説明

電動パワーステアリング用モータユニット及び電動パワーステアリング装置

【課題】誤動作を誘発させない程度の十分な放熱機能を確保させると供に、制御装置の小型化を実現させ得る電動パワーステアリング用モータユニットを提供する。
【解決手段】パワー素子搭載部130は、有底状の円筒体とされ、モータ側ブラケット131と、ケース固定片132とが一体的に形成されている。モータ側ブラケット131は、ボルト穴131aが形成され、ギヤ側ブラケットとボルトナットによって固定される。かかるパワー素子搭載部130の内部には、少なくともパワー半導体素子133a〜133dを実装させ、駆動軸114の放熱側DHに配置される。これにより、モータユニット100がギヤ側ブラケット252に固定されると、パワー素子搭載部130の底面とギヤ側ブラケットとが当接し、パワー半導体装置133a〜133dで生じた熱量が当接面を介してキヤボックスへ効果的に伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動パワーステアリング用モータユニット及びこれを備える電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電動パワーステアリング装置EPS(Electric Power-Steering System)は、操舵トルクを検出するトルクセンサと、トルクセンサの信号に応じて電動モータの出力を制御させ操舵トルクに加えるアシストトルクを適宜に調整させる電動パワーステアリング用モータユニット(以下、モータユニットと呼ぶ。)と、操舵トルクにアシストトルクを加えた出力トルクを発生させるギヤボックスとから構成される。かかる電動パワーステアリング装置は、トルクセンサの信号に応じて電動モータをドライブさせ、操縦者の操縦意図に応じたアシストトルクを与えることにより、車両に設けられた操縦ハンドルの操作性を快適にさせる装置である。
【0003】
モータユニットには、パワー半導体素子から成り電動モータをPWM(Power Width Modulation)方式で制御させるHブリッジ回路と、当該パワー半導体素子に制御信号を出力させHブリッジ回路の出力電力を調整させる制御基板とを配したモータ制御装置が設けられる。かかるモータ制御装置は、Hブリッジ等のパワー半導体素子を備えるため、ヒートシンク等の放熱体が必要とされる。しかし、当該放熱体の機能を十分に発揮させるためには、モータ制御装置の放熱体の配置位置を選ぶこととなり、それ故、当該モータ制御装置は、モータユニットの筐体から離れた位置に配置されるのが一般的であった。かかる場合、モータユニットに内蔵される電動モータとモータユニットから独立して配置されるモータ制御装置とはハーネスによって電気的接続が行なわれるため、当該ハーネスによって生じる電圧降下、及び、組立作業の煩雑化、これらに伴い、生産コストの高騰に繋がるとの問題が指摘されていた。
【0004】
そこで、近年の電動パワーステアリング装置にあっては、これらの問題を回避させる種々の検討が為されている。以下、その一例について紹介する。
【0005】
特許第3675205号公報(特許文献1)には、組立作業の簡素化と低コスト化とを企図したパワーステアリング装置(特許請求の範囲における電動パワーステアリング装置)が紹介されている。かかるパワーステアリング装置は、モータ(特許請求の範囲における電動モータ)と、モータを収容する筐体の側壁に設けられた制御装置と、モータの電力端子と制御装置の回路とを連通させる貫通穴と、モータの電力端子と制御装置の回路とを接続させるバスバーとを備え、かかる構成により、モータと制御装置との配線がハーネスを用いずに実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3675205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に係る技術では、制御装置にHブリッジ回路が内蔵されるので、放熱機能を十分に確保させようとすると、制御装置の大型化を招くとの問題が生じる。一方、かかる技術で制御装置の小型化を追求すると、制御基板に実装される電気的素子の動作が熱によって不安定となり、パワーステアリング装置の誤動作を招くとの問題も生じる。特に、制御基板に実装されるマイコン等は、サーミスタの信号によってフェールセーフが働くと、電動モータのアシストトルクを急激に与えなくさせるので、高速で車両がカーブに進入した場合、電動パワーステアリング装置は、カーブの極率に応じた出力トルクを発生させることが出来なくなり、人命に関わる事故を招いてしまうとの問題も有している。
【0008】
また、回路のレイアウトに着目すると、制御基板及びHブリッジ回路を同一平面にレイアウトさせる場合、制御装置の大型化を招くとの問題が生じる。一方、制御基板及びHブリッジ回路の基板を多層構造にレイアウトさせると、バスバーと所望の基板との間に他の基板が配されることも起こり得るため、当該バスバーの配線が煩雑になり、組立作業の複雑化を招くとの問題が生じる。更に、制御基板及びHブリッジ回路の基板をディスクリートさせた技術では、基板を多層構造にレイアウトさせたとしても、パワー半導体素子の発熱を十分に外部へ伝達させる構造が不可欠であるため、当該制御装置の大型化を回避させる積極策とはなり得ない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み、誤動作を誘発させない程度の十分な放熱機能を確保させると供に、制御装置の小型化を実現させ得る電動パワーステアリング用モータユニットの提供を目的とする。また、誤動作の無い安全な電動パワーステアリング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明では次のような電動パワーステアリング用モータユニットの構成とする。即ち、内蔵された回転子の回動動作に応じて駆動され駆動軸に駆動トルクを発生させる電動モータと、パワー半導体素子を具備するものであって入力された電力を変換して前記電動モータを駆動させるための駆動電力を出力する電力変換部と、前記パワー半導体素子を実装させ前記駆動軸の放熱側に配置されるパワー素子搭載部と、前記パワー素子搭載部から独立した状態で設けられ前記パワー半導体素子の制御信号を出力させる制御基板とを備えることとする。
【0011】
好ましくは、前記パワー素子搭載部は、前記電動モータを収容させる筐体の一部分であることとする。
【0012】
好ましくは、前記パワー素子搭載部は、前記電動モータの駆動トルクをアシストトルクへ変換させる従動装置に当接され、前記従動装置に当接される前記パワー素子搭載部の底面は、当該底面の内部側にプリント配線が直接積層され、且つ、当該底面の内部側に前記パワー半導体素子が実装されていることとする。
【0013】
前記パワー素子搭載部は、電動モータのブラシを収容させるブラシホルダーとされることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【0014】
好ましくは、前記パワー素子搭載部は、材質がアルミナとされることとする。
【0015】
好ましくは、前記パワー素子搭載部は、前記底面の内部側にサーミスタ及び/又はシャント抵抗が更に実装されていることとする。
【0016】
好ましくは、前記制御基板に接続される制御基板用端子群と、前記電力変換部に接続された電路に介挿された電路用回路と、前記電力変換部の駆動電力を前記電動モータへ中継させる電路用端子群とから成る配電部を更に備えることとする。
【0017】
好ましくは、前記電路用回路は、前記直流電力のリレー回路及び/又は前記直流電力のフィルター回路及び/又は前記駆動電力のリレー回路であることとする。
【0018】
好ましくは、前記配電部は、前記制御基板と前記パワー素子搭載部との間に配置され、前記制御基板の配置される一方の面に前記制御基板用端子群が配列され、前記一方の面と異なる他の面に前記電路用端子群が配列されていることとする。
【0019】
好ましくは、前記電路用回路及び前記制御基板用端子群及び前記電路用端子群のうち少なくとも何れか一つは、前記パワー素子搭載部の底面に形成された前記プリント配線に導通されることとする。
【0020】
好ましくは、前記制御基板用端子群及び前記電路用端子群のうち少なくとも何れか一つは、略鉛直に延在する鉛直端子を介して前記プリント配線と接続されることとする。
【0021】
また、本発明では次のような電動パワーステアリング装置の構成としても良い。即ち、前記従動装置は、請求項1乃至請求項10に記載の何れか一項の電動用パワーステアリング用モータユニットと、操縦ハンドルの回動動作に応じた操舵トルクへ前記アシストトルクを加えるギヤボックスと、前記ギヤボックスに一体的に形成され前記電動用パワーステアリング用モータユニットとの当接面を具備するモータ固定部とを備えることとする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る電動パワーステアリング用モータユニットによると、制御基板を内蔵させた制御装置とパワー半導体素子とが独立した場所に配置されるので、制御装置では、大掛かりな放熱構造が不要となり、装置の小型化か実現される。
【0023】
また、当該制御装置は、パワー半導体素子等の電路に設けられる回路が排除されるので、制御基板及び当該制御基板に接続される端子の構成が簡素化され、組立作業の容易化が図られる。
【0024】
更に、パワー半導体素子を実装させたパワー素子搭載部は、電動パワーステアリング装置の筐体(ギヤボックス)に当接されるので、パワー半導体素子で生じた熱は、パワー素子搭載部を介して効果的に電動パワーステアリング装置へと放熱される。
【0025】
加えて、パワー素子搭載部は、制御基板に実装される弱電素子が排除されるので、当該パワー素子搭載部の回路構成が簡素なものとなり、組立作業の容易化が図られる。
【0026】
併せて、パワー素子搭載部の底面に積層させるプリント配線について、電路を構成する端子のランドと制御基板へ導通される端子のランドとのエリアを振り分けることにより、組立作業の更なる容易化が図られる。
【0027】
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によると、パワー素子搭載部によってパワー半導体素子の熱が効果的に放熱されるので、誤動作の生じない安全な操舵制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】電動パワーステアリング装置を搭載させた車両の構成を示す図。
【図2】実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す図。
【図3】実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の内部構造を示す図。
【図4】実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の回路構成を示す。
【図5】本実施の形態に係る電動パワーステアリング用モータユニットの構成を示す図。
【図6】本実施の形態に係る電動パワーステアリング用モータユニットの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1に示す如く、車両CARは、シャーシに設けられた前輪FT及び後輪RTを備え、前輪FRに舵角を与えることにより、車体のヨーイングの姿勢を制御する。かかる前輪FRは、ラックRCKが設けられ、当該ラックRACの軸動動作に応じて操舵される。また、近年の車両には、前後輪を車速に応じて操舵させる、所謂、4WS(4Wheel Steering)を採用したものも広く普及している。
【0030】
図示の如く、電動パワーステアリング装置(特許請求の範囲における従動装置)を搭載させた車両CARは、車載バッテリBTTと車速センサVMUとECU(Engine Control Unit/Electric Control Unit)とハンドル装置HDMと電動パワーステアリング装置200とイグニッションリレーIGとピニオンギヤボックスSGBとから構成される。
【0031】
車載バッテリBTTは、充電可能なバッテリパックから成り、12〜24V程度の電圧を出力させる。尚、かかるバッテリパックは、その電池の種類を問うものではない。
【0032】
車速センサVMUは、車輪回転センサ又は路面からの反射波を検出するセンサ等を用いて車に関する情報を電気信号に変換させる。尚、本実施の形態に係る車両CARでは、車速センサVMUの情報がECUへと送信される。
【0033】
ECUは、内燃機関を搭載する車両の場合(Engine Control Unit)と呼ばれ、電気自動車の場合(Engine Control Unit/Electric Control Unit)と呼ばれるのが一般的である。但し、本実施の形態にあっては、これらの相違によって区別されるものでなく、車速VMUから受けた速度情報に基づき、電動パワーステアリング装置200へ所望の信号を送信させる。また、かかるECUは、この他、車両内に設置されたセンサの情報を受信し、車両CARの動作制御に関する適宜な処理を行なう。近年、ECUは、各センサに設けられ、CAN(Control Area Network)によって各センサの情報を互いに共有できるようになっている。
【0034】
ハンドル装置HDMは、ドライバシートに設けられ、ドライバの操舵意図に応じた操舵トルクを電動パワーステアリング装置200へと伝達させる。また、当該ハンドル装置HDMには、イグニッションキーが設けられ、当該イグニッションキーが回動されると、イグニッションリレーIGがON状態に切換わり、内燃機関の場合には、セルモータが駆動され、電気自動車の場合には、車輪用モータの制御回路又は他の装置の制御回路が起動され、スタンバイ状態に切換わる。
【0035】
電動パワーステアリング装置200は、図示の如く、トルクセンサTSと減速ギヤボックスWGBと電動パワーステアリング用モータユニット100とを主構成要素とし、当該電動パワーステアリング用モータユニット(以下、モータユニットと呼ぶ。)100は、制御装置CNTと電動モータEMとを主構成要素としている。尚、電動パワーステアリング装置200及びモータユニット100については、その詳細な構成及び動作について追って説明することとする。
【0036】
ピニオンギヤボックスSGBは、ラックRACに形成された歯と伝達シャフトCSHに固定されたピニオンギヤとが歯合され、伝達シャフトCSHの回転運動をラックRACの軸方向運動へと変換させる。尚、伝達シャフトCSHには、ユニバーサルジョイントが適宜に設けられ、殿堂パワーステアリング装置200から付与された出力トルクを円滑にピニオンギヤボックスSGBへと伝達させる。
【0037】
かかる構成を具備する車両CARは、操縦者によってハンドル装置HDMが操舵されると、制御装置CNTでは、トルクセンサTSの信号及びECUからの速度情報に基づいて電動モータEMをドライブさせ、これにより、電動パワーステアリング装置200では、操縦者による操舵トルクにアシストトルクが加えられ、当該操縦者の操舵意図に応じた出力トルクを発生させる。このとき、車両CARでは、かかる出力トルクがラックRACに軸方向の力を与えるため、タイヤに加わる負荷の状態に関わらず、操縦者の操舵意図に応じた舵角が前輪FTに与えられ、操縦者によるハンドル操作の負担を軽減させ、操作性の向上が図られる。
【0038】
図2には、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置が示されている。かかる伝導パワーステアリング装置200は、シャフト210及びシャフトケース220及びトルクセンサ収容部230及び信号端子240及びギヤボックス250(図1における減速キヤボックスWGB)から成る本体部と、当該本体部に固定されるモータユニット100とから構成される。以下、シャフト210の軸心を軸方向とすると、当該軸方向のギヤボックス250が配される側をフロント側DFと称し、当該フロント側DFの反対側をリア側と称することとする。尚、フロント側DFには、伝達シャフトCSHを介してピニオンギヤボックスPGWが接続され、リア側DRには、ハンドル装置HDMが接続される。
【0039】
シャフト210は、円柱状の棒体を成し、リア側シャフト210及びフロント側シャフト230と図示されないトーションバーとから構成される。リア側シャフト210は、雄ネジ211及びスプライン212が形成され、フロント側シャフト213にもスプラインが形成されている。また、シャフト210は、ハンドル装置HMDから操舵トルクが入力されると、当該操舵トルクに応じた捩り角がトーションバーに与えられる。更に、リアシャフト210及びフロントシャフト230には、各々に略中空状のセンサーシャフトが固定されている。当該センサーシャフトは、突合せ面の断面積を捩り方向に変化させる溝が形成され、トーションバーの捩れ角に応じて軸回転方向の相対運動起こし、当該突合せ断面の断面積を変化させる。尚、トーションバー及びセンサーシャフトの機構は、シャフトケース220及びトルクセンサ収容部230の内部に格納されている。
【0040】
トルクセンサ収容部230は、センサーシャフトの突合せ部が内部に配置されている。かかるセンサーシャフトは、一方に一次コイルが軸着され、他方に二次コイルが軸着されている(図示なし)。また、当該一次コイル及び二次コイルは、信号端子240に接続され、図示されない信号ケーブルを介してモータユニット100に接続される。即ち、一次コイルに電圧が印加され且つトーションバーに捩れ角が発生すると、二次コイルではセンサーシャフトによって磁束変化が生じるので、信号端子240の二次コイル側の端子からは、かかる捩れ角を示す誘起電圧がモータユニット100へ出力される。
【0041】
ギヤボックス250は、図示の如く、ギヤ側ブラケット252が一体的に形成され、ボルトナットB/Nを用いてモータユニット100を固定させている。図3を参照し、ギヤボックス250の内部構造について説明する。図示の如く、同図には、図2にて説明したA−A断面を矢線方向に観察した断面図が示されている。かかるギヤボックス250は、ウォーム収容部251と平ウォーム収容部252とが一体的に形成されている。
【0042】
ウォーム収容部251は、モータユニット100の動作に連動して回動する入力シャフト253を備えている。当該入力シャフト253は、ウォームギヤ253gが形成され、ベアリング254a,254bによって回動自在に固定される。
【0043】
平ウォーム収容部252は、中心部にフロント側シャフト213が回動自在に取り付けられ、当該フロント側シャフト213へ平ウォーム252gが同軸的に固定される。かかる平ウォ−ム252gは、ウォームギヤ253gと同一モジュールの歯が形成され、当該ウォームギヤ253gに歯合される。
【0044】
かかるギヤボックス250は、リア側シャフト210に操舵トルクが加えられると、トーションバーの捩り変形に応じてトルクセンサの信号を出力させ、モータユニット100に駆動トルクの出力を要求する。そして、モータユニット100から駆動トルクが出力されると、ウォームギヤ253gを回動させ、平ウォーム252gにアシスト力を与える。かかるアシスト力は、平ウォーム252gを介してフロント側シャフト213にアシスト力を加え、これにより、ギヤボックス250のフロント側シャフト213では、操縦者からの操舵トルクに当該アシストトルクを加えた出力トルクが発生する。
【0045】
図4には、モータユニット100の回路構成が示されている。尚、同図には、トルクセンサTSの構成が便宜的に示されている。図示の如く、モータユニット100の回路構成は、電動モータMと、電力変換部133を構成するHブリッジ回路と、制御基板に実装された制御回路(以下、便宜的に制御回路151と記載する場合も有る。)と、電路用回路とから成り、この他、適宜な電気的素子が必要に応じて設けられる。
【0046】
電動モータMは、リレー回路180を介してHブリッジ回路に接続される。かかる電動モータMは、リレー回路180の動作に応じてHブリッジから駆動電力が印加される。即ち、当該電動モータMは、リレー回路180がON状態のとき、Hブリッジ回路によって駆動され、リレー回路180がOFF状態のとき、Hブリッジ回路からの駆動電力が断たれる。かかるOFF状態の場面では、モータユニット100によるアシストトルクが無くなり、回生電力が働く場合には、操舵方向に対する逆方向へのハンドル操作が困難となる。
【0047】
Hブリッジ回路は、パワー半導体素子133a〜133dを具備し、各々のインバータ部に出力ラインが設けられている。かかる出力ラインは、一方がリレー回路180を介して端子Tm1に接続され、他方が端子Tm2に接続される。パワー半導体素子133a〜133dは、ゲート端子を有するMOSFET又はIGBT等が用いられる。従って、パワー半導体素子133a〜133dには、ゲート端子を保護するコンデンサ,ツェナーダイオード等が適宜に設けられる。これらの素子は、ゲート端子に制御信号が入力されると、直流電力によって通過電流が流れ、当該素子が通過電流によって発熱される。尚、本実施の形態にあっては、直流電力による電圧値は約50V程度に昇圧されている。そのため、これに応じた熱量がパワー半導体素子で発生することとなる。かかるHブリッジ回路は、入力された直流電力を変換して駆動電力を出力させ、先の如く、駆動電力を電動モータMへ供給させる。
【0048】
制御回路151は、Hブリッジ回路から物理的に独立した状態で設けられ、当該Hブリッジで発生した熱の影響を受けない位置に設置される。かかる制御回路151は、図示の如く、トルクセンサ検出回路151aと中央処理回路151bと動作監視回路151cとドライブ回路151dとサーマル検出回路151eと過電流検出回路151fとCAN通信回路とから構成される。トルクセンサ検出回路151aは、トルクセンサTSの両コイル間に生じた電位差を検出し、中央処理回路151bへ出力させる。CAN通信回路は、速度情報をECUから受信し、この他、必要な情報を双方向に通信する。サーマル検出回路151e及び過電流検出回路151fは、サーミスタ133e,シャント抵抗133fからの信号を受け取り、その基準値を超えた場合に警告信号を中央処理回路151bへと出力させる。中央処理回路151bは、トルクセンサTSの信号及び速度情報に基づいて制御信号を出力させる。かかる制御信号は、パワー半導体素子133a〜133dを各々駆動させる。尚、中央処理回路151bには、複数のフェールセーフ機能が設けられている。例えば、サーマル検出回路151e又は過電流検出回路151fから異常の状態を示す信号が入力されると、中央処理回路151bでは、制御信号の出力を停止させ、電動モータMの駆動を停止させる。また、中央処理回路151bには、動作監視回路151cが双方向通信可能に接続されている。かかる動作監視回路151cは、中央処理回路151bと同様の演算処理を実行させ、かかる処理結果を所定タイミング毎に中央処理回路151bへ出力させる。このとき、中央処理回路151bでは、自己の処理結果と動作監視回路からの処理結果とが一致する場合にのみ制御信号を出力させ、双方の処理結果が不一致な場合には、当該制御信号の出力を停止させる。即ち、中央処理回路151bでは、受信した処理結果のタイミングにて誤処理が生じたと判断し、電動モータMの動作を停止させることとなる。尚、トルクセンサ検出回路151a,ドライブ回路151d,サーマル検出回路151e,過電流検出回路151f,CAN通信回路等は、適宜なICによって構成され、中央処理回路151b及び動作監視回路151cは、CPUこの他メモリ回路等を具備するマイコン,DSPによって構成される。即ち、制御回路115として構成される電気的素子は、全てが弱電電力によって駆動され、パワー半導体素子のような大電力を必要としない。
【0049】
尚、上述した電路用回路は、本実施の形態の場合、フィルター回路144とリレー回路170,180とから構成される。また、電路とは、直流電力が印加される電源端子VbからHブリッジ回路に至る電源ライン136aと、Hブリッジ回路からグランド端子GNDに至る電源ライン136bと、Hブリッジと電動モータMとを接続させる出力ライン136c,136dとを含むものとする。
【0050】
フィルター回路144は、直流電力が入力される端子VbからHブリッジ迄の電路136aに介挿される。かかるフィルター回路144は、コンデンサ,リアクトル,抵抗,等の電気的素子が適宜に設けられる。
【0051】
リレー回路170は、電路136aに介挿されている。そして、中央処理回路151bの信号に応じてON/OFF動作を行なう。ここで、当該リレー回路170がOFF状態とされると、電路163aにおける電流の流れが遮断されるので、電動モータMは駆動されなくなる。一方、リレー回路170がOFF状態とされると、フィルター回路144によってノイズ処理が実施され、Hブリッジ回路には、電路136aを介して直流電力が供給される。
【0052】
リレー回路180は、中央処理回路151bによって制御され、電動モータMに出力する駆動電力の許可/不許可を規定する。
【0053】
尚、電路用回路とは、これらの回路のうち少なくとも一つの回路が存在しているのであれば、その構成が満足されるものとする。例えば、フィルター回路144が無い場合であっても、リレー回路170,180によって電路用回路が形成されるものとし、フィルター回路144しか存在しない場合には、かかる回路を以って電路用回路を成すものとする。即ち、電路用回路とは、図示の如く、電力変換部133に接続された電路136a〜136dに介挿された回路を指す。
【0054】
図5及び図6には、本実施の形態に係るモータユニット100の構成が示されている。図示の如く、モータユニット100は、電動モータEMと中底面120とドライブシャフト114と電力変換部133とパワー素子搭載部130と配電部140と制御基板を内蔵させた制御装置150とから構成される。
【0055】
電動モータEMは、本実施も形態においてブラシモータが用いられ、具体的には、回転子111aと永久磁石111dとモータカバー160とコミュテータ111cとブラシアセンブリ111bとから構成される。回転子111aは、スリットの内部にコイルが捲回され、電力変換部133から駆動電力が印加されると、当該回転子111aの内部にて磁束の状態を変化させる。モータカバー160は、略円筒体とされており、内部に回転子111aを収容させる。また、当該モータカバー160には、内壁に永久磁石が極性を交互にした状態で配列される。コミュテータ111cは、回転子111aに固定され、円筒表面に導体領域と絶縁領域とを交互に配列させ、当該導通領域は、回転子111aのコイルと電気的に接続されている。ブラシアセンブリ111bは、図示の如く、内部に複数のブラシ素子112を配置させている。かかるブラシアセンブリ111bの筐体は、絶縁性材料によって形成され、ブラシ素子112に導通する配線が一体形成されている。
【0056】
図6に示す如く、電動モータEMは、アセンブルされると、ブラシ素子112の各々の接面とコミュテータ111cの表面とが接触している。従って、ブラシ素子112に駆動電力が印加されると、コイルに生じた磁力によって回転子111aが回転し、これに伴って、コミュテータ111cも回転する。このとき、回転子111aは、コイルに流れる電流がコミュテータ111cによって転流され、当該回転子111aの回転動作が維持される。かかる電動モータEMは、内蔵された回転子111aの回動動作に応じて駆動され、駆動軸114に駆動トルクを発生させる。
【0057】
駆動軸114は、図示の如く回転子111aに固定され、当該回転子111aが駆動されると、駆動トルクを出力させる。かかるモータユニット100は、駆動軸114の上端側にベアリング等の軸受機構162が設けられている。そして、駆動軸114は、ギヤボックス250の入力シャフト253に接続され、各々の軸114,253は、軸受機構162及びベアリング254によって回動自在に軸支されることとなる。
【0058】
電力変換部133は、上述の如く、パワー半導体素子133a〜133d、サーミスタ133e、シャント抵抗133fから構成される。かかるパワー半導体素子は、制御信号によって駆動されると、高い熱量を発生させる。シャント抵抗133fも電路136bに設けられるので、高い熱量を発生させる。また、サーミスタ133eは、パワー半導体素子133a〜133dの温度を検出するため、当該パワー半導体素子の近傍に配置されるのが好ましい。
【0059】
パワー素子搭載部130は、図示の如く有低状の円筒体とされ、モータ側ブラケット131と、ケース固定片132とが一体的に形成されている。モータ側ブラケット131は、ボルト穴131aが形成され、ギヤ側ブラケット252とボルトナットB/Nによって固定される。また、ケース固定片131aは、雌ネジタップ132が形成され、ビスによってモータケース160が固定される。更に、パワー素子搭載部130には、矩形状の開口部132が形成されている。かかるパワー素子搭載部130の内部には、少なくともパワー半導体素子133a〜133dを実装させ、駆動軸114の放熱側DHに配置される。
【0060】
これにより、モータユニット100がギヤ側ブラケット252に固定されると、図2に示す如く、パワー素子搭載部130の底面とギヤ側ブラケット252とが当接し、パワー半導体装置133a〜133dで生じた熱量が当接面を介してキヤボックス250へ効果的に伝達される。
【0061】
尚、図6に示す如く、パワー素子搭載部130には、サーミスタ133e及びシャント抵抗133fを実装させても良い。かかる素子は、パワー半導体素子133a〜133dの近くに配置されることで、その機能を発揮させるためである。
【0062】
ここで、パワー半導体素子133a〜133dは、図示の如く、パワー素子搭載部130の底面の内部側138に実装されるのが好ましい。
【0063】
これにより、パワー半導体素子133a〜133dで発生した熱量は、不要な拡散経路を辿ることなく、より効果的にギヤボックス250へと放熱される。
【0064】
また、パワー素子搭載部130は、図6に示す如く、電動モータEMを収容させる筐体の一部分とされるのが好ましい。これにより、構成部品の増加を防ぎ、モータユニット100の簡素化及び低コスト化を実現させる。特に、パワー素子搭載部130は、ブラシアセンブリ111bを収容させるブラシホルダーのような筐体とされるのが好ましい。かかる筐体は、放熱側DHに配置される部品であるので、モータユニット100をギヤボックス250に固定させる場合、ギヤ側ブラケット253に当接され効果的な放熱効果を得ることが可能となる。
【0065】
ギヤ側ブラケット253に当接されるパワー素子搭載部130の底面は、底面の内部側138にプリント配線が直接積層され(図示なし)、且つ、底面の内部側138にパワー半導体素子133a〜133dが実装されるのが好ましい。
【0066】
かかる工法を採用することにより、新たなパワー系基板を製作する必要がなくなり、製造工程の簡素化が図られ、更に、部品点数の増加を防止させることが可能となる。また、かかる工法は、プリント配線を直接的にパワー素子搭載部130に貼合させるので、パワー半導体素子133aから受けた熱量は、プリント配線を介して効果的にパワー素子搭載部130、更に、ギヤ側ブラケット253へと放熱される。
【0067】
更に、パワー素子搭載部は、高い絶縁性能と高い放熱性能とを具備する材質を用いるのが好ましい。ここで、かかる両性能を具備する材質は、アルミナ等のセラミック素材が挙げられる。
【0068】
配電部140は、図5に示す如く、絶縁性の筐体から成るものであって電力端子141が形成されている。かかる電力端子141には、電路163a〜163dを形成させる端子Vb及びGNDが設けられている。また、図示されていないが、トルクセンサTSからの信号及びCAN通信ラインの信号を受ける信号端子が所望の位置に設けられている。また、かかる配電部140の筐体には、当該筐体の内外を電気的に接続させる制御用端子群141が設けられている。かかる制御用端子群141は、配電部140に制御装置150が接続されると、図6に示す如く、一端が制御側端子152を介して制御基板151に接続され、他端が制御用鉛直端子135を介してパワー素子搭載部130のプリント配線に接続される。更に、配電部140における筐体の側面には、図6に示す如く、当該筐体の内外を電気的に接続させる電路用端子群145が設けられている。かかる電路用端子群145は、パワー素子搭載部130に配電部140及びブラシアセンブリ111bが組み付けられると、図示の如く、一端がブラシ用端子111dを介してブラシ素子112に接続され、他端が電路用鉛直端子133gを介してパワー素子搭載部130のプリント配線に接続される。かかる電路用端子群145は、電力変換部133の駆動電力を電動モータEMへ中継させる役割を担う。加えて、当該は配電部140には、電力変換部に接続された電路136a〜136dに介挿された電路用回路143が設けられている。かかる電路用回路143は、図6に示す如く、回路基板にフィルター回路144及びリレー回路170,180が適宜に実装されている。
【0069】
かかる構成により、配電部140は、電路136a〜136dに印加される強電電力と制御基板151で用いられる弱電電力を分配させ、これにより、制御基板151と電力変換部133とを物理的に独立させることが可能となる。また、当該配電部140は、ハーネスを用いずに各々の端子群によって電路136a〜136bを構成させたため、寄生インダクタンスの影響が少なくなり、フィルター回路144の素子体格を小さくすることが可能となる。従って、かかる配電部140についても、フィルター回路と同様に、小型化が図られる。
【0070】
また、配電部140は、制御基板151とパワー素子搭載部130との間に配置されるので、当該制御装置150とパワー素子搭載部130との物理的距離を形成させる。従って、パワー素子搭載部130で発生した熱量は、制御基板151へ伝達され難くなり、制御基板151は、良好な温度環境の下で、誤った回路処理を伴わない制御信号を出力させることが可能となる。また、フェールセーフによる電動モータEMの緊急停止が実施されなくなるので、電動パワーステアリング装置200では、アシストトルクを安定的に供給させることが可能となる。
【0071】
また、かかる配電部140は、制御基板151の配置される一方の面に制御基板用端子群152が配列され、側面側に電路用端子群145が配列されている。これにより、モータユニット100を組み立てる際、組立作業の簡素化が図られ、生産コストの低減に寄与する。
【0072】
制御装置150は、上述の如く、パワー素子搭載部から独立した状態で設けられるので、過剰な放熱機構など不要な構成を効果的に排除できるので、制御基板151と供に当該制御装置150の小型化が実現される。また、電路133a〜133dに設けられた電気的素子も排除されるので、これによっても、制御装置150の小型化が図られる。
【0073】
また、本実施の形態では、電路用回路143及び制御基板用端子群152及び電路用端子群145は、パワー素子搭載部130の底面に形成されたプリント配線に導通されている。
【0074】
これにより、配電部140の内部における配線状態が簡素化され、組立て作業の容易化が図られる。尚、電路用回路143及び制御基板用端子群152及び電路用端子群145のうち何れか一つの回路でもプリント配線に導通されることで、その範囲において配電部140の内部での配線状態が簡素化される。
【0075】
更に、本実施の形態では、制御基板用端子群152及び電路用端子群145の双方が、制御用鉛直端子135及び電路用鉛直端子136(特許請求の範囲における鉛直端子)を介してプリント配線と接続されている。
【0076】
かかる如く、鉛直に延在する端子を使用することにより、端子同士、又は、端子と基板同士の交錯が避けられ、これによっても、配線状態の簡素化及び組立工程の容易化が図られる。
【0077】
上述の如く、本実施の形態に係る電動パワーステアリング用モータユニット100によると、制御基板151を内蔵させた制御装置150とパワー半導体素子133a〜133dとが独立した場所に配置されるので、制御装置150では、大掛かりな放熱構造が不要となり、装置の小型化か実現される。
【0078】
また、当該制御装置150は、パワー半導体素子等の電路136a〜136dに設けられる回路が排除されるので、制御基板151及び当該制御基板151に接続される端子の構成が簡素化され、組立作業の容易化が図られる。
【0079】
更に、パワー半導体素子を実装させたパワー素子搭載部130は、電動パワーステアリング装置200のギヤボックス150に当接されるので、パワー半導体素子133a〜133dで生じた熱は、パワー素子搭載部130を介して効果的に電動パワーステアリング装置200へと放熱される。
【0080】
加えて、パワー素子搭載部130は、制御基板151に実装される弱電素子が排除されるので、当該パワー素子搭載部130の回路構成が簡素なものとなり、組立作業の容易化が図られる。
【0081】
併せて、パワー素子搭載部130の底面に積層させるプリント配線について、電路を構成する端子のランドと制御基板へ導通される端子のランドとのエリアを振り分けることにより、組立作業の更なる容易化が図られる。
【0082】
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置200によると、パワー素子搭載部によってパワー半導体素子の熱が効果的に放熱されるので、誤動作の生じない安全な操舵制御が実現される。
【符号の説明】
【0083】
100 電動パワーステアリング用モータユニット
200 電動パワーステアリング装置
EM 電動モータ
133 電力変換部
130 パワー素子搭載部
151 制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵された回転子の回動動作に応じて駆動され駆動軸に駆動トルクを発生させる電動モータと、パワー半導体素子を具備するものであって入力された電力を変換して前記電動モータを駆動させるための駆動電力を出力する電力変換部と、前記パワー半導体素子を実装させ前記駆動軸の放熱側に配置されるパワー素子搭載部と、前記パワー素子搭載部から独立した状態で設けられ前記パワー半導体素子の制御信号を出力させる制御基板とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項2】
前記パワー素子搭載部は、前記電動モータを収容させる筐体の一部分であることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング用ユニット。
【請求項3】
前記パワー素子搭載部は、前記電動モータの駆動トルクをアシストトルクへ変換させる従動装置に当接され、
前記従動装置に当接される前記パワー素子搭載部の底面は、当該底面の内部側にプリント配線が直接積層され、且つ、当該底面の内部側に前記パワー半導体素子が実装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項4】
前記パワー素子搭載部は、電動モータのブラシを収容させるブラシホルダーとされることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項5】
前記パワー素子搭載部は、材質がアルミナとされることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項6】
前記パワー素子搭載部は、前記底面の内部側にサーミスタ及び/又はシャント抵抗が更に実装されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項7】
前記制御基板に接続される制御基板用端子群と、前記電力変換部に接続された電路に介挿された電路用回路と、前記電力変換部の駆動電力を前記電動モータへ中継させる電路用端子群とから成る配電部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項8】
前記電路用回路は、前記直流電力のリレー回路及び/又は前記直流電力のフィルター回路及び/又は前記駆動電力のリレー回路であることを特徴とする請求項7に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項9】
前記配電部は、前記制御基板と前記パワー素子搭載部との間に配置され、前記制御基板の配置される一方の面に前記制御基板用端子群が配列され、前記一方の面と異なる他の面に前記電路用端子群が配列されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項10】
前記電路用回路及び前記制御基板用端子群及び前記電路用端子群のうち少なくとも何れか一つは、前記パワー素子搭載部の底面に形成された前記プリント配線に導通されることを特徴とする請求項7乃至請求項9に記載の電動パワーステアリング用モータユニット。
【請求項11】
前記制御基板用端子群及び前記電路用端子群のうち少なくとも何れか一つは、略鉛直に延在する鉛直端子を介して前記プリント配線と接続されることを特徴とする請求項7乃至請求項10に記載の電動用パワーステアリング用モータユニット。
【請求項12】
前記従動装置は、請求項1乃至請求項11に記載の何れか一項の電動用パワーステアリング用モータユニットと、操縦ハンドルの回動動作に応じた操舵トルクへ前記アシストトルクを加えるギヤボックスと、前記ギヤボックスに一体的に形成され前記電動用パワーステアリング用モータユニットとの当接面を具備するモータ固定部とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−11597(P2011−11597A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156209(P2009−156209)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000109093)ダイヤモンド電機株式会社 (387)
【Fターム(参考)】