説明

部品内蔵モジュール、カメラモジュールおよび電子機器

【課題】内蔵電子部品から発生する熱の能動電子部品や他の内蔵電子部品への熱伝導をより緩やかに抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の過剰な動作温度の上昇および不均一性を抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の性能を向上させる。
【解決手段】発熱する内蔵電子部品10Aを、配線層4とは別に分離した同層の配線層4A上に搭載し、内蔵電子部品10Aからの発熱を、配線層4Aから層間接続部6を介してその下の配線層5の配線パターンなどに熱伝導させ、その熱は、配線層5の配線パターンから能動電子部品12側に熱伝導すると共に、配線層5から多層基板11を通して多層基板11の外部に熱伝導して熱が外部にも取り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を内蔵した部品内蔵モジュール、例えば、被写体からの画像光を光電変換して撮像する固体撮像素子を用いたカメラモジュールおよび、このカメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子機器および、この部品内蔵モジュールを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の部品内蔵モジュールとして、例えばデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話装置などに用いられるカメラモジュールにおいて、小型で色再現性が高いモジュールが求められている。
【0003】
各種電子部品を内蔵した従来のカメラモジュールの一例を特許文献1に示している。
【0004】
図8(a)は、特許文献1に開示されている従来の部品内蔵モジュールの概略断面図、図8(b)は、特許文献1に開示されている従来のカメラモジュールの概略断面説明図である。
【0005】
図8(a)および図8(b)に示すように、従来の部品内蔵モジュール100(またはカメラモジュール100A)において、多層基板P1は、基板面積を小さくするため、2層以上の層構成のものが使用されている。この多層基板P1は、層間接続部101により導体パッド102が複数積み重ねられ、これらが絶縁材103により絶縁されている。
【0006】
この多層基板P1の下側に抵抗104やコンデンサ105などの内蔵電子部品を配置する。これらの抵抗104やコンデンサ105が搭載されている面側より、絶縁材106とその上に銅箔107を順に積み重ね、加熱による積層プレスにより圧着して部品内蔵型多層基板を得ることができる。
【0007】
絶縁材106では、チップ部品の厚み方向の高さを考慮し、予めチップ部品の搭載位置に貫通穴を形成することがよい。これは、絶縁材106を積層した際にチップ部品の高さが表層位置まで追従し、多層基板全体の表層部に凹凸不具合の発生を抑制するためであり、貫通穴を設けることにより貫通穴がチップ部品の収納部となり、積層終了後には表層の銅箔107に凹凸不具合を発生させることなく、平坦性がよい多層基板を得ることができる。
【0008】
図8(a)に示す従来の部品内蔵モジュール100では、端面スルーホール108上および導体パッド102上にはんだボールなどの材料を使用して、LSIなどの能動電子部品109をはんだ接続部110により接続する。
【0009】
図8(b)に示す従来のカメラモジュール100Aでは、端面スルーホール108上および導体パッド102上にはんだボールなどの材料を使用して、画像を撮像する撮像領域111が中央に設けられた撮像素子チップ112を表面からはんだ接続部110により接続する。このように、撮像素子チップ112として、CCD(ChargeCoupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像部品をはんだ接続部110によりはんだ接続し、撮像領域111に対向する上方位置にレンズ113が設けられるように、レンズ113を固定したレンズ枠114を多層基板P1の上方に取り付けている。
【0010】
部品内蔵モジュール100およびカメラモジュール100Aの裏面側の導体パッド102aの面にそれぞれ、はんだボールなどによりはんだ接続部115が使用され、従来の部品内蔵モジュール100およびカメラモジュール100Aがフレキシブルシート116上に電気的に接続して搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−165460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記従来の構成では、発熱する内蔵電子部品が、能動電子部品としてのセンサなどの撮像部品に対して配線長など近距離に配置、接続されている場合に、内蔵電子部品から発生する熱がセンサなどの撮像部品により熱伝導しやすい構造になっていれば、センサなどの撮像部品の動作温度が過剰に上昇すると共に、撮像エリア内での動作温度の不均一が発生する。このように、センサなどの撮像部品の動作温度が高くなると、暗電流が増大して雑音が大きくなり、また、撮像エリア内の温度不均一が大きくなると、補正の誤差が大きくなって撮像画像の色再現性が悪くなるという問題を有している。
【0013】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、内蔵電子部品から発生する熱の能動電子部品や他の内蔵電子部品への熱伝導をより緩やかに抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の過剰な動作温度の上昇および不均一性を抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の性能を向上させることができる部品内蔵モジュール、能動電子部品としての例えば撮像素子への熱伝導を抑えて、撮像素子の過剰な動作温度の上昇を抑え、小型で色再現性を高くすることができるカメラモジュール、このカメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話装置などの電子機器および、この部品内蔵モジュールを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の部品内蔵モジュールは、能動電子部品が最上配線層に搭載されると共に、上下の配線層間の配線が層間接続部により接続された多層配線構造と、該多層配線構造の周囲を覆い、該多層配線構造の最下配線層の配線に接続される裏面配線に接続端子が設けられた多層基板と、該多層基板内に内蔵される発熱性の内蔵電子部品とを有する部品内蔵モジュールであって、該発熱性の内蔵電子部品が接続される配線層において、該発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、該能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
また、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける多層配線構造の各配線層と、前記発熱性の内蔵電子部品が接続された配線層から前記接続端子がある方向の配線層とにおいて、該発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、前記能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されている。
【0016】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、前記能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとは、前記多層配線構造の各配線層のうち、前記多層基板に最も近い最下配線層にのみ電気的に接続されている。
【0017】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、前記能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとは、前記多層基板の裏面配線において、電気的に独立に分離されているかまたは、共通に電気的に接続されている。
【0018】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品が配置される層において、発熱性の内蔵電子部品に接続される配線層は同層の配線層とは分離して配設されている。即ち、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品が配置層は、前記発熱性の内蔵電子部品が接続される第一の配線層と、前記発熱性の内蔵電子部品に接続されない第二の配線層とから成っている。
【0019】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品が接続される配線層は、前記多層配線構造の配線層のいずれかである。
【0020】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品が配置される層の直下の層において、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインを含む配線層は、同層の配線層と分離して配設されている。即ち、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品が接続される配線層の直下の配線層は、前記発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインを含む第一の配線層と、前記発熱性の内蔵電子部品の電源ラインと接地ラインを含まない第二の配線層とから成っている。
【0021】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品は、前記接続端子がある方向の配線層にのみ電気的に接続されている。
【0022】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける発熱性の内蔵電子部品の真上以外の領域に、前記多層配線構造の各配線層が配設されている。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける能動電子部品は、対象物を撮像する撮像素子である。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける能動電子部品は、対象物に対して光を照射する発光素子および/または、該対象物からの光を受光する受光素子である。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明の部品内蔵モジュールにおける能動電子部品はLSIチップである。
【0026】
本発明のカメラモジュールは、本発明の上記部品内蔵モジュールと、前記対象物と前記能動電子部品の間に配置されるレンズと、該レンズの該能動電子部品に対する位置を変位自在に構成するレンズ位置変位手段と、該レンズ位置変位手段を駆動して該レンズの位置を制御する前記発熱性の内蔵電子部品としてのドライバーとを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0027】
また、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける部品内蔵モジュールにおいて、前記発熱性の内蔵電子部品の接地ラインと、前記能動電子部品の接地ラインとのうちの少なくともいずれかは外壁を構成する金属製フレームに電気的に接続されている。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるレンズ位置変位手段は電磁石とボイスコイルを有し、該ボイスコイルに直列に抵抗手段が接続されている。
【0029】
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける抵抗手段は前記多層基板の表面側に搭載されている。
【0030】
本発明の電子機器は、本発明の上記部品内蔵モジュールを搭載したものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
本発明の電子機器は、本発明の上記カメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0032】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0033】
本発明の部品内蔵モジュールにおいては、発熱性の内蔵電子部品が搭載される配線層と、これと同層の多層配線構造の配線層において、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されている。また、多層配線構造の各配線層と、発熱性の内蔵電子部品が搭載された配線層から裏面の接続端子がある方向の配線層とにおいて、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されている。
【0034】
また、本発明のカメラモジュールにおいては、本発明の上記部品内蔵モジュールと、前記対象物と前記能動電子部品の間に配置されるレンズと、該レンズの該能動電子部品に対する位置を変位自在に構成するレンズ位置変位手段と、該レンズ位置変位手段を駆動して該レンズの位置を制御する前記発熱性の内蔵電子部品としてのドライバとを有している。
【0035】
このように、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されているので、内蔵電子部品から発生する熱の能動電子部品や他の内蔵電子部品への熱伝導をより緩やかに抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の過剰な動作温度の上昇および不均一性を抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の性能を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0036】
以上により、本発明によれば、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されているため、内蔵電子部品から発生する熱の能動電子部品や他の内蔵電子部品への熱伝導をより緩やかに抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の過剰な動作温度の上昇および不均一性を抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態1における部品内蔵モジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態2における部品内蔵モジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態3におけるカメラモジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施形態4におけるカメラモジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施形態5におけるカメラモジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【図6】図5のカメラモジュールにおけるドライバーのコイル接続部の構成例を示す回路図である。
【図7】本発明の実施形態6として、本発明の実施形態3〜5のカメラモジュールのいずれかを撮像部に用いた電子機器の概略構成例を示すブロック図である。
【図8】(a)は、特許文献1に開示されている従来の部品内蔵モジュールの概略断面図、(b)は、特許文献1に開示されている従来のカメラモジュールの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明の部品内蔵モジュールの実施形態1、2、この本発明の部品内蔵モジュールの実施形態1、2のいずれかをカメラモジュールに適用した場合の実施形態3〜5、これらのカメラモジュールの実施形態3〜5のいずれかを画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子機器および、この部品内蔵モジュールの実施形態1、2のいずれかを用いた電子機器の実施形態6について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。
【0039】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における部品内蔵モジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【0040】
図1において、本実施形態1の部品内蔵モジュール30Aは、サイズの小型化が進み、配線密度の向上と回路配線の引き回しの観点から配線効率の向上のために、配線層1〜5の各間に層間接続部6が介在された5層構成(5層構成に限らず複数層構成)である。この部品内蔵モジュール30Aは、配線層2,4および5にそれぞれ搭載された各内蔵電子部品7〜9および、配線層4と同層でこれとは分離した配線層4Aに搭載された発熱性の内蔵電子部品10Aと、配線層1上の一部(後述する能動電子部品12以外の部分を覆っている)、5層構成の側面部および底面を覆う多層基板11と、配線層1上の中央位置に搭載された能動電子部品12とを有している。
【0041】
配線層1〜5は、配線層1〜5のそれぞれの間に導電材の層間接続部6が介在して各層を支持して構成している。配線層1〜5のそれぞれの間は、導電材の層間接続部6以外は絶縁層(樹脂層または空気層など)が介在して絶縁している。内蔵電子部品10Aは、能動電子部品12の直下に位置しているものの、配線層4とは別に分離された配線層4A上に搭載されており、配線層4Aは層間接続部6を介してその直下の配線層5に電気的かつ熱的に接続されている。これによって、部品内蔵モジュール30Aは、内蔵電子部品10Aからの発熱が配線パターンや他の導電性材料を通して、配線層4Aから層間接続部6を介して配線層5に熱伝導すると共に、さらに、配線層5から多層基板11の外側の配線パターンおよびはんだボール11aに熱伝導するように構成している。
【0042】
層間接続部6は、導電材で構成されると共に、直上の配線層を支持しかつ電気的に上下の配線層を接続している。
【0043】
内蔵電子部品7〜9は、発熱しない部品として、コンデンサなどの各種素子がある。また、内蔵電子部品10Aは、発熱する部品として、ドライバーやレギュレータ、さらにはLSIチップ、抵抗素子などの発熱素子がある。このドライバーとしては、例えばオートフォーカス用にボイスコイルを駆動するためのドライバーなどがある。レギュレータとしては、例えば、能動電子部品12がこのモジュール外の他の部品と異なる電圧を用いる場合などにモジュール内部にレギュレータを用いる。ここでは、内蔵電子部品10Aは1個しか示していないが、ドライバーおよびレギュレータなど複数個用いる場合もある。
【0044】
多層基板11は、能動電子部品12を上面に搭載し、はんだ材料を使用して複数のはんだボール11aを裏面に有している。はんだボール11aは、能動電子部品12や内蔵電子部品7〜9および10Aと配線層1〜5およびその間の各層間接続部6を介して電気的に接続されている。
【0045】
能動電子部品12は、各種のLSIチップや、発光素子としてのレーザ素子およびLED(Light Emitting Diode)、また受光素子としてのフォトダイオード、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光素子が面状に配列された撮像素子などである。特に、撮像素子は多数の信号電荷を生成して画像処理するために熱による画像への影響が大きい。
【0046】
内蔵電子部品10Aが搭載されている配線層4Aと、これと同層の配線層4において、能動電子部品12の電源ラインおよびGNDラインと、多層基板11の内部に配置された内蔵電子部品10Aの電源ラインおよびGNDラインとは、配線パターンが分離されて各々が電気的に独立配線となっている。ここでは、配線層4Aと配線層4が同層で別々に分離されている。
【0047】
内蔵電子部品10Aは、天面により近い配線層3に設けるのではなく、底面により近い配線層4と同層の配線層4Aに設けられ、配線層4Aでは内蔵電子部品10Aに接続される配線と、能動電子部品12につながる配線とは、同層で互いに接続しない構造とすることにより、内蔵電子部品10Bから発生する熱が能動電子部品12に伝導することをより抑えている。
【0048】
上記構成により、内蔵電子部品10Aから発生する熱は、下方向に内蔵電子部品10Aの端子から、配線層4Aさらに層間接続部6を介して配線層5から多層基板11に順次熱伝導されると共に、配線層5の配線パターンから配線層4〜1の各配線パターンおよびその間の各層間接続部6を介して順次熱伝導されて能動電子部品12側に熱伝導する。
【0049】
一方、多層基板11の裏面に伝わった熱は、はんだボール11aを通じて多層基板11の外部に一旦取り出された後に外気で冷やされる。その熱は多層基板11の内部に再び入って、配線層5〜1の各配線パターンおよびその間の各層間接続部6を介して順次熱伝導される。さらに、最も上の配線層1に熱伝導された熱は、能動電子部品12に伝えられることになる。
【0050】
したがって、本実施形態1によれば、発熱する内蔵電子部品10Aを、配線層4とは別に分離した同層の配線層4A上に搭載し、内蔵電子部品10Aからの発熱を、配線層4Aから層間接続部6を介してその下の配線層5の配線パターンなどに熱伝導させ、その熱は、配線層5の配線パターンから能動電子部品12側に熱伝導すると共に、配線層5からはんだボール11aを通して多層基板11の外部に熱伝導して熱が外部にも取り出される。このように、内蔵電子部品10Aからの熱は、多層基板11の外部にも一旦取り出された後に、遠回りして配線層5〜1に順次熱伝導して能動電子部品12にも伝えられる。これによって、内蔵電子部品10Aから能動電子部品12への熱伝導を下方向に遠回りさせてより緩やかに抑えることができて、能動電子部品12の過剰な動作温度の上昇および温度の不均一性を抑えることができ、能動電子部品12の誤動作を抑えてその性能を向上させることができる。このため、特に動作温度上昇が問題となる撮像素子などの半導体部品に適している。
【0051】
要するに、内蔵電子部品10Aは、能動電子部品12が設置される面とは反対側の方向にある面に遠回りして電気的に接続されるため、内蔵電子部品10Aから発生する熱が能動電子部品12へ熱伝導する割合を抑えることができる。
【0052】
能動電子部品12と内蔵電子部品10Aの電源ラインおよびGNDラインは多層基板11の底面に最も近い配線層5でのみ電気的に接続されているため、内蔵電子部品10Aで発生する熱は、内蔵電子部品10Aが搭載されている配線層4Aから配線層5に下方向に1層だけ遠回りして、能動電子部品12へ熱伝導する割合を抑えることができる。さらには配線層5を経由するために、はんだ11aを通じて外部へ放熱しやすくなり、温度の上昇を抑えることができる。本構造では、多層基板11の電源端子およびGND端子を、能動電子部品12と内蔵電子部品10Aで共通化することができ、特に、端子数が制限されるモジュールに適している。
(実施形態2)
上記実施形態1では、発熱する内蔵電子部品10Aを配線層4とは別に分離した同層の配線層4A上に搭載し、内蔵電子部品10Aからの発熱を、その直下の配線層5を通して遠回りさせて配線層4〜1に順次熱伝導させると共に、配線層5から多層基板11を通して遠回りさせて、多層基板11から配線層5〜1に順次熱伝導させて能動電子部品12に熱が伝わるように構成したが、本実施形態2では、これに加えて、発熱する内蔵電子部品10Bを能動電子部品12の直下から外して横に配置すると共に、内蔵電子部品10Bが搭載される配線層4Bを配線層4とは別に分離しかつその下の配線層5Bも配線層5とは別に分離した場合について説明する。
【0053】
図2は、本発明の実施形態2における部品内蔵モジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【0054】
図2において、本実施形態2の部品内蔵モジュール30Bは、サイズの小型化が進み、配線密度の向上と回路配線の引き回しの観点から配線効率の向上のために、配線層1〜5の各間に導電材の層間接続部6がそれぞれ介在された5層構成(5層構成に限らず複数層構成)になっている。この部品内蔵モジュール30Bは、配線層3〜5にそれぞれ搭載された各内蔵電子部品7〜9および、配線層4と同層でこれとは分離した配線層4Bに搭載された発熱性の内蔵電子部品10Bと、配線層1上の一部(後述する能動電子部品12以外の部分を覆っている)、5層構成の側面部および底面を覆う多層基板11と、配線層1上の中央位置に搭載された能動電子部品12とを有している。
【0055】
配線層1〜5は、配線層1〜5のそれぞれの間に導電性の層間接続部6が介在して各層を支持して構成されている。配線層1〜5のそれぞれの間は、導電材の層間接続部6以外は絶縁層(樹脂層または空気層など)で絶縁されている。
【0056】
部品内蔵モジュール30B自体のサイズを大きくせずに、発熱する内蔵電子部品10Bを、発熱の影響を受け易い能動電子部品12の下方位置から外して配線層1〜5とは別に横に配置する。発熱する内蔵電子部品10Bの上方は、配線層1〜3が全くなく絶縁空間(樹脂層または空気層など)になっており、上方へは断熱性が高くなっている。発熱する内蔵電子部品10Bの端子の位置は、発熱の影響を受け易い能動電子部品12から離れる方向(下方向)に熱が遠回りして伝わるように下方向(裏面)に設けてられている。
【0057】
内蔵電子部品10Aは、配線層4とは別に分離した同層の配線層4B上に搭載されており、配線層4Bは層間接続部6を介してその直下の配線層5Bに電気的かつ熱的に接続されている。この配線層5Bも、最も下の同層の配線層5とは別に分離されている。
【0058】
内蔵電子部品10Bからの発熱は、配線パターンや導電性材料などを通して、配線層4Bから層間接続部6を介して配線層5Bに熱伝導されると共に、配線層5Bからはんだボール11aを介して多層基板11の外側に熱伝導する。したがって、熱の影響を受け易い能動電子部品12に対して、発熱する内蔵電子部品10Bの裏面の端子からの熱は、配線層4Bさらに配線層5Bからはんだボール11aを介して多層基板11の外部に一旦熱伝導される。
【0059】
このように、内蔵電子部品10Bからの発熱は多層基板11の外側に配線パターンを介して一旦出た後に、多層基板11の内側に再び入って配線層5〜1の各配線パターンを介して能動電子部品12に伝わるようになっている。要するに、内蔵電子部品10Bと能動電子部品12は、配線パターンとして例えば電源ラインや接地ラインはそれぞれが共通に繋がっている場合が殆どであるが、能動電子部品12の下方の配線層4、5と、発熱する内蔵電子部品10Bが搭載される配線層4B、5Bとは、電源ラインおよび接地ラインのそれぞれが別に、発熱する側(内蔵電子部品10B)のラインと、熱の影響を受けるもの(能動電子部品12)のラインとが完全に分離(パターン分離だけではなく配線層自体が分離)されている。したがって、電源ラインや接地ラインは、多層基板11の外側で共通化(接続端子が共通化可能)されていても、発熱を一旦多層基板11の外側に取り出せば、その発熱温度は低下するし、接地ラインが例えば金属製筐体側で共通化されていても、その熱が金属製筐体に伝導されることにより、かなりの発熱温度の低下が見込める。
【0060】
層間接続部6は、導電材で構成されると共に、直上の配線層を支持しかつ電気的に上下の配線層を接続している。
【0061】
内蔵電子部品7〜9は、発熱しない電子部品として、コンデンサなどの各種素子がある。また、内蔵電子部品10Bは、発熱する電子部品として、ドライバーやレギュレータ、さらにはLSIチップ、抵抗素子などの発熱素子がある。このドライバーとしては、例えばオートフォーカス用にボイスコイルを駆動するためのドライバーなどがある。レギュレータとしては、例えば、能動電子部品12がこのモジュール外の他の電子部品と異なる電源電圧を用いる場合などにモジュール内部にレギュレータを用いる場合がある。ここでは、内蔵電子部品10Bは1個しか示していないが、ドライバーおよびレギュレータなど複数個の発熱性の内蔵電子部品を用いる場合もある。
【0062】
多層基板11は、能動電子部品12を上面に搭載し、はんだ材料を使用して複数のはんだボール11aを裏面に有している。複数のはんだボール11aは、能動電子部品12や内蔵電子部品7〜9および10Aと配線層1〜5およびその間の各層間接続部6を介して電気的に接続されている。
【0063】
能動電子部品12は、各種のLSIや、発光素子および受光素子、被写体からの画像光を光電変換して撮像する撮像素子など、温度の影響を受け易い素子部品である。特に、撮像素子は信号電荷を生成して画像処理するため熱による画像への影響が大きい。
【0064】
内蔵電子部品10Bが搭載されている配線層4Bおよびその直下の配線層5Bと、これらと同層の配線層4、5において、能動電子部品12の電源ラインおよびGNDラインと、多層基板11の内部に配置された内蔵電子部品10Bの電源ラインおよびGNDラインとは、配線パターンが分離されて各々が電気的に独立配線となっている。要するに、ここでは、同層の配線層4と配線層4Bが分離され、同層の配線層5と配線層5Bが分離されている。
【0065】
内蔵電子部品10Bは、天面により近い配線層3に設けるのではなく、底面により近い配線層4に設けられ、しかも、配線層4とは分離した同層の配線層4B上に実装され、配線層4B、5Bでは内蔵電子部品10Bに接続される配線と、能動電子部品12につながる配線とは、互いに接続させず、しかも、配線層1〜3の配線パターンは、内蔵電子部品10Bの上部には設けない構造とすることにより、内蔵電子部品10Bから発生する熱が能動電子部品12に伝導することをより抑えている。
【0066】
上記構成により、内蔵電子部品10Bから発生する熱は、内蔵電子部品10Bの下方向(裏面)にその裏面端子から、配線層4Bさらに層間接続部6を介して配線層5Bから多層基板11に順次熱伝導される。
【0067】
次に、多層基板11の外部の裏面に伝わった熱は、はんだボール11aを介して多層基板11の外部に一旦取り出された後に冷やされて、多層基板11の裏面の配線パターンを介して、多層基板11の内側に再び入って配線層5から層間接続部6さらに配線層4〜1に順次熱伝導される。
【0068】
さらに、最も上の配線層1に熱伝導された熱は、能動電子部品12に伝えられることになる。
【0069】
したがって、本実施形態2によれば、発熱する内蔵電子部品10Bを、配線層4とは別に分離した同層の配線層4B上に搭載し、内蔵電子部品10Bからの発熱を、配線層4Bから層間接続部6を介してその下の配線層5B(配線層5とは別に分離されている)の配線パターンに熱伝導させる。その熱は、配線層5Bの配線パターンなどからはんだボール11aを通して多層基板11の外部に一旦取り出されて冷やされる。このように、内蔵電子部品10Bからの熱は、多層基板11の外部に一旦取り出された後に、遠回りして配線層5〜1に順次熱伝導して能動電子部品12に伝えられる。しかも、発熱する内蔵電子部品10Bの上方には能動電子部品12やこれに繋がる配線パターンも位置しておらず、配線層5Bも配線層5とは別に分離されており、配線層5Bから配線層5の配線パターンに同層で直に熱が伝わることがない。これによって、内蔵電子部品10Bから能動電子部品12への熱を、完全に多層基板11の外部に取り出して遠回りさせて温度を低下させ、能動電子部品12の過剰な動作温度の上昇および温度の不均一性をより確実に抑えることができ、能動電子部品12の誤動作を防止してその性能をいっそう向上させることができる。実際に、能動電子部品12の位置において摂氏5〜10度の温度を低下させることができた。このため、特に動作温度上昇が問題となる撮像素子などの半導体部品に適している。
【0070】
要するに、内蔵電子部品10Bは、能動電子部品12が設置される面とは反対側の方向にある面に電気的に接続されるため、内蔵電子部品10Bから発生する熱が遠回りして能動電子部品12へ熱伝導する割合を大幅に抑えることができる。
【0071】
内蔵電子部品10Bから多層基板11の天面がある上方向において、内蔵電子部品10Bがある平面視領域上には、配線層4Bよりも上層の配線層1〜3の配線パターンが存在しないため、内蔵電子部品10Bから発生する熱が、これらの配線層1〜3の配線パターンを経由して能動電子部品12へ間接的に熱伝導する割合をさらに抑えることができている。
【0072】
能動電子部品12の電源ラインおよびGNDラインと内蔵電子部品10Bの電源ラインおよびGNDラインとは、多層配線層1〜5において互いに独立であり、内蔵電子部品10Bから発生する熱が、能動電子部品12へ熱伝導する割合を大きく抑えることができる。本構造では、能動電子部品12の電源ラインおよびGNDラインと内蔵電子部品10Bの電源ラインおよびGNDラインとが、多層基板11において互いに独立としても共通としてもよいが、多層基板11において、内蔵電子部品10Bの電源端子およびGND端子の組を能動電子部品12の電源端子およびGND端子の組と別々の組とする場合は、特に、端子数増加が許容できるモジュールに適することになる。
【0073】
(実施形態3)
本実施形態3では、上記実施形態1の部品内蔵モジュール30Aをカメラモジュールに適用した場合について説明する。
【0074】
図3は、本発明の実施形態3におけるカメラモジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【0075】
図3において、本実施形態3のカメラモジュール40Aにおいて、集光用のレンズ13,14が収容されたレンズホルダ15に駆動脚部18が固定されて下方に延設され、駆動脚部18の先端部外側にコイル部19が配設され、これに対向するように、レンズホルダ15および駆動脚部18を覆うフレーム21の内壁部に磁石20が固定されている。レンズホルダ15の上面に下方向に付勢する上ばね16が設けられ、駆動脚部18の先端下面に上方向に付勢する下ばね17が設けられて、レンズホルダ15および駆動脚部18が上下方向に釣り合っている。コイル部19および磁石20による電磁駆動力により、レンズ13,14が収容されたレンズホルダ15および駆動脚部18を上下動させて、部品内蔵モジュール30Aの能動電子部品12としての撮像素子チップ12Aの撮像領域上に、レンズ13,14により外界入射光を集光してオートフォーカスするように構成されている。この場合、部品内蔵モジュール30Aの発熱する内蔵電子部品10Aはオートフォーカス用のドライバーである。このドライバーによりコイル部19を電流駆動してレンズホルダ15と共にレンズ13,14を上下動してオートフォーカス制御する。
【0076】
これらのレンズホルダ15、駆動脚部18、コイル部19および磁石20によりレンズ位置変位手段が構成されており、レンズホルダ15および駆動脚部18の外周部をフレーム21の内周部で上下動自在に覆って、レンズ13,14の撮像素子チップ12Aに対する位置を上下に変位自在に構成している。内蔵電子部品10Aとしてのドライバーは、このレンズ位置変位手段のコイル部19への電流を制御して、撮像素子チップ12Aの表面に対するレンズ13,14の位置を制御する。
【0077】
部品内蔵モジュール30Aは、発熱する内蔵電子部品10Aを配線層4とは別に分離した配線層4A上に搭載し、内蔵電子部品10Aからの発熱を、その直下の配線層5または多層基板11を通して熱を遠回りさせて配線層5〜1に順次熱伝導させるように構成している。
【0078】
コイル部19は、ボイスコイルであり、レンズホルダ15をレンズ13,14と共に上下動させるためにコイル部19には電流が100mA程度流れる。内蔵電子部品10Aとしてのドライバーは、コイル部19に流す電流を制御して、コイル部19と磁石20による磁界力により、レンズホルダ15をレンズ13,14と共に所定距離だけ上下動させて、能動電子部品12としての撮像素子チップ12Aの撮像領域表面に対して画像光のフォーカスを制御することができる。
【0079】
以上により、本実施形態3によれば、内蔵電子部品10Aから発生する熱が撮像素子チップ12Aへ熱伝導する割合を抑えることにより、撮像素子チップ12Aの過剰な動作温度の上昇を抑えて、小型で色再現性の高いカメラモジュール40Aを実現することができる。
【0080】
しかも、撮像素子チップ12Aの電源ラインおよびGNDラインとドライバーの電源ラインおよびGNDラインとをドライバーが実装される配線層4Aと同層の配線層4において独立させることにより熱伝導を遠回りさせて、ドライバーから発生する熱の撮像素子チップ12Aへの熱伝導を抑えることにより、撮像素子チップ12Aの過剰な動作温度の上昇を抑えて、カメラモジュール40Bの誤動作を抑えることができる。
【0081】
撮像素子チップ12AのGNDラインおよび/またはドライバーのGNDラインは金属製外壁を構成するフレーム21に電気的に接続される構造となっている。撮像素子チップ12AのGNDラインがフレーム21に接続されている場合は、撮像素子チップ12Aから発生する熱はフレーム21を通じて放熱させることができ、撮像素子チップ12Aの動作温度の上昇を効率よく抑えることができる。一方、ドライバーのGNDラインがフレーム21に接続されている場合は、ドライバーから発生する熱はフレーム21を通じて放熱させることができ、多層基板11の動作温度の上昇を抑えて、撮像素子チップ12Aの動作温度の上昇を抑えることができる。
【0082】
また、ドライバーは、撮像素子チップ12Aが設置される面とは反対側の方向にある面に電気的に接続されるため、熱伝導経路を遠回りさせて、ドライバーから発生する熱が撮像素子チップ12Aに熱伝導する割合を抑えることができる。
【0083】
さらに、撮像素子チップ12Aの電源ラインおよびGNDラインとドライバーの電源ラインおよびGNDラインは、多層基板11の底面に最も近い配線層5にのみ接続されており、ドライバーから発生する熱が撮像素子チップ12Aへ熱伝導する割合を抑えることができる。本構造では、多層基板11の裏面の電源端子およびGND端子を共通化すれば、特に、端子数が制限されるカメラモジュール40Aに適する。
【0084】
(実施形態4)
本実施形態4では、上記実施形態2の部品内蔵モジュール30Bをカメラモジュールに適用した場合について説明する。
【0085】
図4は、本発明の実施形態4におけるカメラモジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【0086】
図4において、本実施形態4のカメラモジュール40Bにおいて、集光用のレンズ13,14が収容されたレンズホルダ15に駆動脚部18が固定されて下方に延設され、駆動脚部18の先端部外側にはコイル部19が配設され、これに対向するように、レンズホルダ15および駆動脚部18を覆うフレーム21の内壁部に磁石20が固定されている。レンズホルダ15の上面に下方向に付勢する上ばね16が設けられ、駆動脚部18の先端下面に上方向に付勢する下ばね17が設けられて、レンズホルダ15および駆動脚部18が上下方向に釣り合っている。コイル部19および磁石20による電磁駆動力により、レンズ13,14が収容されたレンズホルダ15および駆動脚部18を上下動させて、部品内蔵モジュール30Bの能動電子部品12としての撮像素子チップ12Bの撮像領域上にレンズ13,14により外界入射光を集光してオートフォーカスするように構成されている。この場合、部品内蔵モジュール30Bの発熱する内蔵電子部品10Bはオートフォーカス用のドライバーであって、このドライバーによりコイル部19を駆動してレンズホルダ15と共にレンズ13,14を上下動して撮像素子チップ12Bの撮像領域上に集光するようにオートフォーカス制御する。
【0087】
部品内蔵モジュール30Bは、発熱する内蔵電子部品10Bを配線層4とは別に分離した配線層4B上に搭載して、発熱する内蔵電子部品10Bを能動電子部品12の直下から外して横に配置すると共に、内蔵電子部品10Bが搭載される配線層4Bの直下の配線層5Bをも配線層5とは別に分離している。
【0088】
コイル部19は、ボイスコイルであり、レンズホルダ15をレンズ13,14と共に上下動させるために電流が100mA程度流れる。内蔵電子部品10Bとしてのドライバーは、コイル部19に流す電流を制御して、コイル部19と磁石20による磁界力により、レンズホルダ15をレンズ13,14と共に所定距離だけ上下動させて、能動電子部品12としての撮像素子チップ12Bの撮像領域表面に対して画像光のフォーカスを制御することができる。
【0089】
内蔵電子部品10Bとしてのドライバーは、多層基板11の底面により近い配線層4B上に実装され、配線層4Bではドライバーの配線パターンと、撮像素子チップ12Bに接続される配線パターンとは互いに独立で接続しない構造であり、さらに、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーの上部には、撮像素子チップ12Bに接続される配線層1〜3の配線パターンは設けない構造であって、ドライバーから発生する熱が間接的に撮像素子チップ12Bに伝導することを抑えている。撮像素子チップ12BのGNDラインをフレーム21に電気的に接続することにより、撮像素子チップ12Bの動作温度を下げる構造とすることができる。また、ドライバーのGNDラインをもフレーム21に電気的に接続すれば、ドライバーの動作温度も下がって撮像素子チップ12Bの動作温度をも下げる構造とすることができる。
【0090】
以上により、本実施形態4によれば、内蔵電子部品10Bから発生する熱が撮像素子チップ12Bへ伝導する割合を抑えることにより、撮像素子チップ12Bの過剰な動作温度の上昇を抑え、小型で色再現性の高いカメラモジュール40Bを実現することができる。
【0091】
撮像素子チップ12BのGNDラインおよび/または内蔵電子部品10BとしてのドライバーのGNDラインは金属製外郭筐体のフレーム21に電気的に接続される構造となっている。撮像素子チップ12BのGNDラインがフレーム21に接続されている場合は、撮像素子チップ12Bから発生する熱はフレーム21を通じて放熱させることができ、撮像素子チップ12Bの動作温度の上昇を効率よく抑えることができる。一方、ドライバーのGNDラインがフレーム21に接続されている場合は、ドライバーから発生する熱はフレーム21を通じて放熱させることができ、多層基板11の動作温度の上昇を抑え、撮像素子チップ12Bの動作温度の上昇を抑えることができる。
【0092】
また、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーは、撮像素子チップ12Bが設置される面とは反対側の方向にある面に電気的に接続されるため、熱伝導が遠回りして、ドライバーから発生する熱が撮像素子チップ12Bへの熱伝導する割合を抑えることができる。
【0093】
さらに、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーから天面方向において、ドライバーがある平面視領域には配線層の配線パターンが存在しないため、ドライバーから発生する熱がその上の配線層の配線パターンを経由して撮像素子チップ12Bへ熱伝導する割合をさらに抑えることができる。
【0094】
さらに、撮像素子チップ12Bの電源ラインおよびGNDラインとドライバーの電源ラインおよびGNDラインは、配線層1〜5および/または多層基板11において互いに独立であり、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーから発生する熱が能動電子部品12としての撮像素子チップ12Bへ熱伝導する割合を大きく抑えることができる。本構造では、多層基板11の電源端子およびGND端子の組を各々別の端子の組とする必要があるため、特に、端子数増加が許容できるカメラモジュール40Bに適する。
【0095】
(実施形態5)
本実施形態5では、上記実施形態4のドライバーのコイル接続部に外部抵抗を設けて、ドライバーの発熱の一部を外部抵抗にも持たせた場合について説明する。
【0096】
図5は、本発明の実施形態5におけるカメラモジュールの要部構成例を示す縦断面図である。
【0097】
図5において、本実施形態5のカメラモジュール40Cは、集光用のレンズ13,14が収容されたレンズホルダ15に駆動脚部18が固定され、駆動脚部18の先端部外側にはコイル部19が配設され、これに対向するように、レンズホルダ15および駆動脚部18を覆うフレーム21の内壁部に磁石20が固定されている。レンズホルダ15の上面に下方向に付勢する上ばね16が設けられ、駆動脚部18の先端面に上方向に付勢する下ばね17が設けられて、レンズホルダ15および駆動脚部18が釣り合っている。コイル部19および磁石20による電磁駆動力により、レンズ13,14が収容されたレンズホルダ15および駆動脚部18を上下動させて、部品内蔵モジュール30Cの能動電子部品12としての撮像素子チップ12Bの撮像領域にレンズ13,14により外界入射光を集光してオートフォーカスするように構成されている。この場合、部品内蔵モジュール30Cの発熱する内蔵電子部品10Bはオートフォーカス用のドライバーであって、このドライバーによりコイル部19を電流駆動してレンズホルダ15と共にレンズ13,14を上下動して撮像素子チップ12Bの撮像領域上に集光するようにオートフォーカス駆動する。
【0098】
部品内蔵モジュール30Cは、発熱する内蔵電子部品10Bを配線層4とは別に分離した配線層4B上に搭載して、発熱する内蔵電子部品10Bを能動電子部品12の直下から外して横に配置すると共に、内蔵電子部品10Bが搭載される配線層4B直下の配線層5Bを配線層5とは別に分離している。
【0099】
コイル部19は、ボイスコイルであり、レンズホルダ15をレンズ13,14と共に上下動させるために電流が100mA程度流れるようになっている。内蔵電子部品10Bとしてのドライバーは、コイル部19に流す電流を制御して、コイル部19と磁石20による磁界力により、レンズホルダ15をレンズ13,14と共に、フォーカスのために所定距離だけ上下動させて、能動電子部品12としての撮像素子チップ12Bの撮像領域表面に対して画像光のフォーカスを制御することができる。この場合、図6に示すように、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーの駆動トランジスタMNの端子(OUT)に、電源(VM)出力端からコイル部19と抵抗22の直列回路を介して接続される。このように、コイル部19と、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーの駆動トランジスタMNの端子(OUT)との間に外部の抵抗22を設けることにより、ドライバーにおける熱の発生を抵抗22にも一部を負担させて全体として放熱源を分けることができる。抵抗22の抵抗値は、ドライバーの駆動性能を確保する数オーム程度(1〜10オーム程度)の抵抗値とする。この抵抗22を多層基板11の外側の上面に配設することにより、発熱源を分散することで、能動電子部品12としての撮像素子チップ12Bに対する熱の影響をより低減しようとするものである。
【0100】
コイル部19に直列に抵抗22を接続し、発熱場所を、内蔵電子部品10Bとしてのドライバーと抵抗22とに二つに分散する。抵抗22は多層基板11の天面に搭載されており、抵抗22は多層基板11の外部に設けられて放熱性を高くしている。このため、撮像素子チップ12Bの動作温度上昇と温度の不均一を抑えることができる。
【0101】
図6のドライバーのコイル接続部の回路構成に示すように、ドライバーの消費電力W1は、Ioを電流、VMを電源電圧およびRcをコイルの抵抗値とすれば、次に示す式で表される。
【0102】
W1=Io*(VM−Rc*Io)
コイル部19に直列に抵抗22(抵抗値Rex)を接続した場合のドライバーのコイル端子部における消費電力W2、抵抗22における消費電力W3はそれぞれ、Ioを電流、VMを電源電圧およびRcをコイルの抵抗値として、次に示す式で表される。
【0103】
W2=Io*(VM−(Rc+Rex)*Io)
W3=Io*Rex
W1=W2+W3であり、総消費電力は変わらないが、発熱源を二つに分散させて温度を均一にすることができ、また、抵抗22を多層基板11の上面に搭載することで、抵抗22の放熱性を向上させることができて、撮像素子チップ12Bの温度低減を実現することができる。
【0104】
以上のように、上記実施形態5によれば、内蔵電子部品10Bから発生する熱が撮像素子チップ12Bに熱伝導する割合を抑えることにより、撮像素子チップ12Bの過剰な動作温度の上昇を抑え、小型で色再現性の高いカメラモジュール40Bを実現することができる。
【0105】
また、コイル部19に直列に抵抗22を接続した後に内蔵電子部品10Bとしてのドライバーに接続するため、従来構造ではドライバー単体で発生していた消費電力を、ドライバーと抵抗22に分散させることができる。このため、多層基板11の温度上昇および温度不均一性を抑えることができて、撮像素子チップ12Bの動作温度の温度上昇および温度不均一性を抑えることができる。
【0106】
さらに、抵抗22を、多層基板11の内側ではなく、多層基板11の外側の表面上に搭載するため、抵抗22から発生する熱の放熱性を向上させ、カメラモジュール40Cの動作温度を抑えることができる。
【0107】
(実施形態6)
図7は、本発明の実施形態6として、本発明の実施形態3〜5のカメラモジュール40Aまたは40Bまたは40Cを撮像部に用いた電子機器の概略構成例を示すブロック図である。
【0108】
図6において、本実施形態6の電子機器90は、上記実施形態3〜5のカメラモジュール40Aまたは40Bまたは40Cからの撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置91と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部92と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示部93と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信部94と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力部95とを有している。なお、この電子情報機器90として、これに限らず、固体撮像装置91の他に、メモリ部92と、表示部93と、通信部94と、プリンタなどの画像出力部95とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
【0109】
この電子情報機器90としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
【0110】
したがって、本実施形態6によれば、この固体撮像装置91からのカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力部95により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部92に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。さらに、この場合、小型化が可能で、熱による誤動作の発生が防止された電子機器を実現することが可能となる。
【0111】
なお、本実施形態6では、撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る信号処理部を、実施形態3〜5のカメラモジュール40Aまたは40Bまたは40C内に有しない場合について説明したが、これに限らず、実施形態3〜5のカメラモジュール40Aまたは40Bまたは40C内に、撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る信号処理部を有していてもよく、この場合には、固体撮像装置91の信号処理機能を含むカメラモジュール40Aまたは40Bまたは40Cを撮像部に用いた電子機器とすることができる。
【0112】
なお、本実施形態6では、上記実施形態3〜5のカメラモジュール40Aまたは40Bまたは40Cを画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子機器90について説明したが、これに限らず、本実施形態6の変形例として、上記実施形態1,2の部品内蔵モジュール30Aまたは30Bを搭載した電子機器としてもよい。例えば光ファイバ通信に使用する光信号を送信/受信する電子機器に適用することもできる。発光素子や受光素子のような光素子は、動作温度により効率の低下、波長の変化という問題があるが、本実施形態における能動電子部品を光素子とすることで、動作温度の過剰な上昇を抑えることができる。図7(b)では、所定信号をドライバーにより発光素子としてのレーザ素子を駆動してレーザ光に信号を乗せ、光ファイバFを介した伝送信号光を受光素子としてのフォトダイオードPDで受光して、これを信号検出してトランスインピーダンスアンプといった電流/電圧変換素子にて伝送信号を得ることができる。この場合、能動電子部品を発光素子としてのレーザ素子または受光素子としてのフォトダイオードPDとすることができる。発熱する内蔵電子部品としてはドライバーやレギュレータなどがある。
【0113】
上記実施形態1〜6では、特に詳細には説明しなかったが、本発明の部品内蔵モジュールにおいて、発熱性の内蔵電子部品が搭載される配線層と、これと同層の多層配線構造の配線層において、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されている。また、本発明のカメラモジュールにおいて、本発明の上記部品内蔵モジュールと、前記対象物と前記能動電子部品の間に配置されるレンズと、該レンズの該能動電子部品に対する位置を変位自在に構成するレンズ位置変位手段と、該レンズ位置変位手段を駆動して該レンズの位置を制御する前記発熱性の内蔵電子部品としてのドライバーとを有している。これらによって、内蔵電子部品から発生する熱の能動電子部品や他の内蔵電子部品への熱伝導をより緩やかに抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の過剰な動作温度の上昇および不均一性を抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の性能を向上させる本発明の目的が達成される。
【0114】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜6を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜6に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜6の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、電子部品を内蔵した部品内蔵モジュール、例えば、被写体からの画像光を光電変換して撮像する固体撮像素子を用いたカメラモジュールおよび、このカメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子機器および、この部品内蔵モジュールを用いた電子機器の分野において、発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されているため、内蔵電子部品から発生する熱の能動電子部品や他の内蔵電子部品への熱伝導をより緩やかに抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の過剰な動作温度の上昇および不均一性を抑えて、能動電子部品や他の内蔵電子部品の性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0116】
1〜5、4A、4B、5B 配線層
6 層間接続部
7〜9 内蔵電子部品
10A、10B 発熱性の内蔵電子部品(ドライバー)
11 多層基板
11a はんだボール(接続端子)
12 能動電子部品
12A、12B 撮像素子チップ
13,14 集光用のレンズ
15 レンズホルダ
16 上ばね
17 下ばね
18 駆動脚部
19 コイル部
20 磁石
21 フレーム
30A、30B 部品内蔵モジュール
40A、40B、40C カメラモジュール
12A、12B 撮像素子チップ
22 抵抗
90 電子機器
91 固体撮像装置
92 メモリ部
93 表示部
94 通信部
95 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動電子部品が最上配線層に搭載されると共に、上下の配線層間の配線が層間接続部により接続された多層配線構造と、該多層配線構造の最下配線層の配線に接続される裏面配線に接続端子が設けられた多層基板と、該多層基板内に内蔵される発熱性の内蔵電子部品とを有する部品内蔵モジュールであって、
該発熱性の内蔵電子部品が接続される配線層において、該発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、該能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されている部品内蔵モジュール。
【請求項2】
前記多層配線構造の各配線層と、前記発熱性の内蔵電子部品が接続された配線層から前記接続端子がある方向の配線層とにおいて、該発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、前記能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとが電気的に独立に分離されている請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項3】
前記発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、前記能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとは、前記多層配線構造の各配線層のうち、前記多層基板に最も近い最下配線層にのみ電気的に接続されている請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項4】
前記発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインと、前記能動電子部品の電源ラインおよび接地ラインとは、前記多層基板の裏面配線において、電気的に独立に分離されているかまたは、共通に電気的に接続されている請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項5】
前記発熱性の内蔵電子部品が配置層は、前記発熱性の内蔵電子部品が接続される第一の配線層と、前記発熱性の内蔵電子部品に接続されない第二の配線層とから成る請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項6】
前記発熱性の内蔵電子部品が搭載される配線層は、前記多層配線構造の配線層のいずれかである請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項7】
前記発熱性の内蔵電子部品が接続される配線層の直下の配線層は、前記発熱性の内蔵電子部品の電源ラインおよび接地ラインを含む第一の配線層と、前記発熱性の内蔵電子部品の電源ラインと接地ラインを含まない第二の配線層とから成る請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項8】
前記発熱性の内蔵電子部品は、前記接続端子がある方向の配線層の配線パターンにのみ電気的に接続されている請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項9】
前記発熱性の内蔵電子部品の真上以外の領域に、前記多層配線構造の各配線層が配設されている請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項10】
前記能動電子部品は、対象物を撮像する撮像素子である請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項11】
前記能動電子部品は、対象物に対して光を照射する発光素子および/または、該対象物からの光を受光する受光素子である請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項12】
前記能動電子部品はLSIチップである請求項1に記載の部品内蔵モジュール。
【請求項13】
請求項10に記載の部品内蔵モジュールと、
前記対象物と前記能動電子部品の間に配置されるレンズと、
該レンズの該能動電子部品に対する位置を変位自在に構成するレンズ位置変位手段と、
該レンズ位置変位手段を駆動して該レンズの位置を制御する前記発熱性の内蔵電子部品としてのドライバーとを有するカメラモジュール。
【請求項14】
前記部品内蔵モジュールにおいて、前記発熱性の内蔵電子部品の接地ラインと、前記能動電子部品の接地ラインとのうちの少なくともいずれかは外壁を構成する金属製フレームに電気的に接続されている請求項13に記載のカメラモジュール。
【請求項15】
前記レンズ位置変位手段は電磁石とボイスコイルを有し、該ボイスコイルに直列に抵抗手段が接続されている請求項13に記載のカメラモジュール。
【請求項16】
前記抵抗手段は前記多層基板の表面側に搭載されている請求項15に記載のカメラモジュール。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれかに記載の部品内蔵モジュールを搭載した電子機器。
【請求項18】
請求項13〜16のいずれかに記載のカメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−233716(P2011−233716A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102768(P2010−102768)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】