説明

2つの互いに相対的に運動させられる要素の間の信号伝送装置および方法

【課題】2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を伝送するために、10Gbps以上の範囲内のデータレートを有するデータ伝送を可能にする。
【解決手段】ストリップ線路20は、導電性材料から成る2つのストリップ間の電気光学特性を有する誘電体層から構成され、少なくとも1つの光源22およびオプトエレクトロニクス検出器23を含んでいる走査ユニット21は、ストリップ線路20の長手方向区間に沿う走査ユニット21の運動中に光源22の光ビームがストリップ線路20の誘電体層に向けられ、反射または透過または回折されたビーム部分をオプトエレクトロニクス検出器23により検出することによって誘電体層の光学特性の局部的な時間的変化が検出されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を伝送するために、特にコンピュータ断層撮影装置の回転部分と静止部分との間で測定データおよび/または制御データを伝送するために、両要素の第1の要素に、信号を導く少なくとも1つの高周波ストリップ線路を有する送信装置が取付けられ、両要素の第2の要素に、少なくとも1つの走査ユニットを有する受信装置が取付けられ、ストリップ線路および走査ユニットが、走査ユニットが少なくとも両要素の相対的運動の運動区間の間はストリップ線路の長手方向区間に沿って運動するように、第1の要素および第2の要素上に配置されている、2つの互いに相対的に運動させられる要素の間の信号伝送装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を伝送する信号伝送方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの技術分野で今日では多くのデータ量を僅かな間隔で互いに相対的に運動させられる要素の間で、例えば測定装置の個々の装置部分の間で伝送する必要がある。データは通常運動させられる装置部分により検出され、データ検出中も静止側の装置部分における評価装置に伝送されなければならない。このような用途の具体的な例は医用画像化、特にいわゆるガントリの回転部分から回転中に大量の測定データが実時間でガントリの静止部分へ伝送されなければならないコンピュータ断層撮影装置である。利用可能な伝送率は実時間で伝送可能なデータ量に対する重要な規範である。
【0004】
これまで、僅かな間隔で互いに相対的に運動させられる2つの要素の間で信号を伝送するために、コンピュータ断層撮影装置の分野で使用され得るさまざまな技術が知られている。これまでコスト的に最も望ましくかつ信頼性の高い解決策では信号の伝送は回転部分に取付けられている送信器から静止部分に配置されているアンテナへの静電容量結合により行われる。送信器として導波管を使用する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。データ伝送のためにデータは搬送波信号に変調されて、導波管内に入力される。導波管に対して相対的に幾何学的に定められて配置されているアンテナが搬送波信号を無接触で受信する。搬送波信号の復調の後にデータが静止部分で利用可能になる。このような用途では導波管はCアーム式X線装置のCアームの周辺に沿って、アンテナはこのCアームの支持体に取付けられている。
【0005】
特にコンピュータ断層撮影装置において2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を伝送するために、送信器として円形のストリップ線路がガントリの回転部分の周辺に配置され、受信器として静止部分にストリップ線路の短い部分が送信線路のすぐ付近に設けられている装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。データ伝送は特許文献1に記載されている装置と同じ方式行われる。このようなストリップ線路はこれらの用途の際にしばしばPCB技術(PCB:印刷回路板)で製作される。
【0006】
しかし、なかんずくコンピュータ断層撮影装置の分野において常に増大するデータ量はこの伝送技術では見通し可能な将来に問題を生じる。最近のコンピュータ断層撮影装置は既に秒当たりギガビット(Gbps)のオーダーのデータレートを発生する。データレート上昇により物理的なビット長さは低下する。ストリップ線路内の電磁波の速度は空気中の速度よりも低く、従ってストリップ線路内のビット長さはさらに短い。既存のシステムの受信アンテナは6〜22cmの長さの範囲内にあるが、それは10Gbpsのデータ伝送率の際には既に2cmよりも短く構成されていなければならない。このことは結合容量、従ってSN比を減ずるので、伝送システムがより敏感に外部干渉に反応する。
【0007】
この静電容量結合による伝送技術の他に、2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を光学的に伝送するための個々の解決策も知られている。すなわち、コンピュータ断層撮影装置の回転部分に光導波路から成るリングが送信装置の部分として取付けられ、該リングが入射した光をその長手方向軸線に対して垂直にも放射する信号伝送装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。伝達すべきデータはこのリング内に光源の変調により入力され、静止部分でオプトエレクトロニクス検出器により受信される。送信装置をリング状に構成することにより、ここでもほぼ各々の回転相の間に受信器によるデータの受信が可能である。しかし、信号が光ファイバ内を導かれる光学的なデータ伝送技術はファイバ内の自己位相変調および群速度分散に基づいて同じく到達可能な伝送率を制限されている。
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第10007601号明細書
【特許文献2】米国特許第5140696号明細書
【特許文献3】米国特許第5535033号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を伝送する信号伝送装置および方法において、10Gbps以上の範囲内のデータレートを有するデータ伝送を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
信号伝送装置に関する課題は、本発明によれば、冒頭で述べた信号伝送装置において、ストリップ線路が、導電性材料から成る2つのストリップ間の電気光学特性を有する誘電体層から構成され、少なくとも1つの光源およびオプトエレクトロニクス検出器を含んでいる走査ユニットが、ストリップ線路の長手方向区間に沿う走査ユニットの運動中に光源の光ビームがストリップ線路の誘電体層に向けられ、反射または透過または回折されたビーム部分をオプトエレクトロニクス検出器により検出することによって誘電体層の光学特性の局部的な時間的変化が検出されるように構成されていることによって解決される。
【0011】
信号伝送装置の有利な実施態様は次の通りである。
・導電性材料から成るストリップの一方または両方は光ビームに対して光学的に透明である(請求項2)。
・走査ユニットは、光ビームがストリップ線路をその長手方向に対して直角方向に完全に透過し、続いてオプトエレクトロニクス検出器に当たるように構成されている(請求項3)。
・走査ユニットは、光ビームがストリップ線路の誘電体層をその長手方向に対して直角方向にこの誘電体層またはストリップ線路の背後の反射面での逆反射により2回完全に透過し、続いてオプトエレクトロニクス検出器に当たるように構成されている(請求項4)。
・走査ユニットは、誘電体層が電気的に生ぜしめられたブラッグ格子を形成するように構成されている場合、0次よりも高い回折次数の光ビームの、ブラッグ格子で回折されたビーム部分のみがオプトエレクトロニクス検出器に当たるように構成されている(請求項5)。
・走査ユニットは、誘電体層を通る光ビームの偏光面の電気的に生ぜしめられた回転を検出するための偏光器を含んでいる(請求項6)。
・誘電体層はポリマーマトリクス内に分散された液晶により形成され、導電性材料から成るストリップの少なくとも1つは光ビームに対して透明である(請求項7)。
・誘電体層は非線形光学特性を有する材料により形成されている(請求項8)。
・誘電体層は、誘電体層へ電界を印加すると光源の光ビームに対して電気的に生ぜしめられたブラッグ格子を形成する複数の部分層から構成されている(請求項9)。
・ストリップ線路は、回転軸線の周りを回転する第1の要素または第2の要素において、少なくとも近似的に回転軸線の周りの1つの円または部分円上を回転軸線に対して垂直な平面内を延びている(請求項10)。
・送信装置は送信変調器を含み、受信装置は受信復調器を含んでいる(請求項11)。
・受信装置はコンピュータ断層撮影装置の静止部分上に配置され、送信装置はコンピュータ断層撮影装置の回転部分上に配置されている(請求項12)。
・光源はレーザーである(請求項13)
【0012】
信号伝送方法に関する課題は、本発明によれば、冒頭で述べた信号伝送方法において、両要素の第1の要素上で、導電性材料から成る2つのストリップ間の電気光学特性を有する誘電体層から構成されかつ信号を供給される高周波ストリップ線路を有する送信装置が使用され、ストリップ線路を走る信号により誘電体層内に電気的に生ぜしめられる誘電体層の光学特性の局部的な時間的変化が、第2の要素上に配置されている走査ユニットの光ビームにより少なくとも両要素の相対的運動の運動区間の間に走査されることによって解決される。
【0013】
信号伝送方法の有利な実施態様は次の通りである。
・誘電体層は、信号が誘電体層を通る光ビームの光透過の瞬時変化を生ぜしめるように選ばれる(請求項15)。
・誘電体層は、信号が誘電体層を通る光ビームの偏光の瞬時変化を生ぜしめるように選ばれる(請求項16)。
・誘電体層は、信号が誘電体層内の光ビームの屈折率の変化を生ぜしめるように選ばれる(請求項17)。
【0014】
2つの互いに相対的に運動させられる要素の間で信号を伝送するための、特にコンピュータ断層撮影装置の回転部分と静止部分との間で測定データおよび/または制御データを伝送するための本発明による信号伝送装置では、公知のように、両要素の第1の要素に、信号を導く少なくとも1つの高周波ストリップ線路を有する送信装置が取付けられ、両要素の第2の要素に、少なくとも1つの走査ユニットを有する受信装置が取付けられ、ストリップ線路および走査ユニットが、走査ユニットが少なくとも両要素の相対的運動の運動区間の間はストリップ線路の長手方向区間に沿って運動するように、第1および第2の要素上に配置されている。本発明により提案された信号伝送装置は、一方では、ストリップ線路が、導電性材料から成る2つのストリップつまり層の間に電気光学特性を有する誘電体層から構成され、また他方では、少なくとも1つの光源(好ましくはレーザー)およびオプトエレクトロニック検出器を含んでいる走査ユニットが、ストリップ線路の長手方向区間に沿う走査ユニットの運動中に光源の光ビームがストリップ線路の誘電体層に向けられ、反射または透過または回折されたビーム部分をオプトエレクトロニクス検出器により検出することによって誘電体層の光学特性の局部的な時間的変化が検出されるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
信号伝送方法では、信号が第1の要素上のストリップ線路内に供給される。これは冒頭にあげた静電容量結合の従来技術から知られているように高周波搬送波信号の適切な変調により行われる。ストリップ線路の誘電体層は電気光学特性を有するので、この誘電体層の光学特性はストリップ線路を走る信号によりつまりその電界により場所的および時間的に変調される。信号により誘電体層内に生ぜしめられた光学特性の局部的な時間的変化が、走査ユニットの光ビーム、好ましくはレーザービームにより少なくとも両要素の相対的運動の運動区間の間、好ましくはすべての運動中に走査される。生ぜしめられた光学的変化に応じて、誘電体層を透過した光ビーム、誘電体層内で反射される光ビームまたは誘電体層により回折された光ビームが光学特性の変化を検出するために利用される。検出された変化をオプトエレクトロニクス検出器を用いて変換することにより、伝送された信号またはデータが電気的な信号列またはデータ列として再び得られる。
【0016】
本発明による信号伝送装置ならびに方法では、冒頭にあげた静電容量結合の技術の場合と同様に、先ず伝送すべき信号がストリップ線路内に入力される。しかしながら、誘電体層には電気光学特性を有する特別な材料を有するストリップ線路が使用される。さらに、静電容量結合の技術と異なり、ストリップ線路を走る信号はアンテナにより受信されるのではなく、ストリップ線路の誘電体層に向けられている光ビームにより走査または読出しされる。光ビームにより誘電体層内の光学特性の変化が可視化される。光学特性のこの変化は、誘電体層の電気光学特性に基づいてストリップ線路を走る信号の振幅変調された電界により誘電体層内に生ぜしめられる。光学特性の変化の読出しは、光ビームの透過、反射または回折されたビーム部分が当たる少なくとも1つのオプトエレクトロニクス検出器と結び付いて行われる。ストリップ線路を走るビットパターンがこのようにして無接触で読出される。
【0017】
以下において光源としてレーザーを有する本発明の個々の実施例を説明する。しかし、もちろんビーム特性および伝送率への要求に応じて他の光源、例えば発光ダイオードも使用され得る。
【0018】
本方法ではさまざまな電気光学効果が利用され得るので、実施例において一層詳細に説明されている光源および検出器のさまざまな配置が生じる。このことはストリップ線路の長手方向に対して直角な光ビームのビーム経路にも当てはまる。このビーム経路は誘電体層の材料および構成から生ずる利用された電気光学効果に応じて、導電性材料から成る1つまたは両方のストリップを通って、またはこれらのストリップの間を通って延びる。前者の場合、導電性材料から成るストリップの少なくとも1つは光ビームに対して透明な材料、例えば透明な導電性酸化物(TCO)から形成される。このような透明な導電性材料は例えば、液晶、太陽電池および窓用の熱絶縁性ガラスの分野で既に知られているような錫、インジウム、カドミウム、ガリウム、銅または亜鉛の酸化物である。ストリップ線路の両導電性ストリップがこのような材料から成っていると好ましい。
【0019】
もちろん、本発明による信号伝送装置および方法におけるストリップ線路の誘電体層の材料は、その電気光学特性に関して、入力された信号により誘電体層内に生ぜしめられた光学特性の変化が走査装置(すなわち光源および光検出器)により検出可能であるように選ばれる。電気光学材料としては例えば非線形光学効果を有するポリマー内に分散された液晶またはポリマーまたは強誘電体材料が使用され得る。最後に挙げた材料の例はADP(NH42PO4)、KDP(KH2PO4)、LiNBO3、LiTaO3またはCdTeである。電気光学材料のさまざまな部分層から成る誘電体層の構成も、ブラッグ格子を電気的に生ぜしめるために、本発明による装置ならびに方法の実施例により設けられる。
【0020】
基本的に本発明による信号伝送装置は互いに相対的に運動させられる要素のさまざまな運動形態に対して使用され得る。例えば直線的な運動の場合、ストリップ線路は、運動の可能なかぎり大きい区間にわたって十分に走査装置の近くを導かれるように、直線的に静止部分または運動部分に延びていてよい。運動させられる要素の回転運動の場合、ストリップ線路は少なくとも区間ごとに回転中心の周りの円軌道上を延びていると好ましい。もちろん相対的運動の場合に両要素も運動し得る。信号伝送は、走査装置の光ビームまたはレーザービームがストリップ線路の誘電体層上に当たる相対的運動の区間内でのみ可能である。運動の残りの区間内ではデータ伝送は中断されている。中断なしのデータ伝送は例えばストリップ線路が相対的運動のすべての区間にわたって延びていること、または、運動の各々の時点で相応の走査可能性がレーザービームにより得られように複数のストリップ線路が互いにずらされて配置されることにより実現され得る。その際に複数の走査ユニットが設けられていてもよい。本発明による送信装置における1つまたは複数のストリップ線路はその信号の入力点とは反対側の端で、この端における信号の反射を避けるために、インピーダンスにより閉じられている。
【0021】
本発明による信号伝送装置ならびに方法は、公知の解決策を凌駕する伝送率を有する少なくともほぼ連続的な信号伝送または測定データ伝送を可能にする。ストリップ線路は、コンピュータ断層撮影装置内で使用される際、ガントリの静止部分への測定データの伝送を可能にするために、ガントリの回転部分に取付けられていると好ましい。もちろん、少なくとも1つのストリップ線路を有する送信装置を、相応の走査装置を有する回転部分への制御データの伝送を可能にするために、静止部分に配置することもできる。半導体レーザーの使用によりすべての走査装置が非常に軽量かつ小形に構成される。
【0022】
さらに本発明による信号伝送装置は信号の並列伝送のために複数の並んで位置しているストリップ線路の使用を可能にする。これらの並んで延びているストリップ線路は走査装置により相い異なるレーザービームにより同時に走査される。本発明による信号伝送装置ならびに方法におけるストリップ線路の幅は1cm以下、例えば僅か1mmの範囲内であってよい。なぜならば、このように狭いストリップ線路も集束されたレーザービームにより容易に走査されるからである。それにより、伝送可能なデータレートを相応に高めるために、複数のストリップ線路が(クロストークを避けるために)十分な間隔をとって並んで配置される。ストリップ線路上を伝搬するデータビットが高いデータレートに基づいて1cmよりも短い長さを有するとしても、これらのビット信号は集束されたレーザービームにより同じく容易に走査される。ストリップ線路と走査装置との間の間隔を十分に僅かに保つという要求も公知の静電容量結合の場合よりも明らかに僅かである。従って、本発明による信号伝送装置は明らかに機械的な許容差により影響されにくい。送信装置および受信装置の構成要素はガルバニックに絶縁され、また完全に無電位にある。従って、本発明による信号伝送装置ならびに方法はコンピュータ断層撮影装置の回転部分と静止部分との間の同相擾乱に対して、同様に外部からの電気的干渉に対して敏感でない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下には本発明による信号伝送装置ならびに方法を、特許請求の範囲にあげられている保護範囲に限らずに、図面と結び付けて実施例により一層詳細に説明する。
【0024】
図1はガントリの回転部分からガントリの静止部分へ測定データを伝送する信号伝送装置を有するコンピュータ断層撮影装置を概略図で示す。コンピュータ断層撮影装置はなかんずくX線管3、行状に配置されているX線検出器4および患者寝台9を含んでいる。X線管3およびX線検出器4は、患者寝台9またはこれと平行に延びている検査軸線Zの周りを回転するガントリの回転部分に配置されている。患者寝台9は通常ガントリに対して相対的に検査軸線Zに沿って移動可能である。X線管3は、1つの層平面内を検査軸線Zに対して垂直に扇状に広げられるX線束を発生する。このX線束は層平面内の検査の際に対象物の層、例えば患者寝台9上に寝かされている患者の身体層を透過し、X線管3と向かい合っているX線検出器4に当たる。X線束が患者の身体層を透過する角度、および場合によってはガントリに対して相対的な患者寝台9の位置はコンピュータ断層撮影装置による撮像中に連続式に変化する。従って、撮像中にX線検出器4は大量の測定データを発生し、この測定データが患者の身体の二次元の断層画像または三次元の断層画像を再構成するために評価される。この評価は通常コンピュータ断層撮影装置に接続されている静止側のコンピュータシステム8内で行われる。測定データの検出中にガントリの回転部分1は静止部分2内を回転する。X線検出器4により検出された測定データはガントリの回転部分1に取付けられている回転側の送信装置5によりコンピュータ断層撮影装置の静止部分2における静止側の受信装置6に伝送される。静止側の受信装置6からデータは通常ケーブル接続を経て画像コンピュータ8の受信器7に評価のために供給される。
【0025】
図2は従来の技術による公知の伝送装置の例が多数のコンピュータ断層撮影装置にどのように使用されるかを例として概略図で示す。このデータ伝送装置では測定データは静電容量結合によりガントリの回転部分1から静止部分2へ伝送される。そのために回転部分1に円形の高周波ストリップ線路11が送信アンテナとして取付けられ、送信アンテナ内に測定データがデータ源10から入力される。ストリップ線路11は入力点とは反対側で適当なインピーダンス(終端12)により終端されている。データ源10からストリップ線路11内に供給されたデータビットはストリップ線路の両枝路内を終端12まで伝搬する。2つの逆方向に延びている枝路へのこの際に選ばれた分割はガントリの回転中に連続的なデータ伝送を可能にする。図中の矢印はストリップ線路11の両枝路内のデータ信号の伝搬方向を示す。ガントリの静止部分2には高周波ストリップ線路13の短い区間が静止部分2の受信装置6の部分である受信アンテナとして配置されている。ガントリの回転部分1の回転の際に受信アンテナ(ストリップ線路13)は回転部分1の送信アンテナとして使用されたストリップ線路11のすぐ近くに位置しているので、ストリップ線路11内に入力されたデータ信号は静電容量結合により受信アンテナにより受信される。しかしこの形式のデータ伝送は、より大きいデータレートおよびそれにより必要な受信アンテナの短縮の際に、本明細書の冒頭部分に既に説明したような問題に当面する。
【0026】
本発明により提案される信号伝送装置では同じく高周波ストリップ線路、特にマイクロストリップ線路が送信装置の部分として使用される。コンピュータ断層撮影装置内での使用の際、このストリップ線路は図2に示されているのと同じようにガントリの回転部分1内に配置される。同じようにデータ信号が公知の静電容量結合を有するシステムの場合のように入力されるストリップ線路は同じく入力点とは反対側の端において、これらの端における信号の反射を避けるために適当に終端されている。
【0027】
図3は本発明に使用される高周波ストリップ線路の構成の例を示す。個々のデータビット44の形で存在する信号はデータ源10からストリップ線路20内に入力され、ストリップ線路20内をデータ源10とは反対側の端およびそこに設けられている終端24まで伝搬する。データビット44またはこれらを形成する変調された電界の伝搬方向40は図の長く延びている矢印により示されている。ストリップ線路20は導電性材料、例えば銅の2つの薄いストリップ25から成り、それらの間に電気光学特性を有する材料から成る誘電体層26が配置されている。図にはストリップ線路20上を伝搬するデータビット44の作用が誘電体層26上のその電界41により示されている。この際に例えば、論理値“1”を有するデータビットの電界41が論理値“0”を有するデータビットの電界42とは反対方向に向けられているデータビットのコード化が仮定される。参照符号43を付して、ストリップ線路内を伝搬するデータビット44の長さが示されている。図から、データビット44により変調されストリップ線路内を伝搬する電磁界が、電気光学特性を有する材料から成る誘電体層26において誘電体層の光学特性に影響し、それらの光学特性がデータパターンにほぼ追随することは明らかである。
【0028】
この物理的効果は、本発明による信号伝送装置ならびに方法において、ストリップ線路上を伝搬する信号つまりデータビット44を光学的に読出すために利用される。この際に静止部分2に、図4に示されているように少なくとも1つのレーザー22ならびに光検出器23を含んでいる走査ユニット21を有する受信装置が使用される。ストリップ線路20の誘電体層26の光学特性の局部的な時間的変化に関するデータビットの読出しは、図4の左側に示されているような配置により行われる。レーザー22のレーザービームは回転するストリップ線路20の誘電体層を透過してストリップ線路20のレーザー22とは反対側に配置されている光検出器23に入射する。図4の右側に示されているような他の実施例では、レーザー22も光検出器23もストリップ線路20の同じ側に配置され、誘電体層内に入射したレーザービームはビーム方向に誘電体層の背後で反射され、誘電体層を新たに透過し、その後光検出器23に当たる。この反射はストリップ線路の背後に鏡面を設けることにより、またはストリップ線路の裏側のストリップとして反射する導電性材料を使用することにより実現される。レーザーとしてはこの実施例において、またすべての他の実施例においても、半導体レーザー、好ましくはVCSEL(Vertical Cavity Surface Emiting Laser;面発光レーザー)が使用され得る。
【0029】
次の実施例はさまざまな電気光学材料およびストリップ線路20の誘電体層26のさまざまな構成に関係して、走査ユニット内のレーザーおよび光検出器のさまざまな配置可能性を示す。これらの実施例では例えば、論理値“1”を有するデータビットが特定の大きさ(Um=1)の電界を有する時間区間により、また論理値“0”を有するデータビットが電界なしの時間区間によりデータストリーム内で表されるというデータビットのコード化が仮定される。
【0030】
図5では誘電体層26として、ポリマーマトリクスから成り液晶内に分散されている材料が使用される。両導電性ストリップ25はこの例では光学的に透明な材料から成り、中間に誘電体層26が構成されている。図5は、レーザー22および光検出器23がストリップ線路20の両側に配置され、レーザービームがストリップ線路20の長手方向に垂直に導電性ストリップ25を透過する走査ユニットを示す。いまレーザービームが誘電体層26を透過する個所で両ストリップ25間に電界が印加されているならば、液晶はこの個所で整列し、従って誘電体層26はレーザービームに対して透明である(Um=1、左図)。電界がこの個所に印加されていないならば(Um=0、右図)、材料はレーザービームに対して透明でない。データビットの上述したコード化の際にストリップ線路内を伝搬するデータビットによりレーザービームに対する誘電体層の透過が時間的に変更される。この誘電体材料の電気光学特性はこうしてストリップ線路を通って伝送されたデータビットを模写する。それゆえ、レーザービームの透過の変調はストリップ線路を伝送されたデータパターンに相当し、光検出器23により検出される。
【0031】
印加されている電界により透過が変化する誘電体層26としてこのような電気光学材料を使用する場合、図6に示されているように、走査ユニット内でのレーザー22および光検出器23の他の配置も選ばれ得る。ここではレーザービームは、ビーム方向に見て裏側の、レーザービームに対して鏡28として構成されている導電性ストリップで逆反射され、従ってレーザービームは誘電体層26を2回通過する。レーザービームのビーム経路内の半透明鏡32により、逆向きに走るビーム部分が光検出器23に向けられる。この配置によっても、伝搬するデータビットにより変調された誘電体層26の光透過が検出される。
【0032】
図7は本発明による信号伝送装置のストリップ線路20の構成の別の可能性として、誘電体層26内に電気光学的に生ぜしめられたブラッグ格子によるレーザービームの回折が利用される実施例を示す。誘電体層26は横方向に、すなわちストリップ25に対して垂直に延びている非線形電気光学材料の複数の部分層から構成され、相続く部分層はそれぞれ逆の結晶方向を有し、部分層の厚みはレーザービームのコヒーレンス長さに整合している(位相整合)。部分層の材料としては例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3)またはこの用途に適した他の強誘電体材料が使用され得る。誘電体層上に電界が印加されていなければブラッグ格子は構成されないが、論理値“1”を有するデータビットの電界は、図7に示されているように、この個所にブラッグ格子を発生する。この個所で層に当たるレーザービームはその後種々の回折次数で回折される。光検出器23が、一次の回折次数またはより高次の回折次数を生ずる個所に配置されていると、電界がまさにこの個所に印加されるときにのみ、レーザー強度が測定される。電界が印加されていないならば(Um=0、図の右側部分を参照)、レーザービームは回折されず、従ってビーム部分は光検出器23に当たらない。
【0033】
図7の例では、ストリップ線路の光伝導性ストリップ25間に位置し、ストリップ線路に沿って伝搬する電界が、横方向の部分層の局部的な屈折率を、伝送されたビットパターンに相応して変更することが利用される。この例でも導電性ストリップ25は透明酸化物から形成されている。論理値“1”を有するデータビットは、ラウエの式:sinθm =m×λ/d(但し、θは回折角度、λはレーザーのコヒーレント波長、dは格子定数に相当し、m=0,1,…≦d/λ)による複数の回折次数を発生する瞬間的な格子構造を誘電体層26内に形成する電界を発生する。使用された光検出器23の方向選択性を改善するために、例えば絞りの形で追加的なコリメータ29が使用され得る。コリメータ29により光検出器内でランダムな光反射を有する干渉が避けられる。論理値"0"を有するデータビットは誘電体層26上に電界を発生せず、従って層材料の特性を変化させない。レーザービームは均等な光学的材料の際にはこの場合に回折なしに誘電体層26を通過する。
【0034】
変調するデータビットストリームによる屈折率の変化は非常に小さくてよい。有効なブラッグ格子を発生するために、0.0001の屈折率変化で十分である。なぜならば、データビットまたはそれにより生ぜしめられる格子の長さ内に十分に多数の周期が位置しているからである。すなわち例えば20Gbpsの伝送率の際に、1cmの長さの格子が誘電体層の読出しに利用されるような660nmの波長を有するレーザー放射に対して、10000以上の波長周期を有する。
【0035】
もちろん誘電体層のこの実施例の場合にも走査ユニットは逆反射配置で作動させられ得る。その際、レーザーおよび光検出器は同じ側に配置されている。光検出器は逆回折された光に対してそれぞれ検出すべき回折次数の個所に置かれているだけでよい。
【0036】
図8は、同じくブラッグ格子が誘電体層内に生ぜしめられるストリップ線路20の誘電体材料の構成の別の例を示す。この例では誘電体層26は、個々の部分層が長手方向に、すなわちストリップ25に対して平行に延びるように構成されている。層厚みは入射するレーザー光のコヒーレンス長さに整合されている(位相整合)。その他の点では図7と結び付けて説明したことが当てはまる。図8は逆反射の測定が行われるレーザーならびに光検出器の配置を示す。しかしもちろん図7に示されているようなレーザーならびに光検出器の配置も選ばれ得る。
【0037】
図9はストリップ線路および走査ユニットの構成に対する2つの異なる例を示す。これらの例では誘電体層26の材料は、電界が印加されている際にポッケル効果が生ずるように選ばれている。それゆえ、伝送されたデータビットの電界によって、層を通って走る偏光されたレーザービームの偏光方向が変更される。このデータビットにより変調された偏光の時間的変化が、光検出器23を有する相応に設定された直線偏光器30により検出される。
【0038】
図9の左側の図による実施例の場合、直線偏光器30により最初にレーザービームの定められた直線偏光が設定される。直線偏光されたレーザービームは導電性ストリップ25間の誘電体層26を通過し、偏光は導電性ストリップ25間に電界が印加されているか又は印加されていないかに関係して変化する。論理的なビット値“1”に対して偏光面は90°回転し、従って光検出器23の前に第2の直線偏光器30を配置するとレーザー光は検出器23に到達しない。それゆえ、検出器は論理値“0”を発する。論理値“0”を有するデータビットは入射するレーザー光の偏光面を変更しないので、光は検出器23に到達し、それにより論理値“1”を発生する。
【0039】
レーザービームが誘電体層26を2回通過するために鏡31での逆反射が利用される図9の右側の図による実施例の場合、ポッケル効果の発生に必要な電界強度はより低い。両方の示されている実施例では、電極つまり導電性ストリップ25がレーザービームと干渉しない横方向のポッケル変調器の配置が利用される。位相シフトは電界と誘電体層を通る光路の長さとの積に比例している。従って、光路の長さが延長されることによって、変調電圧が数ボルトに減ぜられ得る。
【0040】
別の実施例ではこの関連が、ストリップ線路の長さにわたるデータビットの電界の減弱を、発生された位相シフトに関して補償するために、利用される。このために、ストリップ線路の各個所においてポッケル効果による一定の位相シフトを得るために、ストリップ線路内へのデータビットの入力点からの間隔と共に増大する誘電体層の幅が選ばれる。
【0041】
この横方向の配列の他にストリップ線路は縦方向のポッケル変調器としても構成され得る。縦方向の変調器は、誘電体層の厚みまたは誘電体層を通る光路の長さに無関係である大きさの位相シフト(ポッケル効果)を有する。位相シフトは単に変調電圧に比例し、この変調電圧は横方向の配列の場合よりも大きくなければならない。さらにこのような構成の場合には導電性ストリップはレーザービームに対して光学的に透明でなければならない。ストリップ線路はこの場合には例えば、その表面の両側を亜鉛酸化物から成る層により被覆され、誘電体層を形成する結晶から成っていてよい。長手方向の配置は横方向の変調器に比べて高い消去比が得られるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】信号伝送システムを有するコンピュータ断層撮影装置を示す概略図
【図2】従来技術によるコンピュータ断層撮影装置の信号伝送装置の一例を示す概略図
【図3】本発明による送信装置の高周波ストリップ線路の構成の一例を示す概略図
【図4】本発明による走査ユニットのレーザーおよびオプトエレクトロニクス検出器の配置の一例を示す概略図
【図5】本発明によるストリップ線路の走査の一例を示す概略図
【図6】本発明によるストリップ線路の走査の別の例を示す概略図
【図7】本発明によるストリップ線路の走査の別の例を示す概略図
【図8】本発明によるストリップ線路の走査の別の例を示す概略図
【図9】本発明によるストリップ線路の走査の2つの別の例を示す概略図
【符号の説明】
【0043】
1 ガントリの回転部分
2 ガントリの静止部分
3 X線管
4 X線検出器
5 送信装置
6 受信装置
10 データ源
20 ストリップ線路
21 走査ユニット
22 レーザー
23 光検出器
24 終端
26 誘電体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの互いに相対的に運動させられる要素(1、2)の間で信号を伝送するために、両要素の第1の要素(1)に、信号を導く少なくとも1つの高周波ストリップ線路(20)を有する送信装置(5)が取付けられ、両要素の第2の要素(2)に、少なくとも1つの走査ユニット(21)を有する受信装置(6)が取付けられ、ストリップ線路(20)および走査ユニット(21)が、走査ユニット(21)が少なくとも両要素(1、2)の相対的運動の運動区間の間はストリップ線路(20)の長手方向区間に沿って運動するように、第1の要素(1)および第2の要素(2)上に配置されている、2つの互いに相対的に運動させられる要素の間の信号伝送装置において、
ストリップ線路(20)は、導電性材料から成る2つのストリップ(25)間の電気光学特性を有する誘電体層(26)から構成され、
少なくとも1つの光源(22)およびオプトエレクトロニクス検出器(23)を含んでいる走査ユニット(21)は、ストリップ線路(20)の長手方向区間に沿う走査ユニット(21)の運動中に光源(22)の光ビームがストリップ線路(20)の誘電体層(26)に向けられ、反射または透過または回折されたビーム部分をオプトエレクトロニクス検出器(23)により検出することによって誘電体層(26)の光学特性の局部的な時間的変化が検出されるように構成されている
ことを特徴とする2つの互いに相対的に運動させられる要素の間の信号伝送装置。
【請求項2】
導電性材料から成るストリップ(25)の一方または両方は光ビームに対して光学的に透明であることを特徴とする請求項1記載の信号伝送装置。
【請求項3】
走査ユニット(21)は、光ビームがストリップ線路(20)をその長手方向に対して直角方向に完全に透過し、続いてオプトエレクトロニクス検出器(23)に当たるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の信号伝送装置。
【請求項4】
走査ユニット(21)は、光ビームがストリップ線路(20)の誘電体層(26)をその長手方向に対して直角方向にこの誘電体層(26)またはストリップ線路(20)の背後の反射面(28、31)での逆反射により2回完全に透過し、続いてオプトエレクトロニクス検出器(23)に当たるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の信号伝送装置。
【請求項5】
走査ユニット(21)は、誘電体層(26)が電気的に生ぜしめられたブラッグ格子を形成するように構成されている場合、0次よりも高い回折次数の光ビームの、ブラッグ格子で回折されたビーム部分のみがオプトエレクトロニクス検出器(23)に当たるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の信号伝送装置。
【請求項6】
走査ユニット(21)は、誘電体層(26)を通る光ビームの偏光面の電気的に生ぜしめられた回転を検出するための偏光器(30)を含んでいることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項7】
誘電体層(26)はポリマーマトリクス内に分散された液晶(27)により形成され、導電性材料から成るストリップ(25)の少なくとも1つは光ビームに対して透明であることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項8】
誘電体層(26)は非線形光学特性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項9】
誘電体層(26)は、誘電体層(26)へ電界を印加すると光源(22)の光ビームに対して電気的に生ぜしめられたブラッグ格子を形成する複数の部分層から構成されていることを特徴とする請求項5記載の信号伝送装置。
【請求項10】
ストリップ線路(20)は、回転軸線の周りを回転する第1の要素(1)または第2の要素(2)において、少なくとも近似的に回転軸線の周りの1つの円または部分円上を回転軸線に対して垂直な平面内を延びていることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項11】
送信装置(5)は送信変調器を含み、受信装置(6)は受信復調器を含んでいることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項12】
受信装置(6)はコンピュータ断層撮影装置の静止部分(2)上に配置され、送信装置(5)はコンピュータ断層撮影装置の回転部分(1)上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項13】
光源(22)はレーザーであることを特徴とする請求項1乃至12の1つに記載の信号伝送装置。
【請求項14】
2つの互いに相対的に運動させられる要素(1、2)の間で信号を伝送する信号伝送方法において、両要素の第1の要素(1)上で、導電性材料から成る2つのストリップ(25)間の電気光学特性を有する誘電体層(26)から構成されかつ信号を供給される高周波ストリップ線路(20)を有する送信装置(5)が使用され、ストリップ線路(20)を走る信号により誘電体層(26)内に電気的に生ぜしめられる誘電体層(26)の光学特性の局部的な時間的変化が、第2の要素(2)上に配置されている走査ユニット(21)の光ビームにより少なくとも両要素(1、2)の相対的運動の運動区間の間に走査されることを特徴とする2つの互いに相対的に運動させられる要素の間の信号伝送方法。
【請求項15】
誘電体層(26)は、信号が誘電体層(26)を通る光ビームの光透過の瞬時変化を生ぜしめるように選ばれることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
誘電体層(26)は、信号が誘電体層(26)を通る光ビームの偏光の瞬時変化を生ぜしめるように選ばれることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項17】
誘電体層(26)は、信号が誘電体層(26)内の光ビームの屈折率の変化を生ぜしめるように選ばれることを特徴とする請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−110353(P2006−110353A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298405(P2005−298405)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】