3 インターネット
4 携帯端末
11,41 制御部
12,42 通信制御部
13 録画部
14,43 表示部
15 データ変換部
16 Webサーバ部
17 メタデータファイル
18 録画ファイル
19 遠隔視聴用ファイル
21 録画データ
21a,21b,21c,21d,21e,21f,23 分割データ
23−1,23−2,23−3 再分割データ
44 再生部
45 アプリ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換するデータ変換手段、及び前記遠隔視聴用データを送信する送信手段を有するデータ変換装置と、前記遠隔視聴用データを受信する受信手段、及び前記遠隔視聴用データを再生する再生手段を有する携帯端末装置と、を具備することを特徴とする遠隔視聴システム。
【請求項2】
前記データ変換装置に対してメタデータを配信するメタデータ配信サーバを具備することを特徴とする請求項1記載の遠隔視聴システム。
【請求項3】
前記データ変換手段は、前記メタデータに基づいて分割した分割データの長さが前記携帯端末装置の最大再生時間を超えた場合に、前記分割データを前記最大再生時間でさらに分割することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遠隔視聴システム。
【請求項4】
前記データ変換手段は、前記メタデータに基づいて分割した分割データの容量が前記携帯端末装置の最大再生容量を超えた場合に、前記分割データを前記最大再生容量でさらに分割することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遠隔視聴システム。
【請求項5】
前記データ変換手段は、携帯端末装置の機種毎に異なる前記最大再生時間又は前記最大再生容量に基づいて前記分割データを予め分割する手段であり、前記送信手段は、前記携帯端末装置の機種に対応する遠隔視聴用データを当該携帯端末装置に送信する手段であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の遠隔視聴システム。
【請求項6】
番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換するデータ変換手段と、前記遠隔視聴用データを携帯端末装置へ送信する送信手段と、を具備することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項7】
データ変換装置において、録画・録音された番組の録画・録音データを、前記番組に対応するメタデータに基づいて分割して遠隔視聴用データに変換する工程と、前記遠隔視聴用データを携帯端末装置に送信する工程と、前記携帯端末装置が前記遠隔視聴用データを受信しながら再生する工程と、を具備することを特徴とする遠隔視聴方法。
【請求項8】
メタデータ配信サーバから前記番組に対応するメタデータを前記データ変換装置に配信する工程を具備することを特徴とする請求項7記載の遠隔視聴方法。
【請求項9】
前記メタデータに基づいて分割した分割データの長さが前記携帯端末装置の最大再生時間を超えた場合に、前記分割データを前記最大再生時間でさらに分割する工程を具備することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の遠隔視聴方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−244656(P2008−244656A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80015(P2007−80015)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(398067904)株式会社ビーマップ (5)
【Fターム(参考)】