説明

電子機器

【課題】標準姿勢でない縦姿勢での使用時においても高い操作性が得られる電子機器を提供する。
【解決手段】撮像装置1Aは、縦位置コントロールグリップ7が装着された撮像装置1Aを縦姿勢で把持している右手に係る特定の指(例えば親指)が届く範囲内に配設されて割り当て機能のカスタマイズが可能なカスタムキーC1〜C3と、撮像装置1Aに関する姿勢を検出する姿勢検出センサとを備えている。そして、姿勢検出センサの検出結果に基づき撮像装置1Aが横姿勢(標準姿勢)と判断される場合には、例えばメモリに記憶される第1機能をカスタムキーC1〜C3に割り当てる一方、撮像装置1Aが縦姿勢(非標準姿勢)と判断される場合には、メモリに記憶される第2機能をカスタムキーC1〜C3に割り当てる。これにより、標準姿勢でない縦姿勢での使用時においても高い操作性が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置(電子機器)においては、横姿勢(標準姿勢)での使用時(例えば撮影時)だけでなく縦姿勢での使用時にも操作性の向上を図るため、それぞれの姿勢に応じて特定のキーに割り当てられる機能を自動的に変更させるものがある(例えば特許文献1や特許文献2)。
【0003】
しかし、上述の撮像装置では、横姿勢および縦姿勢で設定される各割り当て機能は固定化されているため、その割り当て機能をユーザがカスタマイズできず、不便である。
【0004】
一方、特定のキーに割当てられる機能をカスタマイズできる撮像装置としては、例えば特許文献3に開示されるものがある。この撮像装置では、ユーザにとって利用頻度の高い所定の機能を操作部材(特定のキー等)に割り当て、当該操作部材を操作することによって、所望の機能を簡易に実現できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−33724号公報
【特許文献2】特開2006−145761号公報
【特許文献3】特開2002−262152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献3の撮像装置においては、割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材の位置について十分な考慮がなされているとは言えない。
【0007】
例えば、特許文献3の撮像装置においては、割り当て機能のカスタマイズ可能な操作部材が背面左側に設けられている。ユーザは主に右手を用いて撮像装置の本体部右側を把持することが多いが、このような場合に当該操作部材を操作するには、他の部分(レンズ部分等)を把持していた左手(多くの場合利き手でない)を使ったり、あるいは一旦右手による把持状態を解除した後に右手を使うことになるため、操作性が良好とは言えない。このことは、横姿勢(標準姿勢)における撮像装置の使用時に限らず、標準姿勢でない縦姿勢での使用時においても同様である。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、標準姿勢でない縦姿勢での使用時においても高い操作性が得られる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの側面は、電子機器であって、(a)前記電子機器を縦姿勢で把持している右手に係る特定の指が届く範囲内に配設され、割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材と、(b)前記操作部材において前記割り当て機能として設定されている第1機能と第2機能との情報を記憶する記憶手段と、(c)前記電子機器が横姿勢であるのか前記縦姿勢であるのかの姿勢の情報を取得する姿勢情報取得手段と、(d)前記姿勢の情報に基づき前記電子機器が前記横姿勢と判断される場合には、前記操作部材に前記第1機能を割り当てる一方、前記姿勢の情報に基づき前記電子機器が前記縦姿勢と判断される場合には、前記操作部材に前記第2機能を割り当てる機能割当制御手段とを備え、前記横姿勢と前記縦姿勢とは、前記電子機器を使用する際の標準姿勢と非標準姿勢とに対応していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子機器を縦姿勢で把持している右手に係る特定の指が届く範囲内に配設され割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材に対して、電子機器に関する姿勢の情報に基づき電子機器が横姿勢と判断される場合には、記憶手段に記憶される第1機能を割り当てる一方、姿勢の情報に基づき電子機器が縦姿勢と判断される場合には、記憶手段に記憶される第2機能を割り当てる。その結果、標準姿勢でない縦姿勢での使用時においても高い操作性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<第1実施形態>
<撮像装置の要部構成>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置1Aの外観構成を示す図である。図1は、縦位置コントロールグリップ7を装着した撮像装置(横姿勢)1Aの背面外観図であり、図2は、撮像装置1Aの上面外観図である。この撮像装置1Aは、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されており、電子機器として機能する。なお、図1においては、横姿勢での撮影における右手の指FGを併せて示している。
【0012】
図2等に示すように、撮像装置1Aは、カメラ本体部(カメラボディ)2を備えている。また、このカメラ本体部2に対して、交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能である。
【0013】
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴36、ならびに、鏡胴36の内部に設けられるレンズ群37(図4参照)及び絞り等によって構成される。レンズ群37には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
【0014】
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のマウント部を正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン89を円環状のマウント部付近に備えている。
【0015】
また、カメラ本体部2は、正面左端部(背面から見て右側)にユーザが把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面前側には露光開始等を指示するためのシャッターボタン11が設けられている。グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えば4本の単3形乾電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカード90(図4参照)が着脱可能に収納されるようになっている。
【0016】
シャッターボタン11は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)との2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。シャッターボタン11が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作およびAE制御動作等)が行われる。また、シャッターボタン11がさらに押し込まれてS2状態になると、本撮影の撮影動作(撮像素子5(後述)を用いて被写体像に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作)が行われる。
【0017】
図1において、カメラ本体部2の背面略中央上部には、光学ファインダ10が設けられている。光学ファインダ10には、撮影レンズユニット3からの被写体像が導かれる。ユーザは、光学ファインダ10を覗くことによって、被写体を視認することができる。より具体的には、撮影レンズユニット3を通過してきた被写体像を、ミラー機構6(図4参照)で上方に反射させ、ペンタプリズムを通した像を接眼レンズを介して見ることで、被写体像を視認することができる。このように、光学ファインダ10を用いて構図決めを行うことが可能である。なお、本撮影時においては、ミラー機構6は被写体像の光路から待避し、撮影レンズユニット3からの光がシャッタ4(図4参照)の開放タイミングに合わせて撮像素子5に到達し、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
【0018】
カメラ本体部2の背面の略中央(より詳細には若干左寄りの位置)には、背面モニタ12が設けられている。背面モニタ12は、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。背面モニタ12は、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカード90に記録された撮影画像を再生表示したりすることが可能な表示部である。
【0019】
カメラ本体部2の背面右下部、より詳細には背面モニタ12の右下部には、メインスイッチ81が設けられている。メインスイッチ81はレバー式スイッチとして構成され、メインスイッチ81のレバー部を左方の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、当該レバー部を右方の「ON」位置に設定すると、電源がオンになる。
【0020】
カメラ本体部2の背面右上部、より詳細には背面モニタ12の右側には、マルチセレクタ83が設けられている。このマルチセレクタ83は、ジョイスティックタイプの操作部材であり、そのスティック部83eを上下左右の4方向に傾ける操作をそれぞれ検出することが可能であるとともに、当該スティック部83eの押下操作をも検出することが可能である。
【0021】
また、カメラ本体部2の背面右上部、より詳細には背面モニタ12の右側かつマルチセレクタ83の上側には、後側コマンドダイヤル82と、AF/MFコントロールボタン84と、AEロックボタン85と、再生ボタン86とが設けられている。
【0022】
後側コマンドダイヤル82は、回転式の操作部材であり、その回転操作に応じて各種の設定内容を変更することが可能である。
【0023】
AF/MFコントロールボタン84は、オートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)との切り換え指示を受け付けるボタンである。撮影状態において、このボタン84を押下するごとに、オートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)とが順次に切り替わる。
【0024】
AEロックボタン85は、撮影時において自動露光動作によって調整された露光状態を固定する「AEロック」の指示を受け付けるボタンである。AEロックボタン85は、フラッシュ撮影時には「スローシンクロボタン」としても機能する。また、AEロックボタン85は、再生時においては、再生対象画像の削除すべき旨の削除指示を受け付ける「削除ボタン」としても機能する。
【0025】
再生ボタン86は、再生モードへの変更指示を受け付けるボタンである。換言すれば、再生ボタン86は、再生モードへの変更指示機能(再生モードの呼出機能)が割り付けられたボタンである。撮影モードにおいて再生ボタン86が押下されると、撮影装置1は再生モードに移行し、撮影済み画像が背面モニタ12に表示される。
【0026】
また、カメラ本体部2の背面右側部、より詳細には背面モニタ12の右側には、ユーザによる押下操作が可能な3つの押しボタン式のカスタムキー(カスタムボタン)C1,C2,C3が配置されている。各カスタムキーC1〜C3は、ユーザによって機能を可変的に割り当てることが可能なハードキーである。換言すれば、各カスタムキーC1〜C3は、割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材である。これらのカスタムキーC1,C2,C3については後述する。
【0027】
また、カメラ本体部2の背面左側部、より詳細には背面モニタ12の左側には、メニューボタン87と、ファンクションボタン88aと、メモリー切換ボタン88bと、画質調整ボタン88cと、画面切換ボタン88dとが設けられている。
【0028】
メニューボタン87は、メニュー画面の表示機能(呼出機能)を実現するボタンである。メニューボタン87が押下されると、各種設定を行うための複数の項目を有するメニュー画面が背面モニタ12に表示される。
【0029】
ファンクションボタン88aは、上記メニュー画面に含まれる複数の項目のうちの一部の項目に関するサブメニュー画面を背面モニタ12に表示させる機能(呼出機能)を実現するボタンである。例えば、撮影時にファンクションボタン88aが押下されると撮影用のメニュー画面が背面モニタ12に表示され、再生時にファンクションボタン88aが押下されると再生用のメニュー画面が背面モニタ12に表示される。
【0030】
メモリー切換ボタン88bは、撮影画像の記録先の記録媒体(メモリカード等)を切り換えるボタンである。この撮像装置1Aにおいては、複数の種類のメモリカードを撮像装置1A内の各所定位置にいずれも装填しておくことが可能である。メモリー切換ボタン88bの押下操作等によれば、複数の種類のメモリカードが装填された場合にいずれの種類のメモリカードを記録先として選択するかを予め設定しておくことができる。
【0031】
画質調整ボタン88cは、記録画像の画質(スタンダード、ファイン、RAW等)を選択的に設定するためのボタンである。記録画像の画質は、圧縮(JPEG圧縮等)の有無を切り換えること、あるいは圧縮記録時の圧縮率を切り換えることによって、変更される。
【0032】
画面切換ボタン88dは、再生画像に重畳的に撮影情報を表示させるか否か、および重畳的に表示する撮影情報の内容を切り換えるボタンである。例えば、画面切換ボタン88dの押下によって、再生画像のみを表示する画面と、再生画像上に文字情報を重畳的に表示させる画面と、輝度に関するヒストグラムを再生画像上に重畳的に表示させる画面とを、選択的且つ循環的に切り換えることが可能である。
【0033】
また、図2に示すように、カメラ本体部2の上面には、モード設定ボタン92と、ライトボタン93と、ホワイトバランスボタン94aと、ISO感度ボタン94bと、露出補正ボタン94cと、調光補正ボタン94dと、液晶表示パネル96とが設けられている。また、シャッターボタン11の前側には、前側コマンドダイヤル91が設けられている。
【0034】
前側コマンドダイヤル91は、回転式の操作部材であり、その回転操作に応じて各種の設定内容を変更することが可能である。
【0035】
モード設定ボタン92は、カメラの各種モードの設定動作(切替動作)を行うための操作部材である。モード設定ボタン92を押下するごとに、設定内容が順次に(且つ循環的に)変更され、設定内容が決定される。このようなモード設定ボタン92の押下操作によって、各種撮影モード(具体的には、Pモード(プログラムモード)、Aモード(絞り優先モード)、Sモード(シャッタスピード優先モード)、Mモード(マニュアルモード)、人物撮影モード、風景撮影モード、およびフルオート撮影モード等)のうちから、所望のモードを選択することができる。
【0036】
ホワイトバランスボタン94aは、ホワイトバランスの調整を行うためのボタンであり、ISO感度ボタン94bは、ISO感度の調整を行うためのボタンである。露出補正ボタン94cは、画像全体の明るさを補正する露出補正を行うためのボタンであり、調光補正ボタン94dは、フラッシュの発光量を調整する調光補正を行うためのボタンである。
【0037】
液晶表示パネル96は、現在の各種設定内容を表示する表示部である。液晶表示パネル96のバックライトのオンおよびオフは、ライトボタン93の押下操作に応じて変更される。
【0038】
また、後側コマンドダイヤル82あるいは前側コマンドダイヤル91を操作することによれば、各種撮影モードにおける制御値を設定することが可能である。例えば、Sモード(シャッタスピード優先モード)においては、前側コマンドダイヤル91の回転操作によって複数段階の設定可能値の中から所望のシャッタスピードを選択することが可能である。さらに、ISO感度ボタン94bの押下後に、前側コマンドダイヤル91を回転させることによって、複数段階の設定可能値の中から所望の値を選択してISO感度値を設定することが可能である。同様に、ホワイトバランスボタン94aと前側コマンドダイヤル91との組合せ、露出補正ボタン94cと前側コマンドダイヤル91との組合せ、あるいは、調光補正ボタン94dと前側コマンドダイヤル91との組合せによっても、同様の設定操作でそれぞれのボタンに対応する設定内容を決定することが可能である。なお、前側コマンドダイヤル91に代えて後側コマンドダイヤル82を使用することによっても同様の設定操作を行うことが可能である。
【0039】
また、上述の各ボタン84,85,86,87,88a〜88d,92,93,94a〜94d等の周辺領域または当該各ボタン自体には、それぞれ、当該各ボタンに固定的に割り当てられている機能の内容が文字あるいは図形(マーク)等で示されている。これらの表示内容は、カメラ本体部2の該当部分にシルク印刷処理等によって付着されている。例えば、再生ボタン86の中央部には、再生機能(再生モードの呼出機能)を表す図形がシルク印刷されている。また、メニューボタン87の中央部には、「MENU」の4文字がシルク印刷されている。
【0040】
縦位置コントロールグリップ7は、撮像装置1Aの非標準姿勢に対応する縦姿勢で撮像装置1Aを使用する際に用いる補助具として機能し、撮像装置1Aに対して着脱自在となっている。
【0041】
図3は、縦位置コントロールグリップ7を装着した撮像装置1Aを示す背面外観図であり、縦姿勢での使用状態を示している。以下では、図3を参照しつつ、縦位置コントロールグリップ7の構成を説明する。
【0042】
縦位置コントロールグリップ7は、シャッターボタン79(不図示)とモード設定ボタン72とマルチセレクタ73とAF/MFコントロールボタン74とAEロックボタン75とを備えている。
【0043】
シャッターボタン79は、シャッターボタン11と同様の構成を有しており、図3に示す縦姿勢において縦位置コントロールグリップ7の上面から若干下がった位置(図1の横姿勢では右側面から若干左側に入った位置)に設けられている。シャッターボタン79は、奥行き方向においては前側の位置に設けられている。図3においては、縦姿勢での撮影における右手の各指FGの位置が併せて示されている。シャッターボタン79は、撮像装置1Aの縦姿勢において、シャッターボタン11と同様の操作感で撮影開始指示等を入力することが可能である。この実施形態における縦姿勢での撮影においては、このシャッターボタン79を右手の人差し指で押下する状況を前提とする。
【0044】
また、モード設定ボタン72、マルチセレクタ73、AF/MFコントロールボタン74およびAEロックボタン75は、それぞれ、モード設定ボタン92(図2参照)、マルチセレクタ83(図1参照)、AF/MFコントロールボタン84およびAEロックボタン85と同様の構成を有しており、同様の機能を実現する。これらの操作部材72〜75は、縦姿勢における背面右側に配置されており、高い操作性を有している。
【0045】
縦位置コントロールグリップ7がカメラ本体部2に装着された状態において、縦位置コントロールグリップ7とカメラ本体部2との両者が電気的に接続され、各種操作部材72〜75の押下状態等が全体制御部101(図4参照)に伝達されるように構成されている。そのため、ユーザは、縦姿勢による撮影の際、各操作部材72,73,74,75,79を操作することによって、それぞれ対応する操作部材92,83,84,85,11による操作で実現される機能と同様の機能を実現することが可能である。
【0046】
次に、図4を参照しながら、撮像装置1Aの機能ブロックについて説明する。図4は、撮像装置1Aの機能構成を示すブロック図である。なお、縦位置コントロールグリップ7が撮像装置1Aに装着される場合には、電気的接点(例えばコネクタ)70を介して撮像装置1Aと縦位置コントロールグリップ7との間で情報伝達が行われる。
【0047】
図4に示すように、撮像装置1Aは、操作部80、全体制御部101、フォーカス制御部121、ミラー制御部122、シャッタ制御部123、タイミング制御回路124、およびデジタル信号処理回路50等を備える。
【0048】
操作部80は、シャッターボタン11(図2参照)を含む各種ボタンおよびスイッチ等を備えて構成される。操作部80に対するユーザーの入力操作に応答して、全体制御部101が各種動作を実現する。
【0049】
全体制御部101は、マイクロコンピュータとして構成され、主にCPU、メモリ、及びROM等を備える。全体制御部101は、ROM内に格納されるプログラムを読み出し、当該プログラムをCPUで実行することによって、各種機能を実現する。例えば、全体制御部101は、AFモジュール20およびフォーカス制御部121等と協動して、フォーカスレンズの位置を制御する合焦制御動作を行う。全体制御部101は、AFモジュール20によって検出される被写体の合焦状態に応じて、フォーカス制御部121を用いてAF動作を実現する。なお、AFモジュール20は、ミラー機構6を介して進入してきた光を用いて、位相差方式等の合焦状態検出手法により被写体の合焦状態を検出することが可能である。
【0050】
フォーカス制御部121は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM1を駆動することによって、撮影レンズユニット3のレンズ群37に含まれるフォーカスレンズを移動する。また、フォーカスレンズの位置は、撮影レンズユニット3のレンズ位置検出部39によって検出され、フォーカスレンズの位置を示すデータが全体制御部101に送られる。このように、フォーカス制御部121および全体制御部101等は、フォーカスレンズの光軸方向の動きを制御する。
【0051】
ミラー制御部122は、ミラー機構6が光路から退避した状態(ミラーアップ状態)とミラー機構6が光路を遮断した状態(ミラーダウン状態)との状態切替を制御する。ミラー制御部122は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM2を駆動することによって、ミラーアップ状態とミラーダウン状態とを切り替える。
【0052】
シャッタ制御部123は、全体制御部101から入力される信号に基づいて制御信号を生成しモータM3を駆動することによって、シャッタ4の開閉を制御する。
【0053】
タイミング制御回路124は、撮像素子5等に対するタイミング制御を行う。
【0054】
撮像素子(例えばCMOSセンサ)5は、光電変換作用により被写体の光像を電気的信号に変換して、撮像画像に係る画像信号を生成する。撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される駆動制御信号(蓄積開始信号および蓄積終了信号)に応答して、受光面に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。また、撮像素子5は、タイミング制御回路124から入力される読出制御信号に応答して、当該画像信号を信号処理部51へ出力する。また、タイミング制御回路124からのタイミング信号(同期信号)は、信号処理部51及びA/D(アナログ/デジタル)変換回路52にも入力される。
【0055】
撮像素子5で取得された画像信号は、信号処理部51において所定のアナログ信号処理が施され、当該アナログ信号処理後の画像信号はA/D変換回路52によってデジタル画像データ(画像データ)に変換される。この画像データは、デジタル信号処理回路50に入力される。
【0056】
デジタル信号処理回路50は、A/D変換回路52から入力される画像データに対してデジタル信号処理を行い、撮像画像に係る画像データを生成する。デジタル信号処理回路50は、黒レベル補正回路53、ホワイトバランス(WB)回路54、γ補正回路55及び画像メモリ56を備える。
【0057】
黒レベル補正回路53は、A/D変換回路52が出力した画像データを構成する各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正する。WB回路54は、画像のホワイトバランス調整を行う。γ補正回路55は、撮像画像の階調変換を行う。画像メモリ56は、生成された画像データを一時的に記憶するための、高速アクセス可能な画像メモリであり、複数フレーム分の画像データを記憶可能な容量を有する。
【0058】
本撮影時には、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、全体制御部101によってカードI/F132を介してメモリカード90に記憶される。
【0059】
また、画像メモリ56に一時記憶される画像データは、全体制御部101によって適宜VRAM131に転送され、背面モニタ12に画像データに基づく画像が表示される。これによって、撮影画像を確認するための確認表示(アフタービュー)、および撮影済みの画像を再生する再生表示等が実現される。
【0060】
さらに、撮像装置1Aは、通信用I/F133を有しており、当該インターフェイス133の接続先の機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)とデータ通信をすることが可能である。
【0061】
また、撮像装置1Aは、フラッシュ41、フラッシュ制御回路42、およびAF補助光発光部43を備えている。フラッシュ41は、被写体の輝度不足時等に利用される光源である。フラッシュ41の点灯の有無および点灯時間等は、フラッシュ制御回路42および全体制御部101等によって制御される。AF補助光発光部43は、AF用の補助光源である。AF補助光発光部43の点灯の有無および点灯時間等は、全体制御部101等によって制御される。
【0062】
また、撮像装置1Aは、その姿勢を検出する姿勢検出部136を備えている。姿勢検出部136は、例えば水銀スイッチや重力センサ、加速度センサ等として構成された姿勢検出センサを有している。この姿勢検出部136での検出結果に基づき、全体制御部101では、撮像装置1Aを使用する際の標準姿勢に対応した横姿勢(図1)であるのか、撮像装置1Aを使用する際の非標準姿勢に対応した縦姿勢(図3)であるのかの姿勢の情報が取得される。
【0063】
さらに、撮像装置1Aは、不揮発性メモリ135を備えている。不揮発性メモリ135には、撮像装置1Aにおける各種設定内容(例えば後述するカスタムキーC1〜C3に設定される機能の内容)等が記憶される。
【0064】
<カスタムキーの配置について>
次に、カスタムキーC1,C2,C3(図1参照)の配置について説明する。上述したように、各カスタムキーC1〜C3は、割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材である。
【0065】
図1に示すように、各カスタムキーC1〜C3は、撮像装置1Aの背面の右側領域内に配置されている。詳細には、各カスタムキーC1,C2,C3は、背面右側領域のうち、右側周縁部(例えば背面右側領域の右端1/4領域)を除いた領域に配置されている。また、各カスタムキーC1〜C3は、背面右側領域のうち、上側周縁部(例えば背面右側領域の上端1/4領域)を除いた領域に配置されている。したがって、各カスタムキーC1〜C3は、背面右側領域のうち右側周縁部と上側周縁部との両領域を除いた領域に配置されていることになる。
【0066】
また、図1に示すように、各カスタムキーC1〜C3は、背面モニタ12よりも右側に配置されており、より詳細には、背面モニタ12の右側周辺領域に配置されている。
【0067】
ここにおいて、ユーザは、撮像装置1Aの底面が地面に対して比較的水平に近い姿勢(標準姿勢)である横姿勢で撮影動作を行う際には、撮像装置1Aの右側に設けられたシャッターボタン11に右手の人差し指を触れさせ、当該右手で撮像装置1Aの本体(詳細には右側部(グリップ部14等))を把持して構図決めを行うことが多い。なお、本明細書では、原則として、標準姿勢(図1参照)を基準に左右上下を規定するものとする。
【0068】
図1および図2においては、右手の指FG等の位置が併せて示されている。図1等では、撮像装置1Aの標準姿勢による撮影において、その途中で再生ボタン86を押下している右手親指の位置が示されている。なお、撮像装置1Aの標準姿勢での撮影において、シャッターボタン11を押下する時点では、右手親指は、図1に示す位置に存在してもよいが、誤操作を防止する観点からは、図1に示す位置よりも若干低い位置(例えばカスタムキーC1の右側真横かつ再生ボタン86の真下付近)に存在することが好ましい。
【0069】
このような標準姿勢による撮影を行うに際して、各カスタムキーC1〜C3は撮像装置1Aの背面右側領域内に配置されているため、各カスタムキーC1〜C3は右手の指(特に右手親指)によって良好に操作される。特に、各カスタムキーC1〜C3は背面モニタ12の右側周辺領域に配置されているため、右手親指による操作性が非常に良好である。
【0070】
また、各カスタムキーC1〜C3は、撮像装置1Aの標準姿勢での撮影においてユーザが標準姿勢の撮像装置1Aを右手を用いて把持するとき、当該右手の親指以外の部分の把持状態を実質的に変更することなく右手親指の関節(第1関節、第2関節および第3関節の少なくとも1つ以上)を動かすことによって対象操作部材に対する当該右手親指による操作が可能な範囲(以下、標準姿勢における「優良操作性領域」ないし「1等地」とも称する)に配置されている、とも表現される。標準姿勢における「優良操作性領域」は、例えば、図1において破線で囲まれる楕円領域AR1として表現される。また、この「優良操作性領域」の位置および大きさは、例えば、標準的な成人男性の手指の大きさを基準にして決定される。
【0071】
よって、ユーザは、右手(詳細には手のひら)による把持状態を解除することなく且つ右手の把持部分をほとんどずらすこともなく、右手親指のみを移動することによって、各カスタムキーC1〜C3を押下操作することが可能であり、非常に高い操作性を得ることが可能である。すなわち、ユーザは、右手による撮像装置1Aの把持状態を実質的に変更することなく、右手親指を所望のカスタムキーの位置へと移動させて当該カスタムキーを押下することができるので、高い操作性を得ることができる。なお、このような高い操作性は、右手のみを用いて(すなわち片手で)撮像装置1Aを把持している場合にも得ることができ、右手と左手との両方を用いて(すなわち両手で)撮像装置1Aを把持している場合にも得ることができる。
【0072】
そして、このような高い操作性を有する各カスタムキーC1,C2,C3に、それぞれ、他の操作部材84,85,86,87,88a〜88d,92,93,94a〜94d等のいずれかの機能を割り当てることが可能である。例えば、カスタムキーC1にファンクションボタン88aの機能を割り当てること、カスタムキーC2にISO感度ボタン94bの機能を割り当てること、および/または、カスタムキーC3に再生ボタン86の機能を割り当てることなどが可能である。
【0073】
したがって、撮像装置1Aを横姿勢(標準姿勢)で把持している右手における特定の指(例えば親指)が届く範囲内に配設されたカスタムキーC1〜C3への操作によって、当該カスタムキーに割り当てられた機能を実現することが可能である。その結果、ユーザは非常に高い操作感を得ることができる。
【0074】
また、上記においては、各カスタムキーC1〜C3が、「優良操作性領域」内に配置されている場合を例示しているが、これに限定されない。
【0075】
例えば、カスタムキーC1〜C3を、次述する「中操作性領域」内に配置するようにしてもよい。これによっても、高い操作性を得ることができる。
【0076】
ここで、標準姿勢における「中操作性領域」は、ユーザが標準姿勢の撮像装置1Aを右手を用いて把持するとき、右手の親指以外の把持部分の把持位置および/または把持角度をずらして把持状態を実質的に変更することによれば、対象操作部材に対する右手親指による操作が可能になる範囲(領域)を意味するものとする。換言すれば、標準姿勢における「中操作性領域」は、ユーザが標準姿勢の撮像装置を右手を用いて把持するとき、対象操作部材を右手親指で操作するためには、右手親指以外の右手による把持状態を実質的に変更する必要がある領域であるとも表現される。なお、上述の背面右側領域は、このような「中操作性領域」の一部または全部と上述の「優良操作性領域」との両方を含む領域であるとも表現される。
【0077】
これに対して、カスタムキーC1〜C3を、標準姿勢における「低操作性領域(次述)」に配置することも考えられる。例えば、カスタムキーC1〜C3を背面モニタ12の左側周辺領域に配置することも考えられる。
【0078】
ここで、標準姿勢における「低操作性領域」は、ユーザが標準姿勢の撮像装置1Aを右手を用いて把持するとき、対象操作部材を右手親指で操作するためには、右手(詳細には手のひらの大部分以上)を撮像装置1Aから離すことなどによりその把持状態を実質的に解除する必要がある領域を意味するものとする。この「低操作性領域」は、「2等地」とも称される。なお、上述の「中操作性領域」は、この「低操作性領域(2等地)」と上述の「優良操作性領域(1等地)」との中間の操作性を有する領域であることから、「1.5等地」とも称される。
【0079】
しかしながら、より高い操作性を得るためには、このような「低操作性領域(2等地)」にカスタムキーC1,C2,C3を配置するよりも、「中操作性領域(1.5等地)」にカスタムキーC1,C2,C3を配置することが好ましい。また、さらに高い操作性を得るためには、カスタムキーC1,C2,C3を「優良操作性領域(1等地)」に配置することが特に好ましい。
【0080】
以上では、撮像装置1Aの底面が地面に対して比較的水平に近い横姿勢で、撮影動作が行われる際の操作性について説明してきた。
【0081】
次に、撮像装置1Aの底面が地面に対して比較的垂直に近い姿勢である縦姿勢(図3参照)で、撮影動作が行われる際の操作性について説明する。
【0082】
図3に示す縦姿勢による撮影の際に、カスタムキーC2,C3は、楕円領域AR2内に配置されている。換言すれば、カスタムキーC2,C3は、縦姿勢における「優良操作性領域」(次述)に配置されている。したがって、縦姿勢での撮影においても、カスタムキーC2,C3の押下操作による非常に高い操作性を得ることができる。ここで、縦姿勢における「優良操作性領域」(「1等地」とも称する)は、撮像装置1Aの縦姿勢での撮影においてユーザが縦姿勢の撮像装置1Aを右手を用いて把持するとき、当該右手の親指以外の部分の把持状態を実質的に変更することなく右手親指の関節(第1関節、第2関節および第3関節の少なくとも1つ以上)を動かすことによって対象操作部材に対する当該右手親指による操作が可能な範囲を意味するものとする。
【0083】
したがって、カスタムキーC2,C3は、標準姿勢(横姿勢)における「優良操作性領域」(例えば、図1の領域AR1)と縦姿勢における「優良操作性領域」(例えば、図3の領域AR2)との積領域(AND領域ないし重複領域)に配置されていることになる。そのため、いずれの姿勢においても当該カスタムキーC2,C3を非常に良好な操作性で操作することができる。
【0084】
また、カスタムキーC1は、縦姿勢における「中操作性領域」(「1.5等地」とも称する)に配置されている。したがって、縦姿勢での撮影においても、カスタムキーC1を用いた良好な操作を行うことができる。なお、縦姿勢における「中操作性領域」は、ユーザが縦姿勢の撮像装置を右手を用いて把持するとき、右手の親指以外の把持部分の把持位置および/または把持角度をずらして把持状態を実質的に変更することによれば、対象操作部材に対する右手親指による操作が可能になる範囲(領域)を意味するものとする。
【0085】
以上のように各カスタムキーC1〜C3は、縦位置コントロールグリップ7が装着された撮像装置1Aを縦姿勢で把持している右手における特定の指(例えば親指)が届く範囲内に配設されている。これにより、縦姿勢の撮像装置1Aを右手で把持したまま、縦位置コントロールグリップ7のシャッターボタン79を右手の指(例えば人差し指)で操作できるとともに、ユーザが所望する機能が割り当てられたカスタムキーC1〜C3を右手の指(例えば親指)で容易に操作できることとなる。その結果、縦姿勢での操作性向上を一層図れる。
【0086】
また、カスタムキーC2,C3は、このような縦姿勢による撮影の際に、図3の縦姿勢における右側領域(すなわちシャッターボタン79に近い側の右半領域)に配置されている。このように、カスタムキーは、横姿勢における背面右側領域と縦姿勢における背面右側領域との積領域に配置されることが好ましい。これによれば、いずれの姿勢においても当該カスタムキーを良好な操作性で操作することができる。
【0087】
ところで、撮像装置1Aの横姿勢において、再生ボタン86は背面右上部に設けられており、再生ボタン86自身も非常に操作しやすい部位(詳細には、標準姿勢(横姿勢)における「優良操作性領域(1等地)」内)に配置されている。したがって、ユーザは、撮像装置1Aの横姿勢で撮影する際には、再生ボタン86を用いて再生モードへの変更指示機能を非常に高い操作性で実行することが可能である。
【0088】
しかしながら、撮像装置1Aの縦姿勢においては、再生ボタン86は左端領域に位置することになるため(図3参照)、再生ボタン86を右親指で操作する際の操作性は良好ではない。なお、縦姿勢における「低操作性領域」は、ユーザが縦姿勢の撮像装置を右手を用いて把持するとき、対象操作部材を右手親指で操作するためには、右手(詳細には手のひらの大部分以上)を撮像装置から離すことなどによりその把持状態を実質的に解除する必要がある領域を意味するものとする。
【0089】
これに対して、カスタムキーC2,C3は、縦姿勢においても右親指による良好な操作性を得ることが可能な範囲(例えば「優良操作性領域(1等地)」)に存在する。
【0090】
したがって、カスタムキーC2(またはC3)に再生ボタン86の機能を割り当てておけば、ユーザは、撮像装置1Aの縦姿勢で撮影する際には、カスタムキーC2(またはC3)を用いて再生モードへの変更指示機能を実行することが可能である。
【0091】
このように、横姿勢における「優良操作性領域(1等地)」内に存在する再生ボタン86の機能を、縦姿勢における「優良操作性領域(1等地)」内に存在するカスタムキーC2(またはC3)に割り当てることが可能である。そして、この場合、横姿勢では再生ボタン86を用い縦姿勢ではカスタムキーC2(またはC3)を用いた操作を行うことによって、横姿勢および縦姿勢の双方において、高い操作性を得ることが可能である。特に、再生ボタン86が縦姿勢での「優良操作性領域(1等地)」に存在しない場合でも、縦姿勢においてはカスタムキーC2(またはC3)を用いた操作を行うことによって、縦姿勢でも非常に高い操作性を得ることが可能である。
【0092】
以上のように配置される各カスタムキーC1〜C3についての機能割り当てについて、以下で説明する。
【0093】
<カスタムキーの重畳的機能割り当てについて>
各カスタムキーC1〜C3には、当該撮像装置1Aの他の操作部材に固定的に割り当てられている機能を重畳的に割り当てることが可能となるように、この撮像装置1Aは構成されている。当該他の操作部材(すなわち、機能が固定的に割り当てられている操作部材であって割当機能のカスタマイズが不可能な操作部材)を、機能固定操作部材N1とも称する。機能固定操作部材N1としては、上述の設定用の各種ボタン84,85,86,87,88a〜88d,92,93,94a〜94d等が例示される。
【0094】
例えば、再生ボタン86に割り当てられた機能(すなわち再生モードへの変更指示機能)は、再生ボタン86への割り当てが継続されたまま(換言すれば再生ボタン86への割り当てが無効化されることなく)カスタムキーC3にも割り当て可能である。すなわち、再生ボタン86に固定的に割り当てられている機能は、カスタムキーC3に対して重畳的に割り当て可能である。
【0095】
そして、再生ボタン86の機能がカスタムキーC3にも割り当てられた場合には、再生モードへの変更指示を行うための操作として、再生ボタン86の押下操作およびカスタムキーC3の押下操作のいずれをも用いることが可能である。したがって、再生モードへの変更指示機能を簡易な操作で実現するために、必ずしもカスタムキーC3を用いることを要さず、適宜に再生ボタン86(機能固定操作部材N1)を用いることも可能である。この場合、操作の任意性が高いため、ユーザにとって便利である。例えば、カスタムキーC3への割り当て内容についてのユーザの記憶が曖昧でありユーザに迷いが生じるときなどにおいては、再生ボタン86を用いて確実に当該機能を呼び出すことが可能である。特に、再生ボタン86には当該ボタンの機能を示す図形が付されているので、視覚的に判りやすい。
【0096】
また、撮像装置1Aでは、各カスタムキーC1〜C3に複数の機能を割り当てられるように構成されている。具体的には、撮像装置1Aの横姿勢と縦姿勢とで異なる機能を各カスタムキーC1〜C3に割り当てることが可能である。以下では、この機能割り当てに関する撮像装置1Aの動作を説明する。
【0097】
図5は、カスタムキーC1〜C3の割り当て機能に関する設定変更動作を示すフローチャートであり、図6〜図11は、背面モニタ12に表示される各種画面G11〜G16をそれぞれ示す図である。これらの図を参照しながら、当該設定変更動作について説明する。ここでは、縦姿勢での「カスタムキーC3」に「再生キー」の機能を割り当てる場合について例示するが、他の割り当て動作についても同様である。
【0098】
まず、ユーザがメニューボタン87を押下すると、撮像装置1Aは背面モニタ12にメニュー画面G11(図6)を表示する(ステップSP11)。
【0099】
その後、ユーザが、複数の選択肢の中から所望の選択肢すなわち「カスタムキー変更」を選択する(ステップSP12)と、撮像装置1Aは、「カスタムキー変更」を行うべき旨の指示入力がされたものとみなし、背面モニタ12に画面G12(図7)を表示する。
【0100】
画面G12には、現時点での割り当て状態が示されている。詳細には、3つのカスタムキーC1〜C3のそれぞれについて、撮像装置1Aの横姿勢に対する割り当て内容と撮像装置1Aの縦姿勢に対する割り当て内容とが示されている。図7では、カスタムキーC1について「画サイズ」が横姿勢に関して割り当てられており、「ストロボ」が縦姿勢に関して割り当てられている。また、カスタムキーC2について「WB」が横姿勢に関して割り当てられており、「メニュー」が縦姿勢に関して割り当てられている。そして、カスタムキーC3については、横姿勢および縦姿勢に関して同じ「ISO」が割り当てられている。
【0101】
次に、ユーザは、画面G12内に表示される選択肢の中から、マルチセレクタ83を用いて、変更対象(カスタマイズ対象)のカスタムキー(ここではカスタムキーC3)を選択する(ステップSP13)。当該選択操作に応答して、撮像装置1Aは、変更対象として選択されたカスタムキーを特定した後に、変更対象となる撮像装置の「姿勢」を選択するための画面G13(図8)を背面モニタ12に表示する。
【0102】
ユーザは、画面G13に表示される選択肢の中から、マルチセレクタ83を用いて、変更対象となる撮像装置1Aの「姿勢」(ここでは「たて」)を選択する(ステップSP14)。当該選択操作に応答して、撮像装置1Aは、変更対象として選択された姿勢を特定した後に、割り当て可能な機能をリスト表示する画面G14(図9)を背面モニタ12に表示する。なお、このリスト表示については、リスト式、プルダウン式、ラジオボタン式などの表示形態を採用することが可能である。
【0103】
ユーザは、画面G14に表示される選択肢の中から、マルチセレクタ83を用いて、割り当てるべき機能を選択する(ステップSP15)。
【0104】
この選択操作に応答して、撮像装置1Aは、割り当て対象としてユーザによって選択された機能を特定し、選択内容を確認する画面G15(図10)を表示する(ステップSP16)。図10の画面G15においては、「縦姿勢でのカスタムキーC3に再生キーをアサインする」という設定内容で良いか否かを確認すべき旨が表示されている。
【0105】
ユーザによって設定内容が正しくない旨が入力されると、ステップSP15に戻り、再び割り当て機能の再選択動作に移行する。一方、ユーザによって設定内容が正しい旨が入力されると、ステップSP17に進む。
【0106】
ステップSP17においては、撮像装置1Aは、ステップSP13で選択されたカスタムキーの、ステップSP14で選択された撮像装置1Aの姿勢に対して、ステップSP15で選択された機能を割り当てるべく、新たな設定内容を記憶する。詳細には、不揮発性メモリ135内に記憶されていた設定内容を新たな設定内容で上書きして、設定内容を更新する。換言すれば、不揮発性メモリ135には、割り当て機能としてカスタムキーに現時点で設定されている横姿勢での機能(第1機能)と縦姿勢での機能(第2機能)との情報が記憶されることとなる。その後、撮像装置1Aは、「カスタムキー変更」動作を終了し、背面モニタ12はメニューボタン87押下前の表示状態に戻る(ステップSP18)。
【0107】
上記のような設定変更動作が終了すると、図11に示す画面G16のようにカスタムキーの割り当て内容が変更されている。当該設定変更後においては、新たな割り当て内容に依拠し、各カスタムキーC1〜C3の押下に応答して、押下されたキーおよび当該キー押下時の撮像装置1Aの姿勢(横姿勢または縦姿勢)に対応する機能が実行される。
【0108】
以上のように各カスタムキーC1〜C3に2つの機能が設定された撮像装置1Aの動作を、以下で説明する。
【0109】
<撮像装置1Aの動作>
図12は、撮像装置1Aの基本的な動作を示すフローチャートである。本動作については、撮像装置1Aの全体制御部101により実行される。
【0110】
まず、ユーザがメインスイッチ81を操作して電源がオンにされると、撮像装置1Aを起動するための処理(初期化処理)が行われる(ステップST11)。
【0111】
ステップST12では、撮影モードに設定されているかを判定する。すなわち、撮像装置1Aの姿勢に応じてカスタムキーC1〜C3の割り当て機能を変更することが必要な撮影モードが選択されているか、それ以外のモード(例えば姿勢検出が不要な再生モード)が選択されているかを判断する。ここで、撮影モードに設定されている場合には、ステップST13に進み、撮影モードに設定されていない場合には、本フローを終了する。
【0112】
ステップST13では、撮像装置1Aが縦姿勢であるかを判定する。すなわち、姿勢検出部136により撮像装置1Aの姿勢を検出し、縦姿勢であるか否かを判断する。ここで、縦姿勢である場合には、ステップST14に進み、縦姿勢でなく横姿勢の場合には、ステップST15に進む。
【0113】
ステップST14では、各カスタムキーC1〜C3に対して縦姿勢での機能を割り当てる処理を行う。例えば、図11に示す機能設定がなされている場合には、不揮発性メモリ135に記憶される「ストロボ」、「メニュー」、「再生」の各機能がカスタムキーC1〜C3に割当てられる。
【0114】
ステップST15では、各カスタムキーC1〜C3に対して横姿勢での機能を割当てる処理を行う。例えば、図11に示す機能設定がなされている場合には、不揮発性メモリ135に記憶される「画サイズ」、「WB」、「ISO」の各機能がカスタムキーC1〜C3に割当てられる。
【0115】
このようにステップST14およびステップST15では、姿勢検出部136の検出結果に基づき撮像装置1Aが横姿勢と判断される場合には、不揮発性メモリ135に記憶される横姿勢での機能(第1機能)を各カスタムキーC1〜C3に割り当てる一方、姿勢検出部136の検出結果に基づき撮像装置1Aが縦姿勢と判断される場合には、不揮発性メモリ135に記憶される縦姿勢での機能(第2機能)を各カスタムキーC1〜C3に割り当てる。これにより、各姿勢における撮像装置1Aの操作性が一層向上することとなる。
【0116】
以上の撮像装置1Aの動作により、縦位置コントロールグリップ7が装着された撮像装置1Aを縦姿勢で把持している右手の指が届く範囲内に配設された各カスタムキーC1〜C3では、撮像装置1Aの横姿勢・縦姿勢に応じて割り当て機能が切替えられるため、標準姿勢でない縦姿勢での使用時においてもユーザは高い操作性が得られる。さらに、各カスタムキーC1〜C3は、撮像装置1Aを横姿勢で把持している右手の指が届く範囲内に配設されているため、標準姿勢に対応する横姿勢での使用時についても高い操作性が得られることとなる。
【0117】
なお、撮像装置1Aにおいては、姿勢検出部136での検出結果に応じてカスタムキーC1〜C3の割り当て機能が切替えられるが、姿勢検出部136では常に安定した姿勢検出を行えるとは限らない。そこで、姿勢検出が不安定な状態に陥っても現時点で検出されている姿勢が横姿勢であるのか縦姿勢であるのかをユーザに伝達できるように、例えば液晶パネル96に姿勢検出部136の検出結果に応じた表示を行わせるのが好ましい。具体的には、姿勢検出部136での検出結果が横姿勢の場合には図13(a)のような表示を行い、検出結果が縦姿勢の場合には図13(b)のような表示を行わせるようにする。これにより、ユーザが液晶パネル96の表示形態を視認することで、カスタムキーC1〜C3に現在割り当てられている機能を確実に把握できることとなる。
【0118】
<第2実施形態>
<撮像装置の要部構成>
本発明の第2実施形態に係る撮像装置1Bは、図1〜3に示す第1実施形態の撮像装置1Aと同様の外観構成を有しているが、図4に示す撮像装置1Aの機能構成に対して姿勢検出部136が削除された機能構成となっている点が相違している。
【0119】
このように撮像装置1Bは、姿勢検出部136(図4)を備えていないため、第1実施形態のように撮像装置が横姿勢であるのか縦姿勢であるのかを自動的に検出できない。
【0120】
そこで、本実施形態の撮像装置1Bでは、その姿勢をユーザが撮像装置1Bに入力することで、撮像装置1Bが横姿勢であるのか縦姿勢であるのかの姿勢の情報を取得する。具体的には、カスタムキーC1〜C3に対する通常押し状態(第1の押下状態)を横姿勢に関連付けるとともに長押し状態(第2の押下状態)を縦姿勢に関連付けることにより、通常押しの場合には撮像装置1Aが横姿勢であると判断する一方、長押しの場合には撮像装置1Aが縦姿勢であると判断する。詳細には、カスタムキーC1〜C3の押下期間の相違(長短)に応じて複数の押下状態(ここでは通常押し状態および長押し状態)を区別して検出し、当該複数の押下状態のそれぞれに異なる姿勢を対応付ける。ここでは、例えば1秒より長い期間にわたるカスタムキーの押下状態を「長押し状態」と判定し、1秒以下の短い期間にわたるカスタムキーの押下状態を「通常押し状態」と判定する。
【0121】
以上のような撮像装置1Bにおいても、第1実施形態と同様にカスタムキーC1〜C3に対する複数の機能割り当てが可能となっている。以下では、この機能割り当てに関する撮像装置1Bの動作を説明する。
【0122】
図14は、カスタムキーC1〜C3の割り当て機能に関する設定変更動作を示すフローチャートであり、図15〜図19は、背面モニタ12に表示される各種画面G22〜G26をそれぞれ示す図である。これらの図を参照しながら、当該設定変更動作について説明する。ここでは、縦姿勢の入力操作に相当する「カスタムキーC3」の長押し操作に「再生キー」の機能を割り当てる場合について例示するが、他の割り当て動作についても同様である。
【0123】
まず、ユーザがメニューボタン87を押下すると、撮像装置1は背面モニタ12にメニュー画面G11(図6参照)を表示する(ステップSP21)。
【0124】
その後、ユーザが、複数の選択肢の中から所望の選択肢すなわち「カスタムキー変更」を選択する(ステップSP22)と、撮像装置1は、「カスタムキー変更」を行うべき旨の指示入力がされたものとみなし、背面モニタ12に画面G22(図15)を表示する。
【0125】
画面G22には、現時点での割り当て状態が示されている。詳細には、3つのカスタムキーC1〜C3のそれぞれについて、通常押し状態(第1の押下状態)に対する割り当て内容と長押し状態(第2の押下状態)に対する割り当て内容とが示されている。図15においては、カスタムキーC1の通常押し状態に対して「画サイズ」が割り当てられており、カスタムキーC1の長押し状態に対して「ストロボ」が割り当てられている。また、カスタムキーC2の通常押し状態に対して「WB」が割り当てられており、カスタムキーC2の長押し状態に対して「メニュー」が割り当てられている。さらに、カスタムキーC3の通常押し状態に対して「ISO」が割り当てられており、カスタムキーC3の長押し状態に対しても「ISO」が割り当てられている。
【0126】
次に、ユーザは、画面G22内に表示される選択肢の中から、マルチセレクタ83を用いて、変更対象(カスタマイズ対象)のカスタムキー(ここではカスタムキーC3)を選択する(ステップSP23)。当該選択操作に応答して、撮像装置1は、変更対象として選択されたカスタムキーを特定した後に、変更対象となる「押下状態」を選択するための画面G23(図16)を背面モニタ12に表示する。
【0127】
ユーザは、画面G23に表示される選択肢の中から、マルチセレクタ83を用いて、変更対象の「押下状態」(ここでは「長押し」)を選択する(ステップSP24)。当該選択操作に応答して、撮像装置1は、変更対象として選択された押下状態を特定し、今度は、割り当て可能な機能をリスト表示する画面G24(図17)を背面モニタ12に表示する。
【0128】
ユーザは、画面G24に表示される選択肢の中から、マルチセレクタ83を用いて、割り当てるべき機能を選択する(ステップSP25)。
【0129】
この選択操作に応答して、撮像装置1は、割り当て対象としてユーザによって選択された機能を特定し、選択内容を確認する画面G25(図18)を表示する(ステップSP26)。図18の画面G25においては、「カスタムキーC3の長押し操作に再生キーをアサインする」という設定内容で良いか否かを確認すべき旨が表示されている。
【0130】
ユーザによって設定内容が正しくない旨が入力されると、ステップSP25に戻り、再び割り当て機能の再選択動作に移行する。一方、ユーザによって設定内容が正しい旨が入力されると、ステップSP27に進む。
【0131】
ステップSP27においては、撮像装置1は、ステップSP23で選択されたカスタムキーのステップSP24で選択された押下状態に対して、ステップSP25で選択された機能を割り当てるべく、新たな設定内容を記憶する。詳細には、不揮発性メモリ135内に記憶されていた設定内容を新たな設定内容で上書きして、設定内容を更新する。その後、撮像装置1Bは、「カスタムキー変更」動作を終了し、背面モニタ12はメニューボタン87押下前の表示状態に戻る(ステップSP28)。
【0132】
上記のような設定変更動作が終了すると、図19に示す画面G26のように各カスタムキーC1〜C3の割り当て内容が変更されている。当該設定変更後においては、新たな割り当て内容に依拠し、各カスタムキーC1〜C3の押下に応答して、押下されたキーおよび当該キーの押下状態(通常押しまたは長押し)に対応する機能が実行される。
【0133】
以上のように各カスタムキーC1〜C3に2つの機能が設定された撮像装置1Bの動作を、以下で説明する。
【0134】
<撮像装置1Bの動作>
図20は、撮像装置1Bの基本的な動作を示すフローチャートである。本動作については、撮像装置1Bの全体制御部により実行される。
【0135】
まず、ユーザがメインスイッチ81を操作して電源がオンにされると、撮像装置1Bを起動するための処理(初期化処理)が行われる(ステップST21)。
【0136】
ステップST22では、図12のステップST12と同様に、撮影モードに設定されているかを判定する。ここで、撮影モードに設定されている場合には、ステップST23に進み、撮影モードに設定されていない場合には、本フローを終了する。
【0137】
ステップST23では、カスタムキーC1〜C3のうちいずれかのキーがユーザによって押下されたかを判定する。ここで、カスタムキーが押下された場合には、ステップST24に進み、押下されていない場合には、ステップST22に戻る。
【0138】
ステップST24では、カスタムキーが長押しされたかを判定する。ここでは、例えば1秒より長い期間にわたるカスタムキーの押下状態の場合に、長押しと判断する。ここで、カスタムキーが長押しされた場合には、ステップST25に進み、長押しではなく通常押しの場合には、ステップST26に進む。
【0139】
ステップST25では、押下されたカスタムキーに対して長押し状態の機能を割当てる処理を行う。例えば図19に示す機能設定がなされている状態でカスタムキーC3が押下された場合には、「再生」の機能が割当てられることとなる。
【0140】
ステップST26では、押下されたカスタムキーに対して通常押し状態の機能を割当てる処理を行う。例えば図19に示す機能設定がなされている状態でカスタムキーC3が押下された場合には、「ISO」の機能が割当てられることとなる。
【0141】
以上の撮像装置1Bの動作により、縦位置コントロールグリップ7が装着された撮像装置1Aを横姿勢・縦姿勢で把持している右手の指が届く各範囲内に配設された各カスタムキーC1〜C3では、ユーザが入力する撮像装置1Aの横姿勢・縦姿勢の情報に応じて割り当て機能が切替えられるため、標準姿勢に対応する横姿勢での使用時のみならず、標準姿勢でない縦姿勢での使用時においてもユーザは高い操作性が得られる。
【0142】
また、撮像装置1Bにおいては、各カスタムキーC1〜C3に対するユーザの通常押し操作・長押し操作に応じて撮像装置1Bに関する姿勢の情報を取得するため、撮像装置に姿勢検出センサがない場合でも、撮像装置の姿勢に応じた機能割り当てを行えることとなる。
【0143】
なお、撮像装置1Bにおいては、カスタムキーに対する通常押し・長押しを区別して複数の割り当て機能を使い分けるのは必須でなく、例えばキーの半押し・深押しや、シングルクリック・ダブルクリックを複数の割り当て機能を使い分けるようにしても良い。
【0144】
<変形例>
・上記の各実施形態における各カスタムキーC1〜C3への割り当て対象となる機能は、上述の各ボタン84,85,86,87,88a〜88d,92,93,94a〜94d等に割り当てられている機能に限定する必要はなく、撮像装置に設けられた上記以外のボタンに割り当てられている機能を、カスタムキーに割り当てるようにしてもよい。
【0145】
また、撮像装置に設けられたボタン以外の種類の操作部材(例えば、スライドスイッチ、ダイヤル等)に割り当てられている機能を、カスタムキーに割り当てるようにしてもよい。なお、ボタン以外の操作部材の機能をカスタムキーに割り当てる場合には、操作部材の相違を考慮して上記の思想を適用すればよい。例えば、或るダイヤルの機能をカスタムキーに割り当てる場合には、回転操作に応じた設定操作を、カスタムキーのボタン押下操作に応じた設定操作に置き換えるように構成すればよい。すなわち、ダイヤルの回転操作ではなく、カスタムキーの押下操作に応じて設定内容を変更するようにすればよい。
【0146】
・上記の各実施形態においては、撮像装置に縦位置コントロールグリップ7を装着するのは必須でなく、縦位置コントロールグリップ7を装着しないようにしても良い。この場合には、撮像装置を縦姿勢で把持している右手の指(例えば人差し指)によるシャッターボタン11の操作が難しくなるものの、撮像装置を縦姿勢で把持する右手の指(例えば親指)が届く範囲内に配設されているカスタムキーC1〜C3に対しての高い操作性は得られることとなる。
【0147】
・上記の第1実施形態における撮像装置1Aに対して、第2実施形態におけるカスタムキーの通常押し・長押しに応じた2つの機能割り当ての構成を付加しても良い。これにより、各姿勢(横姿勢または縦姿勢)において通常押し・長押しの区別による複数の機能を更に割当てることが可能となる。
【0148】
・本発明については、上述した撮像装置に限らず、PDA(Personal Digital Assistants)等を含む電子機器に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】縦位置コントロールグリップ7を装着した、本発明の第1実施形態に係る撮像装置(横姿勢)1Aを示す背面外観図である。
【図2】撮像装置1Aの上面外観図である。
【図3】縦位置コントロールグリップ7を装着した撮像装置(縦姿勢)1Aを示す背面外観図である。
【図4】撮像装置1Aの機能構成を示すブロック図である。
【図5】カスタムキーC1〜C3の割り当て機能の設定変更動作を示すフローチャートである。
【図6】背面モニタ12の表示画面G11を示す図である。
【図7】背面モニタ12の表示画面G12を示す図である。
【図8】背面モニタ12の表示画面G13を示す図である。
【図9】背面モニタ12の表示画面G14を示す図である。
【図10】背面モニタ12の表示画面G15を示す図である。
【図11】背面モニタ12の表示画面G16を示す図である。
【図12】撮像装置1Aの基本的な動作を示すフローチャートである。
【図13】姿勢検出部136での検出結果に応じた液晶パネル96の表示を説明するための図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る撮像装置1BにおけるカスタムキーC1〜C3の割り当て機能の設定変更動作を示すフローチャートである。
【図15】背面モニタ12の表示画面G22を示す図である。
【図16】背面モニタ12の表示画面G23を示す図である。
【図17】背面モニタ12の表示画面G24を示す図である。
【図18】背面モニタ12の表示画面G25を示す図である。
【図19】背面モニタ12の表示画面G26を示す図である。
【図20】撮像装置1Bの基本的な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0150】
1A、1B 撮像装置
2 カメラ本体部
7 縦位置コントロールグリップ
11 シャッターボタン
12 背面モニタ
14 グリップ部
72、92 モード設定ボタン
73、83 マルチセレクタ
74、84 AF/MFコントロールボタン
75、85 AEロックボタン
81 メインスイッチ
86 再生ボタン
87 メニューボタン
96 液晶パネル
C1〜C3 カスタムキー(カスタムボタン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
(a)前記電子機器を縦姿勢で把持している右手に係る特定の指が届く範囲内に配設され、割り当て機能のカスタマイズが可能な操作部材と、
(b)前記割り当て機能として前記操作部材に設定されている第1機能と第2機能との情報を記憶する記憶手段と、
(c)前記電子機器に関する姿勢の情報を取得する姿勢情報取得手段と、
(d)前記姿勢の情報に基づき前記電子機器が横姿勢と判断される場合には、前記操作部材に前記第1機能を割り当てる一方、前記姿勢の情報に基づき前記電子機器が前記縦姿勢と判断される場合には、前記操作部材に前記第2機能を割り当てる機能割当制御手段と、
を備え、
前記横姿勢と前記縦姿勢とは、前記電子機器を使用する際の標準姿勢と非標準姿勢とに対応していることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記操作部材は、前記電子機器を横姿勢で把持している右手に係る前記特定の指が届く範囲内に配設されていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記電子機器を前記非標準姿勢で使用する際に用いる補助具の装着が可能となっており、
前記操作部材は、前記補助具が装着された電子機器を縦姿勢で把持している右手に係る前記特定の指が届く範囲内に配設されていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記姿勢情報取得手段は、
(c-1)前記電子機器の姿勢を検出する姿勢検出センサと、
(c-2)前記姿勢検出センサでの検出結果に基づき、前記姿勢の情報を取得する手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記操作部材は、押下操作が可能であるとともに、前記押下操作に関する押下時間の相違に応じて第1の押下状態と第2の押下状態とを区別して検出することが可能となっており、
前記姿勢情報取得手段は、
(c-3)前記第1の押下状態を前記横姿勢に関連付けるとともに前記第2の押下状態を前記縦姿勢に関連付けて、前記姿勢の情報を取得する手段、
を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−242212(P2008−242212A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84367(P2007−84367)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】