説明

電子回路基板

【課題】従来の電子回路基板においては、放電経路を特定することができず、放電現象が不安定になり、その結果、想定されない静電気の進入回路の破壊や異常動作が生じ易くなるという問題があった。
【解決手段】本発明の電子回路基板(1)は、電子回路が形成された絶縁性を有する基板(5)の一部に設けられた端子(3)と、基板(5)の水平方向に端子(3)と離隔して設けられ、基板(5)の外部から端子(3)に進入した静電気を放電させるための接地電極(4)と、端子(3)と接地電極(4)との間に設けられ、端子(3)と接地電極(4)との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体(10)と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板に関し、特に外部から進入する静電気に対する耐性を備えた電子回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
被服等との摩擦によって人体に生じた静電気や、人が電子機器を取り扱うことによって生じる静電気が電子機器に進入する場合がある。電子機器を構成する電子回路基板に静電気が進入すると、記憶部に記憶されたデータの損傷や、演算部の誤動作の原因となりうる。そこで、電子回路基板に進入する静電気をグランドに逃がすために、電子回路基板には、グランドに接地された接地電極が設けられている。
【0003】
図1に従来の電子回路基板の端子部分の斜視図を示す。電子回路基板1の基板5上には電子回路2が設けられており、外部の機器と接続するための端子3が設けられている。ここでは説明を簡単化するために端子が1つのみの場合を例示している。電子回路2と端子3との間は配線21により接続されている。端子3に侵入する静電気をグランドに逃がすために、グランドに接地した接地電極4を電子回路基板1上に設けている。接地電極4にはビアホール41が設けられ、ビアホール41を介して接地用配線(図示せず)により接地電極4がグランドに接続されている。
【0004】
接地電極4の形状は、任意の形状とすることができるが、ここでは説明の簡単化のために端子3から所定の距離だけ離隔するような形状とした場合を例にとって説明する。端子3に侵入した静電気が、経路2aで示すように配線21を伝わって電子回路2に進入すると電子回路2で誤動作が生じる恐れがある。そこで、端子3に侵入した静電気をグランドに逃がすために端子3の近傍に接地電極4を設けている。端子3と接地電極4との間の距離が短いほど放電が起こりやすくなるが、接地電極4を端子3に近づけ過ぎるとゴミや水滴等の付着により短絡が生じる恐れもある。そこで端子3から所定の間隔を設けて接地電極4を配置する。
【0005】
端子3と接地電極4との間に生じる静電気の放電経路は、端子3と接地電極4との間の距離が短い部分に形成されると考えられる。しかしながら、図1に示すように、接地電極4の端部の形状が凹んだ円弧状となっている場合のように、端子3と接地電極4との間の最短経路が3a〜3dのように複数想定されるような場合には、放電経路を所望の位置に固定することが難しくなる。しかしながら、放電経路がどこに形成されるか確定できないような状況では、接地電極の周辺に回路が存在する場合、端子とその回路との間で放電が生じ、回路に悪影響を及ぼす場合も想定される。このような点から、放電経路を所望の位置に固定させることが望ましいといえる。
【0006】
放電経路を所望の位置に形成する方法として、電子回路基板上に静電保護素子を形成する構成が知られている(例えば、特許文献1)。図2に静電保護素子を備えた従来の電子回路基板の一例を示す。この従来の電子回路基板は、回路基板外部から回路内に誘導しようとする静電気や回路基板上で発生して回路内に蓄積する静電気をグランドに接続された静電気保護パターンに誘導させて逃すというものである。
【0007】
従来の電子回路基板においては、回路基板103上に設けた回路102を取り囲むようにグランドに接地された静電気保護パターン100が形成されている。さらに、静電気を静電気保護パターン100に逃がし易くするために複数の突起101を配置している。このような構成により、静電気を静電気保護導体により誘導させることができ、保護対象である回路102を静電気から保護することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−166099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の従来技術においては、静電気保護パターンを回路に近づけなければ放電を誘導するという効果は得られないが、静電気保護パターンを回路に近づけ過ぎると静電気保護パターンと回路との間で短絡が生じ易くなるという問題があった。
【0010】
一方、静電気保護パターンを形成しない場合には、放電経路を特定することができず、放電現象が不安定になり、その結果、想定されない静電気の進入により回路の破壊や異常動作が生じ易くなるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、端子と接地電極との間に所定の間隔を設けながら、端子と接地電極との間に発生する放電の経路を所望の位置に形成することができる電子回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電子回路基板は、電子回路が形成された絶縁性を有する基板の一部に設けられた端子と、基板の水平方向に端子と離隔して設けられ、基板の外部から端子に進入した静電気を放電させるための接地電極と、端子と接地電極との間に設けられ、端子と接地電極との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子回路基板は、端子と接地電極との間に所定の間隔を設けながら、端子と接地電極との間に発生する放電を所望の電圧で発生させ、その放電の経路を所望の位置に形成することが可能な電子回路基板を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の電子回路基板の端子部分の斜視図である。
【図2】従来の静電保護素子を備えた電子回路基板の平面図である。
【図3】本発明の実施例1の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図4】有効ギャップ長とフラッシュオーバ電圧との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施例2の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図6】本発明の実施例3の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図7】本発明の実施例4の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図8】本発明の実施例5の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図9】第2導電体がある場合とない場合のそれぞれの場合における印加電圧とフラッシュオーバ確率との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施例6の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図11】本発明の実施例7の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図12】本発明の実施例8の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図13】本発明の実施例9の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【図14】本発明の実施例10の電子回路基板の端子部分の斜視図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る電子回路基板について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0016】
まず、本発明の実施例1に係る電子回路基板について説明する。図3に、本発明の実施例1の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のA−Aでの断面図である。本発明の実施例1の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体10と、を有している。特に、実施例1の電子回路基板1は、導電体10が少なくとも表面の一部が露出していることを特徴としている。図1に示した従来の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。
【0017】
図3(a)に示すように、導電体10は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができる。導電体10は、銅箔等の金属で構成することができ、矢印32で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図3(b)を用いて説明する。図3(b)に示すように、基板5上には複数の絶縁体61〜63が形成されている。基板5としてガラスエポキシを用いることができ、絶縁体としてレジストを用いることができる。ここでは絶縁体が3層の場合を例にとって説明するが、3層には限られない。端子3は、基板5及び絶縁体61〜63を貫通するように配置されている。接地電極4は、絶縁体61上に設けられている。このように端子3及び接地電極4はともに外気に触れている。一方、導電体10は絶縁体61上で表面が露出するように形成されており、導電体10も外気に触れている。そのため、放電は矢印32で示すように導電体10自体に放電経路が形成される。
【0018】
本実施例では導電体10の形状を、端部を円弧状の凸形状とする長方形とした例を示したが、これには限られず、任意の形状とすることができる。導電体10の端部のうち、端子3側及び接地電極4側の端部の形状を、円弧状とすることにより、導電体10と端子3または接地電極4と間で発生する放電の位置を所望の位置に制御することが可能となる。さらに放電の位置を1点に集中させたい場合には、導電体10の端部や、導電体10と対向する位置の端子3及び接地電極4の端部の形状を尖形形状としてもよい。
【0019】
次に、導電体10と端子3及び接地電極4との間のギャップ間距離について説明する。図3(b)に示すように、導電体10と接地電極4との間のギャップ間距離d1と、導電体10と端子3との間のギャップ間距離d2との和である有効ギャップ長g(=d1+d2)は種々の値をとることができる。図4に、有効ギャップ長とフラッシュオーバ電圧との関係を示す。ここでフラッシュオーバ電圧とは、端子に印加する電圧であって放電が開始する電圧をいう。図4(a)は導電体10の形状が直線形状の場合において端子3に正の電圧を印加した場合を示し、図4(b)は、有効ギャップ長を種々変えた場合における有効ギャップ長とフラッシュオーバ電圧との関係であり、有効ギャップ長gを対数メモリでプロットした場合を示す。また、ギャップ間距離はd1=d2としている。図4(a)から分かるように、フラッシュオーバ電圧は有効ギャップ長にほぼ比例している。このことから、有効ギャップ長を制御することによりフラッシュオーバ電圧を所望の電圧に設定できることがわかる。即ち、端子3に印加されることが予測される電圧の大きさに応じて、有効ギャップ長を設定することができる。例えば、端子に大きな電圧が印加されることが予想される回路基板においては有効ギャップ長を大きく設定し、端子に小さな電圧が印加されることが予想される回路基板においては有効ギャップ長を小さく設定することにより、端子に印加される静電気に起因する印加電圧に応じて有効ギャップ長を適切な大きさに設定することができる。なお、図4(a)には端子3に正の電圧を印加した場合を例にとって示したが、端子3に負の電圧を印加した場合もほぼ同様の結果が得られた。
図4(b)に示したグラフは、数kVから30kVのESDガンによる印加電圧でフラッシュオーバさせた場合における、フラッシュオーバ電圧VF0と有効ギャップ長gとの間の関係である。この結果から、フラッシュオーバ電圧VF0を数kVから30kVとするためには有効ギャップ長gを0.1〜20mmとすることが好ましく、0.1〜14mmとすることがさらに好ましいことが分かる。
【0020】
以上のように、本発明の実施例1に係る電子回路基板によれば、端子と接地電極との間の所望の位置に放電経路を形成することができ、かつその放電発生電圧をギャップ間距離に応じて変化できるため、端子に進入した静電気を基板上に形成した電子回路に悪影響を与えることなくグランドに逃がすことができ、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。なお、本実施例の説明においては、導電体の形状を直線形状とした場合を例にとって説明したが、導電体の形状を曲線形状等、他の形状とした場合でも同様に放電をコントロールできる。
【実施例2】
【0021】
次に、本発明の実施例2に係る電子回路基板について説明する。図5に、本発明の実施例2の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のB−Bでの断面図である。本発明の実施例2の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体10と、を有している。特に、実施例2の電子回路基板1において、導電体10は、表面が絶縁体61で覆われていることを特徴としている。図1に示した従来の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。
【0022】
図5(a)に示すように、導電体10は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができる。導電体10は、銅箔等の金属で構成することができ、矢印30で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図5(b)を用いて説明する。図5(b)に示すように、基板5上には複数の絶縁体61〜63が形成されている。端子3、接地電極4、基板5及び絶縁体61〜63の構成は実施例1と同様である。導電体10は絶縁体61で覆われており、外気には触れていない。そのため、放電は矢印30で示すように絶縁体61上で導電体10に沿って生じるが、導電体10自体に放電経路は形成されない。ここで、端子3または接地電極4と導電体10との間に設けられた絶縁体61の厚さdは、少なくとも、絶縁体の絶縁耐力をE[kV/cm]、印加される(対象とする)静電気電圧の上限値をV[kV]、導電体10の先端と端子3または接地電極4とのギャップ長及びそれぞれの先端の電極形状で決まる不平等電界係数(電界強調割合)をηとすると、d>Vη/Eであることが必要である。また、導電体10は絶縁体61で覆われているので、絶縁体61上にゴミや水滴等が付着しても端子3との間で短絡が生じることはない。ここでは、導電体10が絶縁体61に覆われる例を示したが、これには限られず、他の絶縁体62または63で覆われるようにしてもよい。導電体10の形状を、端部を円弧状とする長方形とした例を示したがこの様な形状には限られず、任意の形状とすることができる。例えば、図5(a)の導電体10´に示すように曲線状の導電体を設けた場合には、放電経路も30´のように曲線状にすることができる。即ち、放電経路を導電体の形状により制御することができるので、端子3と接地電極4との間に放電を回避したい導体が存在する場合には、そのような導体を回避する形状となるように導電体を設けることにより、そのような導体への放電を回避することができる。
【0023】
以上のように、本発明の実施例2に係る電子回路基板によれば、端子と接地電極との間の所望の位置に放電経路を形成することができるため、端子に進入した静電気を基板上に形成した電子回路に悪影響を与えることなくグランドに逃がすことができ、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。
【実施例3】
【0024】
次に、本発明の実施例3に係る電子回路基板について説明する。図6に、本発明の実施例3の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のC−Cでの断面図である。本発明の実施例3の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体10と、を有し、導電体10の一部には絶縁層が設けられていることを特徴としている。図1に示した従来の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。
【0025】
図6(a)に示すように、導電体10は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができる。導電体10は、銅箔等の金属で構成することができ、矢印32で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図6(b)を用いて説明する。端子3、接地電極4、基板5、絶縁体61〜63の構成は実施例1と同様である。導電体10は基板5の表面に形成されているが、実施例1のように導電体10の表面全体が露出しているのではなく、導電体10の一部には絶縁層9が設けられており、表面の一部が露出していない。そのため、放電は矢印32で示すように導電体10に沿って放電経路が形成されるが、絶縁層9で覆われた導電体10から他の導体に放電は生じない。このため、図6(a)に示すように導電体10の近傍に他の導体42が存在していても導電体10と他の導体42との間で生じる放電を抑制することができる。
【0026】
以上のように、本発明の実施例3に係る電子回路基板によれば、導電体10の一部に絶縁層を設けているため、導電体10の近傍に他の導体が存在している場合であっても導電体10と他の導体との間で放電が生じることを防止することができる。
【実施例4】
【0027】
次に、本発明の実施例4に係る電子回路基板について説明する。図7に、本発明の実施例4の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のC´−C´での断面図である。本発明の実施例4の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体10と、を有し、導電体10の端部のうち、端子3側の端部の表面及び接地電極4側の端部の表面の少なくとも一方が露出しており、露出した端部の表面には耐酸化性を有する導体91、92が設けられていることを特徴としている。図1に示した従来の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。
【0028】
図7(a)に示すように、導電体10は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができる。導電体10は、銅箔等の金属で構成することができ、矢印32で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図7(b)を用いて説明する。端子3、接地電極4、基板5、絶縁体61〜63の構成は実施例1と同様である。導電体10は絶縁体61上に形成されており、導電体10の端部のうち、端子3側の端部の表面及び接地電極4側の端部の表面の少なくとも一方が露出しており、露出した端部の表面には耐酸化性を有する導体91、92が設けられている。導体91、92を設けない場合、放電は、端子3と導電体10の端子3側端部との間及び接地電極4と導電体10の接地電極4側の端部との間で生じるが、導電体10の材質によっては放電を繰り返すうちに導電体10の端部が酸化する場合がある。そこで、本実施例では、放電を繰り返しても酸化が起こりにくい、即ち、耐酸化性を有する材質等により形成した導体91、92を導電体10の端部に設ける点を特徴としている。例えば、導電体10を銅箔等で形成した場合には、銅の表面に酸化銅の被膜が形成される場合があるが、半田で形成した導体91、92を導電体10の端部に設けることにより、銅により形成された導電体10の端部の酸化を抑制することができる。ここで、導体として半田を用いる場合には、半田は電子回路基板1の製造工程で用いられるため、半田で形成した導体91、92を導電体10の端部に設けることによる工数の増加はない。
【0029】
なお、図7(b)において、導電体10に実施例3と同様に絶縁層9を形成した例を示しているが、絶縁層9を形成することにより導電体10のうち導体91、92が形成されていない部分における酸化を抑制することができ、さらに、他の導体(図示せず)が存在する場合であっても、導電体10と他の導体との間で生じる放電を抑制することができる。
【0030】
以上のように、本発明の実施例4に係る電子回路基板によれば、導電体10の一部に耐酸化性を有する導体を設けているため、放電を複数回繰り返した場合であっても導電体10の酸化を防止することができる。
【実施例5】
【0031】
次に、本発明の実施例5に係る電子回路基板について説明する。図8に、本発明の実施例5の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のD−Dでの断面図である。本発明の実施例5の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体10と、を有し、導電体10の下部に形成された絶縁体61によって表面が覆われた第2導電体20をさらに有していることを特徴としている。図3に示した従来の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。
【0032】
図8(a)に示すように、導電体10及び第2導電体20は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができる。導電体10及び第2導電体20は、銅箔等の金属で構成することができ、矢印32で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図8(b)を用いて説明する。端子3、接地電極4、基板5、絶縁体62、63の構成は実施例1と同様である。導電体10は基板5の表面に形成されており、絶縁体61を介して導電体10の下部に第2導電体20が設けられている。第2導電体20は実施例2等で説明した導電体と同様にして形成することができる。第2導電体20は導電体10の近傍に形成することが好ましい。特に、端子3と導電体10との間に形成されるギャップ及び、接地電極4と導電体10との間に形成されるギャップに生じる放電を誘発するように、導電体10から端子3へ伸びるように形成することが好ましく、同様に導電体10から接地電極4へ伸びるように形成することが好ましい。放電は、端子3と導電体10との間及び接地電極4と導電体10との間で生じるが、第2導電体20を設けることによって、ギャップ間での放電を誘発することができるため、放電の位置の制御をさらに高精度で行うことができ、導電体10のみを形成した場合に比べて放電開始電圧を低減することが可能となる。
【0033】
図9に第2導電体がある場合とない場合のそれぞれの場合における、印加電圧とフラッシュオーバ確率との関係を示す。ここでフラッシュオーバ確率とは同一電圧を複数回印加したときにフラッシュオーバが生じた数の比率をいう。図9(a)には正の電圧を端子3に印加した場合を示し、図9(b)には負の電圧を端子3に印加した場合を示している。図9(a)、(b)からわかるように、端子3に印加する電圧の極性に係らず、第2導電体がある場合は、第2導電体がない場合に比べて、印加電圧を同一とした条件下においてフラッシュオーバ確率が高くなっていることがわかる。即ち、第2導電体を設けることによって、所定の確率に着目した場合に、フラッシュオーバ(放電)を発生させる印加電圧(放電開始電圧)を低減することができることがわかる。
【0034】
なお、図8(b)において、導電体10と第2導電体20とが、ほぼ重なるような形状とした例を示したが、導電体10と端子3または接地電極4との間のギャップ間の放電の制御を行う上では、少なくともギャップ間の一部に第2導電体20を設けることが好ましい。
【0035】
以上のように、本発明の実施例5に係る電子回路基板によれば、絶縁体を介して導電体10の近傍に第2導電体20が設けられているため、導電体10のみを設けた場合に比べて放電開始電圧を低減することができる。
【実施例6】
【0036】
次に、本発明の実施例6に係る電子回路基板について説明する。図10に、本発明の実施例6の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のE−Eでの断面図である。本発明の実施例6の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体10と、を有し、導電体10は、表面が絶縁体61で覆われており、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路となる領域を挟むようにして形成され、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電を誘導するための放電誘導用の絶縁体71、72をさらに有することを特徴としている。図5に示した本発明の実施例2の電子回路基板1と同様の構成には同一の符号を付している。
【0037】
図10(a)に示すように、導電体10は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができ、矢印31で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。ここで、端子3と接地電極4との間の放電を単純に直線で結んだ経路で生じさせるのではなく、屈曲させたい場合には、図10(a)に示すように、導電体10を所望の形状に屈曲させればよい。しかしながら、導電体の形状によっては、放電経路が導電体の形状に沿わなくなる場合も想定される。そこで、実施例6の発明においては、放電経路31をより確実に導電体10に沿って形成するために、導電体10の上部の放電経路31となる部分を挟むようにして放電誘導用の絶縁体71、72を設けるようにしている。放電誘導用の絶縁体71、72はシルク印刷により形成することができる。この放電誘導用の絶縁体71、72は、絶縁体61の上部であって、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路となる領域を除いた領域に形成され、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電を誘導するような構成となっている。この放電経路について図10(b)を用いて説明する。図10(b)に示すように、導電体10は絶縁体61に覆われており、外気には触れていない。放電経路31は導電体10の上部に形成されるが放電経路31の両側に放電誘導用の絶縁体71及び72を設けている。具体的には、導電体10の一方の端部10aと放電誘導用の絶縁体の一方の端部71aが重なるように放電誘導用の絶縁体71を配置し、導電体10の他方の端部10bと放電誘導用の絶縁体の他方の端部72aが重なるように放電誘導用の絶縁体72を配置する。このような構成とすることにより、放電経路31は放電誘導用の絶縁体71及び72で挟まれた領域に形成され、導電体10の形状が単純な直線形状でない場合においても、導電体10の形状に沿って放電経路31を形成することができる。なお、本実施例においては、放電誘導用の絶縁体71、72を導電体10の形状に沿うように除去する例を示したが、本発明はこの様な構成には限られない。即ち、放電誘導用の絶縁体71、72は導電体10と重なる部分の少なくとも一部が除去されるように形成されていればよく、放電誘導用の絶縁体71、72が除去された領域は導電体10の幅よりも狭くしてもよく、あるいは広くしてもよく、任意の形状とすることができる。
【0038】
以上のように、本発明の実施例6に係る電子回路基板1によれば、放電経路を単純な直線形状以外の所望の形状とすることができるため、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。
【実施例7】
【0039】
次に、本発明の実施例7に係る電子回路基板について説明する。図11に、本発明の実施例7の電子回路基板の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のG−Gでの断面図である。図5に示した本発明の実施例2の電子回路基板1と同様の構成には同一の符号を付している。実施例7の電子回路基板が実施例2の電子回路基板と異なる点は、導電体10が接地電極4と接続されている点である。
【0040】
図11(a)に示すように、導電体10は端子3及び接地電極4との間の任意の位置に設けることができ、矢印30で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図11(b)を用いて説明する。図11(b)に示すように、導電体10は絶縁体61に覆われており、外気には触れていない。さらに、導電体10はビアホール41を介して接地電極4と接続されている。導電体10は接地電極4と接続されているために導電体10が接地されることとなり、導電体10と端子3との電界強度が高くなり、実施例2の場合に比べて低い電圧から放電を生じさせることができる。
【0041】
以上のように、本発明の実施例7に係る電子回路基板によれば、端子と接地電極との間の所望の位置に放電経路を形成することができるだけでなく、導電体が接地されているために、放電を起こし易くすることができ、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。
【実施例8】
【0042】
次に、本発明の実施例8に係る電子回路基板について説明する。図12に、本発明の実施例8の電子回路基板の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のI−Iでの断面図である。図5に示した本発明の実施例2の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。実施例8の電子回路基板が実施例2の電子回路基板と異なる点は、導電体10が端子3と接続されている点である。
【0043】
図12(a)に示すように、導電体10は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができ、矢印30で示すように導電体10に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図12(b)を用いて説明する。図12(b)に示すように、導電体10は絶縁体61に覆われており、外気には触れていない。さらに、導電体10は端子3と接続されている。導電体10は端子3と接続されているために導電体10と端子3とが同電位となり、導電体10と接地電極4との電界強度が高くなり、実施例2の場合に比べて低い電圧から放電を生じさせることができる。
【0044】
以上のように、本発明の実施例8に係る電子回路基板によれば、端子と接地電極との間の所望の位置に放電経路を形成することができるだけでなく、導電体が端子と接続されているために、放電を起こし易くすることができ、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。
【実施例9】
【0045】
次に、本発明の実施例9に係る電子回路基板について説明する。図13に、本発明の実施例9の電子回路基板の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のJ−Jでの断面図である。本発明の実施例9の電子回路基板1は、電子回路2が形成された絶縁性を有する基板5の一部に設けられた端子3と、基板5の水平方向に端子3と所定の距離だけ離隔して設けられ、基板5の外部から端子3に進入した静電気を放電させるための接地電極4と、端子3と接地電極4との間に設けられ、端子3と接地電極4との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体と、を有し、導電体は、表面が絶縁体61で覆われており、導電体は端子側導電体11と接地電極側導電体12を含み、端子側導電体11は端子3と接続され、接地電極側導電体12は接地電極4と接続されていることを特徴としている。図5に示した本発明の実施例2の電子回路基板と同様の構成には同一の符号を付している。
【0046】
図13(a)に示すように、端子側導電体11及び接地電極側導電体12は端子3と接地電極4との間の任意の位置に設けることができ、矢印30で示すように端子側導電体11または接地電極側導電体12に沿って端子3と接地電極4との間に放電を生じさせることができる。この放電経路について図13(b)を用いて説明する。図13(b)に示すように、接地電極側導電体12は絶縁体61で覆われており、外気には触れていない。また、図示していないが、端子側導電体11も絶縁体61で覆われており、外気には触れていない。さらに、端子側導電体11(図示せず)は端子3と接続され、接地電極側導電体12はビアホール41を介して接地電極4と接続されている。端子側導電体11は端子3と接続されているために端子側導電体11と端子3とが同電位となり、接地電極側導電体12は接地電極4と接続されているために接地電極側導電体12が接地される。その結果、端子側導電体11と接地電極側導電体12との間の電界強度が高くなり、実施例2の場合に比べて低い電圧から放電を生じさせることができる。
【0047】
以上のように、本発明の実施例9に係る電子回路基板1によれば、端子と接地電極との間の所望の位置に放電経路を形成することができるだけでなく、導電体を複数備えており、一方が端子と接続され、他方が接地電極と接続されているために、放電を起こし易くすることができ、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。
【実施例10】
【0048】
次に、本発明の実施例10に係る電子回路基板について説明する。図14に、本発明の実施例10の電子回路基板1の端子部分を示す。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のK−Kでの断面図である。図5に示した本発明の実施例2の電子回路基板1と同様の構成には同一の符号を付している。実施例10の電子回路基板が実施例1乃至9の電子回路基板と異なる点は、端子及び接地電極の少なくとも一方から導電体に向かって導電性の突起が設けられている点である。
【0049】
図14(a)に示すように、端子3と接地電極4との間には絶縁体61で覆われた導電体10が設けられている。さらに、端子3から導電体10に向かって導電性の第1突起81と、接地電極4から導電体10に向かって導電性の第2突起82が設けられている。第1突起81は端子3と接続されているため端子3と同電位であり、第2突起82は接地電極4と接続されているため、第2突起82も接地されている。したがって、静電気の放電は図14(a)の矢印30で示すように、第1突起81の先端部と第2突起82の先端部との間に生じる。この放電経路について図14(b)を用いて説明する。図14(b)に示すように、導電体10は絶縁体61に覆われており、外気には触れていない。一方、第1突起81及び第2突起82は外気に晒されているため、放電は第1突起81と第2突起82との間で生じる。特に、第1突起81と第2突起82は導電体10に向かって先端部を尖形形状としているため、電界が先端部に集中し、第1突起81と第2突起82との間で放電が生じ易くなるため、実施例1の場合に比べて低い電圧から放電を生じさせることができる。
【0050】
なお、本実施例では端子3と接地電極4の両方に導電性の突起を設けた例を示したが、いずれか一方にのみ突起を設けるようにしてもよい。また、図14(b)に示すように、本実施例では、第1突起81と導電体10の端部との間及び第2突起82と導電体10の端部との間に所定の間隔を設けた例を示したが、このような構成には限られず、第1突起81または第2突起82の先端部と導電体10とが重なるように配置してもよい。即ち、第1突起81と導電体10の端部との間の距離をt1とし、第2突起82と導電体10の端部との間の距離をt2とした場合、本実施例のようにt1>0かつt2>0の場合に限られず、t1=0またはt2=0となるようにしてもよく、第1突起81または第2突起82の先端部と導電体10とが重なるように配置してもよい。さらに、本実施例では、実施例2のように端子3と接地電極4との間に設ける導電体として導電体10を設ける例を示したが、実施例1のように導電体として導電体10を設けるようにしてもよい。
【0051】
以上のように、本発明の実施例10に係る電子回路基板によれば、端子と接地電極との間の所望の位置に放電経路を形成することができるだけでなく、端子及び接地電極の少なくとも一方から導電体に向かって導電性の突起が設けられているために、放電を起こし易くすることができ、電子回路基板の放電に対する耐性を高めることができる。
【0052】
なお、以上の実施例においては放電が端子3から接地電極4に向かって生じる場合を例にとって説明したが、印加電圧の極性によっては、接地電極4から端子3に向かって放電が生じる場合も有りうる。
【0053】
以上説明したように、本発明によれば端子と接地電極との間に導電体を設けることにより、導電体に沿って放電経路が形成され、端子と接地電極との間に生じる静電気の放電を所望の経路に誘導することができる。さらに、放電により放射される電磁波が基板上に形成された電子回路に悪影響を及ぼす恐れがある場合には、放電経路を覆うように電磁シールドを設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 電子回路基板
2 電子回路
3 端子
4 接地電極
5 基板
9 絶縁層
10 導電体
11 端子側導電体
12 接地電極側導電体
20 第2導電体
21 配線
30〜32 放電経路
41 ビアホール
61〜63 絶縁体
71、72 放電誘導用の絶縁体
91、92 導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路が形成された絶縁性を有する基板の一部に設けられた端子と、
前記基板の水平方向に前記端子と離隔して設けられ、前記基板の外部から前記端子に進入した静電気を放電させるための接地電極と、
前記端子と前記接地電極との間に設けられ、前記端子と前記接地電極との間で生じる静電気の放電の経路を所定の経路に誘導するように配置された導電体と、
を有することを特徴とする電子回路基板。
【請求項2】
前記導電体は、少なくとも表面の一部が露出している、請求項1に記載の電子回路基板。
【請求項3】
前記導電体は、表面が絶縁体で覆われている、請求項1に記載の電子回路基板。
【請求項4】
前記導電体の端部のうち、前記端子側の端部の表面及び前記接地電極側の端部の表面の少なくとも一方が露出しており、露出した前記端部の表面には耐酸化性を有する導体が設けられている、請求項2に記載の電子回路基板。
【請求項5】
前記導電体の下部に形成された絶縁体によって表面が覆われた第2導電体をさらに有している、請求項2または4に記載の電子回路基板。
【請求項6】
前記端子と前記接地電極との間で生じる静電気の放電の経路となる領域を挟むようにして形成され、前記端子と前記接地電極との間で生じる静電気の放電を誘導するための放電誘導用の絶縁体をさらに有する、請求項3に記載の電子回路基板。
【請求項7】
前記導電体は、前記端子及び前記接地電極の何れか一方と接続されている、請求項3に記載の電子回路基板。
【請求項8】
前記導電体は、端子側導電体と、接地電極側導電体と、を含み、前記端子側導電体は、前記端子と接続され、前記接地電極側導電体は、前記接地電極と接続されている、請求項3に記載の電子回路基板。
【請求項9】
前記端子及び前記接地電極の少なくとも一方から前記導電体に向かって導電性の突起が設けられている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−49117(P2012−49117A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164538(P2011−164538)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(504174135)国立大学法人九州工業大学 (489)
【Fターム(参考)】