説明

LED光源装置

【課題】 光の輝度を高めつつ、かつ、部品数の削減を図ることが可能なLED光源装置を提供する。
【解決手段】 LED光源装置A1は、複数のLEDチップ40と、複数のLEDチップ40を支持する基板10および絶縁部材20を備えている。基板10は、z方向における一方側を向く主面11を有しており、基板10には、z方向における他方側へ凹む複数の凹部12が形成されており、複数のLEDチップ40のいずれかである第1のLEDチップ40が、上記複数の凹部12のいずれかである第1の凹部12に設置されている。LED光源装置A1は、絶縁部材20の主面21に設けられ、第1のLEDチップ40と導通する金属膜30と、第1のLEDチップ40を覆うように第1の凹部12に充填された第1の透光樹脂510とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDチップを備えたLED光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図63は、従来のLED光源装置の一例を示している。同図に示されたLED光源装置Xは、LEDチップ(図示略)を内蔵しており、たとえば白色光を発する。LED光源装置Xは、たとえば、液晶表示装置のバックライトの光源として用いられる。上記バックライトは、LED光源装置Xと導光板90によって構成される。導光板90は、たとえば透明なポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂によって形成されており、入射面91を有する。LED光源装置Xは、入射面91に正対する位置に配置されている。LED光源装置Xからの光は、入射面91から入射した後に、図示しない溝などの反射手段によって導光板90の厚さ方向に反射される。この光を液晶パネル(図示略)によって選択的に透過させることにより液晶表示装置の画像が形成される。
【0003】
上記液晶表示装置の画質を高めるためには、LED光源装置Xからの光の輝度を高めることが求められる。LED光源装置Xの輝度向上には、上記LEDチップからの光をLED光源装置Xから出射する効率を高めることが必要である。そのためには、LED光源装置X内で吸収されてしまう光の割合を縮小することが重要であり、たとえば上記LEDチップからの光を反射するためのリフレクタを設ける必要があった。しかしながら、リフレクタを設けることでLED光源装置Xの部品数が増加し、製造工程の複雑化および製造コストの増大を招くことになる。LED光源装置Xにおいては、光の輝度を高めつつ、かつ、部品数の削減を図れる構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−123130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、光の輝度を高めつつ、かつ、部品数の削減を図ることが可能なLED光源装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるLED光源装置は、複数のLEDチップと、上記複数のLEDチップを支持する支持部材と、を備えるLED光源装置であって、上記支持部材は、厚さ方向における一方側を向く主面を有しており、上記支持部材には、上記厚さ方向における他方側へ凹む複数の凹部が形成されており、上記複数のLEDチップのいずれかである第1のLEDチップが、上記複数の凹部のいずれかである第1の凹部に設置されており、上記支持部材の主面に設けられ、上記第1のLEDチップと導通する金属膜と、上記第1のLEDチップを覆うように上記第1の凹部に充填された第1の透光樹脂と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記各凹部は、上記厚さ方向において上記主面と離間する底面、および、上記底面と上記主面との間に設けられた側面を有しており、上記第1の凹部の上記側面は、上記厚さ方向において上記主面に近づくにつれて、上記厚さ方向に対して直交する方向において上記第1のLEDチップから遠ざかるように傾斜している。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記支持部材は、金属製の基板と、上記基板の上記厚さ方向における一方側の面を覆う絶縁部材とを有しており、上記主面は、上記絶縁部材の上記厚さ方向における一方側の面である。
【0009】
好ましくは、上記基板はアルミニウム製である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁部材は、上記第1の凹部を露出させるように形成されている。
【0011】
本発明の別の好ましい実施の形態においては、上記支持部材は、上記厚さ方向における一方側の面に絶縁処理が施された金属製の基板である。
【0012】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記絶縁部材および上記金属膜を覆うように形成された被覆部材を備えており、上記被覆部材には、上記第1の凹部を露出させる第1の開口部が形成されている。
【0013】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記金属膜の少なくとも一部が、上記第1の開口部から露出している。
【0014】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、上記第1の開口部から露出し、かつ、上記厚さ方向視において上記第1の凹部と重ならないように形成された露出部を有しており、上記第1のLEDチップと上記露出部とがワイヤにより接続されている。
【0015】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記被覆部材の上記厚さ方向における一方側の面は、上記ワイヤの上記厚さ方向における一方側の端よりも、上記厚さ方向において一方側に位置している。
【0016】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記第1の開口部は上記第1の透光樹脂によって充填されている。
【0017】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記第1のLEDチップは、上記厚さ方向における一方側に1対の電極パッドを有しており、上記ワイヤは、上記露出部と上記1対の電極パッドのいずれかとを接続している。
【0018】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記第1のLEDチップの上記厚さ方向における他方側の端部と上記第1の凹部の底面とを接合する接合部材を備えている。
【0019】
好ましい実施の形態においては、上記第1の凹部は、上記厚さ方向視において、上記厚さ方向と直交する第1の方向を長手方向とする矩形状である。
【0020】
別の好ましい実施の形態においては、上記第1の凹部は、上記厚さ方向視において、上記厚さ方向と直交する第1の方向を長手方向とする略矩形状であり、上記第1の凹部の四隅が曲線により構成されている。
【0021】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記第1の凹部内の上記第1の方向において上記第1のLEDチップと離間する位置に設置された第2のLEDチップを備えている。
【0022】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記厚さ方向および上記第1の方向と直交する第2の方向において、上記第1のLEDチップと上記第2のLEDチップとは異なる位置にある。
【0023】
本発明の別のより好ましい実施の形態においては、上記第1のLEDチップおよび上記第2のLEDチップは、上記厚さ方向視において矩形状であり、上記厚さ方向視において、上記第1のLEDチップおよび上記第2のLEDチップの少なくとも一方の辺が上記第1の方向および上記第2の方向に対して傾斜している。
【0024】
より好ましくは、上記第1のLEDチップのいずれかの辺が上記第1の方向に対して45°傾斜しており、上記第2のLEDチップのいずれかの辺が上記第1の方向に対して45°傾斜している。
【0025】
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記支持部材は、上記第1の方向を長手方向とする長矩形状であり、上記複数のLEDチップおよび上記複数の凹部は、上記第1の方向に沿って配列されている。
【0026】
このような構成によれば、上記第1のLEDチップは上記第1の凹部内に設置されているため、上記第1のLEDチップから側方に出射された光は、上記第1の凹部の側面に向かって進むことになる。上記支持部材が金属などの光を吸収しにくい材質からなるとき、上記第1のLEDチップから側方に出射された光は上記第1の凹部の側面でその大部分が反射されることになる。すなわち、金属製の支持部材に複数の凹部を設け、それらの凹部内にLEDチップを設置することで、リフレクタを設置した場合と同様に輝度向上を図ることが可能である。従って、本発明の構成によれば、より少ない部品数で輝度向上を図ることが可能である。
【0027】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に基づくLED光源装置を示す要部平面図である。
【図2】図1のLED光源装置の要部拡大平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う要部断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】図1のLED光源装置の製造工程において基板に凹部を形成した状態を示す要部断面図である。
【図6】図1のLED光源装置の製造工程においてLEDチップを設置した状態を示す要部断面図である。
【図7】図1のLED光源装置の製造工程において製造される中間部材を示す要部平面図である。
【図8】図1のLED光源装置の製造工程において基板に中間部材を貼り付ける工程を示している。
【図9】図1のLED光源装置の製造工程においてワイヤを形成した状態を示している。
【図10】図1のLED光源装置を用いた液晶表示装置の一例を示す斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に基づくLED光源装置を示す要部平面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に基づくLED光源装置を示す要部平面図である。
【図14】本発明の第4実施形態に基づくLED光源装置を示す要部平面図である。
【図15】本発明の第5実施形態に基づくLED光源装置を示す要部平面図である。
【図16】本発明の第6実施形態に基づくLED光源装置を示す要部平面図である。
【図17】図16のXVII−XVII線に沿う断面図である。
【図18】参考例のLED光源装置を示す要部平面図である。
【図19】図18のLED光源装置の要部拡大平面図である。
【図20】図19のXX−XX線に沿う断面図である。
【図21】図19のXXI−XXI線に沿う断面図である。
【図22】図18のLED光源装置の製造工程においてガラス層を形成した状態を示す要部平面図である。
【図23】図18のLED光源装置の製造工程において、AgPt層を形成した状態を示す要部平面図である。
【図24】図18のLED光源装置の製造工程において、Al層を形成した状態を示す要部平面図である。
【図25】図18のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図26】図25の変形例のyz平面の断面図である。
【図27】図18のLED光源装置の使用例を示す要部平面図である。
【図28】図18のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図29】図18のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図30】さらに別の参考例のLED光源装置を示す要部斜視図である。
【図31】図30のLED光源装置の要部平面図である。
【図32】図30のLED光源装置の要部拡大平面図である。
【図33】図32のXXXIII−XXXIII線に沿う要部断面図である。
【図34】図33のXXXIV−XXXIV線に沿う断面図である。
【図35】図30のLED光源装置の製造工程においてガラス層を形成した状態を示す要部平面図である。
【図36】図30のLED光源装置の製造工程において、AgPt層を形成した状態を示す要部平面図である。
【図37】図30のLED光源装置の製造工程において、Al層を形成した状態を示す要部平面図である。
【図38】図30のLED光源装置の製造工程において、リフレクタを基板に貼りつける工程を示す要部斜視図である。
【図39】図30のLED光源装置の変形例を示す要部拡大平面図である。
【図40】図30のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図41】図30のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図42】図41の変形例のyz平面の断面図である。
【図43】図30のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図44】図43の変形例のyz平面の断面図である。
【図45】図30のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図46】図30のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図47】図30のLED光源装置の変形例を示す要部拡大平面図である。
【図48】図30のLED光源装置の使用例を示す要部平面図である。
【図49】さらに別の参考例のLED光源装置を示す要部斜視図である。
【図50】さらに別の参考例のLED光源装置を示す要部平面図である。
【図51】図50のLED光源装置を示す要部拡大平面図である。
【図52】図51のLII線に沿う要部断面図である。
【図53】図51のLIII−LIII線に沿う断面図である。
【図54】さらに別の参考例のLED光源装置を示す要部断面図である。
【図55】図54のLED光源装置の変形例を示す要部断面図である。
【図56】さらに別の参考例のLED光源装置を示す要部断面図である。
【図57】図56の参考例の変形例のyz平面の断面図である。
【図58】図56,57のLVIII−LVIII線に沿う底面図である。
【図59】さらに別の参考例のLED光源装置を示す要部断面図である。
【図60】図59の参考例の変形例のyz平面の断面図である。
【図61】図59、図60のリフレクタのみを示す平面図である。
【図62】図59、図60のLED光源装置を用いた液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【図63】従来のLED光源装置の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0030】
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A1は、基板10、絶縁部材20、金属膜30、複数のLEDチップ40、複数のワイヤ42、被覆部材500、および、透光樹脂510を備えている。LED光源装置A1は、図10および図11に示すように、たとえば液晶表示装置B1のバックライトを構成する光源として用いられる。なお、理解の便宜上、図1においては絶縁部材20および透光樹脂510を省略している。また、図2においては透光樹脂510を省略している。図1および図2に示すx,y方向は互いに直交する方向である。
【0031】
基板10および絶縁部材20は、本発明の請求項における支持部材を構成している。
【0032】
基板10は、アルミニウム、鉄といった金属製であり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。本実施形態の基板10は、長さが222mm程度、幅が6.0mm程度、厚さが1.0mm程度とされている。図3および図4に示すz方向は、x,y方向に直交する方向であり、基板10の厚さ方向と一致している。
【0033】
図3に示すように、基板10は、z方向における図中上方側を向く主面11を有している。さらに、基板10には、z方向における図3中下方側へ凹む複数の凹部12が形成されている。図1および図2に示すように、各凹部12は、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされており、複数の凹部12はx方向に沿って配列されている。本実施形態では、各凹部12に1つずつLEDチップ40が設置されている。各凹部12のx方向寸法はたとえば6mm程度であり、y方向寸法はたとえば3mm程度であり、z方向寸法はたとえば0.3mm程度である。
【0034】
絶縁部材20は、図3に示すように、たとえば白色または無色透明なエポキシ樹脂製であり、z方向における図中上方側を向く主面21を有している。絶縁部材20は、主面11を覆い、かつ、凹部12を露出させるように形成されている。本実施形態では、より確実に各凹部12を絶縁部材20から露出させるために、図3および図4に示すように、絶縁部材20は主面11の各凹部12に隣接する領域も露出させている。
【0035】
各凹部12は、z方向において主面11と離間する底面121と、主面11と底面121との間に設けられた側面122とを有している。図2に示すように、底面121は、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。側面122は、z方向視において底面121を囲む枠状に形成されており、具体的には4つの斜面122a,122b,122c,122dにより構成されている。図3に示すように、斜面122aおよび斜面122bは、z方向において底面121から遠ざかるにつれて、x方向においてLEDチップ40から遠ざかるように傾斜している。底面121と斜面122aとが成す角度および底面121と斜面122bとが成す角度は、たとえば110°である。図4に示すように、斜面122cおよび斜面122dは、z方向において底面121から遠ざかるにつれて、y方向においてLEDチップ40から遠ざかるように傾斜している。底面121と斜面122cとが成す角度および底面121と斜面122dとが成す角度は、たとえば110°である。
【0036】
なお、基板10がアルミニウム製の場合、基板10の主面11を覆うように絶縁部材20を形成する代わりに、基板10の主面11に絶縁処理を施してもよい。具体的には、主面11に対してアルマイト処理を行えばよい。
【0037】
本実施形態のLED光源装置A1は、各底面121に設置される複数の接合部材123を備えている。各接合部材123は、LEDチップ40のz方向における図3中下端部を各底面121に接合している。各接合部材123は、たとえばエポキシ樹脂からなる。接合部材123として、高熱伝導率を有する材料からなるフィラーが混入されたエポキシ樹脂を用いれば、放熱効果の促進に好ましい。
【0038】
LEDチップ40は、GaNからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された構造を有しており、たとえば青色光を発する。LEDチップ40はx方向寸法が1.0mm程度、y方向寸法が0.5mm程度、z方向寸法が0.1mm程度とされている。本実施形態のLEDチップ40は、いわゆる2ワイヤタイプであり、各LEDチップ40は、図3における上方側に1対の電極パッド(図示略)を有している。これらの電極パッドにワイヤ42が接続されている。なお、LEDチップ40が、たとえばSiからなるサブマウント基板を有しており、n型半導体層、活性層およびp型半導体層からなる半導体層がサブマウント基板上に積層されている構成であってもよい
【0039】
金属膜30は、LEDチップ40への給電機能を果たすものであり、絶縁部材20の主面21上に形成されている。金属膜30は、たとえば無電解メッキ法によりz方向に積層された複数の金属層からなる。具体的な一例として、複数の金属層は、主面21に近い方から順に、金、パラジウム、ニッケル、銅からなる。なお、パラジウム層を省略しても構わない。また、金層のかわりに銀層を用いてもよい。
【0040】
図1および図2に示すように、金属膜30は、共通帯状部310、複数のパッド部320、連絡帯状部330、および複数の接続端子部340を有している。図1に示すように金属膜30の大部分は、被覆部材500によって覆われている。
【0041】
図1に示すように、共通帯状部310は、x方向に長く延びる帯状であり、基板10のほぼ全長にわたって形成されている。共通帯状部310の幅は、たとえば1mm程度である。共通帯状部310は、y方向において、基板10の一端寄りに位置している。
【0042】
複数のパッド部320は、図1に示すように、x方向に並ぶ2つのパッド部320が1つの凹部12を挟むように、x方向に並べて配置されている。図1〜図3に示すように、各パッド部320は、被覆部材500から露出する露出部321を有している。この露出部321は、z方向視において凹部12と重ならないように形成されている。この露出部321にはワイヤ42の一端が接続されている。すなわち、LEDチップ40と露出部321とはワイヤ42により接続されている。
【0043】
連絡帯状部330は、x方向に長く延びる帯状であり、基板10のほぼ全長にわたって形成されている。連絡帯状部330の幅は、たとえば1mm程度である。連絡帯状部330は、y方向において、複数のパッド部320および複数の凹部12を挟んで共通帯状部310とは反対側の基板10の一端寄りに位置している。
【0044】
図1に示すように、複数の接続端子部340は、基板10のx方向一端寄りに形成されており、たとえば液晶表示装置B1の電源もしくは制御部(いずれも図示略)と接続するために用いられる。
【0045】
図1においてx方向右方に位置する接続端子部340は、共通帯状部310につながっており、x方向左方に位置する接続端子部340は、連絡帯状部330につながっている。x方向中央に位置する接続端子部340は、複数のパッド部320のうちx方向においてもっとも左に位置するもの(接続端子部340にもっとも近いもの)につながっている。また、複数のパッド部320の一部は共通帯状部310または連絡帯状部330につながっている。
【0046】
上述した金属膜30の構成と、LEDチップ40の実装形態により、本実施形態においては、LED光源装置A1には、互いに直列に接続された複数個のLEDチップ40からなるLEDチップ40のグループが2つ含まれており、これらのLEDチップ40のグループどうしが互いに並列に接続された回路を構成している。
【0047】
ツェナーダイオード41は、LEDチップ40に過大な逆電圧が印加されるのを防止するためのものであり、底面121に設置されている。ツェナーダイオード41は、ワイヤによって隣接する露出部321に接続されている。なお、LEDチップ40がサブマウント基板を有する形態の場合、ツェナーダイオード41と同等の機能を果たす素子を作りこんでもよい。
【0048】
被覆部材500は、たとえば、白色に着色されたエポキシ樹脂からなり、絶縁部材20の主面21および金属膜30を覆うシート状に形成されている。被覆部材500の厚さは、たとえば0.1〜0.3mmである。図1に示すように、被覆部材500には、複数の凹部12を露出させる複数の開口部501が形成されている。各開口部501は、図2に示すように、z方向視長矩形状であり、1つの凹部12を囲み、かつ、パッド部320の露出部321を露出させるように形成されている。
【0049】
被覆部材500のz方向における図3中上方側の面は、ワイヤ42のz方向における図3中上方側の端よりも、z方向において図3中上方側に位置している。
【0050】
透光樹脂510は、図3および図4に示すように、各開口部501および各凹部12に充填されており、LEDチップ40およびツェナーダイオード41を覆っている。透光樹脂510は、たとえば透明なエポキシ樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、たとえばLEDチップ40からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ40からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源装置A1からは白色光が発せられる。なお、上記蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光材料と緑色光を発する蛍光材料とを合わせて用いてもよい。
【0051】
図5〜図9には、LED光源装置A1の製造方法の一例を説明するための図である。以下、これらの図を用いて、LED光源装置A1の製造方法の一例について説明を行う。
【0052】
LED光源装置A1を製造する際には、平坦な主面11を有する板状の基板10に複数の凹部12を形成する工程を行う。複数の凹部12は、たとえば、基板10にパンチ加工または切削加工を施すことにより形成可能である。また、エッチングを施すことにより複数の凹部12を形成することも可能である。図5には、凹部12が形成された基板10を示している。
【0053】
次に、複数のLEDチップ40を基板10に設置する工程を行う。図6には、LEDチップ40を設置した状態を示している。この工程では、各凹部12の底面121に、接合部材123を用いてLEDチップ40を固定する。
【0054】
さらに、LED光源装置A1を製造する際には、図7に示す中間部材200を製造する工程を行う。中間部材200は、絶縁部材20、金属膜30、および、被覆部材500からなる。中間部材200を製造する工程では、たとえば、まず絶縁部材20を形成し、その後に絶縁部材20の主面21に金属膜30を形成する。その後に絶縁部材20の主面21および金属膜30を覆うように被覆部材500を形成する。このとき、先述したように、被覆部材500の開口部501から、金属膜30の露出部321が露出するように被覆部材500を形成する。
【0055】
中間部材200および基板10が製造された後、図8に示すように、基板10に中間部材200を貼り付ける工程を行う。その後、図9に示すように、ワイヤ42を用いてLEDチップ40と露出部321とを接続する工程を行う。ワイヤ42を設置した後、開口部501から凹部12へ液状の透光樹脂510を流し込み、LEDチップ40およびワイヤ42を透光樹脂510で覆う。図9に表れているように、ワイヤ42は露出部321に接続されるため、ワイヤ42の一部はz方向において凹部12の外側に突出することになる。凹部12を透光樹脂510で充填するだけでは、ワイヤ42の全体を透光樹脂510で覆うのは困難であり、液状の透光樹脂510が主面21に沿って流れて拡散してしまうのを防ぐ必要がある。本製造方法では、被覆部材500が液状の透光樹脂510が流れていくのを防ぐ役割を果たし、好ましく透光樹脂510でワイヤ42を覆い保護することができる。
【0056】
被覆部材500は、上記の役割を果たせばよいため、たとえば、エッチングを行う際に使用されるレジストで代用することも可能である。また、上記実施形態では、被覆部材500が主面21の大部分の領域を覆っているが、各凹部12を囲むサイズの枠状の被覆部材500を複数設置しても構わない。
【0057】
図10および図11は、LED光源装置A1を用いた液晶表示装置の一例を示している。同図に示された液晶表示装置B1は、LED光源装置A1、導光板6、および液晶パネル7を備えている。
【0058】
導光板6は、LED光源装置A1とともにバックライトを構成するものであり、たとえば透明なポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂からなる。導光板6は、zx平面に広がる板状とされている。導光板6は、入射面61、反射面62、および出射面63を有している。入射面61は、z方向に対して平滑な面であり、LED光源装置A1と正対している。反射面62は、y方向に対して直角な面であり、複数の溝621が形成されている。出射面63は、y方向に対して直角な平滑な面であり、反射面62とは反対側に位置している。
【0059】
図9に示すように、LED光源装置A1から出射された光は、入射面61から入射したのちに、導光板6内を進行する。進行してきた光は、反射面62の溝621によって反射あるいは拡散されることにより、y方向に向けて進行する。反射面62から進行してきた光は、出射面63から出射する。これにより、LED光源装置A1が発光すると、導光板6の出射面63全面から白色光が発せられる。
【0060】
液晶パネル7は、導光板6から出射された光を選択的に透過させることにより液晶表示装置B1が表示するべき画像を形成するためのものである。液晶パネル7は、たとえば対向する2枚の透明基板とこれらの透明基板に挟まれた液晶層とからなり、たとえばアクティブマトリクス方式によって、画素ごとに透過状態を変更可能に構成されている。
【0061】
次に、LED光源装置A1の作用について説明する。
【0062】
本実施形態によれば、LEDチップ40が凹部12の底面121に設置されており、傾斜する側面122によって囲まれている。LEDチップ40から側方に発せられた光は、側面122によって反射されることになる。上述したように、基板10は金属製であるため、側面122において光が吸収される割合は小さくなっている。このため、より多くの光をLED光源装置A1から出射することが可能であり、輝度向上を図ることができる。さらに、凹部12の側面122がLEDチップ40からの光を反射する構成であるため、光を反射するためのリフレクタ部材を設置する必要がない。従って、LED光源装置A1の構成によれば、より少ない部品数で輝度向上を図ることが可能である。
【0063】
LED光源装置A1の輝度向上を図ることにより、液晶表示装置B1は、より明るく、より鮮明な画像を表示することができる。
【0064】
図12〜図17は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0065】
図12は、本発明の第2実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A2は、凹部12の形状が上述した実施形態と異なっている。本実施形態の凹部12は、図12に示すように、z方向視において角の丸い略矩形状となっている。凹部12の四隅は曲線により構成されている。底面121も同様の形状であり、側面122は四隅が曲面である枠状に形成されている。このような側面122もLEDチップ40から側方に発せられた光を好ましく反射する。
【0066】
図13は、本発明の第3実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A3は、1つの凹部12にx方向に互いに離間する2つのLEDチップ40が設置されている点が上述した実施形態と異なっている。なお、図13ではツェナーダイオード41を省略している。本実施形態の凹部12は、たとえば、図2に示す凹部12よりもx方向寸法が長くなっており、2つのLEDチップ40をx方向に並べることが可能なようになっている。図13に示すように、凹部12に設置される2つのLEDチップ40同士はワイヤ42により、x方向に離間する露出部321に対して直列に接続されている。
【0067】
図14は、本発明の第4実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A4は、凹部12内の2つのLEDチップ40の位置がずれている点でLED光源装置A3と異なっている。なお、図14ではツェナーダイオード41を省略している。図14に示すように、本実施形態では、凹部12内に配置される2つのLEDチップ40は、y方向における位置が異なっている。2つのLEDチップ40のy方向における位置が同一の場合、一方のLEDチップ40からx方向に出射された光の一部が他方のLEDチップ40によって吸収されることがある。図14のように、2つのLEDチップ40のy方向における位置をずらすことで、LEDチップ40による光の吸収を防止し、輝度向上を図ることができる。
【0068】
図15は、本発明の第5実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A5では、2つのLEDチップ40が平面視正方形状であり、正方形の辺がx方向に対して45°傾斜するように配置されている点で、LED光源装置A3と異なっている。なお、図15ではツェナーダイオード41を省略している。本実施形態のLEDチップ40の一辺の長さは、たとえば0.6mmである。図15に示すような配置によれば、一方のLEDチップ40の側面から出射される光が、他方のLEDチップ40に向かいにくくなっており、LEDチップ40による光の吸収を防止するのに効果的である。
【0069】
図16および図17は、本発明の第6実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A6では、フリップチップタイプのLEDチップ40が設置されている点でLED光源装置A1と異なっている。なお、図16ではツェナーダイオード41を省略している。
【0070】
本実施形態では、フリップチップタイプのLEDチップ40を実装するために、露出部321が底面121にまで延出されている。このような構成を実現するためには、たとえば、底面121および側面122を絶縁部材20で覆う必要があるが、上述したように、側面122はLEDチップ40からの光を反射する役割を果たす部分であるため、樹脂製の絶縁部材20で覆うのは望ましいことではない。このため、本実施形態では、アルミニウム製の基板10の厚さ方向における主面11側の面に絶縁処理が施されている。絶縁処理は具体的には、アルマイト処理によるものであり、基板10は主面11側に酸化アルミニウムからなる絶縁層111を有する構造となる。本発明のおける支持部材は、基板10である。なお、本実施形態ではフリップチップタイプのLEDチップ40を実装しているが、1本のワイヤ42によって実装可能であるいわゆる1ワイヤタイプのLEDチップを実装してもよい。
【0071】
図18〜図62は、本発明に基づくLED光源装置と同様の目的で使用されるLED光源装置の参考例を示している。
【0072】
図18〜図21は、LED光源装置A1〜A6と同様に液晶表示装置B1において光源として利用可能なLED光源装置の一例を示している。図18〜図21に示すLED光源装置C1は、基板1、ガラス層2、金属膜3、複数のLEDチップ4、リフレクタ51、および透光樹脂55を備えている。なお、理解の便宜上、図18においてはガラス層2および透光樹脂55を省略しており、図19においては、透光樹脂55を省略している。
【0073】
基板1は、基板10と同様に、アルミニウム、鉄といった金属製であり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。基板1は、長さが222mm程度、幅が6.0mm程度、厚さが1.0mm程度とされている。図20および図21に示すz方向は、x,y方向に直交する方向であり、基板1の厚さ方向と一致している。
【0074】
ガラス層2は、金属膜3を形成するのに適した平滑な面を提供するためのものであり、基板1の主面11に形成されている。ガラス層2の厚さは、たとえば100μm程度である。図22は、LED光源装置C1の製造工程において、基板1にガラス層2を形成した状態を示している。ガラス層2の形成は、たとえばガラスペーストを印刷した後に、このガラスペーストを焼成することによって行う。
【0075】
金属膜3は、LEDチップ4への給電機能を果たすものであり、ガラス層2上に形成されている。本実施形態においては、金属膜3は、Al層31およびAgPt層32からなる。図23は、LED光源装置C1の製造工程において、AgPt層32を形成した状態を示している。AgPt層32の形成は、たとえばAgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって行う。AgPt層32の厚さは、たとえば10μm程度である。
【0076】
Al層31は、金属膜3の最外層を構成するものである。図24は、LED光源装置C1の製造工程においてAl層31を形成した状態を示している。Al層31の形成は、たとえばスパッタ法を用いて行う。Al層31の厚さは、たとえば1.2μm程度である。Al層31とガラス層2との間には、部分的にAgPt層32が介在している。
【0077】
図18〜図21に示すように、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド群35、連絡帯状部36、および複数の接続端子部37を有している。図18に示すように、共通帯状部33は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。共通帯状部33の幅は、たとえば1mm程度である。共通帯状部33は、y方向において、基板1の一端寄りに位置している。図21、図23、および図24から理解されるように、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0078】
図18に示すように、複数のアイランド群35は、x方向に並べて配置されており、本実施形態においては、2つのアイランド群35が設けられている。各アイランド群35は、複数のアイランド部34によって構成されている。複数のアイランド部34は、共通帯状部33と平行に、x方向に配列されている。本実施形態においては、各アイランド群35が、12個のアイランド部34を含んでいる。図20、図21、図23、および図24から理解されるように、本実施形態においては、アイランド部34は、Al層31のみの単層構造とされている。
【0079】
図19に示すように、アイランド部34は、本体部341と延出部342を有している。本体部341は、x方向を長手方向とし、一部が欠落した矩形状とされている。本体部341は、x方向寸法が9.0mm程度、y方向寸法が2.5mm程度である。延出部342は、本体部341からx方向に長く延びる部分であり、本実施形態においては、幅が0.5mm程度、長さが3.0mm程度とされている。図19に示すように、アイランド部34の延出部342は、x方向左方に隣接するアイランド部34の本体部341の欠落部分にはまり込むように配置されている。
【0080】
連絡帯状部36は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。連絡帯状部36の幅は、たとえば1mm程度である。連絡帯状部36は、y方向において、アイランド群35を挟んで共通帯状部33とは反対側の基板1の一端寄りに位置している。図21、図23、および図24から理解されるように、本実施形態においては、連絡帯状部36は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0081】
図18に示すように、複数の接続端子部37は、基板1のx方向一端寄りに形成されており、たとえば液晶表示装置B1の電源もしくは制御部(いずれも図示略)と接続するために用いられる。図23および図24から理解されるように、接続端子部37は、AgPt層32によって構成されている。
【0082】
図18においてx方向右方に位置する接続端子部37は、共通帯状部33につながっており、x方向左方に位置する接続端子部37は、連絡帯状部36につながっている。x方向中央に位置する接続端子部37は、複数のアイランド部34のうちx方向においてもっとも左に位置するもの(接続端子部37にもっとも近いもの)につながっている。また、各アイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向右端に位置するもの(接続端子部37からもっとも遠いもの)は、共通帯状部33につながっている。また、x方向右方(接続端子部37に対して遠い方)に位置するアイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向左端に位置するもの(接続端子部37からもっとも近いもの)は、連絡帯状部36につながっている。
【0083】
LEDチップ4は、たとえばSiからなるサブマウント基板44とGaNからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された半導体層43とを有する構造とされており、たとえば青色光を発する。半導体層43には、サブマウント基板44側に形成された電極パッド(図示略)が形成されている。これらの電極パッドが、サブマウント基板44に形成された配線パターン(図示略)に接合されている。図19に示すように、LEDチップ4は、アイランド部34の本体部341に実装されている。LEDチップ4には、2つの電極が形成されており、一方の電極は、ワイヤ42によって実装されたアイランド部34の本体部341に接続されている。他方の電極は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。LEDチップ4は、たとえば、x方向寸法が1.9mm程度、y方向寸法が1.3mm程度とされている。サブマウント基板44をアイランド部34に接合することにより、LEDチップ4から金属膜3への放熱を高める効果が期待できる。LEDチップ4とアイランド部34との接合は、たとえばAgペースト、エポキシ樹脂、あるいは高熱伝導率を有する材料からなるフィラーが混入されたエポキシ樹脂を用いれば、放熱効果の促進に好ましい。なお、本実施形態のLEDチップ4は、いわゆる2ワイヤタイプであるが、これと異なり、1本のワイヤ42によって実装可能であるいわゆる1ワイヤタイプのLEDチップ4や、ワイヤ42を用いない実装が可能であるいわゆるフリップチップタイプのLEDチップ4を用いてもよい。
【0084】
上述した金属膜3の構成と、LEDチップ4の実装形態により、LED光源装置C1には、互いに直列に接続された12個のLEDチップ4からなるLEDチップ4のグループが2つ含まれており、これらのLEDチップ4のグループどうしが互いに並列に接続された回路を構成している。
【0085】
ツェナーダイオード41は、LEDチップ4に過大な逆電圧が印加されるのを防止するためのものであり、アイランド部34の本体部341に実装されている。ツェナーダイオード41は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。なお、LEDチップ4のサブマウント基板44にツェナーダイオード41と同等の機能を果たす素子を作りこんでもよい。
【0086】
リフレクタ51は、LEDチップ4からの光をより多くz方向へと進行させるためのものであり、たとえば白色樹脂からなる矩形枠状である。リフレクタ51を形成するときには、LEDチップ4の実装が完了している。このため、リフレクタ51は、たとえばリフロー炉において高温にさらされることがない。これにより、この白色樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を用いることができる。PBT樹脂は、リフレクタ51の表面の反射率を高めるのに適している。リフレクタ51は、LEDチップ4およびツェナーダイオード41を囲むように金属膜3上(一部は、ガラス層2上)に形成されている。リフレクタ51は、たとえば、x方向寸法が6.8mm程度、y方向寸法が3.0mm程度、z方向高さが1mm程度とされている。また、リフレクタ51のうちLEDチップ4を収容する開口部分のサイズは、x方向寸法が3.9mm程度、y方向寸法が1.9mm程度とされている。
【0087】
透光樹脂55は、図20および図21に示すように、リフレクタ51によって囲まれた空間に充填されており、LEDチップ4およびツェナーダイオード41を覆っている。透光樹脂55は、たとえば透明なエポキシ樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、たとえばLEDチップ4からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ4からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源装置C1からは白色光が発せられる。なお、上記蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光材料と緑色光を発する蛍光材料とを合わせて用いてもよい。
【0088】
LED光源装置C1においては、LEDチップ4からの光のうち金属膜3に向けて発せられた光は、金属膜3によって反射される。このため、より多くの光をLED光源装置C1から出射することが可能であり、輝度向上を図ることができる。特に、金属膜3は、最外層がAl層31からなるため、吸収される割合は小さい。これは、LED光源装置C1の輝度向上に有利である。本実施形態においては、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド部34、および連絡帯状部36を区画するためのスリットが形成されているほかは、基板1の主面11のほとんどを覆っている。これにより、LEDチップ4からの光が不当に吸収されてしまうことを抑制することができる。
【0089】
金属膜3は、ガラス層2上に形成されている。このため、金属膜3の表面は、鏡面に近い平滑な面となっている。これにより、LEDチップ4からの光をより高い割合で反射することが可能である。スパッタによって形成されたAl層31は、高密度であり、鏡面状態を実現するのに適している。
【0090】
金属膜3に共通帯状部33、複数のアイランド部34、および連絡帯状部36を備えることにより、複数のLEDチップ4を適切に接続することが可能である。
【0091】
共通帯状部33および連絡帯状部36をAl層31とAgPt層32の積層構造とすることにより、抵抗値を低下させることが可能である。共通帯状部33および連絡帯状部36は、比較的狭幅であり、かつ長さが長いため、電圧低下が生じやすい。上述した積層構造によれば、共通帯状部33および連絡帯状部36の電圧低下を抑制することができる。
【0092】
なお、ガラス層2を用いる代わりに、LED光源装置A1の場合と同様に、エポキシ樹脂からなる絶縁部材20を基板1の主面11に設けてもよい。
【0093】
図25および図26は、LED光源装置C1の変形例であるLED光源装置C2を示している。LED光源装置C2は、リフレクタ51を備えない点がLED光源装置C1と異なっている。LED光源装置C2においては、透光樹脂55は、たとえば液体樹脂材料をポッティングによってLEDチップ4を覆うように滴下したのちに、この液体樹脂材料を硬化させることによって形成する。このような構成でも、ガラス層2の大部分が金属膜3によって覆われているため、LEDチップ4からの光が不当に吸収されてしまうことを抑制可能であり、LED光源装置C2の輝度向上を図ることができる。
【0094】
図27は、LED光源装置C1と、その変形例とを組み合わせた構成を示している。同図に示されたLED光源装置C1’は、上述したLED光源装置C1と比較して、接続端子部37が省略されている点が異なっている。LED光源装置C1とLED光源装置C1’の共通帯状部33どうし、および連絡帯状部36どうしが、それぞれ配線38によって接続されている。このような構成により、より大きな画面サイズの液晶表示装置のバックライト用LED光源装置を実現することができる。
【0095】
図28および図29は、LED光源装置C1において、異なる種類のLEDチップ4が適用された構成を示している。以下に説明するLEDチップ4は、LED光源装置C1のみならず、LED光源装置A1〜A6、およびLED光源装置C2,C1’に用いることができることはもちろんである。
【0096】
図28に示されたLED光源装置C1に用いられたLEDチップ4は、いわゆる2ワイヤタイプと称される構造を有する。具体的には、下層からn型半導体層、活性層、およびp型半導体層が積層された半導体層43によって構成されており、n型半導体層およびp型半導体層に導通する2つの電極パッド(図示略)が図中上面に配置されている。これらの電極パッドに、ワイヤ42がボンディングされている。
【0097】
図29に示されたLEDチップ4は、ワイヤ42を用いることなく実装可能なタイプである。具体的には、サブマウント基板44に2つのスルーホール電極441が形成されている。これらのスルーホール電極441は、サブマウント基板44に形成された配線パターンを介して、半導体層43のn型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ導通している。スルーホール電極441の下面には、実装用のバンプ442が形成されている。LEDチップ4は、このバンプ442によって、金属膜3に実装されている。
【0098】
図30〜図34には、さらに別の参考例を示している。図30〜図34に示すLED光源装置C3は、基板1、ガラス層2、金属膜3、複数のLEDチップ4、リフレクタ51、透光樹脂55、および白色樹脂58を備えている。なお、理解の便宜上、図30および図31においてはガラス層2、および透光樹脂55を省略しており、図32においては、透光樹脂55を省略している。
【0099】
基板1は、基板10と同様に、アルミニウム、鉄といった金属製であり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。基板1は、長さが222mm程度、幅が6.0mm程度、厚さが1.0mm程度とされている。
【0100】
ガラス層2は、金属膜3を形成するのに適した平滑な面を提供するためのものであり、基板1の主面11に形成されている。ガラス層2の厚さは、たとえば100μm程度である。図35は、LED光源装置C3の製造工程において、基板1にガラス層2を形成した状態を示している。ガラス層2の形成は、たとえばガラスペーストを印刷した後に、このガラスペーストを焼成することによって行う。
【0101】
金属膜3は、LEDチップ4への給電機能を果たすものであり、ガラス層2上に形成されている。本実施形態においては、金属膜3は、Al層31およびAgPt層32からなる。図36は、LED光源装置C3の製造工程において、AgPt層32を形成した状態を示している。AgPt層32の形成は、たとえばAgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって行う。AgPt層32の厚さは、たとえば10μm程度である。
【0102】
Al層31は、金属膜3の最外層を構成するものである。図37は、LED光源装置C3の製造工程においてAl層31を形成した状態を示している。Al層31の形成は、たとえばスパッタ法を用いて行う。Al層31の厚さは、たとえば1.2μm程度である。Al層31とガラス層2との間には、部分的にAgPt層32が介在している。
【0103】
図31〜図34に示すように、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド群35、連絡帯状部36、および複数の接続端子部37を有している。図31に示すように、共通帯状部33は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。共通帯状部33の幅は、たとえば1mm程度である。共通帯状部33は、y方向において、基板1の一端寄りに位置している。図34、図36、および図37から理解されるように、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0104】
図31に示すように、複数のアイランド群35は、x方向に並べて配置されており、2つのアイランド群35が設けられている。各アイランド群35は、複数のアイランド部34によって構成されている。複数のアイランド部34は、共通帯状部33と平行に、x方向に配列されている。各アイランド群35が、12個のアイランド部34を含んでいる。図33、図34、図36、および図37から理解されるように、アイランド部34は、Al層31のみの単層構造とされている。
【0105】
図32および図33に示すように、アイランド部34は、本体部341と延出部342を有している。本体部341は、x方向を長手方向とし、一部が欠落した矩形状とされている。本実施形態においては、本体部341は、x方向寸法が9.0mm程度、y方向寸法が2.5mm程度である。本体部341には、LEDチップ4が実装されている。延出部342は、本体部341からx方向に長く延びる部分であり、本実施形態においては、幅が0.5mm程度、長さが3.0mm程度とされている。図32に示すように、あるアイランド部34の延出部342は、x方向右方に隣接するアイランド部34の本体部341の欠落部分にはまり込むように配置されている。
【0106】
連絡帯状部36は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。連絡帯状部36の幅は、たとえば1mm程度である。連絡帯状部36は、y方向において、アイランド群35を挟んで共通帯状部33とは反対側の基板1の一端寄りに位置している。図34、図36、および図37から理解されるように、本実施形態においては、連絡帯状部36は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0107】
図31に示すように、複数の接続端子部37は、基板1のx方向一端寄りに形成されており、たとえば液晶表示装置B1の電源もしくは制御部(いずれも図示略)と接続するために用いられる。図36および図37から理解されるように、接続端子部37は、AgPt層32によって構成されている。
【0108】
図31においてx方向右方に位置する接続端子部37は、共通帯状部33につながっており、x方向左方に位置する接続端子部37は、連絡帯状部36につながっている。x方向中央に位置する接続端子部37は、複数のアイランド部34のうちx方向においてもっとも左に位置するもの(接続端子部37にもっとも近いもの)につながっている。また、各アイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向右端に位置するもの(接続端子部37からもっとも遠いもの)は、共通帯状部33につながっている。また、x方向右方(接続端子部37に対して遠い方)に位置するアイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向左端に位置するもの(接続端子部37からもっとも近いもの)は、連絡帯状部36につながっている。
【0109】
LEDチップ4は、Siからなるサブマウント基板44とたとえばGaNからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された半導体層43とを有する構造とされており、たとえば青色光を発する。半導体層43には、サブマウント基板44側に形成された電極パッド(図示略)が形成されている。これらの電極パッドが、サブマウント基板44に形成された配線パターン(図示略)に接合されている。サブマウント基板44には、ツェナーダイオードが作りこまれている。このツェナーダイオードは、半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのものである。
【0110】
図32に示すように、LEDチップ4は、アイランド部34に実装されている。LEDチップ4には、2つの電極が形成されており、一方の電極は、ワイヤ42によって実装されたアイランド部34の本体部341に接続されている。他方の電極は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。本実施形態のLEDチップ4は、x方向寸法が1.9mm程度、y方向寸法が1.3mm程度とされている。サブマウント基板44をアイランド部34に接合することにより、LEDチップ4から金属膜3への放熱を高める効果が期待できる。LEDチップ4とアイランド部34との接合は、たとえばAgペースト、エポキシ樹脂、あるいは高熱伝導率を有する材料からなるフィラーが混入されたエポキシ樹脂を用いれば、放熱効果の促進に好ましい。
【0111】
上述した金属膜3の構成と、LEDチップ4の実装形態により、LED光源装置C3には、互いに直列に接続された12個のLEDチップ4からなるLEDチップ4のグループが2つ含まれており、これらのLEDチップ4のグループどうしが互いに並列に接続された回路を構成している。
【0112】
リフレクタ51は、LEDチップ4からの光をより多くz方向へと進行させるためのものであり、たとえば液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートなどの白色樹脂からなる。リフレクタ51は、x方向に長く延びた形状であり、複数の開口52および複数の凹部53が形成されている。各開口52は、z方向視において矩形状とされている。図33および図34に示すように開口52の内面は、各LEDチップ4を囲んでおり、主面11の法線方向において基板1から遠ざかるほどLEDチップ4から遠くなるように傾斜している。各凹部53は、図31〜図33に示すように、隣り合う開口52の間に位置している。各凹部53は、リフレクタ51の上面から凹む断面矩形状の溝である。リフレクタ51のうち凹部53が形成された部位は、yz平面における断面積が部分的に縮小する小断面部である。リフレクタ51のy方向寸法は、たとえば、2.0〜4.0mm程度とされている。
【0113】
LED光源装置C3の製造工程においては、図38に示すように、リフレクタ51は、LEDチップ4の実装が完了した基板1に対して貼りつけられる。リフレクタ51は、たとえば、y方向寸法が3.0mm程度、z方向高さが1mm程度とされている。また、開口52のサイズは、x方向寸法が3.9mm程度、y方向寸法が1.9mm程度とされている。凹部53は、x方向寸法が0.5〜4.0mm程度、z方向深さが0.2〜0.8mm程度とされている。
【0114】
白色樹脂58は、たとえば白色のエポキシ樹脂などLEDチップ4からの光に対して不透明であり、かつサブマウント基板44よりも高反射率である材質からなる。図32〜図34に示すように、白色樹脂58は、リフレクタ51の開口52に囲まれた領域のうち、LEDチップ4を除く部分を覆っている。また、白色樹脂58は、サブマウント基板44の側面をすべて覆っている。なお、本実施形態とは異なり、サブマウント基板44の側面の一部が白色樹脂58に覆われている構成であってもよい。
【0115】
透光樹脂55は、図33および図34に示すように、開口52内に充填されており、LEDチップ4を覆っている。透光樹脂55は、透明部57と蛍光部56とからなる。透明部57は、白色樹脂58上に積層されており、半導体層43を覆っている。透明部57は、たとえば透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂からなる。蛍光部56は、透明部57上に積層されており、たとえば透明なエポキシ樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、たとえばLEDチップ4からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ4からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源装置C3からは白色光が発せられる。なお、上記蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光材料と緑色光を発する蛍光材料とを合わせて用いてもよい。
【0116】
LED光源装置C3においては、各LEDチップ4がリフレクタ51の開口52に囲まれていることにより、LEDチップ4から側方に進行した光が開口52によって反射される。開口52の内面は、図33および図34に示すように、上方に向けて開くように傾斜している。このため、反射された光は、LED光源装置C3外へと出射されやすい。したがって、LED光源装置C3の高輝度化を図ることができる。
【0117】
さらに、図38に示すように、リフレクタ51を形成するときには、LEDチップ4の実装が完了している。このため、リフレクタ51は、たとえばLEDチップ4を実装する工程において用いられるリフロー炉において高温にさらされることがない。これにより、この白色樹脂としては、液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートを用いることができる。液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートは、リフレクタ51の表面の反射率を高めるのに適している。これは、LED光源装置C3の高輝度化に有利である。
【0118】
図38に示すように、リフレクタ51は、基板1に取り付けられる前においては、それ単独で取り扱われることが多い。リフレクタ51の保持方法によっては、リフレクタ51に過大なモーメントが作用しうる。複数の凹部53が形成された複数の小断面部は、これら以外の部位よりも弾性変形しやすい。したがって、リフレクタ51にモーメントが作用したときには、上記複数の小断面部が積極的に変形することにより、リフレクタ51のいずれかの部分に亀裂が入ることなどを防止することができる。
【0119】
凹部53は、リフレクタ51のうち基板1とは反対側の面から凹むように形成されている。これにより、リフレクタ51のうち基板1と接合されている面積は、上記小断面部を設けることによっては縮小されていない。したがって、リフレクタ51の保護を図りつつ、リフレクタ51と基板1との接合力低下を回避することができる。
【0120】
本実施形態によれば、白色樹脂58は、LEDチップ4のサブマウント基板44の側面を覆っている。サブマウント基板44の材質であるSiは、比較的光を吸収しやすい。白色樹脂58は、サブマウント基板44の側面によって半導体層43からの光が吸収されることを防ぐ働きを果たす。これにより、LED光源装置C3の高輝度化をさらに促進することができる。
【0121】
LEDチップ4は、サブマウント基板44に作りこまれたツェナーダイオードを有している。このツェナーダイオードにより、半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止することができる。また、このツェナーダイオードを設けることによってLED光源装置C3の高輝度化が阻害されることはない。
【0122】
透光樹脂55に透明部57を設けることにより、透光樹脂55に含まれる蛍光材料の量を削減することができる。これは、LED光源装置C3の低コスト化に有利である。
【0123】
図39〜図47は、LED光源装置C3の変形例を示している。
【0124】
図39は、LED光源装置C3の凹部53についての変形例を示している。本変形例のLED光源装置C3は、凹部53の構成が上述したLED光源装置C3と異なっている。本変形例においては、リフレクタ51のy方向を向く側面から凹むように、複数の凹部53が形成されている。より具体的には、隣り合う開口52の間に1対の凹部53が配置されている。1対の凹部53は、リフレクタ51のy方向両側に形成されている。このような変形例によっても、LED光源装置C3の高輝度化を図りつつ、リフレクタ51に亀裂が生じることなどを防止することができる。
【0125】
図40は、LED光源装置C3の凹部53についての他の変形例を示している。本変形例のLED光源装置C3は、凹部53の構成が上述したLED光源装置C3と異なっている。本変形例においては、リフレクタ51の基板1に接合された面から凹むように、複数の凹部53が形成されている。各凹部53は、隣り合う開口52の間に配置されている。このような変形例によっても、LED光源装置C3の高輝度化を図りつつ、リフレクタ51に亀裂が生じることなどを防止することができる。
【0126】
図41および図42は、LED光源装置C3の金属膜3についての変形例を示している。本変形例においては、金属膜3は、AgPt層32のみからなる。このような変形例によれば、LED光源装置C3を製造する際には、Al層31を形成する工程を省略可能である。これにより、LED光源装置C3のコスト低減を図ることができる。
【0127】
図43および図44は、LED光源装置C3の他の変形例を示している。本変形例においては、ガラス層2を備えない点が上述したLED光源装置C3と異なっている。このような変形例によれば、ガラス層2を形成する工程を省略可能であるため、LED光源装置C3のコスト低減に有利である。また、LEDチップ4からの放熱促進を図ることができる。
【0128】
図45は、LED光源装置C3のLEDチップ4についての変形例を示している。本変形例のLEDチップ4は、ワイヤ42を用いることなく実装可能なタイプである。具体的には、サブマウント基板44に2つのスルーホール電極441が形成されている。これらのスルーホール電極441は、サブマウント基板44に形成された配線パターンを介して、半導体層43のn型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ導通している。スルーホール電極441の下面には、実装用のバンプ442が形成されている。LEDチップ4は、このバンプ442によって、金属膜3に実装されている。
【0129】
図46は、LED光源装置C3の透光樹脂55についての変形例を示している。本変形例においては、透光樹脂55が蛍光部56のみによって構成されている。このような変形例によっても、LED光源装置C3の高輝度化を図ることができる。
【0130】
図47は、LED光源装置C3の変形例を示している。本変形例は、LEDチップ4とは別体とされたツェナーダイオード41を備えている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4とともにアイランド部34の本体部341に実装されている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4の半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止する。また、ツェナーダイオード41は、白色樹脂58によって覆われている。これにより、LEDチップ4からの光がツェナーダイオード41によって吸収されることを防止することができる。
【0131】
図48には、LED光源装置C3と、これの変形例とを組み合わせた構成を示している。同図に示されたLED光源装置C3’は、上述したLED光源装置C3と比較して、接続端子部37が省略されている点が異なっている。LED光源装置C3とLED光源装置C3’の共通帯状部33どうし、および連絡帯状部36どうしが、それぞれ配線38によって接続されている。このような構成により、より大きな画面サイズの液晶表示装置のバックライト用LED光源装置を実現することができる。
【0132】
図49には、さらに別の参考例を示している。図49に示すLED光源装置C4は、1つの基板1に2つのリフレクタ51が取り付けられている点が、上述したLED光源装置C3と異なっている。LED光源装置C4において、リフレクタ51は、x方向長さが基板1の半分弱程度とされている。2つのリフレクタ51は、x方向に直列に配置されており、LED光源装置C3と同様に、それぞれに形成された開口52がLEDチップ4を各別に囲んでいる。
【0133】
このような構成によっても、LED光源装置C4の高輝度化を図ることができる。また、基板1に対してx方向が短いリフレクタ51を用意することにより、基板1の長さに応じて、1枚の基板1に取り付けるリフレクタ51の個数を調整することができる。これにより、異なる長さの複数種類の基板1に対してリフレクタ51を共通部品化することが可能であり、様々な長さのLED光源装置C4を効率よく製造することができる。
【0134】
図50〜図53には、さらに別の参考例を示している。図50〜図53に示すLED光源装置C5は、LED光源装置C1と同様に複数のリフレクタ51を備えつつ、その他の構成はLED光源装置C3に準じたものとなっている。さらに、LED光源装置C5は、LEDチップ4とは別体とされたツェナーダイオード41を備えている。
【0135】
各リフレクタ51には、LEDチップ4を収容する開口52が形成されている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4とともにアイランド部34の本体部341に実装されている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4の半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止する。また、ツェナーダイオード41は、白色樹脂58によって覆われている。これにより、LEDチップ4からの光がツェナーダイオード41によって吸収されることを防止することができる。
【0136】
なお、ツェナーダイオード41がLEDチップ4とは別体ではなく、サブマウント基板44に形成され、且つ、互いに離間した複数のリフレクタ51を備える構成を採用してもよい。
【0137】
図54は、LEDチップ4についての変形例を示している。本変形例にかかるLED光源装置C6のLEDチップ4は、サブマウント基板44にワイヤ42がボンディングされているのではなく、半導体層43に積層された電極481にワイヤ42がボンディングされている点において、図33等に示したLEDチップ4と異なる。
【0138】
具体的には、LEDチップ4は、サブマウント基板44と、半導体層43と、2つの電極481と、を有する。サブマウント基板44および半導体層43は、上述の構成と同様であるから、説明を省略する。各電極481は半導体層43に積層されている。各電極481は、主面11の法線方向zを向いている。
【0139】
透明部57は、ワイヤ42の一部と、電極481とを直接覆っている。蛍光部56はワイヤ42の一部を直接覆っている。図55に示すように、蛍光部56は、ワイヤ42を直接覆っていなくてもよい。
【0140】
図54、図55に示す構成によっても、LED光源装置C3〜C5に関して述べた利点と同様の利点を得ることができる。なお、本変形例にかかるLEDチップ4の構成を、上述のLED光源装置C3〜C5のいずれにおいても、採用することができる。
【0141】
図56、図57は、リフレクタ51についての変形例を示している。本変形例にかかるLED光源装置C7のリフレクタ51は、突出部512を含む点において、図33等に示したリフレクタ51と異なる。なお、本変形例においては、LED光源装置C7が、LED光源装置C5に関して説明したように複数のリフレクタ51を備えているとして、説明する。また、LED光源装置C7は接着層8を備える。LED光源装置C3〜C5等も接着層を備えていてもよいが、理解の便宜上、記載を省略していた。接着層8は、リフレクタ51と基板1との間に介在している。
【0142】
接着層8は、リフレクタ51を基板1に対し接合している。接着層8は、たとえば、エポキシ系の接着剤である。具体的には、接着層8は、ガラス層2および金属膜3に接している。
【0143】
各リフレクタ51は、底面511と、突出部512と、を更に有する。本変形例において各リフレクタ51の構成はいずれも同一であるから、一つのリフレクタ51について説明する。底面511は、基板1の位置する側(すなわち、図56、図57の下方)を向く。突出部512は、底面511から基板1に向かって突出する。突出部512は、主面11の法線方向z視において、接着層8と白色樹脂58との間に位置する。図58は、図56、図57のLVIII−LVIII線に沿うリフレクタ51の底面図である。図58では、LEDチップ4が配置されるべき位置を点線で示している。また、白色樹脂58が配置されるべき領域を、ハッチングにより示している。図58に示すように、突出部512は、法線方向z視(xy平面視、以下同様)において、白色樹脂58を囲む形状である。突出部512と基板1との間に、接着層8が介在していてもよい。
【0144】
本変形例のLED光源装置C7を製造する際、接着層8になる液状の接着剤を底面511に塗布した状態で、リフレクタ51を基板1に対し貼り合わせる。このとき、底面511に塗布された接着剤は、突出部512によってせき止められるため、突出部512よりも白色樹脂58の配置される側に侵入しにくい。よって、接着層8が、リフレクタ51から、白色樹脂58の配置される側にはみ出ることを防止できる。そのため、接着層8になる液状の接着剤をより多く底面511に塗布することができる。これにより、接着層8によって、リフレクタ51を基板1に対し、より強固に接合することができる。
【0145】
また、本変形例においては、突出部512は、法線方向z視において、白色樹脂58を囲む形状である。このような構成は、接着層8が、リフレクタ51から白色樹脂58の配置される側にはみ出ることを防止するのにより好適である。
【0146】
図59、図60は、リフレクタ51についての他の変形例を示している。図61は、リフレクタ51のみを示す平面図である。図61では、LEDチップ4が配置されるべき位置を点線で示している。本変形例にかかるLED光源装置C8のリフレクタ51は、表面591,592,593,594を有する点において、LED光源装置C7と主に相違する。また、本変形例において透光樹脂55は、法線方向zに向かって膨らむ形状である。
【0147】
表面591は、主面11の法線方向zを向く。図61に示すように、表面591は、法線方向z視において、複数のLEDチップ4のいずれか一つを囲んでいる。表面591は平坦である。表面591は透光樹脂55に覆われている。表面592は、表面591につながり且つ表面591に対し傾く。本変形例においては、表面592と表面591との境界は尖っている。表面592は、表面591に方向z視において囲まれた領域とは反対側を向く。すなわち、図59において、表面592は、右側もしくは左側を向く。表面592は、透光樹脂55に覆われておらず、透光樹脂55から露出している。表面593は、表面591につながり且つ表面591に対し傾く。本変形例においては、表面593と表面591との境界は尖っている。表面593は、表面591に方向z視において囲まれた領域とは反対側を向く。すなわち、図60において、表面593は、右側もしくは左側を向く。図61に示すように、表面593は表面592とつながっている。表面593は、透光樹脂55に覆われておらず、透光樹脂55から露出している。表面594は主面11の法線方向zを向く。表面594からは、表面592が表面591に向かって起立している。表面594は、透光樹脂55に覆われておらず、透光樹脂55から露出している。なお、本実施形態と異なり、リフレクタ51が表面594に相当する面を有さなくても良い。すなわち、リフレクタ51が筒状であってもよい。また、リフレクタ51が突出部512を有さなくてもよい。
【0148】
図62に示すように、本変形例にかかるLED光源装置C8は液晶パネル7とともに用いられることにより液晶表示装置B2を構成する。しかしLED光源装置C8は、上述のLED光源A1〜A6,C1〜C7とは異なり、導光板6とともに用いられない。複数のLED光源装置C8が、液晶パネル7に対向する位置に配置され、面状の光源として機能する。
【0149】
本変形例によると、透光樹脂55になる液状の樹脂材を開口52に充填する場合、当該樹脂材は、表面591も覆うことがある。上記樹脂材を開口52に充填する際、表面592は、表面591よりも重力方向において下側に位置する。そのため、上記樹脂材が表面591を覆っても、樹脂材の表面張力の影響により、樹脂材が表面592に流れにくい。これにより、樹脂材を表面591上にて留まらせることができる。よって、樹脂材が硬化したものである透光樹脂55を、法線方向z視において、表面591ないし表面591に囲まれた領域内に形成することができる。したがって、透光樹脂55の形状が大きく崩れることを防止でき、所望の形状の透光樹脂55を形成することができる。
【0150】
なお、LED光源装置C8は導光板6とともに用いないのが好ましいが、LED光源装置C3等と同様に、導光板6とともに用いられてもよい。
【0151】
本発明にかかるLED光源装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明にかかるLED光源装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0152】
たとえば、本発明に基づくLED光源装置A1〜A6はリフレクタを必要としない構成を備えているが、さらに輝度を高めるためにLED光源装置C1〜C8で用いられるようなリフレクタ51を設けても構わない。
【符号の説明】
【0153】
A1〜A6 LED光源装置
B1 液晶表示装置
10 基板
11 主面
111 絶縁層
12 凹部
121 底面
122 側面
122a,122b,122c,122d 斜面
123 接合部材
20 絶縁部材
21 主面
30 金属膜
310 共通帯状部
320 パッド部
321 露出部
330 連絡帯状部
340 接続端子部
40 LEDチップ
41 ツェナーダイオード
42 ワイヤ
500 被覆部材
501 開口部
510 透光樹脂
6 導光板
61 入射面
62 反射面
621 溝
63 出射面
7 液晶パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDチップと、
上記複数のLEDチップを支持する支持部材と、
を備えるLED光源装置であって、
上記支持部材は、厚さ方向における一方側を向く主面を有しており、
上記支持部材には、上記厚さ方向における他方側へ凹む複数の凹部が形成されており、
上記複数のLEDチップのいずれかである第1のLEDチップが、上記複数の凹部のいずれかである第1の凹部に設置されており、
上記支持部材の主面に設けられ、上記第1のLEDチップと導通する金属膜と、
上記第1のLEDチップを覆うように上記第1の凹部に充填された第1の透光樹脂と、を備えていることを特徴とする、LED光源装置。
【請求項2】
上記各凹部は、上記厚さ方向において上記主面と離間する底面、および、上記底面と上記主面との間に設けられた側面を有しており、
上記第1の凹部の上記側面は、上記厚さ方向において上記主面に近づくにつれて、上記厚さ方向に対して直交する方向において上記第1のLEDチップから遠ざかるように傾斜している、請求項1に記載のLED光源装置。
【請求項3】
上記支持部材は、金属製の基板と、上記基板の上記厚さ方向における一方側の面を覆う絶縁部材とを有しており、
上記主面は、上記絶縁部材の上記厚さ方向における一方側の面である、請求項2に記載のLED光源装置。
【請求項4】
上記基板は、アルミニウム製である、請求項3に記載のLED光源装置。
【請求項5】
上記絶縁部材は、上記第1の凹部を露出させるように形成されている、請求項3または4に記載のLED光源装置。
【請求項6】
上記支持部材は、上記厚さ方向における一方側の面に絶縁処理が施された金属製の基板である、請求項3または4に記載のLED光源装置。
【請求項7】
上記金属膜を覆うように形成された被覆部材を備えており、
上記被覆部材には、上記第1の凹部を露出させる第1の開口部が形成されている、請求項2ないし6のいずれかに記載のLED光源装置。
【請求項8】
上記金属膜の少なくとも一部が、上記第1の開口部から露出している、請求項7に記載のLED光源装置。
【請求項9】
上記金属膜は、上記第1の開口部から露出し、かつ、上記厚さ方向視において上記第1の凹部と重ならないように形成された露出部を有しており、
上記第1のLEDチップと上記露出部とがワイヤにより接続されている、請求項8に記載のLED光源装置。
【請求項10】
上記被覆部材の上記厚さ方向における一方側の面は、上記ワイヤの上記厚さ方向における一方側の端よりも、上記厚さ方向において一方側に位置している、請求項9に記載のLED光源装置。
【請求項11】
上記第1の開口部は上記第1の透光樹脂によって充填されている、請求項10に記載のLED光源装置。
【請求項12】
上記第1のLEDチップは、上記厚さ方向における一方側に1対の電極パッドを有しており、
上記ワイヤは、上記露出部と上記1対の電極パッドのいずれかとを接続している、請求項9ないし11のいずれかに記載のLED光源装置。
【請求項13】
上記第1のLEDチップの上記厚さ方向における他方側の端部と上記第1の凹部の底面とを接合する接合部材を備えている、請求項12に記載のLED光源装置。
【請求項14】
上記第1の凹部は、上記厚さ方向視において、上記厚さ方向と直交する第1の方向を長手方向とする矩形状である、請求項12または13に記載のLED光源装置。
【請求項15】
上記第1の凹部は、上記厚さ方向視において、上記厚さ方向と直交する第1の方向を長手方向とする略矩形状であり、
上記第1の凹部の四隅が曲線により構成されている、請求項12または13に記載のLED光源装置。
【請求項16】
上記第1の凹部内の上記第1の方向において上記第1のLEDチップと離間する位置に設置された第2のLEDチップを備えている、請求項14または15に記載のLED光源装置。
【請求項17】
上記第2のLEDチップは、上記厚さ方向における一方側に1対の電極パッドを有しており、
上記第1のLEDチップの1対の電極パッドの一方に接続された上記ワイヤは、上記第2のLEDチップの1対の電極パッドのいずれかに接続されている、請求項16に記載のLED光源装置。
【請求項18】
上記厚さ方向および上記第1の方向と直交する第2の方向において、上記第1のLEDチップと上記第2のLEDチップとは異なる位置にある、請求項17に記載のLED光源装置。
【請求項19】
上記第1のLEDチップおよび上記第2のLEDチップは、上記厚さ方向視において矩形状であり、
上記厚さ方向視において、上記第1のLEDチップおよび上記第2のLEDチップの少なくとも一方の辺が上記第1の方向および上記第2の方向に対して傾斜している、請求項17に記載のLED光源装置。
【請求項20】
上記第1のLEDチップのいずれかの辺が上記第1の方向に対して45°傾斜しており、上記第2のLEDチップのいずれかの辺が上記第1の方向に対して45°傾斜している、請求項19に記載のLED光源装置。
【請求項21】
上記支持部材は、上記第1の方向を長手方向とする長矩形状であり、
上記複数のLEDチップおよび上記複数の凹部は、上記第1の方向に沿って配列されている、請求項14ないし20のいずれかに記載のLED光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2013−80860(P2013−80860A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220857(P2011−220857)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】