説明

LEDランプ、電源モジュール、トランス回路

【課題】トランスを小型化し直管蛍光灯型のLEDランプに用いることのできる電源モジュール及びトランス回路。
【解決手段】LEDランプ1は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10に電力供給を行う電源モジュール20と、を有し、電源モジュール20は、LEDモジュール10から接地端に至る電流経路を導通/遮断するスイッチ素子N1と、スイッチ素子N1に流れる電流が目標値と一致するようにスイッチ素子N1のオン/オフ制御を行うスイッチング制御部CTRLと、LEDモジュール10に流れる駆動電流を利用してスイッチング制御部CTRLへの電力供給を行うトランス回路部Xと、を含み、トランス回路部Xは、一次巻線X11に流れる前記駆動電流に応じて二次巻線X12に現れる誘起電力をスイッチング制御部CTRLに供給するトランスX1と、トランスX1に直列接続された少なくとも一つ(図1では2つ)のコイルX2及びX3と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管蛍光灯型のLED[Light Emitting Diode]ランプ、並びに、これに用いることのできる電源モジュール及びトランス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白熱電球や蛍光灯に代わる光源として、長寿命で省電力のLEDランプが普及し始めている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−110157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、直管蛍光灯型のLEDランプでは、幅の狭い長矩形状のプリント回路基板に多数の部品を搭載しなければならないので、各部品はできるだけ小型化されていることが望ましい。しかし、電源モジュールに含まれるトランスは、巻線比を維持しながら小型化することが難しいので、プリント回路基板の大型化を招く要因となっていた。
【0006】
本発明は、本願の発明者により見出された上記の問題点に鑑み、見かけ上の巻線比を維持しながらトランスを小型化することのできる直管蛍光灯型のLEDランプ、並びに、これに用いることのできる電源モジュール及びトランス回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明に係るLEDランプは、LEDモジュールと、前記LEDモジュールに電力供給を行う電源モジュールと、を有し、前記電源モジュールは、前記LEDモジュールから接地端に至る電流経路を導通/遮断するスイッチ素子と、前記スイッチ素子に流れる電流が目標値と一致するように前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行うスイッチング制御部と、前記LEDモジュールに流れる駆動電流を利用して前記スイッチング制御部への電力供給を行うトランス回路部と、を含み、前記トランス回路部は、一次巻線に流れる前記駆動電流に応じて二次巻線に現れる誘起電力を前記スイッチング制御部に供給するトランスと、前記トランスに直列接続された少なくとも一つのコイルと、を含む構成(第1の構成)とされている。
【0008】
なお、上記第1の構成から成るLEDランプにおいて、前記コイルは、少なくとも一つが前記トランスに対して出力側に接続されている構成(第2の構成)にするとよい。
【0009】
また、上記第1または第2の構成から成るLEDランプにおいて、前記トランス回路部は、前記トランス及び前記コイルと共に共振回路を形成するキャパシタを含む構成(第3の構成)にするとよい。
【0010】
また、上記第3の構成から成るLEDランプにおいて、前記キャパシタは、前記トランスの一次巻線と前記コイルとの接続ノードに一端が接続されている構成(第4の構成)にするとよい。
【0011】
また、上記第4の構成から成るLEDランプにおいて、前記電源モジュールは、交流電力を直流電力に変換して前記LEDモジュールに供給するAC/DC変換部をさらに含む構成(第5の構成)にするとよい。
【0012】
また、上記第5の構成から成るLEDランプにおいて、前記電源モジュールに含まれる回路要素は、長矩形状のプリント配線基板に搭載されている構成(第6の構成)にするとよい。
【0013】
また、上記第6の構成から成るLEDランプにおいて、前記トランスと前記コイルは、前記プリント配線基板の長手方向に沿って並べられた構成(第7の構成)にするとよい。
【0014】
また、上記第7の構成から成るLEDランプは、前記LEDモジュールの放熱を行う放熱板と、前記LEDモジュール、前記電源モジュール、及び、前記放熱板を収納する直管蛍光灯型のカバーと、をさらに有する構成(第8の構成)にするとよい。
【0015】
また、本発明に係る電源モジュールは、負荷に電力供給を行う電源部と、前記負荷から接地端に至る電流経路を導通/遮断するスイッチ素子と、前記スイッチ素子に流れる電流が目標値と一致するように前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行うスイッチング制御部と、前記負荷に流れる駆動電流を利用して前記スイッチング制御部への電力供給を行うトランス回路部と、を有し、前記トランス回路部は、一次巻線に流れる前記駆動電流に応じて二次巻線に現れる誘起電力を前記スイッチング制御部に供給するトランスと、前記トランスに直列接続された少なくとも一つのコイルを含む構成(第9の構成)とされている。
【0016】
なお、上記第9の構成から成る電源モジュールにおいて、前記コイルは、少なくとも一つが前記トランスに対して出力側に接続されている構成(第10の構成)にするとよい。
【0017】
また、上記第9または第10の構成から成る電源モジュールにおいて、前記トランス回路部は、前記トランス及び前記コイルと共に共振回路を形成するキャパシタを含んだ構成(第11の構成)にするとよい。
【0018】
また、上記第11の構成から成る電源モジュールにおいて、前記キャパシタは、前記トランスの一次巻線と前記コイルとの接続ノードに一端が接続されている構成(第12の構成)にするとよい。
【0019】
また、本発明に係るトランス回路は、トランスと、前記トランスに直列接続された少なくとも一つのコイルと、を有する構成(第13の構成)とされている。
【0020】
なお、上記第13の構成から成るトランス回路において、前記トランスは、一次巻線に流れる負荷の駆動電流を利用して二次巻線に誘起電力を発生し、前記コイルは、少なくとも一つが前記トランスに対して前記負荷側に接続されている構成(第14の構成)にするとよい。
【0021】
また、上記第13または第14の構成から成るトランス回路は、前記トランス及び前記コイルと共に共振回路を形成するキャパシタをさらに有する構成(第15の構成)にするとよい。
【0022】
また、上記第15の構成から成るトランス回路において、前記キャパシタは、前記トランスの一次巻線と前記コイルとの接続ノードに一端が接続された構成(第16の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、見かけ上の巻線比を維持しながらトランスを小型化することのできる直管蛍光灯型のLEDランプ、並びに、これに用いることのできる電源モジュール及びトランス回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】LEDランプ1の一構成例を示す回路図
【図2A】電源モジュール20の一構成例を示す平面図(基板表面)
【図2B】電源モジュール20の一構成例を示す平面図(基板裏面)
【図3】LEDランプ1の模式的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<回路図>
図1はLEDランプ1の一構成例を示す回路図である。本構成例のLEDランプ1は、LEDモジュール10と、電源モジュール20と、を有する。
【0026】
LEDモジュール10は、昼光色(色温度5000K程度)や電球色(色温度3000K程度)の光を発するLEDランプ1の光源であり、直列ないしは並列に接続された複数のLED素子を含む。
【0027】
電源モジュール20は、商用交流電源(AC90〜220V)から供給される交流電力を直流電力(DC50V)に変換してLEDモジュール10に供給する回路ブロックであり、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN1と、抵抗R1及びR2と、キャパシタC1〜C5と、ダイオードD1〜D4と、ツェナダイオードZD1と、ダイオードブリッジDB1と、フィルタトランスFL1及びFL2と、フューズF1と、バリスタZ1と、スイッチング制御部CTRLと、トランス回路部Xと、を含む。トランス回路部Xは、トランスX1と、コイルX2及びX3と、キャパシタX4と、を含む。
【0028】
商用交流電源の第1出力端は、フューズF1とフィルタトランスFL1及びFL2の第1巻線を介してダイオードブリッジDB1の第1入力端に接続されている。商用交流電源の第2出力端は、フィルタトランスFL1及びFL2の第2巻線を介してダイオードブリッジDB1の第2入力端に接続されている。フィルタトランスFL1の入力側には、その第1巻線と第2巻線との間にバリスタZ1とキャパシタC1が並列接続されている。フィルタトランスFL2の出力側には、その第1巻線と第2巻線との間にキャパシタC2が接続されている。ダイオードブリッジDB1の第1出力端は、コイルL1の第1端に接続されている。コイルL1の第2端は、ダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは、LEDモジュール10のアノードに接続されている。ダイオードブリッジDB1の第2出力端は、接地端に接続されている。
【0029】
キャパシタC3の第1端は、ダイオードD1のカソードに接続されている。キャパシタC3の第2端は、接地端に接続されている。抵抗R1の第1端は、ダイオードD1のカソードに接続されている。抵抗R1の第2端は、ダイオードD2のカソードとダイオードD3のアノードとツェナダイオードD4のカソードに接続されている。ダイオードD2のアノードは、トランスX1を形成する二次巻線X12を介して接地端に接続されている。ダイオードD3のカソードは、スイッチング制御部CTRLの電源ピンに接続されている。ツェナダイオードZD1のアノードは、接地端に接続されている。キャパシタC4の第1端は、ダイオードD3のカソードに接続されている。キャパシタC4の第2端は、接地端に接続されている。スイッチング制御部CTRLの接地ピンは接地端に接続されている。
【0030】
ダイオードD4のカソードは、ダイオードD1のカソードに接続されている。ダイオードD4のアノードは、トランジスタN1のドレインに接続されている。トランジスタN1のソースは、抵抗R2の第1端に接続される一方、スイッチング制御部CTRLの帰還入力ピンにも接続されている。トランジスタN1のゲートは、スイッチング制御部CTRLの制御出力ピンに接続されている。キャパシタC5の第1端は、LEDモジュール10のアノードに接続されている。キャパシタC5の第2端は、LEDモジュール10のカソードに接続されている。
【0031】
トランスX1を形成する一次巻線X11の第1端は、トランジスタN1のドレインに接続されている。一次巻線X11の第2端は、コイルX2及びX3を介してLEDモジュール10のカソードに接続されている。キャパシタX4の第1端は、一次巻線X11の第2端に接続されている。キャパシタC4の第2端は、接地端に接続されている。
【0032】
次に、電源モジュール20の動作について詳細に説明する。フューズF1、バリスタZ1、キャパシタC1、フィルタトランスFL1及びFL2、並びに、キャパシタC2は、商用交流電源から供給される交流電力のノイズやサージなどを除去する。
【0033】
ダイオードブリッジDB1は、その前段でノイズやサージなどが除去された交流電力を全波整流する。コイルL1、ダイオードD1、及び、キャパシタC3は、ダイオードブリッジDB1の出力を平滑化して直流電力を生成し、これをLEDモジュール10に供給する。このように、ダイオードブリッジDB1、コイルL1、ダイオードD1、及び、キャパシタC3は、交流電力を直流電力に変換してLEDモジュール10に供給するAC/DC変換部として機能する。
【0034】
トランジスタN1は、LEDモジュール10のカソードから接地端に至る電流経路を導通/遮断するスイッチ素子である。スイッチング制御部CTRLは、トランジスタN1及び抵抗R2を介して接地端に流れる電流(LEDモジュール10の駆動電流に相当)が目標値と一致するようにトランジスタN1のオン/オフ制御を行う半導体集積回路装置である。トランジスタN1がオンされているときには、ダイオードD1のカソードからLEDモジュール10、トランス回路部X、トランジスタN1、及び、抵抗R2を介して接地端に向けた電流が流れる。一方、トランジスタN1がオフされているときには、トランス回路部X、ダイオードD4、及び、LEDモジュール10を介してループ電流が流れる。
【0035】
抵抗R1(例えば数百kΩ〜数MΩ)は、スイッチング制御部CTRLの起動時にダイオードD1のカソードからキャパシタC4の充電電流を引き込んで、スイッチング制御部CTRLの電源電圧V1(10V程度)を生成するために設けられている。スイッチング制御部CTRLの起動後には、トランス回路部XからダイオードD2を介する電流経路でキャパシタC4の充電動作が行われ、スイッチング制御部CTRLへの電源供給が継続される。なお、ダイオードD2及びD3は逆流電流防止素子(半波整流素子)であり、ツェナダイオードZD1はクランプ素子である。
【0036】
トランス回路部Xは、LEDモジュール10に流れる駆動電流を利用してスイッチング制御部CTRLへの電力供給を行う。ここで、トランス回路部Xは、一次巻線X11に流れる駆動電流に応じて二次巻線X12に現れる誘起電力をスイッチング制御部CTRLに供給するトランスX1と、トランスX1に直列接続された少なくとも一つ(本構成例では2つ)のコイルX2及びX3と、トランスX1の一次巻線X11とコイルX2との接続ノードに一端が接続されたキャパシタX4と、を含む。
【0037】
このような構成とすることにより、トランスX1の巻線比を小さく設定してトランスX1の小型化を実現しつつ、トランス回路部X全体を一つのトランスとして見れば、見かけ上の巻線比を大きく設定することができる。例えば、巻線比150:1のトランスを一つの部品として実現した場合には、3辺の長さが各々40mm程度の部品サイズとなる。一方、巻線比50:1のトランスX1と600μH程度のコイルX2及びX3とを用いて、見かけ上の巻線比が150:1となるトランス回路部Xを実現した場合には、いずれの部品についても、3辺の長さが各々10〜15mm程度の部品サイズとなる。従って、トランス回路部Xを一つのトランスで実現した場合と比べて、トランス回路部Xの厚みを小さくすることができるので、電源ユニット20の薄型化に貢献することが可能となる。
【0038】
なお、トランスX1の巻線比やコイルX2及びX3の個数については、トランス回路部X全体として実現すべき見かけ上の巻線比と電源ユニット20に求められるサイズとを考慮して、適宜設計すればよい。すなわち、トランスX1に直列接続されるコイルの個数は2つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0039】
また、コイルX2及びX3は、トランスX1に対して出力部Z側に接続してもよいし、スイッチング制御部CTRL側に接続してもよいが、少なくとも一つは、トランスX1に対して出力部Z側に接続することが望ましい。
【0040】
また、本構成例のLEDランプ1では、トランスX1とコイルX2及びX3にキャパシタX4を付加して、LC共振回路が形成されている。このような構成とすることにより、二次巻線X12へのエネルギ伝達効率を高めることができるので、スイッチング制御部CTRLの動作に必要な電力を供給することが可能となる。
【0041】
なお、キャパシタX4の一端を接続する位置については、トランスX1と、トランスX1に直列接続されるコイルX2との間が最も望ましい。ただし、コイルが複数接続される場合には、コイル間(例えば図1のコイルX2とコイルX3との間)にキャパシタを接続してもエネルギ伝達効率を高めることが可能となる。
【0042】
<平面図>
図2A及び図2Bは、それぞれ、電源モジュール20の一構成例を示す平面図である。なお、図2Aは、プリント配線基板PCBの表面を示しており、図2Bは、プリント配線基板PCBの裏面を示している。
【0043】
図2A及び図2Bで示したように、電源モジュール20に含まれる先出の回路要素は、いずれも、図2A及び図2Bで示すように、幅の狭い長矩形状(帯状)のプリント回路基板PCB(例えば長辺307mm、短辺17.8mm)に搭載されている。プリント配線基板PCBの長辺方向の一端には、LEDランプ1を取り付けるための取り付け器具から電力供給を受け取るための入力部Yが設けられている。プリント配線基板PCBの長辺方向の他端には、電源モジュール20で生成された直流電流をLEDモジュール10に供給するための出力部Zが設けられている。また、トランス回路部Xに含まれるトランスX1とコイルX2及びX3は、プリント配線基板PCBの長手方向に沿って直列に並べられている。このような構成とすることにより、トランス回路部Xを一つのトランスで実現した場合と比べて、プリント回路基板PCBの短辺サイズを縮小することが可能となる。また、キャパシタX4は、トランスX1とコイルX2との間であって、プリント配線基板PCBの短辺方向の中央部分に配置されている。
【0044】
<断面図>
図3は、LEDランプ1の模式的な断面図である。本構成例のLEDランプ1は、先出のLEDモジュール10と、電源モジュール20と、を有するほか、さらに、放熱板30と、カバー40と、を有する。
【0045】
放熱板30は、LEDモジュール10の放熱を行う金属部材である。LEDモジュール10と電源モジュール20は、放熱板30の異なる面に各々設置されている。LEDモジュール10と電源モジュール20との間は、放熱板30の端部において不図示のケーブルにより電気的に接続されている。なお、放熱板30には、LEDモジュール10及び電源モジュール20をケース40内に固定する支持部としての機能を併せ持たせてもよい。
【0046】
カバー40は、LEDモジュール10、電源モジュール20、及び、放熱板30を収納し、LEDモジュール10からの出射光を拡散しつつ透過する直管蛍光灯型(円筒状)の中空部材である。カバー40の色味としては、柔らかくより広がりのある光が得られる乳白色カバーや、より照度の高い光が得られる半透明カバーを用いることができる。また、LEDランプ1の屋外使用を想定して、カバー40を防水型とすることも可能である。
【0047】
また、直管蛍光灯型のLEDランプ1は、直管蛍光灯に代えて既存の取り付け器具に取り付けられるため、ケース40の大きさには上限がある。図3で示したように、放熱板30からケース40の下端部までの高さH1が大きければ大きいほど、LEDモジュール10からの光がケース40によって散乱されるので、広い配光性を備えたLEDランプ1となる。この場合、放熱板30に対して上側に配置される電源ユニット20の高さH2が問題となる。先にも述べた通り、本構成例のLEDランプ1では、トランス回路部Xを一つのトランスで実現した場合と比べて、電源ユニット20を薄型化することができるので、トランスX1を含め、電源ユニット20全体としての高さH2が小さくなっている。このような構成とすることにより、放熱板30をケース40内のより高い位置に配置することができるので、LEDモジュール10からケース40内側の広い範囲に光が届くようになり、既存の蛍光灯により近い体感的な明るさを得ることが可能となる。
【0048】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、直管蛍光灯型のLEDランプに本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、見かけ上の巻線比を維持しながらトランスを小型化する技術として、他の用途に供されるトランスにも広く適用することが可能である。
【0049】
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るLEDランプは、例えば、シーリングライトやタスクライトなどの光源として利用することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 LEDランプ
10 LEDモジュール
20 電源モジュール
30 放熱板
40 カバー
N1 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
R1、R2 抵抗
C1〜C5 キャパシタ
D1〜D4 ダイオード
ZD1 ツェナダイオード
DB1 ダイオードブリッジ
FL1、FL2 フィルタトランス
F1 フューズ
Z1 バリスタ
CTRL スイッチング制御部
X トランス回路部
X1 トランス
X11 一次巻線
X12 二次巻線
X2、X3 コイル
X4 キャパシタ
Y 入力部
Z 出力部
PCB プリント回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDモジュールと、
前記LEDモジュールに電力供給を行う電源モジュールと、
を有し、
前記電源モジュールは、
前記LEDモジュールから接地端に至る電流経路を導通/遮断するスイッチ素子と、
前記スイッチ素子に流れる電流が目標値と一致するように前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行うスイッチング制御部と、
前記LEDモジュールに流れる駆動電流を利用して前記スイッチング制御部への電力供給を行うトランス回路部と、
を含み、
前記トランス回路部は、
一次巻線に流れる前記駆動電流に応じて二次巻線に現れる誘起電力を前記スイッチング制御部に供給するトランスと、
前記トランスに直列接続された少なくとも一つのコイルと、
を含むことを特徴とするLEDランプ。
【請求項2】
前記コイルは、少なくとも一つが前記トランスに対して出力側に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記トランス回路部は、前記トランス及び前記コイルと共に共振回路を形成するキャパシタを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記キャパシタは、前記トランスの一次巻線と前記コイルとの接続ノードに一端が接続されていることを特徴とする請求項3に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記電源モジュールは、交流電力を直流電力に変換して前記LEDモジュールに供給するAC/DC変換部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のLEDランプ。
【請求項6】
前記電源モジュールに含まれる回路要素は、長矩形状のプリント配線基板に搭載されていることを特徴とする請求項5に記載のLEDランプ。
【請求項7】
前記トランスと前記コイルは、前記プリント配線基板の長手方向に沿って並べられていることを特徴とする請求項6に記載のLEDランプ。
【請求項8】
前記LEDモジュールの放熱を行う放熱板と、
前記LEDモジュール、前記電源モジュール、及び、前記放熱板を収納する直管蛍光灯型のカバーと、
をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のLEDランプ。
【請求項9】
負荷に電力供給を行う電源部と、
前記負荷から接地端に至る電流経路を導通/遮断するスイッチ素子と、
前記スイッチ素子に流れる電流が目標値と一致するように前記スイッチ素子のオン/オフ制御を行うスイッチング制御部と、
前記負荷に流れる駆動電流を利用して前記スイッチング制御部への電力供給を行うトランス回路部と、
を有し、
前記トランス回路部は、
一次巻線に流れる前記駆動電流に応じて二次巻線に現れる誘起電力を前記スイッチング制御部に供給するトランスと、
前記トランスに直列接続された少なくとも一つのコイルと、
を含むことを特徴とする電源モジュール。
【請求項10】
前記コイルは、少なくとも一つが前記トランスに対して出力側に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の電源モジュール。
【請求項11】
前記トランス回路部は、前記トランス及び前記コイルと共に共振回路を形成するキャパシタを含むことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の電源モジュール。
【請求項12】
前記キャパシタは、前記トランスの一次巻線と前記コイルとの接続ノードに一端が接続されていることを特徴とする請求項11に記載の電源モジュール。
【請求項13】
トランスと、
前記トランスに直列接続された少なくとも一つのコイルと、
を有することを特徴とするトランス回路。
【請求項14】
前記トランスは、一次巻線に流れる負荷の駆動電流を利用して二次巻線に誘起電力を発生し、
前記コイルは、少なくとも一つが前記トランスに対して前記負荷側に接続されていることを特徴とする請求項13に記載のトランス回路。
【請求項15】
前記トランス及び前記コイルと共に共振回路を形成するキャパシタをさらに有することを特徴とする請求項13または請求項14に記載のトランス回路。
【請求項16】
前記キャパシタは、前記トランスの一次巻線と前記コイルとの接続ノードに一端が接続されていることを特徴とする請求項15に記載のトランス回路。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−253911(P2012−253911A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124799(P2011−124799)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】