説明

電源装置および照明器具

【課題】小型化、高効率化、および、低コスト化が可能な電源ユニット19を提供する。
【解決手段】電源ユニット19は、直流電源21からの出力を平滑する平滑コンデンサC1を有する。電源ユニット19は、光源16に対して給電する電源回路22を有する。電源回路22は、平滑コンデンサC1の正極側に接続したスイッチング素子Q1、および、スイッチング素子Q1をスイッチングする制御端子回路26を備える。電源ユニット19は、直流電源21と平滑コンデンサC1との間に、電源回路22への突入電流を抑制する抵抗器R1を有する。電源ユニット19は、電源回路22のスイッチング素子Q1の制御端子回路26と接続したダイオードD2を有する。電源ユニット19は、ダイオードD2と接続したゲートG2を備え、抵抗器R1と並列に接続したサイリスタSCRを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、少なくとも1つのスイッチング素子を備えた電源回路への突入電流を防止する電源装置、および、これを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば放電灯、あるいはLEDなどの光源を点灯する照明器具用の電源装置として、1つ以上のスイッチング素子を備えたスイッチングレギュレータ式の電源回路を備えたものがある。このような電源回路は、回路上の遅延要素が存在するため、電源投入後、発振の開始までに遅れ時間が生じ、この遅れ時間が経過するまでに過渡的な突入電流が流れるおそれがある。そこで、このような電源回路への突入電流を防止するための突入電流防止回路が知られている。
【0003】
このような突入電流防止回路としては、電源と平滑素子である平滑コンデンサとの間に限流素子である抵抗器とサイリスタとの並列回路を有し、電源投入時の突入電流を抵抗器によって抑制するとともに、電源回路の発振の開始時にはサイリスタをオンして抵抗器をバイパスすることで抵抗器による電力の損失を防止する。
【0004】
サイリスタのトリガとしては、電源回路側から抵抗器を介して給電していたものの、この抵抗器による損失が大きいだけでなく、サイリスタのトリガを確実に実施することが容易でない。
【0005】
そのため、例えば力率改善(PFC)回路である昇圧チョッパ回路のインダクタの2次巻線からサイリスタのトリガの電源を取ることで効率を向上し、サイリスタのトリガが確実になるようにしたものがある。
【0006】
しかしながら、近年、直流電源からの給電の実用化が活発化しており、力率改善回路が不要となる場合があり、このような場合、サイリスタのトリガ用の電源を変更する必要がある。
【0007】
この点、平滑コンデンサ以降に接続された電源回路の2次巻線から電源を取る方法も考えられるものの、配線距離がレイアウト上長くなるだけでなく、トランスの構造や絶縁構造の確保のために構成が複雑化するという問題がある。
【0008】
また、サイリスタを直流電源の負極側に接続する場合、サイリスタの電源確保は容易となるものの、サイリスタがオフしたときに、サイリスタ以降の回路全体の対地電位が高くなり、絶縁性を確保するために器具灯体との絶縁距離を確保することが必要となるなど、大型化およびコストアップを招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−72031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、小型化、高効率化、および、低コスト化が可能な電源装置、および、これを備えた照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の電源装置は、電源からの出力を平滑する平滑素子を有する。この電源装置は、負荷に対して給電する電源回路を有する。この電源回路は、平滑素子の正極側に接続された少なくとも1つのスイッチング素子、および、このスイッチング素子をスイッチングする制御端子回路を備える。また、この電源装置は、電源と平滑素子との間に接続され、電源回路への突入電流を抑制する限流素子を有する。さらに、この電源装置は、電源回路のスイッチング素子の制御端子回路と接続されたダイオードを有する。そして、この電源装置は、ダイオードと接続された制御端子を備え、限流素子と並列に接続されたサイリスタを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サイリスタの制御端子に対して、電源回路のスイッチング素子の制御端子回路を、ダイオードを介して接続することにより、絶縁性の確保、電力損失の低減および構成の容易化が可能となり、小型化、高効率化および低コスト化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態の電源装置を示す回路図である。
【図2】同上電源装置を備えた照明器具の斜視図である。
【図3】第2の実施形態の電源装置を示す回路図である。
【図4】第3の実施形態の電源装置を示す回路図である。
【図5】第4の実施形態の電源装置を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0015】
図2において11は照明器具であり、この照明器具11は、例えば天井面などに埋設されるダウンライトである。そして、この照明器具11は、略円筒状の器具本体12の下端側に円形の化粧枠13が設けられ、この化粧枠13に透光性カバー14が配設されている。そして、器具本体12は、左右両側にこの器具本体12を天井などの取付面に固定するための一対の取付けばね15,15を備えている。
【0016】
また、器具本体12は、下端側内部に、負荷としての光源16および図示しない反射板を配設している。また、器具本体12の上部には、端子台17が設けられており、この端子台17は、配線部である電源ケーブル18を介して電源装置である電源ユニット19と電気的に接続されている。
【0017】
光源16は、例えばLEDなどの発光素子が用いられるが、器具本体12などの構成に応じて、放電灯などを用いてもよい。
【0018】
そして、図1および図2に示すように、電源ユニット19は、電源である直流電源21に接続された平滑素子である平滑コンデンサC1と、この平滑コンデンサC1に接続された電源回路22と、この平滑コンデンサC1と直流電源21との間に接続された限流素子である抵抗器R1およびサイリスタSCRの並列回路とを備え、光源16に給電可能となっている。
【0019】
直流電源21は、例えば電池などの直流電源、あるいは、(商用)交流電源を整流した電源を含むものとする。
【0020】
平滑コンデンサC1としては、例えば電解コンデンサなどが用いられる。
【0021】
電源回路22は、本実施形態では降圧チョッパ型のスイッチングレギュレータであり、平滑コンデンサC1に対して、例えばMOSFETなどのスイッチング素子Q1および還流ダイオードD1の直列回路が接続されているとともに、この還流ダイオードD1に対して並列にチョークコイルであるインダクタL1および平滑用の電解コンデンサなどのコンデンサC2の直列回路が接続され、このコンデンサC2に対して光源16が接続されている。そして、スイッチング素子Q1の制御端子部であるゲートG1に、抵抗器R2を介して、制御端子回路26と、ダイオードD2および抵抗器R3の直列回路とが並列に接続されている。この抵抗器R3は、サイリスタSCRの制御端子であるゲートG2に接続されている。
【0022】
制御端子回路26は、PWM信号などの制御信号を生成する制御素子31を備えるとともに、この制御素子31は、グランド電位と接続されている。また、この制御素子31には、この制御素子31に給電する電源部である直流電源部32と、トランスTr1の一次側Tr1aおよびコンデンサC3の直列回路とがグランド電位との間にそれぞれ接続されている。このトランスTr1の二次側Tr1bは、抵抗器R2を介してスイッチング素子Q1のゲートG1と接続されている。したがって、この制御端子回路26の一部、および、ダイオードD2および抵抗器R3の直列回路などにより、サイリスタSCRのトリガ回路が構成されている。
【0023】
また、サイリスタSCRは、例えば逆阻止3端子サイリスタであり、このサイリスタSCRのゲートG2には、抵抗器R3と並列に、抵抗器R4とコンデンサC4との並列回路である帰還ノイズ防止用のアブソーバ回路が接続されている。
【0024】
そして、直流電源21から直流電源が投入されると、平滑コンデンサC1が充電されることにより、電源が平滑される。この平滑コンデンサC1は、電源投入時には充電されていないことから0Vの定電圧源と等価となることにより、この平滑コンデンサC1が充電されるまでの間、突入電流が流れる。この突入電流は、抵抗器R1を流れることにより抑制される。
【0025】
この後、平滑コンデンサC1が充電され、直流電源部32からの給電により制御素子31が起動されると、この制御素子31が所定のパルス信号を出力し、このパルス信号がトランスTr1の二次側Tr1bおよび抵抗器R2を介してスイッチング素子Q1のゲートG1に印加されることで、スイッチング素子Q1のオンオフが切り換えられる。
【0026】
そして、スイッチング素子Q1が最初にオンされるタイミング、すなわち電源回路22が動作開始するタイミングで、スイッチング素子Q1のゲートG1に印加されるパルス信号の電圧が、平滑コンデンサC1の正極端子よりも高電圧となることにより、ダイオードD2が導通し、このダイオードD2および抵抗器R3の直列回路を介してサイリスタSCRのゲートG2に印加され、このサイリスタSCRがオンされることにより抵抗器R1の両端が短絡されることで、直流電源21からの出力電流がサイリスタSCR側を流れ、抵抗器R1による損失が抑制される。
【0027】
電源回路22では、スイッチング素子Q1のオンによってインダクタL1に電磁的エネルギを蓄積し、スイッチング素子Q1のオフによって、インダクタL1に蓄積された電磁的エネルギが還流ダイオードD1を介して出力される。すなわち、スイッチング素子Q1のオンオフを制御素子31によって高速に切り換えることにより、光源16に所定の降圧された直流電圧を供給し、光源16を点灯させる。
【0028】
上述したように、上記第1の実施形態によれば、サイリスタSCRのゲートG2に対して、電源回路22のスイッチング素子Q1の制御端子回路26を、ダイオードD2を介して接続することにより、平滑コンデンサC1の充電が終了し電源回路22が動作を開始するときに平滑コンデンサC1の正極端子の電位より高い状態となるスイッチング素子Q1のゲートG1の電位を用いて、サイリスタSCRを確実にオンする構成を容易に形成でき、抵抗器R1での不要な損失を防止できる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図3を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態の制御端子回路26が、制御素子31がドライバ35および抵抗器R2を介してスイッチング素子Q1のゲートG1と接続されているとともに、ドライバ35の電源として、ブートストラップダイオードD3およびブートストラップコンデンサC5を有するブートストラップ回路36を備えるものである。
【0031】
すなわち、直流電源部32は、ブートストラップダイオードD3と接続されており、このブートストラップダイオードD3には、ドライバ35と、ダイオードD2および抵抗器R3の直列回路とが並列に接続されている。さらに、このブートストラップダイオードD3は、ブートストラップコンデンサC5を介してスイッチング素子Q1の出力側と接続されている。
【0032】
ドライバ35は、スイッチング素子Q1をスイッチング制御するものである。
【0033】
そして、直流電源21から直流電源が投入されると、平滑コンデンサC1が充電されることにより、電源が平滑される。この平滑コンデンサC1が充電されるまでの間、突入電流が流れる。この突入電流は、抵抗器R1を流れることにより抑制される。
【0034】
この状態で、スイッチング素子Q1はオフされているため、ドライバ35には、ブートストラップダイオードD3を介して直流電源部32により給電される。
【0035】
この後、平滑コンデンサC1が充電され、直流電源部32からの給電により制御素子31が起動されると、この制御素子31が所定のパルス信号をドライバ35に出力することで、このドライバ35がパルス信号に応じてスイッチング素子Q1のオンオフを切り換える。
【0036】
そして、スイッチング素子Q1がオンによって、インダクタL1に電磁的エネルギが蓄積される。
【0037】
次いで、スイッチング素子Q1のオフによって、インダクタL1に蓄積された電磁的エネルギが還流ダイオードD1を介して出力される。このとき、還流ダイオードD1の導通により、ブートストラップコンデンサC5の一方の端子C5a側がグランド電位と同電位に設定されるので、直流電源部32からブートストラップダイオードD3を介して供給された直流電源によりブートストラップコンデンサC5が充電される。
【0038】
そして、スイッチング素子Q1が再度オンされることにより、ブートストラップコンデンサC5の他方の端子C5bが平滑コンデンサC1の正極端子と同電位となるため、ブートストラップコンデンサC5に充電された電圧分(例えば10〜15V程度)、ブートストラップコンデンサC5の一方の端子C5a側の電位が嵩上げされ、ドライバ35に電源が供給されるとともに、ダイオードD2が導通してこのダイオードD2および抵抗器R3の直列回路を介してサイリスタSCRのゲートG2に平滑コンデンサC1の正極端子よりも高電圧のトリガ信号が印加され(トリガ電流が流れ)、このサイリスタSCRがオンされることにより抵抗器R1の両端が短絡されることで、直流電源21からの出力電流がサイリスタSCR側を流れ、抵抗器R1による損失が抑制される。
【0039】
電源回路22では、上記のようにスイッチング素子Q1のオンオフをドライバ35(制御素子31)によって高速に切り換えることにより、光源16に所定の直流電源を光源16に供給してこの光源16を点灯させる。
【0040】
このように、第2の実施形態によれば、制御端子回路26がブートストラップ回路36を備え、このブートストラップ回路36をサイリスタSCRのゲートG2にダイオードD2を介して接続することにより、このブートストラップ回路36によって平滑コンデンサC1の正極端子よりも高い電圧のトリガ信号を容易に得ることができ、このトリガ信号を電源回路22のサイリスタSCRのゲートG2に供給する構成を、より容易に形成できる。
【0041】
(第3の実施形態)
なお、上記第2の実施形態において、図4に示す第3の実施形態のように、電源回路22を昇降圧チョッパ型のスイッチングレギュレータとしてもよい。
【0042】
すなわち、この電源回路22は、平滑コンデンサC1に対して、スイッチング素子Q1およびインダクタL2の直列回路が接続されているとともに、このインダクタL2に対して並列にコンデンサC6およびダイオードD4の直列回路が接続され、このコンデンサC6に対して光源16が接続されている。そして、電源回路22では、スイッチング素子Q1のオンオフをドライバ35(制御素子31)によって高速に切り換えることにより、光源16に所定の直流電源を光源16に供給してこの光源16を点灯させる。
【0043】
このとき、上記第2の実施形態と同様に、スイッチング素子Q1のオンによってインダクタL2に蓄積された電磁的エネルギがスイッチング素子Q1のオフによってダイオードD4を介して出力されることで、ブートストラップコンデンサC5の一方の端子C5a側がグランド電位と同電位に設定され、直流電源部32からブートストラップダイオードD3を介して供給された直流電源によりブートストラップコンデンサC5が充電される。このため、スイッチング素子Q1のオンによってブートストラップコンデンサC5の他方の端子C5bが平滑コンデンサC1の正極端子と同電位となるとブートストラップコンデンサC5の一方の端子C5a側の電位が嵩上げされ、ドライバ35に電源が供給されるとともに、ダイオードD2が導通して、このダイオードD2および抵抗器R3の直列回路を介してサイリスタSCRのゲートG2に平滑コンデンサC1の正極端子よりも高電圧のトリガ信号が印加され(トリガ電流が流れ)、このサイリスタSCRがオンされるなど、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
(第4の実施形態)
また、上記第2の実施形態において、図5に示す第4の実施形態のように、電源回路22をハーフブリッジ型のスイッチングレギュレータとしてもよい。
【0045】
すなわち、この電源回路22は、スイッチング素子Q1,Q2を備え、これらスイッチング素子Q1,Q2のゲートG1,G3が、それぞれ抵抗器R2,R5を介してドライバ35,37と接続されている。
【0046】
ドライバ37は、スイッチング素子Q2をスイッチング制御するもので、ドライバ35と接続されているとともに、直流電源部32から電源を得ている。
【0047】
また、スイッチング素子Q1の出力側には、スイッチング素子Q2と並列に、コンデンサC7とトランスTr2の一次側Tr2aとの直列回路が接続されており、このトランスTr2の二次側Tr2bには、全波整流回路38が接続されている。すなわち、このトランスTr2の二次側Tr2bの両端には、ダイオードD5,D6がそれぞれ接続され、これらダイオードD5,D6のカソード側と二次側Tr2bの中点(センタタップ)との間には、電解コンデンサなどの平滑用のコンデンサC8が接続され、このコンデンサC8に対して光源16が並列に接続されている。
【0048】
そして、電源回路22では、スイッチング素子Q1,Q2のオンオフをドライバ35,37によって交互に切り換えることにより、コンデンサC7の充放電を繰り返し、このコンデンサC7の充放電によって双方向に励磁されたトランスTr2の二次側Tr2bに生じた交流電流をダイオードD5,D6によって整流するとともにコンデンサC8によって平滑し、所定の直流電源を光源16に供給してこの光源16を点灯させる。
【0049】
このとき、上記第2の実施形態と同様に、スイッチング素子Q1のオフ(スイッチング素子Q2のオン)によって、ブートストラップコンデンサC5の一方の端子C5a側がグランド電位と同電位に設定され、直流電源部32からブートストラップダイオードD3を介して供給された直流電源によりブートストラップコンデンサC5が充電される。このため、スイッチング素子Q1のオン(スイッチング素子Q2のオフ)によってブートストラップコンデンサC5の他方の端子C5bが平滑コンデンサC1の正極端子と同電位となるとブートストラップコンデンサC5の一方の端子C5a側の電位が嵩上げされ、ドライバ35に電源が供給されるとともに、ダイオードD2が導通して、このダイオードD2および抵抗器R3の直列回路を介してサイリスタSCRのゲートG2に平滑コンデンサC1の正極端子よりも高電圧のトリガ信号が印加され(トリガ電流が流れ)、このサイリスタSCRがオンされるなど、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0050】
以上説明した少なくともいずれか一つの実施形態によれば、サイリスタSCRのゲートG2に対して、電源回路22のスイッチング素子Q1の制御端子回路26を、ダイオードD2を介して接続することにより、平滑コンデンサC1の充電が終了し電源回路22が動作を開始するときに平滑コンデンサC1の正極端子の電位より高い状態となるスイッチング素子Q1のゲートG1の電位を用いて、サイリスタSCRを確実にオンする構成を容易に形成できる。すなわち、平滑コンデンサC1の充電の終了により突入電流が流れなくなる電源回路22の始動のタイミングに抵抗器R1をサイリスタSCRによりバイパスすることで、抵抗器R1での不要な損失を防止できる。そして、例えば電源回路の二次側からサイリスタ用のトリガ電源を得る構成と比較して、複雑な絶縁構造や長い配線の確保などが不要で、絶縁性を容易に確保できるとともに構成を容易化でき、例えばサイリスタのゲートに抵抗器のみを用いる場合と比較して、抵抗器R3に常時電流が流れることがなく、電力損失を低減できるとともに、サイリスタを負極(グランド電位)側に接続する構成などと比較して、サイリスタSCR以降の対地電位を低くでき、絶縁距離の確保が不要になるなど、小型化、高効率化および低コスト化が可能になる。
【0051】
また、電源ユニット19が力率改善(PFC)回路を有しない構成であっても、サイリスタSCRを必要時に確実にオンできる構成とすることができるので、直流給電および交流給電のそれぞれに対応可能な、いわゆるハイブリッド型に対応できるなど、汎用性に優れる。
【0052】
さらに、このような電源ユニット19を用いることで、小型で高効率、かつ、低コストの電源装置を構成でき、さらに、このような電源装置を照明器具11に用いることで、小型で高効率、かつ、低コストの照明器具11を構成できる。
【0053】
なお、上記各実施形態において、電源ユニット19は、光源以外の負荷を用いる任意の構成に適用できる。
【0054】
また、電源回路22のいくつかの実施形態を説明したが、電源回路22はスイッチング素子Q1を少なくとも一つ備える構成であれば、例えばフルブリッジ型のものなど、任意の構成に対して同様に適用できる。
【0055】
そして、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
11 照明器具
12 器具本体
16 負荷としての光源
19 電源装置である電源ユニット
21 電源である直流電源
22 電源回路
26 制御端子回路
36 ブートストラップ回路
C1 平滑素子である平滑コンデンサ
D2 ダイオード
G2 制御端子であるゲート
Q1 スイッチング素子
R1 限流素子である抵抗器
SCR サイリスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からの出力を平滑する平滑素子と;
この平滑素子の正極側に接続された少なくとも1つのスイッチング素子、および、このスイッチング素子をスイッチングする制御端子回路を備え、負荷に対して給電する電源回路と;
電源と平滑素子との間に接続され、電源回路への突入電流を抑制する限流素子と;
電源回路のスイッチング素子の制御端子回路と接続されたダイオードと;
このダイオードと接続された制御端子を備え、限流素子と並列に接続されたサイリスタと;
を具備していることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
制御端子回路は、ブートストラップ回路を備え、
サイリスタの制御端子は、ダイオードを介してブートストラップ回路と接続されている
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
器具本体と;
負荷としての光源に対して給電する請求項1または2記載の電源装置と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−70583(P2013−70583A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209348(P2011−209348)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】